JPH0992337A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池

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JPH0992337A
JPH0992337A JP7249930A JP24993095A JPH0992337A JP H0992337 A JPH0992337 A JP H0992337A JP 7249930 A JP7249930 A JP 7249930A JP 24993095 A JP24993095 A JP 24993095A JP H0992337 A JPH0992337 A JP H0992337A
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JP
Japan
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negative electrode
positive electrode
secondary battery
electrode
ion secondary
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JP7249930A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Fujiwara
信浩 藤原
Yasuo Yukita
康夫 雪田
Kazuya Kojima
和也 小島
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大容量のリチウムイオン二次電池の内部短絡
による影響が、隣接する正及び負極電極間に波及するこ
とを防ぎ、この電池自体の損傷及び周囲への影響を最小
限に抑えることを目的とする。 【解決手段】 正極集電体5の片面もしくは両面に正極
活物質4を塗布したシート状の正極電極2と、負極集電
体7の片面もしくは両面に負極活物質6を塗布したシー
ト状の負極電極3とをセパレータ8を介して積層して成
るリチウムイオン二次電池において、この正極電極2及
び負極電極3が対向しない界面25aに蓄熱材26を介
在させたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば、電気自動
車、UPS(無停電電源装置)、ロードレベリング等に
使用して好適な大容量のリチウムイオン二次電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、リチウムイオン二次電池は電気自
動車、USP、ロードレベリングをはじめ、環境問題に
関連する多くの分野において研究開発が進められ、大容
量、高出力、高電圧、長期保存性に優れたものが要求さ
れている。
【0003】このリチウムイオン二次電池は、充電時は
リチウムが正極電極の正極活物質からセパレータ中の電
解液中にリチウムイオンとして溶け出し、負極電極の負
極活物質中に入り込み、放電時はこの負極電極の負極活
物質中に入り込んだリチウムイオンが電解液中に放出さ
れ、この正極電極の正極活物質中に再び戻ることによっ
て充放電動作を行っている。
【0004】従来の小型のリチウムイオン二次電池はエ
ネルギー密度を上げるため、活物質を金属箔の集電体の
表裏両面に塗布し、シート状の正及び負極電極を作成
し、ポリエチレンもしくはポリプロピレンのセパレータ
を介して所定の大きさの電極対を多数順次積層した角型
電池、あるいは長尺の正及び負極電極をポリエチレンも
しくはポリプロピレンのセパレータを介して巻回した円
筒型電池構造のものがほとんどであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、大容量のリ
チウムイオン二次電池を上述小型のリチウムイオン二次
電池と同様に活物質を集電体両面に塗布した正及び負極
電極を順次積層して構成したときには、大容量のため
に、内部短絡を起こすとその個所が発熱し、隣接する正
及び負極電極間のセパレータが熱溶融し、内部ショート
が拡大する結果、多量の熱を周囲に放出し、多量のガス
が噴出するおそれがあるという問題があった。
【0006】一般に電池の内部ショートの模擬試験とし
て、電池外部から釘を刺し、人為的に正及び負極電極を
ショートさせる、釘刺し試験が行われている。本発明者
は、上述の如き大容量のリチウムイオン二次電池が釘刺
