JP2005259379A - バイポーラ電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 バイポーラ電池の剛性を向上させる手段、およびバイポーラ電池をより簡便かつ迅速に製造しうる手段の双方を提供する。
【解決手段】 集電体13の片面に正極層15が形成され、他方の面に負極層17が形成されてなるバイポーラ電極11が、電解質層19を介して積層されてなる電池要素21を有するバイポーラ電池において、前記バイポーラ電極を構成する集電体の各々の周縁部が2枚のフレーム1a、1bによって挟持されてなるバイポーラ電極−フレーム複合体を有し、前記電池要素の積層方向に隣接する前記バイポーラ電極−フレーム複合体の、隣接する前記フレームどうしは、前記電池要素の積層方向に連結されてフレーム積層体を形成する、バイポーラ電池である。
【選択図】図4
【解決手段】 集電体13の片面に正極層15が形成され、他方の面に負極層17が形成されてなるバイポーラ電極11が、電解質層19を介して積層されてなる電池要素21を有するバイポーラ電池において、前記バイポーラ電極を構成する集電体の各々の周縁部が2枚のフレーム1a、1bによって挟持されてなるバイポーラ電極−フレーム複合体を有し、前記電池要素の積層方向に隣接する前記バイポーラ電極−フレーム複合体の、隣接する前記フレームどうしは、前記電池要素の積層方向に連結されてフレーム積層体を形成する、バイポーラ電池である。
【選択図】図4
Description
本発明は、バイポーラ電池に関する。詳細には、本発明は、バイポーラ電池を迅速に製造可能な方法の改良、およびバイポーラ電池の剛性を向上させうる構造の改良に関する。
近年、大気汚染や地球温暖化に対処するため、二酸化炭素量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が盛んに行われている。
モータ駆動用二次電池としては、全ての電池の中で最も高い理論エネルギーを有するリチウムイオン二次電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。リチウムイオン二次電池を用いる場合には、通常、複数個を直列に接続して電池モジュールとし、さらに、前記電池モジュールを直列に接続して組電池を形成することにより、高いエネルギー密度を得ている。しかし、かような組電池では、電池間の接続および電池モジュール間の接続による抵抗が加算され、充放電時の組電池全体の内部抵抗が高まり、高出力密度が得られないという問題があった。
上記の問題を解決する手段として、一枚の集電体の片面に正極層が形成され、他方の面に負極層が形成されたバイポーラ電極が、電解質層を介して複数積層されてなる電池要素を有するバイポーラ型リチウムイオン二次電池(本明細書中、単に「バイポーラ電池」とも称する)が提案されている(例えば、特許文献1および2を参照)。言い換えれば、バイポーラ電池の電池要素は、複数の単電池が直列に接続された構成を有している。
近年では、上記のような構成を有し、さらに高出力密度のバイポーラ電池が求められており、それに伴って、積層される単電池の数は増加の一途を辿っている。現在では、積層される単電池の数は、通常、10〜100個程度にまで達している。
特開2000−100471号公報
特開2000−195495号公報
前記特許文献1および2に記載されているような従来のバイポーラ電池を製造する際には、バイポーラ電極と電解質層とを交互に積層して電池要素を作製するのが一般的である。ここで、積層する際の積層体の剛性は、主にバイポーラ電極の集電体により確保されている。しかしながら、バイポーラ電極の厚さは、通常50〜1000μmと極めて薄い。また、バイポーラ電極や電解質層は、可撓性である。したがって、バイポーラ電極と電解質層とを積層する際の、各構成成分の取り回しが煩雑である場合や、積層体の剛性が充分に確保されない場合がある。その結果、電池の製造が極めて煩雑となり、迅速な製造が困難であるという問題があった。この問題は、バイポーラ電池における単電池の積層数が増加しつつある現在では、ますます深刻の度を深めている。
そこで、本発明は、バイポーラ電池の剛性を向上させる手段、およびバイポーラ電池をより簡便かつ迅速に製造しうる手段の双方を提供することを目的とする。
本発明は、集電体の片面に正極層が形成され、他方の面に負極層が形成されてなるバイポーラ電極が、電解質層を介して積層されてなる電池要素を有するバイポーラ電池において、前記バイポーラ電極を構成する集電体の各々の周縁部が2枚のフレームによって挟持されてなるバイポーラ電極−フレーム複合体を有し、前記電池要素の積層方向に隣接する前記バイポーラ電極−フレーム複合体の、隣接する前記フレームどうしは、前記電池要素の積層方向に連結されてフレーム積層体を形成する、バイポーラ電池である。
本発明のバイポーラ電池は、バイポーラ電極を構成する各集電体の周縁部が、それぞれ2枚のフレームにより挟持されてなるバイポーラ電極−フレーム複合体を有している。また、隣接するフレームどうしは、電池要素の積層方向に連結されている。このため、従来と比較して、電池要素を作製する際の積層体の剛性が確保されうる。その結果、バイポーラ電池の製造がより簡便になり、より迅速な製造が可能となる。
本発明の第1は、集電体の片面に正極層が形成され、他方の面に負極層が形成されてなるバイポーラ電極が、電解質層を介して積層されてなる電池要素を有するバイポーラ電池において、前記バイポーラ電極を構成する集電体の各々の周縁部が2枚のフレームによって挟持されてなるバイポーラ電極−フレーム複合体を有し、前記電池要素の積層方向に隣接する前記バイポーラ電極−フレーム複合体の、隣接する前記フレームどうしは、前記電池要素の積層方向に連結されてフレーム積層体を形成する、バイポーラ電池である。
以下、本発明のバイポーラ電池について、詳細に説明する。なお、本発明においては、集電体の各々の周縁部が2枚のフレームによって挟持されてなるバイポーラ電極−フレーム複合体を有し、さらに、電池要素の積層方向に隣接するバイポーラ電極−フレーム複合体の、隣接するフレームどうしが、電池要素の積層方向に連結されてフレーム積層体を形成している点を除いては、従来のバイポーラ電池に用いられていた材料が、同様に用いられうる。このため、正極層、電解質層、負極層、タブ、電池外装体などについては、簡単に説明するが、これらの形態が、例示する材料や形状に限定されるわけではない。また、新たに開発された材料や形状が用いられてもよい。
ここで「フレーム」について、図面を参照して簡単に説明する。図1は、本発明において用いられるフレームの好ましい形態を示す模式斜視図である。図1(a)は、集電体13を挟持する2枚のフレーム1のうち、集電体13の上面に接するフレーム1(本明細書中、「フレームA」1aとも称する)を示す模式斜視図である。図1(b)は、集電体13を挟持する2枚のフレーム1のうち、集電体13の下面に接するフレーム1(本明細書中、「フレームB」1bとも称する)を示す模式斜視図である。図1(c)は、図1(a)に示すフレームA1aを反対側から見た模式斜視図である。図2は、2枚のフレーム1によりバイポーラ電極11を構成する集電体13の周縁部が挟持される好ましい形態を示す模式斜視図である。図2(a)は、バイポーラ電極11を構成する集電体13の周縁部が2枚のフレーム1(図1に示すフレームA1aおよびフレームB1b)によって挟持されてなるバイポーラ電極−フレーム複合体2の好ましい形態を示す模式斜視図である。図2(b)は、図2(a)に示すA−A線に沿った模式断面図である。なお、これらの図面は、説明の都合上、誇張して記載されており、各フレーム1の厚さや幅等の比率は、実際とは異なる場合がある。また、本発明の技術的範囲は、上記で図示した形態のみに制限されない。これらは、以下の図面についても同様である。
本発明において、「フレーム」とは、バイポーラ電極11を構成する集電体13の周縁部を挟持するための枠体をいう。本発明においては、2枚のフレーム1により集電体13の周縁部が挟持されて、バイポーラ電極−フレーム複合体2が形成される。また、電池要素の積層方向に隣接するフレーム1どうしは、隣接方向に連結されてフレーム積層体2を形成する。フレーム1どうしが連結される形態については、以下で詳細に説明するが、例えば、連結部を介して連結される形態(例えば、後述する図4等を参照)が例示される。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態の構成と効果について、簡単に説明する。
以下、第1実施形態の構成と効果について、簡単に説明する。
まず、図3および図4を参照して、バイポーラ電池の一般的な構成について説明する。図3は、第1実施形態のバイポーラ電池における、フレーム1が連結されてフレーム積層体が形成されてなる電池要素21の外観を示す模式斜視図である。また図4は、図3に示すA−A線に沿った模式断面図である。なお、図3および図4は例示のためのものであり、電池要素21の形態が図3および図4に示す形態のみに制限されるわけではない。例えば、図3および図4に示すバイポーラ電池の電池要素は、負極用最外層集電体27が最下層に位置する構成を有しているが、正極用最外層集電体25が最下層に位置する構成を有していてもよい。
図4に示すように、バイポーラ電池は、一般に、集電体13の片面に正極層15が形成され、他方の面に負極層17が形成されてなるバイポーラ電極11が、電解質層19を介して積層されてなる電池要素21を有する。第1実施形態の電池要素21において具体的には、電解質層19が正極層15および負極層17により挟持されてなる3個の単電池23が、4枚の集電体13と交互に積層される形で電池要素21を構成している。前記電池要素21において、正極側の最外層に配置される集電体(本明細書中、「正極用最外層集電体」とも称する)25は正極層15のみを有し、負極側の最外層に配置される集電体(本明細書中、「負極用最外層集電体」とも称する)27は負極層17のみを有する。また、図3に示すように、前記最外層集電体25,27には、電流を外部に取り出すための正極用タブ29および負極用タブ31が接合される。さらに、前記電池要素21は、通常、前記正極用タブ29および負極用タブ31を外部に露出する形で、電池外装体(図示せず)中に封入される。なお、場合によっては、前記集電体13間の短絡(液絡)を防止する目的で、隣接する集電体13間に絶縁層が設けられてもよい。
従来、バイポーラ電池を製造する際には、バイポーラ電極と電解質層とを交互に積層して電池要素を作製するのが一般的である。ここで、積層する際の積層体の剛性は、主にバイポーラ電極の集電体により確保されている。しかしながら、集電体の厚さは、通常10〜200μmと極めて薄い。したがって、バイポーラ電極の取り回しは必ずしも容易ではなく、作り損じが生じる場合がある。また、バイポーラ電極と電解質層とを積層する際の積層体の剛性が充分に確保されない場合もある。このため、場合によっては、最終的に製造される電池においても充分な剛性が確保されないという問題があった。さらに、場合によっては、隣接する集電体間の短絡(液絡)を防止するための絶縁層を単電池の周囲に配置し、最終的に熱加圧等の手段によりシールする工程を経る必要がある。その結果、電池の製造が極めて煩雑となり、製造に時間がかかるという問題もあった。
バイポーラ電池と電解質層とを積層する際、積層体に剛性を持たせるには、バイポーラ電池の集電体や電解質層に用いられるセパレータを厚くするという手段も考えられる。しかしながら、積層体に充分な剛性を持たせるようにこれらを厚くすると、バイポーラ電池全体が厚くなってしまい、体積が増加して、車両等への搭載時に不利である。また、単電池の積層数が著しく増加しつつある現在では、この手段を採用すると上記の問題がより顕在化すると考えられる。よって、集電体等を厚くするのみでこの問題に対処することは、実際には困難である。
これに対し、本発明のバイポーラ電池は、上述したように、集電体13の各々の周縁部が2枚のフレーム1a,1bによって挟持されてなるバイポーラ電極−フレーム複合体2を有している。さらに、隣接するフレーム1どうしは、電池要素21の積層方向に連結されてフレーム積層体3を形成している。かような形態を採用することによって、従来と比較して、電池要素21を作製する際の積層体の剛性が確保されうる。その結果、バイポーラ電池の製造がより簡便になり、より迅速な製造が可能となる。
