JP2007188747A - リチウムイオン二次電池およびこれを用いた組電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池において、電池の体積エネルギ密度の低下を招くことなく、電池の充放電時の電池要素の温度上昇を効果的に抑制しうる手段を提供する。
【解決手段】正極集電体の表面に形成された、正極活物質を含む正極活物質層、電解質層、および負極集電体の表面に形成された、負極活物質を含む負極活物質層がこの順に積層されてなる少なくとも1つの単電池を含む電池要素と、前記電池要素から電力を外部に取り出すための、前記正極集電体と電気的に接続された正極端子および前記負極集電体と電気的に接続された負極端子からなる電極端子と、を有するリチウムイオン二次電池であって、前記正極端子と正極集電体との接合部または前記負極端子と前記負極集電体との接合部の少なくとも一方において、集電体と接触するように熱吸収部材を配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に関する。特に本発明は、リチウムイオン二次電池の耐久性を向上させるための改良に関する。
近年、大気汚染や地球温暖化に対処するため、二酸化炭素量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が盛んに行われている。
モータ駆動用二次電池としては、全ての電池の中で最も高い理論エネルギを有するリチウムイオン二次電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。リチウムイオン二次電池は、一般に、バインダを用いて正極活物質等を正極集電体の両面に塗布した正極と、バインダを用いて負極活物質等を負極集電体の両面に塗布した負極とが、電解質層を介して接続されてなる電池要素(いわゆる「単電池」)を有する。また、外部へ電力を取り出す目的で、電池要素には電極端子(正極端子および負極端子)が電気的に接続され、当該電池要素はさらに、アルミニウム等の軽量金属からなる箔の両面に樹脂シートが積層されてなる金属−樹脂ラミネートシート中に、電極端子が外部に導出するように収容されるのが一般的である(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、現在より一層の高出力化を念頭に開発が進められているリチウムイオン二次電池において、短時間に大電流で(すなわち、高出力で)充放電を行うと、電池要素が約80℃程度にまで上昇する場合がある。ここで、正極活物質として用いられうるマンガン酸リチウム(LiMn)のようなマンガン系酸化物は、約60℃以上で活物質中のマンガン原子が溶解し、劣化が進行する。また、充放電時に電池要素の温度が上昇すると、負極活物質の表面において保護被膜が成長し、電気抵抗が増大したり、電解質中に微量の水分が存在する場合には電解質塩であるリチウム塩が加水分解してガスが発生したりする場合もある。従って、高出力リチウムイオン二次電池における充放電時の電池要素の温度上昇を抑制する技術の開発が求められていた。
かような電池の充放電時における電池要素の温度上昇を抑制するための技術として、電池要素を構成する集電体の厚さを増大させることにより、充放電時に発生した熱を当該集電体により吸収する技術が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
特開2001−52748号公報 特開2005−174686号公報
しかしながら、前記特許文献2の手法を採用すると、集電体の厚さの増大に伴って電池要素全体が大型化し、これに伴って電池の体積エネルギ密度が低下するという問題があった。
そこで本発明は、リチウムイオン二次電池において、電池の体積エネルギ密度の低下を招くことなく、電池充放電時の電池要素の温度上昇を効果的に抑制しうる手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、電極端子と集電体との接合部において、当該集電体と接触するように熱吸収部材を配置することによって、上記の問題を解決しうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、正極集電体の表面に形成された、正極活物質を含む正極活物質層、電解質層、および負極集電体の表面に形成された、負極活物質を含む負極活物質層がこの順に積層されてなる少なくとも1つの単電池を含む電池要素と、前記電池要素から電力を外部に取り出すための、前記正極集電体と電気的に接続された正極端子および前記負極集電体と電気的に接続された負極端子からなる電極端子と、を有するリチウムイオン二次電池であって、前記正極端子と正極集電体との接合部または前記負極端子と前記負極集電体との接合部の少なくとも一方において、集電体と接触するように熱吸収部材が配置されていることを特徴とする、リチウムイオン二次電池である。
本発明によれば、リチウムイオン二次電池において、電池の体積エネルギ密度の低下を招くことなく、電池充放電時の電池要素の温度上昇が効果的に抑制されうる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(第1実施形態)
