JP4539051B2 - リチウム二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、剛性および耐振動性の高いリチウム二次電池、その二次電池を用いた組電池ユニット、その組電池ユニットが用いられた組電池、その組電池ユニットまたは組電池を搭載した車両に関する。
通常、リチウム二次電池においては、リチウムが水分と激しく反応することから、電池寿命を延ばすためには内部への水分の浸入をできるだけ防止しなければならない。従って、従来の二次電池は、たとえば下記特許文献1に開示されているように、合成樹脂製のハウジング内に電池要素と共に吸湿材を収容してハウジングを完全密閉し、外からの空気や水分の浸入を防止すると共に万が一水分が浸入してもこれが吸湿材で吸収されるようにしている。
特開2000−243357号公報(段落番号0044の記載および図9)
従来のリチウム二次電池にあっては、水分の吸収を目的として電池内に吸湿材を収容している。このため、水分の浸入が防止されるという点においては電池寿命が向上する。しかし、吸湿材は電池の物理的強度を向上させるものではないため、電池の剛性や耐振動性という点においては電池寿命が向上しない。
従って、従来のリチウム二次電池を常に振動がつきまとう場所で使用した場合、その電池寿命は吸湿材の収容されていない従来のリチウム二次電池と同じである。
本発明は、このような従来のリチウム二次電池の問題を解消するために成されたものであり、耐水性のみならず剛性および耐振動性をも向上し得るリチウム二次電池の提供を目的とする。
本発明にかかるリチウム二次電池は、集電体上に形成された正極層と負極層がポリマー電解質層を介して積層されてなる電池要素と当該電池要素を密封する外装材との間に、前記外装材の内部に侵入する水分を取り込むために負圧を発生するように形成した空間を有する吸湿材を配置している。
リチウム二次電池内部は負圧に保たれているため、吸湿材は、外装材のシール面から侵入してくる水分をそれが電池要素に達する前に効果的に吸収する。
本発明のリチウム二次電池によれば、電池要素と外装材との間に外装材の内部に侵入する水分を取り込むために負圧を発生するように形成した空間を有する吸湿材を配置したので、吸湿材が外装材のシール面から侵入してくる水分を効果的に吸収することができる。
次に、本発明にかかるリチウム二次電池の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明にかかるリチウム二次電池の断面図、図2は、本発明にかかるリチウム二次電池の透視平面図、図3は、吸湿材の説明に供する図である。
図1に示すように、本発明にかかるリチウム二次電池10は、集電体12上に形成された正極層13と負極層16がポリマー電解質層18を介して積層されてなる電池要素20と、電池要素20を密封する外装材22との間に、集電体12と平行にシート状の吸湿材24が配置されてなるものである。吸湿材24の大きさは、図2に示すように、電池要素20の外縁部21を包含する大きさである。つまり、吸湿材24は電池要素20よりも一回り大きいシート状の形態を有している。吸湿材24の大きさが電池要素20の大きさよりも小さいと、水分やガスの吸収効率が悪くなるからである。吸湿材24は、図3Aまたは図3Bに示すように、水分やガスの吸収効率を向上させるため、侵入する水分を積極的に吸収するための非常に微細な空間を備えている。つまり吸湿材20自体が多孔質構造になっている。図3Aに示す吸湿材20はその空間が大きめの多孔質構造を、図3Bに示す吸湿材20はその空間が小さめの多孔質構造を有している。図2に示すように、電池要素20を構成する正極側の集電体には正極タブ14が取り付けられ、その負極側の集電体には負極タブ15が取り付けられる。
本発明にかかるリチウム二次電池は原則としてポリマー電池に限られる。液系の電池であると吸湿材24に電解液が直接接触してしまうからである。また、吸湿材24は、外装材22のすぐ内側に挿入するのが好ましい。電池要素20の中に配置させると吸湿材24が電解質層18と接触することになりこれがあまり好ましくないからである。集電体12、正極層13、負極層16を形成する材料としては、通常のリチウム二次電池の材料を用いる。外装材22は通常のリチウム二次電池に用いられている材料を用いるが、本発明の場合、ラミネート外装が用いられているリチウム二次電池に対して特に有効である。
本明細書において、ポリマーは、全固体高分子電解質と高分子ゲル電解質の両方を含んだ意味で用いている。全固体高分子電解質はPEO(ポリエチレンオキシド)などのポリマー100%のものをいい、高分子ゲル電解質は全固体高分子電解質に通常のリチウム二次電池で用いられる電解液を含んだものをいう。高分子ゲル電解質を構成するポリマーと電解液の比率は幅広く、電解液100%を液体電解質とすると、その中間体はすべて高分子ゲル電解質にあたる。
なお、電池要素20は、集電体12の一方の面に正極層13が設けられ他方の面に負極層16が設けられてなるバイポーラ電極がポリマー電解質層を介して積層されてなるものであっても良い。この場合、正極層13を形成する活物質としてリチウム−遷移金属複合酸化物を、負極層16を形成する活物質としてカーボンまたはリチウム−遷移金属複合酸化物を用いるのが好ましい。