以下、フレーム1の好ましい形態、バイポーラ電極−フレーム複合体2の好ましい形態、および、フレーム1どうしが連結されてなるフレーム積層体3の好ましい形態につき、図面を参照して詳細に説明する。
上述したように、図3は、第1実施形態のバイポーラ電池における電池要素21の外観を示す模式斜視図である。また図4は、図3に示すA−A線に沿った模式断面図である。
第1実施形態における電池要素21において具体的には、図2〜図4に示すように、バイポーラ電極11を構成する各集電体13の周縁部が、2枚のフレーム1a,1bにより挟持されることによって、バイポーラ電極−フレーム複合体2が形成されている。また、隣接する前記フレーム1どうし(例えば、図4中の1a’および1b’)が、電池要素の積層方向に連結されることによって、フレーム積層体3が形成されている。そして、このフレーム積層体3は、バイポーラ電極11と電解質層19とが積層されてなる電池要素21の周囲に位置している。
本発明のバイポーラ電池の製造方法については、後で詳細に説明するが、第1実施形態のバイポーラ電池においては、電池要素21を作製する際に、フレーム1により積層体に剛性が付与される。このため、従来と比較して電池要素21を作製する際の工程が簡便になり、バイポーラ電池の迅速な製造が可能となる。
また、本発明のバイポーラ電池においては、フレーム1を採用したことによって、耐振動性が向上しうる。以下、この効果について詳細に説明する。
一般に、車両等への搭載を目的とする積層型のバイポーラ電池は、高出力を得るために面積が大きく、その面積は通常、0.3〜2.0m2程度である。また、電圧を大きくするために単電池(セル)の積層数を増加させると、バイポーラ電池の厚さも増加し、その厚さは通常、5〜20mm程度である。したがって、バイポーラ電池をそのまま車両等に搭載すると、車両の走行時等の振動による影響を受けやすく、バイポーラ電池の電極層等の剥離が生じ、電池性能が低下するという問題がある。
これに対し、本発明のバイポーラ電池においては、バイポーラ電極11を構成する集電体13の各々の周縁部が2枚のフレーム1によって挟持されてなるバイポーラ電極−フレーム複合体2を有し、さらに、隣接するフレーム1どうしが、電池要素21の積層方向に連結されてフレーム積層体3を形成している。これにより、従来のバイポーラ電池と比較して、電池要素21の剛性が向上する。その結果、車両の走行時等に生じる振動の、電池要素21を構成する電極層15,17等への伝達が低減される。すなわち、バイポーラ電池の耐振動性が向上する。
また、図4に示すように、第1実施形態において、各集電体13は、2枚のフレーム1によって挟持されることで、隣接する他の集電体13と、絶縁されている。これにより、隣接する集電体13間の短絡(液絡)が効率的に防止されうる。また、電池要素21の作製時には、絶縁層を配置して、熱加圧等により前記絶縁層をシールする手間が省けるため、より簡便な工程で迅速にバイポーラ電池を製造することが可能となる。しかし、この形態に制限されず、単電池23の周囲や、隣接するバイポーラ電極−フレーム複合体2の間に、別途、絶縁層(図示せず)が設けられてもよいことは勿論である。
さらに、図4に示すように、本発明においては、バイポーラ電極−フレーム複合体2を構成する前記フレーム1は、前記電池要素21の積層方向に隣接する他のバイポーラ電極−フレーム複合体2を構成する前記フレーム1と連結するための、連結部5を有していることが好ましい。これにより、バイポーラ電池の剛性が向上し、その結果、製造が容易となり、耐振動性も向上しうる。
本発明において、バイポーラ電極−フレーム複合体2を構成する一のフレーム1は、図4に示すように、前記電池要素21の積層方向に隣接する他のバイポーラ電極−フレーム複合体2を構成する他のフレーム1と連結するための連結部5を有することが好ましい。
図4に示す形態(構造1)において、具体的には、前記連結部5は、隣接するフレーム1のうち、一方が有する凸部5a、および、他方が有する凹部5bである。第1実施形態においては、前記凸部5aを、前記凹部5bに嵌合させることにより、前記凸部5aを有するフレーム1と、前記凹部5bを有するフレーム1とが連結される。本発明のバイポーラ電池においては、各集電体13が2枚のフレーム1により挟持されることで、電池要素21の剛性が向上するが、第1実施形態においては、前記集電体13を挟持するためのフレーム1どうしがさらに連結されることにより、電池要素21の剛性がさらに向上しうる。また、電池要素21の作製時には、例えば、電池要素21の各構成成分および各フレーム1を、下から順に積層していくことにより、電池要素21が作製されうる。また、電池要素21を作製する際、フレーム1によって積層体が固定されながら各成分が積層されていくため、電池要素21作製時に積層体の剛性が保たれる。その結果、電池要素21の作製がさらに簡便になり、より迅速に電池要素21を作製することが可能となる。
また、図4に示す形態(構造1)においては、隣接するバイポーラ電極−フレーム複合体2に属するフレーム1どうし(例えば、図4に示す1a’および1b’)だけでなく、一の集電体13を挟持するための2枚のフレーム1どうし(例えば、図4に示す1a”および1b”)も、連結部5を介して連結されている。このように、一の集電体13を挟持するための2枚のフレーム1どうしが連結部5を介して連結されていても、上記と同様の効果が得られるため、好ましい。このように、本発明において用いられるフレーム1が、上記で説明したような連結部5を有する場合であっても、全ての隣接するフレーム1どうしが連結部5によって連結されている必要はなく、一部の隣接するフレーム1どうしが連結部5によって連結されていてもよい。また、連結部5の存在は必須ではない。隣接するフレーム1どうしは、例えば、公知の接着剤等を用いて接着されていてもよい。
なお、図4に示す形態(構造1)において、正極用最外層集電体25を挟持するフレーム1のうち、前記正極用最外層集電体25の上面に接するフレーム1(本明細書中、「フレームC」1cとも称する)、および負極用最外層集電体27を挟持するフレーム1のうち、前記負極用最外層集電体27の下面に接するフレーム1(本明細書中、「フレームD」1dとも称する)は、上記で説明したフレーム1a,1bとは異なる形状を有している。すなわち、前記フレームC1cは、その上面が平らであり、前記フレームD1dは、その下面が平らである。ただし、この形態に制限されない。例えば、前記フレームC1cおよび前記フレームD1dが前記フレームA1aまたは前記フレームB1bと同一の形状を有している形態が採用されてもよい。
集電体13を挟持するためのフレーム1が有する、隣接する他のフレーム1と連結するための連結部5の具体的な形態については、特に制限はない。以下、上述した第1実施形態以外の実施形態につき、より詳細に説明する。以下の形態についても、第1実施形態と同様に、例示のためのものであり、本発明の技術的範囲がこの形態のみに制限されるものではない。
図5〜図9は、本発明のバイポーラ電池の好ましい形態における電池要素を示す模式断面図である。
図5〜図9に示すように、これらの電池要素21の形態は、連結部5の形態が異なること以外は、上述した第1実施形態のバイポーラ電池における電池要素21と基本的に同じである。よって以下、図5〜図9に示す電池要素21における連結部5の形態を中心に、詳細に説明する。
なお、図5〜図9に示す形態においては、いずれも、図4に示す形態(構造1)と同様に、隣接するバイポーラ電極−フレーム複合体2に属するフレーム1どうし(例えば、図5に示す1a’および1b’)、並びに、一の集電体13を挟持するための2枚のフレーム1どうし(例えば、図5に示す1a”および1b”)が、連結されている。しかし、連結の形態は図示したこれらの形態のみに制限されない。
図5に示す形態(構造2)においては、連結部5として、上記で説明した凸部5aおよび凹部5bに加えて、爪および前記爪を掛止させるための溝も採用されている。具体的には、フレームA1a、フレームB1b、およびフレームC1cが、その外周部に、自身の下部に位置するフレーム1と連結するための連結部5である爪を有している。また、フレームB1b、フレームC1c、およびフレームD1dは、その外周部に、自身の上部に位置するフレーム1と連結するための連結部5である溝を有している。前記凸部5aを前記凹部5bに嵌合させることに加えて、前記爪を前記溝に掛止させることにより、隣接するフレーム1どうしが連結される。かかる形態において、爪および溝についての具体的な形態は特に制限されない。例えば、爪および溝の大きさや、設けられる位置および数は、特に制限されず、適宜選択されうる。
図6に示す形態(構造3)において、フレームA1a、フレームB1b、およびフレームC1cは、その下部に、連結部5として凸部5aを有し、前記凸部5aに、自身の下部に位置するフレーム1と連結するための連結部5である爪を有している。また、これに対応して、フレームB1b、フレームC1c、およびフレームD1dは、その上部に凹部5bを有し、前記凹部5bに、自身の上部に位置するフレーム1と連結するための連結部5である溝を有している。前記凸部5aを前記凹部5bに嵌合させ、さらに前記爪を前記溝に掛止させることによって、隣接するフレーム1どうし(例えば、図6に示す1a”および1b”)が連結される。
図7に示す形態(構造4)において、フレームA1a、フレームB1b、およびフレームC1cは、その下部に、連結部5として凸部5aを有し、これに対応して、フレームB1b、フレームC1c、およびフレームD1dは、その上部に凹部5bを有している。また、各フレーム1は、前記凸部5aおよび前記凹部5bに加えて、連結部5として、電池要素21の積層方向の穴を有している。この形態においては、前記凸部5aを前記凹部5bに嵌合させ、さらに前記穴に棒状の支持体7を貫通させることにより、隣接するフレーム1どうし(例えば、図7に示す1a”および1b”)が連結される。
ここで、連結部5としての穴の大きさや、設けられる位置および数などの具体的な形態は、特に制限されない。棒状の支持体7についても、その材質や太さなどの具体的な形態は、特に制限されない。棒状の支持体7としては、例えば、高分子樹脂棒、セラミックス棒、絶縁処理を施した金属棒等が例示される。また、棒状の支持体7により固定する形態も特に制限されず、図7に示すようなボルト−ナット構造により固定される形態のほか、棒の上下部に貫通穴を設け、前記穴に固定具を貫通させることにより固定される形態、棒の両端に留め金を溶接することにより固定される形態等の形態が例示される。
図8に示す形態(構造5)において、フレームA1a、およびフレームC1cは、その下部に、連結部5として凸部5aを有し、これに対応して、フレームB1b、およびフレームD1dは、その上部に凹部5bを有している。また、前記凸部5aおよび前記凹部5bに加えて、各フレーム1は、連結部5として、電池要素21の積層方向に略垂直な方向の穴を有している。この形態においては、前記穴に棒状の支持体7を貫通させることにより、隣接するフレーム1どうし(例えば、図8に示す1a”および1b”)が連結される。ここで、連結部5としての穴の大きさや、設けられる位置および数などの具体的な形態は、特に制限されない。棒状の支持体7についても、その材質や太さなどの具体的な形態は、特に制限されない。棒状の支持体7としては、例えば、高分子樹脂棒、セラミックス棒、絶縁処理を施した金属棒等が例示される。また、棒状の支持体7により固定する形態も特に制限されず、図8に示すように鋲カシメにより固定される形態のほか、棒の先端に貫通穴を設け、前記穴に固定具を貫通させることにより固定される形態や、棒の先端に留め金を溶接することにより固定する形態等の形態が例示される。
以上、隣接するフレーム1どうしを連結するための連結部5の好ましい形態について詳細に説明したが、本発明の技術的範囲は、かような形態のみに制限されない。例えば、図9に示すように外部支持体9により連結される形態が採用されてもよい。
