JP5573922B2 - 電池用電極の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電池用電極に関する。特に本発明は、電池用電極の出力特性を向上させるための改良に関する。
近年、大気汚染や地球温暖化に対処するため、二酸化炭素量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が盛んに行われている。
モータ駆動用二次電池としては、全ての電池の中で最も高い理論エネルギーを有するリチウムイオン二次電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。リチウムイオン二次電池は、一般に、バインダを用いて正極活物質等を正極集電体の両面に塗布した正極と、バインダを用いて負極活物質等を負極集電体の両面に塗布した負極とが、電解質層を介して接続され、電池ケースに収納される構成を有している(例えば、特許文献1を参照)
特開2003−7345号公報
従来、リチウムイオン二次電池の電極を製造する際には、活物質やバインダなどを含む活物質スラリーを調製し、これを集電体の表面に塗布することによって、均一な組成を有する活物質層を形成するのが一般的である。
かような手法により作製された電極を備える電池の充放電を行うと、それほど高くない出力で充放電を行う場合には、均一な組成を有する活物質層においても均一に充放電反応が進行しうる。
しかしながら、電池に対する高性能化の要求に呼応して、より高い出力で電池の充放電を行うと、均一な組成を有する活物質層では、集電体からの電子の活物質への伝導と、電解質層または活物質層に存在するリチウムイオンの活物質への伝導が両立しない虞がある。すなわち、均一な組成を有する活物質層において、活物質層の密度が比較的小さいと、活物質層中の活物質どうしが充分に接触できないため、活物質層における電子伝導が充分に行われない。この問題を解消するためには、導電助剤を添加するのが一般的である。
導電助剤の添加によれば、活物質層における電子伝導は確保される。しかしながら、導電助剤の添加によって、逆にリチウムイオン伝導が阻害されてしまうという問題がある。また、現在では電池の出力密度を向上させるという観点から、活物質層を作製した電極をプレスする場合があるが、かようなプレス処理によって活物質層の密度を一律に大きくすると、同様にリチウムイオンの伝導経路が充分に確保されないという問題が生じる虞がある。
このように、電池用電極の活物質層において、電子伝導の確保とリチウムイオン伝導の確保とはトレードオフの関係にあり、活物質層全体の密度を一律にコントロールするのみではこの問題を解決するのは困難なのが現状である。なお、より一層の高出力化を念頭に開発が進められているバイポーラ電池において、上記のような問題は顕著である。
そこで本発明は、高出力条件下において用いられうる電池用電極において、電子伝導およびリチウムイオン伝導の双方を充分に確保しうる手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った。そしてその際に、電極の活物質層の密度を様々に制御することを試みた。その結果、電極の活物質層において、比較的密度の小さい領域と比較的密度の大きい領域とを併存させることで、上記のトレードオフの関係にあった問題の解決が図られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、集電体と、前記集電体の表面に形成された、活物質を含む活物質層と、を有する電池用電極であって、前記活物質層において、比較的密度の小さい低密度領域と、比較的密度の大きい高密度領域とが存在することを特徴とする、電池用電極である。
本発明の電池用電極の活物質層には、密度の小さい領域と密度の大きい領域とが併存している。これにより、活物質層における電子伝導とリチウムイオン伝導との双方が充分に確保されうる。従って、本発明の電極は、電池の出力特性の向上に寄与しうる。
本発明の電池用電極の一実施形態(第1実施形態)を示す概略断面図である。 本発明の電池用電極の一実施形態を示す平面図である。 本発明の電池用電極の他の実施形態を示す平面図である。 本発明の電池用電極のさらに他の実施形態を示す概略断面図である。 第2実施形態のバイポーラ電池の好ましい一実施形態を示す断面図である。 第3実施形態の組電池を示す斜視図である。 第3実施形態の組電池を搭載する第4実施形態の自動車の概略図である。 バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池の概要を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、下記の形態のみに制限されることはない。
(第1実施形態)
(構成)
本発明は、集電体と、前記集電体の表面に形成された、活物質を含む活物質層と、を有する電池用電極であって、前記活物質層において、比較的密度の小さい低密度領域と、比較的密度の大きい高密度領域とが存在することを特徴とする、電池用電極である。
以下、本発明の電池用電極の構造について、図面を参照して説明する。なお、本発明においては、説明の都合上、図面が誇張されており、本発明の技術的範囲は、図面に掲示する形態に限定されない。また、図面以外の実施形態も採用されうる。
