JP2005129456A - ゲル電解質バイポーラ電池とその製造方法 - Google Patents

ゲル電解質バイポーラ電池とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高速の充放電を行った場合にも、放電容量がレートの増加とともに急激に低下するのを抑制してなる、電池の高レート特性に優れたバイポーラ電池を提供する。
【解決手段】 一枚の集電体1の片側の面上に正極層2を設け、他方の側の面上に負極層3を設けたバイポーラ電極を、ゲル電解質層4を介して複数積層した構造であるバイポーラ電池において、正極層、負極層、電解質層のすべての層にゲル電解質のマトリックス高分子を含むことを特徴とするゲル電解質バイポーラ電池。
【選択図】図2

Description

本発明は、正極層と負極層とが集電体の両側に配置されてなるバイポーラ電池に関し、より詳しくは、電解質層に高分子固体電解質に比してイオン伝導度に優れた高分子ゲル電解質を用いてなるバイポーラ電池とその製造方法、並びに該電池を搭載した車両に関する。
近年、環境保護のため二酸化炭素排出量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が鋭意行われている。二次電池としては、高エネルギー密度、高出力密度が達成できるリチウムイオン二次電池に注目が集まっている。ただし、自動車に適用するためには、大出力を確保するために、複数の二次電池を直列に接続して用いる必要がある。
しかしながら、接続部を介して電池を接続した場合、接続部の電気抵抗によって出力が低下してしまう。また、接続部を有する電池は空間的にも不利益を有する。即ち、接続部によって、電池の出力密度やエネルギー密度の低下がもたらされる。
この問題を解決するものとして、集電体の両側に正極活物質と負極活物質とを配置したバイポーラ電池が開発されている。該バイポーラ電池では集電体を介して、縦方向に電流が流れるため、電子伝導のパスが格段に短くなり、その分、高出力になるためである。
特に、集電体の両側にそれぞれ正極層、負極層があるバイポーラ電極を、電解質層として高分子固体電解質に比してイオン伝導度に優れたゲル電解質膜を挟んで積層した構造のバイポーラ電池が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。電解質層にセパレータのゲル電解質を保持させたゲル電解質膜を用いれば、イオン伝導度に優れ、電池の出力密度やエネルギー密度も十分に得られるため、実用化段階に最も近いバイポーラ電池として期待されている。
特開2000−100471号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のバイポーラ電池では、ゲルの電解液を保持できるマトリックス高分子が、セパレータのゲル電解質膜内のみに存在して電極内にないと、低速充放電では問題がないが、HEV用電池のように高速の充放電を行うと、放電容量がレートの増加とともに急激に小さくなる。そのため、電池の高レート特性に劣るという問題があった。
そこで、本発明が目的とするところは、高速の充放電を行った場合にも、放電容量がレートの増加とともに急激に低下するのを抑制してなる、電池の高レート特性に優れたバイポーラ電池を提供するものである。
本発明は、一枚の集電体の片側の面上に正極層を設け、他方の側の面上に負極層を設けたバイポーラ電極を、ゲル電解質層を介して複数積層した構造であるバイポーラ電池において、正極層、負極層、電解質層のすべての層にゲル電解質のマトリックス高分子を含むことを特徴とするゲル電解質バイポーラ電池である。
本発明のバイポーラ電池によれば、電極内にもゲル電解質のマトリックス高分子を含ませて、電解液を保持させることにより、高速の充放電を行った場合にも、放電容量がレートの増加とともに急激に低下するのを抑制することができ、バイポーラ電池の高速放電特性(高レート特性)を大幅に改善することができる。すなわち、電極内にゲル電解質のマトリックス高分子がないと、高速の充放電時に、電極内部で反応に関与するイオンの欠乏が起こりやすくなり、バイポーラ電池の各セル間での使用できる容量が減少するとともに充放電の均一性が悪くなり、バイポーラ電池全体として使用できる容量が減少していたと考えられる。そこで、電極内にもゲル電解質のマトリックス高分子を存在させて、電解液を十分に保持し得る状態にしておくことにより、こうした問題が大幅に改善され、イオン伝導度に優れ、充放電特性、特に高レート特性に優れたバイポーラ電池を提供できる。その結果、信頼性が高く、優れたエネルギー密度および出力密度を保持できており、EVやHEV用電池のように高速の充放電が求められる車両用電源として幅広く適用できるほか、各種産業においても有用な電力源となる。
以下、発明を実施するための最良の形態につき、説明する。
本発明に係るゲル電解質バイポーラ電池は、一枚の集電体の片側の面上に正極層を設け、他方の側の面上に負極層を設けたバイポーラ電極を、ゲル電解質層を介して複数積層した構造であるバイポーラ電池において、正極層、負極層、電解質層のすべての層にゲル電解質のマトリックス高分子を含むことを特徴とするものである。これにより、高速の充放電を行った場合にも、放電容量がレートの増加とともに急激に低下するのを抑制することのできる高レート特性に優れたバイポーラ電池を提供することができるものである。
図1〜2に本発明に係るバイポーラ電池の基本構成の概略を図面を用いて簡単に説明する。このうち、図1には、バイポーラ電池を構成するバイポーラ電極の構造を模式的に表わした概略断面図を示し、図2には、バイポーラ電池を構成する電極積層体の構造を模式的に表わした概略断面図を示し、図3には、バイポーラ電池の全体構造を模式的に表わした概略断面図を示す。
図1〜3に示したように、1枚の集電体1の片面に正極層2を設け、もう一方の面に負極層3を設けたバイポーラ電極5(図1参照のこと)を、電解質層4を挟み隣合うバイポーラ電極5の電極層2、3が対向するようになっている。すなわち、バイポーラ電池11では、集電体1の片方の面上に正極層2を有し、他方の面上に負極層3を有するバイポーラ電極(電極層)5を、電解質層4を介して複数枚積層した構造の電極積層体(バイポーラ電池本体)7からなるものである。最上層と最下層の電極5a、5bは、バイポーラ電極構造ではなく集電体1(または端子板)に必要な片面のみの電極層(正極層2または負極層3)を配置した構造としてもよい(図2参照のこと)。また、これら電極の周囲には絶縁層6が形成されている。また、本発明のゲル電解質バイポーラ電池11では、上下両端の集電体1にそれぞれ、正極および負極リード8、9、さらには正極、負極タブ11、13が接合されている。
バイポーラ電極の積層回数は、所望する電圧に応じて調節する。シート状電池の厚みを極力薄くしても十分な出力が確保できるのであれば、バイポーラ電極の積層回数を少なくしてもよい。
また、本発明のバイポーラ電池11では、使用する際の外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、電極積層体7部分を電池外装材(外装パッケージ)10に減圧封入し、電
極リード8、9と電気的に接続された正極、負極タブ11、13を電池外装材(外装パッケージ)10の外部に取り出した構造とするのがよい(図3参照のこと)。軽量化の観点からは、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、銅などの金属(合金を含む)をポリプロピレンフィルム等の絶縁体で被覆したアルミラミネートパックなどの高分子−金属複合ラミネートフィルムなど、従来公知の電池外装材を用いて、その周辺部の一部または全部を熱融着にて接合することにより、電極積層体7を収納し減圧封入(密封)し、電極リード8、9と電気的に接続された正極、負極タブ11、13を電池外装材10の外部に取り出した構成とするのが好ましい。このバイポーラ電池の基本構成は、複数積層した単電池層(単セル)が直列に接続された構成ともいえるものである。なお、本発明のバイポーラ電池は、リチウムイオンの移動によって充放電が媒介されるバイポーラリチウムイオン二次電池に用いられる。ただし、電池特性の向上等の効果が得られるのであれば、他の種類の電池に適用することを妨げるものではない。
以下、本発明のバイポーラ電池につき、構成要素を中心に説明する。
[集電体]
本発明で用いることのできる集電体としては、特に制限されるものではなく、従来公知のものを利用することができる。例えば、アルミニウム箔、ステンレス(SUS)箔、チタン箔、ニッケルとアルミニウムのクラッド材、銅とアルミニウムのクラッド材、SUSとアルミニウムのクラッド材あるいはこれらの金属の組み合わせのめっき材などが好ましく使える。また、金属表面に、アルミニウムを被覆させた集電体であってもよい。また、場合によっては、3つ以上の金属箔を張り合わせた集電体を用いてもよい。複合集電体を用いる場合、正極集電体の材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、SUS、チタンなどの導電性金属を用いることができるが、アルミニウムが特に好ましい。一方、負極集電体の材料としては、例えば、銅、ニッケル、銀、SUSなどの導電性金属を用いることができるが、SUS及びニッケル等が特に好ましい。また、複合集電体においては、正極集電体と負極集電体とは、互いに直接あるいは第三の材料からなる導電性を有する中間層を介して電気的に接続していれば良い。
複合集電体における正極集電体および負極集電体の各厚みは、通常通りでよく両集電体とも、例えば、1〜100μm程度である。好ましくは集電体(複合集電体を含む)の厚さが1〜100μm程度であればよいが、電極層の厚さを電極活物質粒子の粒子径にまで小さくする、電極層内の活物質粒子を単層で構成する、或いは活物質とバインダのみで構成するといった上記第1〜第3形態の電極構造に対応して集電体も薄くするのが望ましいことから、該集電体の厚さとして好ましくは、3〜20μmの範囲である。
[正極層(正極活物質層)]
本発明では、正極層の構成成分として、正極活物質のほかに、ゲル電解質のマトリックス高分子を含むものである。すなわち、正極層内にもゲル電解質のマトリックス高分子を存在させて電解液を十分に保持し得る状態にしておくことにより、高速の充放電時であっても、正極活物質近傍に常に電解液を保持したマトリックス高分子が存在するため、正極層内でのイオンの欠乏が生じるのを抑える事ができ、バイポーラ電池の各セル間での使用できる容量が安定するとともに充放電の均一性が向上し、バイポーラ電池全体として使用できる容量の減少を大幅に改善することができる。