図9に示す形態(構造6)において、フレームA1a、フレームB1b、およびフレームC1cは、その下部に、連結部5として凸部5aを有し、これに対応して、フレームB1b、フレームC1c、およびフレームD1dは、その上部に凹部5bを有している。また、さらに各フレーム1は、外部支持体9を用いることにより、電池要素21の積層方向に連結されている。ここで、固定するために用いられる外部支持体9や、固定される位置および固定される箇所の数などの具体的な形態は、特に制限されない。固定の形態としては、例えば、カシメ固定、挟み固定等が例示される。
なお、各フレーム1が連結部5を有する場合であっても、全てのフレーム1が同一の連結部5を有している必要はなく、フレーム1ごとに異なる連結部5を有していてもよい。さらに、連結部5を設ける形態と、外部支持体9を用いて固定する形態とが併用されてもよい。
本発明において、例えば電解質層に液体電解質やゲル高分子電解質が用いられる場合には、電解液がフレーム1の隙間より漏れないことが好ましい。かかる観点から、本発明においては、フレーム1と集電体13との間、およびフレーム1どうしの間に、密封処理を施すことが好ましい。
前記密封処理としては、例えば、図4〜図9に示すように、前記フレーム1と前記集電体13とが隣接している部位、および/または前記フレーム1どうしが隣接している部位に、溝を設け、前記溝に、パッキン35を配置する形態が挙げられる。パッキン35については特に制限されず、丸断面形状(Oリング状)パッキン、三角断面形状パッキン、多角形断面形状パッキン等の従来公知のものが用いられうる。パッキン35を配置するための溝を設ける形態も、図4〜図9に示す形態のみに制限されず、適宜設定されうる。
前記密封処理として、パッキン35を用いる形態は、あくまでも一例であり、これに制限されることはない。パッキン35を配置する形態のほかに、例えば、集電体13とフレーム1とを、および/またはフレーム1どうしを、公知の接着剤等を用いて接着する形態が採用されてもよい。
一般に、バイポーラ電池の電池要素21は、単電池23が直列に接続された構成を有している。前記電池要素21を構成する各単電池23は、通常は全て等しい電圧を示すが、製造時の不良や使用時の環境等によって、各単電池23間の電圧がばらつく場合がある。各単電池23間の電圧がばらつくと、一部の単電池23のみの劣化が進行し、最終的にはバイポーラ電池全体の寿命等の性能が低下する場合がある。よって、バイポーラ電池の、長期間にわたる安定した運転を保証するためには、電池の製造後や使用中にも、各単電池23間の電圧を検知しうることが好ましい。かかる観点から、本発明においては、図3および図4に示すように、各集電体13に、隣接する単電池23間の電圧を測定するための、電圧検知タブ37を設けることが好ましい。ここで、電圧検知タブ37の材質、大きさ、および設けられる箇所等の具体的な形態は、特に制限されない。例えば、導体からなる箔を電圧検知タブ37として各集電体13に接続し、各フレーム1の上面に沿ってフレーム1の外部に導出する形態が例示される。
本発明のバイポーラ電池においては、図4に示すように、フレーム1どうしが隣接している部位に、緩衝材39が配置されていてもよい。前記緩衝材39の材質や、設けられる位置等の具体的な形態は、特に制限されない。
ここで、緩衝材39を設けることにより生じる効果について、図面を用いて説明する。図10は、図4に示す緩衝材39を設けたバイポーラ電池と、緩衝材39を設けていないバイポーラ電池についての、振動スペクトルを示す図面である。図10において、緩衝材39を設けたバイポーラ電池は、「緩衝材構造」と記載され、緩衝材39を設けていないバイポーラ電池は、「緩衝材なし構造」と記載されている。図10によれば、緩衝材39を有するバイポーラ電池は、緩衝材39を有しないバイポーラ電池と比較して、振動伝達率が低減され、耐振動性に優れることがわかる。これは、緩衝材39が配置されることにより、バイポーラ電池が振動状態にさらされた場合であっても、前記緩衝材39により振動が吸収されるためであると考えられる。
本発明のバイポーラ電池においては、図4に示すように、フレーム1に、外部に通気させるための通気口41が設けられていてもよい。かような通気口41は、電解液を注入する目的や、初回充放電時に発生したガスを抜く目的で用いられうる。その他の目的で用いられてもよい。なお、前記通気口41の大きさや、設けられる位置等の具体的な態様は、特に制限されない。しかし、前記通気口41は、複数設けられることが好ましい。前記ゲル高分子電解質層を構成するホストポリマーや、液体電解質を保持するためのセパレータに電解液を注入する際には、一旦電解液を注入し、その後に電池外装体の内部を減圧させて、ホストポリマーやセパレータの全体に電解液を浸透させるのが一般的である。ここで、通気口41が複数設けられていると、同時に複数の通気口41から電解液を注入することができる。その結果、電解液を注入するのに要する時間が削減されうる。また、通気口41が複数設けられることにより、電解液を注入するための通気口41と、電池外装体の内部を減圧するための減圧装置を接続するための通気口41とを別々にすることができる。その結果、ホストポリマーやセパレータに電解液をより均一に浸透させうる。なお、前記通気口41は、その目的を達した後に、封止されてもよい。本発明のバイポーラ電池においては、上記のように完成時に通気口41が封止されている場合であっても、通気口41が設けられている形態に含むものとする。
続いて、バイポーラ電池11を構成する部材について、順に説明する。
単電池23は、バイポーラ電池11において電池反応が進行する部位であり、正極層15および負極層17によって、電解質層19が挟持されてなる構成を有する。すなわち、正極層15/電解質層19/負極層17の順に、積層される。なお、本発明において「挟持」とは、ある部材が、2つの他の部材の間に介在している状態を意味する。部材間の接触面積は特に制限されない。
正極層15は、正極活物質を含む。正極活物質としては、リチウム−遷移金属複合酸化物が好ましく、例えば、LiMn2O4などのLi−Mn系複合酸化物やLiNiO2などのLi−Ni系複合酸化物が挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。
負極層17は、負極活物質を含む。負極活物質としては、上記のリチウム遷移金属−複合酸化物や、カーボンが好ましい。カーボンとしては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛系炭素材料、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバー、コークス、ソフトカーボン、ハードカーボン等が挙げられる。
正極層15および負極層17には、必要であれば、その他の物質が含まれてもよい。例えば、バインダ、導電助剤、リチウム塩(支持電解質)、イオン伝導性ポリマー等が含まれうる。また、イオン伝導性ポリマーが含まれる場合には、前記ポリマーを重合させるための重合開始剤が含まれてもよい。
バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が挙げられる。
導電助剤とは、正極層15または負極層17の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。導電助剤としては、グラファイトなどのカーボン粉末が挙げられる。
リチウム塩(支持電解質)としては、LiBETI(リチウムビス(パーフルオロエチレンスルホニルイミド);Li(C2F5SO2)2N)、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3等が挙げられる。
イオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)系およびポリプロピレンオキシド(PPO)系のポリマーが挙げられる。ここで、前記イオン伝導性ポリマーは、本発明のバイポーラ電池11の電解質層19において電解質として用いられるイオン伝導性ポリマーと同じであってもよく、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
重合開始剤は、イオン伝導性ポリマーの架橋性基に作用して、架橋反応を進行させるために配合される。開始剤として作用させるための外的要因に応じて、光重合開始剤、熱重合開始剤などに分類される。重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)やベンジルジメチルケタール(BDK)等が挙げられる。
正極層15および負極層17中に含まれる成分の配合比は、特に限定されない。配合比は、リチウムイオン二次電池についての公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。
電解質層19を構成する電解質としては、一般に、液体電解質またはポリマー電解質が挙げられる。本発明においては、好ましくはポリマー電解質が用いられる。ポリマー電解質を用いることにより、電解質などの液漏れが防止され、バイポーラ電池11の安全性が向上しうる。
ポリマー電解質は、イオン伝導性ポリマーから構成され、イオン伝導性を示すのであれば材料は限定されない。優れた機械的強度を発現させることが可能である点で、高分子電解質形成用の重合性ポリマーを熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合により架橋構造を形成することにより作製されるものが好適に用いられる。かかる高分子電解質により形成される電解質層では、液漏れが起こらないため、電池の信頼性が向上し、かつ簡易な構成で出力特性に優れたバイポーラ電池11が形成される。
ポリマー電解質としては、全固体高分子電解質、およびゲル高分子電解質が挙げられる。
全固体高分子電解質としては、特に限定されないが、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、およびこれらの共重合体等が挙げられる。かようなポリアルキレンオキシド系高分子には、LiBETI、LiBF4、LiPF6、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2等のリチウム塩がよく溶解しうる。また、これらの高分子は、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。本発明においては、電極特性をより向上させるために、全固体高分子電解質が正極層および負極層の双方に含まれることが好ましい。
また、ゲル高分子電解質とは、一般的に、イオン伝導性を有する全固体高分子電解質(ホストポリマー)に、電解液を保持させたものをいう。なお、本願では、イオン伝導性を有しない高分子の骨格中に、同様の電解液を保持させたものも、前記ゲル高分子電解質に含まれるものとする。用いられる電解液(電解質塩および可塑剤)の種類等は特に制限されない。
また、電解質層19がゲル高分子電解質からなる場合、前記電解質層19は、ゲル原料溶液を不織布などのセパレータに浸透させた後、上記の種々の方法を用いて重合することにより形成されたものであってもよい。セパレータを用いることにより、電解液の充填量を高めることができるとともに、電池内部の熱伝導性が確保される。なお、本願においては、イオン伝導性高分子(ホストポリマー)が重合する前であっても、「ゲル高分子電解質」に含まれるものとする。
集電体13は、バイポーラ電池11の電池要素21において、上記で説明した単電池23のそれぞれを挟持する、金属製の部材である。すなわち、電池要素21においては、集電体13/正極層15/電解質層19/負極層17/集電体13の順に、積層される。言い換えれば、電池要素21においては、集電体13の片面に正極層15が形成され、他方の面に負極層17が形成されてなるバイポーラ電極11が、電解質層19を介して複数積層されている。
