JPWO2017047353A1 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

高負荷特性に優れ、充放電サイクル特性も良好な非水電解質二次電池を提供する。本発明の非水電解質二次電池は、一対の幅広面を持つ扁平形状の電極体が外装体内に収納されており、前記扁平形状の電極体は、長尺の正極と長尺の負極とがセパレータを介して積層されて渦巻き状に巻回されており、前記正極および前記負極は、それぞれ正極集電タブ、負極集電タブを有しており、前記正極および前記負極の少なくとも一方は、2以上の集電タブを有しており、前記正極集電タブおよび前記負極集電タブは、前記電極体を幅広面側から側面視した時に重ならないように配置されていることを特徴とするものである。

Description

この発明は、非水電解質二次電池に関するものである。
非水電解質二次電池は、その高いエネルギー密度から携帯電話やノートパソコンなど民生機器だけではなく、電動自転車や電力貯蔵など産業用途にも広く展開されてきている。特に、ドローンや介護補助器具といったロボット用途は、近年、需要が大きく伸びつつある。これらロボットに関連した用途では、絶対的な電池容量は必要ないものの、高エネルギー密度と高入出力性能の両立が求められており、特に重量当たりのエネルギー密度と放電時の負荷特性の向上が必要な状況となっている。更に、大電流放電時の発熱抑制も重要な課題となっている。
特許文献1には、正負極の集電タブの配置構成を適正化することによって、高エネルギー密度、高い放電レート特性を併せて得られることが開示されている。また、特許文献2には、高容量化・高出力化された系において、異常時に内部短絡が生じても高い安全性を確保することが可能な非水電解質二次電池が開示されている。
特開2009−245839号公報 特開2014−225326号公報
しかしながら、特許文献1および2に開示の電池は円筒形の鉄製外装缶を利用したものであるため、高負荷での充放電時における外装缶からの放熱は十分ではなかった。
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、高負荷特性に優れ、充放電サイクル特性も良好な非水電解質二次電池を提供することにある。
本発明の非水電解質二次電池は、一対の幅広面を持つ扁平形状の電極体が外装体内に収納されており、前記扁平形状の電極体は、長尺の正極と長尺の負極とがセパレータを介して積層されて渦巻き状に巻回されており、前記正極および前記負極は、それぞれ正極集電タブ、負極集電タブを有しており、前記正極および前記負極の少なくとも一方は、2以上の集電タブを有しており、前記正極集電タブおよび前記負極集電タブは、前記電極体を幅広面側から側面視した時に重ならないように配置されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、高負荷特性に優れ、充放電サイクル特性も良好な非水電解質二次電池を提供できる。
本発明の非水電解質二次電池に係る正極の実施態様の一例を模式的に表す平面図である。 図1のI−I線断面図である。 本発明の非水電解質二次電池に係る負極の実施態様の一例を模式的に表す平面図である。 図3のII−II線断面図である。 本発明の非水電解質二次電池に係る扁平形状の電極体の実施態様の一例を模式的に表す側面図である。 本発明の非水電解質二次電池の実施態様の一例を模式的に表す斜視図である。 本発明の比較例である非水電解質二次電池に係る扁平形状の電極体を模式的に表す側面図である。
本発明の非水電解質二次電池では、長尺の正極および長尺の負極の少なくとも一方に、集電タブを2以上配置する。これにより、正極および/または負極での集電性を高めて電池の高負荷特性を向上させることができる。
なお、長尺の正極および長尺の負極を渦巻き状に巻回する電極体では、充放電時に電流が集電タブへ集中することで発熱する。高負荷での充放電を行う場合は更に集電タブでの発熱が顕著になる。本発明では正極および負極の少なくとも一方において、集電タブを2以上設けることで、1つの集電タブへの電流集中を回避して、顕著な発熱を防止することも可能としている。更に、電極体を扁平形状にして外装体に収納された電池にすることで、円筒形の電池よりも同一体積あたりの表面積を増やすことができるため、放熱性を高めることが可能である。
また、扁平形状の電極体の幅広面側から側面視した時に、正極、負極それぞれの集電タブが重ならないように配置することによって、充放電の繰り返しによる電池厚みの増加や電極体の歪みを低減することができ、これにより充放電反応ムラの発生を抑制し、充放電サイクル特性低下を抑えることが可能となる。
本発明では、長尺の正極および長尺の負極の少なくとも一方に、集電タブを2以上配置する。後述するように、扁平形状の電極体を幅広面側から側面視した時に、集電タブが重ならない位置になれば集電タブは何本でも構わないが、作業性の観点から一つの電極に対して5本以下が好ましく、一つの電極に対して2本が最も好ましい。
また、扁平形状の電極体であれば外装体は缶でもフィルムでも適用可能である。外装体に扁平形状の有底筒状の缶を用いた場合、つまり、いわゆる角形電池とする場合は、外装缶が正電極を帯びているのが一般的であるため、正極集電タブを2以上配置すると作業性が向上し好ましい。更に、外装缶にアルミニウム(アルミニウム合金を含む)を採用できるため、重量エネルギー密度および放熱性の観点からも好ましい。
以下、図面を参照しながら説明する。図1〜5は、本発明の実施態様の一例として、正極集電タブが2本、負極集電タブが1本の態様に係る構成要素を模式的に表す図面である。図1は巻回前の長尺の状態の正極の平面図であり、図2は図1のI−I線断面図である。正極1は、帯状長尺体の正極集電体11に、正極合剤層12を両面および一部片面に設けており、正極集電体11の両端はそれぞれ正極集電体露出部11a、11bを有する。正極集電タブ13a、13bは、それぞれ、正極集電体露出部11a、11b上に配置され、例えば抵抗溶接により溶接される。
図3は巻回前の帯状長尺体の負極の平面図であり、図4は図3のII−II線断面図である。負極2は帯状長尺体の負極集電体21に、負極合剤層22を両面および一部片面に設けており、負極集電体21は一方の端は負極集電体露出部21aを有する。負極集電タブ23は、負極集電体露出部21a上に配置され、例えば抵抗溶接により溶接される。
図5は、図1および図2に示す正極と図3および図4に示す負極とをセパレータを介して積層し、渦巻き状に巻回して扁平形状とした電極体の側面図である。電極体3は、巻回された後に絶縁性の巻止めテープ31で巻止めされている。図5に示すように電極体3を扁平形状とすることで、同一の体積の円筒形の電極体と比較して表面積を大きくすることができるため、放熱性を高めることが可能となる。
扁平形状の電極体3は一対の幅広面30を有し、電極体3の巻回軸方向の一方の端から2本の正極集電タブ2本13a、13bと、1本の負極集電タブ23とが突出している。これらの集電タブを介して電極体へ電流を流し、充放電を行う。図5に示す通り、電極体3の幅広面30側からの側面視で、正極集電タブ13a、正極集電タブ13bおよび負極集電タブ23は、互いに重なっていない。これによって、熱が集中しやすい集電タブ部の放熱性を高めている。また、各集電タブをこのように配置することで、扁平形状の電極体全体の厚み(一方の幅広面から他方の幅広面までの距離)のバラつきが抑えられることから、充放電の繰り返しによる電極体の厚みムラの発生を抑制し、厚みムラによる充放電反応ムラの発生も抑制することができるため、サイクル特性の劣化を抑えることが可能となる。