なお、正極層の構成成分としては、さらに必要に応じて、正極活物質粒子同士を結びつける従来公知のバインダ、電子伝導性を高めるための導電助材、イオン伝導性を高めるための電解質支持塩(リチウム塩)、可塑剤、添加剤などが含まれ得る。
上記正極活物質としては、遷移金属とリチウムとの複合酸化物(リチウム−遷移金属複
合酸化物)を好適に使用できる。具体的には、LiMnO、LiMnなどのLi−Mn系複合酸化物、LiCoOなどのLi−Co系複合酸化物、LiCr、LiCrOなどのLi−Cr系複合酸化物など、LiNiOなどのLi−Ni系複合酸化物、LiFeO、LiFeOなどのLi−Fe系複合酸化物、LiなどのLi−V系複合酸化物およびこれらの遷移金属の一部を他の元素により置換したもの(例えば、LiNiCo1−x(0<x<1)等)などが使用できるなど、Li金属酸化物から選択し使用するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。これらリチウム−遷移金属複合酸化物は、反応性、サイクル耐久性に優れ、低コストな材料である。そのためこれらの材料を電極に用いることにより、出力特性に優れた電池を形成することができる点で有利である。この他、LiFePOなどの遷移金属とリチウムのリン酸化合物や硫酸化合物;V、MnO、TiS、MoS、MoOなどの遷移金属酸化物や硫化物;PbO、AgO、NiOOHなどが挙げられる。
上記正極活物質の中では、Li−Mn系複合酸化物が望ましい。これは、Li−Mn系複合酸化物を用いることにより、異常時信頼性が向上するためである。
上記正極活物質の粒径は、バイポーラ電池の電極抵抗を低減するために、溶液タイプのリチウムイオン電池で用いられる一般に用いられる粒径よりも小さいものを使用するとよい。具体的には、正極活物質粒子の平均粒径が0.1〜5μmであるとよい。
また、高分子ゲル電解質は、イオン導伝性を有する固体高分子電解質に、通常の溶液タイプのリチウムイオン電池で用いられる電解液を含んだものであるが、さらに、リチウムイオン導伝性を持たない高分子の骨格中に、同様の電解液を保持させたものも含まれるものである。よって、ここでいうゲル電解質のマトリックス高分子としては、イオン導伝性を有する固体高分子電解質として用いられる高分子のほか、リチウムイオン導伝性を持たない高分子を含むものである。
上記イオン導伝性を有する固体高分子電解質として用いられるマトリックス高分子としては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、これらの共重合体のような公知の固体高分子電解質が挙げられる。
上記高分子ゲル電解質に用いられるリチウムイオン導伝性を持たないマトリックス高分子としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。なお、PAN、PMMAなどは、どちらかと言うとイオン伝導性がほとんどない部類に入るものであるため、上記イオン伝導性を有するマトリックス高分子とすることもできるが、ここでは高分子ゲル電解質に用いられるリチウムイオン導伝性を持たないマトリックス高分子として例示したものである。
正極活物質粒子同士を結びつける従来公知のバインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、SBR、ポリイミドまたはこれらの共重合体などが使用できる。該共重合体としては、例えば、主にフッ化ビニリデンを含む共重合体などが挙げられる。このうち、主にフッ化ビニリデンを含む共重合体としては、実施例で用いたような従来公知のものが幅広く適用可能である。ただし、これらに限られるわけではない。すなわち、後述するように、バインダがミクロ相分離構造であるような場合には、上記したような従来公知のバインダ成分のほか、これら高分子とミクロ相分離構造を取りえる上記ゲル電解質のマトリックス高分子なども、バインダ成分として含有していてもよい。すなわち、本発明では、その名称に拘泥されることなく、少なくともゲル電解質のマトリックス高分子が電極層に含まれていればよく、例えば、バインダとして、従来公知のバインダ成分とミクロ相分
離構造を形成した形で含まれていてもよいし、これとは別に電極層と電解質層と電解質を連続相とするために、ゲル電解質のマトリックス高分子が含有されていてもよい(後述する製造方法参照のこと)。
電子伝導性を高めるための導電助材としては、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、種々炭素繊維、カーボンナノチューブ等が挙げられる。ただし、これらに限られるわけではない。
イオン伝導性を高めるための電解質支持塩(リチウム塩)としては、特に制限されるべきものではなく、従来既知の各種電解液(電解質支持塩および可塑剤)に用いられる電解質支持塩を適宜使用することができるものである。例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10等の無機酸陰イオン塩、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON等の有機酸陰イオン塩の中から選ばれる、少なくとも1種類の電解質支持塩(リチウム塩)が挙げられる。ただし、これらに限られるわけではない。さらに、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等のエーテル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトニトリル等のニトリル類;プロピオン酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;酢酸メチル、蟻酸メチルの中から選ばれる少なくともから1種類または2種以上を混合した、非プロトン性溶媒等の可塑剤(有機溶媒)などを加えて電解液として正極層に添加してもよい。この場合、上記マトリックス高分子と電解液との比率(質量比)は、使用目的などに応じて決定すればよいが、2:98〜90:10の範囲である。すなわち、電極中のマトリックス高分子に保持された電解液の染み出しについては、図2に示すように各電極の周囲に絶縁層を形成することで効果的にシールすることができる。そのため、電極中のマトリックス高分子と電解液との比率(質量比)に関しても、高速の充放電を行った場合にも、放電容量がレートの増加とともに急激に低下することがないように、電池特性を優先したものとすることができる。
上記添加剤としては、例えば、電池の性能や寿命を高めるためのトリフルオロプロピレンカーボネート、補強材としての各種フィラーなどが挙げられる。
正極層における、正極活物質、マトリックス高分子、更には導電助材、バインダ、電解質支持塩、可塑剤、添加剤等の配合量は、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。例えば、正極層内におけるマトリックス高分子の配合量が少なすぎると、正極層内でのイオン伝導抵抗やイオン拡散抵抗が大きくなり、電池性能が低下してしまう。一方、正極層内におけるマトリックス高分子の配合量が多すぎると、電池のエネルギー密度が低下してしまう。従って、これらの要因を考慮して、目的に合致した高分子ゲル電解質量を決定すればよい。なかでも本発明の目的を達成する上で、正極層中のマトリックス高分子の配合量は、正極層中の構成成分全量に対して、0.5〜20質量%、好ましくは0.5〜10質量%の範囲とするのが望ましい。
正極層の厚さ(正極活物質膜厚)は、特に限定するものではなく、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。よって、正極層の厚さ(正極活物質膜厚)は、1〜500μm程度であるが、イオン拡散距離が短い電極構造が望ましいことから、好ましくは5〜100μmの範囲である。
[負極層(負極活物質層)]
本発明では、負極層の構成成分としても、負極活物質のほかに、ゲル電解質のマトリッ
クス高分子を含むものである。すなわち、負極層内にもゲル電解質のマトリックス高分子を存在させて電解液を十分に保持し得る状態にしておくことにより、高速の充放電時であっても、負極活物質近傍に常に電解液を保持したマトリックス高分子が存在するため、負極層内でのイオンの欠乏が生じるのを抑える事ができ、バイポーラ電池の各セル間での使用できる容量が安定するとともに充放電の均一性が向上し、バイポーラ電池全体として使用できる容量の減少を大幅に改善することができる。
なお、負極層の構成成分としては、さらに必要に応じて、電子伝導性を高めるための導電助材、負極活物質粒子同士を結びつける従来公知のバインダ、イオン伝導性を高めるための電解質支持塩(リチウム塩)、可塑剤、添加剤などが含まれ得る。
負極活物質の種類以外は、基本的に「正極層」の項で記載した内容と同様であるため、ここでは説明を省略する。
上記負極活物質としては、溶液系のリチウムイオン電池でも使用される負極活物質を用いることができる。具体的には、種々のカーボン、金属化合物、金属酸化物、Li金属化合物、Li金属酸化物(リチウム−遷移金属複合酸化物を含む)、ホウ素添加炭素などを用いることができる。これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を併用して用いても良い。上記カーボンとしては、例えば、グラファイトカーボン、ハードカーボン、ソフトカーボンなど、従来公知のカーボン材料が挙げられる。上記金属化合物としては、LiAl、LiZn、LiBi、LiCd、LiSd、LiSi、Li4.4Pb、Li4.4Sn、Li0.17C(LiC)等が挙げられる。上記金属酸化物としては、SnO、SnO、GeO、GeO、InO、In、PbO、PbO、Pb、Pb、AgO、AgO、Ag、Sb、Sb、Sb、SiO、ZnO、CoO、NiO、FeO等が挙げられる。Li金属化合物としては、LiFeN、Li2.6Co0.4N、Li2.6Cu0.4N等が挙げられる。Li金属酸化物(リチウム−遷移金属複合酸化物)としては、LiTi12などLiTiで表されるリチウム−チタン複合酸化物等が挙げられる。上記ホウ素添加炭素としては、ホウ素添加カーボン、ホウ素添加グラファイト等が挙げられる。ただし、本発明では、これらに制限されるべきものではなく従来公知のものを適宜利用することができる。上記ホウ素添加炭素中のホウ素の含有量は0.1〜10質量%の範囲が望ましいが、これに制限されるべきものではない。