図1は、本発明の電池用電極の一実施形態を示す概略断面図である。図1に示す形態の電池用電極1は、集電体2の一方の面に活物質層3が形成されてなる電極である。なお、後述するように、電池用電極の組成は主に、電極活物質、導電助剤(特に、正極)およびバインダである。
本発明の電池用電極(以下、単に「電極」とも称する)1は、図1に示すように、活物質層3において、活物質4や導電助剤(図示せず)、バインダ(図示せず)などが詰まっていない、比較的密度の小さい低密度領域(以下、「LD領域」とも称する)と、上記の成分が詰まった、比較的密度の大きい高密度領域(以下、「HD領域」とも称する)とが存在する点に特徴を有する。
図1に示す形態においては、LD領域の厚さが、HD領域の厚さよりも大きい。また、図1に示す形態においては、LD領域とHD領域とが交互に存在している。図1に示すように、LD領域とHD領域とが交互に存在する形態としては、特に制限されないが、例えば、図2や図3に示す形態が挙げられる。図2および図3は、本発明の電極を電解質層側(集電体とは反対の側)から見た平面図である。図2に示す形態においては、正方形状のHD領域が、所定の間隔を置いて存在している。また、図3に示す形態においては、円状のHD領域が、同じく所定の間隔を置いて存在している。換言すれば、本発明の好ましい形態においては、LD領域またはHD領域の少なくとも一方が、規則的かつ周期的に存在する。なお、「規則的かつ周期的に存在する」とは、LD領域またはHD領域がある規則に従って配置され、さらにその規則が繰り返されて配置されることを意味する。この際、具体的な周期については特に制限されないが、本発明の作用効果を充分に得るという観点からは、LD領域および/またはHD領域の存在する周期は、好ましくは1mm以下であり、より好ましくは300μm以下であり、さらに好ましくは100μm以下である。
図4は、本発明の電極の他の実施形態を示す概略断面図である。図4に示す形態の電池用電極も、集電体2の一方の面に活物質層3が形成されてなり、LD領域とHD領域とが交互に存在している点では、図1に示す形態の電極と同様である。
ただし、図4に示す形態の電極は、図1に示す形態の電極とは異なり、LD領域とHD領域との厚さが略同一である。図4に示す形態の電極において、LD領域とHD領域とが交互に存在する形態も特に制限されないが、図1に示す形態の電極について上記で説明した図2や図3に示す形態が同様に例示されうる。
本発明の電極において、LD領域やHD領域は、図2や図3に示すように点在していてもよいが、直線状や網状に存在していてもよい。かような形態においても、隣接するLD領域どうし、および隣接するHD領域どうしの間隔は、好ましくは1mm以下であり、より好ましくは300μm以下であり、さらに好ましくは100μm以下である。
本発明の電極によれば、活物質層においてLD領域とHD領域とが存在することにより、従来トレードオフの関係にあった活物質層における電子伝導とリチウムイオン伝導とが両立しうる。このメカニズムは完全には明らかとはなっていないが、以下のメカニズムが推定されている。すなわち、本発明の電極によれば、電子(e)は、図1や図4に実線で示すように、活物質4や導電助剤などの成分が密集しているHD領域を好んで移動する。換言すれば、HD領域が、電子伝導パスとして機能しうる。また、リチウムイオン(Li)は、図1や図4に破線で示すように、各成分が密集していないLD領域を好んで移動する。換言すれば、LD領域が、リチウムイオン伝導パスとして機能しうるのである。このように、本発明の電極においては電子伝導パスとリチウムイオン伝導パスが分離されていることで、従来問題となっていた電子とリチウムイオンとの伝導の両立が可能となるものと考えられる。なお、本発明の電極が、他のメカニズムによりかような問題の解決に寄与していたとしても、本発明の技術的範囲は何ら影響を受けることはない。
本発明の電池用電極は、例えば、バイポーラ型のリチウムイオン二次電池(以下、単に「バイポーラ電池」とも称する)に採用されうる。その他の電池に採用されても、勿論よい。
以下、リチウムイオン二次電池に採用される場合を例に挙げて、本発明の電池用電極の構成について説明する。本発明の電池用電極は、活物質層において、LD領域とHD領域とが存在する点に特徴を有する。集電体、活物質、バインダ、支持塩(リチウム塩)、イオン伝導性ポリマー、その他必要に応じて添加される化合物の選択について、特に制限はない。使用用途に応じて、従来公知の知見を適宜参照することにより、選択すればよい。また、本発明の電池用電極は、正極および負極の双方に適用可能であるが、例えば正極に適用する場合には、集電体および活物質として、正極用の集電体および正極活物質として作用することが知られている化合物を採用すればよい。
[集電体]
集電体2は、アルミニウム箔、ニッケル箔、銅箔、ステンレス(SUS)箔など、導電性の材料から構成される。集電体の一般的な厚さは、1〜30μmである。ただし、この範囲を外れる厚さの集電体を用いてもよい。
集電体の大きさは、電池の使用用途に応じて決定される。大型の電池に用いられる大型の電極を作製するのであれば、面積の大きな集電体が用いられる。小型の電極を作製するのであれば、面積の小さな集電体が用いられる。
[活物質層]