前記電極体においては、幅広面の巻回軸方向と垂直な方向の長さ(集電タブと垂直な方向の長さ。以下、この長さを「幅」という。)が20〜90mmであることが好ましく、30〜80mmであることが特に好ましい。30mmよりも幅が狭くなると、複数の集電タブを取り出すことが困難となるためである。また、80mmよりも幅が広くなると、後述する容量とのバランス(1.5〜4.0Ah)を考慮した際に、電極体の幅と高さの比率が現実的な値から大きく外れ、生産性などに悪影響を及ぼすためである。一般的に、電池抵抗を小さくするには、電極体の幅は高さよりも小さくした方がよいことから、この観点でも電極体の幅は80mm以下であることが特に好ましい。
前記集電タブ1本あたりの断面積は、0.1〜1.5mmであることが好ましく、0.15〜1.0mmであることが特に好ましい。0.15mmよりも断面積が小さくなると、集電タブに由来する抵抗が大きくなり、集電タブを増やしても高負荷特性を得るのが難しいためである。また、1.0mmよりも断面積が大きくなると、集電タブの幅や厚みが大きくなりすぎて、溶接性などの生産性に問題が発生するためである。
また、前記電極体においては、平面視で前記集電タブがセパレータを介して極性の異なる電極と重なる箇所の面積の50〜100%はテープまたは樹脂膜で保護されていることが好ましい。集電タブを取り付けた部分は電極としての厚みが厚くなるため、外部から応力が加わった際に内部短絡の原因となる可能性がある。集電タブを増やすとそのリスクが高まるため、それを低減するために保護のためのテープなどを重なっている部分の50〜100%となるように貼り付けることが好ましい。
〔正極〕
本発明の非水電解質二次電池に係る正極には、例えば、正極活物質、導電助剤、バインダなどを含有する正極合剤層を、集電体の片面または両面に有する構造のものが使用できる。
<正極活物質>
上記正極に用いる正極活物質は、特に限定されず、リチウム含有遷移金属酸化物などの一般に用いることのできる活物質を使用すればよい。リチウム含有遷移金属酸化物の具体例としては、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiCoNi1−y、LiCo1−y、LiNi1−y、LiMnNiCo1−y−z、LiMn、LiMn2−yなどが挙げられる。ただし、上記の各構造式中において、Mは、Mg、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Ti、Zr、GeおよびCrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素であり、0≦x≦1.1、0<y<1.0、2.0<z<1.0である。エネルギー密度の観点から、リチウムとコバルトを含有する層状化合物(一般式LiCo1−y ;Mは上述のMからCoを抜いた群から選ばれる少なくとも1種の金属元素、yは上述と同じ)が特に好ましい。
<バインダ>
上記正極に用いるバインダとしては、電池内で化学的に安定なものであれば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用できる。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリヘキサフルオロプロピレン(PHFP)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、又は、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体及びそれら共重合体のNaイオン架橋体などの1種または2種以上を使用できる。
<導電助剤>
上記正極に用いる導電助剤としては、電池内で化学的に安定なものであればよい。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛などのグラファイト;アセチレンブラック、ケッチェンブラック(商品名)、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維;アルミニウム粉などの金属粉末;フッ化炭素;酸化亜鉛;チタン酸カリウムなどからなる導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、導電性の高いグラファイトと、吸液性に優れたカーボンブラックが好ましい。また、導電助剤の形態としては、一次粒子に限定されず、二次凝集体や、チェーンストラクチャーなどの集合体の形態のものも用いることができる。このような集合体の方が、取り扱いが容易であり、生産性が良好となる。
<集電体>
上記正極に用いる集電体としては、従来から知られている非水電解質二次電池の正極に使用されているものと同様のものが使用でき、例えば、厚さが10〜30μmのアルミニウム箔が好ましい。
<正極の製造方法>
上記正極は、例えば、前述した正極活物質、導電助剤およびバインダを、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの溶剤に分散させたペースト状やスラリー状の正極合剤含有組成物を調製し(ただし、バインダは溶剤に溶解していてもよい。)、これを集電体の片面または両面に塗布し、乾燥した後に、必要に応じてカレンダ処理を施す工程を経て製造することができる。正極の製造方法は、上記の方法に制限されるわけではなく、他の製造方法で製造することもできる。
<正極合剤層>
上記正極合剤層においては、正極活物質の総量を92〜95質量%とし、導電助剤の量を3〜6質量%とし、バインダの量を3〜6質量%とすることが好ましい。また、高負荷での放電特性を向上させるために、正極合剤層の厚みは片面あたり20〜70μmであることが好ましい。正極合剤層を薄くすると、充放電時にリチウムイオンが移動する最大距離を短くすることができるため、内部抵抗を低く抑えられるからである。
また、正極集電体上の正極合剤層の総面積(正極集電体の一方の面での正極合剤層の占める面積と、他方の面での正極合剤層の占める面積の合計面積)は300〜2000cmであることが好ましく、500〜1600cmであることが特に好ましい。電極面積が300cmより小さくなると上述した電極厚みとのバランスから容量が低くなり、流れる電流値も小さくなるため、集電タブを増やす効果が小さくなりすぎるためである。正極合剤層の総面積が2000cmより大きくなると上述した正極合剤層厚みと容量とのバランスからエネルギー密度が低くなりすぎ、エネルギー密度との両立が困難となるためである。
電池容量を上述した正極合材層の総面積で除した値(本明細書では「電流密度」と呼ぶ)は、2.0〜3.5が好ましい。電流密度が2より小さいとエネルギー密度が低くなりすぎ、3.5より大きいと、高負荷充放電時の分極抵抗が大きくなり、活物質の劣化が進行しやすくなる。
〔負極〕
本発明の非水電解質二次電池に係る負極には、例えば、負極活物質、バインダおよび必要に応じて導電助剤などを含む負極合剤層を、集電体の片面または両面に有する構造のものが使用できる。
<負極活物質>
