JP5023428B2 - 固体電解質電池 - Google Patents

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Description

本発明は、固体電解質電池に関する。特に本発明は、固体電解質電池の出力特性を向上させるための改良に関する。
近年、大気汚染や地球温暖化に対処するため、二酸化炭素量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が盛んに行われている。
モータ駆動用二次電池としては、全ての電池の中で最も高い理論エネルギーを有するリチウムイオン二次電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。リチウムイオン二次電池は、一般に、バインダを用いて正極活物質等を正極集電体の両面に塗布した正極と、バインダを用いて負極活物質等を負極集電体の両面に塗布した負極とが、電解質層を介して接続され、電池ケースに収納される構成を有している(例えば、特許文献1を参照)。
従来、リチウムイオン二次電池の電解質層を構成する電解質として、例えば全固体高分子電解質やゲル電解質などの固体電解質を採用した固体電解質電池が知られている。
固体電解質は、液漏れの心配がほとんどなく耐熱性にも優れる点で、液体電解質よりも好ましく用いられうる。しかしながら、液体電解質とは異なり電解質自身の流動性が低いために、電解質層と、前記電解質層に隣接する電極の活物質層との界面における接触抵抗が増大し易く、この接触抵抗が増大すると電池の内部抵抗が増大してしまうという問題がある。
かような問題を解決すべく、電解質層と活物質層との界面における接着強度を向上させるための技術として、所定の重量平均分子量のフッ素系ポリマーを電解質層のマトリックスポリマーとして含有させる技術が提案されている(特許文献2を参照)。
特開2003−7345号公報 特開平11−312535号公報
しかしながら、前記文献2に記載の技術によっても、電解質層と活物質層との界面における接触性が充分に改善されているとはいえない。
よって、固体電解質電池の電解質層と活物質層との界面における接触抵抗をより一層低減させるべく、さらなる改良技術の開発が望まれているのが現状である。特に、電池の出力密度を向上させる観点から開発が進められており、電池要素において積層される単電池数が増加の一途を辿っているバイポーラ電池において、かような改良技術を開発することは喫緊の課題である。
そこで本発明は、固体電解質電池において、電解質層と活物質層との界面における接触抵抗をより一層低減させるべく、当該界面の接触性を向上させうる技術を提供することを目的とする。
本発明は、正極活物質層、固体電解質層、および負極活物質層がこの順に積層されてなる少なくとも1つの単電池層を有する固体電解質電池であって、前記固体電解質層と前記正極活物質層および/または前記負極活物質層との界面の少なくとも1つに、無機微粒子を含む接着層が介在することを特徴とする、固体電解質電池である。
本発明の固体電解質電池においては、固体電解質層と正極活物質層および/または負極活物質層との間に、無機微粒子を含む接着層が介在している。この接着層の存在によって、固体電解質層と活物質層との界面における接触状態が改善され、前記界面における接触抵抗がより一層低減されうる。従って、本発明によれば、より出力特性に優れる固体電解質電池が提供されうる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、以下の形態のみには制限されない。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
(第1実施形態)
(構成)
本発明は、正極活物質層、固体電解質層、および負極活物質層がこの順に積層されてなる少なくとも1つの単電池層を有する固体電解質電池であって、前記固体電解質層と前記正極活物質層および/または前記負極活物質層との界面の少なくとも1つに、無機微粒子を含む接着層が介在することを特徴とする、固体電解質電池である。なお、本明細書においては、バイポーラ型のリチウムイオン二次電池(以下、「バイポーラ電池」とも称する)を例に挙げて詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はかような形態のみに制限されない。また、以下の説明では、集電体、電極活物質層、および固体電解質層の平面形状がいずれも同一の矩形である形態を例に挙げて説明するが、本発明の技術的範囲がこの形態のみに制限されるわけではない。
まず、バイポーラ電池の概要を説明する。
図1は、本実施形態に係るバイポーラ電池の概略断面図である。
図1に示すバイポーラ電池10は、実際に充放電反応が進行する略矩形の電池要素21が、外装であるラミネートシート29の内部に封止された構造を有する。
図1に示すように、本実施形態のバイポーラ電池10の電池要素21は、集電体11の一方の面に正極活物質層13が形成され他方の面に負極活物質層15が形成された複数のバイポーラ電極を有する。各バイポーラ電極は、固体電解質層17を介して積層されて電池要素21を形成する。この際、一のバイポーラ電極の正極活物質層13と前記一のバイポーラ電極に隣接する他のバイポーラ電極の負極活物質層15とが固体電解質層17を介して向き合うように、各バイポーラ電極および固体電解質層17が積層されている。なお、本実施形態において、固体電解質層17を構成する固体電解質は、ゲル電解質である。