集電体2上には、活物質層3が形成される。活物質層3は、充放電反応の中心を担う活物質を含む層である。本発明の電極が正極として用いられる場合、活物質層は正極活物質を含む。一方、本発明の電極が負極として用いられる場合、活物質層は負極活物質を含む。
正極活物質としては、リチウム−遷移金属複合酸化物が好ましく、例えば、LiMnなどのLi−Mn系複合酸化物やLiNiOなどのLi−Ni系複合酸化物が挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。
負極活物質としては、上記のリチウム遷移金属−複合酸化物や、カーボンが好ましい。カーボンとしては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛等の黒鉛系炭素材料、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバー、コークス、ソフトカーボン、ハードカーボン等が挙げられる。場合によっては、2種以上の負極活物質が併用されてもよい。
活物質の平均粒子径は特に制限されない。ただし、この平均粒子径が小さくなればなるほど、電子伝導パスが分断されやすくなる。従って、活物質の平均粒子径が小さいほど、本発明の作用効果は顕著に発揮されうる。かような観点から、活物質の平均粒子径は、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは5μm以下であり、特に好ましくは1μm以下である。ただし、これらの範囲を外れる形態もまた、採用されうる。なお、本願において活物質の平均粒子径は、レーザ回折散乱法により測定された値を採用するものとする。
活物質層3には、必要であれば、その他の物質が含まれてもよい。例えば、バインダ、導電助剤、支持塩(リチウム塩)、イオン伝導性ポリマー等が含まれうる。また、イオン伝導性ポリマーが含まれる場合には、前記ポリマーを重合させるための重合開始剤が含まれてもよい。
バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、合成ゴム系バインダ等が挙げられる。
導電助剤とは、活物質層の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。導電助剤としては、グラファイトなどのカーボン粉末や、気相成長炭素繊維(VGCF)等の種々の炭素繊維などが挙げられる。
支持塩(リチウム塩)としては、Li(CSON)(LiBETI)、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO等が挙げられる。
イオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)系およびポリプロピレンオキシド(PPO)系のポリマーが挙げられる。ここで、前記ポリマーは、本発明の電極が採用される電池の電解質層において用いられるイオン伝導性ポリマーと同じであってもよく、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
重合開始剤は、イオン伝導性ポリマーの架橋性基に作用して、架橋反応を進行させるために配合される。開始剤として作用させるための外的要因に応じて、光重合開始剤、熱重合開始剤などに分類される。重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)や、光重合開始剤であるベンジルジメチルケタール(BDK)等が挙げられる。
活物質層3に含まれる成分の配合比は、特に限定されない。配合比は、リチウムイオン二次電池についての公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。
活物質層3にはLD領域とHD領域とが存在し、HD領域の密度はLD領域の密度よりも大きいことが必須であるが、それぞれの密度の具体的な値は特に制限されない。ただし一例を挙げると、LD領域の密度は、好ましくは1〜3g/cm程度であり、より好ましくは1.5〜2.5g/cmである。LD領域の密度が小さすぎると、結着力の低下によりサイクル性能が大幅に低減する虞がある。一方、LD領域の密度が大きすぎると、密度がHD領域とほとんど変わらなくなってしまい、リチウムイオンの透過性が低下する虞がある。ただし、これらの範囲を外れる形態もまた、採用されうる。
一方、HD領域の密度は、好ましくは1.5〜3.5g/cm程度であり、より好ましくは2〜3g/cmである。HD領域の密度が小さすぎると、密度がLD領域とほとんど変わらなくなってしまい、電子の伝導性が低下する虞がある。一方、HD領域の密度が大きすぎると、完全に電解液が入り込めず、反応に関与しえない活物質が生じてしまう虞がある。ただし、これらの範囲を外れる形態もまた、採用されうる。ここで、HD領域の密度は、LD領域の密度と比較して0.5g/cm以上大きいことが好ましい。
なお、本願におけるLD領域やHD領域の「密度」は、活物質の目付け量とその厚みの実測値から算出された値を採用するものとする。