上記負極活物質の中では、非結晶性炭素材から選ばれるものが好ましい。これらを用いることで、プロファイルを傾けることが可能となる。詳しくは、負極活物質を非結晶性炭素材から選ばれるものにすることで、電圧−SOCプロファイルを傾けることが出来るようになる。これより、電圧を計測することで電池の充電状態(SOC)が判明するため、電池が特に不安定な過充電、過放電状態を検知し、対処することが出来るようになるため、電池の信頼性を向上させることが可能となる。この効果は非晶質炭素において特に顕著であり、有効であるが特に限定は行わない。その結果、各単電池層及びバイポーラ全体の電圧の検知が容易になる。非結晶性炭素材とは、ハードカーボン系炭素材料、ソフトカーボン系炭素材料をいい、上記ハードカーボンなどがこれに含まれる。
上記負極活物質粒子の粒径は、バイポーラ電池の電極抵抗を低減するために、溶液タイプのリチウムイオン電池で用いられる一般に用いられる粒径よりも小さいものを使用するとよい。具体的には、正極活物質粒子の平均粒径が0.1〜5μmであるとよい。
負極層における、負極活物質、マトリックス高分子、更には導電助材、バインダ、電解質支持塩、可塑剤、添加剤等の配合量は、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。例えば、負極層内におけるマトリック
ス高分子の配合量が少なすぎると、負極層内でのイオン伝導抵抗やイオン拡散抵抗が大きくなり、電池性能が低下してしまう。一方、負極層内におけるマトリックス高分子の配合量が多すぎると、電池のエネルギー密度が低下してしまう。従って、これらの要因を考慮して、目的に合致した高分子ゲル電解質量を決定すればよい。なかでも本発明の目的を達成する上で、負極層中のマトリックス高分子の配合量は、負極層中の構成成分全量に対して、0.5〜20質量%、好ましくは0.5〜10質量%の範囲とするのが望ましい。
負極層の厚さ(負極活物質膜厚)は、特に限定するものではなく、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。よって、正極層の厚さ(正極活物質膜厚)は、1〜500μm程度であるが、イオン拡散距離が短い電極構造が望ましいことから、好ましくは5〜100μmの範囲である。
[電解質層]
本発明の電解質層には、(a)高分子ゲル電解質単独、(b)高分子ゲル電解質を含むセパレータ、のいずれも適用し得るものである。
(a)高分子ゲル電解質
上記「正極層」の項にて説明した高分子ゲル電解質、すなわちマトリックス高分子と電解液(電解質支持塩および可塑剤)を用いることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明におけるゲル電解質中の電解液の割合としては、特に制限されるべきものではないが、イオン伝導度などの観点から、数質量%〜98質量%程度とするのが望ましい。
また、本発明では、ゲル電解質に含まれる電解液の量は、ゲル電解質内部で略均一になる。
(b)ゲル電解質を含むセパレータ(不織布セパレータを含む)
セパレータに含浸等させることのできるゲル電解質としては、既に説明した(a)と同様のものを用いることができるため、ここでの説明は省略する。
上記セパレータとしては、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを用いることができるものであり、例えば、上記電解質を吸収保持するポリマーからなる多孔性シート(例えば、ポリオレフィン系微多孔質セパレータなど)などを用いることができる。有機溶媒に対して化学的に安定であるという性質を持つ上記ポリオレフィン系微多孔質セパレータは、電解質(電解液)との反応性を低く抑えることができるという優れた効果を有するものである。
該ポリマーの材質としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、PP/PE/PPの3層構造をした積層体、ポリイミドなどが挙げられる。
上記セパレータの厚みとして、使用用途により異なることから一義的に規定することはできないが、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)などのモータ駆動用電源などの用途においては、単層あるいは多層で4〜60μmであることが望ましい。セパレータの厚さが、かかる範囲にあることでセパレータに微粒が食い込むことによって発生する短絡の防止と、高出力のために電極間を狭くすることが望ましいという理由から、厚さ方向の機械的強度と高出力性の確保という効果がある。
上記セパレータの微細孔の径は、最大で1μm以下(通常、数十nm程度の孔径である)であることが望ましい。セパレータの微細孔の平均径が、上記範囲にあることで熱によ
ってセパレータが溶融して微細孔が閉じる「シャットダウン現象」が速やかに起きるという理由から、異常時信頼性が上がる。すなわち、過充電で電池温度が上昇していったとき(異常時)に、セパレータが溶融して微細孔が閉じる「シャットダウン現象」が速やかに起きることで、電池(電極)の正極(+)から負極(−)側にLiイオンが通れなくなり、それ以上は充電できなくなる。そのため過充電できなくなり、過充電が解消する。
上記セパレータの空孔率は20〜80%であることが望ましい。セパレータの空孔率が、上記範囲にあることで電解質(電解液)の抵抗による出力低下の防止と、微粒がセパレータの空孔(微細孔)を貫くことによる短絡の防止という理由から出力と信頼性の両方を確保するという効果がある。ここでセパレータの空孔率とは、原材料レジンの密度と最終製品のセパレータの密度から体積比として求められる値である。
また、ゲル電解質を保持させる為に用いる不織布セパレータとしては、特に制限されるべきものではなく、繊維を絡めてシート化することにより製造することができる。また、加熱によって繊維同士を融着することにより得られるスパンボンド等も用いることができる。すなわち、繊維を適当な方法でウェブ(薄綿)状またはマット状に配列させ、適当な接着剤あるいは繊維自身の融着力により接合して作ったシート状のものであればよい。上記接着剤としては、製造及び使用時の温度下で十分な耐熱性を有し、ゲル電解質に対しても反応性や溶解性等がなく安定したものであれば、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを利用できる。また、使用繊維としては、特に制限されるものではなく、例えば、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリイミド、アラミドなど従来公知のものを用いることができ、使用目的(電解質層に要求される機械強度など)に応じて、単独または混合して用いる。また、不織布のかさ密度は、含浸させた高分子ゲル電解質により十分な電池特性を得られるものであればよく、特に制限されるべきものではない。すなわち、あまり不織布のかさ密度が大きすぎると、電解質層中の非電解質材料が占める割合が大きくなりすぎ、電解質層におけるイオン伝導度などを損なうおそれがあるためである。
不織布セパレータの空孔率は50〜90%であることが好ましい。空孔率が50%未満では、電解質の保持性が悪化し、90%超では強度が不足する。
さらに、不織布セパレータの厚さは、電解質層と同じであればよく、好ましくは3〜200μmであり、特に好ましくは5〜30μmである。厚さが3μm未満では電解質の保持性が悪化し、200μmを超える場合には抵抗が増大することになる。
なお、上記(1)〜(2)の電解質層は、1つの電池の中で併用してもよい。
また、本発明では、ゲル子電解質のうち、少なくともマトリックス高分子に関しては、電解質層、正極層、負極層のいずれにも含まれるものであるが、同一のマトリックス高分子を使用してもよく、層によって異なるマトリックス高分子を用いてもよい。なお、電解質層、正極層、負極層のいずれにも、マトリックス高分子以外の他のゲル子電解質をも含ませる場合にも、同様である。
電池を構成する電解質層の厚さは、特に限定するものではない。しかしながら、コンパクトなバイポーラ電池を得るためには、電解質としての機能が確保できる範囲で極力薄くすることが好ましい。よって、電解質層の厚さは3〜200μm、好ましくは5〜30μmである。
[シール材(絶縁層)]
本発明では、電極の周囲にシール材(絶縁層)を設けるのが望ましい(図2参照のこと
)。絶縁層は、電解液による液絡、電池内で隣り合う集電体同士が接触したり、積層電極の端部の僅かな不ぞろいなどによる短絡が起こるのを防止する目的で、各電極の周囲に形成されてなるものである。特に、車両駆動用ないし補助用電源として利用するような場合には、電池への振動や衝撃が長期にわたり負荷される。そのため、電池寿命の長期化の観点からは、絶縁層を設置することが、より長期間の信頼性、安全性を確保する上で望ましく、高品質の大容量電源を提供できる点で望ましいためである。
該絶縁層としては、絶縁性、固体電解質の脱落に対するシール性や外部からの水分の透湿に対するシール性(密封性)、電池動作温度下での耐熱性などを有するものであればよく、例えば、エポキシ樹脂、ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミドなどが使用できるが、耐蝕性、耐薬品性、作り易さ(製膜性)、経済性などの観点からは、ポリエチレンおよびポリプロピレンが好ましい。
[正極および負極端子板]
正極および負極端子板は、必要に応じて使用すればよい。すなわち、電池の積層ないし巻回構造によっては、最外部の集電体から正極及び負極タブ(電極端子)を直接または電極リードを介して取り出しても良く、この場合には正極および負極端子板は用いなくとも良い。
正極および負極端子板を用いる場合には、端子としての機能を有するほか、薄型化の観点からは極力薄い方がよいが、積層されてなる電極、電解質および集電体はいずれも機械的強度が弱いため、これらを両側から挟示し支持するだけの強度を持たせることが望ましい。さらに、電極端子板から電極タブまでの内部抵抗を抑える観点から、正極および負極端子板の厚さは、通常0.1〜2mm程度が望ましいといえる。
