JP7130920B2 - 非水電解液二次電池、非水電解液二次電池の設計方法及び非水電解液二次電池の製造方法 - Google Patents

非水電解液二次電池、非水電解液二次電池の設計方法及び非水電解液二次電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、非水電解液二次電池、非水電解液二次電池の設計方法及び非水電解液二次電池の製造方法に関する。
非水電解液二次電池の一例として、リチウムイオン二次電池が知られている。リチウムイオン二次電池は、ニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池等と比較して、軽量、高容量であり、携帯電子機器用の電源として広く用いられている。
一方で、リチウムは反応性が高いため、リチウムイオン二次電池の安全性を高める試みが検討されている。リチウムイオン二次電池の動作時に過充電等が生じると、電池が発熱する。電池の発熱は、非水電解液二次電池の寿命の低下や劣化の原因となる。
特許文献1には、熱を効率的に逃がすために、放熱板を設けることが記載されている。また特許文献2には、セパレータの厚み方向の熱伝導率を高めることが記載されている。また特許文献3には、電池内部から外部まで連続する金属製軸心を設け、軸心と正極又は負極の接続部材とを接合することで、過充電等の電池異常反応に伴う発熱を軸芯から接続部材を介して放熱できることが記載されている。
特開2011-113895号公報 特開2006-269358号公報 特開2006-40772号公報
しかしながら、特許文献1のように電池の反応に寄与しない放熱板を設けると、非水電解質二次電池が嵩高くなり、集積性が低下する。また特許文献2及び3に記載のリチウム二次電池は、非水電解質二次電池の面内方向に熱を効率的に逃がすことができない。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、過充電時の表面温度を抑えることができる非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、新たに見出した積分値(以下の一般式(1))という共通の技術的思想を用いて、正極端子及び負極端子の位置と積層体の形状との関係を決定することで、非水電解質二次電池が高温になることを抑制できることを見出した。
すなわち、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)第1の態様にかかる非水電解液二次電池は、正極端子が接続された正極集電体を有する正極と、負極端子が接続された負極集電体を有する負極と、前記正極及び前記負極の間に配設されたセパレータと、をそれぞれ1層以上有する積層体を備え、前記正極端子及び前記負極端子は、前記積層体を積層方向から平面視した際に一方の側面にそれぞれ接続され、前記積層体を平面視において区分する微小領域の面積をdS、前記微小領域の重心から前記正極端子又は前記負極端子の近い方の端子の接続中心までの距離をrとした際に、前記積層体のアスペクト比は、以下の一般式(1)が極小値Eminをとるアスペクト比Aminに対して0.6倍以上2.8倍以下の範囲内である。
Figure 0007130920000001
(2)第2の態様にかかる非水電解液二次電池は、正極端子が接続された正極集電体を有する正極と、負極端子が接続された負極集電体を有する負極と、前記正極及び前記負極の間に配設されたセパレータと、をそれぞれ1層以上有する積層体を備え、前記正極端子及び前記負極端子は、前記積層体を積層方向から平面視した際に前記積層体の異なる側面にそれぞれ接続され、前記積層体を平面視において区分する微小領域の面積をdS、前記微小領域の重心から前記正極端子又は前記負極端子の近い方の端子の接続中心までの距離をrとした際に、前記積層体のアスペクト比は、以下の一般式(1)が極小値Eminをとるアスペクト比Aminに対して0.6倍以上2.1倍以下の範囲内である。
Figure 0007130920000002
(3)第3の態様にかかる非水電解液二次電池は、正極端子が接続された正極集電体を有する正極と、負極端子が接続された負極集電体を有する負極と、前記正極及び前記負極の間に配設されたセパレータと、をそれぞれ1層以上有する積層体を備え、前記正極端子及び前記負極端子は、前記積層体を積層方向から平面視した際に前記積層体の面内にそれぞれ接続され、前記積層体を平面視において区分する微小領域の面積をdS、前記微小領域の重心から前記正極端子又は前記負極端子の近い方の端子の接続中心までの距離をrとした際に、前記積層体のアスペクト比は、以下の一般式(1)が極小値Eminをとるアスペクト比Aminに対して0.4倍以上1.6倍以下の範囲内である。
Figure 0007130920000003
(4)上記態様にかかる非水電解液二次電池において、前記積層体のアスペクト比が、一般式(1)が極小値Eminをとるアスペクト比Aminであってもよい。
上記態様に係る非水電解液二次電池によれば、過充電時に表面温度が高温になることを抑えることができる。