上記負極活物質は、従来から知られている非水電解質二次電池に用いられている負極活物質、すなわち、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な材料であれば特に制限はない。例えば、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、炭素繊維などの、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な炭素系材料の1種または2種以上の混合物が負極活物質として用いられる。また、シリコン(Si)、スズ(Sn)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、インジウム(In)などの元素およびその合金、リチウム含有窒化物またはリチウム含有酸化物などのリチウム金属に近い低電圧で充放電できる化合物、もしくはリチウム金属やリチウム/アルミニウム合金も負極活物質として用いることができる。中でも、負極活物質としては、シリコンと酸素とを構成元素に含むSiO(0.5≦x≦1.5)で表される材料と黒鉛との混合体が好ましい。
SiOは、Siの微結晶又は非晶質相を含んでいてもよく、この場合、SiとOの原子比は、Siの微結晶又は非晶質相のSiを含めた比率となる。すなわち、SiOには、非晶質のSiOマトリックス中に、Si(例えば、微結晶Si)が分散した構造のものが含まれ、この非晶質のSiOと、その中に分散しているSiを合わせて、上記原子比xが0.5≦x≦1.5を満足していればよい。例えば、非晶質のSiOマトリックス中に、Siが分散した構造で、SiOとSiのモル比が1:1の材料の場合、x=1であるので、構造式としてはSiOで表記される。このような構造の材料の場合、例えば、X線回折分析では、Si(微結晶Si)の存在に起因するピークが観察されない場合もあるが、透過型電子顕微鏡で観察すると、微細なSiの存在が確認できる。
上記SiOは、炭素材料と複合化した複合体であることが好ましく、例えば、SiOの表面が炭素材料で被覆されていることが望ましい。通常、SiOは導電性が乏しいため、これを負極活物質として用いる際には、良好な電池特性確保の観点から、導電性材料(導電助剤)を使用し、負極内におけるSiOと導電性材料との混合・分散を良好にして、優れた導電ネットワークを形成する必要がある。SiOを炭素材料と複合化した複合体であれば、例えば、単にSiOと炭素材料などの導電性材料とを混合して得られた材料を用いた場合よりも、負極における導電ネットワークが良好に形成される。
<バインダ>
上記バインダとしては、例えば、でんぷん、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ジアセチルセルロースなどの多糖類やそれらの変成体;ポリビニルクロリド、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドイミド、ポリアミドなどの熱可塑性樹脂やそれらの変成体;ポリイミド;エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム、ポリブタジエン、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシドなどのゴム状弾性を有するポリマーやそれらの変成体;などが挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
<導電助剤>
上記負極合剤層には、更に導電助剤として導電性材料を添加してもよい。このような導電性材料としては、電池内において化学変化を起こさないものであれば特に限定されず、例えば、カーボンブラック(サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなど)、炭素繊維、金属粉(銅、ニッケル、アルミニウム、銀などの粉末)、金属繊維、ポリフェニレン誘導体(特開昭59−20971号公報に記載のもの)などの材料を、1種または2種以上用いることができる。これらの中でも、カーボンブラックを用いることが好ましく、ケッチェンブラックやアセチレンブラックがより好ましい。
<集電体>
上記集電体としては、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、銅箔が用いられる。この負極集電体は、高エネルギー密度の電池を得るために負極全体の厚みを薄くする場合、厚みの上限は30μmであることが好ましく、機械的強度を確保するために下限は5μmであることが望ましい。
<負極の製造方法>
上記負極は、例えば、前述した負極活物質およびバインダ、更には必要に応じて導電助剤を、NMPや水などの溶剤に分散させたペースト状やスラリー状の負極合剤含有組成物を調製し、これを集電体の片面または両面に塗布し、乾燥した後に、必要に応じてカレンダ処理を施す工程を経て製造することができる。負極の製造方法は、上記の製法に制限されるわけではなく、他の製造方法で製造することもできる。
<負極合剤層>
上記負極合剤層においては、負極活物質の総量を80〜99質量%とし、バインダの量を1〜20質量%とすることが好ましい。また、別途導電助剤として導電性材料を使用する場合には、負極合剤層におけるこれらの導電性材料は、負極活物質の総量およびバインダ量が、上記の好適値を満足する範囲で使用することが好ましい。
高負荷での放電特性を向上させるために、負極合剤層の厚みは片面あたり20〜70μmであることが好ましい。負極合剤層を薄くすると、充放電時にリチウムイオンが移動する最大距離を短くすることができるため、内部抵抗が低く抑えられるからである。SiOで表される材料は負極活物質として最も一般的な黒鉛と比較して、高容量化が可能となる。そのため、SiOで表される材料を負極活物質に含有させると、負極活物質の合計量を少なくすることができるため、負極合剤層の薄膜化が容易になる。
〔非水電解質〕
本発明の非水電解質二次電池に係る非水電解質には、リチウム塩を有機溶媒に溶解した非水電解液を使用できる。
上記非水電解液に用いるリチウム塩としては、溶媒中で解離してリチウムイオンを形成し、電池として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こしにくいものであれば特に制限はない。例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbFなどの無機リチウム塩;LiCFSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO(2≦n≦7)、LiN(RfOSO〔ここで、Rfはフルオロアルキル基〕などの有機リチウム塩;などを用いることができる。
このリチウム塩の非水電解液中の濃度としては、0.5〜1.5mol/Lとすることが好ましく、0.9〜1.25mol/Lとすることがより好ましい。