し時に多量のガス噴出に至る過程では、釘刺し部分の抵
抗による発熱が火種となり、隣接する正及び負極電極間
のセパレータが熱溶融し、正及び負極電極間の直接反応
による発熱が生じ、次の隣接電極間のセパレータの熱溶
融という逐次的発熱が起こり、最終的には全電極の反応
による大発熱に至ることを見出した。
【0007】本発明は斯る点に鑑み、大容量のリチウム
イオン二次電池の内部短絡による影響が、隣接する正及
び負極電極間に波及することを防ぎ、この電池自体の損
傷及び周囲への最小限に抑えることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明リチウムイオン二
次電池は正極集電体の片面もしくは両面に正極活物質を
塗布したシート状の正極電極と、負極集電体の片面もし
くは両面に負極活物質を塗布したシート状の負極電極と
をセパレータを介して積層して成るリチウムイオン二次
電池において、この正及び負極電極が対向しない界面に
蓄熱材を介在させたものである。
【0009】
【作用】本発明によれば正及び負極電極がセパレータを
介して積層された積層体にこの正及び負極電極が対向し
ない界面を設け該界面に蓄熱材を設けたので内部短絡が
発生しても、隣接する正及び負極電極間に波及すること
を防ぐことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図1、図2及び図3を参照
して、本発明リチウムイオン二次電池の実施例につき説
明しよう。図2、図3において、10は偏平角型電池ケ
ースを示し、この偏平角型電池ケース10は例えば厚さ
300μmのステンレス板より成り、横方向の長さが略
300mm、縦方向の長さが略115mm、厚さが略2
2mmの電池ケース本体10aと、厚さ1.5mmのス
テンレス板より成る上蓋10bとより構成する。
【0011】この偏平角型電池ケース10内に図1に示
す如くシート状の正極電極2を袋状セパレータ8内に収
納された正極ユニット、シート状の負極電極3を袋状セ
パレータ8内に収納した負極ユニットの2枚で挟んだ電
極ペア24及び蓄熱材を順次積層した積層体14を収納
する如くする。
【0012】この正極電極2は次のようにして製作す
る。炭酸リチウムと炭酸コバルトをLi/Co(モル
比)=1になるように混合し、空気中で900℃、5時
間焼成して正極活物質材(LiCoO2 )を合成した。
この正極活物質材を自動乳鉢を用いて粉砕し、LiCo
2 粉末を得た。
【0013】このようにして得られたLiCoO2 粉末
95重量%、炭酸リチウム5重量%を混合して得られた
混合物を91重量%、導電体材としてグラファイト6重
量%、結着材としてポリフッ化ビニリデン3重量%の割
合で混合して正極活物質とし、これをN−メチル−2−
ピロリドンに分散してスラリー状とし、この正極活物質
スラリーを正極集電体5である帯状のアルミニウム箔の
両面にリード部を残して塗布し、乾燥後、ローラープレ
ス機で圧縮成形し、正極集電体5の両面に正極活物質4
が塗布されたシート状の正極電極2を作成する。
【0014】またこの負極電極3は次のようにして作製
する。出発物質に石油ピッチを用い、これに酸素を官能
基を10〜20%導入(いわゆる酸素架橋)した後、不
活性ガス中1000℃で焼成したガラス状炭素に近い性
質の難黒鉛化炭素材料を得る。
【0015】この炭素材料を90重量%、結着材として
ポリフッ化ビニリデン10重量%の割合で混合して負極
活物質を作成し、これをN−メチル−2−ピロリドンに
分散してスラリー状とし、この負極活物質スラリーを負
極集電体7である帯状の銅箔の両面にリード部を残して
塗布し、乾燥後、ローラープレス機で圧縮成形し、負極
集電体7の両面に負極活物質6が塗布されたシート状の
負極電極3を作成する。
【0016】このシート状の正極電極2をリード部に連
続した正極活物質4の塗布部の大きさが例えば107m
m×265mmとなる如く型抜きし、この型抜きした正
極電極2の正極活物質4の塗布部を、厚さ25μm、大
きさ112mm×273mmのポリプロピレンの微多孔
性フィルムを2枚貼り合わせた袋状セパレータ8に収納
して正極ユニットとする。この場合、正極電極2のリー
ド部5aをこのセパレータ8より露出する如くする。
【0017】またシート状の負極電極3をリード部に連
続した負極活物質6の塗布部の大きさが例えば109m
m×270mmとなる如く型抜きし、この型抜きした負
極電極3の負極活物質6の塗布部を厚さ25μm、大き