正極および負極端子板の材質は、通常のバイポーラ型でないリチウムイオン二次電池で用いられる材質を用いることができる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金などを利用することができる。
正極端子板と負極端子板との材質は、同一の材質を用いてもよいし、異なる材質のものを用いてもよい。さらに、これら正極および負極端子板は、材質の異なるものを多層に積層したものであってもよい。これら正極および負極端子板では、電池外装材と近接ないし密着することもあることから、必要があれば、電極タブと同様に、高抵抗層を電極端子板の外表面上の必要とされる部分に適宜に設けても良いことはいうまでもない。
[正極および負極リード]
正極および負極リードは、必要に応じて使用すればよい。正極および負極リードは、既存のバイポーラ型ではない通常のリチウムイオン二次電池で用いられる公知の電極リードを用いることができる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金などを利用することができる。正極リードと負極リードとの材質は、同一の材質を用いてもよいし、異なる材質のものを用いてもよい。さらに、これら正極および負極リードは、材質の異なるものを多層に積層したものであってもよい。また、これら正極および負極リードでも、電池外装材と近接ないし密着することもあることから、必要があれば、電極タブと同様に、高抵抗層を電極リード表面上の必要とされる部分に適宜に設けても良いことはいうまでもない。
[正極および負極タブ]
本発明に用いられる正極および負極タブは、最外層の電極の集電体(ないしこれに接続された電極端子板)に接続された正・負極リードとの間で接続されていてもよし、最外層の電極の集電体に接続された正・負極端子板ないし正・負極リードに接続してよいし、最
外層の電極の集電体の一部を延長して形成しても良いなど、特に制限されるべきものではない。なお、電池外装材から電池外部に取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆しておいてもよい。
また、本発明に用いられるタブは、既存のバイポーラ型ではない通常のリチウムイオン二次電池で用いられる公知の電極タブを用いることができる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金などを利用することができる。正極タブと負極タブとの材質は、同一の材質を用いてもよいし、異なる材質のものを用いてもよい。さらに、これら正極および負極タブは、材質の異なる金属(合金を含む)を多層に積層したものであってもよい。
タブの厚さは、外装材シール部に挟まれている部分の気密性や防水性を高める観点からは薄い方が望ましく、一方、電気抵抗低減の観点からは厚い方が望ましいことから、電池の使用目的に応じて適宜決定すればよい。
また、タブの電池外部への取り出し方としては、正極タブと負極タブとを対向する辺から別々に取り出しても良いし、正極タブと負極タブとを同じ辺から取り出しても良いし、正極タブと負極タブとを隣接する辺から別々に取り出しても良いなど特に制限されるものではないが、これらの電池を複数接続して組電池を形成するには、配線などの関係から正極タブと負極タブとを対向する辺から別々に取り出すのが望ましいといえる。また、タブ金属表面にも、必要に応じて、高抵抗層を設けてもよい。
[電圧検知タブ]
電池内のセル(単電池層)ごとの電圧を検知し、過充電や過放電状態になったセルをバイパスして充放電が行えるような電圧検知タブを各セルに設けておくのが望ましい。この電圧検知タブの一端はセルの集電体に接続し、もう一方の端を電池外部にまで取り出し、これらタブを電圧検知・バイパス制御回路等に接続するのが望ましい。これにより車両電源に求められる高電圧を確保すべく、数多くセル(単電池層)を収納した電池内部の各単電池層の容量バラツキによる電池性能の低下を抑制することができ、電池寿命を高めることができる。特に、バイポーラ電池を車両の動力源として使用する場合には、信頼性と安定性が要求されるため、それぞれのバイポーラ電池及び該電池内の各単電池層(セル)が正常に機能しているか否かを常に監視する必要がある。このため、すべてのバイポーラ電池(通常、複数のバイポーラ電池を接続した組電池を、更に複数接続した複合組電池として車両に搭載されている)及び電池内のセルの電圧を常時監視し、劣化したバイポーラ電池及び電池内のセルが検知できるようにするのが望ましいためである。
また、電極タブである正極タブ及び負極タブと、電圧検知タブとは、電池の異なる辺から取り出すのが配線などの都合上便利であるほか、シール部の気密性確保の観点からも望ましいといえる。
更に、電圧検知タブには、各セルごとの電圧(4.2V程度)しか加わらないため、電極タブのように高抵抗層を形成する必要はない。
該電圧検知タブには、上記電極タブと同様の材料を用いることができる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金などを利用することができる。各電圧検知タブの材質は、同一の材質を用いるのが望ましいが、異なる材質のものを用いてもよい。さらに、電圧検知タブは、材質の異なる金属(合金を含む)を多層に積層したものであってもよい。
[電池外装材]
本発明の一実施形態としては、従来と同様に電池の防水性、シール性を確保し、更に電池の軽量化を図り、使用する際の外部からの衝撃、環境劣化を防止する観点から、電池本体である電池積層体(ないし電池巻回体)全体を収納するための電池外装材として、高分子金属複合フィルムを用いてなるものである。かかる高分子金属複合フィルムとしては、特に制限されるものではなく、従来公知のものを適宜適用することができるものであり、例えば、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、銅などの金属(合金を含む)層の両面をポリプロピレンフィルム等の絶縁体(好ましく耐熱性の絶縁体)の樹脂層(表皮樹脂層、金属層−タブ間樹脂層)で被覆した高分子金属複合フィルムなどを用いることができる。上記絶縁体(好ましく耐熱性の絶縁体)の樹脂層としては、例えば、ポリエチレンテトラフタレートフィルム(耐熱絶縁性フィルム)、ナイロンフィルム(耐熱絶縁性フィルム)、ポリエチレンフィルム(熱融着絶縁性フィルム)、ポリプロピレンフィルム(熱融着絶縁性フィルム)等が挙げられ、これらを目的に応じて、表皮樹脂層側と金属層−タブ間樹脂層側とに適用すればよい。これら金属層、表皮樹脂層及び金属層−タブ間樹脂層は、それぞれ材質の異なるものを多層に積層したものであってもよい。また、上下2枚の高分子金属複合フィルムを熱融着させて用いる場合、これら2枚の高分子金属複合フィルム内の各層の材質は、同一の材質を用いてもよいし、異なる材質のものを用いてもよい。
本発明では、高分子金属複合フィルムを用いて、その周辺部の一部または全部を熱融着にて接合することによりシール部を形成し、電池積層体を収納し密封した構成とすればよい。この場合、上記正極および負極タブが、上記シール部(熱融着部)に挟まれ、絶縁を確保した状態で、正極および負極タブの先端の取り出し部分が上記電池外装材の外部に露出した構造となる。
以上が、一枚の集電体の片側の面上に正極層を設け、他方の側の面上に負極層を設けたバイポーラ電極を、ゲル電解質層を介して複数積層した構造であるバイポーラ電池において、正極層、負極層、電解質層のすべての層にゲル電解質のマトリックス高分子を含むことを特徴とする、本発明のゲル電解質バイポーラ電池につき、各構成要件ごとに説明したものである。
さらに、本発明のゲル電解質バイポーラ電池では、一つのセル(単電池層)の正負極層内の電解質(特に該電解質のマトリックス高分子)およびゲル電解質層の電解質(特に該電解質のマトリックス高分子)が連続相であることが望ましい。かかる構成とすることで、電極層(正負極層)と(セパレータの)電解質層を連続相とすることにより、電極/電解質膜界面の抵抗が出にくく安定になる。また、高レートでの充放電時には、電極内部で反応に関与するイオンの欠乏が起こり、これを緩和するために通常の電解液中でのイオンの泳動による供給の他にイオンの拡散が起こる。従来のように電極層とセパレータの電解質層の間の貼り付け等による構造上のギャップをなくして連続相にすることにより、この界面を通してのイオンの泳動と拡散がスムーズになることにより高レート特性に有利になる。その結果、貼り合わせん面でのイオン伝導抵抗を小さくでき、イオンの拡散もスムーズにできるので高レート特性がより一層改善される。
「正負極層内の電解質およびゲル電解質層の電解質が連続相である」とは、具体的には別々に作製してあとから張り合わせたものではないことをいい、例えば、後述する実施例などに記載したように、電極層中のマトリックス高分子とゲル電解質層中のマトリックス高分子とが一体化するように形成されたものなどが、正負極層内の電解質およびゲル電解質層の電解質が連続相であることの一つの実施形態といえるが、これらに制限されるものではない。なお、連続相であることは、電解質膜と電極層の剥離試験などにより確認することができる。
さらに、本発明のゲル電解質バイポーラ電池では、ゲル電解質層が内部に通気性多孔質薄膜を含むことが望ましい。該通気性多孔質薄膜を含むことにより、バイポーラ電池の電解質層のイオン伝導性をあまり犠牲せずに電解質層の強度を補強して短絡を防止することができるためである。その結果、電池の高レート特性の改善にも大いに寄与することができるものである。
上記通気性多孔質薄膜としては、特に制限されるべきものではなく、例えば、上記した「電解質層」の「(b)ゲル電解質を含むセパレータ」で説明した各種セパレータを用いることができるものである。具体的には、ポリオレフィン系微多孔質セパレータ等の多孔性シートおよび不織布セパレータのいずれであってもよい。好ましくはイオン電導性の観点から、薄い不織布セパレータが好ましい。
また、本発明のゲル電解質バイポーラ電池では、正極層と負極層のうち少なくとも片方の電極のバインダが、ミクロ相分離構造をしていることが望ましい。これにより、電解液の活物質表面への到達性がよくなり、反応しやすくなる。その結果、電池の高レート特性が大幅に改善される。したがって、電極層の構成成分には、バインダが含まれていることが望ましく、更に正極層と負極層のうち少なくとも片方のバインダが、ミクロ相分離構造をしていることが望ましく、より好ましくは正極層及び負極層の両方のバインダが、ミクロ相分離構造をしているものである。