集電体13は、アルミ箔、銅箔、ステンレス(SUS)箔など、導電性の材料から構成される。集電体13の一般的な厚さは、10〜200μmである。ただし、この範囲を外れる厚さの集電体13を用いてもよい。集電体13の大きさは、バイポーラ電池11の使用用途に応じて決定される。大型の電池に用いられる大型の電極を作製するのであれば、面積の大きな集電体13が用いられる。小型の電極を作製するのであれば、面積の小さな集電体13が用いられる。
フレーム1が充分な剛性を保つことができるのであれば、フレーム1を構成する材料等の具体的な形態は、特に制限されない。フレーム1を構成する材料としては、例えば、高分子材料およびセラミックス材料等の絶縁性の材料や、金属材料等の導電性の材料などが挙げられる。新たに開発された材料が用いられてもよい。なお、フレーム1は、自ら製造したものを用いてもよく、市販のものを用いてもよい。
本発明においては、図4〜図9に示すように、フレーム1の少なくとも1つを構成する材料は、導電性の材料であることが好ましい。図4〜図9に示す形態においては、フレームA1a、フレームC1c、およびフレームD1dは、絶縁性の材料である樹脂で構成されており、フレームB1bは、導電性の材料である金属材料で構成されている。なお、隣接する集電体13間を絶縁するため、隣接する集電体13間に位置するフレームA1aおよびフレームB1bの少なくとも一方は絶縁性の材料からなる必要があるが、これを満足するのであれば、その他の形態は特に制限されず、種々の形態が採用されうる。
フレーム1を構成する絶縁性の材料としては、成形性に優れ、充分な剛性も有しているという点で、樹脂、セラミックス、エラストマー材、各種ゴム材、並びにこれらの複合材料等が好ましい。また、フレーム1を構成する導電性の材料としては、例えば、金属材料や、導電性プラスチック、カーボン等が例示される。さらに、前記金属材料としては、ステンレス(SUS)、チタン、銅、およびアルミニウム等が例示される。なお、各フレーム1は、その全体が単一の材料のみからなることが、製造が容易であることから好ましいが、これに制限されない。例えば、フレーム1は、金属等の導電性の材料からなる骨格を、樹脂等の絶縁性の材料で被覆してなるものであってもよい。
また、本発明の一般的な形態においては、集電体13の上面に接して前記集電体13を挟持するフレームA1a、集電体13の下面に接して前記集電体13を挟持するフレームB1b、電池要素21の最上部に位置する1個のフレームC1c、および電池要素21の最下部に位置する1個のフレームD1dの4種のフレーム1が用いられるが、フレーム1の材質等の具体的な形態は、フレーム1ごとに同一であってもよく、異なっていてもよい。
以下、フレーム1の少なくとも1つを導電性の材料で構成することによる効果につき、説明する。
上記で説明したように、バイポーラ電池においては、単電池23間の電圧を検知する目的で、各集電体13に電圧検知タブ37を接続することが好ましい。ここで、フレーム1は集電体13と接触していることから、フレーム1を導電性の材料で構成することで、前記電圧検知タブ37の設置が極めて容易になる。すなわち、フレーム1を樹脂等の絶縁性の材料で構成した場合には、フレーム1の内部に位置する集電体13に電圧検知タブ37を接続し、これをさらにフレーム1の外部へ導出させる必要がある。これに対し、フレーム1を導電性の材料で構成すれば、前記フレーム1を介して単電池23間の電圧を検知することができることから、電圧検知タブ37はフレーム1の外部に設置されうる。場合によっては、電圧検知タブ37を設けずに、フレーム1に直接電圧検知用リードを接続し、これを用いて単電池23間の電圧を検知してもよい。
また、一般に、バイポーラ電池の使用に伴って、電池要素21の内部の温度が上昇し、電極の活物質等の劣化が進行する場合がある。ここで、金属材料等の導電性の材料は、樹脂等の絶縁性の材料と比較して、放熱性に優れる。このため、フレーム1の少なくとも1つを導電性の材料で構成すると、電池要素21の放熱性が向上する。その結果、電池要素21の内部における温度上昇が抑制され、活物質等の劣化が効率的に防止されうる。
さらに、金属材料等の導電性の材料は、樹脂等の絶縁性の材料と比較して、一般に剛性が高い。このため、フレーム1の少なくとも1つを導電性の材料で構成すると、電池要素21全体の剛性が向上する。その結果、バイポーラ電池の耐振動性が向上する。また、バイポーラ電極11の集電体13を剛性の高いフレーム1により挟持し、これを用いてバイポーラ電池を製造することで、電池要素21作製時の積層体の剛性も向上し、簡便かつ迅速に電池要素21を作製することが可能となる。
上述したように、本発明において、各集電体13は、2枚のフレーム1によって挟持されることで、隣接する他の集電体13と、絶縁されている。これにより、隣接する集電体間の短絡(液絡)が効率的に防止されうる。しかし、必要であれば、各単電池23の周囲に絶縁性の材料からなる絶縁層が配置されてもよい。この絶縁層は、電池内で隣り合う集電体どうしが接触したり、電池要素における単電池の端部の僅かな不ぞろいなどによる短絡が起こるのを防止する目的で設けられる。かような絶縁層の設置により、長期間の信頼性および安全性が確保され、高品質のバイポーラ電池が提供されうる。
また、本発明のバイポーラ電池においては、例えば図3および図4に示すように、電流を取り出す目的で、正極用タブ29が正極用最外層集電体25に、負極用タブ31が負極用最外層集電体27に、接合される。
タブの材質は、特に制限されず、従来バイポーラ電池に用いられている公知の材質が用いられうる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等が例示される。なお、正極用タブ29と負極用タブ31とでは、同一の材質が用いられてもよいし、異なる材質が用いられてもよい。
本発明のバイポーラ電池においては、使用時の外部からの衝撃や環境劣化を防止するために、電池要素21は、好ましくは電池ケース等の電池外装体に収容される。前記電池外装体としては、特に制限されず従来公知の外装体が用いられうる。自動車の熱源から効率よく熱を伝え、電池内部を迅速に電池動作温度まで加熱しうる点で、好ましくは、熱伝導性に優れた高分子−金属複合ラミネートフィルム等が用いられうる。
かかる電池外装体に電池要素21を収容するには、前記電池外装体の周辺部の一部または全部を熱融着にて接合することにより、前記電池要素21を密封状態で収容することが好ましい。この際、正極用タブ29および負極用タブ31は、前記熱融着により接合された部位に挟まれて前記電池外装体の外部に導出される。
フレーム1に電圧検知タブ37が設けられる場合、電圧検知タブ37の材質としては、上記の正極用タブ29および負極用タブ31と同様のものが用いられうる。また、電池外装体の外部において電圧を検知するために、各電圧検知タブ37には、電圧検知用リードが接続されることが好ましい。電圧検知タブ37に接続された電圧検知用リードは、正極用タブ29および負極用タブ31と同様に、電池外装体の外部に導出される。
また、図4に示すように、フレーム1どうしが隣接している部位に、緩衝材39が配置される場合、前記緩衝材39の材質等の具体的な形態は特に制限されない。効率的に振動を吸収しうるという観点から、前記緩衝材39は、弾性体からなることが好ましい。前記弾性体としては、ゴム、エラストマー、高分子樹脂等が例示される。前記弾性体として好ましくは、シリコンゴム、フッ素ゴム、およびエチレンプロピレンゴム等が挙げられる。これらの材料は、振動の吸収能に優れるのみならず、電解液に接触しても耐蝕性に優れ、さらには使用時の減圧環境および80℃程度の高温環境に対する耐性にも優れるためである。
本発明のバイポーラ電池は、複数個連結されて組電池を形成しうる。すなわち、本発明の第2は、本発明のバイポーラ電池を含む、組電池である。前記組電池において、本発明のバイポーラ電池は、その複数個が、または他の電池と組み合わせて、並列接続、直列接続、並列−直列接続または直列−並列接続により接続されてなる。これにより、種々の車両用ごとの容量および電圧の要望に対して、基本のバイポーラ電池を様々に組み合わせることで対応することが可能となる。その結果、必要なエネルギーおよび出力を設計することが容易になる。そのため種々の車両用ごとに異なるバイポーラ電池を設計、生産する必要がなく、基本となるバイポーラ電池の大量生産が可能となり、量産化によるコスト削減が可能となる。
また、本発明の組電池は、本発明のバイポーラ電池と、前記バイポーラ電池と正負極電極材料が同一であって、前記バイポーラ電池の構成単位数直列接続されることにより電圧が同一とされた電池(好ましくはバイポーラ型でないリチウムイオン二次電池(本明細書中、「一般リチウムイオン二次電池」とも称する))と、を並列に接続したものであってもよい。すなわち、本発明の組電池を形成する電池には、本発明のバイポーラ電池と一般リチウムイオン二次電池等とが混在していても良い。これにより、出力重視のバイポーラ電池と、エネルギー重視の一般リチウムイオン二次電池との組み合わせで、お互いの弱点を補う組電池が形成され、組電池の軽量化およびコンパクト化が図られる。それぞれのバイポーラ電池と一般リチウムイオン二次電池とをどの程度の割合で混在させるかは、組電池として要求される安全性能、出力性能に応じて適宜決定されうる。
さらに、上記の組電池を少なくとも2以上直列、並列、または直列と並列の複合接続することで、複合組電池を形成してもよい。これにより、新たに組電池を作製することなく、使用目的ごとの電池容量や出力に対する要求に比較的安価に対応することが可能となる。また、組電池が複数直並列接続されてなる複合組電池は、一部の電池、組電池が故障しても、その故障部分を交換するのみで修理が完了しうる。
なお、本発明の組電池および複合組電池のその他の構成および製造方法等の具体的な形態は、何ら制限されず、従来公知の一般リチウムイオン二次電池を用いた組電池および複合組電池の構成および製造方法等と同様の形態が適宜適用されうる。例えば、特開2003−303583号公報に記載されているような、従来公知の組電池および複合組電池の構成および製造方法が利用されうる。
上記のバイポーラ電池、組電池、複合組電池は、例えば、電気自動車(EV)、シリーズまたはパラレルハイブリッド電気自動車(HEV)、燃料電池自動車、ハイブリッド燃料電池自動車等に搭載され、高エネルギー密度、高出力密度が求められる車両駆動用電源や補助電源として好適に利用されうる。前記バイポーラ電池、組電池、複合組電池のうち少なくとも1つが車両に搭載される場合には、特に制限されないが、車両中央部の座席下、車両の床下、トランクルーム、エンジンルーム、屋根、ボンネットフード内等に設置されうる。
本発明のバイポーラ電池の製造方法は、特に制限されないが、好ましくは、以下の方法により製造されうる。すなわち、本発明の第3は、集電体の片面に正極層が形成され、他方の面に負極層が形成されてなるバイポーラ電極が、電解質層を介して積層されてなる電池要素を有するバイポーラ電池の製造方法であって、連結可能な2枚のフレームにより、前記バイポーラ電極を挟持して、バイポーラ電極−フレーム複合体を作製する工程(1)と、前記バイポーラ電極−フレーム複合体と、電解質層とを交互に積層して、積層体を作製する工程(2)と、前記積層体の積層方向に隣接する前記フレームどうしを連結して、前記電池要素を作製する工程(3)とを有する、バイポーラ電池の製造方法である。
以下、本発明の製造方法について、各工程に沿って詳細に説明する。しかし、以下の説明における工程の順序はあくまでも説明のためのものであり、本発明の製造方法における工程の順序を規定するものと解釈されるべきではない。
<バイポーラ電極の作製>
まず、バイポーラ電極11を作製する。
まず、バイポーラ電極11を作製する。
バイポーラ電極11は、集電体13の片面に正極層15を形成し、他方の面に負極層17を形成することにより、作製されうる。集電体13の片面に正極層15を形成する形態としては、例えば、正極用組成物を調製し、その後に、集電体13の片面上に前記正極用組成物を塗布し、乾燥および重合させる形態が例示される。負極層17の形成についても同様である。以下、より詳細に説明する。また、負極用最外層集電体27の有する負極層17、および正極用最外層集電体25の有する正極層15を形成する形態についても、以下の形態が同様に採用されうる。なお、この形態において用いられる集電体13、正極層15、および負極層17の具体的形態は特に制限されず、本発明の第1において好ましい形態として説明した形態が例示される。このため、ここでは説明を省略する。
