JP2008021614A - 電池用電極 - Google Patents

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池において、導電助剤の使用量の増加に伴う体積あたりの容量の低下を最小限に抑制しつつ、出力特性を向上させうる手段を提供する。
【解決手段】集電体と、前記集電体上に形成され、平均粒子径が1μmを超え5μm以下であり、かつBET比表面積が1〜5m/gである活物質、および前記活物質100質量%に対して3〜50質量%の含量である導電助剤を含む活物質層とを含む、電池用電極である。
【選択図】図1

Description

本発明は、電池用電極に関する。特に本発明は、電池の出力特性を向上させるための改良に関する。
近年、大気汚染や地球温暖化に対処するため、二酸化炭素量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が盛んに行われている。
モータ駆動用二次電池としては、全ての電池の中で最も高い理論エネルギーを有するリチウムイオン二次電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。リチウムイオン二次電池は、一般に、バインダを用いて正極活物質等を正極集電体の両面に塗布した正極と、バインダを用いて負極活物質等を負極集電体の両面に塗布した負極とが、電解質層を介して接続され、電池ケースに収納される構成を有している。
上述したような自動車等のモータ駆動用電源として用いられるリチウムイオン二次電池には、携帯電話やノートパソコン等に使用される民生用リチウムイオン二次電池と比較して極めて高い出力特性を有することが求められており、かような要求に応えるべく鋭意研究開発が進められているのが現状である。
ここで、自動車への搭載を念頭にリチウムイオン二次電池の出力特性を向上させるための技術として、例えば、リチウムニッケルマンガン複合酸化物の粉末からなるリチウムイオン二次電池用正極活物質材料であって、リチウムニッケルマンガン複合酸化物の粉末粒子の平均粒子径が0.2μm以上5μm以下である、リチウムイオン二次電池用正極活物質材料が開示されている(特許文献1を参照)。
特開2003−68300号公報
上記特許文献1に記載の技術によれば、放電容量特性およびサイクル耐久性に優れるリチウムイオン二次電池が提供されうる。これは、正極活物質であるリチウムニッケルマンガン複合酸化物の平均粒子径が上記の値に制御されると、電解液と接触可能な正極活物質の表面積が増大する結果、充放電反応が充分に進行しうるためであると考えられる。
このように、電極の活物質層に含まれる活物質の粒子径をより減少させることは、電池の高出力化の観点からは好ましい。しかしながら、高出力化に寄与する導電ネットワークを効率的に構築させるためには、過剰量の導電助剤やバインダが必要となり、それにより電極の体積が増大し、体積あたりの容量が低下するという問題があった。また、特許文献1に記載のリチウムニッケルマンガン複合酸化物を用いた場合、電極の熱安定性が十分でないという問題もあった。
そこで本発明は、リチウムイオン二次電池において、導電助剤の使用量の増加に伴う体積あたりの容量の低下を最小限に抑制しつつ、熱安定性に優れかつ出力特性を向上させうる手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題に鑑み、鋭意研究を積み重ねた結果、平均粒子径が1μmを超え5μm以下でありかつBET比表面積が1〜5m/gである活物質を用い、さらに、活物質層中の導電助剤の量を前記活物質100質量%に対して3〜50質量%とした場合、電極の体積が低減でき、熱安定性に優れた電極が得られ、かつ電極体積あたりの出力を増大させることができることを見出した。
すなわち、本発明は、集電体と、前記集電体上に形成され、平均粒子径が1μmを超え5μm以下であり、かつBET比表面積が1〜5m/gである活物質、および前記活物質100質量%に対して3〜50質量%の含量である導電助剤を含む活物質層とを含む、電池用電極である。
本発明によれば、導電助剤やバインダの使用量の増加に伴う体積あたりの容量の低下を最小限に抑制しつつ、熱安定性に優れかつ出力特性を向上させうる電池用電極が提供されうる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(第1実施形態)
(構成)
本発明の第1は、集電体と、前記集電体上に形成され、平均粒子径が1μmを超え5μm以下であり、かつBET比表面積が1〜5m/gである活物質、および前記活物質100質量%に対して3〜50質量%の含量である導電助剤を含む活物質層とを含む、電池用電極である。
まず、本発明の電池用電極を用いた単電池の構造について、図面を参照して説明する。なお、本発明においては、説明の都合上、図面が誇張されており、本発明の技術的範囲は図面に掲示される形態に限定されない。また、図面以外の実施形態も採用されうる。
図1は、本発明の電池用電極を用いた単電池の一実施形態を示す断面図である。図1に示すように、単電池1は、集電体11の上に正極活物質層13が形成された正極と、別の集電体11の上に負極活物質層15が形成された負極とが、電解質層17を介して積層している構成を有する。