バイポーラ電極を用いると、さらに体積エネルギー密度、体積出力密度を向上することが可能となる。なお、バイポーラ二次電池の場合は各層がシールされているため電解液系でも本発明を適用することができる。
具体的に、正極層13を形成する正極活物質としては、たとえばLiMn、LiCoO、LiNiOおよびこれらの遷移金属の一部を他の元素により置換したものが使用できる。また、負極層16を形成する負極活物質としては、たとえばハードカーボン、グラファイト、LiTi12が使用できる。これらの材料を用いることにより反応性、サイクル耐久性に優れ、容量、出力特性に優れたリチウム二次電池を構成できる。
吸湿材24は、合成ゼオライト、シリカゲル、五酸化リン、酸化バリウムまたは酸化カルシウムのいずれかの粉末材料をバインダーにより結合して所定の形状に形成する。これらの粉末材料は高い吸湿性を持ち、高温でも吸着能力が高く、潮解性がないために水分をすばやく吸着することができる。特に、合成ゼオライト、五酸化リン、酸化バリウム、酸化カルシウムは高温でも吸着能力が高く、潮解性がない。
吸湿材のバインダー樹脂としては、たとえば熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー類、熱硬化性樹脂、プラスチックアロイ、天然高分子(植物繊維、パルプ)を使用することができる。
熱可塑性樹脂には、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリオレフィン、アイオノマー、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル−ビニルアルコール三元共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、非晶性ポリオレフィン(透明性良好、たとえば日本ゼオン/商品名:ゼオネックス)、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、スチレン系共重合体(ABS樹脂、AS樹脂、SMA樹脂、ACS樹脂、ASA樹脂など)、ポリアクリロニトリル、ポリオキシメチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、フッ素樹脂(ポリ四フッ化エチレン、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体、フッ化ビニリデンなど)、液晶ポリマー(たとえば芳香族ポリエステル系の三菱エンジニアリングプラスチックス/商品名:ノパキュレート)、ポリアリレート、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ノルボルネン系樹脂(たとえばJSR/商品名:アートン)、セルロース樹脂などを挙げることができる。
熱可塑性エラストマー類は熱可塑性樹脂と同様の加工ができ、成形品がゴム弾性を示す素材の総称であり、分子構造中にハードセグメント(硬質相)とソフトセグメント(軟質相)を有する。スチレン系では硬質相がポリスチレン、軟質相がブタジエン、イソプレンなどが使用される。ポリエステル系では硬質相がポリエステル、軟質相がポリエーテル、ポリアミド系では硬質相がポリアミド、軟質相がポリエーテルなどが使用される。その他オレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ウレタン系、塩素化ポリエチレンがある。
熱硬化性樹脂にはフェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、フラン樹脂、アミノ樹脂(ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂)、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂がある。
プラスチックアロイは、上記、熱可塑性材料同士を任意に溶融混合したものである。商品化された例としてポリカーボネート系ではポリカーボネートとABS樹脂、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、などとのアロイまた、ポリアミド系ではポリアミドとABS樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリオレフィンとのアロイが知られている。
また、天然高分子として、パルプ、木綿、麻などと混抄することによって担体に保持された吸湿剤を得ることができる。
吸湿材24を粉末材料とバインダーとを用いて形成すると、吸湿材24を自由な形状に形成することができる。また吸湿材24の中に適度な空間を有するものを作製することが可能になる。