そして、隣接する正極活物質層13、固体電解質層17、および負極活物質層15は、一つの単電池層19を構成する。従って、バイポーラ電池10は、単電池層19が積層されてなる構成を有するともいえる。また、単電池層19の外周には、隣接する集電体11間を絶縁するための絶縁層31が設けられている。なお、電池要素21の最外層に位置する集電体(最外層集電体)(11a、11b)には、片面のみに、正極活物質層13(正極側最外層集電体11a)または負極活物質層15(負極側最外層集電体11b)のいずれか一方が形成されている。
さらに、図1に示すバイポーラ電池10では、正極側最外層集電体11aが延長されて正極タブ25とされており、この正極タブ25は、外装であるラミネートシート29から導出している。一方、負極側最外層集電体11bが延長されて負極タブ27とされており、この負極タブ27も同様に、ラミネートシート29から導出している。
図2は、本実施形態のバイポーラ電池10の有する1つの単電池層19および前記単電池層19を挟持する2枚の集電体11からなる積層体の拡大断面模式図である。図2に示す形態では、集電体11、正極活物質層13、固体電解質層17、負極活物質層15、および集電体11が、この順に積層されている。
さらに、図2に示すように、本実施形態のバイポーラ電池10は、固体電解質層17と正極活物質層13および負極活物質層15との界面の少なくとも1つに、無機微粒子110を含む接着層100が介在する点に特徴を有する。以下、接着層100の好ましい形態について詳細に説明するが、下記の形態のみには制限されない。
固体電解質層17と活物質層(13、15)との界面に介在する接着層100は、無機微粒子110を含む。かような接着層100の存在により、固体電解質層17と活物質層(13、15)との界面における接触状態が改善されうる。その結果、前記界面における接触抵抗が低減され、電池の出力が向上しうる。また、前記界面における剥離の発生が抑制され、電池の耐久性の低下が防止されうる。接着層100の存在により前記界面における接触状態が改善されるメカニズムは明らかではないが、無機微粒子が、隣接する層どうしを連結するアンカーとして機能することに起因するものと推測される。ただし、このメカニズムはあくまでも推測に過ぎず、その他のメカニズムに基づいて前記界面における接触状態が改善されていたとしても、本発明の技術的範囲は何ら影響を受けることはない。
本願において「無機微粒子」とは、無機化合物からなる微粒子を意味する。
無機微粒子110の具体的な形態は、特に制限されず、従来公知の無機微粒子が用いられうる。無機微粒子110を構成する材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、ゼオライト、シリカアルミナ、ジルコニア、チタニア、リチウムアルミネートが挙げられる。これらの材料は電子伝導性を有さず、短絡を誘発する虞がないという観点から好ましい。ただし、これら以外の材料により無機微粒子110が構成されてもよいことは勿論である。また、これらの材料は1種のみが単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
無機微粒子110の平均粒子径は、特に制限されないが、好ましくは10〜1000nm、より好ましくは10〜500nm、さらに好ましくは10〜100nmである。無機微粒子110の平均粒子径が10nm未満であると、無機微粒子110を含む接着層100を配置することによるメリットが充分に得られない虞がある。一方、無機微粒子110の平均粒子径が1000nmを超えると、固体電解質層17と活物質層(13、15)との界面における接触状態が逆に低下し、やはり接着層100の配置によるメリットが低減してしまう虞がある。なお、無機微粒子110の平均粒子径は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察することにより、測定されうる。正確な値が算出されるのであれば、かような手法に制限されず、その他の測定手段が採用されてもよい。このことは、本明細書におけるその他のパラメータの測定についても、同様である。
また、無機微粒子110の比表面積も特に制限されない。ただし、発生したガスを吸着しやすいという観点からは、無機微粒子110が多孔質であるとよい。換言すれば、無機微粒子110の比表面積は好ましくは10m/g以上であり、より好ましくは100〜1000m/gである。ここで無機微粒子110の比表面積は、例えば、窒素吸着によるBET比表面積を測定することにより算出されうる。
接着層100は無機微粒子110を含むが、接着層100はその他の材料をも含みうる。一例を挙げると、接着層100は、無機微粒子110に加えて、接着層100を構成する基材として、固体電解質層17を構成する固体電解質(本実施形態においては、ゲル電解質)を含んでもよい。かような形態によれば、固体電解質層17と活物質層(13、15)との間に、無機微粒子110が分散した固体電解質からなる接着層100が介在した構成を有する電池要素21が提供される。かような形態において、基材として接着層100に含まれうる固体電解質の具体的な構成については、後述の固体電解質層の欄において説明するため、ここでは説明を省略する。また、ここでは固体電解質に無機微粒子110が分散してなる形態の接着層100を例示したが、その他の形態が採用されても、勿論よい。