本実施形態は、正極集電体の表面に形成された、正極活物質を含む正極活物質層、電解質層、および負極集電体の表面に形成された、負極活物質を含む負極活物質層がこの順に積層されてなる少なくとも1つの単電池を含む電池要素と、前記電池要素から電力を外部に取り出すための、前記正極集電体と電気的に接続された正極端子および前記負極集電体と電気的に接続された負極端子からなる電極端子と、を有するリチウムイオン二次電池であって、前記正極端子と正極集電体との接合部または前記負極端子と前記負極集電体との接合部の少なくとも一方において、集電体と接触するように熱吸収部材が配置されていることを特徴とする、リチウムイオン二次電池に関する。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、以下の形態のみには制限されない。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、本実施形態のリチウムイオン二次電池の電池要素の好ましい一形態を示す概略断面図である。
図1に示すように、本実施形態のリチウムイオン二次電池10は、実際に充放電反応が進行する電池要素21が、外装であるアルミラミネートシート29の内部に封入されてなる構造を有する。電池要素21は、正極集電体33の表面に正極活物質を含む正極活物質層13が形成されてなる正極、電解質を含む電解質層17、および負極集電体35の表面に負極活物質を含む負極活物質層15が形成されてなる負極がこの順に積層されてなる単電池を含む。また、電解質層17は、電解液を保持するためのセパレータに電解液が保持されてなる構成を有する。そして、電池要素21の正極集電体33および負極集電体35には、電流を外部に取り出すための正極端子25および負極端子27がそれぞれ電気的に接続されている。なお、図1に示す形態において、電池要素21は6個の単電池から構成されている。また、本形態では電池要素21の両最外層に正極が配置されていることから、正極集電体33は4枚存在し、負極集電体35は3枚存在する。ただし、電池要素21を構成する単電池の個数は特に制限されず、所望の電池容量および電池出力などを考慮して適宜決定されうる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池10は、正極端子25と正極集電体33との接合部(図1に示す部位「X」)において、全ての隣接する正極集電体33同士の間、および最外層の正極集電体33aと正極端子25との間に、正極集電体33の面方向に垂直な方向から見た形状が額縁状のアルミニウム箔37が配置されており、また、負極端子27と負極集電体35との接合部(図1に示す部位「Y」)において、全ての隣接する負極集電体35同士の間、および最外層の負極集電体35aと負極端子27との間に、負極集電体35の面方向に垂直な方向から見た形状が額縁状の銅箔39が配置されている点に特徴を有する。これらのアルミニウム箔37および銅箔39は、充放電反応の進行時に接合部(X、Y)に電流が集中することによって当該接合部において発生する熱を吸収する熱吸収部材として機能する。これにより、充放電時における接合部(X、Y)での過剰な発熱、およびこれに伴う電池要素21の温度上昇が最小限に抑制されうる。その結果、充放電時における電池要素の温度上昇により従来問題となっていた、Li−Mn系活物質からのマンガンの溶出による活物質の劣化や、負極活物質表面での皮膜の成長による電気抵抗の増大、電解質塩であるリチウム塩の加水分解によるガス発生といった問題の発生が防止され、耐久性に優れるリチウムイオン二次電池が提供されうる。
電極端子と集電体との接合部(X、Y)において熱吸収部材としてのアルミニウム箔37および銅箔39が配置されていること以外の、正極、負極、および電解質層などの具体的な形態については、リチウムイオン二次電池に関する従来公知の知見が適宜参照されうる。
図1に示す形態においては、正極側および負極側の双方において、集電体と電極端子との接合部(X、Y)の厚さ(図1に示すT、T)が電池要素21の厚さよりも小さい。ここで、集電体の厚さを厚くすることにより電池要素の温度上昇を抑制するといった従来の技術によれば、電池体積の増大に伴い電池の体積エネルギ密度が低下してしまうという問題があった。これに対し、図1に示す形態によれば、電池体積の増大を引き起こすことなく、電池要素21の温度上昇を抑制することが可能となる。
熱吸収部材(37、39)を構成する材料については特に制限はなく、電池の作動電圧の範囲において溶解や析出といった問題を生じない材料であればよい。熱吸収部材を構成する材料としては、例えば、集電体の構成材料として上述した材料が同様に用いられうる。なかでも、正極集電体33と接触するように配置される熱吸収部材37を構成する材料は、アルミニウムまたはステンレスであることが好ましく、負極集電体35と接触するように配置される熱吸収部材39を構成する材料は、銅またはステンレスであることが好ましい。かような形態によれば、本発明の作用効果がより一層顕著に発揮されうる。