図1に示すようにLD領域とHD領域とで厚さが異なる場合、それぞれの具体的な厚さの値は特に制限されない。ただし一例を挙げると、図1に示すようにHD領域の厚さがLD領域よりも小さい場合、HD領域の厚さは、好ましくは1〜100μm程度であり、より好ましくは5〜50μmである。HD領域の厚さが小さすぎると、容量が低下するか、密度が大きくなる虞がある。一方、HD領域の厚さが大きすぎると、LD領域との差がなくなるか、密度が小さくなる虞がある。また、かような形態において、LD領域の厚さは、好ましくは5〜200μm程度であり、より好ましくは10〜100μmである。LD領域の厚さが小さすぎると、HD領域との差がなくなるか、密度が大きくなる虞がある。一方、LD領域の厚さが大きすぎると、活物質が電極から脱落しやすくなりサイクル劣化が生じる虞がある。
(製造方法)
本発明の電池用電極の製造方法は特に制限されず、電池用電極の製造分野において従来公知の知見を適宜参照することにより、本発明の電極は製造されうる。以下、図1に示すようにLD領域とHD領域とで厚さの異なる活物質層を有する電極(1)と、図4に示すようにLD領域とHD領域とで厚さが略同一の活物質層を有する電極(2)とに分けて、その製造方法を簡単に説明する。
電極(1)は、例えば、活物質を含む活物質スラリーを調製し、当該活物質スラリーを
集電体の表面に塗布することにより、塗膜を形成し、さらに、所望の溝を有する金型を用
いて塗膜をパターニングすることにより、作製されうる。以下、かような製造方法を工程
順に詳細に説明する。
本工程においては、所望の正極活物質、および必要に応じて他の成分(例えば、バインダ、導電助剤、支持塩(リチウム塩)、イオン伝導性ポリマー、重合開始剤など)を、溶媒中で混合して、活物質スラリーを調製する。活物質スラリー中に配合される各成分の具体的な形態については、上記の本発明の電極の構成の欄において説明した通りであるため、ここでは詳細な説明を省略する。なお、正極を作製するにはスラリー中に正極活物質を添加し、負極を作製するにはスラリー中に負極活物質を添加すべきであることは当然である。
溶媒の種類や混合手段は特に制限されず、電極製造について従来公知の知見が適宜参照されうる。溶媒の一例を挙げると、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルホルムアミドなどが用いられうる。バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を採用する場合には、NMPを溶媒として用いるとよい。
続いて、活物質層3を形成するための集電体2を準備する。本工程において準備する集電体の具体的な形態については、上記の本発明の電極の構成の欄において説明した通りであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
続いて、上記で調製した活物質スラリーを、上記で準備した集電体2の表面に塗布し、塗膜を形成する。その後、乾燥処理を施す。これにより、塗膜中の溶媒が除去され、活物質層となるべき塗膜が形成される。形成される塗膜の厚さは特に制限されないが、通常は10〜100μm程度である。
活物質スラリーを塗布するための塗布手段も特に限定されない。例えば、コーターなどの一般的に用いられている手段が採用されうる。
その後、金型を準備する。この金型は、上記で得られた塗膜の表面に所望のパターンを形成する目的で用いられる。具体的には、金属製の金型基板の表面に、塗膜の表面へのパターニングを希望する形状を有する金型を準備する。例えば、図2や図3に示す形態の電極の形成を所望する場合には、図2や図3におけるHD領域に対応する箇所が突出してなる凸部を有する金型を準備すればよい。金型の有する凸部の具体的な形態は特に制限されず、作製を希望する電極の形状に合わせて適宜設定されうる。ただし、上述したように、HD領域は1mm以下の間隔で隣接していることが好ましいことから、凸部もまた、1mm以下の間隔で隣接しているとよい。また、凸部の高さ(LD領域の面に対するHD領域の深さに相当)も特に制限されないが、通常は1〜200μm程度であり、好ましくは5〜100μmである。また、上述したように、凸部は線状や網状に形成されたものであってもよい。
続いて、上記で集電体表面に塗膜が形成されてなる積層体と、上記で準備した金型とを、塗膜と金型の凸部側とが向き合うように重ね合わせ、プレスすることにより、金型の有するパターンに従って、塗膜の表面がパターニングされうる。すなわち、金型の凸部に沿って凹部が形成され、この凹部がHD領域となる。
この際、プレス手段については特に制限されず、従来公知の手段が適宜採用されうる。プレス手段の一例を挙げると、カレンダーロール、平板プレスなどが挙げられる。
以上、金型を用いて電極(1)を作製する好ましい形態について詳細に説明したが、その他の製造方法によっても、電極(1)は製造可能である。例えば、先端の尖っていない細い棒で塗膜の表面に多数の凹部(すなわち、HD領域)を形成することによって、電極(1)を形成してもよい。
続いて、図4に示す形態の電極(2)の製造方法について、説明する。電極(2)は、活物質スラリーを集電体に塗布する際に、LD領域に対応する箇所には薄く塗布し(すなわち、薄い塗膜を形成し)、HD領域に対応する箇所には濃く塗布し(すなわち、厚い塗膜を形成し)、最終的に塗膜全体をプレスすることにより、製造可能である。
従って、活物質スラリー調製工程については上記と同様であるため、ここでは説明を省略する。
