JP4103471B2 - ラミネート電池、およびそれを搭載する車両 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はラミネート電池に関し、より詳しくは、電池要素を包含する外装材内部への水分の浸透が防止され、長期間使用しても優れた電池特性を維持しうるラミネート電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、燃料電池自動車(FCV)の実用化に向けてモータ駆動用電池の開発が鋭意行われている。モータ駆動用電池としては、繰り返し充電が可能な二次電池の使用が提案されている。
【0003】
これまでに提案されている二次電池の形態としては、電池要素が金属製の缶の内部に配置された構造を有する缶電池、電池要素がラミネートシートを用いて封止された構造を有するラミネート電池などがある。自動車などの移動体用電源としては、軽量化および小型化に役立つラミネート電池が好ましい。
【0004】
ところで、空気中の水分が二次電池内部に浸透すると、化学反応によって電池特性の劣化が惹起される。したがって、二次電池の電池要素は、外気と接触しないように完全に密封される必要がある。特に、ラミネート電池は缶電池に比べて密封性が劣るため、ラミネート電池の密封性を確保するための手段の開発が所望されている。
【0005】
この問題を扱う技術として、特開2000−223087号公報に記載されているラミネート電池が挙げられる。該発明は、電解液を注入する封口部においてラミネートシートからなる外装構造の密封性が低下して、外気中の水分が浸入しやすい点を考慮してなされたものであり、封口部が、封口部の密封性を確保するための封口部補助部材でさらに覆われる。
【0006】
比較的短期間の用途(例えば、通常2〜3年間使用される携帯電話)に適用されるのであれば、外装構造が、ある程度の密封性を有していれば充分かもしれない。しかしながら、比較的長期間の用途(例えば、通常数年、場合によっては10年以上使用される自動車)に適用されるのであれば、外装構造が、より高い密封性を有していることが所望される。特に自動車用電源として用いる場合には、ラミネート電池が振動や熱に晒されるため、高い密封性が所望される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明が目的とするところは、長期間に渡って密封性を維持する外装構造を提供し、これによりラミネート電池の電池特性を長期間に渡って持続させることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、積層構造を有する電池要素と、前記電池要素を内部に封止するラミネートシートと、前記電池要素から前記ラミネートシートの外部に引き出されてなるタブと、前記タブと前記ラミネートシートとの間に存在して、前記タブと前記ラミネートシートとの結合を介在するシール部材とを有し、前記シール部材はラミネート電池内部への水分の浸透を防止するための部材を含む、ラミネート電池であって、前記水分の浸透を防止するための部材は、水分吸収剤を含む熱可塑性樹脂であることを特徴とするラミネート電池である。
【0009】
【発明の効果】
かような構成を有する本発明のラミネート電池は、長期間に渡って密封性が維持され、大気中の水分のラミネート電池内部への浸透が防止される。このため、本発明のラミネート電池の電池特性は、長期間に渡って持続されうる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の第一は、積層構造を有する電池要素と、前記電池要素を内部に封止するラミネートシートと、前記電池要素から前記ラミネートシートの外部に引き出されてなるタブと、前記タブと前記ラミネートシートとの間に存在して、前記タブと前記ラミネートシートとの結合を介在するシール部材とを有し、前記シール部材はラミネート電池内部への水分の浸透を防止するための部材を含む、ラミネート電池である。本発明について、以下、図面を参照しながら説明する。
【0011】
上述したように、ラミネート電池が長期間連続使用される場合には、ラミネート電池にはより高い密封性が要求される。本発明者らは、電池要素からラミネートシートの外部に引き出されるタブとラミネートシートとの接着面において、密封性が不充分になりやすいという知見を得た。つまり、金属から形成されるタブと、ラミネートシートとして一般的に用いられる樹脂との界面において、接着性が低下する傾向がある。そのため、タブとラミネートシートとの界面を通じて、外気中の水分がラミネート電池内部に侵入しやすい。そこで、本発明のラミネート電池10においては、タブ12とラミネートシート13との間に、シール部材14が配置される。シール部材14は金属から形成されるタブ12と接着し、かつ、ラミネートシート13と熱融着しうる材料からなる。従って、タブ12とシール部材14との間の接着性、および、ラミネートシート13とシール部材14との間の接着性の双方が確保される。これにより、タブ12とラミネートシート13との界面を通じて外気中の水分がラミネート電池10の内部に侵入することを防止できる。
【0012】