正極用組成物は通常はスラリー(正極用スラリー)として得られ、集電体13(正極用最外層集電体25を含む)の片面に塗布される。
正極用スラリーは、正極活物質を含む溶液である。また、正極用スラリーは、正極活物質および溶媒の他にも、必要であれば、導電助剤、バインダ、重合開始剤、ゲル高分子電解質の原料であるイオン伝導性高分子(ホストポリマー)、およびリチウム塩等を含んでもよい。正極用スラリーは、例えば、正極活物質を含む溶媒中に、バインダ、導電助剤を添加し、ホモミキサー等で攪拌することによって調製されうる。
正極活物質、導電助剤、バインダ、イオン伝導性高分子(ホストポリマー)、およびリチウム塩に関しては、基本的に本発明のバイポーラ電池の構成要件である正極層の項で説明した内容と同様の形態が用いられうるため、ここでは説明を省略する。
溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、n−ピロリドン等のスラリー粘度調整用溶媒が挙げられ、正極用スラリーの種類に応じて適宜選択されうる。
正極活物質、リチウム塩、導電助剤等の添加量は、得られるバイポーラ電池が所定の関係を満たすように適宜決定されうる。
上記で調製された正極用スラリーを集電体上に塗布した後、乾燥させて、含まれる溶媒を除去する。
正極用スラリーを集電体13上に塗布するには、例えば、得られる正極層15の厚さが10〜200μmとなるように、コーター、スクリーン印刷法等の従来公知の方法が用いられうる。
集電体13上に塗布された正極用スラリーを乾燥させるには、真空乾燥機等の従来公知の装置が用いられうる。この際の乾燥条件は、塗布された正極用スラリーの性質に応じて適宜決定されうる。
形成された正極層15は、表面の平滑性および厚さの均一性を向上させるためにプレス操作によりプレスされることが好ましい。プレス操作は冷間でプレスロールする方法または熱間でプレスロールする方法のいずれの方法であってもよい。熱間でプレスロールする場合は、電解質支持塩や重合性ポリマーが分解する温度以下で行うことが望ましい。プレス圧力は線圧で200〜1000kg/cmで行うことが望ましい。
次に、集電体13の正極層15が作製された面の他方の面に負極層17を形成する。この際には、例えば、上記で説明した正極層15の形成と同様に、負極用組成物を調製した後に、前記負極用組成物を集電体13上に塗布し、乾燥させることによって、負極層17が形成されうる。以下、より詳細に説明する。
負極用組成物は通常はスラリー(負極用スラリー)として得られ、集電体13(負極用最外層集電体27を含む)の正極層15が作製された面とは反対の面に塗布される。
負極用スラリーは、負極活物質を含む溶液である。また、負極用スラリーは、負極活物質および溶媒の他にも、必要であれば、導電助剤、バインダ、重合開始剤、ゲル高分子電解質の原料であるイオン伝導性高分子(ホストポリマー)、およびリチウム塩等を含んでもよい。使用される原料や添加量については、「正極用組成物の調製」において説明したものと同様の形態が用いられるため、ここでは説明を省略する。
上記で調製された負極用スラリーを集電体に塗布した後、乾燥させて、含まれる溶媒を除去する。塗布方法、乾燥条件等については、「正極層の作製」において説明したものと同様の形態が用いられるため、ここでの説明は省略する。
また、上記「正極層の形成」において説明したプレス操作は、例えば、集電体13の片面に正極層15を形成し、他面に負極層17を形成した後に、正極層15および負極層17をまとめて行ってもよい。また、集電体13の片面に正極層15を形成した後にプレス操作してもよいし、集電体13の片面に負極層17を形成した後にプレス操作してもよいなど、プレス操作の対象や時期等の形態は、必要に応じて適宜選択されうる。また、プレス条件については、正極層15または負極層17単独の場合でも、正極層15および負極層17をまとめて行う場合であっても、上記「正極層の形成」の項で説明した範囲内において適宜選択されうる。
上記で作製されたバイポーラ電極11は、所望のサイズに切り出され、以下の工程において電池要素21を形成するために用いられる。
<バイポーラ電極−フレーム複合体の作製>
続いて、バイポーラ電極−フレーム複合体2を作製する。
続いて、バイポーラ電極−フレーム複合体2を作製する。
まず、上記で作製したバイポーラ電極11を挟持しうる、連結可能な2枚のフレーム1a,1bを準備する。かようなフレームは特に制限されないが、例えば、本発明の第1のバイポーラ電池において採用されるフレーム1が例示される。フレーム1の作製方法は特に制限されないが、例えば、樹脂の射出成形、ブロー成形、金属板のプレス成形および削り出し成形、セラミックスの焼結成形等によって作製されうる。また、フレーム1が金属材料からなる場合には、金属板をプレスすることにより、フレーム1を形成することが可能である。かような形態は、コスト削減の観点からは好ましい。以下、本発明の第1のバイポーラ電池において採用されるフレーム1を用いる製造方法について説明するが、下記の形態のみには制限されない。
また、必要であれば、本発明の第1において説明したように、フレーム1に電圧検知タブ37を設けてもよく、緩衝材39を配置してもよく、通気口41を設けてもよい。これらの具体的な形態としては、本発明の第1の説明の欄において説明した形態が同様に用いられうる。また、これらを設ける方法についても特に制限されない。例えば、電圧検知タブ37は、金属箔を接着、蒸着、またはメッキしたり、金属ワイヤーを接合させたりすることによって設けられうる。緩衝材39は、緩衝材を接着剤により接着したり、フレームと緩衝材とを一体成形することによって配置されうる。通気口41は、穴あけ加工や、削り出し成形などによって設けられうる。
その後、準備した2枚のフレーム1a,1bにより、上記で作製したバイポーラ電極11を挟持して、バイポーラ電極−フレーム複合体2を作製する。この際、バイポーラ電極11の周縁部の電極層15,17を剥離させて集電体13の周縁部を露出させ、露出した集電体13の周縁部をフレーム1により挟持してもよい。挟持は、手動の方法により行われてもよく、半自動または全自動の工程により行われてもよい。また、バイポーラ電極11が挟持されることによりフレーム1とバイポーラ電極11とが接触する部位を、接着させてもよいし、接着させなくてもよい。なお、フレーム1によってバイポーラ電極11を挟持する際には、以下の工程において電池要素21を形成することが可能であれば、正極層15および負極層17のいずれが上を向くように挟持してもよい。また、ここでいう「バイポーラ電極」には、集電体13の片面のみに正極層15または負極層17のいずれかが形成されてなる正極用最外層集電体25および負極用最外層集電体27も含まれるものとする。すなわち、図4を例に挙げて説明すると、電池要素21の最上部に位置する正極用最外層集電体25は、前記正極用最外層集電体25の下面に接してこれを挟持するフレームB1bと、上面に接してこれを挟持しうるフレームC1cとによって、挟持される。また、電池要素21の最下部に位置する負極用最外層集電体27は、前記負極用最外層集電体27の上面に接してこれを挟持しうるフレームA1aと、下面に接してこれを挟持しうるフレームD1dとによって、挟持される。
<電解質層の作製>
さらに、電解質層19を作製する。
さらに、電解質層19を作製する。
電解質層19は、例えば、セパレータに、イオン伝導性高分子(ホストポリマー)を含むゲル原料溶液を浸透させた後、前記イオン伝導性高分子(ホストポリマー)を重合させることにより、形成される。よって以下、かかる形態を例に挙げて説明するが、この形態のみには制限されず、本発明の第1のバイポーラ電池の構成の欄において説明された形態が用いられてもよい。例えば、以下の実施例において採用されるように、セパレータに前記ゲル原料溶液を浸透させた後、イオン伝導性高分子(ホストポリマー)を重合させずに、以下の積層体の形成工程に用いてもよい。この場合、積層体を作製した後に、種々の重合方法を用いて、イオン伝導性高分子(ホストポリマー)を重合させてもよい。
電解質層19に用いられるセパレータとしては、厚みが5〜25μm程度の微孔性ポリエチレンフィルム、微孔性ポリプロピレンフィルム、微孔性エチレン−プロピレン−コポリマーフィルムなど一般的に用いられているものが挙げられる。
前記ゲル原料溶液は、ゲル高分子電解質の原料であるイオン伝導性高分子(ホストポリマー)、リチウム塩、重合開始剤等を溶媒に溶解させて調製した溶液である。ホストポリマー、リチウム塩等は、本発明のバイポーラ電池の正極層15の説明において説明したものと同様の形態が用いられるため、ここではその説明を省略する。
重合開始剤は、重合方法(熱重合法、紫外線重合法、放射線重合法、電子線重合法など)や重合させる化合物に応じて適宜選択されうる。特に制限されないが、例えば、紫外線重合開始剤としてベンジルジメチルケタール(BDK)、熱重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等が挙げられる。また、溶媒としては、特に制限されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、およびn−ピロリドンなどのスラリー粘度調整用溶媒等が挙げられる。重合開始剤の添加量は、ホストポリマーに含まれる架橋性官能基の数に応じて適宜決定されうる。通常は、上記ホストポリマーに対して0.01〜1質量%程度である。
ゲル原料溶液の浸透は、例えば、セパレータをゲル原料溶液に浸漬させることにより、またはセパレータにゲル原料溶液を注入することにより行われうる。ゲル原料溶液は、まだゲル状になっていないため、電極およびセパレータに浸透しうる。また、アプリケーターやコーター等を用いることで微量の供給も可能である。
その後、ゲル原料溶液に含まれるホストポリマーを、熱、紫外線、放射線、電子線等により重合(架橋)させる。なかでも、簡便かつ確実に重合を行うことができる点で、好ましくは熱重合が行われうる。乾燥および熱重合の際には、真空乾燥機等の従来公知の装置が用いられうる。乾燥および熱重合の条件はゲル原料溶液の性質に応じて適宜決定されうる。得られる電解質層の幅は、単電池を構成する電極のサイズよりも若干小さくすることが一般的であるが、特に制限されない。
<積層体の作製>
続いて、積層体を作製する。
続いて、積層体を作製する。
積層体は、上記で形成したバイポーラ電極−フレーム複合体2と、同じく上記で作製した電解質層19とを、交互に積層することにより、作製されうる。
ここで、バイポーラ電池を製造する従来の方法においては、上記で説明したようなフレーム1を用いることなく、単にバイポーラ電極11と電解質層19とを交互に積層して、積層体を作製するのが一般的であった。また、積層体を作製する際の剛性は、バイポーラ電極11の集電体13によるものであった。しかしながら、一般に、集電体13は極めて薄く、可撓性であるために、電解質層19上への積層時に所定の位置へ積層することが困難であり、作り損じが発生する場合もあった。
これに対し、本発明のバイポーラ電池を製造する際には、上記で説明したようなフレームを用いてバイポーラ電極−フレーム複合体を作製し、これを用いて積層体を作製することによって、バイポーラ電極の取り回しが容易になり、作り損じも抑制されうる。その結果、極めて迅速にバイポーラ電池を製造することが可能となり、作り損じにより生じていたコストも削減されうる。
積層体を作製する際に積層されるバイポーラ電極−フレーム複合体2および電解質層19の数は、特に制限されず、製造されるバイポーラ電池の電圧が所望の値となるように適宜調整されうる。本発明のバイポーラ電池の全体電圧は、好ましくは10〜500V、より好ましくは40〜400Vである。