以下、本発明の電池用電極を用いた電池の構成の一実施形態について、図1を参照して説明する。本実施形態の電極は、正極および負極の双方の活物質層において、後述する導電助剤の含量、ならびに後述する活物質の平均粒子径およびBET比表面積が上述した所定の値である点に特徴を有する。集電体、活物質の種類、バインダ、支持塩(リチウム塩)、電解質、その他必要に応じて添加される化合物の選択について、特に制限はない。使用用途に応じて、従来公知の知見を適宜参照することにより、選択すればよい。以下、本発明に用いられる電極を構成する部材について、詳細に説明する。
[集電体]
集電体11は、アルミニウム箔、ニッケル箔、銅箔、ステンレス(SUS)箔、およびこれらの合金など、導電性の材料から構成される。集電体の一般的な厚さは、1〜30μmである。ただし、この範囲を外れる厚さの集電体を用いてもよい。
集電体の大きさは、電池の使用用途に応じて決定される。大型の電池に用いられる大型の電極を作製するのであれば、面積の大きな集電体が用いられる。小型の電極を作製するのであれば、面積の小さな集電体が用いられる。
[活物質層]
集電体11上には、活物質層(13、15)が形成される。活物質層(13、15)は、充放電反応の中心を担う活物質を含む層である。本発明においては、正極活物質層13もしくは負極活物質層15のいずれか一方または双方において、平均粒子径が1μmを超え5μm以下であり、かつBET比表面積が1〜5m/gである活物質、および前記活物質100質量%に対して3〜50質量%の含量である導電助剤を含む。本発明の電極が正極として用いられる場合には、活物質層は正極活物質を含む。一方、本発明の電極が負極として用いられる場合には、活物質層は負極活物質を含む。
正極活物質としては、例えば、リチウム−マンガン複合酸化物、リチウム−ニッケル複合酸化物、リチウム−コバルト複合酸化物、リチウム含有鉄酸化物、リチウム−ニッケル−コバルト複合酸化物、リチウム−マンガン−コバルト複合酸化物、リチウム−ニッケル−マンガン−コバルト複合酸化物、リチウム−金属リン酸化合物、およびリチウム−遷移金属硫酸化合物などが例示される。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。
負極活物質としては、例えば、黒鉛、非晶質炭素などの炭素材料、リチウム−遷移金属化合物、金属材料、ならびにリチウムアルミニウム合金、リチウムスズ合金、およびリチウムケイ素合金などのリチウム合金などが例示される。場合によっては、2種以上の負極活物質が併用されてもよい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池の単電池において、正極活物質層13に含まれる正極活物質の平均粒子径は1μmを超え5μm以下である。当該平均粒子径は、好ましくは1μmを超えて3μm以下である。当該平均粒子径が1μm以下の場合、活物質の凝集が発生し、活物質の反応表面積が小さくなる場合があり、5μmを超えるとリチウムイオンの拡散速度が遅くなる場合がある。なお、本願において、活物質の平均粒子径とは、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定した50%累積粒子径の値を採用するものとする。
一方、本実施形態のリチウムイオン二次電池の単電池において、負極活物質層13に含まれる負極活物質の平均粒子径は1μmを超え5μm以下である。当該平均粒子径は、好ましくは1μmを超えて3μm以下である。当該平均粒子径が1μm以下の場合、活物質の凝集が発生し、活物質の反応表面積が小さくなる場合があり、5μmを超えるとリチウムイオンの拡散速度が遅くなる場合がある。
本実施形態の電極は、正極および負極の双方の活物質層において、平均粒子径が1μmを超え5μm以下であり、かつBET比表面積が1〜5m/gである活物質、および前記活物質100質量%に対して3〜50質量%の含量である導電助剤を含むが、本発明の技術的範囲はかような形態のみには制限されず、正極または負極のいずれか一方のみが上述した活物質および導電助剤を含む形態もまた、包含しうる。
また、前記活物質のBET比表面積は1〜5m/gである。BET比表面積が1m/g未満の場合、活物質の反応表面積が小さくなり、BET比表面積が5m/gを超えると、電極を作成する際に必要となるバインダが大量に必要となるため好ましくない。電池の反応抵抗の低減およびエネルギー密度向上の観点から、前記活物質のBET比表面積は、好ましくは2〜4m/gである。
また、前記活物質層には、導電助剤が含まれる。導電助剤は、活物質層の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。導電助剤の例としては、黒鉛、カーボンブラック、カーボンファイバ、アセチレンブラック、チタン酸カリウム、炭化チタン、二酸化チタン、炭化ケイ素、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、二酸化錫、および酸化インジウムなどが挙げられる。