なお、「バインダがミクロ相分離構造をしている」とは、バインダ成分のみでミクロ相分離構造を形成することを言うものではなく、該バインダ成分がミクロ相分離構造を形成する多成分の1つに用いられているという意味内容であることは、ミクロ相分離構造が性質の異なる2成分系(ないし3成分系以上)からなる構造であることからも容易に理解されるものである。
また、上記ミクロ相分離構造のバインダが、ポリフッ化ビニリデンあるいは主にフッ化ビニリデンを含む共重合体と、ゲル電解質のマトリックス高分子とを有することが望ましい。バインダをこの組成にすることにより、バインダがミクロ相分離構造となり、それぞれの高分子相が3次元網目状になり、電解液が活物質表面に到達しやすくなるとともに、活物質近傍にゲル電解質マトリックス高分子を配置することになり、結果として電解液を保持しやすくなり、高速充放電時にもイオンの欠乏がおこりにくくなる(図4および5参照のこと)。その結果、さらに電池の高レート特性効果が増強される。特に既存のバインダ成分のうちポリフッ化ビニリデンあるいは主にフッ化ビニリデンを含む共重合体とゲル電解質のマトリックス高分子との間でミクロ相分離構造を形成させることで、これら2種類の高分子が微視的には相分離状態にあるが(図4および5を比較参照のこと)、それぞれが3次元網目状の2相が互いにサブミクロンオーダー程度で絡み合い全体を構成している物質(バインダ)の作製が可能となり、両高分子の特性を有する物質が得られる。すなわち、電解液保持性能と活物質粒子間の結合強度(機械的強度)を同時に達成することができる。
上記ゲル電解質のマトリックス高分子は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、上記バインダには、ポリフッ化ビニリデンあるいは主にフッ化ビニリデンを含む共重合体とゲル電解質のマトリックス高分子以外にも、両方の高分子の特性を有効に発現でき、ミクロ相分離構造を形成しえる範囲内であればよい。
また、ポリフッ化ビニリデンあるいは主にフッ化ビニリデンを含む共重合体とゲル電解質のマトリックス高分子との配合比率(質量比)は、両方の高分子の特性を有効に発現で
き、ミクロ相分離構造を形成しえる範囲内であれば特に制限されるものではなく、93:3〜25:75の範囲である。
なお、電極のバインダが、ミクロ相分離構造をしていることは、後述する実施例のサンプル膜のSEM観察により確認することができる(図4および5を比較参照のこと)。
なお、本発明のゲル電解質バイポーラ電池の構造・形態は、特に制限されるべきものではなく、上述した図3に示す積層型(扁平型)のほか、巻回型(円筒型)など従来公知のいずれの構造にも適用し得るものである。本発明では、扁平型(積層型)の電池構造にすることが好ましい。巻回型(円筒型)の電池構造とする場合には、正極および負極タブ(端子)を取り出す個所のシール性を高めることが困難な場合があり、電気自動車やハイブリッド電気自動車に搭載する高エネルギー密度、高出力密度の電池では、端子取り出し部位のシール性の長期の信頼性を確保できないおそれがあるが、扁平型の構造を採用することで簡単な熱圧着などのシール技術により長期信頼性を確保でき、コスト面や作業性の点で有利なためである。
次に、本発明のバイポーラ電池の用途としては、例えば、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)や燃料電池自動車やハイブリッド燃料電池自動車などの大容量電源として、高エネルギー密度、高出力密度が求められる車両駆動用電源や補助電源に好適に利用することができる。この場合には、本発明のバイポーラ電池を複数個接続して構成した組電池とすることが望ましい。すなわち、本発明のバイポーラ電池を少なくとも2個以上を用いて、並列接続、直列接続、並列−直列接続および直列−並列接続の少なくとも一つの接続方式を用いて構成した組電池、さらには複合組電池とすることにより、高容量、高出力の電源を形成することが出来る。そのため、使用目的ごとの電池容量や出力に対する要求に、比較的安価に対応することが可能になる。これらに関しては、後述する。
次に、本発明のバイポーラ電池の製造方法としては、上述した電極構造となるように、従来公知の各種の方法を適宜利用することができるものであり、特に制限されるべきものではないが、好ましくは、一枚の集電体の片側の面上に正極層(この段階では、ゲル電解質のマトリックス高分子が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい)を設け、他方の側の面上に負極層(この段階では、まだゲル電解質のマトリックス高分子が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい)を設けたバイポーラ電極を、ゲル電解質層に組み込む通気性多孔質薄膜を介して必要セル数だけ積層する工程(1)と、集電体間の絶縁をかねるシールを一部を除いて施す工程(2)と、おのおのセル内に電解液とゲル電解質のマトリックス高分子原料と熱重合開始剤を含む溶液を各セルに注入する工程(3)と、残りのシール部分を真空シールした後に、マトリックス高分子原料を熱架橋してゲル化する工程(4)を含むことを特徴とするゲル電解質バイポーラ電池の製造方法である。かかる製法により、バイポーラ電池の一つのセル内の正極層、電解質層、負極層のすべての層にゲル電解質のマトリックス高分子を含み、これらの層の電解質が連続したゲル電解質を有するバイポーラ電池を製造することができる。すなわち、正極層、電解質層、負極層にゲル電解質のマトリックス高分子を含ませて、なおかつこれらの層中でのゲル電解質を連続相として層界面での継ぎ目のない構造とすることにより、電池内部でのイオンの輸送がスムーズになり、高レート特性が大幅に改善される。
上記ゲル電解質バイポーラ電池の製造方法において、バイポーラ電極上の正極層、負極層の少なくとも片方の電極層を、電極活物質、ポリフッ化ビニリデンあるいは主にフッ化ビニリデンを含む共重合体と、架橋性のゲル電解質のマトリックス高分子原料を有する電極用スラリーを集電体上に塗布後乾燥することにより製造することがより好ましい。かかる製法により、バインダがミクロ相分離構造をした電極を製造することができる。これに
より、得られる電池の高レート特性がさらに改善される。
以下に、上記に説明した好適な製造方法を上記(1)〜(4)の工程を中心に説明する。
(1)バイポーラ電極を、ゲル電解質層に組み込む通気性多孔質薄膜を介して必要セル数だけ積層する工程
(1−i)正極用組成物の塗布
まず、適当な集電体を準備する。正極用組成物は通常はスラリー(正極用スラリー)として得られ、集電体の一方の面に塗布される。
正極用スラリーは、正極活物質、ポリフッ化ビニリデンあるいは主にフッ化ビニリデンを含む共重合体(バインダ)、架橋性のゲル電解質のマトリックス高分子原料を含む溶液である。他成分として、導電助材、重合開始剤、電解質支持塩(リチウム塩)、その他添加剤およびスラリー粘度調整溶媒などが任意で含まれる。すなわち、正極用スラリーは、バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池と同様に、正極活物質、ポリフッ化ビニリデンあるいは主にフッ化ビニリデンを含む共重合体(バインダ)、架橋性のゲル電解質のマトリックス高分子原料のほか、導電助材、電解質支持塩(リチウム塩)、スラリー粘度調整溶媒、重合開始剤等を任意で含む材料を所定の比率で混合して作製することができる。ただし、バインダがミクロ相分離構造をした電極を用いない場合、正極用スラリーには正極活物質を必須成分とし、他成分は任意で含まれていればよいといえる。
架橋性のゲル電解質のマトリックス高分子原料としては、PEO、PPO、これらの共重合体などが挙げられ、分子内に架橋性の官能基(炭素−炭素二重結合など)を有することが好ましい。この架橋性の官能基を用いて高分子電解質を架橋することによって、機械的強度が向上する。
正極活物質、導電助材、バインダ、リチウム塩、添加剤等に関しては、本発明のバイポーラ電池の構成要件の説明にて前述した化合物を用いることができるため、ここでの説明は省略する。
熱重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、t−ヘキシルパーオキシピパレートなどが挙げられるが、これらに制限されるものではない。なお、連続相を形成されることなく従来の製造方法を利用する場合には、重合させる化合物に応じて重合開始剤を適宜選択すればよく、光重合するような場合には、例えば、光重合開始剤として、ベンジルジメチルケタールなどが利用可能である。
NMPなどのスラリー粘度調整溶媒は、正極用スラリーの種類に応じて選択する。
正極活物質、ポリフッ化ビニリデンあるいは主にフッ化ビニリデンを含む共重合体(バインダ)、架橋性のゲル電解質のマトリックス高分子原料、リチウム塩、導電助材の添加量は、バイポーラ電池の目的等に応じて調節すればよい。このうち、ポリフッ化ビニリデンあるいは主にフッ化ビニリデンを含む共重合体(バインダ)、架橋性のゲル電解質のマトリックス高分子原料の配合量(配合比率)は、本発明のバイポーラ電池の構成要件の説明において規定した範囲であって、使用目的に応じた配合量(配合比率)となるようにすればよい。また、正極活物質、リチウム塩、導電助材などは通常用いられる量を添加すればよい。重合開始剤の添加量は、マトリックス高分子原料に含まれる架橋性官能基の数に応じて決定される。好ましくは、マトリックス高分子原料に対して0.01〜1質量%程度である。
(1−ii)正極層の形成
上記正極用スラリーが塗布された集電体を乾燥して、含まれる溶媒を除去する。それと同時に、正極用スラリーによっては、架橋反応を進行させて、高分子原料の機械的強度を高めてもよい。乾燥は真空乾燥機などを用いることができる。乾燥の条件は塗布された正極用スラリーに応じて決定され、一義的に規定できないが、通常は40〜150℃で5分〜20時間である。これによりバインダがミクロ相分離構造をした正極層を形成することができる。
(1−iii)負極用組成物の塗布
正極層が形成された面と反対側の面に、負極活物質を含む負極用組成物(負極用スラリー)を塗布する。