電極(1)の上述した製造方法では、調製した活物質スラリーを集電体に均一に塗布している。これに対し、電極(2)を製造する際には、箇所によってスラリー塗布量に濃淡が生じる。よって、電極(2)の製造時に活物質スラリーを塗布する際には、一般的なコーターにより均一な塗膜を形成した後に、スプレー噴霧やインクジェット方式を用いてさらに塗布することが有効である。スプレー噴霧によれば、簡便な手法によりスラリーの濃淡を生じさせることが可能である。また、インクジェット方式を用いると、微細な濃淡を高精度に生じさせることが可能である。この際、スプレー噴霧やインクジェット方式による2回目の塗布は、1回目の塗布により形成された塗膜を乾燥させた後に行うとよい。
上述したような手法によれば、一見図1に示すような塗膜が形成される。この製造方法では、この塗膜の全体に対して、平板プレス処理を施す。これにより、図4に示すような電極が形成されうる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、上記の第1実施形態の電池用電極を用いて、電池を構成する。
すなわち、本発明の第3は、正極、電解質層、および負極がこの順に積層されてなる少なくとも1つの単電池層を有する電池であって、前記正極および前記負極の少なくとも一方が本発明の電極である、電池である。本発明の電極は、正極、負極、バイポーラ電極のいずれにも適用されうる。本発明の電極を、少なくとも1つの電極として含む電池は、本発明の技術的範囲に属する。ただし、好ましくは、電池を構成する電極の全てが本発明の電極である。かような構成を採用することにより、電池の耐久性を効果的に向上させうる。
本発明の電池は、バイポーラ型のリチウムイオン二次電池(以下、「バイポーラ電池」とも称する)でありうる。図5は、バイポーラ電池である、本発明の電池を示す断面図である。以下、図5に示すバイポーラ電池を例に挙げて詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はかような形態のみに制限されない。
図5に示す本実施形態のバイポーラ電池10は、実際に充放電反応が進行する略矩形の電池要素21が、外装であるラミネートシート29の内部に封止された構造を有する。
図5に示すように、本実施形態のバイポーラ電池10の電池要素21は、LD領域とHD領域とが存在する正極活物質層13と、同じくLD領域とHD領域とが存在する負極活物質層15とが集電体11のそれぞれの面に形成されたバイポーラ電極を複数個有する。なお、図5においては、上述したように電極の活物質層にLD領域およびHD領域が存在するが、各活物質層は単なる1層として図示されている。各バイポーラ電極は、電解質層17を介して積層されて電池要素21を形成する。この際、一のバイポーラ電極の正極活物質層13と前記一のバイポーラ電極に隣接する他のバイポーラ電極の負極活物質層15とが電解質層17を介して向き合うように、各バイポーラ電極および電解質層17が積層されている。
そして、隣接する正極活物質層13、電解質層17、および負極活物質層15は、一つの単電池層19を構成する。従って、バイポーラ電池10は、単電池層19が積層されてなる構成を有するともいえる。また、単電池層19の外周には、隣接する集電体11間を絶縁するための絶縁層31が設けられている。なお、電池要素21の最外層に位置する集電体(最外層集電体)(11a、11b)には、片面のみに、正極活物質層13(正極側最外層集電体11a)または負極活物質層15(負極側最外層集電体11b)のいずれか一方が形成されている。
さらに、図5に示すバイポーラ電池10では、正極側最外層集電体11aが延長されて正極タブ25とされ、外装であるラミネートシート29から導出している。一方、負極側最外層集電体11bが延長されて負極タブ27とされ、同様にラミネートシート29から導出している。
以下、本実施形態のバイポーラ電池10を構成する部材について簡単に説明する。ただし、電極を構成する成分については上記で説明した通りであるため、ここでは説明を省略する。また、本発明の技術的範囲が下記の形態のみに制限されることはなく、従来公知の形態が同様に採用されうる。
[電解質層]
電解質層17を構成する電解質としては、液体電解質またはポリマー電解質が用いられうる。
液体電解質は、可塑剤である有機溶媒に支持塩であるリチウム塩が溶解した形態を有する。可塑剤として用いられうる有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)やプロピレンカーボネート(PC)等のカーボネート類が例示される。また、支持塩(リチウム塩)としては、LiBETI等の電極の活物質層に添加されうる化合物が同様に採用されうる。
一方、ポリマー電解質は、電解液を含むゲル電解質と、電解液を含まない真性ポリマー電解質に分類される。
ゲル電解質は、イオン伝導性ポリマーからなるマトリックスポリマーに、上記の液体電解質が注入されてなる構成を有する。マトリックスポリマーとして用いられるイオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、およびこれらの共重合体等が挙げられる。かようなポリアルキレンオキシド系高分子には、リチウム塩などの電解質塩がよく溶解しうる。