シール部材14は、タブ12とラミネートシート13との間に存在して、タブ12とラミネートシート13との結合を介在しうる。通常は、タブとラミネートシート13とが直接接触しないように、タブ12の周囲がシール部材14によって囲繞されてなる。シール部材14がタブ12の周囲を囲繞する範囲は、タブ12とラミネートシート13との接触を妨げれば、特に限定されない。タブ12周辺における密着性を確保するためには、ラミネート電池を積層方向から観察した場合に(図1の視点)、タブ12とラミネートシート13とが重なる部分において、少なくともシール部材14が存在するとよい。通常は、シール部材14の熱融着に必要な部分を確保できるように、タブ12とラミネートシート13とが重なる部分よりも広い範囲にシール部材14が存在する。
【0013】
シール部材14を用いてタブ12とラミネートシート13とを接着することによって、優れた接着性を確保できる。しかしながら、シール部材14がポリプロピレンなどの材料のみから構成されていると、長期間の使用によりラミネート電池内部に水分が浸透しうることを、本発明者らは見出した。
【0014】
つまり、タブ12とラミネートシート13との接着性を完全に確保できた場合であっても、徐々にではあるが、外気中の水分がシール部材14の内部へ浸透する。故に、ラミネート電池が、長期間に渡って使用される場合、外気中の水分のシール部材14を通じてのラミネート電池内部への浸透を無視できない。ラミネート電池内部に浸透した水分は電池性能に悪影響を及ぼしうるため、外気中の水分のラミネート電池内部への浸透を防止する必要がある。
【0015】
かような問題は、シール部材14がラミネート電池内部への水分の浸透を防止するための部材16(以下、「浸透防止部材」と記載)を含む本発明のラミネート電池によって解決される。本発明において、浸透防止部材とは、シール部材を浸透する水分がラミネート電池内部に到達することを抑制する部材を意味する。水分のラミネート電池内部への到達を抑制できるのであれば、そのメカニズムは特に限定されない。例えば、水分の浸透速度が極めて遅い材料の使用、水分を吸着除去しうる材料の使用などが考えられる。
【0016】
好ましくは、浸透防止部材は、水分吸収剤を含む熱可塑性樹脂である。浸透防止部材中に包含される水分吸収剤によって、浸透してきた水分が除去されるため、ラミネート電池内部まで水分が到達することを防止できる。熱可塑性樹脂としては、公知の材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、AS樹脂(アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂)、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂)、ポリ塩化ビニル、メタクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。水分吸収剤としては、シリカゲル、活性炭、ゼオライトなどの公知の水分吸収剤が挙げられる。
【0017】
また、好ましくは、浸透防止部材は、ポリエチレンからなる。この場合、前述の水分吸収剤は含んでも含まなくてもよい。ポリエチレンは、水分の浸透速度が、熱可塑性樹脂の中で遅いため水分の浸透を抑制する上で効果的である。また、汎用高分子材料として広く用いられており、入手も容易である。なお、水分吸収剤を用いない場合には、製造コストを抑えることも可能である。
【0018】
シール部材の全体が、浸透防止部材から形成されてもよい(図示せず)。例えば、シール部材が、水分吸収剤が全体に分散されてなる熱可塑性樹脂であってもよい。水分吸収剤は、シール部材の全体に均一に分散されていてもよく、また、シール部材の端部近傍における接着性を確保するため、中心部に近づくほど分散度が高くなるような傾斜材料としてもよい。シール部材の全体が、単一の母材から形成される場合には、シール部材14を複数の材料から形成する場合と比較して、シール部材14の形成工程を単純化しうる。
【0019】
一方、シール部材14は、浸透防止部材16に加えて、タブ12やラミネートシート13との密着性を確保するための部材15(以下、「密着部材」と記載)を含んでもよい。かような実施形態においては、主として、密着部材がタブ12やラミネートシート13との密着性を確保する役割を担い、浸透防止部材16がシール部材14内部を貫通して水分が浸透することを防止する役割を担う。しかしながら、厳密に役割分担がなされていなくともよい。例えば、全体の密着性を高める観点からは、浸透防止部材16がタブ12やラミネートシート13との密着性を有していることが好ましい。好適な浸透防止部材は、前述の通りである。
【0020】
密着部材は、タブおよびラミネートシートの双方との密着性に優れる材料からなる部材を意味する。密着部材は、熱融着によって密着性を確保しうる熱可塑性樹脂を用いるとよい。熱融着材料としては、一般に用いられる材料、例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン、AS樹脂(アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂)、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂)、ポリ塩化ビニル、メタクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。この中では、タブおよびラミネートシートとの密着強度が高いポリプロピレンが好ましい。