第1実施形態にかかる非水電解液二次電池の断面模式図である。 第1実施形態にかかる非水電解液二次電池の積層体の斜視模式図である。 第1実施形態にかかる非水電解液二次電池の積層体の平面模式図である。 第2実施形態にかかる非水電解液二次電池の積層体の平面模式図である。 第3実施形態にかかる非水電解液二次電池の積層体の平面模式図である。 第3実施形態にかかる非水電解液二次電池の断面模式図である。 第4実施形態にかかる非水電解液二次電池の積層体の平面模式図である。 実施例1において、積層体の平面形状を矩形とし、正極端子及び負極端子を積層体の一方の側面にそれぞれ接続した場合の過充電時における表面温度の最高値を示す。 実施例2において、積層体の平面形状を矩形とし、正極端子及び負極端子を積層体の対向する二つの側面にそれぞれ接続した場合の過充電時における表面温度の最高値を示す。 実施例3において、積層体の平面形状を矩形とし、正極端子及び負極端子を積層体の面内にそれぞれ接続した場合の過充電時における表面温度の最高値を示す。 実施例4において、積層体の平面形状を楕円とし、正極端子及び負極端子を積層体の面内にそれぞれ接続した場合の過充電時における表面温度の最高値を示す。
以下、本実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
「第1実施形態」
[非水電解液二次電池]
図1は、第1実施形態にかかる非水電解液二次電池の断面模式図である。図1に示すように、第1実施形態にかかる非水電解液二次電池100は、積層体40と、外装体50とを備える。積層体40と非水電解液(図視略)は、外装体50に設けられた収容空間内に収容される。
(積層体)
図1に示すように、積層体40は、正極20と、負極30と、セパレータ10と、をそれぞれ1層以上有する。セパレータ10は、正極20と負極30との間に配設されている。正極20、負極30、及びセパレータ10は、それぞれ1層以上設けられている。
正極20は、正極集電体22と、正極活物質層24と、正極端子26とを有する。正極端子26は、第1端部が正極集電体22に接続され、第2端部が外装体50の外側に延出する。以下、積層体40の積層方向をz方向とし、z方向に対して直交する面の一方向をx方向、面内でx方向に直交する方向をy方向とする。
「正極」
正極20は、正極集電体22と、正極活物質層24とを有する。正極活物質層24は、正極集電体22の両面に配設される。
正極集電体22は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。正極端子26は、導電性を有すればよく、正極集電体22と同様のものを用いることができる。接触抵抗を下げるためには、いずれも同様の材質を用いることが好ましい。
正極活物質層24は、正極活物質とバインダーとを有し、必要に応じて導電助剤を有する。
正極活物質は、イオンの吸蔵及び放出、イオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、イオンとイオンのカウンターアニオン(例えば、PF )とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能な電極活物質を用いることができる。イオンとしては、リチウム、マグネシウム等を用いることができる。
例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、及び、一般式:LiNiCoMn(x+y+z+a=1、0≦x<1、0≦y<1、0≦z<1、0≦a<1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV)、オリビン型LiMPO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn、Fe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素又はVOを示す)、チタン酸リチウム(LiTi12)、LiNiCoAl(0.9<x+y+z<1.1)等の複合金属酸化物、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセンなどが挙げられる。
導電助剤は、例えば、カーボンブラック類等のカーボン粉末、カーボンナノチューブ、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。正極活物質のみで十分な導電性を確保できる場合は、非水電解液二次電池100は導電助剤を含んでいなくてもよい。
また正極活物質層は、バインダーを含む。バインダーは、公知のものを用いることができる。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン-クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、が挙げられる。
「負極」
負極30は、負極集電体32と、負極活物質層34と、負極端子36とを有する。負極端子36は、第1端部が負極集電体32に接続され、第2端部が外装体50の外側に延出する。
負極集電体32及び負極端子36は、正極と同様のものを用いることができる。負極活物質層34は、正極集電体22と同様に、負極集電体32の両面に配設される。
負極集電体32及び負極端子36は、正極20の正極集電体22及び正極端子26と同様のものを用いることができる。負極30ではリチウムが析出する場合があるため、負極集電体32及び負極端子36には、リチウムと反応性の低い銅を用いることが特に好ましい。
負極活物質層34は、負極活物質とバインダーとを有し、必要に応じて導電助剤を有する。
