JP4824450B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は非水電解質二次電池に関し、特に高出力タイプの非水電解質二次電池に関する。
近年、非水電解質二次電池、とりわけリチウムイオン二次電池は、高い作動電圧と高エネルギー密度を有する二次電池である。したがって、携帯電話、ノート型パソコン、ビデオカムコーダーなどのポータブル電子機器の駆動用電源のみならず、電動工具用や電気自動車用など高出力への対応が求められる電源として、リチウムイオン二次電池の展開が加速している。特にハイブリッド電気自動車(HEV)については、市販のニッケル水素蓄電池に替わる高容量電源として、リチウムイオン二次電池の開発が活発化している。このような高出力のリチウムイオン二次電池は、小型民生用途のものとは異なり、電極面積を大きくして電池反応を潤滑化し、瞬時に大電流を取り出せるように、設計されている。
また、電池作製時に混入される異物や不慮の事故に起因してリチウムイオン二次電池が短絡(例えば内部短絡)した場合を想定して、短絡部の拡大を抑制する観点から、無機フィラー(固体微粒子)および結着剤を含む多孔質耐熱層を、電極の活物質層に担持させる提案がなされている。かかる多孔質耐熱層には、アルミナもしくはシリカなどの無機フィラーが充填されており、無機フィラー粒子同士は比較的少量の結着剤で結合されている(例えば、特許文献1)。上記多孔質耐熱層は高温でも収縮しにくいため、当該多孔質耐熱層を採用することにより、内部短絡発生時の電池の過熱を抑制することができる。
特許第3371301号公報
ところで、高出力リチウムイオン二次電池の高出力放電を繰り返した場合、容量維持率が大きく低下する傾向があった。具体的には、高出力放電を行った場合のジュール熱によって、樹脂製の微多孔質セパレータの温度が急激に上昇して微視的に溶融し、イオン伝導性の源である微孔が徐々に塞がれ、これにより充放電に寄与できる部位が漸次的に減少してしまう。
このような問題に対しても上記特許文献1記載の多孔質耐熱層は有用であると考えられたが、大きい電極面積を有する高出力リチウムイオン二次電池においては、上記多孔質耐熱層を単純に導入しても、高出力放電時初期の電圧降下が著しいという問題が生じた。
本発明は上記のような問題に鑑みてなされたものであり、正極および負極間の絶縁構造を最適化することにより、初期出力特性を維持しつつ、高出力放電を繰り返しても劣化の少ない、高性能な高出力型非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、
正極と、負極と、樹脂製の微多孔質セパレータと、非水電解液とを備えた非水電解質二次電池であって、
前記正極の、理論容量1Ah当たりの面積が190〜800c 2 あり、
前記正極および前記負極のうちの少なくとも一方と前記セパレータとの間に、10〜60μmの厚みを有する多孔質耐熱層が配置されていること、を特徴とする非水電解質二次電池を提供する。
本発明者らが鋭意検討した結果、上記の多孔質耐熱層は、耐短絡性に優れるだけでなく、電極の近傍で発熱した際に、この熱を一時蓄熱する効果を有することを見出した。また、本発明者らは、当該多孔質耐熱層は、樹脂製の微多孔質セパレータと比較してイオン伝導性が低いことも併せて見出した。この理由として、無機酸化物フィラーを用いて多孔質耐熱層を形成する際に、結着剤として用いる樹脂(例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF))が電解液を吸収して膨潤するため、イオン伝導性が相対的に低くなるためであると考えられる。
したがって、保液性(イオン伝導性)を樹脂製の微多孔質セパレータで確保しつつ、当該セパレータの温度の急激な上昇を防ぐために、多孔質耐熱層に適度な厚みを持たせて蓄熱剤としての機能を発揮させることにより、初期から出力特性が高く、しかも高出力放電を繰り返しても容量低下の少ない、高性能な高出力型非水電解質二次電池を具現化することができる。このような知見に基づき、本発明者らは本発明を完成するに至った。
ここで、正極の「理論容量1Ah当たりの面積」とは、正極の理論容量1Ah当たりに対する当該正極の片面(端面を含まない)の面積(c 2 のことをいう。