【0021】
シール部材が密着部材および浸透防止部材を含む場合には、図1および図2に示すように、密着部材15は、シール部材14が外気と接する部分に配置されてなることが好ましい。密着部材15を、ラミネート電池の外部側に配置することによって、機械的な力に対するラミネート電池の耐久性を高めることができる。ラミネート電池の外側には外力が加わりやすいため、かような構成とするが有効である。従って、シール部材がそれぞれ一つの密着部材15および浸透防止部材16から形成される場合は、図1に示すように、ラミネート電池の内部から外部に向かって、浸透防止部材16、密着部材15を順に配置するとよい。また、場合によっては、密着部材が積層構造を有していてもよい(図示せず)。即ち、タブ12と接着性を有する密着部材と、ラミネートシート13と高い接着性を有する密着部材とが、積層した構造であってもよい。かような実施形態も本発明の技術的範囲に包含される。
【0022】
図1に示すラミネート電池においては、配置された浸透防止部材16によって、密着部材15を通じて浸透してきた水分がラミネート電池10内部へ浸透することが防止される。一方、タブ12とラミネートシート13との間の密着性は、密着部材15によって確保される。このため、タブ12とラミネートシート13との間に存在する界面を通じて、外気中の水分がラミネート電池内部に侵入することも防止される。つまり、各材料の不充分な密着による水分の浸入が防止される。加えて、シール部材14を貫通しての水分の浸透が防止される。これらの作用により、ラミネート電池の電池特性の劣化が効果的に防止される。
【0023】
シール部材14が図1の実施形態のように複数の部材から構成される場合、各構成部材は厳密に一体化していなくともよい。例えば、密着部材15と浸透防止部材16との間に隙間が存在していてもよく、かような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0024】
また密着部材は、図3に示すように、ラミネート電池内部の雰囲気と接する部分に配置されてなることが好ましい。密着部材15’がラミネート電池内部の雰囲気と接する部分に配置されていると、電池内部でのガス発生による圧力の上昇に対する耐久性が向上する。すなわち、何らかの原因によりラミネート電池内部でガスが発生し、内部圧力が上昇した場合であっても、ラミネート電池の内部側に配置された密着部材15’の強固な密着力によって、タブ12とラミネートシート13との間で剥離が生じることを抑制できる。好ましくは、図3に示すように、ラミネート電池の内部から外部に向かって、密着部材15’、浸透防止部材16、密着部材15を順に配置する。密着部材が、シール部材14が外気と接する部分、および、ラミネート電池内部の雰囲気と接する部分の双方に配置されていると、外力に対しても優れた耐久性を有し、内部ガス圧の上昇に対しても優れた耐久性を有するラミネート電池が得られる。なお、2以上の密着部材が配置される場合には、各密着部材は同一の材料であっても、異なる材料であっても、いずれでもよい。
【0025】
浸透防止部材16の形状は、いかなるものであってもよく、特に限定されない。形成のし易さを考慮すると、図1および3に示すように、タブにおけるラミネート電池内部からラミネート電池外部方向(タブの長さ方向)に対して垂直方向(タブの幅方向)に延びる帯状が好ましい。ただし、完全な帯状である必要はなく、外形が、波型形状(図5参照)や滑らかな曲線(図示せず)を呈していてもよい。
【0026】
また、浸透防止部材16は、タブの幅方向の端部から端部まで連続して存在していなくともよい。外気中の水分のラミネート電池内部への浸透は、密着部材15の内部を水分が拡散することにより進行する。従って、浸透防止部材16が幅方向の端部から端部まで連続して存在していなくとも、浸透防止部材16によって充分に水分を除去することも可能である。具体的には、図6に示すように、シール部材14中に浸透防止部材16が点在してなることが好ましい。浸透防止部材16の密着強度が低い場合には、このようにシール部材を点在して配置することによって、浸透防止部材16による密着強度の低下を抑制しうる。また、使用する浸透防止部材16の配置面積を抑制することによって、浸透防止部材16の材料コストを抑えることもできる。これは、浸透防止部材16が高価である場合に特に有効である。
【0027】
点在させられる浸透防止部材16の配置位置は、密着性を充分に確保するためには、シール部材14の中央近傍であることが好ましい。シール部材14の端部近傍、特に、タブ12の長さ方向の端部近傍に存在していると、外力や内部圧力に対する耐久性が低下する恐れがある。具体的には、シール部材14が外気および/またはラミネート電池内部の雰囲気と接する部分から1cm以内の領域に浸透防止部材16が存在しないことが好ましい。
【0028】
点在させられる浸透防止部材16の形状は、特に限定されない。図6に示すように円形状であってもよいし、楕円、三角形、四角形など他の形状を有していてもよい。場合によっては、二以上の形状が混在していてもよい。