前記導電助剤の含有量は、前記活物質100質量%に対して3〜50質量%である。導電助剤の含有量が3質量%未満であると、活物質の導電性が不足する場合があり、導電助剤の含有量が50質量%を超えると、エネルギー密度が低くなる場合があるため、好ましくない。導電性、エネルギー密度の観点から前記導電助剤の含有量は好ましくは5〜30質量%、より好ましくは7〜15質量%である。
活物質層(13、15)には、必要であれば、その他の物質が含まれてもよい。例えば、バインダ、支持塩(リチウム塩)、イオン伝導性ポリマー等が含まれうる。また、イオン伝導性ポリマーが含まれる場合には、前記ポリマーを重合させるための重合開始剤が含まれてもよい。
バインダとは、活物質層において、複数の前記塊状多孔質体を結着させる役割を果たすために配合される添加物をいう。バインダの具体的な例としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ酢酸ビニル、ポリイミド、ユリア樹脂などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂、ブチルゴム、スチレン系ゴムなどのゴム系材料が好ましく挙げられる。
支持塩(リチウム塩)としては、Li(CSON、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO等が挙げられる。
イオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)系およびポリプロピレンオキシド(PPO)系のポリマーが挙げられる。ここで、前記ポリマーは、本発明の電極が採用される電池の電解質層において用いられるイオン伝導性ポリマーと同じであってもよく、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
重合開始剤は、イオン伝導性ポリマーの架橋性基に作用して、架橋反応を進行させるために配合される。開始剤として作用させるための外的要因に応じて、光重合開始剤、熱重合開始剤などに分類される。重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)や、光重合開始剤であるベンジルジメチルケタール(BDK)等が挙げられる。
活物質層(13、15)に含まれる、導電助剤以外の成分の配合比は、特に限定されず、リチウムイオン二次電池についての公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。
活物質層(13、15)の厚さについても特に制限はなく、リチウムイオン二次電池についての従来公知の知見が適宜参照されうる。一例を挙げると、活物質層(13、15)の厚さは、好ましくは10〜100μm程度であり、より好ましくは10〜50μmである。活物質層(13、15)が10μm程度以上であれば、電池容量が充分に確保されうる。一方、活物質層(13、15)が100μm程度以下であれば、電極深部(集電体側)にリチウムイオンが拡散しにくくなることに伴う内部抵抗の増大という問題の発生が抑制されうる。
(製造方法)
続いて、本発明の電池用電極の製造方法を説明する。
まず、図1に示す形態の電池用電極1の製造方法について説明する。
本発明の電極は、例えば、活物質および導電助剤を溶媒に添加することにより、活物質スラリーを調製し(活物質スラリー調製工程)、この活物質スラリーを集電体の表面に塗布し、乾燥させることにより塗膜を形成し(塗膜形成工程)、前記塗膜形成工程を経て作製された積層体を積層方向にプレスする(プレス工程)ことにより、製造されうる。活物質スラリーにイオン伝導性ポリマーが添加され、当該イオン伝導性ポリマーを架橋させる目的で重合開始剤がさらに添加される場合には、塗膜形成工程における乾燥と同時に、または当該乾燥の前もしくは後に、重合処理を施してもよい(重合工程)。
以下、かような製造方法について、工程順に詳細に説明するが、下記の形態のみには制限されない。
[活物質スラリー調製工程]
本工程においては、所望の活物質、所望の導電助剤、および必要に応じて他の成分(例えば、バインダ、イオン伝導性ポリマー、支持塩(リチウム塩)、重合開始剤など)を、溶媒中で混合して、活物質スラリーを調製する。この活物質スラリー中に配合される各成分の具体的な形態については、上記の本発明の電極の構成の欄において説明した通りであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
溶媒の種類や混合手段は特に制限されず、電極製造について従来公知の知見が適宜参照されうる。溶媒の一例を挙げると、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルホルムアミドなどが用いられうる。バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を採用する場合には、NMPを溶媒として用いるとよい。
[塗膜形成工程]
続いて、集電体を準備し、上記で調製した活物質スラリーを当該集電体の表面に塗布し、乾燥させる。これにより、集電体の表面に活物質スラリーからなる塗膜が形成される。この塗膜は、後述するプレス工程を経て、活物質層となる。
