JP5205749B2 - バイポーラ電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、バイポーラ電池の製造方法に関する。
バイポーラ電池は、1つの集電体の一面に正極を設けつつ他面に負極を設けたバイポーラ電極を、電解質層を介して複数積層した構造を有しており、例えば特許文献1には、前述のバイポーラ電極を電解質が含浸されたセパレータを介して複数積層した構造が開示されている。
このバイポーラ電極を積層する際には、正極と負極を有する集電体、電解質層(正極と負極を区分けするセパレータの層、及び正極または負極とセパレータ間の電解質の層)を積層して行うのであるが、積層した部位の微妙な隙間により気泡が残留することがある。
そのため、積層作業は慎重に行う必要があり、また慎重に行っても十分に除去しきれずに残ってしまうことがある。このように積層した部位に気泡が残ると、その部位ではイオン透過および電子の移動ができないデッドスペースが発生し、出力低下の要因にもなるので、積層時にセパレータをしごくなどして慎重に気泡抜き作業を行いつつ積層する必要があり、こうした気泡除去作業がバイポーラ電池を量産化するのに大きな障壁となっていた。
特開平11−204136号公報
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、気泡の混入を抑制でき、電池性能の優れたバイポーラ電池の製造方法を提供することを目的とする。
また、上記目的を達成する本発明に係るバイポーラ電池の製造方法は、集電体の一方の面に正極が形成され、他方の面に負極が形成されたバイポーラ電極と、前記バイポーラ電極を複数積層する際に介在され前記正極と前記負極とを区分けするポーラス状のセパレータに電解質を浸透させた層と、前記セパレータと前記正極又は前記負極との間でイオンを伝導する電解質を含んでいる層と、隣り合う前記集電体と前記セパレータとの間の空間に前記正極の周囲および前記負極の周囲を取り囲むように配置される充填材料と、を準備し、
前記バイポーラ電極を積層するときの前記充填材料の厚さが、前記正極又は前記負極の厚さと、前記電解質を含んでいる層の厚さとの合計厚さを超えないように、前記充填材料を配置して充填部を形成し、
前記バイポーラ電極を積層した方向に、前記正極と前記負極とが配置されている電極部の全面を押さえた後に、前記充填部を加圧して、前記集電体、前記セパレータおよび前記充填材料を互いに密着させた接合部を形成する。
また、上記目的を達成する本発明に係るバイポーラ電池の製造方法は、集電体の一方の面に正極が形成され、他方の面に負極が形成されたバイポーラ電極と、前記バイポーラ電極を複数積層する際に介在され前記正極と前記負極とを区分けするポーラス状のセパレータに電解質を浸透させた層と、前記セパレータと前記正極又は前記負極との間でイオンを伝導する電解質を含んでいる層と、隣り合う前記集電体同士の間の空間に前記正極の周囲、前記セパレータの周囲、および前記負極の周囲を取り囲むように配置される充填材料と、を準備し、
前記バイポーラ電極を積層するときの前記充填材料の厚さが、前記正極の厚さと、前記セパレータの厚さと、前記負極の厚さと、前記電解質を含んでいる層の厚さとの合計厚さを超えないように、前記充填材料を配置して充填部を形成し、
前記バイポーラ電極を積層した方向に、前記正極と前記負極とが配置されている電極部の全面を押さえた後に、前記充填部を加圧して、前記集電体および前記充填材料を互いに密着させた接合部を形成する。
本発明によれば、バイポーラ電極を積層するときには、セパレータが、充填材料に接触する前に、イオンを伝導する電解質を含んでいる層と接触するため、充填材料により囲まれた内部に、気泡が残留することが抑制される。さらに、接合部によって充填部に十分な加圧力が伝達され、シール不足が発生する虞もない。したがって、気泡の混入を抑制でき、電池性能の優れたバイポーラ電池およびその製造方法を提供することが可能である。特に、正極と負極とが配置されている電極部の全面を押さえた後に充填部を加圧しているので、電極部に位置する気泡を、外周部に移動させることが可能であり、電極部に気泡が残留することが、抑制される。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、理解を容易にするために、図面には各構成要素が誇張して示されている。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るバイポーラ電池10を示す斜視図、図2は、バイポーラ電池10の要部を示す断面図、図3(A)は、バイポーラ電極110を示す断面図、図3(B)は、単電池層110aの説明に供する断面図、図4(A)(B)は、充填部20における充填材料114、116の配置の形態を説明するための断面図、図5(A)(B)は、充填材料114、116の厚みの説明に供する断面図、図6は、接合部119の説明に供する断面図、図7(A)(B)は、バイポーラ電極110と電解質層120とを交互に積層するときにガス30が混入する様子を示す断面図である。図8は、図1に示されるバイポーラ電池10を利用する組電池130を説明するための斜視図、図9は、図8に示される組電池130が搭載されている車両138の概略図である。