上記負極用スラリーは、負極活物質、ポリフッ化ビニリデンあるいは主にフッ化ビニリデンを含む共重合体(バインダ)、架橋性のゲル電解質のマトリックス高分子原料を含む溶液である。他成分として、重合開始剤、電解質支持塩(リチウム塩)およびスラリー粘度調整溶媒、更には導電助材などが任意で含まれる。使用される原料や添加量については、「(1−i)正極用組成物の塗布」の項での説明と同様であるため、ここでは説明を省略する。
(1−iv)負極層の形成
負極用スラリーが塗布された集電体を乾燥して、含まれる溶媒を除去する。それと同時に、負極用スラリーによっては、架橋反応を進行させて、高分子ゲル電解質の機械的強度を高めてもよい。この作業により、バイポーラ電極が完成する。乾燥は真空乾燥機などを用いることができる。乾燥の条件は塗布された負極用スラリーに応じて決定され、一義的に規定できないが、通常は40〜150℃で5分〜20時間である。かかる乾燥処理により、集電体上に負極層を形成する。これによりバインダがミクロ相分離構造をした負極層を形成することができる。
(1−v)バイポーラ電極とゲル電解質層に組み込む通気性多孔質薄膜との積層
上記により得られたバイポーラ電極およびゲル電解質層に組み込む通気性多孔質薄膜を高真空下で十分加熱乾燥してから、該バイポーラ電極とゲル電解質層に組み込む通気性多孔質薄膜をそれぞれを適当なサイズに複数個切りだす。切りだされたバイポーラ電極(最外層は片面にのみ電極層を有する電極を使用する)を、ゲル電解質層に組み込む通気性多孔質薄膜を介して必要セル数だけ積層して、電極積層体(ゲル電解質未注入品)を作製する。
上記電極積層体(ゲル電解質未注入品)のバイポーラ電極の積層数(セル数)は、バイポーラ電池に求める電池特性を考慮して決定される。また、正極側の最外層には、集電体上に正極層のみを形成した電極を配置する。負極側の最外層には、集電体上に負極層のみを形成した電極を配置する。バイポーラ電極とゲル電解質層に組み込む通気性多孔質薄膜とを積層させてバイポーラ電池を得るまでの段階は、電池内部に水分等が混入するのを防止する観点から、不活性雰囲気下で行うことが好ましい。例えば、アルゴン雰囲気下や窒素雰囲気下でバイポーラ電池を作製するとよい。
(2)集電体間の絶縁をかねるシール(絶縁層)を施す工程
上記(1)工程により得られた電極積層体(ゲル電解質未注入品)の電極周囲、すなわち集電体間の絶縁をかねるシール(絶縁層)を施すべく、熱融着性のシールフィルムをヒートシーラーで熱融着してもよい。
(3)各々のセル内に電解液とゲル電解質のマトリックス高分子原料と熱重合開始剤を
含む溶液(ゲル原料溶液ともいう)を各セルに注入する工程
上記(2)工程により形成された絶縁部の未シール部から、各々のセル内に電解液とゲル電解質のマトリックス高分子原料と熱重合開始剤を含むゲル原料溶液を各セルに注入する。注入方法としては、特に制限されるべきものではなく、従来公知の真空注液法などを用いて効率よく注入することができるが、これらに何ら制限されるべきものではない。
また、電解液、すなわち電解質支持塩(リチウム塩)および可塑剤については、本発明のバイポーラ電池の構成要件の説明にて前述した化合物を用いることができるため、ここでの説明は省略する。また、ゲル電解質のマトリックス高分子原料および熱重合開始剤についても、「(1−i)正極用組成物の塗布」の項での説明と同様であるため、ここでは説明を省略する。なお、ここで使用するマトリックス高分子原料および熱重合開始剤には、上記正極用組成物や負極用組成物で使用したマトリックス高分子原料および熱重合開始剤と同じものを用いてもよいし、異なるものを用いてもよい。これらの配合量に関しても本発明のバイポーラ電池の構成要件の説明したように、電池の使用目的に応じて適宜決定すればよい。
(4)残りのシール部分を真空シールした後に、マトリックス高分子原料を熱架橋してゲル化する工程
上記(3)工程によりゲル原料溶液を各セルに注入した後、残りのシール部分を真空シールする。これにより、電極の全周囲、すなわち集電体間の絶縁をかねるシール(絶縁層)を完成させる(図2参照のこと)。
次に、上記ゲル原料溶液が注入された電極積層体(ゲル電解質未硬化品)を加熱して、各セル中の溶液を硬化させる。詳しくは上記ゲル原料溶液中のマトリックス高分子原料を熱架橋してゲル原料溶液をゲル化する。これにより、一つのセル内の正極層、ゲル電解質層、負極層にゲル電解質マトリックス高分子を含ませて、なおかつこれらの層が連続したゲル電解質を有する構造、すなわちこれらの層中でのゲル電解質を連続相として層界面での継ぎ目のない構造とすることができる。また、ゲル電解質層が完成され、通気性多孔質薄膜が組み込まれた状態のゲル電解質層を形成することができる。
上記ゲル原料溶液の加熱(マトリックス高分子原料の熱硬化)には、乾燥機(オーブン)などを用いることができる。加熱の条件は上記溶液の組成に応じて決定され、一義的に規定できないが、通常は30〜110℃で0.5〜12時間である。なお電解質層の幅は、バイポーラ電極の集電体サイズよりも若干小さくすることが多い。上記ゲル原料溶液の組成成分やその配合量などについては、使用目的に応じて適宜決定されるべきものである。
(5)電池最終組立工程
(5−i)端子板、電極リード及びタブ(端子)の接続
上記(4)工程により得られたバイポーラ電池本体(電池積層体)の両最外層の集電体上にそれぞれ、正極端子板、負極端子板を設置して接続し、該正極端子板、負極端子板に正極リード、負極リードに接合(電気的に接続)し、さらに正極リード、負極リードに正極タブ、負極タブを接合(電気的に接続)する。これら端子板、リードおよびタブの接合方法としては、接合温度の低い超音波溶接等が好適に利用し得るものであるが、これに限定されるべきものではなく、従来公知の接合方法を適宜利用することができる。また、本発明では、単電池層の電圧を検知し、過充電や過放電状態になれば、バイパスすることができるような電圧検知タブを各集電体に接続し、これらを電池外部にまで取り出し、これらタブを電圧検知・バイパス制御回路に接続するのが望ましい。これにより電池内部の各単電池層の容量バラツキによる電池性能の低下を抑制することができ、電池寿命を高めることができる。
(5−ii)パッキング(電池の完成)
最後に、電池積層体全体を、外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、電池外装材で封止し、バイポーラ電池を完成させる。封止の際には、正極タブ、負極タブ、更には電圧検知タブの一端を電池外部に取り出す。
次に、本発明では、上記ゲル電解質バイポーラ電池を複数個、並列接続または直列接続または並列−直列接続または直列−並列接続の少なくとも一つを用いて組電池とすることができる。これにより、種々の車両用ごとの容量・電圧の要望を基本のバイポーラ電池の組み合わせで対応が可能になる。その結果、必要エネルギー、出力の設計選択性を容易にすることが可能になる。そのため種々の車両用ごとに異なるバイポーラ電池を設計、生産する必要がなく、基本となるバイポーラ電池の大量生産が可能となり、量産化によるコスト削減が可能となる。以下に、当該組電池の代表的な実施形態につき、図面を用いて簡単に説明する。
図6に本発明のバイポーラ電池(24V、50mAh)を2直20並に接続した組電池(42V1Ah)の模式図を示す。並列部分のタブは銅のバスバー56、58で接続し、直列部分は正極、負極タブ11、13同士を振動溶着して接続した。直列部分の端部を端子42、44に接続して、正負の端子を構成している。電池の両側には、バイポーラ電池21の各層の電圧を検知する検知タブ12を取り出し、それらの検知線53を組電池50の前部に取り出している。詳しくは、図6に示す組電池50を形成するには、バイポーラ電池21を5枚並列にバスバー56で接続し、5枚並列にしたバイポーラ電池21をさらに電極タブ11、13同士を接続して2枚直列にし、これらを4層積層して並列にバスバー58で接続して金属製の組電池ケース55に収納する。このように、バイポーラ電池21を任意の個数直並列に接続することによって、所望の電流、電圧、容量に対応できる組電池50を提供することができる。該組電池50には、正極端子42、負極端子44が金属製の組電池ケース55の側面前部に形成されており、電池を直並列に接続後、例えば、各バスバー56と各正極端子42、負極端子44とが端子リード59で接続されている。また、該組電池50には、電池電圧(各単電池層、更にはバイポーラ電池の端子間電圧)を監視するために検知タブ端子54が金属製の組電池ケース55の正極端子42及び負極端子44が設けられている側面前部に設置されている。そして、各バイポーラ電池21の電圧検知タブ12が全て検知線53を介して検知タブ端子54に接続されている。また、組電池ケース55の底部には、外部弾性体52が取り付けられており、組電池50を複数積層して複合組電池を形成するような場合に、組電池50間距離を保ち、防振性、耐衝撃性、絶縁性、放熱性などを向上することができる。
また、この組電池50には、使用用途に応じて、上記検知タブ端子54以外にも各種計測機器や制御機器類を設けてもよい。さらにバイポーラ電池1の電極タブ(11、13)同士や検知タブ12と検知線53とを連結するためには、超音波溶接、熱溶接、レーザ溶接または電子ビーム溶接により、または、リベットのようなバスバー56、58を用いて、またはカシメの手法を用いて、連結するようにしてもよい。さらにバスバー56、58と端子リード59等とを連結するためにも、超音波溶接、熱溶接、レーザ溶接または電子ビーム溶接を用いてもよいなど、特に制限されるものではない。
上記外部弾性体52にも、本発明の電池で用いた樹脂群と同様の材料を用いることができるが、これらに制限されるものではない。
また、本発明の組電池では、本発明のゲル電解質バイポーラ電池と、該バイポーラ電池と正負極電極材料を同一とし該バイポーラ電池の構成単位数を直列することにより電圧を同一にした電池(好ましくはバイポーラ型でないリチウムイオン二次電池、以下、一般リ
チウムイオン二次電池ともいう)と、を並列に接続したものであってもよい。すなわち、組電池を形成する電池は、本発明のゲル電解質バイポーラ電池とバイポーラ型ではないリチウムイオン二次電池等とを混在させても良い。これにより、出力重視のゲル電解質バイポーラ電池と、エネルギー重視の一般リチウムイオン二次電池の組み合わせでお互いの弱点を補う組電池ができ、組電池の重量・サイズを小さくすることができる。それぞれのゲル電解質バイポーラ電池とバイポーラ型でないリチウムイオン二次電池をどの程度の割合で混在させるかは、組電池として要求される安全性能、出力性能に応じて決める。