なお、電解質層17が液体電解質やゲル電解質から構成される場合には、電解質層17にセパレータを用いてもよい。セパレータの具体的な形態としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンからなる微多孔膜が挙げられる。
真性ポリマー電解質は、上記のマトリックスポリマーに支持塩(リチウム塩)が溶解してなる構成を有し、可塑剤である有機溶媒を含まない。従って、電解質層17が真性ポリマー電解質から構成される場合には電池からの液漏れの心配がなく、電池の信頼性が向上しうる。
ゲル電解質や真性ポリマー電解質のマトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。架橋構造を形成させるには、適当な重合開始剤を用いて、高分子電解質形成用の重合性ポリマー(例えば、PEOやPPO)に対して熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合等の重合処理を施せばよい。
[絶縁層]
バイポーラ電池10においては、通常、各単電池層19の周囲に絶縁層31が設けられる。この絶縁層31は、電池内で隣り合う集電体11同士が接触したり、電池要素21における単電池層19の端部の僅かな不ぞろいなどによる短絡が起きたりするのを防止する目的で設けられる。かような絶縁層31の設置により、長期間の信頼性および安全性が確保され、高品質のバイポーラ電池10が提供されうる。
絶縁層31としては、絶縁性、固体電解質の脱落に対するシール性や外部からの水分の透湿に対するシール性(密封性)、電池動作温度下での耐熱性などを有するものであればよく、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゴムなどが用いられうる。なかでも、耐蝕性、耐薬品性、作り易さ(製膜性)、経済性などの観点から、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。
[タブ]
バイポーラ電池10においては、電池外部に電流を取り出す目的で、最外層集電体(11a、11b)に電気的に接続されたタブ(正極タブ25および負極タブ27)が外装であるラミネートシート29の外部に取り出される。具体的には、正極用最外層集電体11aに電気的に接続された正極タブ25と、負極用最外層集電体11bに電気的に接続された負極タブ27とが、ラミネートシート29の外部に取り出される。
タブ(正極タブ25および負極タブ27)の材質は、特に制限されず、バイポーラ電池用のタブとして従来用いられている公知の材質が用いられうる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等が例示される。なお、正極タブ25と負極タブ27とでは、同一の材質が用いられてもよいし、異なる材質が用いられてもよい。なお、本実施形態のように、最外層集電体(11a、11b)を延長することによりタブ(25、27)としてもよいし、別途準備したタブを最外層集電体に接続してもよい。
[外装]
バイポーラ電池10においては、使用時の外部からの衝撃や環境劣化を防止するために、電池要素21は、好ましくはラミネートシート29などの外装内に収容される。外装としては特に制限されず、従来公知の外装が用いられうる。自動車の熱源から効率よく熱を伝え、電池内部を迅速に電池動作温度まで加熱しうる点で、好ましくは、熱伝導性に優れた高分子−金属複合ラミネートシート等が用いられうる。
本実施形態のバイポーラ電池10によれば、本発明の電極が集電体11の両面に形成されてなるバイポーラ電極が採用されている。このため、本実施形態のバイポーラ電池は出力特性に優れる。
ここで、上述したような本発明の作用効果は、高出力条件下において用いられる二次電池において特に顕著に発現しうる。従って、本発明の二次電池は、高出力条件下において用いられることが好ましい。具体的には、本発明の二次電池は、好ましくは20C以上、より好ましくは50C以上、さらに好ましくは100C以上の出力を必要とする条件下において用いられる。
(第3実施形態)
第3実施形態では、上記の第2実施形態のバイポーラ電池を複数個、並列および/または直列に接続して、組電池を構成する。
図6は、本実施形態の組電池を示す斜視図である。
図6に示すように、組電池40は、上記の第2実施形態のバイポーラ電池が複数個接続されることにより構成される。具体的には、各バイポーラ電池10の正極タブ25および負極タブ27がバスバーを用いて接続されることにより、各バイポーラ電池10が接続されている。組電池40の一の側面には、組電池40全体の電極として、電極ターミナル(42、43)が設けられている。
組電池40を構成する複数個のバイポーラ電池10を接続する際の接続方法は特に制限されず、従来公知の手法が適宜採用されうる。例えば、超音波溶接、スポット溶接などの溶接を用いる手法や、リベット、カシメなどを用いて固定する手法が採用されうる。かような接続方法によれば、組電池40の長期信頼性が向上しうる。
本実施形態の組電池40によれば、組電池40を構成する個々のバイポーラ電池10が出力特性に優れることから、出力特性に優れる組電池が提供されうる。
なお、組電池40を構成するバイポーラ電池10の接続は、複数個全て並列に接続してもよく、また、複数個全て直列に接続してもよく、さらに、直列接続と並列接続とを組み合わせてもよい。
