JP4972862B2 - 電池用電極の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電池用電極に関する。特に本発明は、電池の信頼性および出力特性を向上させるための改良に関する。
近年、大気汚染や地球温暖化に対処するため、二酸化炭素量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が盛んに行われている。
モータ駆動用二次電池としては、全ての電池の中で最も高い理論エネルギーを有するリチウムイオン二次電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。リチウムイオン二次電池は、例えば、バインダを用いて正極活物質等を正極集電体の両面に塗布した正極と、バインダを用いて負極活物質等を負極集電体の両面に塗布した負極とが、電解質を含むセパレータ層を介して接続され、電池ケースに収納される構成を有している(例えば、特許文献1を参照)。
特開2003−7345号公報
従来、電池の高出力化の要望に呼応して、主に電極の活物質層の成分(特に、活物質など)の改良が盛んに行われてきた。これに対し、セパレータ層の改良についてはそれほど重点が置かれていなかった。しかしながら、最近では自動車等の用途を念頭に、より一層高い出力を発揮しうる電池の開発が求められている。かような状況下において、セパレータの改良もその重要性を増しつつある。具体的には、セパレータ層のより一層の薄膜化が求められているのが現状である。セパレータ層の薄膜化は、電池体積の減少、およびセパレータ層におけるイオン拡散抵抗の低減といった効果を通じて、電池の出力特性の向上に寄与しうる。
しかしながら、セパレータ層の本来の目的は、その名の通り、セパレータ層を介して対向する正極活物質層と負極活物質層とを分離して、これらの活物質層どうしの接触により生じる短絡を防止することにある。従って、セパレータ層を薄くしすぎると短絡が有効に防止されない虞があり、セパレータ層を配置する意義が失われてしまう。
上記のように、電池のセパレータ層にとって、薄膜化による高出力化への寄与と、一定の厚さを維持することによる短絡の防止とは、トレードオフの関係にある。なお、より一層の高出力化を達成すべく開発が進められているバイポーラ電池において、上記のような問題は顕著である。
そこで本発明は、トレードオフの関係にある上記の双方の要求を満足させる手段、すなわち、セパレータ層のより一層の薄膜化を可能としつつ、正負の活物質層間の短絡を有効に防止しうる手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意研究を行った結果、セパレータ層を薄くすることによる短絡の発生が、主に活物質層の周縁部に集中していることを見出した。具体的には、活物質層の周縁部から脱落する導電性粒子(例えば、活物質や導電助剤など)がセパレータ層を貫通し、短絡発生の主たる原因となっていることを見出した。
そこで本発明者らは、電極の活物質の周縁部における上記のような短絡の原因因子の発生を抑制することで、正負の活物質層間の短絡の発生を防止しうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、集電体の表面に活物質層を形成する活物質層形成工程と、前記活物質層の周縁部の表面または内部に熱可塑性樹脂または重合性単量体を配置する配置工程と、前記熱可塑性樹脂を加圧下で熱処理する、または前記重合性単量体を重合処理することにより、前記活物質層の前記周縁部に前記熱可塑性樹脂または前記重合性単量体が重合してなる樹脂を充填する充填工程とを有する、電池用電極の製造方法提供する。
本発明の電極にあっては、活物質層に充填された絶縁性材料により、活物質層からの導電性粒子の脱落が抑制されうる。これによりセパレータ層のより一層の薄膜化が可能となり、電池の出力特性の向上に有効に寄与しうる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(第1実施形態)
(構成)
本発明の第1は、集電体と、前記集電体の表面に形成された、活物質を含む活物質層と、を有する電池用電極であって、前記活物質層の周縁部に絶縁性材料が充填されてなる充填部が存在することを特徴とする、電池用電極である。
以下、本発明の電池用電極について、図面を参照して説明する。なお、本発明においては、説明の都合上、図面が誇張されており、本発明の技術的範囲は、図面に掲示する形態に限定されない。また、図面以外の実施形態も採用されうる。
図1は、本発明の電池用電極の一実施形態を示す断面図である。図1に示す形態の電池用電極は、集電体11の一方の面に正極活物質層13が形成され、他方の面に負極活物質層15が形成されてなるバイポーラ電極1である。
本実施形態では、正極活物質層13および負極活物質層15の双方において、活物質層の周縁部に、絶縁性材料が充填された充填部3が存在する。充填される絶縁性材料は、導電性を有しない材料であればよく、特に制限されない。ただし、製造時のハンドリングの容易さや活物質層への充填のし易さなどの観点からは、絶縁性材料として樹脂が用いられることが好ましい。充填部における安定性に優れることから、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、フラン樹脂などがより好ましく用いられうる。なかでも、製造時のハンドリング性に特に優れることから、ポリオレフィン樹脂やフッ素樹脂などの熱可塑性樹脂が特に好ましく用いられうる。絶縁性材料としてその他の材料が用いられても勿論よく、例えば、バインダ物質を含むセラミックス樹脂などが用いられうる。これらの絶縁性材料が充填されてなる充填部3が活物質層(13、15)の周囲に存在することで、従来短絡発生の原因となっていた活物質層の周縁部からの導電性粒子(活物質や導電助剤など)の脱落が抑制され、短絡の発生が効果的に防止されうる。その結果、セパレータ層のより一層の薄膜化が可能となり、電池の出力特性の向上に寄与しうる。なお、本発明の電極が、他のメカニズムにより短絡発生の防止に寄与していたとしても、本発明の技術的範囲は何ら影響を受けることはない。