準備する集電体の具体的な形態については、上記の本発明の電極の構成の欄において説明した通りであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
活物質スラリーを塗布するための塗布手段も特に限定されないが、例えば、自走型コータなどの一般的に用いられている手段が採用されうる。
塗膜は、製造される電極における集電体と活物質層との所望の配置形態に応じて、形成される。例えば、製造される電極が双極型電極の場合、集電体の一方の面には正極活物質を含む塗膜が形成され、他方の面には負極活物質を含む塗膜が形成される。これに対し、双極型でない電極を製造する場合には、正極活物質または負極活物質のいずれか一方を含む塗膜が1枚の集電体の両面に形成される。
その後、集電体の表面に形成された塗膜を乾燥させる。これにより、塗膜中の溶媒が除去される。
塗膜を乾燥させるための乾燥手段も特に制限されず、電極製造について従来公知の知見が適宜参照されうる。例えば、加熱処理が例示される。乾燥条件(乾燥時間、乾燥温度など)は、活物質スラリーの塗布量やスラリーの溶媒の揮発速度に応じて適宜設定されうる。
塗膜が重合開始剤を含む場合には、さらに重合工程を行うことで、塗膜中のイオン伝導性ポリマーが架橋性基によって架橋される。
重合工程における重合処理も特に制限されることはなく、従来公知の知見を適宜参照すればよい。例えば、塗膜が熱重合開始剤(AIBNなど)を含む場合には、塗膜に熱処理を施す。また、塗膜が光重合開始剤(BDKなど)を含む場合には、紫外光などの光を照射する。なお、熱重合のための熱処理は、上記の乾燥工程と同時に行われてもよいし、当該乾燥工程の前または後に行われてもよい。
[プレス工程]
続いて、前記塗膜形成工程を経て作製された積層体を積層方向にプレスする。これにより、本発明の電池用電極が完成する。この際、プレス条件を調節することにより、活物質層の空隙率が制御されうる。
プレス処理の具体的な手段やプレス条件は特に制限されず、プレス処理後の活物質層の空隙率が所望の値となるように、適宜調節されうる。プレス処理の具体的な形態としては、例えば、ホットプレス機やカレンダーロールプレス機などが挙げられる。また、プレス条件(温度、圧力など)も特に制限されず、従来公知の知見が適宜参照されうる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、上記の第1実施形態の電池用電極を用いて、リチウムイオン二次電池を構成する。すなわち、本発明の第2は、正極、電解質層、および負極がこの順に積層されてなる少なくとも1つの単電池層を含むリチウムイオン二次電池であって、前記正極または前記負極の少なくとも一方が本発明の電池用電極である、リチウムイオン二次電池である。本発明の電極は、正極、負極、双極型電極のいずれにも適用されうる。本発明の電極を、少なくとも1つの電極として含むリチウムイオン二次電池は、本発明の技術的範囲に属する。ただし、好ましくは、リチウムイオン二次電池を構成する電極の全てが本発明の電極である。かような構成を採用することにより、リチウムイオン二次電池の出力特性を効果的に向上させうる。
本発明の電池は、双極型のリチウムイオン二次電池(以下、「双極型電池」とも称する)でありうる。図2は、双極型電池である、本発明の第3のリチウムイオン二次電池を示す断面図である。以下、図2に示す双極型電池を例に挙げて詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はかような形態のみに制限されない。
図2に示す本実施形態の双極型電池10は、実際に充放電反応が進行する略矩形の電池要素21が、外装であるラミネートシート29の内部に封止された構造を有する。
図2に示すように、本実施形態の双極型電池10の電池要素21は、正極活物質層13と、負極活物質層15とが集電体11のそれぞれの面に形成された双極型電極(図示せず)を複数個有する。各双極型電極は、電解質層17を介して積層されて電池要素21を形成する。この際、一の双極型電極の正極活物質層13と前記一の双極型電極に隣接する他の双極型電極の負極活物質層15とが電解質層17を介して向き合うように、各双極型電極および電解質層17が積層されている。
そして、隣接する正極活物質層13、電解質層17、および負極活物質層15は、一つの単電池層19を構成する。したがって、双極型電池10は、単電池層19が積層されてなる構成を有するともいえる。また、単電池層19の外周には、隣接する集電体11間を絶縁するための絶縁層31が設けられている。なお、電池要素21の最外層に位置する集電体(最外層集電体)(11a、11b)には、片面のみに、正極活物質層13(正極側最外層集電体11a)または負極活物質層15(負極側最外層集電体11b)のいずれか一方が形成されている。
さらに、図2に示す双極型電池10では、正極側最外層集電体11aが延長されて正極タブ25とされ、外装であるラミネートシート29から導出している。一方、負極側最外層集電体11bが延長されて負極タブ27とされ、同様にラミネートシート29から導出している。