上記のように、外装材22の直ぐ内側に電池要素20よりも一回り大きいシート状の吸湿材24を配置しておくと、図4に模式的に示したように外装材22の熱融着部分23から浸入してきた水分をそれが電池要素20に達する前に吸湿材24内に効果的に吸収させることができる。図4のA部を拡大した図5に示すように、外装材22の隙間から浸透した水分は電池内部の負圧によって多孔性の吸湿材24に速やかに取り込まれ、吸湿材24内で拡散する。リチウム二次電池の場合、電池要素に含まれるリチウムが水と激しく反応するため、水分の浸入は電池寿命を著しく短縮させてしまうが、吸湿材24に水分が積極的に取り込まれるため、水分の浸入が電池寿命を大幅に減少させることがなくなる。
本発明にかかるリチウム二次電池の場合、1mm程度の非常に薄いシート状の吸湿材24を電池要素20の両側に合計2枚配置するだけで、水分を効率的に吸収させることができるので、リチウム二次電池の体積効率(単位体積あたりの出力)、重量効率(単位重量あたりの出力)に影響を与えずに電池寿命を延ばすことができる。
また、充放電時に電池要素20から化学反応によるガスが発生することがあるが、本発明にかかるリチウム二次電池の場合、図4および図5に示すように、このガスを吸湿材24に形成されている空間(後述する)の負圧によってこの空間内に保持させることができる。したがって、このガスにより外装材22が膨らむ現象の発生を抑えることができ、電池寿命が向上する。
さらに、吸湿材24は非常に薄い電池要素20をその両面から押さえつけ電池要素20を補強する役割をも担う。電池要素20が補強されることによってその剛性が上がるとともに、それに伝わる振動が抑えられる。したがって、本発明にかかるリチウム二次電池において吸湿材24は単なる吸湿材としての機能だけではなく、補強材または振動吸収材としての機能も果たす。
吸湿材24は上記のように多孔質の構造とするだけではなく、図6〜図9に示すように電池内部に負圧を形成するための空間を積極的に形成することによって、吸湿材24にさらに次のような作用を与えることができる。すなわち、吸湿材24に空間(ここでの空間は図6〜図9に示すように人工的に形成した空間)を形成すると、水分が速やかに吸湿材24に拡散させることができ、またその空間が電池内で発生したガスのためのガスだまりにもなる。空間が存在することによりその部分は強烈な負圧を発生するため電池内部で発生したガスや外部から浸入した水分が速やかに拡散する。また、表面積が増えて水分を含む空気との接触面積が増えるという効果もある。
図6Aから図6Eに示す吸湿材24は、その重心位置から放射状に伸びる複数の支柱30と支柱30同士を接続する周縁部32とで構成されている。図6Aの吸湿材24は8本の支柱を有し、図6B、Eの吸湿材24は4本の支柱を有し、図6C、Dの吸湿材24は2本の支柱を有している。
吸湿材24に図6に示すような構造を持たせることによって、吸湿材24に大きな空間を作ることができる。また、重心位置から放射状に吸湿材が存在することになるため、吸湿材自体が骨格となりゆがみに対する補強の役割を果たすようになる。その結果、電池としての剛性および耐振動性が向上し、電気自動車の駆動用電源として相応しい特性を持つリチウム二次電池が提供できる。
図7A、図7Bに示す吸湿材24は、これを貫通する円形または角形の穴を有している。なお、穴の数や形状は図7に示すようなものに限られず、リチウム二次電池に要求される性能に応じて最適な形状の穴を最適な数設ければよい。
吸湿材24に図7に示すような構造を持たせることによって、吸湿材24に大きな空間を作ることができる。また、このような構造をもつことによって吸湿材自体が縦方向の振動吸収材としての役割を果たすようになる。これは、貫通する穴を持たせることにより空間ができ、結果的にシートの体積が減少し、シート状の吸湿材24をばねにみたてるとばね定数が低下することになるからである。その結果、電池としての剛性および耐振動性が向上し、電気自動車の駆動用電源として相応しい特性を持つリチウム二次電池が提供できる。
図8A、図8Bに示す吸湿材24は、その表面に底面が球状または角形の窪みを有している。なお、窪みの数や形状は図8に示すようなものに限られず、リチウム二次電池に要求される性能に応じて最適な形状の窪みを最適な数設ければよい。
吸湿材24に図8に示すような構造を持たせることによって、吸湿材24に大きな空間を作ることができる。また、このような構造をもつことによって吸湿材自体が縦方向の振動吸収材としての役割を果たすようになる。これは、窪みを持たせることにより空間ができ、結果的にシートの体積が減少し、シート状の吸湿材24をばねにみたてるとばね定数が低下することになるからである。その結果、電池としての剛性および耐振動性が向上し、電気自動車の駆動用電源として相応しい特性を持つリチウム二次電池が提供できる。
図9A〜図9Cに示す吸湿材24は、その外周部から内側に向かって伸びるスリット34を備えている。なお、スリット34をどのように入れるかはリチウム二次電池に要求される性能に応じて検討する。スリット34を入れる場合、吸収性能を勘案すると外周部から内側に向かって入れることが好ましい。
吸湿材24に図9に示すような構造を持たせることによって、吸湿材24に空間を作ることができる。また、スリット34は外部から浸入した水分および電池内部で発生したガスを速やかに吸湿材24内に拡散させるための流路となる。さらに、このような構造をもつことによって吸湿材自体が縦方向の振動吸収材としての役割を果たすようになる。