上記非水電解液に用いる有機溶媒としては、上記のリチウム塩を溶解し、電池として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こさないものであれば特に限定されない。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどの環状カーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;プロピオン酸メチルなどの鎖状エステル;γ−ブチロラクトンなどの環状エステル;ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、1,3−ジオキソラン、ジグライム、トリグライム、テトラグライムなどの鎖状エーテル;ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリルなどのニトリル類;エチレングリコールサルファイトなどの亜硫酸エステル類など;が挙げられ、これらは2種以上混合して用いることもできる。より良好な特性の電池とするためには、エチレンカーボネートと鎖状カーボネートの混合溶媒などのような、高い導電率を得ることができる組み合わせで用いることが望ましい。
〔セパレータ〕
非水電解質二次電池に係るセパレータには、80℃以上(より好ましくは100℃以上)170℃以下(より好ましくは150℃以下)において、その孔が閉塞する性質(すなわちシャットダウン機能)を有していることが好ましく、通常の非水電解質二次電池などで使用されているセパレータ、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン製の微多孔膜を用いることができる。セパレータを構成する微多孔膜は、例えば、PEのみを使用したものやPPのみを使用したものであってもよく、また、PE製の微多孔膜とPP製の微多孔膜との積層体であってもよい。
セパレータの厚みは、6μmより大きく20μmより小さいことが好ましい。
また、セパレータの厚みは、電池の体積エネルギー密度を向上させる観点から、16μmより小さいことがより好ましく、14μmより小さいことが更に好ましい。従来では、正極集電タブ部分への電流集中による顕著な発熱が起こるため、当該箇所でのセパレータの熱収縮による内部短絡を懸念し、セパレータの厚みを大きくすることで熱収縮を防止していた。本発明において、正極集電タブを2以上設けている場合には、1つの正極集電タブに熱が集中するのを防止することができる。そのため従来よりも薄いセパレータを用いることができ、更に体積エネルギー密度の向上に寄与することが可能となった。
また、セパレータの厚みは、取扱いやすさから8μmより大きいことが更に好ましい。
非水電解質二次電池に係るセパレータには、融点が140℃以下の樹脂を主体とした多孔質層(I)と、150℃以下の温度で溶融しない樹脂または耐熱温度が150℃以上の無機フィラーを主体として含む多孔質層(II)とを有する積層型のセパレータを使用することが好ましい。ここで、「融点」とはJIS K 7121の規定に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解温度を意味している。また、「150℃以下の温度で溶融しない」とは、JIS K 7121の規定に準じて、DSCを用いて測定される融解温度が150℃を超えているなど、前記融解温度測定時に150℃以下の温度で融解挙動を示さないことを意味している。更に、「耐熱温度が150℃以上」とは、少なくとも150℃において軟化などの変形が見られないことを意味している。
前記積層型のセパレータに係る多孔質層(I)は、主にシャットダウン機能を確保するためのものであり、非水電解質二次電池が多孔質層(I)の主体となる成分である樹脂の融点以上に達したときには、多孔質層(I)に係る樹脂が溶融してセパレータの空孔を塞ぎ、電気化学反応の進行を抑制するシャットダウンを生じる。
多孔質層(I)の主体となる融点が140℃以下の樹脂としては、例えばPEが挙げられ、その形態としては、前述の非水電解質二次電池のセパレータとして用いられる微多孔膜や、不織布などの基材にPEの粒子を含む分散液を塗布し、乾燥するなどして得られるものが挙げられる。ここで、多孔質層(I)の全構成成分中において、主体となる融点が140℃以下の樹脂の体積は、50体積%以上であり、70体積%以上であることがより好ましい。例えば、多孔質層(I)を前記PEの微多孔膜で形成する場合は、融点が140℃以下の樹脂の体積が100体積%となる。
前記積層型のセパレータに係る多孔質層(II)は、非水電解質二次電池の内部温度が上昇した際にも正極と負極との直接の接触による短絡を防止する機能を備えたものであり、150℃以下の温度で溶融しない樹脂または耐熱温度が150℃以上の無機フィラーによって、その機能を確保している。すなわち、電池が高温となった場合には、喩え多孔質層(I)が収縮しても、収縮し難い多孔質層(II)によって、セパレータが熱収縮した場合に発生し得る正負極の直接の接触による短絡を防止することができる。また、この耐熱性の多孔質層(II)がセパレータの骨格として作用するため、多孔質層(I)の熱収縮、すなわちセパレータ全体の熱収縮自体も抑制できる。
多孔質層(II)を150℃以下の温度で溶融しない樹脂を主体として形成する場合、例えば、150℃以下の温度で溶融しない樹脂で形成された微多孔膜(例えば、前述のPP製の電池用微多孔膜)を多孔質層(I)に積層させる形態や、150℃以下の温度で溶融しない樹脂の粒子などを含む分散液を多孔質層(I)に塗布し、乾燥して多孔質層(I)の表面に多孔質層(II)を形成する塗布積層型の形態が挙げられる。
150℃以下の温度で溶融しない樹脂としては、PP;架橋ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリスチレン、架橋ポリジビニルベンゼン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体架橋物、ポリイミド、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物などの各種架橋高分子微粒子;ポリスルフォン;ポリエーテルスルフォン;ポリフェニレンスルフィド;ポリテトラフルオロエチレン;ポリアクリロニトリル;アラミド;ポリアセタール;などが挙げられる。
150℃以下の温度で溶融しない樹脂の粒子を使用する場合、その粒径は、平均粒子径で、例えば、0.01μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましく、また、10μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましい。本明細書でいう各種粒子の平均粒子径は、例えば、堀場製作所製のレーザー散乱粒度分布計「LA−920」を用い、粒子を溶解しない媒体に、これらの粒子を分散させて測定した平均粒子径D50%である。
多孔質層(II)を耐熱温度が150℃以上の無機フィラーを主体として形成する場合、例えば、耐熱温度が150℃以上の無機フィラーなどを含む分散液を、多孔質層(I)に塗布し、乾燥して多孔質層(II)を形成する塗布積層型の形態が挙げられる。
多孔質層(II)に係る無機フィラーは、耐熱温度が150℃以上で、電池の有する非水電解質に対して安定であり、更に電池の作動電圧範囲において酸化還元されにくい電気化学的に安定なものであればよいが、分散などの点から微粒子であることが好ましく、また、アルミナ、シリカ、ベーマイトが好ましい。アルミナ、シリカ、ベーマイトは、耐酸化性が高く、粒径や形状を所望の数値などに調整することが可能であるため、多孔質層(II)の空孔率を精度よく制御することが容易となる。耐熱温度が150℃以上の無機フィラーは、例えば前記例示のものを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、耐熱温度が150℃以上の無機フィラーを、前述の150℃以下の温度で溶融しない樹脂と併用しても差し支えない。