図1に示す形態においては、上述したように、集電体の面方向に垂直な方向から見て額縁状の形状を有する熱吸収部材が配置されている(図2を参照)。ただし、熱吸収部材(37、39)の形状がかような形態のみに限定されるわけではない。図2に示す額縁状以外の熱吸収部材の形状としては、例えば図3〜6に示す形状が例示される。図3は、集電体の面方向に垂直な方向から見て田の字状の形状を有する熱吸収部材を示す概略平面図である。図4は、集電体の面方向に垂直な方向から見て対角線上に梁を有する額縁状の形状を有する熱吸収部材を示す概略平面図である。図5は、集電体の面方向に垂直な方向から見て空孔を有する矩形状の形状を有する熱吸収部材を示す概略平面図である。なお、図5に示す形態において、空孔の形状は円形状であるが、空孔の形状はこれに限られず、楕円形状、矩形状、三角形状などの形状であってもよい。図6は、集電体の面方向に垂直な方向から見て単なる矩形状の形状を有する熱吸収部材を示す概略平面図である。これらの形態のうち、特に図2〜図4に示す形態によれば、電池要素21の温度上昇抑制による電池の耐久性の向上効果に加えて、電池の耐振動性の向上効果もまた得られるため、好ましい。また、図2〜図5に示す形態によれば、図6に示す形態と比較して、比較的軽い部材により電池要素21の温度上昇が抑制されうる。従って、電池の重量エネルギ密度の向上という観点から好ましい。なお、熱吸収部材の形状は図示する形態のみに限定されることはなく、その他の形態もまた、採用されうる。また、場合によっては、形状の異なる2種以上の熱吸収部材を併用してもよい。
本実施形態の他の好ましい形態において、熱吸収部材は、内部に空孔を有するものである。かような形態によれば、熱吸収部材が熱を吸収した際の放熱性が向上し、さらに、部材の軽量化も図られる。内部に空孔を有する熱吸収部材は、例えば、上記の好ましい材料からなる発泡金属から構成されうる。かような発泡金属は、市販品を購入したものであってもよいし、自ら作製したものであってもよい。発泡金属を自ら作製する手法としては、例えば、金属粉末および発泡剤を原料とするプレス押し出しタイプやサンドイッチタイプの製法が例示される。
熱吸収部材のサイズについても特に制限はなく、所望の熱吸収性に応じて適宜決定すればよい。熱吸収部材のサイズを決定するに当たっては、当該熱吸収部材に要求する熱容量を考慮するとよい。ここで「熱容量」とは、[J/K]の単位を有するパラメータであって、物体の温度を1[K]だけ上げるのに要する熱量[J]を意味し、物体の質量[kg]×比熱[J/(kg・K)]により算出される。従って、通常は熱吸収部材を構成する材料の質量を調節することにより、熱吸収部材の熱吸収性を制御可能である。具体的には、電池要素21の熱容量を100%とした場合に、熱吸収部材の熱容量を好ましくは30〜90%、より好ましくは50〜70%とするとよい。
熱吸収部材の厚さの具体的な値についても特に制限はないが、好ましくは10〜200μmであり、より好ましくは20〜100μmである。かような範囲内の値とすることで、電池要素の質量増加を最小限に抑制しつつ、所望の熱吸収性を達成することが可能である。
なお、図1に示す形態においては、集電体(33、35)の電極活物質層(13、15)が形成されてなる部位と、熱吸収部材(37、39)が配置されてなる部位(接合部)との間において集電体が一部露出しているが、かような形態のみに限定されず、活物質層形成部位以外の全ての部位に熱吸収部材を配置する形態もまた、採用されうる。
熱吸収部材が集電体または電極端子と接する部位の接続形態は特に制限されず、単なる接触接続であってもよいし、超音波溶接などの溶接接続であってもよい。好ましくは、超音波接続である。
以下、本実施形態のリチウムイオン二次電池を構成する部材について簡単に説明するが、下記の形態のみに制限されることはなく、従来公知の形態が同様に採用されうる。
[集電体]
集電体(33、35)は、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス(SUS)箔など、導電性の材料から構成される。集電体の一般的な厚さは、1〜30μmである。ただし、この範囲を外れる厚さの集電体を用いてもよい。正極集電体33としては、好ましくはアルミニウム箔が用いられ、負極集電体35としては、好ましくは銅箔が用いられる。
集電体の大きさは、リチウムイオン二次電池の使用用途に応じて決定される。大型の電池に用いられる大型の電極を作製するのであれば、面積の大きな集電体が用いられる。小型の電極を作製するのであれば、面積の小さな集電体が用いられる。
[活物質層]
活物質層は活物質を含み、必要に応じてその他の添加剤をさらに含む。
正極活物質層13は、正極活物質を含む。正極活物質としては、例えば、LiMnやLiNiO等のリチウム−遷移金属酸化物、リチウム−遷移金属リン酸化合物、リチウム−遷移金属硫酸化合物などが挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。なお、上記以外の正極活物質が用いられてもよいことは勿論である。
負極活物質層15は、負極活物質を含む。負極活物質としては、例えば、グラファイト、ソフトカーボン、ハードカーボン等の炭素材料、上述したようなリチウム−遷移金属化合物、金属材料、リチウム−金属合金材料などが挙げられる。場合によっては、2種以上の負極活物質が併用されてもよい。なお、上記以外の負極活物質が用いられてもよいことは勿論である。
各活物質層(13、15)に含まれるそれぞれの活物質の平均粒子径は特に制限されないが、通常は0.1〜100μm程度であり、好ましくは1〜20μmである。ただし、この範囲を外れる形態が採用されても、勿論よい。
正極活物質層13および負極活物質層15に含まれうる添加剤としては、例えば、バインダ、導電助剤、電解質塩(リチウム塩)等が挙げられる。
バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、合成ゴム系バインダ等が挙げられる。