さ112mm×273mmのポリプロピレンの微多孔性
フィルムを2枚貼り合わせた袋状セパレータ8に収納し
て負極ユニットとする。この場合負極電極3のリード部
7aをこのセパレータ8より露出する如くする。
【0018】本例においては図1に示す如くこの1枚の
正極ユニットを2枚の負極ユニットで両側から挟んだも
のを電極ペア24とし、この電極ペア24の31ペアと
図1に示す如く耐電解液性を有する蓄熱材例えば厚さ1
5μm、大きさ112mm×273mmのステンレスシ
ート26の30枚とを順次積層して、図3に示す如く長
方体の積層体14を形成する。この場合正極電極2のリ
ード部5aが一側となる如くすると共に負極電極3のリ
ード部7aが他側となる如くする。またこの場合電極ペ
ア24と電極ペア24との間は1枚のステンレスシート
26及び2枚のセパレータ8を介して負極電極3が対向
し、正極電極2及び負極電極3が対向しない界面25a
となっている。
【0019】また、図3に示す如くこの積層体14の一
側即ち正極電極2のセパレータ8より露出したリード部
5aをアルミニウムの角柱より成る正極端子11に超音
波溶接により溶着する如くする。またこの積層体14の
他側即ち負極電極3のセパレータ8より露出したリード
部7aを銅の角柱より成る負極端子12に超音波溶接に
より溶着する如くする。
【0020】この図3に示す如き正極端子11及び負極
端子12が溶着された積層体14を外周を絶縁シートで
覆い上蓋10bにリード体部でOリング、絶縁リングを
介してボルト止めし、その後、電池ケース本体10aに
挿入し、上蓋10bを、この電池ケース本体10aにレ
ーザ溶接により溶着固定する。
【0021】この場合、偏平角型電池ケース10内にプ
ロピレンカーボネート、ジエチルカーボネートの混合溶
媒にLiPF6 を1モル/1の割合で溶解した有機電解
液を注入する。
【0022】また、この上蓋10bにこの密閉型の偏平
角型電池ケース10の内圧が所定値より高くなったとき
に、この内部の気体を抜く安全弁13を設ける如くす
る。
【0023】斯る本例によるリチウムイオン二次電池に
よれば、容量が35Ahの大容量のリチウムイオン二次
電池を得ることができる。
【0024】斯る本例によれば電極ペア24の1ペアお
きに正極電極2及び負極電極3が対向しない界面25a
を設けると共にこの界面25a耐電解液性を有する蓄熱
材であるステンレスシート26を介在させたので、内部
短絡が発生しても、隣接する電極ペア24に波及するこ
とを防ぐことができ、この電池自体の損傷及び周囲への
影響を最小限に抑えることができる利益がある。
【0025】因みに、上述例のリチウムイオン二次電池
につき、釘刺し試験を行った。この釘刺し試験の結果を
表1に実施例1として示す。
【0026】
【表1】
【0027】この表1の重量減少率は釘刺し前後の電池
内の電解液重量の減少率を表しており、この重量減少率
が小さいほどガス噴出が少ないことを示している。この
実施例1はこの重量減少率が少なく18%であり、内部
短絡が発生しても、隣接する電極ペア24に波及するこ
とを防ぐことができ、この電池自体の損傷及び周囲への
影響を最小限に抑えることができることを示している。
【0028】これに対する比較例1として、図15に示
す如く上述実施例1と同様の正極ユニット及び負極ユニ
ットを30枚及び31枚を順次積層して積層体14と
し、その他は上述実施例1と同様に構成し容量が34A
hのリチウムイオン二次電池を得、この比較例1につき
釘刺し試験を行った。この比較例1の釘刺し試験の結果
は表1に示す如く、重量減少率は大きく130%であ
り、内部短絡が発生したときは、発生熱が隣接する電極
間に波及していることを示している。
【0029】次に実施例2〜8につき説明する。実施例
2としては、実施例1の電極ペア24と電極ペア24と
の間の界面25aの夫々に図5に示す如く、耐電解液性
を有する蓄熱材として例えば厚さ25μm、大きさ11
2mm×273mmのセラミックシート27を介在し、
この電極ペア24を31ペア積層し、その他は上述実施
例1と同様に構成し、容量が35Ahの大容量のリチウ
ムイオン二次電池を製作した。
【0030】斯る実施例2においては、電極ペア24の
1ペアおきに正極電極2及び負極電極3の対向しない界
面25aを設けると共にこの界面25aに耐電解液性を
有する蓄熱材であるセラミックシート27を介在させた
ので、内部短絡が発生しても、隣接する電極ペア24に