本発明では、上記のリチウム二次電池10を、少なくとも2以上直列または並列に接続して組電池モジュール50を構成することができる。具体的には、図10に示すように、リチウム二次電池10を4枚並列に接続し(図10B参照)、4枚並列にしたリチウム二次電池10をさらに6枚直列にして金属製の組電池ケース55に収納し(図10A、C参照)組電池モジュール50を構成することができる。このように、リチウム二次電池10を任意の個数直並列に接続することによって、所望の電流、電圧、容量に対応できる組電池モジュール50を提供することができる。
なお、組電池ケース55上部の蓋体に設けられた組電池モジュール50の正極端子52および負極端子54と、各リチウム二次電池10の正極電極端子36、および負極電極端子37とは、組電池モジュール50の正極および負極端子用リード線46、48を用いて電気的に接続されている。また、リチウム二次電池10を4枚並列に接続する際には、スペーサ49のような適当な接続部材を用いて各リチウム二次電池10の各電極端子36、37を電気的に接続すればよい(図10B参照)。同様に、4枚並列にした各リチウム二次電池10をさらに6枚直列に接続する際には、バスバー51のような適当な接続部材を用いて各リチウム二次電池10の正極タブ14、負極タブ15を順次電気的に接続すればよい(図10C参照)。リチウム二次電池10同士を連結するためには、超音波溶接、熱溶接、レーザ溶接または電子ビーム溶接により、または、リベットを用いて、またはカシメの手法を用いて、連結するようにしてもよい。
次に、上記の組電池モジュール50を、少なくとも2以上直列、並列または直並列に接続し、組電池60とすることで、使用目的ごとの電池容量や出力に対する要求に、新たに専用の組電池モジュールを作製することなく、比較的安価に対応することが可能になる。たとえば、図11に示したように、組電池モジュール50を6組並列に接続して組電池60とするには、各組電池ケース55上部の蓋体に設けられた組電池モジュール50の正極端子52および負極端子54を、外部正極端子部、外部負極端子部を有する組電池正極端子連結板62、組電池負極端子連結板64を用いてそれぞれ電気的に接続する。また、各組電池ケース55の両側面に設けられた各ネジ孔部(図示せず)に、該固定ネジ孔部に対応する開口部を有する連結板66を固定ネジ67で固定し、各組電池モジュール50同士を連結する。また、各組電池モジュール50の正極端子52および負極端子54は、それぞれ正極および負極絶縁カバー68、69により保護され、適当な色、たとえば、赤色と青色に色分けすることで識別されている。
このように、組電池モジュールを複数直並列接続されてなる組電池は、高容量、高出力を得ることができ、一つ一つの組電池モジュールの信頼性が高いことから、組電池としての長期的な信頼性の維持が可能である。また一部の電池、組電池モジュールが故障しても、その故障部分を交換するだけで修理が可能になる。
組電池60を、電気自動車に搭載するには、図12に示したように、電気自動車70の車体中央部の座席下に搭載する。座席下に搭載すれば、車内空間およびトランクルームを広く取ることができるからである。なお、電池を搭載する場所は、座席下に限らず、後部トランクルームの下部でもよいし、車両前方のエンジンルームでも良い。以上のような組電池を用いた電気自動車は高い耐久性を有し、長期間の使用しても十分な出力を提供しうる。さらに、燃費、走行性能に優れた電気自動車、ハイブリッド自動車を提供できる。
なお、本発明では、組電池60だけではなく、使用用途によっては、組電池モジュールを搭載するようにしてもよいし、これら組電池と組電池モジュールを組み合わせて搭載するようにしてもよい。また、本発明の組電池または組電池モジュールを搭載することのできる車両としては、上記の電気自動車やハイブリッドカーが好ましいが、これらに制限されるものではない。
本発明にかかるリチウム二次電池は、各請求項に記載の発明ごとに次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、外装材の内部に侵入する水分を取り込むために負圧を発生するように形成した空間を有する吸湿材を電池内に挿入したことによって、その空間には強い負圧が生じるため、外部から浸入してきた水分をそれが電池要素に達する前に吸湿材内に効果的に吸収することができる。外装材の隙間から浸透した水分は電池内部の負圧によって吸湿材に速やかに取り込まれ、吸湿材内で拡散する。吸湿材に空間を設けると、吸湿材の表面積が増えるため、水分が取り込みやすくなる。
請求項に記載の発明によれば、吸湿材を放射状に伸びる複数の支柱と支柱同士を接続する周縁部とで構成したことによって、吸湿材に空間を形成することができ、また、吸湿材に補強部材および振動吸収材としての機能を持たせることができ、厚みの非常に薄いリチウム二次電池の剛性を高め、電池に伝わる振動を抑えることができる。