以下、本実施形態の双極型電池10を構成する部材について簡単に説明する。ただし、電極を構成する成分については上記で説明した通りであるため、ここでは説明を省略する。また、本発明の技術的範囲が下記の形態のみに制限されることはなく、従来公知の形態が同様に採用されうる。
[電解質層]
電解質層17を構成する電解質としては、液体電解質またはポリマー電解質が用いられうる。
液体電解質は、可塑剤である有機溶媒に支持塩であるリチウム塩が溶解した形態を有する。可塑剤として用いられうる有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)やプロピレンカーボネート(PC)等のカーボネート類が例示される。また、支持塩(リチウム塩)としては、LiBETI等の電極の活物質層に添加されうる化合物が同様に採用されうる。
一方、ポリマー電解質は、電解液を含むゲル電解質と、電解液を含まない真性ポリマー電解質に分類される。
ゲル電解質は、イオン伝導性ポリマーからなるマトリックスポリマーに、上記の液体電解質が注入されてなる構成を有する。マトリックスポリマーとして用いられるイオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、およびこれらの共重合体等が挙げられる。かようなポリアルキレンオキシド系高分子には、リチウム塩などの電解質塩がよく溶解しうる。
なお、電解質層17が液体電解質やゲル電解質から構成される場合には、電解質層17にセパレータを用いてもよい。セパレータの具体的な形態としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンからなる微多孔膜が挙げられる。
真性ポリマー電解質は、上記のマトリックスポリマーに支持塩(リチウム塩)が溶解してなる構成を有し、可塑剤である有機溶媒を含まない。従って、電解質層17が真性ポリマー電解質から構成される場合には電池からの液漏れの心配がなく、電池の信頼性が向上しうる。
ゲル電解質や真性ポリマー電解質のマトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。架橋構造を形成させるには、適当な重合開始剤を用いて、高分子電解質形成用の重合性ポリマー(例えば、PEOやPPO)に対して熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合等の重合処理を施せばよい。
[絶縁層]
双極型電池10においては、通常、各単電池層19の周囲に絶縁層31が設けられる。この絶縁層31は、電池内で隣り合う集電体11同士が接触したり、電池要素21における単電池層19の端部の僅かな不ぞろいなどによる短絡が起きたりするのを防止する目的で設けられる。かような絶縁層31の設置により、長期間の信頼性および安全性が確保され、高品質の双極型電池10が提供されうる。
絶縁層31としては、絶縁性、固体電解質の脱落に対するシール性や外部からの水分の透湿に対するシール性(密封性)、電池動作温度下での耐熱性などを有するものであればよく、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゴムなどが用いられうる。なかでも、耐蝕性、耐薬品性、作り易さ(製膜性)、経済性などの観点から、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。
[タブ]
双極型電池10においては、電池外部に電流を取り出す目的で、最外層集電体(11a、11b)に電気的に接続されたタブ(正極タブ25および負極タブ27)が外装の外部に取り出される。具体的には、正極用最外層集電体11aに電気的に接続された正極タブ25と、負極用最外層集電体11bに電気的に接続された負極タブ27とが、外装の外部に取り出される。
タブ(正極タブ25および負極タブ27)の材質は、特に制限されず、双極型電池用のタブとして従来用いられている公知の材質が用いられうる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等が例示される。なお、正極タブ25と負極タブ27とでは、同一の材質が用いられてもよいし、異なる材質が用いられてもよい。なお、本実施形態のように、最外層集電体(11a、11b)を延長することによりタブ(25、27)としてもよいし、別途準備したタブを最外層集電体に接続してもよい。
[外装]
双極型電池10においては、使用時の外部からの衝撃や環境劣化を防止するために、電池要素21は、好ましくはラミネートシート29などの外装内に収容される。外装としては特に制限されず、従来公知の外装が用いられうる。自動車の熱源から効率よく熱を伝え、電池内部を迅速に電池動作温度まで加熱しうる点で、好ましくは、熱伝導性に優れた高分子−金属複合ラミネートシート等が用いられうる。
(第3実施形態)
第3実施形態では、上記の第2実施形態の双極型電池を複数個、並列および/または直列に接続して、組電池を構成する。
図3は、本実施形態の組電池を示す斜視図である。
図3に示すように、組電池40は、上記の第2実施形態に記載の双極型電池が複数個接続されることにより構成される。各双極型電池10の正極タブ25および負極タブ27がバスバーを用いて接続されることにより、各双極型電池10が接続されている。組電池40の一の側面には、組電池40全体の電極として、電極ターミナル(42、43)が設けられている。