接着層100に含まれる各成分の配合比は、特に制限されず、所望の電池性能を念頭に置いて適宜調節されうる。ただし、接着層100に含まれる無機微粒子110の含有量は、接着層100の全量に対して、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは2〜20質量%、さらに好ましくは5〜10質量%である。接着層100中の無機微粒子110の含有量が少なすぎると、接着層100を配置することによるメリットが充分に得られない虞がある。一方、無機微粒子110の含有量が多すぎると、イオン伝導を妨げ、抵抗が増加してしまう虞がある。
接着層100の厚さについても、特に制限はない。一例を挙げると、接着層100の厚さは、前記接着層100に隣接する固体電解質層17の厚さを100%とした場合に、好ましくは0.5〜20%であり、より好ましくは0.5〜10%であり、さらに好ましくは0.5〜5%であり、特に好ましくは1〜5%である。換言すれば、接着層100の厚さは、好ましくは0.05〜0・5μm程度である。接着層100が薄すぎると、接着層100を配置することによる効果が充分に得られない虞がある。一方、接着層100が厚すぎると、イオン伝導を妨げ、抵抗が増大してしまう虞がある。ここで、ゲル電解質電池では、固体電解質層17には勿論のこと、活物質層(13、15)にもゲル電解質が含まれることが多い。かような場合において、接着層100に所定のゲル電解質(例えば、後述する物理架橋性ポリマー)を含ませると、電池製造時の加熱処理によって、接着層100を前記固体電解質層17および活物質層(13、15)と接着(場合によっては、一体化)させることが可能である。かような場合の「接着層100の厚さ」とは、無機微粒子110を含む部分の厚さをいうものとする。
電池においては、通常、固体電解質層17と活物質層(13、15)との界面が複数存在する。これらの界面の全てにおいて、上述の接着層100が介在していると、前記界面の全てにおいて接着状態が改善され、接触抵抗が低減されうるため、好ましい。ただし、かような形態のみには制限されず、前記界面の少なくとも1つにおいて接着層100が介在すれば、本発明の作用効果が得られるため、本発明の技術的範囲に包含されうる。
以下、本実施形態のバイポーラ電池10を構成する部材について簡単に説明するが、下記の形態のみに制限されることはなく、従来公知の形態が同様に採用されうる。
[集電体(最外層集電体を含む)]
集電体11および最外層集電体(11a、11b)は、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス(SUS)箔など、導電性の材料から構成される。最外層集電体以外の集電体の一般的な厚さは、1〜30μmである。ただし、この範囲を外れる厚さの集電体を用いてもよい。
集電体の大きさは、バイポーラ電池10の使用用途に応じて決定される。大型の電池に用いられる大型の電極を作製するのであれば、面積の大きな集電体が用いられる。小型の電極を作製するのであれば、面積の小さな集電体が用いられる。
[活物質層]
正極活物質層13は、正極活物質を含む。正極活物質としては、リチウム−遷移金属複合酸化物が好ましく、例えば、LiMnなどのLi−Mn系複合酸化物やLiNiOなどのLi−Ni系複合酸化物が挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。
負極活物質層15は、負極活物質を含む。負極活物質としては、上記のリチウム遷移金属−複合酸化物や、カーボンが好ましい。カーボンとしては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛系炭素材料、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバー、コークス、ソフトカーボン、ハードカーボン等が挙げられる。
正極活物質層13および負極活物質層15には、必要であれば、その他の物質が含まれてもよい。例えば、バインダ、導電助剤等が含まれうる。
バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、合成ゴム系バインダ等が挙げられる。
導電助剤とは、正極活物質層13または負極活物質層15の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。導電助剤としては、グラファイトなどのカーボン粉末、気相成長炭素繊維などが挙げられる。
リチウム塩(支持塩)としては、Li(CSON)、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO等が挙げられる。
また、後述する固体電解質層17に含まれる固体電解質が、活物質層(13、15)に含まれてもよい。かような形態によれば、活物質層(13、15)におけるイオン伝導性が上昇し、電池の出力特性が向上しうる。
正極活物質層13および負極活物質層15中に含まれる成分の配合比は、特に限定されない。配合比は、リチウムイオン二次電池についての公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。
[固体電解質層]