請求項に記載の発明によれば、吸湿材にこれを貫通する穴を形成したので、吸湿材に空間を形成することができ、また、吸湿材に電池の縦方向の振動吸収材としての機能を持たせることができる。
請求項に記載の発明によれば、吸湿材にこれを貫通する円形または角形の穴を形成したので、吸湿材に空間を形成することができ、また、吸湿材に電池の縦方向の振動吸収材としての機能を持たせることができる。
請求項に記載の発明によれば、吸湿材に窪みを形成したので、吸湿材に空間を形成することができ、また、吸湿材に補強部材および振動吸収材としての機能を持たせることができ、厚みの非常に薄いリチウム二次電池の剛性を高め、電池に伝わる縦方向の振動を抑えることができる。
請求項に記載の発明によれば、吸湿材に球状または角形の窪みを形成したので、吸湿材に空間を形成することができ、また、吸湿材に電池の縦方向の振動吸収材としての機能を持たせることができる。
請求項に記載の発明によれば、吸湿材にその外周部から内側に向かって伸びるスリットを設けたので、吸湿材に空間を形成することができ、また、吸湿材に補強部材および振動吸収材としての機能を持たせることができ、厚みの非常に薄いリチウム二次電池の剛性を高め、電池に伝わる縦方向の振動を抑えることができる。
請求項に記載の発明によれば、吸湿材は、電池要素の外周部を包含する大きさであるので、外部から浸入してきた水分をそれが電池要素に達する前に吸湿材内に効果的に吸収させることができる。
請求項に記載の発明によれば、吸湿材粉末をバインダーにより結合させて吸湿材を形成したので、吸湿材は自由な形状にすることができ、また、最適な空間を形成することもできる。
請求項10に記載の発明によれば、バイポーラ電極とすることによって、体積エネルギー密度、体積出力密度を大きくすることができ、電池寿命の長いリチウム二次電池を作製することができる。
次に、本発明にかかるリチウム二次電池を実施例によってさらに詳細に説明する。以下の実施例においては特に断りのない限り、[電極]、[ゲル電解質]、[吸湿材]は下記の材料を用い下記の方法で作製した。
[電極の作製]
正極の作製
まず、正極活物質としてLiMn(85重量%)、導電助剤としてアセチレンブラック(5重量%)、バインダーとしてPVDF(10重量%)を混合し、スラリー粘度調整溶媒としてNMPを使用し塗布しやすい粘度に調整して正極スラリーを作成した。
次に、この正極スラリーを集電体となるアルミニウム箔(厚さ20μm)の片面に塗布して乾燥させ、プレスをかけた後に80mm×80mmの大きさで切り取って電流を取り出すための正極タブをアルミニウム箔に取り付けた。
負極の作製
まず、負極活物質としてLiTi12(85重量%)、導電助剤としてアセチレンブラック(5重量%)、バインダーとしてPVDF(10重量%)を混合し、スラリー粘度調整溶媒としてNMPを使用し塗布しやすい粘度に調整して負極スラリーを作成した。
次に、この負極スラリーを集電体となる銅箔(厚さ20μm)の片面に塗布して乾燥させ、プレスをかけた後に80mm×80mmの大きさで切り取って電流を取り出すための負極タブを銅箔に取り付けた。
[ゲル電解質の作製]
ポリプロピレン製のセパレータ(厚さ50μm)に、イオン伝導性高分子マトリックスの前駆体である平均分子量7500〜9000のモノマー溶液(ポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドの共重合体)(10重量%)、電解液としてPC+EC(1:1)(90重量%)、1.0MLi(CSON、重合開始材(BDK)からなるプレゲル溶液を浸漬させて石英ガラス基板に挟み込み、紫外線を15分間照射して前駆体を架橋させ、ゲル電解質を作製した。
[吸湿材の作製]
高密度ポリエチレンのペレットに対し、粉砕した合成ゼオライトを重量分率で20%になるように、露点−60℃以下のドライルームでブレンドし、200℃の熱プレスを行って厚さ1.0mmと0.5mmの2種類の吸湿材を作製した。
次に、参考例1用、実施例1〜12用としてこの吸湿材を85mm×85mmの大きさで切り取った。また、参考例2用として75mm×75mmの大きさで切り取ったものも作製した。
下記の実施例では、この吸湿材をさまざまな形状に加工して耐水性と耐振動性の試験を行った。
参考例1]
上記のゲル電解質を上記の正極と負極で挟んで電池要素を作製し、この電池要素の両面とこれを密封するアルミラミネートとの間に上記の厚さ1.0mm、85mm×85mmの図3AまたはBに示すような吸湿材を介在させ、アルミラミネートを熱融着により真空密封してリチウム二次電池を作製した。
まずこのリチウム二次電池の性能を耐水性の面から調べるため耐水性試験を行った。耐水性試験は、外気温35℃、湿度90%の環境下において、このリチウム二次電池に対して1Cの電流の充電と放電を延べ50サイクル繰り返すことによって行った。その後リチウム二次電池の容量を確認した。このときの容量維持率は89%であった。ここでの容量維持率とは、作製したばかりのリチウム二次電池の容量と50サイクル充放電を繰り返した後のリチウム二次電池との容量の比である。