組電池40を構成する複数個の双極型電池10を接続する際の接続方法は特に制限されず、従来公知の手法が適宜採用されうる。例えば、超音波溶接、スポット溶接などの溶接を用いる手法や、リベット、カシメなどを用いて固定する手法が採用されうる。かような接続方法によれば、組電池40の長期信頼性が向上しうる。
本実施形態の組電池40によれば、組電池40を構成する個々の双極型電池10が出力特性に優れることから、出力特性に優れる組電池が提供されうる。
なお、組電池40を構成する双極型電池10の接続は、複数個全て並列に接続してもよく、また、複数個全て直列に接続してもよく、さらに、直列接続と並列接続とを組み合わせてもよい。
(第4実施形態)
第4実施形態では、上記の第2実施形態の双極型電池10、または第3実施形態の組電池40をモータ駆動用電源として搭載して、車両を構成する。双極型電池10または組電池40をモータ用電源として用いる車両としては、例えば、ガソリンを用いない完全電気自動車、シリーズハイブリッド自動車やパラレルハイブリッド自動車などのハイブリッド自動車、および燃料電池自動車などの、車輪をモータによって駆動する自動車が挙げられる。
参考までに、図4に、組電池40を搭載する自動車50の概略図を示す。自動車50に搭載される組電池40は、上記で説明したような特性を有する。このため、組電池40を搭載する自動車50は出力特性に優れている。
以上のように、本発明の幾つかの好適な実施形態について示したが、本発明は、以上の実施形態に限られるものではなく、当業者によって種々の変更、省略、および追加が可能である。例えば、上記の第2実施形態では双極型のリチウムイオン二次電池(双極型電池)を例に挙げて説明したが、本発明の電池の技術的範囲が双極型電池のみに制限されることはなく、例えば、双極型でないリチウムイオン二次電池であってもよい。参考までに、図5に、双極型でないリチウムイオン二次電池60の概要を示す断面図を示す。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
<実施例1>
(正極の作製)
正極活物質として平均粒子径D50(50%累積粒子径)が4.9μmであり、BET比表面積が1.1m/gであるリチウムマンガン複合酸化物(85質量%)、導電助剤としてカーボンブラック(5質量%)、およびバインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)(10質量%)を用意した。
分散用ミキサーに、純度99.9%の無水NMPを入れ、次にPVdFを投入し、NMPに十分に溶解させた。その後前記リチウムマンガン複合酸化物およびカーボンブラックを少しずつ加え、NMPになじませた。次に、NMPを加えて粘度を調節し、スラリー(以下、正極スラリーと称する)とした。
上記で調製した正極スラリーを、正極集電体としてのアルミニウム箔(厚さ:20μm)上にドクターブレード法で塗布し、ホットスターラー上で乾燥させて、積層体を得た。次いで、得られた積層体を、ロールプレス機を用いてプレスし、正極活物質層の膜厚を15μmとした。
集電体に出力端子を接続して、試験用正極を作製した。
(電解液の調製)
エチレンカーボネート(EC)、およびプロピレンカーボネート(PC)を1:1体積比で混合し、電解液の可塑剤(有機溶媒)とした。次いで、この可塑剤に、リチウム塩であるLiPFを1Mの濃度になるように添加して、電解液を調製した。
(評価用電池の作製)
上記で作製した試験用正極を15mmの直径で、負極である金属Liを16mmの直径でそれぞれ打ち抜き、試験用電極を作製した。これらの試験用電極で、リチウムイオン電池用セパレータであるポリエチレン製微多孔膜(厚さ:25μm、直径18mm)を挟持した。次いで得られた挟持体を三方シール済みの外装材であるアルミラミネートパック中に挿入した。その後、前記アルミラミネートパック中に上記で調製した電解液を注入し、パックから出力端子が露出するようにパックを真空シールして、評価用ラミネート電池を完成させた。
<実施例2>
リチウムマンガン複合酸化物とカーボンブラックとPVdFとの質量比を80:10:10とした以外は、実施例1と同様の方法で評価用ラミネート電池を作製した。
<実施例3>
リチウムマンガン複合酸化物とカーボンブラックとPVdFとの質量比を70:20:10とした以外は、実施例1と同様の方法で評価用ラミネート電池を作製した。
<実施例4>
正極活物質として平均粒子径D50(50%累積粒子径)が3.2μmであり、BET比表面積が2.0m/gであるリチウムマンガン複合酸化物を用い、正極活物質層の膜厚を30μmとした以外は、実施例1と同様の方法で評価用ラミネート電池を作製した。
<実施例5>
正極活物質として平均粒子径D50(50%累積粒子径)が2.3μmであり、BET比表面積が3.2m/gであるリチウムマンガン複合酸化物を用い、リチウムマンガン複合酸化物とカーボンブラックとPVdFとの質量比を80:10:10とし、正極活物質層の膜厚を30μmとした以外は、実施例1と同様の方法で、評価用ラミネート電池を作製した。