固体電解質層17は、例えば、固体高分子電解質(マトリックスポリマーおよびリチウム塩を含む)から構成される全固体電解質層と、ゲル電解質(マトリックスポリマー、リチウム塩、および可塑剤を含む)から構成されるゲル電解質層とに分類される。
マトリックスポリマーは、イオン伝導性を示すのであればその具体的な形態は特に限定されない。ただし、隣接する層との接触状態に優れるという観点からは、物理架橋性ポリマーをマトリックスポリマーとして採用するとよい。物理架橋性ポリマーをマトリックスポリマーとして採用すると、電池の製造時において、電池要素を積層後に加熱処理することで当該ポリマーが軟化し、軟化したポリマーにより隣接する層どうしが接着され、接触状態が向上するのである。またこの際、用いる物理架橋性ポリマーの結晶化度を調整することによって、当該物理架橋性ポリマーの軟化点を制御可能である。
物理架橋性ポリマーとしては、例えば、フッ化ビニリデン(VdF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とのコポリマー(以下、単に「VdF−HFPコポリマー」とも称する)、分子量が10万程度のPVdF(ここで、分子量が大きすぎると結晶化度が高くなり、熱をかけても可塑化しにくい)などが挙げられる。ただし、かような形態のみには制限されず、マトリックスポリマーとしてその他の物理架橋性ポリマーが用いられてもよいし、場合によっては、物理架橋性ポリマー以外のポリマーが用いられてもよい。物理架橋性ポリマー以外のポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシドもしくはポリプロピレンオキシド系のポリマー、またはこれらのコポリマーが、重合開始剤(例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)やベンジルジメチルケタール(BDK))の作用によって架橋されてなるポリマーが挙げられる。かようなポリマーは、優れた機械的強度を発現しうる点で好ましい。
電解質中に電解質塩として溶解させるリチウム塩の形態についても、特に制限はない。リチウム塩としては、例えば、Li(CSON)、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO等が例示される。
固体電解質層17がゲル電解質層である場合、電解質層には可塑剤が含まれるが、可塑剤の形態についても、特に制限されない。可塑剤としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等のカーボネート類などが例示される。
固体電解質層17中に含まれる成分の配合比についても、特に限定されない。配合比は、リチウムイオン二次電池についての公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。
[絶縁層]
バイポーラ電池10においては、通常、各単電池層19の周囲に絶縁層31が設けられる。この絶縁層31は、電池内で隣り合う集電体11どうしが接触したり、電池要素21における単電池層19の端部の僅かな不ぞろいなどによる短絡が起こったりするのを防止する目的で設けられる。かような絶縁層31の設置により、長期間の信頼性および安全性が確保され、高品質のバイポーラ電池10が提供されうる。
絶縁層31としては、絶縁性、固体電解質の脱落に対するシール性や外部からの水分の透湿に対するシール性(密封性)、電池動作温度下での耐熱性などを有するものであればよく、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゴムなどが用いられうる。なかでも、耐蝕性、耐薬品性、作り易さ(製膜性)、経済性などの観点から、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。
[タブ]
バイポーラ電池10においては、電池外部に電流を取出す目的で、タブ(正極タブ25および負極タブ27)が最外層集電体(11a、11b)に接続される。具体的には、正極タブ25が正極用最外層集電体11aに接続され、負極タブ27が負極用最外層集電体11bに接続される。
タブ(正極タブ25および負極タブ27)を構成する材料は、特に制限されず、バイポーラ電池用のタブとして従来用いられている公知の材料が用いられうる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等が例示される。なお、正極端子25と負極端子27とでは、同一の材質が用いられてもよいし、異なる材質が用いられてもよい。タブと最外層集電体とを接続する形態は特に制限されず、最外層集電体(11a、11b)を延長することによりタブ(25、27)としてもよいし、別途準備したタブを最外層集電体に接続してもよい。
[外装]
バイポーラ電池10においては、使用時の外部からの衝撃や環境劣化を防止するために、電池要素21は、好ましくはラミネートシート29などの外装内に収容される。外装の形態は特に制限されず、従来公知の形態が採用されうる。自動車の熱源から効率よく熱を伝え、電池内部を迅速に電池動作温度まで加熱しうる点で、好ましくは、熱伝導性に優れた高分子−金属複合ラミネートシート等が用いられうる。
(製造方法)
続いて、本実施形態のバイポーラ電池の製造方法の好ましい形態について説明するが、下記の形態のみには制限されない。