(第4実施形態)
第4実施形態では、上記の第2実施形態のバイポーラ電池10、または第3実施形態の組電池40をモータ駆動用電源として搭載して、輸送機関を構成する。バイポーラ電池10または組電池40をモータ用電源として用いる輸送機関としては、例えば、ガソリンを用いない完全電気自動車、シリーズハイブリッド自動車やパラレルハイブリッド自動車などのハイブリッド自動車、および燃料電池自動車などの、車輪をモータによって駆動する自動車のほか、列車、二輪車、船舶、航空機などが挙げられる。
参考までに、図7に、組電池40を搭載する自動車50の概略図を示す。自動車50に搭載される組電池40は、上記で説明したような特性を有する。このため、組電池40を搭載する自動車50は出力特性に優れ、長期間にわたって使用した後であっても充分な出力を提供しうる。
以上のように、本発明の幾つかの好適な実施形態について示したが、本発明は、以上の実施形態に限られるものではなく、当業者によって種々の変更、省略、および追加が可能である。例えば、以上の説明ではバイポーラ型のリチウムイオン二次電池(バイポーラ電池)を例に挙げて説明したが、本発明の電池の技術的範囲がバイポーラ電池のみに制限されることはなく、例えば、バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池であってもよい。参考までに、図8に、バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池60の概要を示す断面図を示す。なお、図8に示すリチウムイオン二次電池60においては、負極活物質層15が正極活物質層13よりも一回り小さいが、かような形態のみには制限されない。正極活物質層13と同じかまたは一回り大きい負極活物質層15もまた、用いられうる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例に示す形態のみに制限されるわけではない。
<実施例1>
<正極の作製>
正極活物質であるスピネル型マンガン酸リチウム(LiMn)(平均粒子径:1μm)(85質量部)、導電助剤であるアセチレンブラック(10質量部)、およびバインダであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)(5質量部)を混合し、次いでスラリー粘度調整溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量添加して、正極活物質スラリーを調製した。
一方、正極用の集電体として、アルミニウム箔(厚さ:20μm)を準備した。準備した集電体の一方の表面に、上記で調製した正極活物質スラリーをドクターブレード法により塗布し、塗膜を形成させた。次いでこの塗膜を乾燥させた。
<負極の作製>
負極活物質であるグラファイト(平均粒子径:1μm)(90質量部)、およびバインダであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)(10質量部)を混合し、次いでスラリー粘度調整溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量添加して、負極活物質スラリーを調製した。
一方、負極用の集電体として、銅箔(厚さ:20μm)を準備した。準備した集電体の一方の表面に、上記で調製した負極活物質スラリーをドクターブレード法により塗布し、塗膜を形成させた。次いでこの塗膜を乾燥させた。
さらに、ニッケル箔(厚さ:200μm)の表面に、幅50μm×深さ50μmの帯状の溝が50μmおきに形成されてなる金型を準備した。
準備した金型とともに、上記で作製した活物質層の塗膜が形成されてなる各電極の前駆体をそれぞれロールプレス機にかけて、各電極の活物質層の塗膜上に微細な溝構造を形成し、各電極を完成させた。得られた電極の厚さを電子顕微鏡写真から測定したところ、溝部(高密度領域)の厚さは17μmであり、溝が存在しない部位(低密度領域)の厚さは28μmであった。
<実施例2>
金型として、ニッケル箔(厚さ:200μm)の表面に、幅25μm×深さ25μmの帯状の溝が25μmおきに形成されてなるものを用いたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、試験用セルを作製した。なお、実施例1と同様に、得られた電極の厚さを測定したところ、溝部(高密度領域)の厚さは17μmであり、溝が存在しない部位(低密度領域)の厚さは28μmであった。
<実施例3>
上記の実施例1と同様に、各電極の集電体上に、活物質層の塗膜を形成し、これを乾燥させた。
次いで、得られた各活物質層の塗膜の表面に、塗膜を形成するのに用いた活物質スラリーをそれぞれスプレー噴霧し、活物質スラリーの液滴を付着させた。付着した液滴のサイズおよび液滴間の間隔を電子顕微鏡写真から測定したところ、それぞれ約70μmおよび約90μmであった。
液滴が付着した塗膜をロールプレス機によりプレスし、略均一な厚さ(21μm)を有する活物質層有する各電極を完成させた。
<比較例1>
金型を用いずにロールプレス機にかけたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、各電極を作製した。得られた各電極の厚さを電子顕微鏡写真から測定したところ、20μmであった。