また、図7に、本発明のゲル電解質バイポーラ電池A(42V、50mAh)と一般リチウムイオン二次電池B(4.2V、1Ah)10直(42V)を並列に連結した組電池を示す。一般リチウムイオン二次電池Bとゲル電解質バイポーラ電池Aは電圧が等しくなり、その部分で並列接続を形成している。この組電池50’は、出力の分担を本発明のゲル電解質バイポーラ電池Aが有し、エネルギーの分担を一般リチウムイオン二次電池Bが有する構造である。これは、出力とエネルギーを両立することが困難な組電池において、非常に有効な手段である。この組電池50’でも、並列部分及び図の横方向に隣り合う一般リチウムイオン二次電池B間を直列接続する部分のタブは銅のバスバー56で接続し、図の縦方向に隣り合う一般電池B間を直列接続する部分はタブ11、13同士を振動溶着して接続した。一般リチウムイオン二次電池Bとゲル電解質バイポーラ電池Aを並列接続している部分の端部を端子42、44に接続して、正負の端子を構成している。バイポーラ電池Aの両側には、バイポーラ電池Aの各層の電圧を検知する検知タブ12を取り出し、それらの検知線(図示せず)を組電池50の前部に取り出している以外は、図6の組電池50と同様であるので、同じ部材には同じ符号を付した。詳しくは、図7に示す組電池50’を形成するには、一般リチウムイオン二次電池B10枚を端から順番にバスバー56および振動溶着して直列に接続した。さらに、バイポーラ電池Aと直列接続された両端の一般リチウムイオン二次電池Bとをそれぞれバスバー56で並列に接続して金属製の組電池ケース55に収納する。このように、ゲル電解質バイポーラ電池Aを任意の個数直並列に接続することによって、所望の電流、電圧、容量に対応できる組電池50’を提供することができる。該組電池50’にも、正極端子42、負極端子44が金属製の組電池ケース55の側面前部に形成されており、電池A、Bを直並列に接続後、例えば、各バスバー56と各正極端子42、負極端子44とが端子リード59で接続されている。また、該組電池50’には、電池電圧(バイポーラ電池Aの各単電池層、更にはバイポーラ電池A及び一般リチウムイオン二次電池Bの端子間電圧)を監視するために検知タブ端子54が金属製の組電池ケース55の正極端子42及び負極端子44が設けられている側面前部に設置されている。そして、各バイポーラ電池A(更には一般リチウムイオン二次電池B)の検知タブ12が全て検知線(図示せず)を介して検知タブ端子54に接続されている。また、組電池ケース55の低部には、外部弾性体52が取り付けられており、組電池50’を複数積層して複合組電池を形成するような場合に、組電池50’間距離を保ち、防振性、耐衝撃性、絶縁性、放熱性などを向上することができる。
また本発明の組電池では、更に本発明のゲル電解質バイポーラ電池を直並列接続して第1組電池ユニットを形成するとともに、この第1組電池ユニットの端子間電圧と電圧を同一にするバイポーラ電池以外の二次電池が直並列接続されてなる第2組電池ユニットを形成し、この第1組電池ユニットと第2組電池ユニットを並列接続することによって組電池としても良いなど、特に制限されるものではない。
なお、組電池の他の構成要件に関しては、何ら制限されるべきものではなく、既存のバイポーラ型でないリチウムイオン二次電池を用いた組電池の構成要件と同様のものが適宜適用することができるものであり、従来公知の組電池用の構成部材および製造技術が利用できるため、ここでの説明は省略する。
次に、上記の組電池を、組電池を少なくとも2以上直列、並列、または直列と並列の複合接続した複合組電池とすることで、使用目的ごとの電池容量や出力に対する要求に、新たに組電池を作製することなく、比較的安価に対応することが可能になる。すなわち、本発明の複合組電池は、組電池(本発明のゲル電解質バイポーラ電池だけで構成したものの他、本発明のゲル電解質バイポーラ電池と他のバイポーラ型でない電池とで構成したものを含む)を少なくとも2以上直列、並列、または直列と並列の複合接続したことを特徴とするものであり、基準の組電池を製造し、それを組み合わせて複合組電池とすることで、組電池の仕様をチューニングできる。これにより、仕様の異なる沢山の組電池種を製造しなくてよいため、複合組電池コストを減少することができる。
複合組電池としては、例えば、図6に記載のバイポーラ電池を用いた組電池(42V、1Ah)6並に接続した複合組電池(42V、6Ah)の模式図が図8である。複合組電池を構成する各組電池は連結版と固定ねじにより一体化し、組電池の間に弾性体を設置して防振構造を形成している。また、組電池のタブは板状のバスバーで連結している。すなわち、図8に示したように、上記の組電池50を6組並列に接続して複合組電池60とするには、各組電池ケース55の蓋体に設けられた組電池50のタブ(正極端子42および負極端子44)を、板状のバスバーである外部正極端子部、外部負極端子部を有する組電池正極端子連結板62、組電池負極端子連結板64を用いてそれぞれ電気的に接続する。また、各組電池ケース55の両側面に設けられた各ネジ孔部(図示せず)に、該固定ネジ孔部に対応する開口部を有する連結板66を固定ネジ67で固定し、各組電池50同士を連結する。また、各組電池50の極端子42および負極端子44は、それぞれ正極および負極絶縁カバーにより保護され、適当な色、例えば、赤色と青色に色分けすることで識別されている。また、組電池50の間、詳しくは組電池ケース55の底部に外部弾性体52を設置して防振構造を形成している。
このように、組電池を複数直並列接続されてなる複合組電池は、一部の電池、組電池が故障しても、その故障部分を交換するだけで修理が可能である。
また、本発明の車両は、本発明のゲル電解質バイポーラ電池、好ましくは該バイポーラ電池を複数接続してなる上記組電池および/または上記複合組電池を搭載することを特徴とするものである。これにより、HEV等の高レート特性が必要な車両に適用できる。その結果、高レートでの充放電特性に優れた車両用電池を構成できる。さらに軽く小さい電池にすることでスペース要望の大きな車両要望に合致できる。電池のスペースを小さくすることで、車両の軽量化も達成できる。
図9に示したように、複合組電池60を、車両(例えば、電気自動車等)に搭載するには、電気自動車70の車体中央部の座席(シート)下に搭載する。座席下に搭載すれば、車内空間およびトランクルームを広く取ることができるからである。なお、電池を搭載する場所は、座席下に限らず、車両の床下、シートバック裏、後部トランクルームの下部でも良いし、車両前方のエンジンルームでも良い。
なお、本発明では、複合組電池60だけではなく、使用用途によっては、組電池50を車両に搭載するようにしてもよいし、これら複合組電池と組電池を組み合わせて搭載するようにしてもよい。また、本発明の複合組電池または組電池を駆動用電源や補助電源として搭載することのできる車両としては、上記の電気自動車、燃料電池自動車やこれらのハイブリッドカーが好ましいが、これらに制限されるものではない。また、本発明の組電池および/または複合組電池を、例えば、駆動用電源や補助電源等として搭載することのできる車両としては、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、燃料電池自動車、ハイブリッド燃料電池自動車等が好ましいが、これらに制限されるものではない。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
架橋性ゲル電解質マトリックス高分子原料としては、文献の方法に従って合成したポリエーテル形のネットワーク高分子原料を用い(J. Electrochem. Soc., 145 (1998) 1521.)、リチウム塩としては、LiN(SO(以後これをBETIと略する)を用いた。なお、ここで用いたバインダ高分子のPVDFは、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体であった。
(1)バイポーラ電極の作製及び該電極を通気性多孔質薄膜を介して積層する工程
バイポーラ電極の作製は次のように行った。まず、集電体として、ステンレス箔(SUS316L、20μm厚さ)を用い、シール部分を残して片側に負極層を形成し、反対側の負極に対応する部分にいくらか小さめの正極層を形成した。正極部分の面積は5cm×5cmであった。
(a)上記負極層の作製
上記負極層の作製は、平均粒子径8μmのハードカーボンを用いて、次のように行った。まず、バインダ(PVDFと前記架橋性ゲル電解質マトリックス高分子原料)の総量を、負極固形物の総量の12質量%に調整して負極用スラリーを作製した。PVDFと前記架橋性ゲル電解質マトリックス高分子原料の総量中の架橋性ゲル電解質マトリックス高分子原料の量を12.5質量%とした。
上記負極用スラリーの具体的な調製法としては、所定量の前記の架橋性ゲル電解質マトリックス高分子原料にNMP(N−メチルー2−ピロリドン)を加えて、これにPVDFのバインダ溶液を加えて、よく撹拌して、この溶液に所定量の前記のハードカーボンを加えて、ホモジナイザーで30分間よく撹拌混合した。
調製した負極用スラリーをコーターにて、ステンレス箔(SUS316L、20μm厚さ)に塗布して、80℃程度で乾燥し、負極層を作製した。負極層の乾燥膜厚は25μmであった。
(b)正極層の作製
次に、このステンレス集電体の反対側の面上に正極層を次のようにして形成した。平均粒子径10μmのLiMn、アセチレンブラック、PVDF、前記架橋性ゲル電解質マトリックス高分子原料を質量比で、85:5:8.75:1.25の組成で加えて正極スラリーを負極と同様にして調製して、先のステンレス電極の反対側にコーターで塗布して80℃で乾燥して正極層を作製した。正極層の乾燥膜厚は30μmであった。
以上のようにして正極層及び負極層を作製した集電体をバイポーラ電極の大きさに切り出して、集電体のシール部分に熱融着性のシールフィルムをヒートシーラーで熱融着した。
(c)バイポーラ電極と通気性多孔質薄膜の積層
以上のようにして作製したバイポーラ電極を、厚さ100μmのポリプロピレンの不織布を挟んで、正極層と負極層が向かい合うようにして5セル分積層してバイポーラ電池の電極積層体(ゲル電解質未注入品)を作った。
(2)集電体間の絶縁をかねるシールを一部を除いて施す工程