本実施形態のバイポーラ電池は、例えば、バイポーラ電極の活物質層と固体電解質層とで、無機微粒子を含有するガス拡散層を挟持して、少なくとも1つの活物質層/ガス拡散層/固体電解質層からなる積層体を有する電池要素を作製し(電池要素作製工程)、前記電池要素を充電し(充電工程)、前記充電工程中に前記電池要素において発生したガスを前記電池要素の外部に抜き(ガス抜き工程)、前記電池要素の積層方向に前記電池要素をホットプレスして、前記ガス拡散層を前記活物質層および/または前記固体電解質層と接着させる(ホットプレス工程)ことにより、製造されうる。かような製造方法によれば、ガス拡散層を利用することで、上記で説明した接着層を有する本実施形態のバイポーラ電池を製造する際に、初回充電時に電池要素において発生するガスを効率的に電池要素の外部に抜くことが可能である。このため、ガスの残留に起因する電池要素の耐久性の低下といった問題の発生が抑制されうる。
以下、かような製造方法につき工程順に説明するが、下記の形態のみには制限されない。
[電池要素作製工程]
本工程においては、無機微粒子を含有するガス拡散層を挟持するように、バイポーラ電極と固体電解質層とを交互に積層して、電池要素を作製する。一例を挙げると、3枚のバイポーラ電極(うち2枚は最外層のバイポーラ電極)と2枚の固体電解質層とから、2個の単電池を有する電池要素を作製するには、例えば、最外層のバイポーラ電極(正極側最外層集電体/正極活物質層)/ガス拡散層/固体電解質層/ガス拡散層/バイポーラ電極(負極活物質層/集電体/正極活物質層)/ガス拡散層/固体電解質層/ガス拡散層/最外層のバイポーラ電極(負極活物質層/負極側最外層集電体)の順に積層すればよい。
本工程において用いられるバイポーラ電極を構成する集電体および活物質層、並びに固体電解質層の具体的な形態は、上記の[構成]の欄において説明した通りであるため、ここでは説明を省略する。
バイポーラ電極は、例えば、集電体の一方の面に正極活物質層を形成し、他方の面に負極活物質層を形成することにより、作製されうる。最外層のバイポーラ電極については、正極側最外層集電体の一方の面に正極活物質層のみを形成し、負極側最外層集電体の一方の面に負極活物質層のみを形成する。集電体の面上に活物質層を形成する手法は特に制限されず、電池の製造分野において従来公知の手法が適宜採用されうる。
また、固体電解質層を作製するには、まず、マトリックスポリマー(例えば、物理架橋性ポリマー)と、リチウム塩と、ゲル電解質層を作製する場合にはさらに可塑剤と、を適当な溶媒中に添加して混合することにより、電解質前駆体溶液を調製する。次いで、この電解質前駆体溶液を所定の基材上に塗布し、乾燥により溶媒を除去することで、固体電解質層が得られる。所定の基材としては、例えば、後述するガス拡散層が挙げられる。場合によっては、樹脂などからなるシートを基材として用い、当該シート上に塗布し、乾燥させることにより固体電解質層を作製し、当該シートから剥離して電池要素に積層するという手法が用いられてもよい。前記電解質前駆体溶液の具体的な配合については、上記の[構成]の欄を適宜参照することにより決定されうる。また、固体電解質層の作製の具体的な手法(例えば、塗布手段など)は特に制限されず、電池の製造分野において従来公知の手法が適宜採用されうる。
なお、固体電解質層を構成するマトリックスポリマーが物理架橋性ポリマーではなく、例えばポリエチレンオキシド系やポリプロピレンオキシド系のポリマーであって、電解質前駆体溶液中にこれらのポリマーを架橋させるための重合開始剤が配合される場合には、上記の乾燥工程後に、得られた塗膜に対して重合処理を施すことによって、マトリックスポリマーが化学的に架橋されうる。電解質前駆体溶液中に熱重合開始剤(例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN))を配合した場合には、塗膜を加熱することにより、重合を開始させる。また、光重合開始剤(ベンジルジメチルケタール(BDK))を配合した場合には、塗膜に紫外線等の光を照射することにより、重合を開始させる。
「ガス拡散層」は、無機微粒子を含有する。また、後述するガス抜き工程においては、同じく後述する充電工程中に電池要素から発生したガスを電池要素の外部へ抜くための通路として機能する。そして後述するホットプレス工程後には、当該ガス拡散層は上記の接着層100を構成することとなる。
ガス拡散層を構成する基材としては、例えば、上記の[構成]の欄において説明した物理架橋性ポリマーが挙げられる。かような構成のガス拡散層は、後述するホットプレス工程において溶融し、隣接する固体電解質層や活物質層と一体化しうるため、電池の出力特性を向上させるという観点から好ましい。
ガス拡散層に含有される無機微粒子の具体的な形態についても、上記の[構成]の欄において説明した形態が同様に採用されうるため、ここでは説明を省略する。無機微粒子としては、自ら調製したものを用いてもよいし、商品が市販されている場合には、当該商品を購入して用いてもよい。
ガス拡散層には、後述するガス抜き工程においてガス抜き用の通路として機能させるために、ガス抜き用のチャネルを設けるとよい。かようなチャネルの形態は、ガス抜きが可能な形態であれば特に制限されないが、例えば、十字型や碁盤の目型といった形態が例示される。これらの形態のチャネルは、例えば、インクジェット法やパターン印刷法といった手法により作製されうる。なお、チャネルの形態はこれらのみには制限されず、その他の形態が採用されてもよいことは勿論である。