また、「理論容量」とは、例えば以下のようにして求められる容量のことをいう。すなわち、所定の重量の正極活物質を含む正極および過剰量のLi箔からなる対極を、当該正極および対極を対向させつつ、豊富な電解質中に浸漬して、試験用セルを得る。この試験用セルを、放電終止電圧および充電終止電圧に対して、それぞれ0.1V高い領域で充放電させる。例えば所望するリチウム二次電池の使用電圧範囲が3.0〜4.2V(放電終止電圧:3.0V、充電終止電圧:4.2V)である場合、試験用セルを3.1〜4.3V(放電終止電圧:3.1V、充電終止電圧:4.3V)の範囲で充放電させる。このとき得られた2サイクル目の放電容量から、正極活物質単位重量あたりの容量、すなわち理論容量(mAh/g)が求められる。換言すると、正極の理論容量は、正極に含まれる活物質の重量と、単位重量あたりの正極活物質の理論容量と、の積である。
本発明によれば、高出力放電が繰り返されることの多いHEVなどに展開しても、初期出力特性を維持しつつ、高出力放電を繰り返しても劣化の少ない、高性能な高出力型非水電解質二次電池を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
図1は、本発明の非水電解質二次電池に含まれる電極群の一実施の形態の要部を拡大して示す概略断面図である。図1に示すように、電極群1は、セパレータ2、多孔質耐熱層3、正極4および負極5を含み、正極4、セパレータ2、多孔質耐熱層3および負極5をこの順に積層して得られる積層体を捲回することによって得られるものである。すなわち、電極群1においては、セパレータ2と負極5との間に多孔質耐熱層3が配されている。この電極群1を電池ケース6に挿入することにより、本発明の非水電解質二次電池を得ることができる。
本発明の重要な構成要素である多孔質耐熱層3は、本実施の形態においては負極5の表面にのみ設けられているが、正極4の表面だけに設けてもよく、また、正極4および負極5の両方の表面に設けてもよい。ただし、内部短絡を確実に回避する観点からは、少なくとも、一般的に正極4よりも大きい面積を有する負極5の表面に設けることが望ましい。
また、多孔質耐熱層3は、負極5の表面に形成しても、セパレータ2の表面に形成してもよい。ただし、セパレータ2は高温下で収縮し得るため、多孔質耐熱層3の製造条件には細心の注意を払う必要がある。これらの懸念を払拭する観点からも、多孔質耐熱層3は負極5の表面に形成することが望ましい。
多孔質耐熱層3の形状は特に制限されるものではなく、例えば独立したシート状であってもよい。ただし、シート状に形成された多孔質耐熱層3の機械的強度はあまり高くないため、取り扱いに注意を要する。
つぎに、多孔質耐熱層3は、絶縁性フィラーおよび結着剤を含むことが好ましい。多孔質耐熱層3に用いる絶縁性フィラーには、高耐熱性樹脂の繊維もしくはビーズなどを用いることもできるが、無機酸化物を用いることが好ましい。無機酸化物は硬質であるため、充放電に伴って電極が膨張しても、正極と負極との間隔を適性範囲内に維持することができる。無機酸化物のなかでも、特にアルミナ、シリカ、マグネシア、チタニア、ジルコニアなどは、比熱、熱伝導率および耐熱衝撃性が高く、リチウム二次電池の使用環境下において電気化学的な安定性が高い点で好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この絶縁性フィラーを結着させる結着剤としては、上述したPVDFのほかに、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、変性アクリロニトリルゴム粒子(例えば日本ゼオン(株)製のBM−500B(商品名)など)などを用いることができる。PTFEやBM−500Bを採用する場合、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリエチレンオキシド(PEO)または変性アクリロニトリルゴム(日本ゼオン(株)製のBM−720H(商品名))などと組み合わせて用いることが好ましい。これらの樹脂は非水電解液との親和性が高いため、程度の大小はあるものの、電解液を吸収して膨潤する。なお、これらの樹脂に加え、耐熱性をさらに向上させる目的でアラミド樹脂またはポリアミドイミドなどの耐熱性樹脂を添加することもできる。