ゲル原料溶液の注入のための部分を残して集電体に熱融着したシールフィルムの周辺部を、集電体間の絶縁をかねてヒートシールした。バイポーラ電池の電極積層体(ゲル電解質未注入品)の両端の電極はそれぞれ正極層のみ、負極層のみを形成した。このバイポーラ電池の電極構造体(ゲル電解質未注入品)を高真空下90℃で1日乾燥した。
(3)各々のセル内にゲル原料溶液を注入する工程及び
ゲル原料溶液の調整は次のように行った。電解液としては、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートの体積比1:1の混合溶媒に1.0MのBETIを溶解したものを用いた。これに前記の架橋性ゲル電解質マトリックス高分子原料を質量比で7%加えて、さらに熱重合開始剤としてt−ヘキシルパーオキシピバレートを5000ppm添加して、よく撹拌して均一溶液とした。これをゲル原料溶液として用いた。
このゲル原料溶液を先に製造したバイポーラ電池の電極構造体(ゲル電解質未注入品)の各セルに注入した。
(4)残りのシール部分を真空シールした後に、マトリックス高分子原料を熱架橋してゲル化する工程
上記(3)工程にてゲル原料溶液を各セルに注入した後、減圧下にて各セルのシールの残りの部分をシールして、50℃のオーブンにて3時間加熱してゲル原料溶液を熱架橋することによりゲル電解質バイポーラ電池(電極構造体)を製造した。
実施例2
実施例1において、正極層の固形成分の組成比を、LiMn、アセチレンブラック、PVDF、前記架橋性ゲル電解質マトリックス高分子原料を質量比で、85:5:7.5:2.5の組成にした以外は実施例1と同様にして5セル積層のゲル電解質バイポーラ電池を構成した。
実施例3
実施例1において、負極の固形成分の組成として、PVDFと前記架橋性ゲル電解質マトリックス高分子原料の総量中の架橋性ゲル電解質マトリックス高分子原料の量を25質量%とした以外は実施例1と同様にして、5セル積層のゲル電解質バイポーラ電池を構成した。
実施例4
実施例1において、実施例2の条件の正極層と、実施例3の負極層の条件のバイポーラ電極を作製して、実施例1と同様にして、5セル積層のゲル電解質バイポーラ電池を構成した。
比較例1
実施例1において、正極内および負極内に架橋性ゲル電解質マトリックス高分子原料を含まない以外は実施例1と同様なバイポーラ電極を構成した。また、実施例1のゲル原料溶液の熱重合開始剤を光重合開始剤のベンジルジメチルケタール(1000ppm)に置き換えたゲル原料溶液を調製して、実施例1で用いたポリプロピレンの不織布に染み込ませて、ガラス基板で挟んで紫外線を20分間照射して架橋膜(ゲル電解質膜)とした。このゲル電解質膜を挟んでバイポーラ電極を積層して、5セルのゲル電解質バイポーラ電池を構成した。
(電池の性能評価)
実施例1〜4および比較例1のゲル電解質バイポーラ電池の充放電を下記条件にて行い電池性能を評価した。
充放電は室温で行い、充電は正極基準で0.1Cの定電流−定電圧モードにて21Vまで合計12時間行い、放電レートをそれぞれ0.1Cと5Cとしてカットオフ電圧12Vまで定電流放電を行って評価した。得られた結果を図10に示す。図10では、0.1Cでの放電容量を1として換算した放電曲線を示した。また、図10ではその電池の最大放電容量と考えられる0.1Cでの放電容量が1になるように規格化して、5Cでの放電極線を示した。図からわかるように、ゲル電解質膜を挟んだだけの比較例1のバイポーラ電池に比べて、正負極層内にゲル電解質マトリックス高分子を含む実施例1〜4のバイポーラ電池の放電特性は大幅に向上していることがわかる。さらに、電極内のバインダをミクロ相分離構造とすることによりさらに5Cでの放電特性が改善されることがわかる。
実施例5
また、実施例1〜4で作製した電極内のバインダが、ミクロ相分離構造であることを、下記試験により確認した。
(サンプル膜の調製)
PVDFをNMPに加えてホモジナイザーでよく撹拌溶解して10%の溶液を調製してこれを使用した。詳しくは、サンプル瓶内にPVDFの10wt%NMP溶液とマトリックス高分子を秤量して加えて、磁器撹拌機でよく撹拌混合して静置した。
気泡がなくなったサンプル溶液をスライドグラス上に塗布して、あらかじめ80〜90℃に加熱しておいた真空乾燥機内に入れて約3時間程度真空乾燥する。乾燥した膜をスライドグラスからかみそりの刃を用いて剥がしてサンプルとした。
(サンプル膜の前処理)
ミクロ相分離構造を観察するため、メタノール中で2時間リフラックスしてマトリックス高分子を溶出させ、メタノールで十分洗浄後、乾燥してSEM観察を行った。
(SEM観察)
PVDFとマトリックス高分子の質量比を75:25にしたときのサンプル膜のSEM像を図4および図5に示した。図4には、マトリックス高分子を溶出させたサンプル膜のSEM像を示し、図5にはそれと同じロットのマトリックス高分子溶出前のサンプル膜のSEM像を比較のため示した。図4および図5から、実施例1〜4で作製した電極内のバインダが、ミクロ相分離構造であることがわかる。
本発明に係るバイポーラ電池を構成するバイポーラ電極の構造を模式的に表わした概略断面図である。 本発明に係るバイポーラ電池を構成する電極積層体の構造を模式的に表わした概略断面図である。 本発明のバイポーラ電池の全体構造を模式的に表わした概略断面図である。 実施例5で作製したPVDFとマトリックス高分子の質量比を75:25にしたときのサンプル膜のマトリックス高分子を溶出させたサンプル膜の断面SEM像を示す図面(写真)である。 実施例5で作製したPVDFとマトリックス高分子の質量比を75:25にしたときのサンプル膜のマトリックス高分子溶出前のサンプル膜の断面SEM像を示す図面(写真)である。 本発明のゲル電解質バイポーラ電池を2直20並に接続した組電池の一例を示す模式図である。図6(a)は組電池の平面図であり、図6(b)は組電池の正面図であり、図6(c)は組電池の右側面図であって、これら図6(a)〜(c)では、いずれもゲル電解質バイポーラ電池を直列と並列の混合に接続した様子がわかるように外部ケースを透過して組電池内部を表わしたものである。 本発明のゲル電解質バイポーラ電池Aとバイポーラ型でないリチウムイオン二次電池B10直を並列に連結した組電池の一例を示す図である。図7(a)は組電池の平面図であり、図7(b)は組電池の正面図であり、図7(c)は組電池の右側面図であって、これら図7(a)〜(c)では、いずれもバイポーラ電池Aおよびバイポーラ型でないリチウムイオン二次電池Bを直列と並列の混合に接続した様子がわかるように外部ケースを透過して組電池内部を表わしたものである。 本発明の複合組電池の一例を示す図である。図8(a)は複合組電池の平面図であり、図8(b)は複合組電池の正面図であり、図8(c)は複合組電池の右側面図である。 複合組電池を搭載した状態の電気自動車(車両)を示す模式図である。 実施例1〜ら4および比較例1で作製したゲル電解質バイポーラ電池の0.1Cでの放電容量を1として換算した放電曲線を示すグラフである。
符号の説明
1 集電体、
2 正極層、
3 負極層、
4 電解質層、
5 バイポーラ電極、
5a 集電体片面に正極層を配置した最外層の電極、
5b 集電体片面に負極層を配置した最外層の電極、
6 シール材(絶縁層)、
7 電極積層体(バイポーラ電池本体)、
8 正極リード、
9 負極リード、
10 電池外装材(外装パッケージ)
11 正極タブ、
12 電圧検知タブ、
13 負極タブ、
21 ゲル電解質バイポーラ電池、
42 正極端子、
44 負極端子、
50、50’ 組電池、
52 外部弾性体、
53 検知線、
54 検知タブ端子、
55 組電池ケース、
56、58 バスバー、
59 端子リード、
60 複合組電池、
62 複合組電池正極端子連結板、
64 複合組電池負極端子連結板、
66 連結板、
67 固定ネジ、
70 電気自動車、
A ゲル電解質バイポーラ電池、
B バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池。

Claims (8)

  1. 一枚の集電体の片側の面上に正極層を設け、他方の側の面上に負極層を設けたバイポーラ電極を、ゲル電解質層を介して複数積層した構造であるバイポーラ電池において、
    正極層、負極層、電解質層のすべての層にゲル電解質のマトリックス高分子を含むことを特徴とするゲル電解質バイポーラ電池。
  2. 一つのセルの正負極層内の電解質およびゲル電解質層の電解質が連続相であることを特徴とする請求項1に記載のゲル電解質バイポーラ電池。
  3. ゲル電解質層が内部に通気性多孔質薄膜を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のゲル電解質バイポーラ電池。
  4. 正極層と負極層のうち少なくとも片方の電極のバインダが、ミクロ相分離構造をしていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゲル電解質バイポーラ電池。
  5. ミクロ相分離構造が、バインダ成分のポリフッ化ビニリデンあるいは主にフッ化ビニリデンを含む共重合体と、ゲル電解質のマトリックス高分子を有することを特徴とする請求項4に記載のゲル電解質バイポーラ電池。
  6. 請求項1〜5に記載のバイポーラ電池を作製する方法において、
    一枚の集電体の片側の面上に正極層を設け、他方の側の面上に負極層を設けたバイポーラ電極を、ゲル解質層に組み込む通気性多孔質薄膜を介して必要セル数だけ積層する工程と、
    集電体間の絶縁をかねるシールを一部を除いて施す工程と、
    各々のセル内に電解液とゲル電解質のマトリックス高分子原料と熱重合開始剤を含む溶液を注入する工程と、
    残りのシール部分を真空シールした後に、高分子原料を熱架橋してゲル化する工程とを含むことを特徴とするゲル電解質バイポーラ電池の製造方法。
  7. バイポーラ電極上の正極、負極の少なくとも片方の電極を、電極活物質、ポリフッ化ビニリデンあるいは主にフッ化ビニリデンを含む共重合体と、架橋性のゲル電解質のマトリックス高分子原料を有する電極用スラリーを集電体上に塗布後乾燥することにより製造することを特徴とする請求項6に記載のゲル電解質バイポーラ電池の製造方法。
  8. 請求項1〜5に記載のゲル電解質バイポーラ電池ないし請求項6〜7に記載の製造方法により得られたゲル電解質バイポーラ電池を搭載していることを特徴とする車両。
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