導電助剤とは、正極活物質層13または負極活物質層15の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。導電助剤としては、グラファイト、気相成長炭素繊維などの炭素材料が挙げられる。
電解質塩(リチウム塩)としては、Li(CSON)、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO等が挙げられる。
イオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)系およびポリプロピレンオキシド(PPO)系のポリマーが挙げられる。
正極活物質層13および負極活物質層15中に含まれる成分の配合比は、特に限定されない。配合比は、非水電解質二次電池についての公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。
[電解質層]
本実施形態のリチウムイオン二次電池10において、電解質層17は、上述したように、セパレータと、前記セパレータ中に注入された電解質とから構成されている。
セパレータは、正負の活物質層を分離し、これらの間の短絡を防止する機能を有する。セパレータは、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンから構成される微多孔膜からなる。場合によっては、同様の材料から構成される不織布や粒子によって、セパレータを形成してもよい。
セパレータの厚さについて特に制限はなく、所望の電池性能等を考慮して適宜設定されうる。具体的には、セパレータの厚さは、好ましくは20μm以下であり、より好ましくは10μm以下であり、さらに好ましくは5μm以下である。一方、セパレータの厚さの下限についても特に制限はないが、正負の活物質層間の短絡を有効に防止するという観点から、セパレータの厚さは、好ましくは0.1μm以上であり、より好ましくは0.5μm以上であり、さらに好ましくは1μm以上である。ただし、場合によっては、これらの範囲を外れる厚さのセパレータが用いられてもよい。
さらに、セパレータは、電解質を保持する機能も有する。本発明のリチウムイオン二次電池10において、セパレータ中に保持される電解質としては、液体電解質およびゲル電解質が挙げられる。
液体電解質は、可塑剤である非水系溶媒(有機溶媒)に支持塩であるリチウム塩が溶解した形態を有する。非水系溶媒およびリチウム塩としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)やプロピレンカーボネート(PC)等のカーボネート類、および、LiBFなどの、電極の活物質層に添加されうる化合物が同様に用いられうる。
ゲル電解質は、イオン伝導性ポリマーからなるマトリックスポリマーに、上記の液体電解質が注入されてなる構成を有する。マトリックスポリマーとして用いられるイオン伝導性ポリマーとしても同様に、ポリエチレンオキシド(PEO)やポリプロピレンオキシド(PPO)などの、電極の活物質層に添加されうるポリマーが用いられうる。
なお、ゲル電解質のマトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。架橋構造を形成させるには、適当な重合開始剤を用い、当該重合開始剤の作用要因に応じて、マトリックスポリマー(例えば、PEOやPPO)に対して熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合等の重合処理を施せばよい。
以上、セパレータに電解質が保持されてなる電解質層について詳細に説明したが、本発明のリチウムイオン二次電池の電池要素の電解質層を構成する電解質は、ポリマー電解質であってもよい。ポリマー電解質はセパレータを必要とせず、イオン伝導性ポリマーからなるマトリックスポリマーに、電解質塩であるリチウム塩が溶解してなる構成を有する。ポリマー電解質を構成するマトリックスポリマーおよびリチウム塩の具体的な形態については、上述した形態が同様に採用されうるため、ここでは説明を省略する。
[電極端子]
リチウムイオン二次電池においては、電池外部に電流を取り出す目的で、電極端子(正極端子25および負極端子27)が正極集電体33および35のそれぞれに電気的に接続され、さらにニッケルなどの金属から構成されるリードが接続されて、最終的には外装であるラミネートシートの外部に取り出される。具体的には、正極集電体33に電気的に接続された正極端子25と、負極集電体35に電気的に接続された負極端子27とが、ラミネートシートの外部に取り出される。
電極端子(正極端子25および負極端子27)を構成する材料は特に制限されず、電池用の電極端子として従来用いられている公知の材料が用いられうる。電極端子の構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等が例示される。なお、正極端子25と負極端子27とでは、同一の材質が用いられてもよいし、異なる材質が用いられてもよい。
[外装]
リチウムイオン二次電池においては、使用時の外部からの衝撃や環境劣化を防止するために、電池要素21は、ラミネートシートなどの外装内に収容されることが好ましい。外装としては特に制限されず、従来公知の外装が用いられうる。自動車の熱源から効率よく熱を伝え、電池内部を迅速に電池動作温度まで加熱しうる点で、好ましくは、熱伝導性に優れた高分子−金属複合ラミネートシート等が用いられうる。