このような多孔質耐熱層3は、絶縁性フィラーと少量の結着剤とを含む原料ペーストを、ドクターブレードまたはダイコートなどの方法で、負極5またはセパレータ2の表面に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。上記原料ペーストは、絶縁性フィラーと結着剤と液状成分とを、双椀式練合機などで混合して調製することができる。
ここで、多孔質耐熱層3の厚みは、10〜60μmの範囲とする必要がある。厚みが10μm以上であれば、多孔質耐熱層3による蓄熱の効果をより確実に得ることができる。また、厚みが60μm以下であれば、正極4と負極5との間に相対的にイオン伝導性が低い多孔質耐熱層3が存在することになるが、初期出力特性をより確実に確保することができる。
また、多孔質耐熱層3の空隙率は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設定することが可能であるが、その機械的強度を維持するとともに落下に対する耐性を向上させる観点から、40〜80%が好適であり、45〜65%が更に好適である。多孔質耐熱層3は、正極4、負極5およびセパレータ2に比べて表面平滑性が低いため、負極5およびセパレータ2間の滑り(位置ずれ)を過度に抑制することができる。
なお、多孔質耐熱層3の空隙率は、絶縁性フィラーのメディアン径を変えたり、結着剤の量を変えたり、原料ペーストの乾燥条件を変えたりすることによって制御することができる。例えば、乾燥温度を高くするか、熱風の風量を大きくすれば、空隙率は相対的に高くなる。空隙率は、多孔質耐熱層3の厚さ、絶縁性フィラーおよび結着剤の量、絶縁性フィラーおよび結着剤の真比重などから計算により求めることができる。また、多孔質耐熱層3の厚さは、極板断面のSEM写真を数箇所撮影し、例えば数箇所の厚みの平均値から求めることができる。また、水銀ポロシメータにより空隙率を求めることもできる。
ここで、容量規制極である正極4の面積は、理論容量1Ah当たり190〜800c 2 ある。正極4の面積が理論容量1Ah当たり190c 2 満(すなわち従来の民生用途と同等未満)である場合、電極面積が小さくなり、多孔質耐熱層3が厚いと出力特性が低下してしまうおそれがある。
また、理論容量1Ah当たり面積が800c 2 超えると、正極活物質層を薄く形成しなければならないことになる。例えば、集電体の一方の面に形成される正極活物質層の厚みを約20μmとしなければならず、平均的な正極活物質の粒子(メディアン径)が10μm程度であることを考慮すると、均一な厚さの正極活物質層の形成が困難となり、安定的な生産が困難になる。
なお、負極5は、容量規制極である正極4を完全に覆う形で、正極4よりも大きな面積を有する。
本発明における正極4は、集電体4aと、集電体4aの両面に形成された正極活物質層4bとを含む。正極活物質層4bは、少なくとも正極活物質と結着剤と導電剤とを含む。
正極活物質としては、コバルト酸リチウムなどの遷移金属複合酸化物を挙げることができる。結着剤としては、特に限定されず、PVDFのほかに、PTFE、BM−500Bなどを用いることができる。PTFEやBM−500Bを採用する場合、増粘剤としてCMC、PEO、BM−720Hなどと組み合わせて用いることが好ましい。
また、導電剤としては、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック、各種黒鉛などを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明における負極5は、集電体5aと、集電体5aの両面に形成された負極活物質層5bとを含む。少なくとも負極活物質と結着剤とを含む。
負極活物質としては、各種天然黒鉛、各種人造黒鉛、シリコン含有複合材料、各種合金材料を用いることができる。結着剤としては、スチレン単位およびブタジエン単位を含むゴム性状高分子が用いられる。例えばスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、SBRのアクリル酸変性体などを用いることができるが、これらに限定されない。