負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な化合物であればよく、公知の負極活物質を使用できる。負極活物質としては、例えば、金属リチウム、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛)、カーボンナノチューブ、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等の炭素材料、アルミニウム、シリコン、スズ等のリチウムと化合することのできる金属、SiO(0<x<2)、二酸化スズ等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(LiTi12)等を含む粒子が挙げられる。
導電助剤及びバインダーは、正極と同様のものを用いることができる。負極30に用いるバインダーは正極20に挙げたものの他に、例えば、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂等を用いてもよい。
「セパレータ」
セパレータ10は、電気絶縁性の多孔質構造から形成されていればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの単層体、積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いはセルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
「電解液」
電解液は、正極活物質層24、負極活物質層34内に含浸される。電解液には、リチウム塩等を含む電解質溶液(電解質水溶液、有機溶媒を使用する電解質溶液) を使用することができる。ただし、電解質水溶液は電気化学的に分解電圧が低いため、充電時の耐用電圧が低く制限される。そのため、有機溶媒を使用する電解質溶液(非水電解質溶液)であることが好ましい。
非水電解質溶液は、非水溶媒に電解質が溶解されており、非水溶媒として環状カーボネートと、鎖状カーボネートと、を含有してもよい。
環状カーボネートとしては、電解質を溶媒和することができるものを用いることができる。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びブチレンカーボネートなどを用いることができる。
鎖状カーボネートは、環状カーボネートの粘性を低下させることができる。例えば、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが挙げられる。その他、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ-ブチロラクトン、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタンなどを混合して使用してもよい。
非水溶媒中の環状カーボネートと鎖状カーボネートの割合は体積にして1:9~1:1にすることが好ましい。
(外装体)
外装体50は、その内部に積層体40及び電解液を密封する。外装体50は、電解液の外部への漏出や、外部からの非水電解液二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止する。
例えば、外装体50として、金属箔を高分子膜で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。金属箔としては例えばアルミ箔を、高分子膜としてはポリプロピレン等の膜を利用できる。例えば、外側の高分子膜の材料としては融点の高い高分子、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等が好ましく、内側の高分子膜の材料としてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が好ましい。
[非水電解液二次電池の機能とそれに伴う積層体の平面形状]
非水電解液二次電池100は、正極活物質層24と負極活物質層34との間をリチウムイオンが移動することで動作する。
例えば、正極活物質層24から負極活物質層34にリチウムイオンがセパレータ10を介して移動すると、正極20と負極30の間に電位差が生じる。負極活物質層34内においてリチウムイオンに捉えられていた電子は、この電位差を緩和するように移動する。セパレータ10は絶縁性を有しているため、負極活物質層34から正極活物質層24へセパレータ10を介して直接移動することはできない。そのため電子は、正極集電体22、正極端子26を介して外部に流れる。この逆の反応が生じた場合は、電子は負極集電体32、負極端子36を介して外部に流れる。
図2は、本実施形態にかかる非水電解液二次電池の積層体の斜視模式図である。図2に示すように、正極端子26の第1端部26A及び負極端子36の第1端部36Aは、それぞれの正極集電体22及び負極集電体32に接続されている。一方で正極端子26の第2端部26B及び負極端子36の第2端部36Bは、それぞれの正極集電体22及び負極集電体32から延出した正極端子26及び負極端子36が統合されて、外装体50の外部に延出している。
そのため正極で発生した電子が外部に排出される場合は、正極端子26の第2端部26Bを通過し、負極で発生した電子が外部に排出される場合は、負極端子36の第2端部36Bを通過する。
積層体40内で電子の授受が行われると、積層体40は発熱する。積層体40内で発生した熱が排熱される場合の排熱経路は、電子の排出経路と同様である。積層体40は周囲を外装体50で覆われている。そのため、外装体50を介して熱は排出されにくく、発生した熱の多くは正極端子26及び負極端子36を介して第2端部26B、36Bから排出される。