以上、図面を参照しながら本発明のリチウムイオン二次電池の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術的範囲は上述した形態のみに限定されることはない。また、本発明のリチウムイオン二次電池は特別な手法を用いることなく製造可能であり、本発明のリチウムイオン二次電池を製造する際には、電池の製造分野における従来公知の知見が適宜参照されうる。
(第2実施形態)
図1に示す第1実施形態では、正極側および負極側の双方において、隣接する全ての集電体同士の間、および最外層の集電体と電極端子との間に熱吸収部材が介在している。ただし、かような形態のみに限定されることはなく、隣接するある2枚の集電体同士の間に1枚のみの熱吸収部材が介在している形態や、正極側または負極側のいずれか一方のみに熱吸収部材が介在している形態、最外層の集電体と電極端子との間のみに熱吸収部材が介在している形態などもまた、本発明の技術的範囲に含まれうる。第2実施形態は、最外層の集電体と電極端子との間のみに熱吸収部材が介在している形態に関する。
図7は、本実施形態のリチウムイオン二次電池の電池要素の好ましい一形態を示す概略断面図である。
図7に示す本実施形態のリチウムイオン二次電池10においては、正極側および負極側の双方において、最外層の集電体(33a、35a)と電極端子(25、27)との間のみに熱吸収部材(37、39)が配置されている。リチウムイオン二次電池の充放電時においては、特に集電体と電極端子との間に電流が集中し、発熱し易い。従って、本実施形態のように電極端子に隣接する最外層の集電体と電極端子との間に熱吸収部材を配置することによって、効率的に電池要素21の温度上昇が抑制されうる。
(第3実施形態)
本発明のリチウムイオン二次電池は、バイポーラ型のリチウムイオン二次電池(単に「バイポーラ電池」とも称する)であってもよい。バイポーラ電池とすることで、電池要素21を構成する複数個の単電池が直列接続され、高出力電池を構成することが可能となる。
図8は、バイポーラ電池である本発明のリチウムイオン二次電池の好ましい形態を示す概略断面図である。
図8に示すバイポーラ電池10’は、6個の単電池が直列に積層されてなる電池要素21が、外装であるアルミラミネートシート29内に封入された構造を有する。従って、正極集電体および負極集電体という概念は存在せず、電池要素21は、集電体11の一方の面に正極活物質層13が形成され他方の面に負極活物質層15が形成されてなるバイポーラ電極が、電解質層17を介して積層されてなる構造を有する。そして、最外層に位置する集電体(正極側最外層集電体11aおよび負極側最外層集電体11b)は延長されて、電極端子(正極端子25および負極端子27)と電気的に接続されている。そして、正極側と負極側の双方において、最外層集電体(11a、11b)と電極端子(25、27)との接合部(X、Y)に、熱吸収部材(37、39)が配置されている。
図8に示す形態のリチウムイオン二次電池(バイポーラ電池)10’においては、各単電池の周囲に絶縁層31が設けられている。この絶縁層31は、電池内で隣り合う集電体11同士が接触したり、電池要素21における単電池の端部の僅かな不揃いなどに起因する短絡が起こったりするのを防止する目的で設けられる。かような絶縁層31の設置により、長期間の信頼性および安全性が確保され、高品質のリチウムイオン二次電池(バイポーラ電池)10’が提供されうる。
絶縁層31を構成する材料としては、絶縁性、固体電解質の脱落に対するシール性や外部からの水分の透湿に対するシール性(密封性)、電池動作温度下での耐熱性などを有するものであればよく、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゴムなどが用いられうる。なかでも、耐蝕性、耐薬品性、作り易さ(製膜性)、経済性などの観点から、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂が、絶縁層31の構成材料として好ましく用いられる。
また、電池要素21の製造を簡便にし、シールを確実に行うという観点から、絶縁層31は、熱融着樹脂層−熱非融着樹脂層−熱融着樹脂層の3層構造を有する積層樹脂シートから構成されることが好ましい。
以上、図面を参照しながら本発明の非水電解質二次電池の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術的範囲は上述した形態のみに限定されることはない。また、本発明の非水電解質二次電池は特別な手法を用いることなく製造可能であり、本発明の非水電解質二次電池を製造する際には、電池の製造分野における従来公知の知見が適宜参照されうる。
(第4実施形態)
第4実施形態では、上記の第1〜第3実施形態のリチウムイオン二次電池を複数個、並列および/または直列に接続して、組電池を構成する。
図9は、本実施形態の組電池を示す斜視図である。
図9に示すように、組電池40は、上記の第1実施形態に記載のリチウムイオン二次電池10が複数個接続されることにより構成される。各リチウムイオン二次電池10の正極端子25および負極端子27がバスバーを用いて接続されることにより、各リチウムイオン二次電池10が接続されている。組電池40の一の側面には、組電池40全体の電極として、電極ターミナル(42、43)が設けられている。