多孔質層(II)に係る耐熱温度が150℃以上の無機フィラーの形状については特に制限はなく、略球状(真球状を含む。)、略楕円体状(楕円体状を含む。)、板状などの各種形状のものを使用できる。
また、多孔質層(II)に係る耐熱温度が150℃以上の無機フィラーの平均粒子径は、小さすぎるとイオンの透過性が低下することから、0.3μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましい。また、耐熱温度が150℃以上の無機フィラーが大きすぎると、電気特性が劣化しやすくなることから、その平均粒子径は、5μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましい。
多孔質層(II)において、150℃以下の温度で溶融しない樹脂および耐熱温度が150℃以上の無機フィラーは、多孔質層(II)に主体として含まれるものであるため、これらの多孔質層(II)における量〔多孔質層(II)が150℃以下の温度で溶融しない樹脂および耐熱温度が150℃以上の無機フィラーのうちのいずれか一方のみを含有する場合は、その量であり、両者を含有する場合は、それらの合計量。150℃以下の温度で溶融しない樹脂および耐熱温度が150℃以上の無機フィラーの多孔質層(II)における量について、以下同じ。〕は、多孔質層(II)の構成成分の全体積中、50体積%以上であり、70体積%以上であることが好ましく、80体積%以上であることがより好ましく、90体積%以上であることが更に好ましい。多孔質層(II)中の耐熱材料を前記のように高含有量とすることで、非水電解質二次電池が高温となった際にも、セパレータ全体の熱収縮を良好に抑制することができ、正極と負極との直接の接触による短絡の発生をより良好に抑制することができる。
後述するように、多孔質層(II)には有機バインダも含有させることが好ましいため、150℃以下の温度で溶融しない樹脂および耐熱温度が150℃以上の無機フィラーの多孔質層(II)における量は、多孔質層(II)の構成成分の全体積中、99.5体積%以下であることが好ましい。
多孔質層(II)には、150℃以下の温度で溶融しない樹脂または耐熱温度が150℃以上の無機フィラー同士を結着したり、多孔質層(II)と多孔質層(I)との一体化したりするなどのために、有機バインダを含有させることが好ましい。有機バインダとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、酢酸ビニル由来の構造単位が20〜35モル%のもの)、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのエチレン−アクリル酸共重合体、フッ素系ゴム、SBR、CMC、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋アクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが挙げられるが、特に、150℃以上の耐熱温度を有する耐熱性のバインダが好ましく用いられる。有機バインダは、前記例示のものを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記例示の有機バインダの中でも、EVA、エチレン−アクリル酸共重合体、フッ素系ゴム、SBRなどの柔軟性の高いバインダが好ましい。このような柔軟性の高い有機バインダには、三井デュポンポリケミカル社のEVA「エバフレックスシリーズ」、日本ユニカー社のEVA、三井デュポンポリケミカル社のエチレン−アクリル酸共重合体「エバフレックス−EEAシリーズ」、日本ユニカー社のEEA、ダイキン工業社のフッ素ゴム「ダイエルラテックスシリーズ」、JSR社のSBR「TRD−2001」、日本ゼオン社のSBR「BM−400B」などがある。
前記有機バインダを多孔質層(II)に使用する場合には、後述する多孔質層(II)形成用の組成物の溶媒に溶解させるか、または分散させたエマルジョンの形態で用いればよい。
前記塗布積層型のセパレータは、例えば、150℃以下の温度で溶融しない樹脂の粒子や耐熱温度が150℃以上の無機フィラーなどを含有する多孔質層(II)形成用組成物(スラリーなどの液状組成物など)を、多孔質層(I)を構成するための膜(微多孔膜、不織布など)の表面に塗布し、所定の温度で乾燥して多孔質層(II)を形成することにより製造することができる。
多孔質層(II)形成用組成物は、150℃以下の温度で溶融しない樹脂の粒子および/または耐熱温度が150℃以上の無機フィラーの他、必要に応じて有機バインダなどを含有し、これらを溶媒(分散媒を含む。以下同じ。)に分散させたものである。有機バインダについては溶媒に溶解させることもできる。多孔質層(II)形成用組成物に用いられる溶媒は、150℃以下の温度で溶融しない樹脂の粒子や無機フィラーなどを均一に分散でき、また、有機バインダを均一に溶解または分散できるものであればよいが、例えば、トルエンなどの芳香族炭化水素;テトラヒドロフランなどのフラン類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;など、一般的な有機溶媒が好適に用いられる。これらの溶媒に、界面張力を制御する目的で、アルコール類(エチレングリコール、プロピレングリコールなど)、または、モノメチルアセテートなどの各種プロピレンオキサイド系グリコールエーテルなどを適宜添加してもよい。また、有機バインダが水溶性である場合、エマルジョンとして使用する場合などでは、水を溶媒としてもよく、この際にもアルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)を適宜加えて界面張力を制御することもできる。
多孔質層(II)形成用組成物は、150℃以下の温度で溶融しない樹脂の粒子および/または耐熱温度が150℃以上の無機フィラー、更には有機バインダなどを含む固形分含量を、例えば10〜80質量%とすることが好ましい。
前記積層型のセパレータにおいて、多孔質層(I)と多孔質層(II)とは、それぞれ1層ずつである必要はなく、複数の層がセパレータ中にあってもよい。例えば、多孔質層(II)の両面に多孔質層(I)を配置した構成としたり、多孔質層(I)の両面に多孔質層(II)を配置した構成としたりしてもよい。ただし、層数を増やすことで、セパレータの厚みを増やして電池の内部抵抗の増加やエネルギー密度の低下を招く虞があるので、層数を多くしすぎるのは好ましくなく、前記積層型のセパレータ中の多孔質層(I)と多孔質層(II)との合計層数は5層以下であることが好ましい。
本発明によってセパレータ全体の厚みを薄くすることができることは上述した通りであるが、前記積層型セパレータを用いる場合においては、熱収縮を抑える作用が非常に高いため、セパレータの厚みを更に薄くすることが可能となる。
具体的には、多孔質層(I)の厚みを5〜14μm、多孔質層(II)の厚みを1〜5μmとすることができ、厚みの合計を6〜15μmとすることができる。これにより、更にセパレータの全体の厚みを薄くすることが可能になり、正負極間距離を短くすることができるので、電池の内部抵抗を低く抑えることができる。