<比較例2>
金型を用いずにロールプレス機にかけた後、再度ロールプレス機にかけたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、各電極を作製した。得られた各電極の厚さを電子顕微鏡写真から測定したところ、17μmであった。
<比較例3>
ロールプレス機にかけず、得られた塗膜をそのまま活物質層としたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、各電極を作製した。得られた各電極の厚さを電子顕微鏡写真から測定したところ、28μmであった。
<試験用セルの作製>
試験用セルの正極および負極として用いるために、上記の各実施例および各比較例で作製した正極および負極を、ポンチを用いてそれぞれ68mm角および70mm角に打ち抜いた。
さらに、セパレータとしてポリプロピレン微多孔膜(厚さ:15μm)を準備した。また、電解液として、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との等体積混合液にリチウム塩であるLiPFを1Mの濃度に溶解させたものを準備した。
上記で得られた負極、セパレータ、および正極をこの順に積層し、セパレータに電解液を注入した。次いで、負極および正極にそれぞれ電流取り出し用端子(正極にはアルミニウム端子、負極にはニッケル端子)を接続し、電流取り出し用端子が外部に露出するように電池要素をアルミニウム製のラミネートフィルム中に入れ、真空に封止して、試験用セルを作製した。
<試験用セルの電池特性の評価>
上記の各実施例および比較例について、それぞれ10個ずつ同一の試験用セルを作製し、それぞれの試験用セルに対して、30mAの定電流にて10回充放電を行い、その際の放電容量を測定した。また、試験用セルの内部抵抗の指標として、1kHzの周波数での交流インピーダンスを測定した。
その後、定電位(4.2V)に保持し、次いで300mAの定電流で放電した際の放電容量を測定した。以上の各測定値について得られた結果を、それぞれ10個の試験用セルの平均値として、下記の表1に示す。
Figure 0005573922
各実施例と比較例との比較から、電極の活物質層において、低密度領域と高密度領域とを併存させることにより、電極における内部抵抗値が低い値に抑えられ(すなわち、電子伝導が充分に確保され)うる。この電子伝導は、主に高密度領域により担われているものと推測される。また、本発明の電極によれば、高出力条件下における容量もまた、高い値に維持され(すなわち、リチウムイオン伝導が充分に確保され)うる。このリチウムイオン伝導は、主に低密度領域により担われているものと推測される。
このように、本発明の電極は、従来トレードオフの関係にあった電子伝導の確保とリチウムイオン伝導の確保との両立を可能としうる。その結果、電池の出力特性の向上に有効に寄与しうる。
1 電極、
2 集電体、
3 活物質層、
4 活物質、
10 バイポーラ電池、
11 集電体、
11a、11b 最外層集電体、
13 正極活物質層、
15 負極活物質層、
17 電解質層、
19 単電池層、
21 電池要素、
25 正極タブ、
27 負極タブ、
29 ラミネートシート、
31 絶縁層、
33 正極集電体、
35 負極集電体、
40 組電池、
42、43 電極ターミナル、
50 自動車、
60 バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池、
HD 高密度(HD)領域、
LD 低密度(LD)領域。

Claims (4)

  1. 活物質を含む活物質スラリーを調製する活物質スラリー調製工程と、
    集電体を準備する集電体準備工程と、
    前記集電体の表面に前記活物質スラリーを塗布して、薄い塗膜を形成する薄膜形成工程と、
    前記塗膜の表面のうち、比較的密度の大きい高密度領域とする箇所に前記活物質スラリーを塗布して、厚い塗膜を形成する厚膜形成工程と、
    塗膜の全体に対しプレス処理するプレス工程と、を有し、
    前記厚膜形成工程において、前記高密度領域とする箇所と、前記高密度領域とする箇所以外の箇所とが、規則的かつ周期的に存在するように、前記高密度領域とする箇所に前記活物質スラリーを塗布することを特徴とする、電池用電極の製造方法。
  2. 前記厚膜形成工程において、スプレー噴霧またはインクジェット方式を用いて、前記高密度領域とする箇所に前記活物質スラリーを塗布することを特徴とする請求項1に記載の電池用電極の製造方法。
  3. 前記厚膜形成工程において、前記高密度領域とする箇所および/または前記高密度領域とする箇所以外の箇所が、電極の厚さ方向から見て点在、線状または網状に存在するように、前記高密度領域とする箇所に前記活物質スラリーを塗布することを特徴とする請求項1または2に記載の電池用電極の製造方法
  4. 前記薄膜形成工程において、活物質スラリーを塗布し、さらに乾燥して、薄い塗膜を形成することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電池用電極の製造方法。
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