組電池40を構成する複数個のリチウムイオン二次電池10を接続する際の接続方法は特に制限されず、従来公知の手法が適宜採用されうる。例えば、超音波溶接、スポット溶接などの溶接を用いる手法や、リベット、カシメなどを用いて固定する手法が採用されうる。かような接続方法によれば、組電池40の長期信頼性が向上しうる。
本実施形態の組電池40によれば、上記の第1実施形態のリチウムイオン二次電池10を用いて組電池化することで、耐久性に優れる組電池が提供されうる。
なお、組電池40を構成するリチウムイオン二次電池10の接続は、複数個全て並列に接続してもよく、また、複数個全て直列に接続してもよく、さらに、直列接続と並列接続とを組み合わせてもよい。
(第5実施形態)
第5実施形態では、上記の第1〜第3実施形態のリチウムイオン二次電池10、または第4実施形態の組電池40をモータ駆動用電源として搭載して、車両を構成する。リチウムイオン二次電池10または組電池40をモータ駆動用電源として用いる車両としては、例えば、ガソリンを用いない完全電気自動車、シリーズハイブリッド自動車やパラレルハイブリッド自動車などのハイブリッド自動車、および燃料電池自動車などの、車輪をモータによって駆動する自動車が挙げられる。
参考までに、図10に、組電池40を搭載する自動車50の概略図を示す。自動車50に搭載される組電池40は、上記で説明したような特性を有する。このため、組電池40を搭載する自動車50は耐久性(信頼性)に優れ、長期間に亘って使用した後であっても充分な出力を提供しうる。
以上のように、本発明の幾つかの好適な実施形態について示したが、本発明は、以上の実施形態に限られるものではなく、当業者によって種々の変更、省略、および追加が可能である。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
<実施例1>
<正極の作製>
正極活物質であるマンガン酸リチウム(LiMn)(平均粒子径:10μm)(80質量部)、導電助剤であるアセチレンブラック(10質量部)、およびバインダであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)(10質量部)を混合し、次いでスラリー粘度調整溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量添加して、正極活物質スラリーを調製した。
一方、正極集電体として、アルミニウム箔(サイズ:160mm×68mm×15μm)を準備した。上記で調製した正極活物質スラリーを目付け量7.0mg/cmとなるように前記正極集電体の両面に自走型ダイコータで塗布し、乾燥させた後、正極活物質層の厚さが25μmとなるようにプレス処理を施した。この際、集電体の長さ68mmの辺の一方に沿った周縁部には正極活物質スラリーを塗布せず、矩形状に集電体を露出させた。当該手法により、同様の正極を計22枚作製した。
<負極の作製>
負極活物質であるハードカーボン(平均粒子径:9μm)(90質量部)、およびバインダであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)(10質量部)を混合し、次いでスラリー粘度調整溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量添加して、負極活物質スラリーを調製した。
一方、負極集電体として、銅箔(サイズ:130mm×70mm×10μm)を準備した。上記で調製した負極活物質スラリーを目付け量3.5mg/cmとなるように前記負極集電体の両面に自走型ダイコータで塗布し、乾燥させた後、負極活物質層の厚さが35μmとなるようにプレス処理を施した。この際、集電体の長さ70mmの辺の一方に沿った周縁部には負極活物質スラリーを塗布せず、矩形状に集電体を露出させた。当該手法により、同様の負極を計22枚作製した。
<電池要素の作製>
セパレータとして、ポリプロピレン−ポリエチレン(PP−PE)製微多孔質膜(厚さ:25μm)を22枚準備した。また、電解液として、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)およびジエチルカーボネート(DEC)の混合溶液(EC:PC:DEC=2:2:6(体積比))に電解質塩(リチウム塩)であるLiPFを1Mの濃度に溶解させたものを準備した。
次いで、図1に示すように、上記で作製した正極および負極を、正極集電体の露出部および負極集電体の露出部がそれぞれ対向する側に配置されるように、同じく上記で準備したセパレータを介して積層し、22個の単電池を有する電池要素を作製した。その後、隣接する正極集電体の露出部同士の間に、集電体の面方向に垂直な方向から見た形状が額縁状(図2を参照)のアルミニウム箔(厚さ:80μm)を熱吸収部材として配置した。また、隣接する負極集電体の露出部同士の間にも、集電体の面方向に垂直な方向から見た形状が額縁状の銅箔(厚さ:80μm)を熱吸収部材として配置した。なお、熱吸収部材と集電体とは超音波溶接により接続を行った。また、各集電体の露出部同士の間に配置した熱吸収部材の理論熱容量は、電池要素の理論熱容量を1とした場合に0.57となるように制御した。かような制御は、熱吸収部材のサイズを調節することにより行った。