つまり、積層体40内で発生した熱の排熱効率は、正極端子26及び負極端子36が積層体に対してどのように配置されているか、換言すると、正極端子26及び負極端子36の接続位置に対して積層体40の形状をどのように設定するかによって非水電解質二次電池100の排熱効率は変化する。
図3は、第1実施形態にかかる非水電解液二次電池の積層体の平面模式図である。図3では、正極端子26及び負極端子36は、積層体40をz方向から見て一方の側面にそれぞれ接続されている。正極端子26の幅方向中心の接続中心26a及び負極端子36の幅方向中心の接続中心36aは、積層体40の正極端子26及び負極端子36が延出する方向と直交する方向(y方向)を中心線Cで区分した各領域のy方向の中心に設けられている。
図3に示す場合、正極端子26及び負極端子36から離れた位置で発生した熱は排熱しにくい。すなわち、積層体40のアスペクト比が、非水電解質二次電池100の排熱効率に影響を及ぼす。
第1実施形態においてアスペクト比とは、正極端子26及び負極端子36が延出するx方向における積層体40の長さL2と、正極端子26及び負極端子36が延出するx方向と直交するy方向における積層体40の長さL1の比であり、L1/L2で表される。図3では、積層体40の短軸方向に沿った側面に正極端子26及び負極端子36を接続しているが、長軸方向に沿った側面に接続されていてもよい。
積層体40のアスペクト比L1/L2は、以下のように設計すると、非水電解質二次電池100の排熱効率が高まる。
まず積層体40を平面視において区分する微小領域を設定する。微小領域は、積層体40の平面視の面積に対して充分小さい領域である。充分小さい領域とは、積層体40を同じ面積で1000分割以上に区分した領域を指す。
次いで、この微小領域の重心と正極端子26又は負極端子36の近い方の端子の接続中心26a、36aまでの距離をrとする。そして、微小領域の面積dSと、微小領域と端子までの距離rを掛け合わせる(r×dS)。微小領域で発生した熱は、最寄りの正極端子26又は負極端子36から主として排出される。そのためr×dSは、微小領域で発生した熱を排熱されるまでの距離で乗じたものであり、この値が大きいほど排熱しにくいことを意味する。
このr×dSを全ての微小領域でそれぞれ求め、その値を足し合わせる。微小領域の集合体は積層体40の平面形状である。すなわち、それぞれの微小領域におけるr×dSを足し合わせたものは、積層体40の面内方向の総排熱量を排熱距離で乗じたものの集合であり、以下の一般式(1)で表記できる。
Figure 0007130920000004
この一般式(1)は、アスペクト比L1/L2が所定のアスペクト比Aminの時に極小値Eminをとる。極小値Eminをとるアスペクト比L1/L2は4.0である。この極小値Eminをとるアスペクト比Aminに積層体40の平面形状を設計すると、非水電解質二次電池100の排熱効率が最も高くなり、非水電解質二次電池100の表面の最高温度が最も低くなる。すなわち、正極端子26及び負極端子36を積層体40の同一側面に設ける場合は、積層体40の平面形状を正極端子26及び負極端子36が延在する方向に短くすることが好ましい。
一方で、積層体40のアスペクト比は、上記条件を満たす一点に限られる訳ではなく、上記条件を満たす位置からのある程度のずれは許容される。積層体40のアスペクト比は、極小値Eminをとるアスペクト比Aminに対して0.6倍以上2.8倍以下の範囲内であることが好ましく、0.8倍以上1.7倍以下の範囲内であることがより好ましい。具体的な数値としては、アスペクト比L1/L2が2.5以上11.0以下であることが好ましく、3.0以上7.0以下であることがより好ましい。
上述のように、第1実施形態に係る非水電解液二次電池によれば、非水電解液二次電池の面内方向の排熱効率を高めることができる。その結果、非水電解質二次電池100の表面の最高温度を低くできる。
「第2実施形態」
図4は、第2実施形態にかかる非水電解液二次電池の積層体の平面模式図である。第2実施形態にかかる非水電解質二次電池の積層体41は、正極端子26と負極端子36とが、積層体41の異なる側面にそれぞれ接続されている点が、第1実施形態にかかる非水電解液二次電池と異なる。その他の構成は、第1実施形態にかかる非水電解液二次電池と同じである。
図4において正極端子26と負極端子36とは、互いに対向する位置に設けられている。正極端子26の幅方向中心の接続中心26a及び負極端子36の幅方向中心の接続中心36aは、積層体40の正極端子26及び負極端子36が延出する方向と直交する方向(y方向)の中心線C上に設けられている。
第2実施形態にかかる積層体41においても、積層体41のアスペクト比L1/L2を所定の範囲内に設計すると、非水電解質二次電池の排熱効率が高まる。第2実施形態においてアスペクト比とは、正極端子26及び負極端子36が延出するx方向の積層体41の長さL1と、x方向と直交するy方向の積層体41の長さL2の比であり、L1/L2で表される。
第2実施形態にかかる積層体41における微小領域の面積dS及び微小領域と正極端子26又は負極端子36との距離rとの関係は、第1実施形態にかかる積層体40と同一である。
すなわち上述の一般式(1)が、極小値Eminをとるアスペクト比Aminに積層体41の平面形状を設計すると、非水電解質二次電池100の排熱効率が最も高くなり、非水電解質二次電池100の表面の最高温度が最も低くなる。極小値Eminをとるアスペクト比L1/L2は1.0である。