以下、本発明の電極の特徴的な構成について、詳細に説明する。
本発明の電極においては、絶縁性材料が充填されてなる充填部3が、活物質層(13、15)の周縁部に存在していればよく、その他の具体的な形態は特に制限されない。なお、「活物質層の周縁部」とは、活物質層(13、15)の外周縁に接した部位を意味する。この周縁部に存在する充填部3は、図1に示すように活物質層(13、15)の集電体11側から表面側(集電体11から最も遠い側)まで連続して存在してもよいし、いずれか一方の側に偏在してもよい。あるいは、いずれの側にも接することなく活物質層の積層方向の中央部に存在してもよい。また、充填部3は、活物質層(13、15)の外周縁の全周に沿って存在してもよいし、その一部のみに存在してもよい。本発明の効果をより一層発揮させうるという観点からは、活物質層(13、15)の外周縁の全周に沿って充填部3が存在することが好ましいことは勿論である。さらに、活物質層(13、15)の外周縁からの充填部3の幅(活物質層の外周縁からの、活物質層の積層面に平行な距離)についても特に制限はなく、得られる本発明の効果と所望の電池特性とを考慮して適宜設定すればよい。すなわち、充填部3の幅が短すぎると、本発明の効果が充分に得られず、短絡の発生が充分に防止されない虞がある。一方、充填部3の幅が長すぎると、反応に関与しうる活物質層の有効面積が減少し、電池特性が低下する虞がある。また、幅を長くすることによる効果が逓減し、絶縁性材料の無駄が生じてしまう虞がある。かような観点から、充填部3の幅は、活物質層の外周縁から0.1〜10mm程度であることが好ましい。ただし、この範囲を外れる形態の充填部が存在しても、勿論よい。
図1に示す形態では、活物質層(13、15)の周縁部の内部のみに充填部が存在している。ただし、かような形態のみには制限されない。例えば、本発明の作用効果に悪影響を及ぼさない限り、製造上の都合などによって、活物質層(13、15)の外周縁や表面から充填部がはみ出してもよい。活物質層の外周縁から充填部が多少はみ出ていたとしても、本発明の作用効果に及ぼす悪影響はほとんどない。これに対し、本発明の電極は電池の製造時にセパレータ層と積層されることから、活物質層の表面から充填部がはみ出しすぎると、はみ出た部分において電極とセパレータ層との接着性が低下する虞がある。従って、活物質層(13、15)の表面(積層面に平行な表面)からはみ出しうる充填部3の厚さ(積層面に垂直な長さ)は、0〜10μm程度である。ただし、上記のような問題が生じないのであれば、この範囲を外れる充填部のはみ出しもまた、許容されうる。
本発明者らは、セパレータ層の薄膜化に伴う短絡発生の原因についてさらに検討を行った結果、活物質層の周縁部からの導電性粒子の脱落に加えて、電池製造時の集電体の切断により生じるバリもまた、短絡発生の一因となっていることを見出した。すなわち、集電体の切断により周縁部に生じるバリが、電池の製造時や作動時の振動などによりセパレータを貫通し、正負の活物質層間における短絡を発生させうることを見出したのである。
図2に示す形態によれば、上記のような問題もまた防止されうる。図2は、本発明の電池用電極の他の実施形態を示す断面図である。図2に示す形態においては、集電体11の周縁部が、絶縁性材料により被覆される。かような形態によれば、集電体11の周縁部に生じるバリに起因する短絡の発生が効果的に防止されうる。なお、図2に示す形態においては、図1に示す形態の充填部から集電体の周縁部まで連続する形で、絶縁性材料から構成される部位5が設けられている。その結果、集電体の露出表面の全面が絶縁性材料により被覆されている。ただし、かような形態のみには制限されず、図3に示すように、集電体の周縁部の少なくとも一部が絶縁性材料により被覆されていれば、周縁部のバリに起因する短絡を防止する効果が得られる。図3に示す形態において、集電体の周縁部を被覆する被覆層の厚さは、特に制限されないが、少なくとも1μm程度の厚さを有していれば、集電体の周縁部のバリによる短絡を防止する効果は得られる。ただし、場合によっては、これより薄い形態の被覆層により、集電体の周縁部が被覆されてもよい。
図1に示すようなバイポーラ電極は、例えば、バイポーラ型のリチウムイオン二次電池(以下、単に「バイポーラ電池」とも称する)に採用されうる。その他の電池に採用されても、勿論よい。
以下、リチウムイオン二次電池に採用される場合を例に挙げて、本発明の電池用電極の構成について説明する。本発明の電池用電極は、活物質層の周縁部に充填部が存在する点に特徴を有する。従って、集電体、活物質、バインダ、支持塩(リチウム塩)、イオン伝導性ポリマー、その他必要に応じて添加される化合物の選択について、特に制限はない。使用用途に応じて、従来公知の知見を適宜参照することにより、選択すればよい。また、本発明の電池用電極は、正極および負極の双方に適用可能であるが、例えば正極に適用する場合には、集電体および活物質として、正極用の集電体および正極活物質として作用することが知られている化合物を採用すればよい。
[集電体]
集電体11は、アルミニウム箔、ニッケル箔、銅箔、ステンレス(SUS)箔など、導電性の材料から構成される。集電体の一般的な厚さは、1〜30μmである。ただし、この範囲を外れる厚さの集電体を用いてもよい。