さらに、正極側の熱吸収部材であるアルミニウム箔を最外層の正極集電体の表面にも配置し、当該アルミニウム箔と正極端子であるアルミニウム板(厚さ:100μm)とを溶接接合した。一方、負極側の熱吸収部材である銅箔を最外層の負極集電体の表面にも配置し、当該銅箔と負極端子であるニッケルめっき銅板(厚さ:100μm)とを溶接接合した。
<ラミネートシートへの封入>
上記で作製した電池要素を、2枚のアルミラミネートシートにより挟持し、電解液注入口を残して当該シートの周辺部を熱融着によりシールした。その後、上記で準備した電解液を上記の注入口から注入し、当該注入口を真空条件下にて熱融着によりシールして、電池要素をラミネートシート中に封入し、リチウムイオン二次電池を完成させた。
<実施例2>
熱吸収部材として、集電体の面方向に垂直な方向から見た形状が田の字状(図3を参照)のものを用いたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、リチウムイオン二次電池を作製した。
<実施例3>
熱吸収部材として、集電体の面方向に垂直な方向から見た形状が対角線上に梁を有する額縁状(図4を参照)のものを用いたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、リチウムイオン二次電池を作製した。
<実施例4>
熱吸収部材として、集電体の面方向に垂直な方向から見た形状が直径5mmの孔をランダムに8個有する矩形状(図5を参照)のものを用いたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、リチウムイオン二次電池を作製した。
<実施例5>
熱吸収部材として、集電体の面方向に垂直な方向から見た形状が矩形状であって、内部に空孔を有するものを用いたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、リチウムイオン二次電池を作製した。
<実施例6>
熱吸収部材として、集電体の面方向に垂直な方向から見た形状が矩形状のものを用いたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、リチウムイオン二次電池を作製した。
<比較例>
熱吸収部材を配置しなかったこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、リチウムイオン二次電池を作製した。
<評価>
上記の各実施例および比較例で作製したリチウムイオン二次電池について、電池容量を測定し、各電池の初期容量とした。
続いて、各電池に対して100Aの定電流にて30日間充放電を行った。この際、15日目および30日目に各電池の電池容量を測定し、各電池の初期容量に対する容量維持率を算出した。算出した結果を下記の表1に示す。
また、30日間の充放電中、各電池に3個の熱電対を配置し、試験開始から1日ごとに各電池の温度(3個の熱電対からのデータの平均値)をモニターした。そして、30日目までの30回のモニターの平均値を算出し、30日間の電池の平均温度とした。この結果についても同様に下記の表1に示す。
Figure 2007188747
表1に示す各実施例と各比較例との比較から、リチウムイオン二次電池において、電極端子と集電体との接合部において、当該集電体と接触するように熱吸収部材を配置することによって、充放電の進行によっても電池容量を高い値に維持しつつ、電池の温度上昇を効果的に抑制することが可能であることが示される。
第1実施形態のリチウムイオン二次電池の好ましい一形態を示す概略断面図である。 第1実施形態における、集電体の面方向に垂直な方向から見て額縁状の形状を有する熱吸収部材を示す概略平面図である。 集電体の面方向に垂直な方向から見て田の字状を有する熱吸収部材を示す概略平面図である。 集電体の面方向に垂直な方向から見て対角線上に梁を有する額縁状の形状を有する熱吸収部材を示す概略平面図である。 集電体の面方向に垂直な方向から見て円形状の空孔を有する矩形状の形状を有する熱吸収部材を示す概略平面図である。 集電体の面方向に垂直な方向から見て矩形状の形状を有する熱吸収部材を示す概略平面図である。 第2実施形態のリチウムイオン二次電池の好ましい一形態を示す概略断面図である。 第3実施形態のバイポーラ型であるリチウムイオン二次電池(バイポーラ電池)の好ましい一形態を示す概略断面図である。 第1実施形態のリチウムイオン二次電池を用いた、第4実施形態の組電池を示す斜視図である。 第4実施形態の組電池を搭載する第5実施形態の自動車の概略図である。
符号の説明
10 リチウムイオン二次電池、
10’ バイポーラ型のリチウムイオン二次電池(バイポーラ電池)
11 集電体、
11a 正極側最外層集電体、
11b 負極側最外層集電体、
13 正極活物質層、
15 負極活物質層、
17 電解質層、
19 単電池、
21 電池要素、
25 正極端子、
27 負極端子、
29 アルミラミネートシート、
31 絶縁層、
33 正極集電体、
33a 最外層の正極集電体、
35 負極集電体、
35a 最外層の負極集電体、
37 アルミニウム箔(正極側の熱吸収部材)、
39 銅箔(負極側の熱吸収部材)、
40 組電池、
42、43 電極ターミナル、
50 自動車、
X 正極側の接合部、
Y 負極側の接合部、
正極側の接合部の厚さ、
負極側の接合部の厚さ。

Claims (20)

  1. 正極集電体の表面に形成された、正極活物質を含む正極活物質層、電解質層、および負極集電体の表面に形成された、負極活物質を含む負極活物質層がこの順に積層されてなる少なくとも1つの単電池を含む電池要素と、