続いて、前記積層体の積層方向に隣接するフレーム1どうしを連結させて、電池要素21を作製する。前記フレーム1を連結させる具体的な形態は、特に制限されない。例えば、本発明の第1のバイポーラ電池の説明の欄において説明した形態が例示される。また、フレームどうしを連結させる工程は、上記で説明した積層体を作製する工程と並行して行われてもよく、積層体を作製する工程の後に、独立して行われてもよい。
なお、電池要素21の作製は、電池内部に水分等が混入するのを防止する観点から、アルゴン、窒素等の不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
以下、電池要素21を作製する好ましい一形態について、図面を参照して詳細に説明する。図11は、本発明の第1実施形態のバイポーラ電池の製造方法の好ましい一形態を示す模式断面図である。図11に示す形態により製造されるバイポーラ電池は、図4の形態を示す。
まず、本発明の第1において用いられるフレームA1aおよびフレームD1dを準備する。次いで、前記フレームA1aおよびフレームD1dにより、片面に負極層17のみが形成された負極用最外層集電体27を、前記負極層17が上を向くように挟持し、バイポーラ電極(負極用最外層集電体)−フレーム複合体を作製する。なお、ここでは、負極用最外層集電体27が最下層に位置し、正極用最外層集電体25が最上層に位置するバイポーラ電池の電池要素21を、下から順に積層することにより作製する場合を例に挙げて説明するが、この形態のみに制限されず、場合によっては、正極用最外層集電体25を最下層に配置し、下から順に積層して電池要素21を作製してもよい。
本発明の第1のバイポーラ電池の説明の欄においても説明したように、図11に示す形態において、フレームA1aは、下部に位置するフレームD1dと連結するための連結部5として、凸部5aをその下部に有しており、これに対応して、フレームD1dは、上部に位置するフレームA1aと連結するための連結部5として、凹部5bをその上部に有している。したがって、前記フレームA1aおよび前記フレームD1dによりバイポーラ電極11を挟持する際には、フレームA1aの有する連結部5である凸部5aを、フレームD1dの有する連結部5である凹部5bに嵌合させることにより、前記フレームA1aと前記フレームD1dとが連結される。これは、以下で説明する、バイポーラ電極11を挟持するための各フレーム1についても同様である。
続いて、前記負極層17上に、電解質層19を積層する。
さらに、バイポーラ電極11が、本発明の第1において用いられるフレームA1aおよびフレームB1bにより挟持されてなるバイポーラ電極−フレーム複合体を、前記電解質層状に積層する。この際、バイポーラ電極11は、負極層17が上を向くようにフレームA1aおよびフレームB1bにより挟持されており、前記バイポーラ電極−フレーム複合体を前記電解質層19上に積層することにより、負極層17、電解質層19、および正極層15が下からこの順に積層されてなる単電池が1層形成される。
なお、本発明の第1のバイポーラ電池の説明の欄においても説明したように、図11に示す形態において、フレームA1aは、上部に位置するフレーム1と連結するための連結部5として、凹部5bをその上部に有しており、一方、フレームB1bは、下部に位置するフレーム1と連結するための連結部5として、凸部5aをその下部に有している。したがって、前記バイポーラ電極−フレーム複合体2を積層する際には、同時に、積層方向に隣接するフレーム1どうし(例えば、図11に示すフレーム1a”およびフレーム1b”)が連結される。すなわち、図11に示す形態においては、電解質層19上にバイポーラ電極−フレーム複合体2を積層する工程と、積層方向に隣接するフレーム1どうしを連結する工程とは、並行して行われる。しかし、この形態のみには制限されない。例えば、本発明の第1の説明の欄において、図7や図9を参照して説明したように、各フレーム1が連結部5として積層方向の穴を有し、棒状の支持体により連結される形態や、各フレーム1が連結部5を有さず、外部支持体によりカシメ固定される形態においては、各フレーム1は、積層体を形成した後に、連結されうる。
続いて、上記で説明した、電解質層19とバイポーラ電極−フレーム複合体とを交互に積層する工程を繰り返すことにより、単電池23がもう1層形成され、計2層となる。さらに単電池23の数を増やしたい場合には、この工程を所望の回数繰り返せばよい。この際の具体的な形態は上記の説明と同様であるため、ここでは説明を省略する。
さらに、最上層に位置するバイポーラ電極11の負極層17上に、電解質層19を積層する。この工程も、上記で説明したのと同様に行われうる。
一方、本発明の第1において用いられるフレームB1bおよびフレームC1cを準備する。次いで、前記フレームB1bおよびフレームC1cにより、片面に正極層15のみが形成された正極用最外層集電体25を、前記正極層15が下を向くように挟持し、バイポーラ電極(正極用最外層集電体)−フレーム複合体を作製する。
最後に、上記で作製されたバイポーラ電極(正極用最外層集電体)−フレーム複合体を、積層体の最上部に位置する電解質層19上に、正極用最外層集電体25に形成された正極層15と前記電解質層19とが向き合うように、積層させて、電池要素21を完成させる。この際、上記で説明したのと同様に、フレームB1bは、下部に位置するフレームA1aと連結するための連結部5として、凸部5aをその下部に有しており、フレームA1aは、上部に位置するフレームB1bと連結するための連結部5として、凹部5bをその上部に有している。したがって、前記バイポーラ電極(正極用最外層集電体)−フレーム複合体を積層する際には、同時に、積層方向に隣接するフレーム1どうしが連結される。
以上、電池要素21を作製する好ましい一形態について説明したが、上記の形態のみに制限されるべきではない。
例えば、セパレータへのゲル原料溶液の浸透およびホストポリマーの重合は、積層体の完成後に行われてもよい。すなわち、本発明のバイポーラ電池の製造方法において、未完成のセパレータのみを積層して電池要素21を形成し、その後に、電池要素21の内部にイオン伝導性高分子を含むゲル原料溶液を注入してセパレータに浸透させた後、イオン伝導性高分子を重合させて、電解質層19を完成させてもよい。
すなわち、本発明の第4は、集電体の片面に正極層が形成され、他方の面に負極層が形成されてなるバイポーラ電極が、電解質層を介して積層されてなる電池要素を有するバイポーラ電池の製造方法であって、連結可能な2枚のフレームにより、前記バイポーラ電極を挟持して、バイポーラ電極−フレーム複合体を作製する工程(1)と、前記バイポーラ電極−フレーム複合体と、セパレータとを交互に積層して、積層体を作製する工程(2)と、前記積層体の積層方向に隣接する前記フレームどうしを連結させる工程(3)と、
前記セパレータに、イオン伝導性高分子を含むゲル原料溶液を浸透させ、前記イオン伝導性高分子を重合させて、電池要素を作製する工程(4)とを有する、バイポーラ電池の製造方法である。
前記セパレータに、イオン伝導性高分子を含むゲル原料溶液を浸透させ、前記イオン伝導性高分子を重合させて、電池要素を作製する工程(4)とを有する、バイポーラ電池の製造方法である。
本発明の第4の製造方法においては、電解質層19に代えてセパレータを積層し、ゲル原料溶液の注入、およびイオン伝導性高分子(ホストポリマー)の重合を、積層体の作成後に行って、電池要素21を作製すること以外は、本発明の第3の製造方法の説明の欄において説明した形態が同様に用いられうる。このため、ここでは説明を省略する。
本発明の第3および第4の製造方法は、必要であれば、隣接する集電体13間の短絡(液絡)を防止するための絶縁層を形成する工程をさらに有していてもよい。絶縁層を形成する工程の具体的な形態は特に制限されず、適宜決定されうる。例えば、上記で説明した電解質層19とバイポーラ電極−フレーム複合体とを交互に積層する工程において、電解質層19の積層前または積層後に、絶縁層を構成する樹脂等の絶縁体からなる枠体形状のシートを、集電体13の周縁部に配置する形態が例示される。また、可能であれば、前記絶縁層の配置後に、電池要素21を熱加圧することにより、前記絶縁層を熱融着させて、集電体13と接着させてもよい。
本発明の製造方法は、上記の積層体にタブを接合させ、タブの接合した積層体を電池外装材で封止する工程をさらに有していてもよい。以下、かかる工程の好ましい形態について説明するが、下記の形態のみには制限されない。
積層体の正極側および負極側の最外層集電体25,27上にそれぞれ、正極用タブ29および負極用タブ31を接合させる。
正極用タブ29および負極用タブ31を最外層集電体25,27に接合させる、および、電圧検知タブ37を各集電体13(または各フレーム1)に接合させる、具体的な方法は、特に制限されず従来公知の溶接接続等の接続方法が用いられうる。溶接接続としては、例えば、超音波溶接、スポット溶接等が用いられうる。なかでも、超音波溶接が好ましく用いられる。超音波溶接は、接合される部分に高周波振動を与えることによって金属の原子を拡散させ、再結晶させることによって機械的な接合を行う方法である。このため、同種、異種の金属の重ね溶接に対して非常に効果的である。また、接合時に高い温度に達することなく、接合面の最高温度は融点の35〜50%程度に抑えられるため、高温溶接時の母材の溶融やもろい鋳造組織の形成等の問題が生じない。
さらに、電池要素21全体を電池ケース等の電池外装体で封止することにより、バイポーラ電池の完成としてもよい。これにより、外部からの衝撃に対する耐性が向上し、環境劣化が防止される。封止の際には、正極用タブ、負極用タブ、および電圧検知タブの一部が電池外部に取り出される。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。ただし、以下の実施例は本発明の最良の形態を例示するためのものであり、本発明の技術的範囲は下記の形態のみには限定されない。
<電池作成例>
実施例1
以下の方法により、図4に示す構造1の電池要素を有するバイポーラ電池を作製した。
実施例1
以下の方法により、図4に示す構造1の電池要素を有するバイポーラ電池を作製した。
<バイポーラ電極の作製>
まず、ステンテス(SUS)製の集電体(厚さ:20μm)を準備した。
まず、ステンテス(SUS)製の集電体(厚さ:20μm)を準備した。
次いで、正極活物質としてLiMn2O4(平均粒子径:20μm)、導電助剤としてグラファイト、およびバインダとしてPVdFを、スラリー粘度調整溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に添加し、ホモジナイザーでよく撹拌混合して、正極用スラリーを調製した。前記正極用スラリーを脱泡機により脱泡し、コーターを用いて前記集電体上に塗布して、正極層を形成させた。正極活物質、導電助剤およびバインダの添加量の質量比(正極活物質:導電助剤:バインダ)は、90:4:6であり、スラリー粘度調整溶媒は、前記正極活物質、導電助剤およびバインダの混合物に対して等質量使用した。
次に、負極活物質として非結晶性炭素材料ハードカーボン(平均粒子径:20μm)、およびバインダとしてPVdFを用いて、前記正極層と同様の方法および装置により、前記集電体の正極層を形成させた面と反対の面上に、負極層を形成させ、バイポーラ電極を作製した。負極活物質およびバインダの添加量の質量比(負極活物質:バインダ)は、90:10であった。
正極層および負極層はロールプレスにより軽くプレスし、それぞれ100μmの厚さとした。また、このバイポーラ電極を130mm×80mmの矩形に切断した後、正極層および負極層ともに、周縁部を10mmの幅で剥離し、集電体であるステンレス(SUS)の表面を露出させた。なお、両最外層のバイポーラ電極の外側の面には電極を形成させず、集電体表面が露出した最外層集電体とした。
<ゲル高分子電解質層の作製>