第1の実施形態のバイポーラ電池10は、概説すれば、集電体111の一方の面に正極113が形成され、他方の面に負極112が形成されたバイポーラ電極110と、バイポーラ電極110を複数積層する際に介在され正極113と負極112とを区分けするポーラス状のセパレータ121に電解質を浸透させた層と、セパレータ121と正極113又は負極112との間でイオンを伝導する電解質を含んでいる層124、125と、隣り合う集電体111とセパレータ121との間の空間に、正極113の周囲および負極112の周囲を取り囲むように、充填材料114、116を配置した充填部20と、バイポーラ電極110を積層した方向に充填部20を加圧することにより形成され、集電体111、セパレータ121および充填材料114、116を互いに密着させた接合部119と、を有している。バイポーラ電極110を積層するときの充填材料114、116の厚さは、正極113又は負極112の厚さと、電解質を含んでいる層124、125の厚さとの合計厚さを超えない厚さに設定してある。
このバイポーラ電池10を製造するに際しては、まず、バイポーラ電極110と、セパレータ121と、電解質を含んでいる層124、125と、充填材料114、116と、を準備する。次いで、バイポーラ電極110を積層するときの充填材料114、116の厚さが、正極113又は負極112の厚さと、電解質を含んでいる層124、125の厚さとの合計厚さを超えないように、充填材料114、116を配置して充填部20を形成する。そして、バイポーラ電極110を積層した方向に充填部20を加圧して、集電体111、セパレータ121および充填材料114、116を互いに密着させた接合部119を形成する。以下、詳述する。
図1に示すように、バイポーラ電池10は、電池要素100を外装ケース104に収納して構成され、外部からの衝撃や環境劣化が防止されている。
図2および図3(A)を参照して、バイポーラ電極110は、集電体111の一方の面に正極活物質層を設けて正極113が形成され、他方の面に負極活物質層を設けて負極112が形成されている。図3(B)を参照して、隣接する一対の集電体111、111の間に挟まれる、正極113、電解質層120、および負極112により単電池層110aが構成されている。単電池層110aの積層数は、要求される電圧に応じて定められる。
集電体111は、電子を通す一方、イオンを遮断することから、イオン隔壁とも指称される。電解質層120は、イオン透過層とも指称される。図4に示すように、電解質層120は、正極113と負極112とを区分けするポーラス状のセパレータ121に電解質を浸透させた層と、セパレータ121と正極113又は負極112との間でイオンを伝導する電解質を含んでいる層124、125とを有している。電解質は、例えば、高分子ゲル電解質(ゲルポリマー系電解質)である。
図2を再び参照して、電池要素100の最上位のバイポーラ電極110の上に負極端子プレート102が配置され、最下位のバイポーラ電極110の下に正極端子プレート101が配置されている。端子プレート101、102は、高導電性部材からなり、最外層の電極投影面の全てを、少なくとも覆うように構成されている。したがって、最外層の電流取り出し部は、低抵抗化され、面方向の電流取り出しにおける低抵抗化を図ることにより、電池の高出力化が可能になる。高導電性部材は、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス、これらの合金である。
電池要素100の最上位および最下位は、バイポーラ電極110でなくてもよい。正極活物質層または負極活物質層のみを片面に配置した末端極を積層してもよい。
図4(A)(B)をも参照して、充填部20において、充填材料は、隣り合う集電体111同士の間の空間に少なくとも正極113の周囲および負極112の周囲を取り囲むように配置されている。
図4(A)に示される充填部20は、隣り合う集電体111同士の間の空間を電解質層120によって2つに区画し、区画されたそれぞれの空間に充填材料114、116を配置した形態を有している。電解質層120と集電体111との間の空間において、正極113の周囲を取り囲むように充填材料114が配置され、負極112の周囲を取り囲むように充填材料116が配置されている。したがって、隣り合う集電体111同士の間の空間に、電解質層120を間に挟んで、充填材料114、116が2段にわたって配置されている。
図4(B)に示される充填部20は、隣り合う集電体111同士の間の空間に正極113の周囲、電解質層120の周囲および負極112の周囲のすべてを取り囲むように充填材料118を配置した形態、すなわち、1つの単電池層110aの周囲を取り囲むように充填材料118を配置した形態を有している。
本発明の充填部20においては、充填材料の配置はいずれの形態であってもよく、特に限定されるものではない。
バイポーラ電池10においては、電解質層120に含まれる電解質が染み出すと、単電池層110a同士が電気的に接続されてしまい、電池として十分に機能しなくなる。これを液絡と称する。電解質層120が液体状または半固体のゲル状の電解質を含む場合、液絡が生じることを防止するために、充填材料114、116、118には、電解質の漏れを防止するシール材が用いられる。電解質層120が液絡を生じさせない全固体高分子電解質を含む場合であっても、隣り合う集電体111同士が接触して短絡しないようにする観点から、充填部20が設けられている。この場合における充填材料114、116、118の配置も、図4(A)または(B)に示したいずれの形態であってもよい。