セパレータ全体の空孔率としては、電解液の保液量を確保してイオン透過性を良好にするために、乾燥した状態で、30%以上であることが好ましい。一方、セパレータ強度の確保と内部短絡の防止の観点から、セパレータの空孔率は、乾燥した状態で、70%以下であることが好ましい。セパレータの空孔率:P(%)は、セパレータの厚み、面積あたりの質量、構成成分の密度から、下記式(1)を用いて各成分iについての総和を求めることにより計算できる。
P={1−m/(Σaiρi×t)}×100 (1)
ここで、前記式(1)中、ai:質量%で表した成分iの比率、ρi:成分iの密度(g/cm)、m:セパレータの単位面積あたりの質量(g/cm)、t:セパレータの厚み(cm)である。
また、前記積層型のセパレータの場合、前記式(1)において、mを多孔質層(I)の単位面積あたりの質量(g/cm)とし、tを多孔質層(I)の厚み(cm)とすることで、前記式(1)を用いて多孔質層(I)の空孔率:P(%)を求めることもできる。この方法により求められる多孔質層(I)の空孔率は、30〜70%であることが好ましい。
更に、前記積層型のセパレータの場合、前記式(1)において、mを多孔質層(II)の単位面積あたりの質量(g/cm)とし、tを多孔質層(II)の厚み(cm)とすることで、前記式(1)を用いて多孔質層(II)の空孔率:P(%)を求めることもできる。この方法により求められる多孔質層(II)の空孔率は、20〜60%であることが好ましい。
前記セパレータとしては、機械的な強度の高いものが好ましく、例えば突き刺し強度が3N以上であることが好ましい。例えば、充放電に伴う体積変化の大きなSiOを負極活物質に使用した場合、充放電を繰り返すことで、負極全体の伸縮によって、対面させたセパレータにも機械的なダメージが加わることになる。セパレータの突き刺し強度が3N以上であれば、良好な機械的強度が確保され、セパレータの受ける機械的ダメージを緩和することができる。
突き刺し強度が3N以上のセパレータとしては、前述した積層型のセパレータが挙げられ、特に、融点が140℃以下の樹脂を主体とした多孔質層(I)に、耐熱温度が150℃以上の無機フィラーを主体として含む多孔質層(II)を積層したセパレータが好適である。それは、前記無機フィラーの機械的強度が高いため、多孔質層(I)の機械的強度を補って、セパレータ全体の機械的強度を高めることができるからであると考えられる。
前記突き刺し強度は以下の方法で測定できる。直径2インチの穴があいた板上にセパレータをしわやたわみのないように固定し、先端の直径が1.0mmの半円球状の金属ピンを、120mm/分の速度で測定試料に降下させて、セパレータに穴があく時の力を5回測定する。そして、前記5回の測定値のうち最大値と最小値とを除く3回の測定について平均値を求め、これをセパレータの突き刺し強度とする。
前記の正極と前記の負極と前記のセパレータとは、正極と負極との間にセパレータを介在させて重ねて渦巻状に巻回し、更に横断面を扁平形状にした電極体として、非水電解質二次電池に使用される。
前記電極体においては、前記積層型のセパレータ、特に融点が140℃以下の樹脂を主体とした多孔質層(I)に、耐熱温度が150℃以上の無機フィラーを主体として含む多孔質層(II)を積層したセパレータを使用する場合、多孔質層(II)が少なくとも正極と面するように配置することが好ましい。この場合、耐熱温度が150℃以上の無機フィラーを主体として含み、より耐酸化性に優れる多孔質層(II)が正極と面することで、正極によるセパレータの酸化をより良好に抑制できるため、電池の高温時の保存特性や充放電サイクル特性を更に高めることもできる。また、非水電解質にはビニレンカーボネートやシクロヘキシルベンゼンなどの添加剤を添加して、電池の各種特性を更に高めることが可能であるが、このような添加物を加えた場合、正極側で皮膜形成してセパレータの細孔を詰まらせ、電池特性の低下を引き起こす虞もある。そこで、比較的ポーラスな多孔質層(II)を正極に対面させることで、細孔の目詰まりを抑制する効果も期待できる。
本発明の非水電解質二次電池は、従来の非水電解質二次電池と同様に充電の上限電圧を4.2V程度として使用することもできるが、充電の上限電圧を、これよりも高い4.3V以上に設定して使用することも可能であり、これにより高容量化を図りつつ、長期にわたって繰り返し使用しても、安定して優れた特性を発揮することが可能である。なお、非水電解質二次電池の充電の上限電圧は、4.7V以下であることが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池は、従来から知られている非水電解質二次電池と同様の用途に適用することができる。本発明は電池内の部品点数の増加を最小限に抑えられるので、特に、限られた体積に対して高容量が求められるような機器、例えばモバイル機器や小型機器および多セルを直列に組み合わせたロボット用途など体積エネルギー密度が350〜800Wh/Lのような場合に特に効果を発揮する。更に本発明の非水電解質二次電池は、後述する条件(実施例に記載)で測定した場合の電池容量が1.0〜5.0Ahの場合に特徴が良く現れ、特に1.5〜4.0Ahの範囲で最適な特性を示す。ロボットなどの用途では、その使い道を考えると絶対的な電池容量は高くする必要はないため、本発明の電池がうまく適合する。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
実施例1
<正極の作製>
LiCoOとLi1.0Ni0.5Co0.2Mn0.3とを8:2の割合(質量比)で混合した正極活物質100質量部と、バインダであるPVDFを10質量%の濃度で含むNMP溶液20質量部と、導電助剤である人造黒鉛1質量部およびケッチェンブラック1質量部とを、二軸混練機を用いて混練し、更にNMPを加えて粘度を調節して、正極合剤含有ペーストを調製した。
前記正極合剤含有ペーストを、図1および図2に示すように厚みが12μmのアルミニウム箔(正極集電体)の両面および一部片面に塗布した後、120℃で12時間の真空乾燥を行って、アルミニウム箔の両面に正極合剤層を形成した。その後、プレス処理を行って、正極合剤層の厚さおよび密度を調節した。得られた正極における正極合剤層は、片面あたりの厚みが40μmであった。図1および図2に示すように、両端のアルミニウム箔露出部にアルミにウム製の正極集電タブ(幅5mm、厚み0.08mm、断面積0.4mm)を1本ずつ溶接することで、2本の正極集電タブを有する長さ1000mm、幅54mmの帯状の正極を作製した。また、この時の正極合剤層の総面積は、両面の合計で820cmであった。
<負極の作製>
負極活物質である平均粒子径D50%が8μmであるSiO表面を炭素材料で被覆した複合体(複合体における炭素材料の量が10質量%)と、平均粒子径D50%が16μmである黒鉛とを、SiO表面を炭素材料で被覆した複合体の量が3.75質量%となる量で混合した混合物:97.5質量部と、バインダであるSBR:1.5質量部と、増粘剤であるCMC:1質量部とに、水を加えて混合し、負極合剤含有ペーストを調製した。