また、負極5を形成するために用いる負極合剤ペーストを調製する際には、水溶性高分子からなる増粘剤を用いるが、かかる水溶性高分子としては、セルロース系樹脂が好ましく、特にCMCが好ましい。結着剤および増粘剤の添加量については、負極活物質100重量部あたりの結着剤が0.1〜5重量部、増粘剤が0.1〜5重量部であることが好ましい。
本発明におけるセパレータ2は、200℃以下で融点をもつ樹脂製の微多孔質フィルムが望ましい。なかでも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンおよびポリプロピレンの混合物、エチレンおよびプロピレンの共重合体などが好ましい。これは、電池が外部短絡した場合に、セパレータ2が溶融することで電池の抵抗が高くなり、短絡電流が小さくなり、電池が発熱してその温度が高くなることを防止できるからである。なお、セパレータ2の厚みは、イオン伝導性を確保しつつエネルギー密度を維持する観点から、10〜40μmの範囲が好ましい。
本発明における非水電解液としては、非水溶媒にLiPF6またはLiBF4などの各種リチウム塩を溶質として溶解して得られるものが望ましい。非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)またはメチルエチルカーボネート(MEC)などを用いることが好ましいが、これらに限定されない。非水溶媒は、1種を単独で用いることもできるが、2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。
また、正極活物質層および/または負極活物質層の表面に、良好な皮膜を形成させ、過充電時の安定性等を確保するために、ビニレンカーボネート(VC)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)、またはVCもしくはCHBの誘導体などを非水電解液に添加することもできる。
以上のような条件を満たす正極4および負極5を、正極4および負極5の間にセパレータ2を介して、捲回し、断面が略円状ないしは略矩形状の電極群1を形成する。この電極群1を円筒形または角形の電池ケース6に挿入した後、非水電解液を注入し、電池ケース6の蓋を封口することにより、本発明の非水電解質二次電池を得ることができる。
このような本発明の非水電解質二次電池の複数個を、直列および/または並列に接続して、電源装置を得ることができる。かかる本発明の電源装置は、先に述べた本発明の非水電解質二次電池を備えているため、高出力特性を有し、高出力放電を繰り返しても容量低下が少ない。
なお、本発明の非水電解質二次電池は、上記の実施の形態に限定されず、種々の設計変更をすることが可能である。例えば、上記実施の形態における正極および負極は、それぞれ両面に活物質層を有しているが、片面にのみ活物質層を設けてもよい。また、上記実施の形態においては、負極の両面に多孔質耐熱層を設けたが、負極の片面に多孔質耐熱層を設けてもよく、正極の表面(両面または片面)に多孔質耐熱層を設けてもよい。
以下に、本発明の具体的な実施例について、詳細に説明する。なお、本実施例では捲回式の円筒形電池を示すが、本発明の電池は捲回式の円筒形電池に限定されず、例えば捲回式または積層式の角形電池にも適用することができる。
《実施例1》
本実施例においては、まず、図1に示す構造を有する電極群を作製した。
コバルト酸リチウム30kgを、呉羽化学(株)製PVDF#1320(固形分12重量部のN−メチルピロリドン(NMP)溶液)10kg、アセチレンブラック900gおよび適量のNMPとともに双腕式練合機にて攪拌し、正極活物質層形成用ペーストを調製した。この正極活物質層形成用ペーストを、15μm厚のアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布して乾燥し、総厚が108μmとなるように圧延し、その後、幅56mm、長さ600mm(片面の面積336cm2)の寸法に裁断して、正極4を得た。
一方、人造黒鉛20kgを、日本ゼオン(株)製のSBRアクリル酸変性体であるBM−400B(商品名)(固形分40重量部)750g、CMC300gおよび適量の水とともに双腕式練合機にて攪拌し、負極活物質層形成用ペーストを調製した。この負極活物質層形成用ペーストを、10μm厚の銅箔からなる集電体の両面に塗布して乾燥し、総厚が119μmとなるように圧延し、長尺状負極を得た。