集電体の大きさは、電池の使用用途に応じて決定される。大型の電池に用いられる大型の電極を作製するのであれば、面積の大きな集電体が用いられる。小型の電極を作製するのであれば、面積の小さな集電体が用いられる。
[活物質層]
集電体11上には、活物質層(13、15)が形成される。活物質層(13、15)は、充放電反応の中心を担う活物質を含む層である。本発明の電極が正極として用いられる場合、活物質層は正極活物質を含む。一方、本発明の電極が負極として用いられる場合には、活物質層は負極活物質を含む。
正極活物質としては、リチウム−遷移金属複合酸化物が好ましく、例えば、LiMnなどのLi−Mn系複合酸化物やLiNiOなどのLi−Ni系複合酸化物が挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。
負極活物質としては、上記のリチウム遷移金属−複合酸化物や、カーボンが好ましい。カーボンとしては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛等の黒鉛系炭素材料、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバー、コークス、ソフトカーボン、ハードカーボン等が挙げられる。
活物質層(13、15)には、必要であれば、その他の物質が含まれてもよい。例えば、バインダ、導電助剤、支持塩(リチウム塩)、イオン伝導性ポリマー等が含まれうる。また、イオン伝導性ポリマーが含まれる場合には、前記ポリマーを重合させるための重合開始剤が含まれてもよい。
バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、合成ゴム系バインダ等が挙げられる。
導電助剤とは、活物質層の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。導電助剤としては、グラファイトなどのカーボン粉末や、気相成長炭素繊維(VGCF)等の種々の炭素繊維などが挙げられる。
支持塩(リチウム塩)としては、Li(CSON)(LiBETI)、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO等が挙げられる。
イオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)系およびポリプロピレンオキシド(PPO)系のポリマーが挙げられる。ここで、前記ポリマーが本発明の電極が採用される電池のセパレータ層にも含まれる場合、これらのイオン伝導性ポリマーは同じであってもよく、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
重合開始剤は、イオン伝導性ポリマーの架橋性基に作用して、架橋反応を進行させるために配合される。開始剤として作用させるための外的要因に応じて、光重合開始剤、熱重合開始剤などに分類される。重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)や、光重合開始剤であるベンジルジメチルケタール(BDK)等が挙げられる。
活物質層(13、15)に含まれる成分の配合比は、特に限定されない。配合比は、リチウムイオン二次電池についての公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。
(製造方法)
本願は、電池用電極の製造方法をも提供する。すなわち、本発明の第2は、集電体の表面に活物質層を形成する工程(活物質層形成工程)と、前記活物質層の周縁部の表面または内部に樹脂または重合性単量体を配置する工程(配置工程)と、前記樹脂を熱処理する、または前記重合性単量体を重合処理することにより、前記活物質層の前記周縁部に樹脂を充填する工程(充填工程)とを有する、電池用電極の製造方法である。
以下、図2に示す形態の電極を製造する場合を例に挙げて、かような製造方法を図面を参照しながら工程順に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、下記の形態のみには制限されない。
図4〜図6は、本発明の電池用電極の製造手順を説明するための図である。
図4は、集電体の表面に活物質層を形成する様子を示す図であり、図5は、活物質層の周縁部の表面に樹脂を配置する様子を示す図であり、図6は、活物質層の周縁部に樹脂を充填する様子を示す図である。
[活物質層形成工程]
本工程においては、集電体11の表面に活物質層(13,15)を形成する。この様子を図4に示す。なお、図4には、ある一定の形状を有する活物質層を予め作製し、その後に集電体と接着させるように図示されているが、通常は、活物質を含む活物質スラリー、および集電体を準備し、前記集電体の表面に前記活物質スラリーを塗布し、乾燥させることによって、活物質層を形成する。
活物質スラリーは、例えば、所望の活物質、および必要に応じて他の成分(例えば、バインダ、導電助剤、支持塩(リチウム塩)、イオン伝導性ポリマー、重合開始剤など)を、溶媒中で混合することにより、調製されうる。この活物質スラリー中に配合される各成分の具体的な形態については、上記の本発明の電極の構成の欄において説明した通りであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
溶媒の種類や混合手段は特に制限されず、電極製造について従来公知の知見が適宜参照されうる。溶媒の一例を挙げると、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルホルムアミドなどが用いられうる。バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を採用する場合には、NMPを溶媒として用いるとよい。