本工程において作製される電池要素は、後述するように充電工程に供される。この充電工程におけるガス拡散層自身のイオン伝導性を向上させ、充電工程における充電効率を向上させるという観点から、本工程で作製された電池要素の有するガス拡散層に、電解液を注入するとよい。これにより、充電工程の充電効率が向上し、充電時間が短縮されるといった効果が得られる。なお、注入する電解液の具体的な形態は特に制限されないが、上記の第1実施形態の固体電解質電池の固体電解質層がゲル電解質から構成される場合について上記で例示したリチウム塩および可塑剤の混合物が用いられうる。従って、より好ましい形態は、ガス拡散層が、無機微粒子を含むこと以外は上記で固体電解質層について例示したゲル電解質と同様の組成を有する形態であるともいえる。
なお、本工程においては、電池要素の積層中に、各単電池層19を包囲するように、絶縁層を配置することが好ましい。また、作製した電池要素にタブを接続させてもよいし、さらにラミネートフィルム等からなる外装により封止してもよい。ただし、これらの工程は、後述する充電工程、ガス抜き工程、およびホットプレス工程のいずれかの後に行ってもよい。
[充電工程]
本工程においては、上記の[電池要素作製工程]において作製した電池要素を充電する。
電池要素を充電する具体的な手法については特に制限はなく、電池の分野において従来公知の手法が用いられうる。一例を挙げると、充電に用いる電源を準備し、上記で作製した電池要素の正極側最外層集電体または正極タブに当該電源の正極を接続し、同様に電池要素の負極側最外層集電体または負極タブに当該電源の負極を接続して、0.1C程度の電流で充電することにより、電池要素の充電が完了する。
[ガス抜き工程]
本工程においては、上記の[充電工程]中に電池要素において発生したガスを、前記電池要素の外部に抜く。
ガスを抜くための具体的な手法については特に制限はない。例えば、充電工程後の電池要素を減圧または真空条件下に置くことにより、ガスの抜けが促進されうる。また、上記の[電池要素作製工程]または[充電工程]後に電池要素を外装中に封止した場合には、封止の一部を開放し、外装の内部を吸引して減圧することにより、ガス抜きを促進してもよい。
[ホットプレス工程]
本工程においては、電池要素の積層方向に前記電池要素をホットプレスして、前記ガス拡散層を前記活物質層および/または前記固体電解質層と接着させる。これにより、ガス拡散層が配置されていた、固体電解質層と活物質層との界面に、無機微粒子を含有する接着層が形成される。
この際、ガス拡散層の基材や、活物質層および固体電解質層に含まれる電解質のマトリックスポリマーが物理架橋性ポリマーであると、かようなホットプレス工程をさらに行うことで、当該物理架橋性ポリマーが軟化し、隣接する層どうしが一体化して、隣接する層の界面における接着状態が改善されうる。また場合によっては、軟化した物理架橋性ポリマーの一部が隣接する層の内部へと流入する。これにより、隣接する層の界面における接触抵抗がより一層低減され、電池の出力特性の向上に貢献しうる。この際、ガス拡散層中に含有される無機微粒子は、活物質層と固体電解質層との界面に残留し、極めて薄い接着層100を構成することとなる。
なお、「ホットプレス」とは、加熱した状態で加圧することを意味し、「熱加圧」とも称する。ホットプレスする際の具体的な手法および条件は特に制限されず、電池の製造分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。一例を挙げると、ホットプレス時の温度は80〜100℃程度であり、プレス圧力は1気圧程度である。ホットプレスするための装置についても特に制限はなく、市販のホットプレス機が適宜採用されうる。
以上の工程により、少なくとも1つの単電池層19を有する本実施形態のバイポーラ電池10が完成する。
(第2実施形態)
第2実施形態では、上記の第1実施形態のバイポーラ電池を複数個、並列および/または直列に接続して、組電池を構成する。
図3は、本実施形態の組電池を示す斜視図である。
図3に示すように、組電池40は、上記の第1実施形態のバイポーラ電池10が複数個接続されることにより構成される。各バイポーラ電池10の正極タブ25および負極タブ27がバスバーを用いて接続されることにより、各バイポーラ電池10が接続される。組電池40の一の側面には、組電池40全体の電極として、電極ターミナル(42、43)が設けられている。
組電池40を構成する複数個のバイポーラ電池10を接続する際の接続方法は特に制限されず、従来公知の手法が適宜採用されうる。例えば、超音波溶接、スポット溶接などの溶接を用いる手法や、リベット、カシメなどを用いて固定する手法が採用されうる。かような接続方法によれば、組電池40の長期信頼性が向上しうる。
上述したように上記の第1実施形態のバイポーラ電池10は、出力特性に優れる。従って、本実施形態の組電池40によれば、上記の第1実施形態のバイポーラ電池10を用いて組電池化することにより、高出力の電池が提供されうる。
なお、組電池40を構成するバイポーラ電池10の接続は、複数個全て並列に接続してもよく、また、複数個全て直列に接続してもよく、さらに、直列接続と並列接続とを組み合わせてもよい。
(第3実施形態)