前記負極合剤含有ペーストを、図3および図4に示すように厚みが8μmの銅箔(負極集電体)の両面に塗布した後、120℃で12時間の真空乾燥を行って、銅箔の両面および一部片面に負極合剤層を形成した。その後、プレス処理を行って、負極合剤層の厚さおよび密度を調節し、図3および図4に示すように銅箔の露出部にニッケル製の負極集電タブを溶接して、長さ990mm、幅55mmの帯状の負極を作製した。得られた負極における負極合剤層は、片面あたりの厚みが45μmであった。
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの体積比3:7の混合溶媒に、LiPFを1.1mol/Lの濃度で溶解させ、2質量%となる量のビニレンカーボネートと2質量%となる量のフルオロエチレンカーボネートとを、それぞれ添加して非水電解液を調製した。
<セパレータの作製>
板状ベーマイト(平均粒径1μm、アスペクト比10)5kgに、イオン交換水5kgと、分散剤(水系ポリカルボン酸アンモニウム塩、固形分濃度40質量%)0.5kgとを加え、内容積20L、転回数40回/分のボールミルで10時間解砕処理をして分散液を調製した。処理後の分散液の一部を120℃で真空乾燥し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、ベーマイトの形状はほぼ板状であった。また、処理後のベーマイトの平均粒子径は1μmであった。
上記分散液500gに、増粘剤としてキサンタンガムを0.5g、バインダとして樹脂バインダーディスパージョン(変性ポリブチルアクリレート、固形分含量45質量%)を17g加え、スリーワンモーターで3時間攪拌して均一な多孔質層(II)形成用スラリー(固形分比率50質量%)を調製した。
多孔質層(I)であるPE製の微多孔膜(厚み10μm、空孔率40%、平均孔径0.08μm、PEの融点135℃)の片面にコロナ放電処理(放電量40W・分/m2)を施し、この処理面に上記多孔質層(II)形成用スラリーをマイクログラビアコーターによって塗布し、乾燥して厚みが2μmの多孔質層(II)をセパレータ上の片面に形成して、積層型セパレータを作製した。
<電池の組み立て>
図5に示すように、前記帯状の正極を、上記積層型セパレータ(空孔率:42%)を介して前記帯状の負極に重ね、渦巻状に巻回した後、扁平形状になるように加圧して電極体とし、この電極体をポリプロピレン製の絶縁テープで固定した。この時、扁平形状の電極体は、図5の通り幅広面からの側面視で、それぞれの集電タブが重ならない位置となっていた。この時の電極体の幅広面寸法は幅方向(巻回軸方向と垂直方向)50mm、高さ方向(巻回軸方向と平行方向)58mmであった。
次に、外寸が厚さ4.8mm、幅57mm、高さ60mmのアルミニウム合金製の角形缶に前記巻回電極体を挿入し、それぞれ集電タブの溶接を行うとともに、アルミニウム合金製の蓋板を角形缶の開口端部に溶接した。その後、蓋板に設けた注入口から前記非水電解質を注入し、注入口を封止して、図6に示す外観の非水電解質二次電池100を得た。
非水電解質二次電池100は、外装缶111と蓋板121を有し、これらは正極端子を兼ねている。外装缶111は一対の側面部112と一対の幅広面113と底面とからなる。幅広面113は、電池の内圧が上昇した際に防爆機構として作動する開裂溝114を有している。蓋体121は外装缶111の開口部に挿入され、両者の接合部を溶接することによって、外装缶111の開口部が封口され、電池内部が密閉されている。蓋体121に非水電解液注入口が設けられており、この非水電解液注入口には、封止部材122が挿入された状態で、例えばレーザー溶接などにより溶接封止されて、電池の密閉性が確保されている。蓋体121にはPP製の絶縁パッキング124を介してステンレス鋼製の端子123が取り付けられ、この端子123は電池内部で絶縁体を介してリード板が取り付けられている。
図示していないが、正極集電タブは蓋体121に直接溶接することによって外装缶111と蓋体121とが正極端子として機能し、負極集電タブは電池内部のリード板に溶接し、そのリード板を介して端子123とを導通させることによって端子123が負極端子として機能するようになっている。
実施例2
セパレータにPE製の微多孔膜(厚み20μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例3
サイズを長さ700mm、幅54mmに変更した以外は、実施例1と同様にして帯状の正極を作製した。この時の正極合剤層の総面積は,両面の合計で660cmであった。
また、サイズを長さ800mm、幅55mmに変更した以外は、実施例1と同様にして帯状の負極を作製した。
前記帯状の正極と、前記帯状の負極とを用いた以外は、実施例1と同様にして扁平形状の電極体を作製した。この時の電極体の幅広面寸法は、幅方向35mm、高さ方向58mmであった。
そして、外寸が厚さ4.8mm、幅38mm、高さ60mmのアルミニウム合金製の角形缶に前記扁平形状の電極体を挿入した以外は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例4
サイズを長さ1600mm、幅54mmに変更した以外は、実施例1と同様にして帯状の正極を作製した。この時の正極合剤層の総面積は、両面の合計で1560cmであった。
また、サイズを長さ1700mm、幅55mmに変更した以外は、実施例1と同様にして帯状の負極を作製した。
前記帯状の正極と、前記帯状の負極とを用いた以外は、実施例1と同様にして扁平形状の電極体を作製した。この時の電極体の幅広面寸法は、幅方向75mm、高さ方向58mmであった。
そして、外寸が厚さ4.8mm、幅78mm、高さ60mmのアルミニウム合金製の角形缶に前記扁平形状の電極体を挿入した以外は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例1
電極体を円筒形状に形成し、外装体を従来公知の円筒形に変更した以外は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例2
正極集電タブ13bを設けなかった以外は実施例1と同様にして帯状の正極を作製し、この正極を用い、更にPE製の微多孔膜(厚み20μm)を用いた以外は、実施例1と同様に非水電解質二次電池を作製した。
比較例3
実施例1で用いたものと同じ帯状の正極、帯状の負極およびセパレータを重ねて、正極の巻き始めの位置を実施例1と変更し、電極体最外周側の正極集電タブ213a、および電極体最内周側の正極集電タブ213bを図7の配置になるようにして、扁平形状の電極体203を作製した。
そして、この扁平形状の電極体203を用いた以外は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例4
セパレータをPE製の微多孔膜(厚み20μm)に変更した以外は、比較例3と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例、比較例の各非水電解質二次電池を、以下の評価方法で評価した。表1および表2には各電池の構成を示し、表3にはそれぞれの評価結果を示す。
<電池容量>
実施例および比較例の各電池について、1Cの電流値で2.75Vまで定電流(以下CCと記す)放電することで、一度完全に放電された状態にした。次に、各電池について、4.35Vまで定電流定電圧(以下CCCVと記す)充電を行った。CC充電の電流値は1Cとし、充電終止電流値は0.05Cとした。続いて、各電池について0.2Cの電流値で2.75VまでCC放電を行い、その時の放電容量を測定した。この時の容量を電池容量とした。