次にこのリチウム二次電池の性能を耐振動性の面から調べるため耐振動性試験を行った。耐振動性試験は、1Cの電流で1サイクル充放電を行い、放電容量を確認した後に再び1Cの電流で充電して満充電状態にし、その後、振動を長時間加えて放電させることによって行った。なお、耐振動性試験は、しっかり固定したリチウム二次電池に対して垂直の方向に振幅3mmの50Hzの単調な振動を200時間加えて行った。このときの容量維持率は91%であった。ここでの容量維持率とは、作製したばかりのリチウム二次電池の容量と振動を長時間加えた後のリチウム二次電池との容量の比である。
[実施例
上記のゲル電解質を上記の正極と負極で挟んで電池要素を作製し、上記の厚さ1.0mm、85mm×85mmの吸湿材をカッターで図6Aに示すような形状にし、この吸湿材をこの電池要素の両面とこれを密封するアルミラミネートとの間に介在させ、アルミラミネートを熱融着により真空密封してリチウム二次電池を作製した。
このリチウム二次電池に対し参考例1の場合とまったく同一の条件で耐水性試験と耐振動性試験とを行った。耐水性試験を行ったときの容量維持率は91%であった。また、耐振動性試験を行ったときの容量維持率は98%であった。
[実施例
上記のゲル電解質を上記の正極と負極で挟んで電池要素を作製し、上記の厚さ1.0mm、85mm×85mmの吸湿材をカッターで図6Bに示すような形状にし、この吸湿材をこの電池要素の両面とこれを密封するアルミラミネートとの間に介在させ、アルミラミネートを熱融着により真空密封してリチウム二次電池を作製した。
このリチウム二次電池に対し参考例1の場合とまったく同一の条件で耐水性試験と耐振動性試験とを行った。耐水性試験を行ったときの容量維持率は92%であった。また、耐振動性試験を行ったときの容量維持率は97%であった。
[実施例
上記のゲル電解質を上記の正極と負極で挟んで電池要素を作製し、上記の厚さ1.0mm、85mm×85mmの吸湿材をカッターで図6Cに示すような形状にし、この吸湿材をこの電池要素の両面とこれを密封するアルミラミネートとの間に介在させ、アルミラミネートを熱融着により真空密封してリチウム二次電池を作製した。
このリチウム二次電池に対し参考例1の場合とまったく同一の条件で耐水性試験と耐振動性試験とを行った。耐水性試験を行ったときの容量維持率は93%であった。また、耐振動性試験を行ったときの容量維持率は95%であった。
[実施例
上記のゲル電解質を上記の正極と負極で挟んで電池要素を作製し、上記の厚さ1.0mm、85mm×85mmの吸湿材をカッターで図6Dに示すような形状にし、この吸湿材をこの電池要素の両面とこれを密封するアルミラミネートとの間に介在させ、アルミラミネートを熱融着により真空密封してリチウム二次電池を作製した。
このリチウム二次電池に対し参考例1の場合とまったく同一の条件で耐水性試験と耐振動性試験とを行った。耐水性試験を行ったときの容量維持率は92%であった。また、耐振動性試験を行ったときの容量維持率は96%であった。
[実施例
上記のゲル電解質を上記の正極と負極で挟んで電池要素を作製し、上記の厚さ1.0mm、85mm×85mmの吸湿材をカッターで図6Eに示すような形状にし、この吸湿材をこの電池要素の両面とこれを密封するアルミラミネートとの間に介在させ、アルミラミネートを熱融着により真空密封してリチウム二次電池を作製した。
このリチウム二次電池に対し参考例1の場合とまったく同一の条件で耐水性試験と耐振動性試験とを行った。耐水性試験を行ったときの容量維持率は93%であった。また、耐振動性試験を行ったときの容量維持率は98%であった。
[実施例
上記のゲル電解質を上記の正極と負極で挟んで電池要素を作製し、直径3mmの革抜きポンチで上記の厚さ1.0mm、85mm×85mmの吸湿材に図7Aに示すような円形の貫通した穴を数十個開け、この吸湿材をこの電池要素の両面とこれを密封するアルミラミネートとの間に介在させ、アルミラミネートを熱融着により真空密封してリチウム二次電池を作製した。
このリチウム二次電池に対し参考例1の場合とまったく同一の条件で耐水性試験と耐振動性試験とを行った。耐水性試験を行ったときの容量維持率は93%であった。また、耐振動性試験を行ったときの容量維持率は97%であった。
[実施例
上記のゲル電解質を上記の正極と負極で挟んで電池要素を作製し、カッターで上記の厚さ1.0mm、85mm×85mmの吸湿材に図7Bに示すような5mm角の角型の貫通した穴を十数個開け、この吸湿材をこの電池要素の両面とこれを密封するアルミラミネートとの間に介在させ、アルミラミネートを熱融着により真空密封してリチウム二次電池を作製した。
このリチウム二次電池に対し参考例1の場合とまったく同一の条件で耐水性試験と耐振動性試験とを行った。耐水性試験を行ったときの容量維持率は92%であった。また、耐振動性試験を行ったときの容量維持率は95%であった。
[実施例
上記のゲル電解質を上記の正極と負極で挟んで電池要素を作製し、上記の厚さ1.0mm、85mm×85mmの吸湿材に彫刻刀で図8Aに示すような球状の窪みを数十個形成し、この吸湿材をこの電池要素の両面とこれを密封するアルミラミネートとの間に介在させ、アルミラミネートを熱融着により真空密封してリチウム二次電池を作製した。