第3実施形態では、上記の第1実施形態のバイポーラ電池10、または第2実施形態の組電池40をモータ駆動用電源として搭載して、車両を構成する。バイポーラ電池10または組電池40をモータ用電源として用いる車両としては、例えば、ガソリンを用いない完全電気自動車、シリーズハイブリッド自動車やパラレルハイブリッド自動車などのハイブリッド自動車、および燃料電池自動車などの、車輪をモータによって駆動する自動車が挙げられる。
参考までに、図4に、組電池40を搭載する自動車50の概略図を示す。自動車50に搭載される組電池40は、上記で説明したように、出力特性に優れる。このため、第2実施形態の組電池40を搭載する自動車50は高出力を発揮することが可能であり、優れた走行性能を提供しうる。
以上のように、本発明の幾つかの好適な実施形態について示したが、本発明は、以上の実施形態に限られるものではなく、当業者によって種々の変更、省略、および追加が可能である。例えば、以上の説明ではバイポーラ型のリチウムイオン二次電池(バイポーラ電池)を例に挙げて説明したが、本発明の固体電解質電池の技術的範囲がバイポーラ電池のみに制限されることはなく、例えば、バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池であってもよい。参考までに、図5に、バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池60の概要を示す断面図を示す。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
実施例1
<電解質前駆体溶液の調製>
ゲル電解質のマトリックスポリマーとして、物理架橋性ポリマーであるVdF−HFPコポリマー(HFP含量:6質量%)を準備した。また、電解液として、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)およびγ−ブチロラクトンを4:3:3の体積比で混合した混合液に、リチウム塩であるLiPFを1.2モル/Lの濃度で溶解させた溶液を準備した。
続いて、電解質前駆体溶液を調製するための溶媒であるジメチルカーボネート(DMC)(75質量部)に、上記で準備したマトリックスポリマー(5質量部)、および、同じく上記で準備した電解液(20質量部)を添加してディスパー中に仕込み、70℃にて1時間混合して、電解質前駆体溶液を調製した。
<電極の作製>
正極活物質であるスピネル系マンガン酸リチウム(LiMn)(平均粒子径:5μm)(90質量部)、導電助剤であるアセチレンブラック(5質量部)、およびバインダであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)(5質量部)を混合し、溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量添加してさらに混合して、正極活物質スラリーを調製した。
上記で調製した正極活物質スラリーを、集電体であるアルミニウム箔(厚さ:20μm)の片面にコーターを用いて塗布し、加熱乾燥させて、正極活物質層を形成させた。なお、形成された正極活物質層の厚さは20μmであり、電極のサイズはA6サイズとした。
一方、負極活物質であるハードカーボン(平均粒子径:6μm)(95質量部)、およびバインダであるPVdF(5質量部)を混合し、溶媒であるNMPを適量添加してさらに混合して、負極活物質スラリーを調製した。
上記で調製した負極活物質スラリーを、集電体である銅箔(厚さ:20μm)の片面にコーターを用いて塗布し、加熱乾燥させて、負極活物質層を形成させた。なお、形成された負極活物質層の厚さは20μmであり、電極のサイズはA6サイズとした。
続いて、上記の各集電体の片面に形成された正極活物質層および負極活物質層に上記で調製した電解質前駆体溶液を所定量塗布し、浸透させ、一晩放置することによりDMCを揮発させて、活物質層中にゲル電解質を含有させた。なお、完成した電極の正極活物質層および負極活物質層中のゲル電解質の含有量は、30質量%であった。
<ゲル電解質層の作製>
ゲル電解質層用のセパレータとして、アラミド製不織布(厚さ:40μm)を準備した。このセパレータに、上記で準備した電解質前駆体溶液を所定量塗布し、浸透させ、一晩放置することによりDMCを揮発させて、ゲル電解質層を完成させた。
<ガス拡散層の形成>
上記で調製した電解質前駆体溶液に、無機微粒子であるシリカ粒子(平均粒子径:0.1μm)を添加して、ガス拡散層形成用溶液を調製した。この際、シリカ粒子の添加量は、前記電解質前駆体溶液中のマトリックスポリマー100質量部に対して、40質量部であった。
次いで、上記で調製したガス拡散層形成用溶液の所定量を、上記で調製した各電極の活物質層上に塗布し、常温にて2時間真空乾燥させることにより、電極の両面の活物質層表面にシリカ粒子を含むガス拡散層を形成した。
<電池の作製>
上記で作製したガス拡散層を有する1枚の正極および1枚の負極を、同じく上記で作製した1枚のゲル電解質層を介して積層することにより、電池要素を作製した。この際積層は、各電極の活物質層どうしが向き合う向きに行った。
得られた電池要素を、アルミニウム層の両面が樹脂層で被覆されてなる2枚のラミネートフィルムにて挟持し、真空封止した。この際、正極および負極には正極端子および負極端子をそれぞれ接続し、正極端子および負極端子には正極タブおよび負極タブをそれぞれ接続して、この正極タブおよび負極タブをラミネートフィルムから導出させた。