また積層体41のアスペクト比は、この場合に限られず、極小値Eminをとるアスペクト比Aminに対して0.6倍以上2.1倍以下の範囲内であることが好ましく、0.75倍以上1.75倍以下の範囲内であることがより好ましい。具体的な数値としては、アスペクト比L1/L2が0.6以上2.1以下であることが好ましく、0.8以上1.8以下であることがより好ましい。
上述のように、第2実施形態に係る非水電解液二次電池によれば、非水電解液二次電池の面内方向の排熱効率を高めることができる。その結果、非水電解質二次電池100の表面の最高温度を低くできる。
「第3実施形態」
図5は、第3実施形態にかかる非水電解液二次電池の積層体の平面模式図である。第3実施形態にかかる非水電解質二次電池の積層体42は、正極端子26と負極端子36とが、積層体42の面内にそれぞれ接続されている点が、第1実施形態にかかる非水電解液二次電池と異なる。その他の構成は、第1実施形態にかかる非水電解液二次電池と同じである。
図5に示すように、第3実施形態にかかる非水電解液二次電池における正極端子26と負極端子36は、それぞれ積層体42をx方向の中心線Cで区分した各領域の中央に設けられている。この場合、正極端子26及び負極端子36の接続中心26a、36aは、正極端子26及び負極端子36の平面視中央になる。
図6は、第3実施形態にかかる非水電解液二次電池102の断面模式図である。図6に示すように、正極端子26及び負極端子36は積層体42の積層方向に貫通して設けられている。正極端子26は、負極30との短絡を防ぐために、正極20との接触部以外は、絶縁体26Iで被覆されている。同様に、負極端子36も、正極20との短絡を防ぐために、負極30との接触部以外は、絶縁体36Iで被覆されている。
第3実施形態にかかる積層体42においても、積層体42のアスペクト比L1/L2を所定の範囲内に設計すると、非水電解質二次電池102の排熱効率が高まる。第3実施形態においてアスペクト比とは、積層体42の長軸長さL1と積層体の短軸方向の長さL2の比であり、L1/L2で表される。
第3実施形態にかかる積層体42における微小領域の面積dS及び微小領域と正極端子26又は負極端子36との距離rとの関係は、第1実施形態にかかる積層体40と同一である。
すなわち上述の一般式(1)が、極小値Eminをとるアスペクト比Aminに積層体42の平面形状を設計すると、非水電解質二次電池100の排熱効率が最も高くなり、非水電解質二次電池100の表面の最高温度が最も低くなる。極小値Eminをとるアスペクト比L1/L2は2.0である。
また積層体42のアスペクト比は、この場合に限られず、極小値Eminをとるアスペクト比Aminに対して0.4倍以上1.6倍以下の範囲内であることが好ましく、0.6倍以上1.3倍以下の範囲内であることがより好ましい。具体的な数値としては、アスペクト比L1/L2が1.0以上3.0以下であることが好ましく、1.4以上2.6以下であることがより好ましい。
上述のように、第3実施形態に係る非水電解液二次電池によれば、非水電解液二次電池の面内方向の排熱効率を高めることができる。その結果、非水電解質二次電池の表面の最高温度を低くできる。
「第4実施形態」
図7は、第4実施形態にかかる非水電解液二次電池の積層体の平面模式図である。第4実施形態にかかる非水電解質二次電池の積層体43は、正極端子26と負極端子36とが、積層体43の面内にそれぞれ接続され、積層体43の平面形状が矩形ではない点が、第1実施形態にかかる非水電解液二次電池と異なる。その他の構成は、第1実施形態にかかる非水電解液二次電池と同じである。
図7に示す積層体43は、平面視形状が楕円である。第4実施形態にかかる非水電解液二次電池における正極端子26と負極端子36は、それぞれ積層体43の長軸方向の中心線Cを挟んで等距離に設けられている。正極端子26及び負極端子36の接続中心26a、36aは、正極端子26及び負極端子36の平面視中央である。積層体43の断面形状は、図6に示す第3実施形態にかかる非水電解質二次電池102と同等である。
第4実施形態にかかる積層体43においても、積層体43の長軸方向の長さL1と短軸方向の長さL2のアスペクト比L1/L2を所定の範囲内に設計すると、非水電解質二次電池の排熱効率が高まる。第4実施形態においてアスペクト比とは、積層体43の長軸方向の長さL1と積層体の短軸方向の長さL2の比であり、L1/L2で表される。
第4実施形態にかかる積層体43における微小領域の面積dS及び微小領域と正極端子26又は負極端子36との距離rとの関係は、第1実施形態にかかる積層体40と同一である。
すなわち上述の一般式(1)が、極小値Eminをとるアスペクト比Aminに積層体43の平面形状を設計すると、非水電解質二次電池の排熱効率が最も高くなり、非水電解質二次電池の表面の最高温度が最も低くなる。極小値Eminをとるアスペクト比L1/L2は1.9である。正極端子26及び負極端子36は、アスペクト比Aminが極小値Eminをとる際に、積層体43の焦点位置に配設される。
また積層体43のアスペクト比は、この場合に限られず、極小値Eminをとるアスペクト比Aminに対して0.4倍以上1.6倍以下の範囲内であることが好ましく、0.6倍以上1.2倍以下の範囲内であることがより好ましい。具体的な数値としては、アスペクト比L1/L2が0.8以上3.0以下であることが好ましく、1.2以上2.2以下であることがより好ましい。