プロピレンカーボネート(PC)とエチレンカーボネート(EC)との等容積混合液を用意し、これにリチウム塩としてLiBETI(LiN(SO2C2F5)2)を1.0Mの濃度となるように添加して電解液とした。これらに、ポリマー前駆体としてイオン伝導性高分子であるポリエチレンオキシド(PEO)とポリプロピレンオキシド(PPO)との共重合体(平均分子量:7500〜9000)、および重合開始剤としてパーオキシエステルをさらに添加して、プレゲル溶液を調製した。なお、前記プレゲル溶液中の、PCおよびECの等容積混合液と、PEOおよびPPOの共重合体との質量比(PC+EC:PEO+PPO)は、90:10であり、パーオキシエステルの添加量は、添加前のプレゲル溶液の全量に対して、1000〜3000ppmであった。
プロピレンカーボネート(PC)とエチレンカーボネート(EC)との等容積混合液を用意し、これにリチウム塩としてLiBETI(LiN(SO2C2F5)2)を1.0Mの濃度となるように添加して電解液とした。これらに、ポリマー前駆体としてイオン伝導性高分子であるポリエチレンオキシド(PEO)とポリプロピレンオキシド(PPO)との共重合体(平均分子量:7500〜9000)、および重合開始剤としてパーオキシエステルをさらに添加して、プレゲル溶液を調製した。なお、前記プレゲル溶液中の、PCおよびECの等容積混合液と、PEOおよびPPOの共重合体との質量比(PC+EC:PEO+PPO)は、90:10であり、パーオキシエステルの添加量は、添加前のプレゲル溶液の全量に対して、1000〜3000ppmであった。
前記プレゲル溶液を、セパレータであるポリエチレンテレフタレート(PET)製不織布(厚さ:100μm、大きさ:130mm×80mm)に浸漬させて、ゲル高分子電解質層を作製した。
<構造1の電池要素の作製>
集電体を固定するためのフレームとして、図4に示すフレームA1aを10個、フレームB1bを10個、フレームC1cを1個、およびフレームD1dを1個準備した。なお、フレームA、フレームC、およびフレームDはアクリル系樹脂により構成し、フレームBは、導電性の金属材料であるステンレス(SUS)により構成した。
集電体を固定するためのフレームとして、図4に示すフレームA1aを10個、フレームB1bを10個、フレームC1cを1個、およびフレームD1dを1個準備した。なお、フレームA、フレームC、およびフレームDはアクリル系樹脂により構成し、フレームBは、導電性の金属材料であるステンレス(SUS)により構成した。
フレームAの厚さ(図4および図11中の長さL1)は約200μmとし、フレームB、フレームC、およびフレームDの厚さ(図4および図11中の長さL2)はそれぞれ約100μmとした。
まず、片面に負極層のみが形成された負極用最外層集電体を、その上面に位置するフレームAおよびその下面に位置するフレームCにより、前記負極層が上を向くように挟持し、バイポーラ電極(負極用最外層集電体)−フレーム複合体を作製した。
また、片面に正極層のみが形成された正極用最外層集電体を、その上面に位置するフレームDおよびその下面に位置するフレームBにより、前記正極層が下を向くように挟持し、バイポーラ電極(正極用最外層集電体)−フレーム複合体を作製した。
さらに、バイポーラ電極を、その上面に位置するフレームAおよびその下面に位置するフレームBにより、集電体の片面に形成された正極層が上を向くように挟持し、バイポーラ電極−フレーム複合体を9個作製した。
次いで、前記バイポーラ電極(負極用最外層集電体)−フレーム複合体の負極層上に、上記で作製したゲル高分子電解質層を積層した。
さらに、上記で作製したバイポーラ電極−フレーム複合体、および上記で作製したゲル高分子電解質層を交互に積層する操作を、電解質層が10層積層されるまで繰り返した。この際、フレームBの有する連結部である凸部を、下部に位置するフレームAの有する連結部である凹部に嵌合させることにより、隣接するフレームどうしを連結させた。
最後に、最上部に積層された電解質層上に、上記で作製したバイポーラ電極(正極用最外層集電体)−フレーム複合体を、正極層が下を向くように積層し、構造1の電池要素を作製した。この際にも、フレームBの有する連結部である凸部を、下部に位置するフレームAの有する連結部である凹部に嵌合させることにより、隣接するフレームどうしを連結させた。
なお、各フレームBには、銅製の電圧検知タブ(厚さ:10μm)を接続した。また、各フレームBの上面には、全周にわたって、図4に示すようなフッ素ゴム製の緩衝材(厚さ約50μm)を配置した。さらに、図4に示すように、フレームと集電体とが隣接している部位、およびバイポーラ電極−フレーム複合体が隣接している部位には、幅約20μmの溝を設け、前記溝には、ポリエステル製のパッキン(直径:約20μm)を配置した。
<バイポーラ電池の完成>
上記で作製した電池要素の、正極用最外層集電体にはアルミニウム製の正極用タブ(厚さ:200μm、幅:100mm)を、負極用最外層集電体には銅製の負極用タブ(厚さ:200μm、幅:100mm)を、それぞれ振動溶着により取り付けた。
上記で作製した電池要素の、正極用最外層集電体にはアルミニウム製の正極用タブ(厚さ:200μm、幅:100mm)を、負極用最外層集電体には銅製の負極用タブ(厚さ:200μm、幅:100mm)を、それぞれ振動溶着により取り付けた。
タブの取り付けられた電池要素をラミネートパック中に入れ、正極用タブおよび負極用タブ、並びに電圧検知タブを外部に導出させて、前記ラミネートパックを熱融着により真空密封し、バイポーラ電池とした。
得られたバイポーラ電池を約80℃で2時間加熱することにより、ゲル高分子電解質層のイオン伝導性高分子を架橋させ、構造1の電池要素を有するバイポーラ電池を完成させた。
実施例2
フレームA〜Dおよびこれを用いて作製される電池要素の構造を、図5に示す構造2とし、実施例1と同様の方法及び装置を用いて、バイポーラ電池を製造した。なお、実施例2においては、フレームAの厚さ(図5中の長さL1)は約500μmとし、フレームB、フレームC、およびフレームDの厚さ(図5中の長さL2)はそれぞれ約300μmとした。また、緩衝材の材料としてシリコンゴムを採用し、負極活物質としては非結晶性炭素材を用いた。
フレームA〜Dおよびこれを用いて作製される電池要素の構造を、図5に示す構造2とし、実施例1と同様の方法及び装置を用いて、バイポーラ電池を製造した。なお、実施例2においては、フレームAの厚さ(図5中の長さL1)は約500μmとし、フレームB、フレームC、およびフレームDの厚さ(図5中の長さL2)はそれぞれ約300μmとした。また、緩衝材の材料としてシリコンゴムを採用し、負極活物質としては非結晶性炭素材を用いた。
実施例3
フレームA〜Dおよびこれを用いて作製される電池要素の構造を、図6に示す構造3とし、実施例1と同様の方法及び装置を用いて、バイポーラ電池を製造した。なお、実施例3においては、フレームAの厚さ(図6中の長さL1)は約500μmとし、フレームB、フレームC、およびフレームDの厚さ(図6中の長さL2)はそれぞれ約300μmとした。また、緩衝材の材料としてエチレンプロピレンゴムを採用し、負極活物質としては非結晶性炭素材を用いた。
フレームA〜Dおよびこれを用いて作製される電池要素の構造を、図6に示す構造3とし、実施例1と同様の方法及び装置を用いて、バイポーラ電池を製造した。なお、実施例3においては、フレームAの厚さ(図6中の長さL1)は約500μmとし、フレームB、フレームC、およびフレームDの厚さ(図6中の長さL2)はそれぞれ約300μmとした。また、緩衝材の材料としてエチレンプロピレンゴムを採用し、負極活物質としては非結晶性炭素材を用いた。
実施例4
フレームA〜Dおよびこれを用いて作製される電池要素の構造を、図7に示す構造4とし、実施例1と同様の方法及び装置を用いて、バイポーラ電池を製造した。各フレームには4隅に積層方向の穴を開けておき、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)系樹脂製の棒状の支持体を前記穴に貫通させた後、ボルト−ナット構造により固定した。なお、実施例4においては、フレームAの厚さ(図7中の長さL1)は約200μmとし、フレームB、フレームC、およびフレームDの厚さ(図7中の長さL2)はそれぞれ約100μmとした。また、負極活物質としては非結晶性炭素材を用いた。
フレームA〜Dおよびこれを用いて作製される電池要素の構造を、図7に示す構造4とし、実施例1と同様の方法及び装置を用いて、バイポーラ電池を製造した。各フレームには4隅に積層方向の穴を開けておき、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)系樹脂製の棒状の支持体を前記穴に貫通させた後、ボルト−ナット構造により固定した。なお、実施例4においては、フレームAの厚さ(図7中の長さL1)は約200μmとし、フレームB、フレームC、およびフレームDの厚さ(図7中の長さL2)はそれぞれ約100μmとした。また、負極活物質としては非結晶性炭素材を用いた。
実施例5
フレームA〜Dおよびこれを用いて作製される電池要素の構造を、図8に示す構造5とし、実施例1と同様の方法及び装置を用いて、バイポーラ電池を製造した。各フレームにはフレーム中心の位置(4箇所)に積層方向に略垂直な穴を開けておき、アルミナ焼結体製の鋲形状の棒状の支持体(直径:1mm)を前記穴に打ち付けることにより固定した。なお、実施例5においては、フレームAの厚さ(図8中の長さL1)は約200μmとし、フレームB、フレームC、およびフレームDの厚さ(図8中の長さL2)はそれぞれ約100μmとした。また、緩衝材を配置せず、正極活物質としてはLiNiO2を用い、負極活物質としては非結晶性炭素材を用いた。
フレームA〜Dおよびこれを用いて作製される電池要素の構造を、図8に示す構造5とし、実施例1と同様の方法及び装置を用いて、バイポーラ電池を製造した。各フレームにはフレーム中心の位置(4箇所)に積層方向に略垂直な穴を開けておき、アルミナ焼結体製の鋲形状の棒状の支持体(直径:1mm)を前記穴に打ち付けることにより固定した。なお、実施例5においては、フレームAの厚さ(図8中の長さL1)は約200μmとし、フレームB、フレームC、およびフレームDの厚さ(図8中の長さL2)はそれぞれ約100μmとした。また、緩衝材を配置せず、正極活物質としてはLiNiO2を用い、負極活物質としては非結晶性炭素材を用いた。
実施例6
フレームA〜Dおよびこれを用いて作製される電池要素の構造を、図9に示す構造6とし、実施例1と同様の方法及び装置を用いて、バイポーラ電池を製造した。外部支持体としてはアルミニウム製のもの(幅:1cm)を用い、各フレームの各辺の中央の位置(4箇所)を固定した。なお、実施例6においては、フレームAの厚さ(図9中の長さL1)は約5mmとし、フレームB、フレームC、およびフレームDの厚さ(図9中の長さL2)はそれぞれ約5mmとした。また、緩衝材を配置せず、正極活物質としてはLiNiO2を用い、負極活物質としては非結晶性炭素材を用いた。
フレームA〜Dおよびこれを用いて作製される電池要素の構造を、図9に示す構造6とし、実施例1と同様の方法及び装置を用いて、バイポーラ電池を製造した。外部支持体としてはアルミニウム製のもの(幅:1cm)を用い、各フレームの各辺の中央の位置(4箇所)を固定した。なお、実施例6においては、フレームAの厚さ(図9中の長さL1)は約5mmとし、フレームB、フレームC、およびフレームDの厚さ(図9中の長さL2)はそれぞれ約5mmとした。また、緩衝材を配置せず、正極活物質としてはLiNiO2を用い、負極活物質としては非結晶性炭素材を用いた。
比較例1
電池要素を作製する際に、集電体を固定するためのフレームA〜Dを用いず、各層を絶縁するための絶縁層としてポリプロピレン樹脂製のテープ(厚さ:30μm)を配置したこと以外は、実施例1と同様の方法及び装置を用いて、バイポーラ電池を製造した。
電池要素を作製する際に、集電体を固定するためのフレームA〜Dを用いず、各層を絶縁するための絶縁層としてポリプロピレン樹脂製のテープ(厚さ:30μm)を配置したこと以外は、実施例1と同様の方法及び装置を用いて、バイポーラ電池を製造した。
<製造容易性>