一方、活物質層を形成するための集電体を準備する。本工程において準備する集電体の具体的な形態については、上記の本発明の電極の構成の欄において説明した通りであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
次いで、上記で調製した活物質スラリーを、同じく上記で準備した集電体の表面に塗布する。その後、乾燥処理を施す。これにより、塗膜中の溶媒が除去され、集電体の表面に活物質層が形成される。
活物質スラリーを塗布するための塗布手段も特に限定されない。例えば、コーターなどの一般的に用いられている手段が採用されうる。
活物質スラリーは、製造される電極における集電体と活物質層との所望の配置形態に応じて、塗布される。例えば、製造される電極がバイポーラ電極の場合、集電体の一方の面には正極活物質を含む塗膜が形成され、他方の面には負極活物質を含む塗膜が形成される。これに対し、バイポーラ型でない電極を製造する場合には、正極活物質または負極活物質のいずれか一方を含む塗膜が一の集電体の両面に形成される。
塗膜を乾燥させるための乾燥手段も特に制限されず、電極製造について従来公知の知見が適宜参照されうる。例えば、加熱処理が例示される。乾燥条件(乾燥時間、乾燥温度など)は、活物質スラリーの塗布量やスラリーの溶媒の揮発速度に応じて適宜設定されうる。
塗膜が重合開始剤を含まない場合には、乾燥工程の完了とともに活物質層が完成する。塗膜が重合開始剤を含む場合には、さらに重合工程を行うことで、塗膜中のイオン伝導性ポリマーが架橋性基によって架橋され、活物質層が完成する。
重合工程における重合処理も特に制限されることはなく、従来公知の知見を適宜参照すればよい。例えば、塗膜が熱重合開始剤(AIBNなど)を含む場合には、塗膜に熱処理を施す。また、塗膜が光重合開始剤(BDKなど)を含む場合には、紫外光などの光を照射する。なお、熱重合のための熱処理は、上記の乾燥工程と同時に行われてもよいし、当該乾燥工程の前または後に行われてもよい。
[配置工程]
本工程においては、上記の[活物質層形成工程]において形成された活物質層(13、15)の周縁部の表面または内部に、樹脂または重合性単量体を配置する。活物質層の周縁部の表面に樹脂を配置する様子を、図5に示す。図5に示す形態においては、絶縁性材料である樹脂からなる樹脂シート7が、枠型の形状で活物質層の周縁部の表面に配置される。本工程において活物質層(13、15)の表面または内部に配置される樹脂は、後述する充填工程において熱処理を施されることで、活物質層の周縁部に充填されうる。一方、本工程において活物質層の表面または内部に配置される重合性単量体は、後述する充填工程における重合処理により重合し、重合体(例えば、樹脂)として活物質層の周縁部に充填されうる。
本工程において配置される樹脂の具体的な形態については、上記の本発明の電極の構成の欄において説明した通りであるため、ここでは詳細な説明を省略する。また、本工程において配置される重合性単量体の形態は、適当な重合処理によって活物質層の周縁部に樹脂として充填されうるのであれば特に制限されない。重合性単量体の一例を挙げると、重合によりエポキシ樹脂を生成しうる前駆体(例えば、ビスフェノール類等の多価フェノール化合物とエピクロルヒドリンとの混合物)や、重合によりフェノール樹脂を生成しうる前駆体(例えば、熱処理によりフェノール樹脂を生成する、ノボラックやレゾール)などが例示されうる。
樹脂または重合性単量体は、図5に樹脂シート7として示すような枠型シート状の形態で活物質層の表面に配置されてもよいし、その他の形態で配置されてもよい。例えば、液体の形態で活物質層の表面に塗布されてもよいし、液体の形態で活物質層の周縁部に充填されてもよい。一般的に、ポリオレフィン樹脂などの熱可塑性樹脂は、図5に示すように枠型シート状の形態で配置するとよく、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂や重合性単量体は、液体の形態で活物質層の周縁部に塗布し、充填するとよい。ただし、かような形態のみには制限されない。また、配置される樹脂シートの大きさや、塗布および充填される液体中の各成分の濃度についても特に制限はなく、得られる充填部の所望の形態などを考慮して、適宜調整すればよい。
[充填工程]
本工程においては、上記の[配置工程]において活物質層の周縁部の表面または内部に配置された樹脂または重合性単量体を処理して、活物質層の周縁部に樹脂を充填させる。例えば、[配置工程]において熱可塑性樹脂を図5に示すように配置した場合には、本工程においてホットプレス機9を用いて図6に示すようにホットプレスすることにより、配置された樹脂が溶融して活物質層の周縁部に充填され、冷えて再固化することで、充填部3が形成されうる。場合によっては、加圧せずに熱処理を施すのみでも、樹脂を充填しうる。また、[配置工程]において熱硬化性樹脂を活物質層の周縁部に充填させた場合には、本工程において熱処理を施すことにより、充填された樹脂が硬化して、充填部3が形成されうる。さらに、[配置工程]において重合性単量体の溶液を活物質層の周縁部に充填させた場合には、重合の開始要因に応じて、本工程において重合処理(例えば、熱処理、紫外線処理など)を施すことにより、充填された重合性単量体が重合して樹脂が生成し、充填部3が形成されうる。重合性単量体の種類によっては、重合性単量体の溶液を調製後、当該溶液をすぐに活物質層の周縁部に充填させ、一定時間放置することにより、重合性単量体を重合させることも可能である。