次いで、タップ密度が1.2g/mlのアルミナ粉末950gを、BM−720H(固形分8重量部)625gおよび適量のNMPとともに双腕式練合機にて攪拌し、多孔質耐熱層形成用ペーストを調製した。上記のようにして得た多孔質耐熱層形成用ペーストを、上記の長尺状負極の両面に厚さ(乾燥後)10μmとなるように、ダイコーターにて塗布して乾燥し、その後幅58mm、長さ640mmの寸法に裁断して、負極5を得た。
上記のようにして得た正極4および負極5を、当該正極4および負極5の間に旭化成(株)製の、微多孔質ポリエチレンからなるセパレータ2(9420G(商品名))を挟んで、捲回し、円筒形の電極群1を作製した。このとき、電極群1の蓋面には正極活物質層形成用ペーストが塗布されていないアルミニウム箔部分が露出しており、電極群1の底面には負極活物質形成用ペーストが塗布されていない銅箔部分が露出していた。
ここで、正極4のうちのアルミニウム箔部分には、アルミニウム製の集電板(厚さ0.3mm)を溶接し、負極5のうちの銅箔部分には、鉄製の集電板(厚さ0.3mm)を溶接した。その後、直径18mm、高さ68mmの円筒形の電池ケース6に、上記電極群1を挿入した。最後に、ECとEMCとの混合溶媒(体積比1:3)に1.0MのLiPF6を溶解させて得た非水電解液を、5.5g注入し、電池ケース6の開口部を封口した。
このようにして、理論容量850mAh、正極の理論容量1Ah当たりの面積が395c 2 、円筒形リチウムイオン二次電池を作製した。
《実施例2〜4》
多孔質耐熱層3の厚さを20μmとした以外は、実施例1と同様の円筒形リチウムイオン二次電池を作製した(実施例2)。
また、多孔質耐熱層3の厚さを40μmとした以外は、実施例1と同様の円筒形リチウムイオン二次電池を作製した(実施例3)。
さらに、多孔質耐熱層3の厚さを60μmとした以外は、実施例1と同様の円筒形リチウムイオン二次電池を作製した(実施例4)。
《実施例5》
正極4の総厚さを200μm、長さを300mm(面積168cm2)とし、負極5の総厚さを227μm、長さを387mmとし、直径17.5mmの円筒形の電池ケースを用いた以外は、実施例2と同様にして円筒形リチウムイオン二次電池(正極の理論容量1Ah当たりの面積:198c 2 を作製した。
《実施例6》
正極4の総厚さを61μm、長さを1200mm(面積672cm2)とし、負極5の総厚さを64μm、長さを1240mmとし、直径20mmの円筒形の電池ケースを用いた以外は、実施例2と同様にして円筒形リチウムイオン二次電池(正極の理論容量1Ah当たりの面積:791c 2 を作製した。
《実施例7》
厚さ10μmの多孔質耐熱層3を負極5の表面には塗布せず、正極4の表面(片面)に形成した以外は、実施例1と同様にして円筒形リチウムイオン二次電池を作製した。
《実施例8》
厚さ10μmの多孔質耐熱層3を負極5および正極4の表面(片面)に形成した以外は、実施例1と同様にして円筒形リチウムイオン二次電池を作製した。
《実施例9および10》
実施例1で得られた円筒形リチウムイオン二次電池10セルを直列に接続し、第1の組電池を作製した(実施例9)。
また、実施例9で得られた第1の組電池を10個用意し、これらを並列に接続して第2の組電池を作製した(実施例10)。
《比較例1》
多孔質耐熱層3を設けなかった以外は、実施例1と同様にして円筒形リチウムイオン二次電池を作製した。
《比較例2および3》
多孔質耐熱層3の厚さを7μmまたは80μmとした以外は、実施例1と同様にして円筒形リチウムイオン二次電池を作製した。
《比較例4》
微多孔質ポリプロピレン製のセパレータ2を用いず、多孔質耐熱層3の厚さを30μmとした以外は、実施例1と同様にして円筒形リチウムイオン二次電池を作製した。
《比較例5》
正極4の総厚を370μm、長さを160mm(面積90cm2)とし、負極5の総厚を427μm、長さを200mmとし、直径17mmの円筒形の電池ケースを用いた以外は、実施例2と同様にして円筒形リチウムイオン二次電池(正極の理論容量1Ah当たりの面積:106c 2 を作製した。
[評価]
以上のようにして作製した電池および組電池に対し、以下のような評価を行った。結果は表1に示した。
(1)初期出力特性