波及することを防ぐことができ、この電池自体の損傷及
び周囲への影響を最小限に抑えることができる利益があ
る。
【0031】またセラミックシートを得るための成形方
法としては、大別して、セラミック粉体を水に分散した
泥しょうを多孔質の成形型に流し込む泥しょう鋳込み成
形及び、セラミック粉体を有機バインダー類、可塑剤、
解膠剤、溶剤または水からなる泥しょうをドクターブレ
ードで一定の厚みにキャリアテープ上に塗り、乾燥によ
って溶媒を揮発させ、固化させて成形体シートを製造す
るドクターブレード法等の鋳込み成形方法また、真空土
練機により脱気調製した練土を押し出して成形する押し
出し成形方法及び、セラミック粉体を熱可塑性樹脂(ま
たは熱硬化性樹脂またはゴム等)と滑剤や可塑剤などの
有機材料と加熱混合したあと、プラスチックの射出成形
と同じように、射出成形機によって成形品を作る射出成
形等の可塑成形方法、更に、セラミック粉体を金属製の
成形型に充填して加圧圧縮する乾式成形方法等の加圧成
形の三種類の成形方法が利用できる。
【0032】また、本例において用いるような薄厚のセ
ラミックシートを得るには、セラミック粉体とバインダ
ー類と可塑剤と水をボールミルで混合・粉砕した泥しょ
うをロータリードライヤーなどで乾燥してフレーク状と
したのち、ミキシングロールで加熱(通常は蒸気または
電気方式)しながら均質に混練させた後、脱泡と圧延に
よって厚みを出し、多段の仕上げロールによってグリー
ンシートを得るカレンダーロール法も適している。上記
成形方法で得られた成形体シートをホットプレス(加圧
焼結)することにより、セラミックシートの強度が増
す。
【0033】本実施例2で用いるセラミックシート27
は、アルミナ92.4%、マグネシア1.9%、ケイ酸
5.7%からなる原料粉体100部に対し、バインダー
としてポリビニルブチラール8部、可塑剤としてフタル
酸エステル4部、解膠剤としてグリセリルモノオレエー
ト0.1部、トリクロロエチレン72%、エチルアルコ
ール28%の溶剤からなる泥しょうをドクターブレード
法によって成形体シートを成形し、該成形シートを窒素
ガス、炭酸ガスの混合ガス中で1500℃、300kg
/cm2 で加圧焼結して厚さ25μmのセラミックシー
トを製作し、これを上記大きさに型抜きして得た。
【0034】この実施例2のリチウムイオン二次電池に
つき釘刺し試験を行ったところ、この実施例2の重量減
少率は表1に示す如く、少なく17%であった。
【0035】実施例3としては、実施例1の電極ペア2
4と電極ペア24との間の界面25aの夫々に図6に示
す如く、耐電解液性を有する蓄熱材として、ポリテトラ
フルオロエチレンの粉末と平均粒径10μmのアルミナ
粉末懸濁液を加熱固化したのち延伸した厚さ25μm、
大きさ112mm×273mmのアルミナ粉体シート2
8を介在し、この電極ペア24を31ペア積層し、その
他は上述実施例1と同様に構成し、容量が35Ahの大
容量のリチウムイオン二次電池を製作した。
【0036】斯る実施例3においても、電極ペア24の
1ペアおきに正極電極2及び負極電極3の対向しない界
面25aを設けると共にこの界面25aの夫々に耐電解
液性を有する蓄熱材として、アルミナ粉体シート28を
介在させたので、内部短絡が発生しても、隣接する電極
ペア24に波及することを防ぐことができ、この電池自
体の損傷及び周囲への影響を最小限に抑えることができ
る利益がある。
【0037】因みに、この実施例3のリチウムイオン二
次電池につき、釘刺し試験を行ったところ、この実施例
3の重量減少は表1に示す如く、少なく19%であっ
た。
【0038】実施例4としては、正極ユニットを図7に
示す如く、実施例1と同様の正極集電体5の片面にリー
ド5aに連続した正極活物質4の塗布部の大きさが例え
ば107mm×265mmの正極電極2を、厚さが例え
ば25μm、大きさが例えば112mm×273mmの
ポリプロピレン微多孔性フィルムを2枚貼り合わせた袋
状セパレータ8に収納したものとする。
【0039】また負極ユニットは実施例1と同様に負極
集電体7の両面に負極活物質6を塗布した負極電極3を
ポリプロピレン微多孔性フィルムを2枚貼り合わせた袋
状セパレータ8に収納したものとする。
【0040】この実施例4においては図7に示す如く、
この1枚の負極ユニットを2枚の正極ユニットにより負
極活物質6に正極活物質4が対向する如く両側から挟ん
だものを電極ペア30とし、図7に示す如くこの電極ペ