各実施例および比較例において製造されたバイポーラ電池について、製造に要する時間を測定した。その結果、比較例のバイポーラ電池の製造には約10時間程度を要したのに対し、全ての実施例のバイポーラ電池は、約2〜3時間程度で作製することができた。これにより、本発明によれば、バイポーラ電極を構成する各集電体の周縁部を、それぞれ2枚のフレームにより挟持してバイポーラ電極−フレーム複合体を形成することにより、バイポーラ電池の製造が簡便となり、より迅速な製造が可能になることが示される。
各実施例および比較例において製造されたバイポーラ電池について、製造に要する時間を測定した。その結果、比較例のバイポーラ電池の製造には約10時間程度を要したのに対し、全ての実施例のバイポーラ電池は、約2〜3時間程度で作製することができた。これにより、本発明によれば、バイポーラ電極を構成する各集電体の周縁部を、それぞれ2枚のフレームにより挟持してバイポーラ電極−フレーム複合体を形成することにより、バイポーラ電池の製造が簡便となり、より迅速な製造が可能になることが示される。
<振動の減衰試験(平均減衰量の測定)>
以下の方法により平均減衰量を測定して、振動の減衰試験を行った。
以下の方法により平均減衰量を測定して、振動の減衰試験を行った。
まず、各実施例および比較例で得られたバイポーラ電池の略中央部に加速度ピックアップを設定し、インパルスハンマーによってハンマリングしたときの加速度ピックアップの振動スペクトルを測定した。設定方法は、JIS B 0908(振動及び衝撃ピックアップの校正方法・基本概念)に準拠した。測定スペクトルは、FFT分析器により解析し、周波数と加速度の次元に変換した。この得られた周波数に関して平均化およびスムージングを行い、振動伝達率スペクトルを得た。この加速度スペクトルの10〜300Hzまでの平均を振動平均値とした。
比較例1のスペクトルの振動平均値を比較基準とし、下記式(1)にしたがって平均低減量を算出した。
したがって、平均減衰量=0%の場合には、比較例1と各実施例の振動平均値は同等であって、減衰が起きていないことを示し、平均減衰量=30%の場合には、比較例に対する実施例の振動平均値が30%低減されたことを示す。上記の試験方法により得られた結果を下記の表1に示す。
<フレームの耐振動性向上に対する寄与>
表1より、本発明によれば、バイポーラ電池を、図4〜図9に示すような構造1〜6とすることにより、すなわち、バイポーラ電極を構成する各集電体の周縁部を、それぞれ2枚のフレームにより挟持してバイポーラ電極−フレーム複合体を形成することにより、従来のバイポーラ電池と比較して10〜60%程度振動が低減され、耐振動性が向上しうることが示される。
表1より、本発明によれば、バイポーラ電池を、図4〜図9に示すような構造1〜6とすることにより、すなわち、バイポーラ電極を構成する各集電体の周縁部を、それぞれ2枚のフレームにより挟持してバイポーラ電極−フレーム複合体を形成することにより、従来のバイポーラ電池と比較して10〜60%程度振動が低減され、耐振動性が向上しうることが示される。
したがって、本発明のバイポーラ電池は、常に振動を受けながら長期間にわたって安定して電力を供給することが求められる車両等に搭載される場合に、特に有用である。
<放熱性(温度上昇抑制率の測定)>
上記の各実施例で得られたバイポーラ電池について、10Cサイクル試験を1時間行い、バイポーラ電池の電池中央部の表面部位における前記サイクル試験中の平均温度を、熱電対を用いて測定した。なお、試験開始時における温度は25℃であった。
上記の各実施例で得られたバイポーラ電池について、10Cサイクル試験を1時間行い、バイポーラ電池の電池中央部の表面部位における前記サイクル試験中の平均温度を、熱電対を用いて測定した。なお、試験開始時における温度は25℃であった。
参考例のバイポーラ電池として、上記の実施例1〜6において、フレームBをステンレス(SUS)ではなくABS系樹脂で構成したものを作製し、上記と同様に平均温度を測定した。
前記参考例のバイポーラ電池の平均温度を比較基準とし、下記式(2)にしたがって温度上昇抑制率を算出した。
したがって、温度上昇抑制率=0%の場合には、参考例と実施例との温度上昇は同等であって、温度上昇を抑制する効果が現れていないことを示し、温度上昇抑制率=30%の場合には、参考例に対して実施例の温度上昇が30%低減されたことを示す。上記の試験方法により得られた結果を下記の表2に示す。また、実施例6のバイポーラ電池についての上記サイクル試験中の平均温度の推移を、図12に示す。図12によれば、実施例6のバイポーラ電池の平均温度は、25℃から34℃まで変化しており、温度上昇は9℃である。一方、対応する参考例(図12中に「参考例6」として示す)のバイポーラ電池の平均温度は、25℃から40℃まで変化しており、温度上昇は15℃である。これより、実施例6のバイポーラ電池における温度上昇抑制率は、40%と算出される。
<フレーム構成材料の温度上昇抑制に対する寄与>
表2より、本発明のバイポーラ電池において、バイポーラ電極の集電体を挟持するためのフレームの少なくとも1つを、金属材料等の導電性の材料で構成することにより、フレームの全てが樹脂で構成された参考例のバイポーラ電池と比較して、温度上昇が40〜50%程度低減され、放熱性が向上しうることが示される。
表2より、本発明のバイポーラ電池において、バイポーラ電極の集電体を挟持するためのフレームの少なくとも1つを、金属材料等の導電性の材料で構成することにより、フレームの全てが樹脂で構成された参考例のバイポーラ電池と比較して、温度上昇が40〜50%程度低減され、放熱性が向上しうることが示される。
したがって、本発明のバイポーラ電池は、長期間にわたって活物質等の劣化を防止し、安定して電力を供給することが求められる車両等に搭載される場合に、特に有用である。
1 フレーム、
1a,1a’,1a” フレームA、
1b,1b’,1b” フレームB、
1c フレームC、
1d フレームD、
2 バイポーラ電極−フレーム複合体、
3 フレーム積層体、
5 連結部、
5a 凸部、
5b 凹部、
5c 爪、
5d 溝、
7 棒状の支持体、
9 外部支持体、
11 バイポーラ電極、
13 集電体、
15 正極層、
17 負極層、
19 電解質層、
21 電池要素、
23 単電池、
25 正極用最外層集電体、
27 負極用最外層集電体、
29 正極用タブ、
31 負極用タブ、
35 パッキン、
37 電圧検知タブ、
39 緩衝材、
41 通気口。
1a,1a’,1a” フレームA、
1b,1b’,1b” フレームB、
1c フレームC、
1d フレームD、
2 バイポーラ電極−フレーム複合体、
3 フレーム積層体、
5 連結部、
5a 凸部、
5b 凹部、
5c 爪、
5d 溝、
7 棒状の支持体、
9 外部支持体、
11 バイポーラ電極、
13 集電体、
15 正極層、
17 負極層、
19 電解質層、
21 電池要素、
23 単電池、
25 正極用最外層集電体、
27 負極用最外層集電体、
29 正極用タブ、
31 負極用タブ、
35 パッキン、
37 電圧検知タブ、
39 緩衝材、
41 通気口。
Claims (19)
- 集電体の片面に正極層が形成され、他方の面に負極層が形成されてなるバイポーラ電極が、電解質層を介して積層されてなる電池要素を有するバイポーラ電池において、
前記バイポーラ電極を構成する集電体の各々の周縁部が2枚のフレームによって挟持されてなるバイポーラ電極−フレーム複合体を有し、
前記電池要素の積層方向に隣接する前記バイポーラ電極−フレーム複合体の、隣接する前記フレームどうしは、前記電池要素の積層方向に連結されてフレーム積層体を形成する、バイポーラ電池。 - 前記フレームの少なくとも1つを構成する材料は、導電性の材料である、請求項1に記載のバイポーラ電池。
- 前記バイポーラ電極−フレーム複合体を構成する一のフレームは、前記電池要素の積層方向に隣接する他のバイポーラ電極−フレーム複合体を構成する他のフレームと連結するための、連結部を有する、請求項1または2に記載のバイポーラ電池。
- 前記一のフレームは、前記連結部として、爪を有し、
前記他のフレームは、前記連結部として、前記爪を掛止させるための溝を有し、
前記爪を前記溝に掛止させることによって、前記一のフレームと、前記他のフレームとが連結される、請求項3に記載のバイポーラ電池。 - 前記一のフレームおよび前記他のフレームは、前記連結部として、前記電池要素の積層方向の穴を有し、
棒状の支持体を前記穴に貫通させることによって、前記一のフレームと、前記他のフレームとが連結される、請求項3に記載のバイポーラ電池。 - 前記一のフレームおよび前記他のフレームは、前記連結部として、前記電池要素の積層方向に略垂直な方向の穴を有し、
棒状の支持体を前記穴に貫通させることによって、前記一のフレームと、前記他のフレームとが連結される、請求項3に記載のバイポーラ電池。 - 前記バイポーラ電極−フレーム複合体を構成する前記フレームは、外部支持体を用いて固定されることにより、前記電池要素の積層方向に隣接する他のバイポーラ電極−フレーム複合体を構成する前記フレームと連結される、請求項1〜6のいずれか1項に記載のバイポーラ電池。
- 前記バイポーラ電極−フレーム複合体において前記フレームと前記集電体とが隣接している部位、および/または前記フレームどうしが隣接している部位に、溝が設けられ、前記溝に、パッキンが配置されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のバイポーラ電池。
- 前記フレームどうしが隣接している部位に、緩衝材が配置されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載のバイポーラ電池。
- 前記フレームに、外部に通気させるための通気口が設けられている、請求項1〜9のいずれか1項に記載のバイポーラ電池。
- 前記導電性の材料は、金属材料である、請求項2〜10のいずれか1項に記載のバイポーラ電池。
- 前記金属材料は、ステンレス(SUS)、チタン、銅、またはアルミニウムである、請求項11に記載のバイポーラ電池。
- 前記緩衝材を構成する材料は、シリコンゴム、フッ素ゴム、またはエチレンプロピレンゴムである、請求項9〜12のいずれか1項に記載のバイポーラ電池。
- 前記正極層は、正極活物質としてLi−Mn系複合酸化物を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載のバイポーラ電池。
- 前記負極層は、負極活物質として結晶性炭素材または非結晶性炭素材を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載のバイポーラ電池。
- 請求項1〜15のいずれか1項に記載のバイポーラ電池を含む、組電池。
- 請求項1〜15のいずれか1項に記載のバイポーラ電池、または請求項16に記載の組電池を搭載する車両。
- 集電体の片面に正極層が形成され、他方の面に負極層が形成されてなるバイポーラ電極が、電解質層を介して積層されてなる電池要素を有するバイポーラ電池の製造方法であって、
連結可能な2枚のフレームにより、前記バイポーラ電極を挟持して、バイポーラ電極−フレーム複合体を作製する工程(1)と、
前記バイポーラ電極−フレーム複合体と、電解質層とを交互に積層して、積層体を作製する工程(2)と、
前記積層体の積層方向に隣接する前記フレームどうしを連結させて、前記電池要素を作製する工程(3)と、
を有する、バイポーラ電池の製造方法。 - 集電体の片面に正極層が形成され、他方の面に負極層が形成されてなるバイポーラ電極が、電解質層を介して積層されてなる電池要素を有するバイポーラ電池の製造方法であって、
連結可能な2枚のフレームにより、前記バイポーラ電極を挟持して、バイポーラ電極−フレーム複合体を作製する工程(1)と、
前記バイポーラ電極−フレーム複合体と、セパレータとを交互に積層して、積層体を作製する工程(2)と、
前記積層体の積層方向に隣接する前記フレームどうしを連結させる工程(3)と、
前記セパレータに、イオン伝導性高分子を含むゲル原料溶液を浸透させ、前記イオン伝導性高分子を重合させて、電池要素を作製する工程(4)と、
を有する、バイポーラ電池の製造方法。
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