<放電負荷特性>
実施例および比較例の各電池について、1Cの電流値で2.75VまでCC放電することで、一度完全に放電された状態にした。次に、各電池について、4.35VまでCCCV充電を行った。CC充電の電流値は1Cとし、充電終止電流値は0.05Cとした。続いて、各電池について0.2Cの電流値で2.75VまでCC放電を行い、その時の放電容量を測定した。
ついで、各電池について、再度同様の条件でCCCV充電を行い、10Cの電流値で2.75VまでCC放電し、その際の放電容量と電池の表面温度とを評価した。
高負荷放電特性評価として、実施例および比較例の各電池について、10C放電時の放電容量を0.2C放電時の放電容量で除した値(10C/0.2C放電容量比)をそれぞれ算出した。表2の10C/0.2C放電容量比では、各電池について、実施例1の電池の結果を100としたときの相対値を示している。
<1kHz交流抵抗〔インピーダンス(Imp.)〕>
実施例および比較例の各非水電解質二次電池の1kHz交流抵抗は、1Cの電流値で2.75VまでCC放電した後、4.35VまでCCCV充電を行い、その後にHIOKI社製の抵抗測定機「HiTESTER」を用いて25℃で測定した。
<電池厚みの測定>
実施例および比較例の各非水電解質二次電池の厚みは、株式会社ミツトヨ製のシックネスゲージ(測定部φ10mm平面円形)を用いて、外装缶の幅広面中央部と、外装缶幅広面における扁平形状の電極体の集電タブに対応する箇所とで測定した。表3では、中央部の厚み、および集電タブ位置に対応する箇所の厚みの最大値を示す。
<充放電サイクル特性>
実施例および比較例の各非水電解質二次電池について、1Cの電流値で2.75VまでCC放電することで、一度完全に放電された状態にした。次に、各電池について、4.35VまでCCCV充電を行った。CC充電の電流値は1Cとし、充電終止電流値は0.05Cとした。続いて、各電池について5Cの電流値で2.75VまでCC放電を行い、その際の初回放電容量を求めた。その後、この充放電条件を1サイクルとし、各電池について、500サイクルの充放電を繰り返したときの放電容量を求めた。表3では、各電池について、500サイクル後の放電容量を初回放電容量で除した値を百分率(容量維持率)で示す。
Figure 2017047353
Figure 2017047353
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実施例1〜4のように電極体が扁平形状で正極集電タブを2本用い、かつ幅広面側から側面視した時に集電タブが重ならない位置に配置された非水電解質二次電池は、インピーダンスが低いため、10C/0.2C放電容量比が高く、かつ電池表面の温度上昇も抑えられた。更に電池の幅広面の中央部厚みと最大厚みとの差が小さく、幅広面の厚みムラが少ないので、充放電時に電極体内の空隙の偏りにより発生する電極体の歪みが少ないため、高いサイクル容量維持率が得られた。
電極体が円筒状である比較例1の電池は、扁平形状の電極体を有する実施例1の電池と比べて放熱性が悪く、高負荷放電時に温度が上昇した。更に放熱性が悪いことが充放電サイクル特性にも悪影響を与える結果となった。正極、負極とも集電タブが1本の比較例2の電池は、インピーダンスが高いために高負荷での放電時の容量が小さかった。側面視した時に2本の正極集電タブが重なるように配置した電極体を有する比較例3、4の電池は、充放電サイクル特性評価時の容量維持率が低くなった。比較例3、4の電池では、扁平形状の電極体の幅広面に厚みムラがあるため、充放電サイクルを繰り返すうちに充放電容量ロスが発生し、容量維持率が低くなったと考えられる。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、前記以外の形態としても実施が可能である。本出願に開示された実施形態は一例であって、本発明は、これらの実施形態には限定されない。本発明の範囲は、前記の明細書の記載よりも、添付されている請求の範囲の記載を優先して解釈され、請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更は、請求の範囲に含まれる。
この発明は、非水電解質二次電池に適用される。
1 正極
13a、13b 正極集電タブ
2 負極
3 扁平形状の電極体
30 幅広面
100 非水電解質二次電池

Claims (8)

  1. 一対の幅広面を持つ扁平形状の電極体が外装体内に収納されており、
    前記扁平形状の電極体は、長尺の正極と長尺の負極とがセパレータを介して積層されて渦巻き状に巻回されており、
    前記正極および前記負極は、それぞれ正極集電タブ、負極集電タブを有しており、
    前記正極および前記負極の少なくとも一方は、2以上の集電タブを有しており、
    前記正極集電タブおよび前記負極集電タブは、前記電極体を幅広面側から側面視した時に重ならないように配置されていることを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 下記の条件で測定した時の電池容量が1.5〜4.0Ahである請求項1に記載の非水電解質二次電池。
    <電池容量測定条件>
    1Cの電流値で2.75Vまで定電流放電することで、一度完全に放電された状態にする。次に4.35Vまで定電流定電圧充電を行う。定電流充電の電流値は1Cとし、充電終止電流値は0.05Cとする。続いて0.2Cの電流値で2.75Vまで定電流放電を行い、その時の放電容量を電池容量とする。
  3. 前記幅広面は、巻回軸方向と垂直な方向の長さが30〜80mmである請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記セパレータは、厚みが20μm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記セパレータは、
    融点が140℃以下の樹脂を主体とする多孔質層(I)と、
    150℃以下の温度で溶融しない樹脂または耐熱温度が150℃以上の無機フィラーを主体として含む多孔質層(II)
    とを有する積層型のセパレータである請求項1〜4のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
  6. 前記正極は、正極合剤層を正極集電体の片面または両面に有するものであり、
    前記正極合剤層の厚みは、片面で20〜70μmである請求項1〜5のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
  7. 前記正極は正極合剤層を正極集電体の片面または両面に有するものであり、
    前記正極集電体上の正極合剤層の総面積が300〜2000cmである請求項1〜6のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
  8. 前記正極集電タブおよび前記負極集電タブは、1本あたりの断面積が0.15〜1.0mmである請求項1〜7のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
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