【0029】
本発明のラミネート電池としては、リチウムイオン二次電池、ポリマーリチウム電池、ニッケル−水素電池、ニッケル−カドミウム電池などが挙げられる。これらの中では、車両用電源としての用途を考慮すると、出力およびエネルギー密度に優れるリチウムイオン二次電池が好ましい。リチウムイオン二次電池であるラミネート電池を直列に接続した組電池を車両用電源とした場合、全体の出力電圧が400V程度の組電池を得ることも可能である。
【0030】
本発明のラミネート電池における、積層構造を有する電池要素11、タブ12、ラミネートシート13などの材料は、公知の材料を用いればよく、特に限定されるものではない。参考までに、以下、本発明のラミネート電池がリチウムイオン二次電池である場合について簡単に記述する。ただし、本発明のラミネート電池は、リチウムイオン二次電池に限定されるわけではない。なお、電池要素11とは、充放電に実質的に関与する正極、セパレータ、負極などが積層されてなる部分を意味する。
【0031】
[正極]
正極は、アルミニウム等からなる正極集電体の両面に正極材料が結着した構造を有する。正極材料としては、種々の酸化物(LiMn24などのリチウムマンガン酸化物;二酸化マンガン;LiNiO2などのリチウムニッケル酸化物;LiCoO2などのリチウムコバルト酸化物;リチウム含有ニッケルコバルト酸化物;リチウムを含む非晶質五酸化バナジウムなど)や、カルコゲン化合物(二硫化チタン、二硫化モリブテンなど)等を挙げることができる。これらの中では、得られるリチウムイオン二次電池の出力特性を考慮すると、リチウムマンガン酸化物またはリチウムニッケル酸化物が好ましい。
【0032】
正極集電体には、導電性を向上させるために、導電性材料を併せて結着させてもよい。導電性材料としては、例えば、人造黒鉛、カーボンブラック(例えばアセチレンブラックなど)、ニッケル粉末等が挙げられる。
【0033】
正極集電体としては、例えばアルミニウム製エキスパンドメタル、アルミニウム製メッシュ、アルミニウム製パンチドメタル等を用いることができる。なお、正極は正極集電体の片面に正極材料を結着させた構造であってもよい。
【0034】
[負極]
負極は、銅などからなる負極集電体の両面に負極材料が結着した構造を有する。負極材料としては、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素材料を用いることができる。このような炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバー、コークス、有機前駆体(例えば、フェノール樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロース等)を不活性雰囲気中で熱処理して合成した炭素などが挙げられる。好ましくは、負極は非晶質カーボン系材料からなる。本願において「非晶質カーボン系材料」とは結晶構造を有さない炭素材料を意味し、換言すれば非晶質炭素材料を意味する。このような非晶質カーボン系材料は熱硬化性樹脂を炭素化することによって得られる。因みに、放電による電圧依存が大きい非晶質カーボン系材料を用いると、2以上のリチウムイオン二次電池を並列に接続した場合におけるリチウムイオン二次電池のサイクル特性を向上させることができる。
【0035】
負極集電体としては、例えば銅製エキスパンドメタル、銅製メッシュ、銅製パンチドメタル等を用いることができる。なお、負極は負極集電体の片面に負極材料を結着させた構造であってもよい。
【0036】
[セパレータ]
セパレータは、ポリオレフィン系微多孔質セパレータ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンを用いることができ、セパレータ中には、非水電解液が含浸させられる。非水電解液は、非水溶媒に電解質を溶解することにより調製される。非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン等を挙げることができる。非水溶媒は、単独で使用しても、2種以上混合して使用しても良い。電解質としては、例えば過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ素リチウム(LiBF4)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CF3SO32]等のリチウム塩を挙げることができる。電解質の非水溶媒に対する溶解量は、通常は0.2mol/L〜2mol/L程度である。
【0037】
非水電解液を保持するポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキサイド誘導体、ポリプロピレンオキサイド誘導体、前記誘導体を含むポリマー、ビニリデンフロライド(VdF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体等が挙げられる。
【0038】
[ラミネートシート]
ラミネートシートは電池の外装材として用いられる。一般には、熱融着性樹脂フィルム、金属箔、剛性を有する樹脂フィルムがこの順序で積層された高分子金属複合フィルムが用いられる。
【0039】