    前記電池要素から電力を外部に取り出すための、前記正極集電体と電気的に接続された正極端子および前記負極集電体と電気的に接続された負極端子からなる電極端子と、
    を有するリチウムイオン二次電池であって、
    前記正極端子と正極集電体との接合部または前記負極端子と前記負極集電体との接合部の少なくとも一方において、集電体と接触するように熱吸収部材が配置されていることを特徴とする、リチウムイオン二次電池。
  2. 前記電池要素が複数の前記単電池を含み、複数の前記正極集電体の接合部または複数の前記負極集電体の接合部において、隣接する集電体同士の間に介在するように前記熱吸収部材が配置されている、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 全ての隣接する集電体同士の間に介在するように前記熱吸収部材が配置されている、請求項2に記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 前記集電体と前記電極端子との間に介在するように前記熱吸収部材が配置されている、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 正極側および負極側の双方において前記熱吸収部材が配置されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  6. 正極側および負極側の少なくとも一方において、前記接合部の厚さが前記電池要素の厚さよりも小さい、請求項1〜5のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  7. 前記熱吸収部材が接触する前記集電体の面方向に垂直な方向から見た前記熱吸収部材の形状が額縁状である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  8. 前記熱吸収部材が接触する前記集電体の面方向に垂直な方向から見た前記熱吸収部材の形状が田の字状である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  9. 前記熱吸収部材が接触する前記集電体の面方向に垂直な方向から見た前記熱吸収部材の形状が対角線上に梁を有する額縁状である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  10. 前記熱吸収部材が接触する前記集電体の面方向に垂直な方向から見た前記熱吸収部材の形状が孔を有する矩形状である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  11. 前記熱吸収部材が接触する前記集電体の面方向に垂直な方向から見た前記熱吸収部材の形状が空孔を有する矩形状である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  12. 前記熱吸収部材が内部に空孔を有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  13. 前記正極集電体と接触するように配置される前記熱吸収部材を構成する材料がアルミニウムまたはステンレスであり、前記負極集電体と接触するように配置される前記熱吸収部材を構成する材料が銅またはステンレスである、請求項1〜12のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  14. 複数の前記熱吸収部材が配置されており、それぞれの前記熱吸収部材の形状の種類が2種以上である、請求項1〜13のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  15. 前記正極活物質が、リチウム−遷移金属酸化物、リチウム−遷移金属リン酸化合物、またはリチウム−遷移金属硫酸化合物である、請求項1〜14のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  16. 前記負極活物質が、炭素材料、リチウム−遷移金属化合物、金属材料、またはリチウム−金属合金材料である、請求項1〜15のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  17. 前記正極活物質層または前記負極活物質層の少なくとも一方が、導電助剤として炭素材料を含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  18. 前記電解質層を構成する電解質が、液体電解質、ポリマー電解質、またはゲル電解質である、請求項1〜17のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  19. 請求項1〜18のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池が、直列、並列、または直並列に電気的に接続されてなる組電池。
  20. 請求項1〜18のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池、または請求項19に記載の組電池をモータ駆動用電源として搭載した車両。
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