このリチウム二次電池に対し参考例1の場合とまったく同一の条件で耐水性試験と耐振動性試験とを行った。耐水性試験を行ったときの容量維持率は91%であった。また、耐振動性試験を行ったときの容量維持率は95%であった。
[実施例
上記のゲル電解質を上記の正極と負極で挟んで電池要素を作製し、上記の厚さ0.5mm、85mm×85mmの吸湿材に彫刻刀で図8Bに示すような5mm角の角型の窪みを十数個形成し、この吸湿材をこの電池要素の両面とこれを密封するアルミラミネートとの間に介在させ、アルミラミネートを熱融着により真空密封してリチウム二次電池を作製した。なお、このとき2枚の吸湿材の穴の位置が同じ位置にならないようにした。
このリチウム二次電池に対し参考例1の場合とまったく同一の条件で耐水性試験と耐振動性試験とを行った。耐水性試験を行ったときの容量維持率は90%であった。また、耐振動性試験を行ったときの容量維持率は96%であった。
[実施例10
上記のゲル電解質を上記の正極と負極で挟んで電池要素を作製し、上記の厚さ1.0mm、85mm×85mmの吸湿材にカッターで図9Aに示すような位置に幅5mmのスリットを数個入れ、この吸湿材をこの電池要素の両面とこれを密封するアルミラミネートとの間に介在させ、アルミラミネートを熱融着により真空密封してリチウム二次電池を作製した。
このリチウム二次電池に対し参考例1の場合とまったく同一の条件で耐水性試験と耐振動性試験とを行った。耐水性試験を行ったときの容量維持率は95%であった。また、耐振動性試験を行ったときの容量維持率は98%であった。
[実施例11
上記のゲル電解質を上記の正極と負極で挟んで電池要素を作製し、上記の厚さ1.0mm、85mm×85mmの吸湿材にカッターで図9Bに示すような位置に幅5mmのスリットを数個入れ、この吸湿材をこの電池要素の両面とこれを密封するアルミラミネートとの間に介在させ、アルミラミネートを熱融着により真空密封してリチウム二次電池を作製した。
このリチウム二次電池に対し参考例1の場合とまったく同一の条件で耐水性試験と耐振動性試験とを行った。耐水性試験を行ったときの容量維持率は96%であった。また、耐振動性試験を行ったときの容量維持率は96%であった。
[実施例12
上記のゲル電解質を上記の正極と負極で挟んで電池要素を作製し、上記の厚さ1.0mm、85mm×85mmの吸湿材にカッターで図9Cに示すような位置に幅5mmのスリットを数個入れ、この吸湿材をこの電池要素の両面とこれを密封するアルミラミネートとの間に介在させ、アルミラミネートを熱融着により真空密封してリチウム二次電池を作製した。
このリチウム二次電池に対し参考例1の場合とまったく同一の条件で耐水性試験と耐振動性試験とを行った。耐水性試験を行ったときの容量維持率は95%であった。また、耐振動性試験を行ったときの容量維持率は95%であった。
参考例2
上記のゲル電解質を上記の正極と負極で挟んで電池要素を作製し、この電池要素の両面とこれを密封するアルミラミネートとの間に上記の厚さ1.0mm、75mm×75mmの吸湿材を介在させ、アルミラミネートを熱融着により真空密封してリチウム二次電池を作製した。なお、この吸湿材の寸法は電池要素の寸法よりも若干小さい。
このリチウム二次電池に対し参考例1の場合とまったく同一の条件で耐水性試験を行った。耐水性試験を行ったときの容量維持率は80%であった。
[比較例1]
上記のゲル電解質を上記の正極と負極で挟んで電池要素を作製し、アルミラミネートにこの電池要素のみ(吸湿材は内蔵せずに)を収容させ熱融着により真空密封してリチウム二次電池を作製した。
このリチウム二次電池に対し参考例1の場合とまったく同一の条件で耐水性試験と耐振動性試験とを行った。耐水性試験を行ったときの容量維持率は73%であった。また、耐振動性試験を行ったときの容量維持率は85%であった。
[耐水性試験における評価]
以上の参考例1、実施例1〜12、参考例2および比較例1の結果を下記の表1に示す。
Figure 0004539051
この表に示された結果を見ると明らかであるが、85mm×85mmの吸湿材を入れたリチウム二次電池(参考例1、実施例1〜12)の容量維持率の方が吸湿材を入れていないリチウム二次電池(比較例1)の容量維持率よりも大きいことがわかる。この結果から、吸湿材を入れることによってリチウム二次電池の性能劣化が抑えられることがわかる。
また、85mm×85mmの吸湿材を入れたリチウム二次電池(参考例1、実施例1〜12)の容量維持率の方が75mm×75mmの吸湿材を入れたリチウム二次電池(参考例2)の容量維持率よりも大きいことがわかる。この結果から、吸湿材の大きさが電池要素よりも大きい方がリチウム二次電池の性能劣化をより抑えられることがわかる。
さらに、単にシート状の吸湿材を入れたリチウム二次電池(参考例1)の容量維持率よりも吸湿材にさまざまな形状の空間を形成したリチウム二次電池(実施例1〜12)の容量維持率の方が大きいことがわかる。この結果から、吸湿材に空間を形成した方がリチウム二次電池の性能劣化をより抑えられることがわかる。
[耐振動性試験における評価