上述のように、第4実施形態に係る非水電解液二次電池によれば、非水電解液二次電池の面内方向の排熱効率を高めることができる。その結果、非水電解質二次電池の表面の最高温度を低くできる。
[非水電解液二次電池の製造方法]
非水電解液二次電池100の製造方法は、正極端子26及び負極端子36の取り付け位置を設定する点以外は、公知の方法で作製することができる。
まず、正極20及び負極30を作製する。正極20と負極30とは、活物質となる物質が異なるだけであり、同様の製造方法で作製できる。
正極活物質、バインダー及び溶媒を混合して塗料を作製する。必要に応じ導電助剤を更に加えても良い。溶媒としては例えば、水、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド等を用いることができる。正極活物質、導電助剤、バインダーの構成比率は、質量比で80wt%~98wt%:0.1wt%~10wt%:0.1wt%~10wt%であることが好ましい。これらの質量比は、全体で100wt%となるように調整される。
塗料を構成するこれらの成分の混合方法は特に制限されず、混合順序もまた特に制限されない。上記塗料を、正極集電体に塗布する。塗布方法としては、特に制限はなく、通常電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。負極についても、同様に負極集電体上に塗料を塗布する。
続いて、正極集電体及び負極集電体上に塗布された塗料中の溶媒を除去する。除去方法は特に限定されない。例えば、塗料が塗布された正極集電体及び負極集電体を、80℃~150℃の雰囲気下で乾燥させればよい。そして、正極20及び負極30が完成する。
そして、正極20、負極30及びセパレータ10を、セパレータ10が正極20と負極30の間となるように積層し、積層体40を形成する。
正極端子26及び負極端子36は、積層体40を積層してから接続してもよいし、正極集電体及び負極集電体に正極端子26及び負極端子36が予め備えられていてもよい。
図3及び図4に示すように、正極端子26及び負極端子36を面内のいずれかの側面に接続する場合は、正極端子26及び負極端子36が一体化した正極集電体及び負極集電体を用いることが好ましい。
一方で、図5及び図7に示すように、正極端子26及び負極端子36が積層方向に貫通する場合は、作製した積層体40に貫通孔を設け、その貫通孔内に正極端子26及び負極端子36を挿入する。
最後に、積層体40を外装体50に封入する。非水電解液は外装体50内に注入してもよいし、積層体40を非水電解液に含浸させてもよい。そして外装体50に熱等を加えて、ラミネートすることで封止して、非水電解液二次電池100を作製する。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
「実施例1」
実施例1では、図3に示すように、積層体の平面形状を矩形とし、正極端子及び負極端子を積層体の一方の側面にそれぞれ接続した場合に、アスペクト比を変更して過充電時の非水電解質二次電池の表面の最高温度の違いを測定した。
(実施例1-1)
まず正極を作製した。正極はアルミニウム箔(厚み12μm、熱伝導率237.5W/mK)の上に正極活物質を塗工し、正極活物質層を作製した。正極活物質層は、90質量部のLiNi0.8Co0.15Al0.05(活物質)と、6質量部の炭素粉末(導電助剤)と、4質量部のポリフッ化ビニリデン(PVDF、バインダー)とを有する。
同様に、負極を作製した。負極は銅箔(厚み11μm、熱伝導率400W/mK)の上に負極活物質を塗工し、負極活物質層を作製した。負極活物質層は、87質量部のメソフェーズカーボンマイクロビーズ(MCMB,活物質)と、3質量部の炭素粉末(導電助剤)と、10質量部のPVDFとを有する。
またセパレータとして厚み12μmの多孔質ポリエチレンを準備した。そして、正極10枚と、負極11枚及びセパレータ20枚を、セパレータが正極と負極の間となるように積層し、積層体を作製した。
積層体は矩形とし、積層体の正極端子及び負極端子が延在する方向と直交する方向の長さL1は70.99mm、正極端子及び負極端子が延在する方向の長さL2は17.75mmとした。この際のアスペクト比L1/L2は、4.0であった。正極端子及び負極端子は、y方向の中心線Cと端部との中点に設けた。
そして、アルミラミネートフィルムからなる外装体内に、非水電解液とともに封入し、非水電解液二次電池を作製した。非水電解液は、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比で3:4:3とした溶媒中に、リチウム塩として1.0M(mol/L)のLiPFを添加したものを用いた。
次いで、作製した非水電解液二次電池について、二次電池充放電試験装置を用い、4.2Vまで定電流定電圧充電を行い、2.5Vまで定電流放電を行い、電池容量を算出した。算出した電池容量に対して3C相当の電流で10Vまで定電流定電圧で1時間充電を行い、これを過充電試験とした。この時の電池表面の温度を測定し最高温度を記録した。面内温度は、x方向に4か所、y方向に4か所の計16か所で測定した。
また同様の条件で設計した非水電解液二次電池について、過充電試験を想定した時の面内温度分布を、過充電状態を想定したシミュレーションにより求めた。その結果を表1及び図8に示す。シミュレーションの結果と実測値とで、非水電解液二次電池の表面で最高温度を示す位置は互いに相関があり、シミュレーションが確からしいことを確認した。
(実施例1-2~1-6、比較例1-1~1-3)