<実施例6>
正極活物質として平均粒子径D50(50%累積粒子径)が1.5μmであり、BET比表面積が3.5m/gであるリチウムマンガン複合酸化物を用い、リチウムマンガン複合酸化物とカーボンブラックとPVdFとの質量比を70:20:10とした以外は、実施例1と同様の方法で、評価用ラミネート電池を作製した。
<比較例1>
正極活物質として平均粒子径D50(50%累積粒子径)が10.5μmであり、BET比表面積が0.8m/gであるリチウムマンガン複合酸化物を用い、リチウムマンガン複合酸化物とカーボンブラックとPVdFとの質量比を80:10:10とした以外は、実施例1と同様の方法で、評価用ラミネート電池を作製した。
<比較例2>
リチウムマンガン複合酸化物とPVdFとの質量比を90:10とした以外は、実施例1と同様の方法で、評価用ラミネート電池を作製した。
<比較例3>
正極活物質として平均粒子径D50(50%累積粒子径)が0.7μmであり、BET比表面積が5.5m/gであるリチウムマンガン複合酸化物を用い、リチウムマンガン複合酸化物とカーボンブラックとPVdFとの質量比を70:20:10とし、正極活物質層の膜厚を30μmとした以外は、実施例1と同様の方法で、評価用ラミネート電池を作製した。
<比較例4>
リチウムマンガン複合酸化物とカーボンブラックとPVdFとの質量比を50:30:20とした以外は、実施例1と同様の方法で、評価用ラミネート電池を作製した。
<評価用ラミネート電池の電池特性の評価>
(容量維持率の算出)
上記の各実施例で作製したラミネート電池を用いて、温度20℃、電流値0.2C=100μA、および電流値50C=25mAの条件下で、それぞれ放電容量を測定した。得られた電流値50C時の放電容量を電流値0.2C時の放電容量で割り、容量維持率とした。
(正極体積あたりの放電容量の算出)
充放電特性測定で得られた放電容量の値を各電池の正極の体積で割った各電池の値を正極体積あたりの容量とした。結果を下記の表1に示す。
Figure 2008021614
上記の表1から示されるように、容量維持率および正極体積あたりの容量はすべての実施例で高い値を示し、特に活物質の粒子径が1μmを超えて3μm以下の範囲、およびBET比表面積が2〜4m/gの範囲で、容量維持率および正極体積当たりの容量が高くなることがわかった。一方、正極活物質の粒径およびBET比表面積が本発明の範囲外である比較例1および3では、容量維持率が低い値となった。また、導電助剤を含まない比較例2では容量維持率が極端に低く、導電助剤の量が多すぎる比較例4では正極体積当たりの放電容量が低い結果となった。
<実施例7>
正極活物質として平均粒子径D50(50%累積粒子径)が4.9μmであり、BET比表面積が1.1m/gであるリチウムマンガン複合酸化物(80質量%)、導電助剤としてカーボンブラック(10質量%)、およびバインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)(10質量%)を用い、負極を下記の方法で作製した以外は、実施例1と同様の方法で評価用ラミネート電池を作製した。
(負極の作製)
負極活物質であるハードカーボン(平均粒子径:10μm)(90質量%)およびバインダであるPVdF(10質量%)からなる固形分に対し、スラリー粘度調製溶媒であるNMPを適量添加して、負極活物質スラリーを調製した。
上記で調製した負極活物質スラリーを、負極集電体としての銅箔上にバーコータを用いて塗布し、乾燥させて負極電極を得た。次いで、得られた負極電極をプレス機を用いてプレスし、集電体に出力端子を接続して、試験用負極を作製した。
<実施例8>
正極活物質として平均粒子径D50(50%累積粒子径)が3.2μmであり、BET比表面積が2.0m/gであるリチウムマンガン複合酸化物を用いた以外は、実施例7と同様の方法で、評価用ラミネート電池を作製した。
<実施例9>
正極活物質として平均粒子径D50(50%累積粒子径)が2.3μmであり、BET比表面積が3.2m/gであるリチウムマンガン複合酸化物を用いた以外は、実施例7と同様の方法で、評価用ラミネート電池を作製した。
<実施例10>
正極活物質として平均粒子径D50(50%累積粒子径)が1.2μmであり、BET比表面積が3.9m/gであるリチウムマンガン複合酸化物を用いた以外は、実施例7と同様の方法で、評価用ラミネート電池を作製した。
<比較例5>
正極活物質として平均粒子径D50(50%累積粒子径)が10.5μmであり、BET比表面積が0.8m/gであるリチウムマンガン複合酸化物を用いた以外は、実施例7と同様の方法で、評価用ラミネート電池を作製した。
<比較例6>
正極活物質として平均粒子径D50(50%累積粒子径)が0.7μmであり、BET比表面積が5.5m/gであるリチウムマンガン複合酸化物を用いた以外は、実施例7と同様の方法で、ラミネート電池を作製した。
(充放電試験)
実施例7〜10、および比較例5〜6で作製した電池を用いて、以下の方法により充放電試験を行った。
2Cの定電流にて初充電を行い、0.5Cの定電流にて放電後、1Cの定電流にて10サイクルの充放電試験を行った。その後、1Cでの電池抵抗を測定した。比較例5を100としたときの、各電池の電池抵抗の相対値を算出した。結果を下記の表2に示す。