ア30と耐電解液性を有する蓄熱材例えば厚さ15μ
m、大きさ112mm×273mmのステンレスシート
26とを介在し、31ペア積層して、図3に示す如く長
方体の積層体14を形成する。
【0041】この場合電極ペア30と電極ペア30との
間は1枚のステンレスシート26及び2枚のセパレータ
8を介して正極集電体5が対向し、正極電極及び負極電
極が対向しない界面30aとなっている。
【0042】その他は実施例1と同様に構成し、容量が
35Ahの大容量のリチウムイオン二次電池を製作し
た。
【0043】斯る実施例5によれば、電極ペア30の1
ペアおきに正極電極2及び負極電極3が対向しない界面
30aを設けたので、内部短絡が発生しても、隣接する
電極ペア30に波及することを防ぐことができ、この電
池自体の損傷及び周囲への影響を最小限に抑えることが
できる利益がある。
【0044】因みに、この実施例5のリチウムイオン二
次電池につき釘刺し試験を行ったところ、この実施例5
の重量減少は表1に示す如く、少なく18%であった。
【0045】実施例5としては、実施例4の電極ペア3
0と電極ペア30との間の界面30aの夫々に図8に示
す如く耐電解液性を有する蓄熱材として、密度78本/
inch(縦)、73本/inch(横)でガラス繊維
を織り込んだ、厚さ25μm、大きさ112mm×27
3mmのガラスクロスシート29を介在し、この電極ペ
ア30を31ペア積層し、積層体14とする。その他は
上述実施例1と同様に構成し、容量が35Ahの大容量
のリチウムイオン二次電池を製作した。
【0046】斯る実施例5においては、電極ペア30の
1ペアおきに正極電極2及び負極電極3の対向しない界
面30aを設けると共にこの界面30aに耐電解液性を
有する蓄熱材であるガラスクロスシート29を介在させ
たので、内部短絡が発生しても、隣接する電極ペア30
に波及することを防ぐことができ、この電池自体の損傷
及び周囲への影響を最小限に抑えることができる利益が
ある。
【0047】因みに、この実施例5のリチウムイオン二
次電池につき釘刺し試験を行ったところ、この実施例5
の重量減少率は表1に示す如く、少なく20%であっ
た。
【0048】実施例6としては、実施例4の電極ペア3
0と電極ペア30との間の界面30aの夫々に図9に示
す如く、蓄熱材として、マイカブロックを湿式粉砕し、
粉砕したマイカを水中で分級した後抄製した厚さ25μ
m、大きさ112mm×273mmのマイカシート31
を介在し、この電極ペア30を31ペア積層し、積層体
14とする。その他は実施例1と同様に構成し、容量が
35Ahの大容量のリチウムイオン二次電池を製作し
た。
【0049】斯る実施例6においても、電極ペア30の
1ペアおきに正極電極2及び負極電極3の対向しない界
面30aを設けると共にこの界面30aの夫々に図9に
示す如く蓄熱材であるマイカシート31を介在させたの
で、内部短絡が発生しても、隣接する電極ペア30に波
及することを防ぐことができ、この電池自体の損傷及び
周囲への影響を最小限に抑えることができる利益があ
る。
【0050】因みに、この実施例6のリチウムイオン二
次電池につき、釘刺し試験を行ったところ、この実施例
6の重量減少率は表1に示す如く少なく19%であっ
た。
【0051】実施例7は円筒型のリチウムイオン二次電
池の例を示す。この実施例7のリチウムイオン二次電池
を製作するのに先ず、正極電極40として、実施例1と
同様にして、大きさ280mm×1745mmの正極集
電体5の両面に正極活物質4を塗布した帯状の正極電極
40を製作すると共に負極電極41として、実施例1と
同様にして、大きさ283mm×1750mmの負極集
電体7の両面に負極活物質6を塗布した帯状の負極電極
41を製作する。
【0052】また厚さ25μm、大きさ287mm×1
755mmのポリエチレンフィルムもしくはポリプロピ
レンフィルムより成るセパレータ42を用意し、図10
に示す如く、負極電極41、セパレータ42、正極電極
40、セパレータ42、負極電極41及び耐電解液性を
有する蓄熱材である例えば厚さ15μm、大きさ287
mm×1755mmのステンレスシートの順に重ね合わ
せ、これを長手方向に沿って渦巻き状に所定回巻回し、
渦巻状積層体44を形成する。図10で、43は電極ペ
アを示す。
【0053】この場合、この渦巻状積層体44は径方向
において図10に示す如く、1電極ペア43おきに負極
電極41同志が蓄熱材であるステンレスシート32を介