実施例1-2~1-6及び比較例1-1~1-3は、積層体の形状を変更し、積層体のアスペクト比を変更した点が実施例1-1と異なる。その他の条件は、実施例1-1と同じとして、シミュレーションにより非水電解液二次電池の表面の最高温度を測定した。その結果を表1及び図8に示す。表1においてA/Aminは、積層体のアスペクト比Aを積分値が極小値をとる際のアスペクト比Aminで割った値を意味する。
Figure 0007130920000005
表1及び図8に示すように、アスペクト比L1/L2が4.0(実施例1-1)の際に、一般式(1)で表される値Eは極小値を示す。またA/Aminが0.6~2.8の範囲の場合の過充電時の表面温度は、積分値が極小値をとる実施例1-1の表面温度との温度差が2℃以内であった。またA/Aminが0.8~1.7の範囲の場合の過充電時の表面温度は、積分値が極小値をとる実施例1-1の表面温度との温度差が1℃以内であった。すなわち、極小値をとるアスペクト比からある程度アスペクト比が変化しても、非水電解質二次電池の表面の最高温度は十分低かった。
「実施例2」
実施例2では、図4に示すように、積層体の平面形状を矩形とし、正極端子及び負極端子を積層体の対向する側面にそれぞれ接続した場合に、アスペクト比を変更して非水電解質二次電池の表面の最高温度の違いを測定した。正極端子及び負極端子は、積層体を平面視した際の正極端子及び負極端子が延出する方向と交差する方向の中点にそれぞれ設けた。
(実施例2-1~2-6、比較例2-1~2-4)
実施例2-1~2-6及び比較例2-1~2-4は、積層体の形状を変更し、積層体のアスペクト比を変更した。その結果を表2及び図9に示す。表2においてL1は積層体の正極端子及び負極端子が延在する方向の長さであり、L2正極端子及び負極端子が延在する方向と直交する方向の長さであり、L1/L2はアスペクト比である。
Figure 0007130920000006
表2及び図9に示すように、アスペクト比L1/L2が1.0(実施例2-3)の際に、一般式(1)で表される値Eは極小値を示す。またA/Aminが0.6~2.1の範囲の場合の過充電時の表面温度は、積分値が極小値をとる実施例2-3の表面温度との温度差が2℃以内であった。またA/Aminが0.75~1.75の範囲の場合の過充電時の表面温度は、積分値が極小値をとる実施例2-3の表面温度との温度差が1℃以内であった。すなわち、極小値をとるアスペクト比からある程度アスペクト比が変化しても、非水電解質二次電池の表面の最高温度は十分低かった。
「実施例3」
実施例3では、図5に示すように、積層体の平面形状を矩形とし、正極端子及び負極端子を積層体の面内にそれぞれ接続した場合に、アスペクト比を変更して非水電解質二次電池の表面の最高温度の違いを測定した。正極端子及び負極端子は、積層体を平面視した際の長軸方向の中心線で区分された2つの領域の中心に設けた。
(実施例3-1~3-10、比較例3-1)
実施例3-1~3-10及び比較例3-1は、積層体の形状を変更し、積層体のアスペクト比を変更した。その結果を表3及び図10に示す。表3においてL1は積層体の長軸方向の長さであり、L2は短軸方向の長さであり、L1/L2はアスペクト比である。
Figure 0007130920000007
表3及び図10に示すように、アスペクト比L1/L2が2.0(実施例3-6)の際に、一般式(1)で表される値Eは極小値を示す。またA/Aminが0.5~1.5の範囲の場合の過充電時の表面温度は、積分値が極小値をとる実施例3-6の表面温度との温度差が2℃以内であった。またA/Aminが0.7~1.3の範囲の場合の過充電時の表面温度は、積分値が極小値をとる実施例3-6の表面温度との温度差が1℃以内であった。すなわち、極小値をとるアスペクト比からある程度アスペクト比が変化しても、非水電解質二次電池の表面の最高温度は十分低かった。
「実施例4」
実施例4では、図7に示すように、積層体の平面形状を楕円とし、正極端子及び負極端子を積層体の面内にそれぞれ接続した場合に、アスペクト比を変更して非水電解質二次電池の表面の最高温度の違いを測定した。正極端子及び負極端子は、積層体を平面視した際に短軸方向の中心線を通り、長軸方向の中心線を挟んで等間隔の位置に設けた。
(実施例4-1~4-11、比較例4-1~4-2)
実施例4-1~4-11及び比較例4-1~4-2は、積層体の形状を変更し、積層体のアスペクト比を変更した。その結果を表4及び図11に示す。表4においてL1は積層体の長軸方向の長さであり、L2は短軸方向の長さであり、L1/L2はアスペクト比である。
Figure 0007130920000008
表4及び図11に示すように、アスペクト比L1/L2が1.9(実施例4-5)の際に、一般式(1)で表される値Eは極小値を示す。またA/Aminが0.4~1.6の範囲の場合の過充電時の表面温度は、積分値が極小値をとる実施例4-5の表面温度との温度差が2℃以内であった。またA/Aminが0.6~1.2の範囲の場合の過充電時の表面温度は、積分値が極小値をとる実施例4-5の表面温度との温度差が1℃以内であった。すなわち、極小値をとるアスペクト比からある程度アスペクト比が変化しても、非水電解質二次電池の表面の最高温度は十分低かった。
10…セパレータ、20…正極、22…正極集電体、24…正極活物質層、26…正極端子、26A…第1端部、26B…第2端部、30…負極、32…負極集電体、34…負極活物質層、36…負極端子、36A…第1端部、36B…第2端部、40,41,42,43…積層体、50…外装体、100,102…非水電解液二次電池、C…中心線