熱処理や重合処理の具体的な形態も特に制限されず、樹脂が用いられる技術分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。一例を挙げると、樹脂配置後のホットプレスの際の温度は80〜250℃程度であり、圧力は0.1〜10atm程度である。また、重合性単量体を熱処理により重合させる際の温度は、50〜150℃程度である。上述したように、場合によっては室温で放置しても、重合性単量体の重合は可能である。
なお、図4〜図6に示す製法によれば、活物質層の周縁部に充填部が形成されるのみならず、集電体の周縁部も樹脂により被覆され、図2に示す形態の電極が製造されうる。すなわち、かような製法によれば、活物質層の周縁部における充填部と、集電体の周縁部における被覆層が、一度の処理により同時に形成されうるため、簡便である。
以上、樹脂シートの配置およびホットプレスにより図2に示す形態の電極を製造する場合について説明したが、その他の手法が用いられてもよいことは勿論である。例えば、矩形の平面形状を有する通常のバイポーラ電極の4つの各辺の縁部を、樹脂の溶融液中に浸漬させ、引き上げて冷却することにより充填部を形成するという手法もまた、採用されうる。その他、スプレー塗布といった手法が用いられてもよい。
(第2実施形態)
第2実施形態では、上記の第1実施形態の電池用電極を用いて、電池を構成する。
すなわち、本発明の第3は、正極、セパレータ層、および負極がこの順に積層されてなる少なくとも1つの単電池を有する電池であって、前記正極および前記負極の少なくとも一方が本発明の電極である、電池である。本発明の電極は、正極、負極、バイポーラ電極のいずれにも適用されうる。本発明の電極を、少なくとも1つの電極として含む電池は、本発明の技術的範囲に属する。ただし、好ましくは、電池を構成する電極の全てが本発明の電極である。かような構成を採用することにより、電池の短絡が効果的に防止され、信頼性に優れる電池が提供されうる。また、セパレータ層17のより一層の薄膜化が可能となり、出力特性に優れる電池が提供されうる。
本発明の電池は、バイポーラ型のリチウムイオン二次電池(以下、「バイポーラ電池」とも称する)でありうる。図7は、バイポーラ電池である、本発明の第3の電池を示す断面図である。以下、図7に示すバイポーラ電池を例に挙げて詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はかような形態のみに制限されない。
図7に示す本実施形態のバイポーラ電池10は、実際に充放電反応が進行する略矩形の電池要素21が、外装であるラミネートシート29の内部に封止された構造を有する。
図7に示すように、本実施形態のバイポーラ電池10の電池要素21においては、正極活物質層13と、負極活物質層15とが集電体11のそれぞれの面に形成され、活物質層の周縁部に絶縁性材料が充填されてなる充填部3が存在し、さらに、集電体の露出表面が絶縁性材料により被覆されてなるバイポーラ電極(図2に示す形態のバイポーラ電極)が5個積層されている。各バイポーラ電極は、セパレータ層17を介して積層されて電池要素21を形成する。この際、各バイポーラ電極およびセパレータ層17は、一のバイポーラ電極の正極活物質層13と前記一のバイポーラ電極に隣接する他のバイポーラ電極の負極活物質層15とがセパレータ層17を介して向き合うように積層されている。
そして、隣接する正極活物質層13、セパレータ層17、および負極活物質層15は、一つの単電池層19を構成する。従って、バイポーラ電池10は、単電池層19が積層されてなる構成を有するともいえる。なお、電池要素21の最外層に位置する集電体(最外層集電体)(11a、11b)には、片面のみに、正極活物質層13(正極側最外層集電体11a)または負極活物質層15(負極側最外層集電体11b)のいずれか一方が形成されており、その周縁部にも同様に、絶縁性材料が充填されてなる充填部が形成されている。従って、図7に示す形態のバイポーラ電池10は、6個の単電池層19から構成される。
さらに、図7に示すバイポーラ電池10では、正極側最外層集電体11aが延長されて正極タブ25とされ、外装であるラミネートシート29から導出している。一方、負極側最外層集電体11bが延長されて負極タブ27とされ、同様にラミネートシート29から導出している。
以下、本実施形態のバイポーラ電池10を構成する部材について簡単に説明する。ただし、電極を構成する成分については上記で説明した通りであるため、ここでは説明を省略する。また、本発明の技術的範囲が下記の形態のみに制限されることはなく、従来公知の形態が同様に採用されうる。
[セパレータ層]
セパレータ層17は、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンから構成される微多孔膜からなる層である。場合によっては、同様の材料から構成される不織布や粒子によって、セパレータ層17が形成されてもよい。
セパレータ層17は、正負の活物質層を分離し、これらの間の短絡を防止する機能を有する。また、セパレータ層17は、液体電解質や、当該液体電解質がマトリックスポリマー中に注入されてなるゲル電解質を保持する。
セパレータ層17中に保持されうる液体電解質は、可塑剤である非水系溶媒(有機溶媒)に支持塩であるリチウム塩が溶解した形態を有する。可塑剤として用いられうる非水系溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)やプロピレンカーボネート(PC)等のカーボネート類が例示される。また、支持塩(リチウム塩)としては、LiBETI等の電極の活物質層に添加されうる化合物が同様に採用されうる。