して対向し、正極電極40及び負極電極41が対向しな
い界面43aが存在することとなる。
【0054】また、図4に示す如く、負極電極41の一
側のリード部にニッケルより成る負極リード45の一端
を抵抗溶接により溶着すると共に正極電極40の一側の
リード部にアルミニウムより成る正極リード46の一端
を抵抗溶接により溶着する。
【0055】またニッケルメッキを施した鉄製の直径5
0mm、高さ300.5mmの円筒状の電池缶47aを
用意し、この電池缶47aの底部に絶縁板を挿入した
後、図4に示す如く、この電池缶47aに渦巻状積層体
44を挿入収納する。この場合電池蓋47bに設けた負
極端子49及び正極端子50に負極リード45及び正極
リード46の夫々の他端を夫々溶接する。
【0056】そして、この電池缶47aの中にプロピレ
ンカーボネートを50容量%とジエチルカーボネートを
50容量%との混合溶媒中にLiPF6 をmol/1の
割合で溶解させてなる電解液を注入し、その後、アスフ
ァルトを塗布した絶縁封口ガスケットを介して電池蓋4
7bを電池缶47aにかしめることで、この電池蓋47
bを固定し、容量が20Ahの円筒型の大容量のリチウ
ムイオン二次電池を製作した。
【0057】また、この電池蓋47bにこの密閉型の電
池ケース47の内圧が所定値より高くなったときに、こ
の内部の気体を抜く安全弁48を設ける如くする。
【0058】斯る実施例7においては、図10に示す如
く渦巻状積層体44の径方向において電極ペア43の1
ペアおきに負極電極41同志が対向し、正極電極40及
び負極電極41の対向しない界面43aが存在するの
で、内部短絡が発生しても径方向の電極ペア43に波及
することを防ぐことができ、この電池自体の損傷及び周
囲への影響を最小限に抑えることができる利益がある。
【0059】因みにこの実施例7のリチウムイオン二次
電池につき釘刺し試験を行ったところ、この実施例7の
重量減少率は表1に示す如く、少なく21%であった。
【0060】これに対する比較例2として、図16に示
す如く上述実施例7の帯状の負極電極41、セパレータ
42、正極電極40及びセパレータ42を順に重ね、そ
の後長手方向に沿って渦巻状に所定回巻回して渦巻状積
層体44を得た。その他は実施例7と同様に製作し、容
量が20Ahのリチウムイオン二次電池を得て、この比
較例2につき釘刺し試験を行った。
【0061】この比較例2の釘刺し試験の結果は表1に
示す如く、重量減少は大きく125%であり、内部短絡
が発生したときは、発生熱が径方向の隣接する電極間に
波及していることを示している。
【0062】次に実施例8〜11につき説明する。実施
例8は図11に示す如く実施例7のステンレスシート3
2に代えて、蓄熱材として耐電解液性を有する厚さ25
μmのセラミックシート33を用いたもので、その他は
実施例7と同様に構成し、容量が20Ahの大容量の円
筒型のリチウムイオン二次電池を製作した。
【0063】斯る実施例8においては渦巻状積層体44
の径方向において、電極ペア43の1ペアおきに正極電
極40及び負極電極41の対向しない界面43aが存在
すると共にこの界面43aにセラミックシート33が存
在するので、内部短絡が発生しても径方向の電極ペア4
3に波及することを防ぐことができ、この電池自体の損
傷及び周囲への影響を最小限に抑えることができる利益
がある。
【0064】因みに、この実施例8のリチウムイオン二
次電池につき釘刺し試験を行ったところ、この実施例8
の重量減少率は表1に示す如く少なく、20%であっ
た。
【0065】実施例9は図12に示す如く実施例7のス
テンレスシート32に代えて、実施例3と同様に製作し
た厚さ25μmのアルミナ粉体シート34を用い、その
他は実施例7と同様に構成し、容量が20Ahの大容量
の円筒型のリチウムイオン二次電池を製作した。
【0066】斯る実施例9においても渦巻状積層体44
の径方向において、電極ペア43の1ペアおきに正極電
極40及び負極電極41の対向しない界面43aが存在
すると共に蓄熱材としてアルミナ粉体シート34が存在
するので、内部短絡が発生しても、径方向の電極ペア4
3に波及することを防ぐことができ、この電池自体の損
傷及び周囲への影響を最小限に抑えることができる利益
がある。
【0067】因みに、この実施例9のリチウムイオン二
次電池につき、釘刺し試験を行ったとこな、この実施例
9の重量減少率は表1に示す如く、少なく、23%であ
った。
【0068】実施例10としては、図13に示す如く正