熱融着性樹脂としては、例えばポリエチレン(PE)、アイオノマー、エチレンビニルアセテート(EVA)等を用いることができる。金属箔としては、例えばAl箔、Ni箔を用いることができる。剛性を有する樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン等を用いることができる。具体的には、シール面側から外面に向けて積層したPE/Al箔/PETの積層フィルム;PE/Al箔/ナイロンの積層フィルム;アイオノマー/Ni箔/PETの積層フィルム;EVA/Al箔/PETの積層フィルム;アイオノマー/Al箔/PETの積層フィルム等を用いることができる。熱融着性樹脂フィルムは、電池要素を内部に収納する際のシール層として作用する。金属箔や剛性を有する樹脂フィルムは、湿性、耐通気性、耐薬品性を外装材に付与する。ラミネートシートは、超音波融着等を用いて、容易かつ確実に接合させることができる。
【0040】
[タブ]
タブには、銅、鉄から選ばれる金属を用いることができるが、アルミニウム、ステンレス鋼といった金属またはこれらを含む合金材料も同様に使用可能である。また、表面被覆層にはニッケルが最も好適に使用できるが、銀、金といった金属材料も同様に使用可能である。
【0041】
本発明のラミネート電池の製造は、当業者であれば想到するであろう公知技術を用いて行うことができる。例えば、タブの所定の位置に、熱融着技術を用いてシート部材を配置する。このタブを電池要素と接続する。次に、タブが接続された電池要素をラミネートシートで包み込み、電解液を注入するための封口部を残して熱融着する。このとき、タブはラミネートシート外部に引き出され、所定の位置で熱融着されるようにする。続いて、封口部を通じて電解液を注入し、封口部を熱融着により閉じて、ラミネート電池を完成させる。ただし、勿論、この製造方法に限定されるものではない。
【0042】
本発明の第二は、前記ラミネート電池を搭載してなる車両である。参考までに、図7に、本発明のラミネート電池10を搭載する車両(自動車)17の斜視図を示す。車両に搭載されるラミネート電池10は、上記説明した特性を有する。このため、本発明のラミネート電池を搭載してなる車両は高い耐久性を有し、長期間に渡って使用した後であっても充分な出力を提供しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電池内部から電池外部方向に向かって、浸透防止部材、密着部材が配置されている、本発明のラミネート電池の部分平面図である。
【図2】 図1のラミネート電池のII−II面での断面図である。
【図3】 電池内部から電池外部方向に向かって、密着部材、浸透防止部材、密着部材が配置されている、本発明のラミネート電池の部分平面図である。
【図4】 図3のラミネート電池のIV−IV面での断面図である。
【図5】 浸透防止部材が波型形状を呈している、本発明のラミネート電池の部分平面図である。
【図6】 浸透防止部材がシール部材中に点在している、本発明のラミネート電池の部分平面図である。
【図7】 本発明のラミネート電池を搭載する車両の斜視図である。
【符号の説明】
10…ラミネート電池、11…電池要素、12…タブ、13…ラミネートシート、14…シール部材、15,15’…密着性を確保するための部材(密着部材)、16…水分の浸透を防止するための部材(浸透防止部材)、17…車両としての自動車

Claims (7)

  1. 積層構造を有する電池要素と、
    前記電池要素を内部に封止するラミネートシートと、
    前記電池要素から前記ラミネートシートの外部に引き出されてなるタブと、
    前記タブと前記ラミネートシートとの間に存在して、前記タブと前記ラミネートシートとの結合を介在するシール部材とを有し、
    前記シール部材はラミネート電池内部への水分の浸透を防止するための部材を含む、ラミネート電池であって、
    前記水分の浸透を防止するための部材は、水分吸収剤を含む熱可塑性樹脂であることを特徴とするラミネート電池
  2. 前記水分の浸透を防止するための部材は、前記シール部材中に点在してなることを特徴とする請求項に記載のラミネート電池。
  3. 前記シール部材は、前記シール部材が外気と接する部分に配置されてなる、密着性を確保するための部材を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のラミネート電池。
  4. 前記シール部材は、ラミネート電池内部の雰囲気と接する部分に配置されてなる、密着性を確保するための部材を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のラミネート電池。
  5. 前記密着性を確保するための部材はポリプロピレンから構成されてなることを特徴とする請求項3または4に記載のラミネート電池。
  6. リチウムイオン二次電池であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のラミネート電池。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のラミネート電池を搭載してなる車両。
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