また、セパレータ層17中に保持されうるゲル電解質は、イオン伝導性ポリマーからなるマトリックスポリマーに、上記の液体電解質が注入されてなる構成を有する。マトリックスポリマーとして用いられるイオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、およびこれらの共重合体等が挙げられる。かようなポリアルキレンオキシド系高分子には、リチウム塩などの電解質塩がよく溶解しうる。
なお、ゲル電解質のマトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。架橋構造を形成させるには、適当な重合開始剤を用いて、高分子電解質形成用の重合性ポリマー(例えば、PEOやPPO)に対して熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合等の重合処理を施せばよい。
上述したように、本発明の電極によれば、短絡の危険性を低減させつつ、セパレータ層17を薄膜化することが可能となる。本発明の電極が用いられる本発明の電池におけるセパレータ層17の具体的な厚さについて特に制限はなく、所望の電池性能等を考慮して適宜設定されうる。ただし、セパレータ層17の厚さが20μm以下であると、上記のような充填部を設けることによる効果が顕在化してくる。一方、セパレータ層17の厚さが薄すぎると、活物質層およびセパレータ層の周縁部ではなく中央部においても短絡が発生し易くなり、本発明の電極を用いても充分に短絡が防止できなくなる虞がある。かような観点から、セパレータ層17の厚さは、好ましくは0.1〜20μmであり、より好ましくは0.5〜10μmであり、さらに好ましくは1〜5μmである。ただし、場合によっては、これらの範囲を外れる厚さのセパレータ層17を用いてもよい。
[絶縁層]
バイポーラ電池においては、一般的に、隣接する集電体11間での短絡を防止する目的で、単電池層19の周囲に絶縁層が設けられる。
図8に示すバイポーラ電池10では、図7とは異なり、集電体の周縁部が露出した、図1に示す形態のバイポーラ電極が用いられている。従って、図8に示す形態のバイポーラ電池10においては、隣接する集電体11間の短絡を防止する目的で、各単電池層19の周囲に絶縁層31が設けられている。かような絶縁層31の設置により、長期間の信頼性および安全性が確保され、高品質のバイポーラ電池10が提供されうる。
絶縁層31を構成する材料としては、絶縁性、固体電解質の脱落に対するシール性や外部からの水分の透湿に対するシール性(密封性)、電池動作温度下での耐熱性などを有するものであればよく、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゴムなどが用いられうる。なかでも、耐蝕性、耐薬品性、作り易さ(製膜性)、経済性などの観点から、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。
なお、図7に示すバイポーラ電池10では、上述したように、集電体11の周縁部が絶縁性材料により被覆されたバイポーラ電極(図2に示すバイポーラ電極)が用いられている。このため、さらに絶縁層31を設けなくとも、隣接する集電体11間の絶縁が確保されている。従って、図7に示すバイポーラ電池10は、製造コストの観点からも好ましい。
[タブ]
バイポーラ電池10においては、電池外部に電流を取り出す目的で、最外層集電体(11a、11b)に電気的に接続されたタブ(正極タブ25および負極タブ27)が外装の外部に取り出される。具体的には、正極用最外層集電体11aに電気的に接続された正極タブ25と、負極用最外層集電体11bに電気的に接続された負極タブ27とが、外装の外部に取り出される。
タブ(正極タブ25および負極タブ27)の材質は、特に制限されず、バイポーラ電池用のタブとして従来用いられている公知の材質が用いられうる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等が例示される。なお、正極端子25と負極端子27とでは、同一の材質が用いられてもよいし、異なる材質が用いられてもよい。なお、本実施形態のように、最外層集電体(11a、11b)を延長することによりタブ(25、27)としてもよいし、別途準備したタブを最外層集電体に接続してもよい。
[外装]
バイポーラ電池10においては、使用時の外部からの衝撃や環境劣化を防止するために、電池要素21は、好ましくはラミネートシート29などの外装内に収容される。外装としては特に制限されず、従来公知の外装が用いられうる。自動車の熱源から効率よく熱を伝え、電池内部を迅速に電池動作温度まで加熱しうる点で、好ましくは、熱伝導性に優れた高分子−金属複合ラミネートシート等が用いられうる。
(第3実施形態)
第3実施形態では、上記の第2実施形態のバイポーラ電池を複数個、並列および/または直列に接続して、組電池を構成する。
図9は、本実施形態の組電池を示す斜視図である。
図9に示すように、組電池40は、上記の第2実施形態に記載のバイポーラ電池10が複数個接続されることにより構成される。各バイポーラ電池10の正極タブ25および負極タブ27がバスバーを用いて接続されることにより、各バイポーラ電池10が接続されている。組電池40の一の側面には、組電池40全体の電極として、電極ターミナル(42、43)が設けられている。
組電池40を構成する複数個のバイポーラ電池10を接続する際の接続方法は特に制限されず、従来公知の手法が適宜採用されうる。例えば、超音波溶接、スポット溶接などの溶接を用いる手法や、リベット、カシメなどを用いて固定する手法が採用されうる。かような接続方法によれば、組電池40の長期信頼性が向上しうる。
本実施形態の組電池40によれば、組電池40を構成する個々のバイポーラ電池10が信頼性および出力特性に優れることから、信頼性および出力特性に優れる組電池が提供されうる。