極電極40として実施例7と同様の正極集電体5の片面
にのみ正極活物質4を塗布した帯状の正極電極40と
し、負極電極41として実施例7と同様に負極集電体7
の両面に負極活物質6を塗布した帯状の負極電極41と
し、正極電極40の正極活物質4側が負極電極41の負
極活物質6に対向する如く、正極電極40、セパレータ
42、負極電極41、セパレータ42、正極電極40の
順に重ねて電極ペア43とし、本例では更にこれに耐電
解液性を有する蓄熱材である実施例5と同様にして製作
したガラスクロスシート35を重ね渦巻状に所定回巻回
して渦巻状積層体44を作成し、その他は実施例7と同
様に作成し、容量が20Ahの大容量の円筒型のリチウ
ムイオン二次電池を製作した。
【0069】斯る実施例10においては図13に示す如
く渦巻状積層体44の径方向において、電極ペア43の
1ペアおきに、正極電極40の正極集電体5同志がガラ
スクロスシート35を介して対向し、正極電極40及び
負極電極41の対向しない界面43aが存在すると共に
この界面43aに蓄熱材であるガラスクロスシート35
が存在するので、内部短絡が発生しても、径方向の電極
ペア43に波及することを防ぐことができ、この電池自
体の損傷及び周囲への影響を最小限に抑えることができ
る利益がある。
【0070】因みに、この実施例10のリチウムイオン
二次電池につき釘刺し試験を行ったところ、この実施例
10の重量減少は表1に示す如く少なく23%であっ
た。
【0071】実施例11は、図14に示す如く実施例1
0のガラスクロスシート35に代えて、実施例6と同様
にして製作した厚さ25μmのマイカシート36を用い
たもので、その他は実施例7及び実施例10と同様に構
成し、容量が20Ahの大容量の円筒型のリチウムイオ
ン二次電池を製作した。
【0072】斯る実施例11においては渦巻状積層体4
4の径方向において、電極ペア43の1ペアおきに正極
電極40及び負極電極41の対向しない界面43aが存
在すると共にこの界面43aにマイカシート36が存在
するので、内部短絡が発生しても径方向の電極ペア43
に波及することを防ぐことができ、この電池自体の損傷
及び周囲への影響を最小限に抑えることができる利益が
ある。
【0073】因みに、この実施例11のリチウムイオン
二次電池につき釘刺し試験を行ったところ、この実施例
11の重量減少率は表1に示す如く少なく、20%であ
った。
【0074】尚、上述実施例では正及び負極電極が対向
しない界面、具体的には正極電極同志、負極電極同志が
対向するもしくは活物質の塗布していない面同志が対向
する界面を電極ペアの1ペアおきに設け、該界面に蓄熱
材を介在させたが、数ペアおきにこの界面を設け、該界
面に蓄熱材を介在させるようにしても、上述実施例と同
様の作用効果が得られることは容易に理解できよう。
【0075】また、この界面に設けた蓄熱材は上述実施
例ばかりでなく、その他の耐電解液性を有する金属また
は無機物質よりなるフィルム及びシート、又は金属また
は無機物質を含有する樹脂よりなるフィルム及びシー
ト、更に耐電解液性を持たない蓄熱材でも、耐電解液性
を有するポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフ
ィン系樹脂等で袋状にシールすることで用いることがで
きる。
【0076】更に述べるに、本発明における蓄熱材は、
上述実施例記載の界面のいずれか一方の電極面にあらか
じめ積層しておけば、作業性は向上する。
【0077】また、本発明は上述実施例に限らず本発明
の要旨を逸脱することなく、その他種々の構成が採り得
ることは勿論である。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば正及び負極電極がセパレ
ータを介して積層された積層体に、この正及び負極電極
が対向しない界面を設け、該界面に蓄熱材を介在させた
ので、内部短絡が発生しても隣接する正及び負極電極間
に波及することを防ぐことができ、この電池自体の損傷
及び周囲への影響を最小限に抑えることができる利益が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明リチウムイオン二次電池の一実施例の要
部を示す拡大断面図である。
【図2】偏平角型のリチウムイオン二次電池の例の斜視
図である。
【図3】図2の説明に供する線図である。
【図4】円筒型のリチウムイオン二次電池の例の分解斜