得られた真空封止電池要素に対して1回充電処理を施し、その後、ラミネートフィルムの一部を開封して、前記充電処理時に発生したガスをラミネートフィルムの外部へと抜いた。次いで、ラミネートフィルムの開封部を再度真空封止し、オーブン中で90℃にて1時間加熱することによりガス拡散層を溶融させて、電池を完成させた。
なお、ガス拡散層が溶融することにより接着層が形成されたが、得られた接着層の全量に対するシリカ微粒子の含有量を算出すると、40質量%である。
実施例2
ガス拡散層形成用溶液中のシリカ粒子の添加量を、マトリックスポリマー100質量部に対して30質量%としたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、電池を作製した。この際、得られた接着層の全量に対するシリカ微粒子の含有量を算出すると、30質量%である。
実施例3
ガス拡散層形成用溶液中のシリカ粒子の添加量を、マトリックスポリマー100質量部に対して20質量%としたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、電池を作製した。この際、得られた接着層の全量に対するシリカ微粒子の含有量を算出すると、20質量%である。
実施例4
ガス拡散層形成用溶液中のシリカ粒子の添加量を、マトリックスポリマー100質量部に対して10質量%としたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、電池を作製した。この際、得られた接着層の全量に対するシリカ微粒子の含有量を算出すると、10質量%である。
比較例
電池要素の作製時に、電極の表面にガス拡散層を形成しなかったこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、電池を作製した。
<充放電試験>
上記の各実施例および比較例において得られた電池を1Cの電流で充放電し、この際の電池容量を測定した。この測定結果を下記の表1に示す。
Figure 0005023428
表1に示す結果から、固体電解質電池において、電極の活物質層と固体電解質層との間に無機微粒子を含む接着層を介在させることにより、充放電における電池容量が向上しうることがわかる。これは、活物質層と固体電解質層との間に介在する接着層に含まれる無機微粒子によって、活物質層と固体電解質層との界面における接着状態が改善され、当該界面における接触抵抗が低減されることに起因するものと推測される。
従って、本発明は、固体電解質電池における電池容量の向上に有効に寄与しうる。
第1実施形態の固体電解質電池(バイポーラ電池)の概要を示す断面図である。 第1実施形態のバイポーラ電池の有する1つの単電池層および前記単電池層を挟持する2枚の集電体からなる積層体の拡大断面模式図である。 第2実施形態の組電池を示す斜視図である。 第2実施形態の組電池を搭載する第3実施形態の自動車の概略図である。 バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池である固体電解質電池の概要を示す断面図である。
符号の説明
10 バイポーラ電池、
11 集電体、
13 正極活物質層、
15 負極活物質層、
17 固体電解質層、
19 単電池層、
21 電池要素、
25 正極タブ、
27 負極タブ、
29 ラミネートシート、
31 絶縁層、
33 正極集電体、
35 負極集電体、
40 組電池、
42、43 電極ターミナル、
50 自動車、
60 バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池、
100 接着層、
110 無機微粒子。

Claims (4)

  1. 正極活物質層、固体電解質層、および負極活物質層がこの順に積層されてなる少なくとも1つの単電池層を有し、前記固体電解質層と前記正極活物質層および/または前記負極活物質層との界面の少なくとも1つに、無機微粒子を含む接着層が介在することを特徴とする固体電解質電池の製造方法であって、
    活物質層と固体電解質層とで、無機微粒子を含有するガス拡散層を挟持して、少なくとも1つの活物質層/ガス拡散層/固体電解質層からなる積層体を有する電池要素を作製する電池要素作製工程と、
    前記電池要素を充電する充電工程と、
    前記充電工程中に前記電池要素において発生したガスを前記電池要素の外部に抜くガス抜き工程と、
    前記電池要素の積層方向に前記電池要素をホットプレスして、前記ガス拡散層を前記活物質層および/または前記固体電解質層と接着させるホットプレス工程と、
    を有する、製造方法。
  2. 前記ガス拡散層が物理架橋性ポリマーをマトリックスポリマーとして含む、請求項に記載の製造方法。
  3. 前記物理架橋性ポリマーがフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマーである、請求項に記載の製造方法。
  4. 前記電池要素作製工程が、前記ガス拡散層に電解液を注入する電解液注入工程をさらに有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
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