以上の参考例1、実施例1〜12および比較例1の結果を下記の表2に示す。
Figure 0004539051
この表に示された結果を見ると明らかであるが、吸湿材を入れたリチウム二次電池(参考例1、実施例1〜12)の容量維持率の方が吸湿材を入れていないリチウム二次電池(比較例1)の容量維持率よりも大きいことがわかる。この結果から、吸湿材を入れることによって外側からの振動の影響を抑えることができ、リチウム二次電池の性能劣化が抑えられることがわかる。
また、単にシート状の吸湿材を入れたリチウム二次電池(参考例1)の容量維持率よりも吸湿材にさまざまな形状の空間を形成したリチウム二次電池(実施例1〜12)の容量維持率の方が大きいことがわかる。この結果から、吸湿材に空間を形成した方がリチウム二次電池の性能劣化をより抑えられることがわかる。
以上の結果を踏まえると、本発明にかかるリチウム二次電池は、耐水性および耐振動性に優れているため、使用環境のあまり良くない場所の電源、たとえば、電気自動車用の駆動用電源として好適である。
本発明にかかるリチウム二次電池は、使用環境のあまり良くない場所でも使用することができるので、電気自動車をはじめとするさまざまな分野で応用できる。
本発明にかかるリチウム二次電池の断面図である。 本発明にかかるリチウム二次電池の透視平面図である。 本発明にかかるリチウム二次電池に収納する吸湿材の説明に供する図である(実施例1)。 本発明にかかるリチウム二次電池の機能説明に供する断面図である。 本発明にかかるリチウム二次電池の機能説明に供する一部拡大断面図である。 本発明にかかるリチウム二次電池に収納する吸湿材の説明に供する図である(実施例2〜6)。 本発明にかかるリチウム二次電池に収納する吸湿材の説明に供する図である(実施例7、8)。 本発明にかかるリチウム二次電池に収納する吸湿材の説明に供する図である(実施例9、10)。 本発明にかかるリチウム二次電池に収納する吸湿材の説明に供する図である(実施例11〜13)。 本発明にかかる組電池モジュールの代表的な一実施形態を模式的に表した図であり、(A)は平面図を、(B)は側面図を、(C)は正面図をそれぞれ示す。 本発明にかかる組電池の代表的な一実施形態を模式的に表した図である。 本発明にかかる組電池が搭載された車両を模式的に表した図である。
符号の説明
10…リチウム二次電池、
12…集電体、
13…正極層、
14…正極タブ、
15…負極タブ、
16…負極、
18…ポリマー電解質層、
20…電池要素、
22…外装材、
24…吸湿材、
30…支柱、
32…周縁部、
34…スリット、
36…正極電極端子、
37…負極電極端子、
46…正極端子用リード線、
48…負極端子用リード線、
49…スペーサ、
50…組電池モジュール、
51…バスバー、
52…正極端子、
54…負極端子、
55…組電池ケース、
60…組電池、
62…組電池正極端子連結板、
64…組電池負極端子連結板、
66…連結板、
67…固定ねじ、
68…正極絶縁カバー、
69…負極絶縁カバー、
70…電気自動車。

Claims (10)

  1. 集電体上に形成された正極層と負極層がポリマー電解質層を介して積層されてなる電池要素と当該電池要素を密封する外装材との間に、前記外装材の内部に侵入する水分を取り込むために負圧を発生するように形成した空間を有する吸湿材を配置したことを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 前記吸湿材は、その重心位置から放射状に伸びる複数の支柱と当該支柱同士を接続する周縁部とで構成されていることを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池。
  3. 前記吸湿材は、これを貫通する穴が形成されていることを特徴とする請求項記載のリチウム二次電池。
  4. 前記穴の形状は円形または角形であることを特徴とする請求項記載のリチウム二次電池。
  5. 前記吸湿材は、その表面に窪みが形成されていることを特徴とする請求項記載のリチウム二次電池。
  6. 前記窪みの形状は底面が球状または角形であることを特徴とする請求項記載のリチウム二次電池。
  7. 前記吸湿材は、その外周部から内側に向かって伸びるスリットを備えていることを特徴とする請求項記載のリチウム二次電池。
  8. 前記吸湿材は、前記電池要素の外縁部を包含する大きさであることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  9. 前記吸湿材は、バインダーにより吸湿材粉末を結合してなるものであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  10. 前記電池要素は、集電体の一方の面に正極層が設けられ他方の面に負極層が設けられてなるバイポーラ電極がポリマー電解質層を介して積層されてなることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のリチウム二次電池。
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