視図である。
【図5】本発明の他の実施例の要部を示す拡大断面図で
ある。
【図6】本発明の他の実施例の要部を示す拡大断面図で
ある。
【図7】本発明の他の実施例の要部を示す拡大断面図で
ある。
【図8】本発明の他の実施例の要部を示す拡大断面図で
ある。
【図9】本発明の他の実施例の要部を示す拡大断面図で
ある。
【図10】本発明の他の実施例の要部を示す拡大断面図
である。
【図11】本発明の他の実施例の要部を示す拡大断面図
である。
【図12】本発明の他の実施例の要部を示す拡大断面図
である。
【図13】本発明の他の実施例の要部を示す拡大断面図
である。
【図14】本発明の他の実施例の要部を示す拡大断面図
である。
【図15】従来のリチウムイオン二次電池の例の要部を
示す拡大断面図である。
【図16】従来のリチウムイオン二次電池の例の要部を
示す拡大断面図である。
【符号の説明】
2,40 正極電極 3,41 負極電極 4 正極活物質 5 正極集電体 6 負極活物質 7 負極集電体 8,42 セパレータ 10 偏平角型電池ケース 11,50 正極端子 12,49 負極端子 13,48 安全弁 14,44 積層体 24,30,43 電極ペア 25a,30a,43a 界面 26,32 ステンレスシート 27,33 セラミックシート 28,34 アルミナ粉体シート 29,35 ガラスクロスシート 31,36 マイカシート 45 負極リード 46 正極リード 47a 円筒型電池缶

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極集電体の片面もしくは両面に正極活
    物質を塗布したシート状の正極電極と、負極集電体の片
    面もしくは両面に負極活物質を塗布したシート状の負極
    電極とをセパレータを介して積層して成るリチウムイオ
    ン二次電池において、 前記正及び負極電極が対向しない界面に耐電解液性を有
    する蓄熱層を介在させることを特徴とするリチウムイオ
    ン二次電池。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のリチウムイオン二次電池
    において、 前記蓄熱層が金属または無機物質よりなるフィルムまた
    はシートであることを特徴とするリチウムイオン二次電
    池。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のリチウムイオン二次電池
    において、 前記蓄熱層が金属または無機物質を含有する樹脂よりな
    るフィルムまたはシートであることを特徴とするリチウ
    ムイオン二次電池。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載のリチウムイオン二
    次電池において、 前記無機物質がセラミックスまたは金属酸化物またはガ
    ラス類または岩石であることを特徴とするリチウムイオ
    ン二次電池。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のリチウムイオン二次電池
    において、 前記樹脂がフッ素系樹脂またはポリオレフィン系樹脂ま
    たはポリイミド系樹脂であることを特徴とするリチウム
    イオン二次電池。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のリチウムイオン二次電池
    において、 前記蓄熱層が耐電解液性をもたない蓄熱材をポリプロピ
    レン、もしくはポリエチレンにより袋状にシールしたも
    のであることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6881514B2 (en) 2000-02-08 2005-04-19 Lg Chemical Co., Ltd. Stacked electrochemical cell
JP2006313736A (ja) * 2005-04-05 2006-11-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電解質二次電池
CN100438192C (zh) * 2001-09-11 2008-11-26 Sk移动能量有限公司 锂离子聚合物电池及其制造方法

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