Figure 2008021614
上記の表2に示されるように、電池抵抗はすべての実施例で比較例より低い値を示し、特に活物質の粒子径が1μmを超えて3μm以下の範囲で、電池抵抗が低いことがわかった。比較例6は、実施例10よりも正極活物質の粒子径が小さいが、電池抵抗は大きく上昇することがわかった。これは、比較例2の正極活物質の比表面積が大きいため、表面エネルギーが大きくなり、活物質同士が凝集しやすく、正極中の導電助剤であるカーボンブラックの量が正極活物質に対して不足しているためと考えられる。
上記のように、実施例の本発明の電極は、優れた電池特性を示すことがわかった。特に、正極活物質の粒子径を1μmを超えて5μm以下とし、かつBET比表面積を1〜5m/gとすることによって、出力特性が良好な電池が得られることがわかった。
本発明の電池用電極は、自動車等のモータ駆動用電源として用いられるリチウムイオン二次電池で、好適に用いられる。
本発明の電池用電極の一実施形態(第1実施形態)を示す断面図である。 第2実施形態の双極型電池の好ましい一実施形態を示す断面図である。 第3実施形態の組電池を示す斜視図である。 第3実施形態の組電池を搭載する第4実施形態の自動車の概略図である。 双極型でないリチウムイオン二次電池の概要を示す断面図である。
符号の説明
1 双極型電池、
11 集電体、
13 正極活物質層、
15 負極活物質層、
17 電解質層、
19 単電池層、
21 電池要素、
25 正極端子、
27 負極端子、
29 ラミネートシート、
31 絶縁層、
33 正極集電体、
35 負極集電体、
40 組電池、
42、43 電極ターミナル、
50 自動車、
60 双極型でないリチウムイオン二次電池。

Claims (12)

  1. 集電体と、
    前記集電体上に形成され、平均粒子径が1μmを超え5μm以下であり、かつBET比表面積が1〜5m/gである活物質、および前記活物質100質量%に対して3〜50質量%の含量である導電助剤を含む活物質層と、
    を含む、電池用電極。
  2. 前記活物質の平均粒子径が3μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の電池用電極。
  3. 前記活物質のBET比表面積が2〜4m/gであることを特徴とする、請求項1または2に記載の電池用電極。
  4. 前記活物質がリチウム−マンガン複合酸化物、リチウム−ニッケル複合酸化物、リチウム−コバルト複合酸化物、リチウム−マンガン−ニッケル−コバルト複合酸化物、リチウム含有鉄酸化物、黒鉛、および非晶質炭素からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電池用電極。
  5. 前記導電助剤がカーボン、カーボンファイバ、チタン酸カリウム、炭化チタン、二酸化チタン、炭化ケイ素、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、二酸化錫、および酸化インジウムからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電池用電極。
  6. 前記集電体が、アルミニウム、ニッケル、銅、ステンレス(SUS)、およびこれらの合金からなる群より選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電池用電極。
  7. 前記活物質層が、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ酢酸ビニル、ポリイミド、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ブチルゴム、およびスチレン系ゴムからなる群より選択される少なくとも1種のバインダをさらに含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電池用電極。
  8. 正極、電解質層、および負極がこの順に積層されてなる少なくとも1つの単電池層を含むリチウムイオン二次電池であって、
    前記正極または前記負極の少なくとも一方が、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電池用電極である、リチウムイオン二次電池。
  9. 前記電解質層が、液体電解質、ゲル電解質、または真性ポリマー電解質を含む、請求項8に記載のリチウムイオン二次電池。
  10. 双極型リチウムイオン二次電池である、請求項8または9に記載のリチウムイオン二次電池。
  11. 請求項8〜10のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池を用いた組電池。
  12. 請求項8〜10のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池、または請求項11に記載の組電池をモータ駆動用電源として搭載した車両。
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