電流1Aで4.2Vに達するまで充電を行った後、電流0.5Aで2.5Vに達するまで低率放電を行った。この後、同一条件で充電を行った後、電流10Aで2.5Vに達するまで高率放電を行った。低率放電容量に対する高率放電容量の比を、百分率として求めた。
ここで、実施例9の組電池は電流1Aで42Vに達するまで充電を行った後、電流0.5Aで25Vに達するまで低率放電を行った。この後、同一条件で充電を行った後、電流10Aで25Vに達するまで高率放電を行った。また、実施例10の組電池は電流10Aで42Vに達するまで充電を行った後、電流5Aで25Vに達するまで低率放電を行った。この後、同一条件で充電を行った後、電流100Aで25Vに達するまで高率放電を行った。
(2)高出力放電サイクル
上述した初期出力特性評価を行った電池および組電池に対し、高率放電と同一の条件で300サイクルの充放電を行った。初期高率放電容量に対する300サイクル後の高率放電容量の比を、百分率として求めた。
Figure 0004824450
多孔質耐熱層3を設けなかった比較例1の場合、初期出力特性こそ良好であったが、高出力放電サイクルを繰り返すことにより、著しく容量が低下した。これに対し、10〜60μmの多孔質耐熱層3を正極4および/または負極5上に設けた実施例1〜4、7および8の場合は、初期出力特性をあまり損なうことなく、高出力放電サイクルにおける容量維持率を向上させることができた。なかでも、20〜40μmの多孔質耐熱層3を設けた実施例2および3の場合は、両特性のバランスに優れることがわかった。
ただし、多孔質耐熱層3が7μmの場合(比較例2)は、比較例1ほどではないものの寿命特性の顕著な低下が見られた。また多孔質耐熱層3が80μmの場合(比較例3)は、寿命特性は良好ながら、初期から出力特性が低かった。この理由は、上述したように、多孔質耐熱層3の保液性が樹脂製の微多孔質セパレータ2に比べて低いことによる。この傾向は、実施例1(セパレータ2:20μm+多孔質耐熱層3:10μm)と比較例4(多孔質耐熱層3:30μm)との対比において、より顕著に見られた。
このような多孔質耐熱層3の効果は、容量1Ah当たりの正極面積が190〜800c 2 いう高出力タイプのリチウムイオン二次電池において顕著であるが、比較例5のように電極面積が小さい電池に対し、多孔質耐熱層3を同様の厚さで設けると、電極面積の減少による反応性の低下が加速されるので、初期出力特性が低下することがわかる。
さらに、実施例1の電池を複数個直列および/または並列に接続した組電池である実施例9および10においても、初期出力特性をあまり損なうことなく、高出力放電サイクルにおける容量維持率を向上させることができた。
本発明によれば、高出力特性に優れ、かつ高出力放電を繰り返しても容量低下の少ない非水電解質二次電池が提供できるので、HEV用途や電動工具用途など、高出力が求められる駆動用電源として利用可能性は高く、その価値は大きい。
本発明の非水電解質二次電池の一実施の形態の要部を拡大して示す概略断面図である。
符号の説明
1 電池ケース
2 セパレータ
3 多孔質耐熱層
4 正極
5 負極

Claims (5)

  1. 正極と、負極と、樹脂製の微多孔質セパレータと、非水電解液とを備えた非水電解質二次電池であって、
    前記正極の理論容量1Ah当たりの面積が190〜800c 2 あり、
    前記正極および前記負極のうちの少なくとも一方と前記セパレータとの間に、10〜60μmの厚みを有する多孔質耐熱層が配置されていること、を特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 前記多孔質耐熱層が前記正極および前記負極のうちの少なくとも一方の表面に設けられている、請求項1記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記多孔質耐熱層が絶縁性フィラーを含む請求項1記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記絶縁性フィラーが無機酸化物である請求項3記載の非水電解質二次電池。
  5. 直列または並列に接続された請求項1記載の非水電解質電池複数個を含む電源装置。
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