Claims (6)

  1. 正極端子が接続された正極集電体を有する正極と、負極端子が接続された負極集電体を有する負極と、前記正極及び前記負極の間に配設されたセパレータと、をそれぞれ1層以上有する積層体を備え、
    前記正極端子及び前記負極端子は、前記積層体を積層方向から平面視した際に一方の側面にそれぞれ接続され、
    前記積層体を平面視において区分する微小領域の面積をdS、前記微小領域の重心から前記正極端子又は前記負極端子の近い方の端子の接続中心までの距離をrとした際に、
    前記積層体のアスペクト比は、前記積層体を積層方向から平面視した際の面積が一定である条件において、以下の一般式(1)が極小値Eminをとるアスペクト比Aminに対して0.81倍以上1.61倍以下の範囲内であり、
    前記アスペクト比は、前記正極端子及び前記負極端子が延出する方向における積層体の長さL2と、前記正極端子及び前記負極端子が延出する方向と直交する方向における積層体の長さL1との比であり、L1/L2で表され
    前記正極端子及び前記負極端子が延出する方向と直交する方向における積層体の長さL1は、前記正極端子及び前記負極端子が延出する方向における積層体の長さL2より大きい、非水電解液二次電池。
    Figure 0007130920000009
  2. 正極端子が接続された正極集電体を有する正極と、負極端子が接続された負極集電体を有する負極と、前記正極及び前記負極の間に配設されたセパレータと、をそれぞれ1層以上有する積層体を備え、
    前記正極端子及び前記負極端子は、前記積層体を積層方向から平面視した際に前記積層体の面内にそれぞれ接続され、
    前記積層体を平面視において区分する微小領域の面積をdS、前記微小領域の重心から前記正極端子又は前記負極端子の近い方の端子の接続中心までの距離をrとした際に、
    前記積層体のアスペクト比は、前記積層体を積層方向から平面視した際の面積が一定である条件において、以下の一般式(1)が極小値Eminをとるアスペクト比Aminに対して0.74倍以上1.16倍以下の範囲内であり、
    前記アスペクト比は、前記積層体の長軸長さL1と前記積層体の短軸方向の長さL2の比であり、L1/L2で表される、非水電解液二次電池。
    Figure 0007130920000010
  3. 前記積層体のアスペクト比が、一般式(1)が極小値Eminをとるアスペクト比Aminである、請求項1又は2に記載の非水電解液二次電池。
  4. 積層方向から平面視した際に、積層体の一方の側面に、正極端子及び負極端子を接続するように設計する工程と、
    前記積層体のアスペクト比を設計する工程と、を有し、
    前記積層体は、前記正極端子が接続された正極集電体を有する正極と、前記負極端子が接続された負極集電体を有する負極と、前記正極及び前記負極の間に配設されたセパレータと、をそれぞれ1層以上有し、
    前記積層体のアスペクト比は、アスペクト比Aminに対して0.6倍以上2.8倍以下の範囲内に設計され、
    前記アスペクト比Aminは、
    前記積層体を平面視において区分する微小領域の面積をdS、前記微小領域の重心から前記正極端子又は前記負極端子の近い方の端子の接続中心までの距離をrとした際に、
    前記積層体を積層方向から平面視した際の面積が一定である条件において、以下の一般式(1)が極小値Eminをとるアスペクト比であり、
    前記アスペクト比は、前記正極端子及び前記負極端子が延出する方向における積層体の長さL2と、前記正極端子及び前記負極端子が延出する方向と直交する方向における積層体の長さL1との比であり、L1/L2で表され
    前記正極端子及び前記負極端子が延出する方向と直交する方向における積層体の長さL1は、前記正極端子及び前記負極端子が延出する方向における積層体の長さL2より大きい、非水電解液二次電池の設計方法。
    Figure 0007130920000011
  5. 積層方向から平面視した際に、積層体の面内に、正極端子及び負極端子を接続するように設計する工程と、
    前記積層体のアスペクト比を設計する工程と、を有し、
    前記積層体は、前記正極端子が接続された正極集電体を有する正極と、前記負極端子が接続された負極集電体を有する負極と、前記正極及び前記負極の間に配設されたセパレータと、をそれぞれ1層以上有し、
    前記積層体のアスペクト比は、アスペクト比Aminに対して0.4倍以上1.6倍以下の範囲内に設計され、
    前記アスペクト比Aminは、
    前記積層体を平面視において区分する微小領域の面積をdS、前記微小領域の重心から前記正極端子又は前記負極端子の近い方の端子の接続中心までの距離をrとした際に、
    前記積層体を積層方向から平面視した際の面積が一定である条件において、以下の一般式(1)が極小値Eminをとるアスペクト比であり、
    前記アスペクト比は、前記積層体の長軸長さL1と前記積層体の短軸方向の長さL2の比であり、L1/L2で表される、非水電解液二次電池の設計方法。
    Figure 0007130920000012
  6. 請求項4~のいずれか一項に記載の非水電解液二次電池の設計方法を用いて非水電解液二次電池を設計し、設計に基づいて非水電解液二次電池を作製する、非水電解液二次電池の製造方法。
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