なお、組電池40を構成するバイポーラ電池10の接続は、複数個全て並列に接続してもよく、また、複数個全て直列に接続してもよく、さらに、直列接続と並列接続とを組み合わせてもよい。
(第4実施形態)
第4実施形態では、上記の第2実施形態のバイポーラ電池10、または第3実施形態の組電池40をモータ駆動用電源として搭載して、車両を構成する。バイポーラ電池10または組電池40をモータ用電源として用いる車両としては、例えば、ガソリンを用いない完全電気自動車、シリーズハイブリッド自動車やパラレルハイブリッド自動車などのハイブリッド自動車、および燃料電池自動車などの、車輪をモータによって駆動する自動車が挙げられる。
参考までに、図10に、組電池40を搭載する自動車50の概略図を示す。自動車50に搭載される組電池40は、上記で説明したような特性を有する。このため、組電池40を搭載する自動車50は信頼性および出力特性に優れ、長期間に渡って充分な出力を提供しうる。
以上のように、本発明の幾つかの好適な実施形態について示したが、本発明は、以上の実施形態に限られるものではなく、当業者によって種々の変更、省略、および追加が可能である。例えば、上記の第2実施形態ではバイポーラ型のリチウムイオン二次電池(バイポーラ電池)を例に挙げて説明したが、本発明の電池の技術的範囲がバイポーラ電池のみに制限されることはなく、例えば、バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池であってもよい。参考までに、図11に、バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池60の概要を示す断面図を示す。図11に示す形態のリチウムイオン二次電池60においても、図1に示すバイポーラ電極と同様に、正極および負極の双方において、活物質層(13、15)の周縁部に充填部3が存在する。なお、図11に示すリチウムイオン二次電池60においては、負極活物質層15が正極活物質層13よりも一回り小さいが、かような形態のみには制限されない。正極活物質層13と同じかまたは一回り大きい負極活物質層15もまた、用いられうる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
実施例1
<負極の作製>
負極活物質であるグラファイト(平均粒子径:5μm)(90質量部)、およびバインダであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)(10質量部)を混合し、次いでスラリー粘度調整溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量添加して、負極活物質スラリーを調製した。
一方、負極用の集電体として、銅箔(厚さ:20μm)を準備した。準備した集電体の一方の表面に、上記で調製した負極活物質スラリーをドクターブレード法により塗布し、塗膜を形成させた。次いでこの塗膜を130℃にて10分間乾燥させることにより集電体の表面に負極活物質層(厚さ:30μm)を形成させて、負極を得た。
得られた負極をポンチを用いて約70mm角に打ち抜き、電流取り出し端子(ニッケルリード)を備える集電タブを接続した。
次いで、負極の活物質層側の表面周縁部に、絶縁性材料として、枠型(外寸:約72mm角、内寸:約68mm角)のポリプロピレン製フィルム(厚さ:10μm)を配置した。その後、フィルムを配置した負極を200℃にて0.5atm相当の圧力でプレスしながら5秒間加熱してフィルムを溶融させ、負極活物質層の周縁部にポリプロピレン樹脂を充填した。なお、樹脂の充填により得られた負極の活物質層から盛り上がった樹脂層の厚さは、3μmであった。
<正極の作製>
正極活物質であるマンガン酸リチウム(LiMn)(平均粒子径:5μm)(85質量部)、導電助剤であるアセチレンブラック(10質量部)、およびバインダであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)(5質量部)を混合し、次いでスラリー粘度調整溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量添加して、正極活物質スラリーを調製した。
一方、正極用の集電体として、アルミニウム箔(厚さ:20μm)を準備した。準備した集電体の一方の表面に、上記で調製した正極活物質スラリーをドクターブレード法により塗布し、塗膜を形成させた。次いでこの塗膜を130℃にて10分間乾燥させることにより集電体の表面に正極活物質層(厚さ:30μm)を形成させて、正極を得た。
得られた正極をポンチを用いて約68mm角に打ち抜き、電流取り出し端子(アルミニウムリード)を備える集電タブを接続した。
次いで、正極の活物質層側の表面周縁部に、絶縁性材料として、枠型(外寸:約70mm角、内寸:約66mm角)のポリプロピレン製フィルム(厚さ:10μm)を配置した。その後、フィルムを配置した正極を200℃にて0.5atm相当の圧力で5秒間加熱してフィルムを溶融させ、正極活物質層の周縁部にポリプロピレン樹脂を充填した。なお、樹脂の充填により得られた正極の活物質層から盛り上がった樹脂層の厚さは、3μmであった。
<試験用コインセルの作製>
セパレータとして、ポリプロピレン微多孔膜(厚さ:5μm、約75mm角)を準備した。また、電解液として、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との等体積混合液にリチウム塩であるLiPFを1Mの濃度に溶解させたものを準備した。
上記で得られた負極、セパレータ、および正極をこの順に積層し、セパレータに電解液を注入した。次いで、負極および正極にそれぞれ接続された電流取り出し用端子が外部に露出するように電池要素をアルミニウム製のラミネートフィルム中に入れ、真空に封止して、試験用コインセルを作製した。
<実施例2>
セパレータとして、10μmの厚さのポリプロピレン微多孔膜を用いたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、試験用コインセルを作製した。
<実施例3>
セパレータとして、20μmの厚さのポリプロピレン微多孔膜を用いたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、試験用コインセルを作製した。
参考例4>
参考例においては、絶縁性材料としてのポリプロピレン製フィルムに代えて、ベークライト(フェノール樹脂)を用いた。
それぞれの電極をポンチで打ち抜いた後、電極の活物質層側の表面周縁部に、ベークライトを約2mmの幅で塗布し、活物質層の内部に充填させた。得られた電極を180℃にて20分間加熱し、ベークライトを硬化させた。
その他の手法については上記の実施例1と同様の手法を用い、試験用コインセルを作製した。
<実施例5>
本実施例においては、絶縁性材料としてのポリプロピレン製フィルムに代えて、絶縁性材料の前駆体であるビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの混合物(1:1(質量比)(以下、「エポキシ樹脂前駆体」)を用いた。
それぞれの電極をポンチで打ち抜いた後、電極の活物質層側の表面周縁部に、上記のエポキシ樹脂前駆体を約2mmの幅で塗布し、活物質層の内部に充填させた。得られた電極を室温にて6時間放置することによりエポキシ樹脂前駆体を重合させ、絶縁性材料であるエポキシ樹脂を生成させた。
その他の手法については上記の実施例1と同様の手法を用い、試験用コインセルを作製した。
<比較例1>
絶縁性材料であるポリプロピレン製フィルムの配置および加熱による活物質層への充填を行わなかったこと以外は、上記の実施例1と同様の手法を用い、試験用コインセルを作製した。
<比較例2>
絶縁性材料であるポリプロピレン製フィルムの配置および加熱による活物質層への充填を行わなかったこと以外は、上記の実施例2と同様の手法を用い、試験用コインセルを作製した。
<比較例3>
絶縁性材料であるポリプロピレン製フィルムの配置および加熱による活物質層への充填を行わなかったこと以外は、上記の実施例3と同様の手法を用い、試験用コインセルを作製した。
<試験用コインセルの電池特性の評価>
上記の各実施例および各比較例について、それぞれ10個ずつ同一の試験用コインセルを作製した。次いで、それぞれの試験用コインセルに対して40mAの定電流で充放電試験を行い、短絡を生じなかったセルを選別した。さらに、選別したセルについて、電池の内部抵抗の指標として1kHzでの交流インピーダンスを測定し、その平均値を算出した。その結果を下記の表1に示す。
Figure 0004972862

各実施例と各比較例との比較から、電極の活物質層の周縁部に絶縁性材料(樹脂)を充填することにより、短絡の発生を効果的に防止しうることがわかる。このことは、セパレータの厚さが薄くなるほど顕著である。また本発明によって電池の内部抵抗が上昇してしまう虞もほとんどない。
従って、本発明の電極は、電池の出力特性の向上に有効に寄与しうる。
本発明の電池用電極の一実施形態(第1実施形態)を示す断面図である。 本発明の電池用電極の他の実施形態を示す断面図である。 本発明の電池用電極のさらに他の実施形態を示す断面図である。 集電体の表面に活物質層を形成する様子を示す図である。 活物質層の周縁部の表面に樹脂を配置する様子を示す図である。 活物質層の周縁部に樹脂を充填する様子を示す図である。 第2実施形態のバイポーラ電池の好ましい一実施形態を示す断面図である。 第2実施形態のバイポーラ電池の好ましい他の実施形態を示す断面図である。 第3実施形態の組電池を示す斜視図である。 第3実施形態の組電池を搭載する第4実施形態の自動車の概略図である。 バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池の概要を示す断面図である。
符号の説明
1 バイポーラ電極、
3 充填部、
5 絶縁性材料により構成される部位、
7 樹脂シート、
9 ホットプレス機、
10 バイポーラ電池、
11 集電体、
13 正極活物質層、
15 負極活物質層、
17 セパレータ層、
19 単電池層、
21 電池要素、
25 正極タブ、
27 負極タブ、
29 ラミネートシート、
31 絶縁層、
33 正極集電体、
35 負極集電体、
40 組電池、
50 自動車、
60 バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池。

Claims (2)

  1. 集電体の表面に活物質層を形成する活物質層形成工程と、
    前記活物質層の周縁部の表面または内部に熱可塑性樹脂または重合性単量体を配置する配置工程と、
    前記熱可塑性樹脂を加圧下で熱処理する、または前記重合性単量体を重合処理することにより、前記活物質層の前記周縁部に前記熱可塑性樹脂または前記重合性単量体が重合してなる樹脂を充填する充填工程と、
    を有する、電池用電極の製造方法。
  2. 前記充填工程において、前記活物質層の前記周縁部に前記熱可塑性樹脂または前記重合性単量体が重合してなる樹脂を充填するのと同時に、前記集電体の周縁部を前記熱可塑性樹脂または前記重合性単量体が重合してなる樹脂により被覆する、請求項1に記載の製造方法。
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