第1の実施形態では、電解質として、高分子ゲル電解質または電解液を用いている。したがって、充填材料114、116にはシール材を用いている。また、充填部20におけるシール材114、116の配置は、図4(A)に示した形態を採用している(図2をも参照)。なお、以下の説明においては、説明の便宜上、正極113の周囲を取り囲むように延長しているシール材を第1シール材114と言い、負極112の周囲を取り囲むように延長しているシール材を第2シール材116と言う。また、第1シール材114によって形成されるシール層を第1シール層115と言い、第2シール材116によって形成されるシール層を第2シール層117と言う。
シール材114、116は、1液性未硬化エポキシ樹脂であるが、特に制限されない。例えば、その他の熱硬化型樹脂(ポリプロピレンやポリエチレン等)や、熱可塑型樹脂を適用することが可能である。使用環境下において良好なシール効果を発揮するものを、用途に応じて適宜選択することが好ましい。
図7(A)(B)に、バイポーラ電極110と電解質層120とを交互に積層するときに、ガス30が混入する状態が示される。図7(A)は、充填材料114a、116aが電極の厚さよりも厚いために、バイポーラ電極110の上に電解質層120を積層したときに、充填材料114a、116aの近傍にガス30が混入した状態を示している。図7(B)は、図7(A)に示される電解質層120の上にバイポーラ電極110をさらに積層したときに、上位のバイポーラ電極110と下位の電解質層120との間にガス30が混入した状態を示している。
前述したように、混入したガス30が気泡となって残ると電池の出力低下の要因にもなることから、積層時にセパレータ121をしごく等する気泡除去作業を行っている。このような煩雑な作業をなくし、バイポーラ電池10の量産化を実現するためには、バイポーラ電極110を積層するときのガス30の残留を抑制することが重要である。
そこで、本発明のバイポーラ電池10にあっては、バイポーラ電極110を積層するときの充填材料114、116の厚さが、正極113又は負極112の厚さと、電解質を含んでいる層124、125の厚さとの合計厚さを超えない厚さに設定してある。このような寸法設定により、セパレータ121が、外周部に位置する第1および第2シール材114、116に接触する前に、電解質124、125が配置される中央部位と接触するため、第1および第2シール材114、116により囲まれた内部に、気泡が残留することが抑制される(図5参照)。バイポーラ電極110を積層するときのガス30の残留を抑制できるので、積層時にセパレータ121をしごく等する気泡除去作業が不要になる。煩雑な作業がなくなることを通して、バイポーラ電池10の量産化に寄与することができる。
電池要素100を平面的に加圧しても、第1および第2シール材114、116が配置されている部位(充填部20)に、加圧力が十分伝達されず、シール不足が発生する虞がある。そこで、バイポーラ電極110を積層した方向に充填部20を加圧することにより、集電体111、セパレータ121および充填材料114、116を互いに密着させた接合部119を形成してある(図6参照)。
バイポーラ電池10の構成は、特に説明したものを除き、一般的なリチウムイオン二次電池に用いられている公知の材料を用いればよく、特に限定されるものではない。以下に、このバイポーラ電池10に使用することのできる集電体111、負極活物質層、正極活物質層、セパレータ121等について参考までに説明する。
集電体111は、例えば、ステンレススチール箔である。しかし、これに特に限定されず、アルミニウム箔、ニッケルとアルミニウムのクラッド材、銅とアルミニウムのクラッド材、あるいはこれらの金属の組み合わせのめっき材を、利用することも可能である。
負極112の負極活物質は、例えば、ハードカーボン(難黒鉛化炭素材料)である。しかし、これに特に限定されず、黒鉛系炭素材料や、リチウム−遷移金属複合酸化物を利用することも可能である。特に、カーボンおよびリチウム−遷移金属複合酸化物からなる負極活物質は、容量および出力特性の観点から好ましい。
正極113の正極活物質は、例えば、LiMnである。しかし、これに特に限定されない。なお、容量および出力特性の観点から、リチウム−遷移金属複合酸化物を適用することが好ましい。
正極113および負極112の厚さは、特に限定されず、電池の使用目的(例えば、出力重視、エネルギー重視)や、イオン伝導性を考慮して設定される。
第1および第2シール層115、117を構成するシール材114、116は、例えば、1液性未硬化エポキシ樹脂である。しかし、これに特に限定されず、その他の熱硬化型樹脂(ポリプロピレンやポリエチレン等)や、熱可塑型樹脂を適用することも可能である。なお、使用環境下において良好なシール効果を発揮するものを、用途に応じて適宜選択することが好ましい。
セパレータ121の素材は、例えば、電解質を浸透し得る通気性を有するポーラス状のPE(ポリエチレン)である。しかし、これに特に限定されず、PP(ポリプロピレン)などの他のポリオレフィン、PP/PE/PPの3層構造をした積層体、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、不織布を、利用することも可能である。不織布は、例えば、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステルである。
電解質のホストポリマーは、例えば、HFP(ヘキサフルオロプロピレン)コポリマーを10%含むPVDF−HFP(ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体)である。しかし、これに特に限定されず、その他のリチウムイオン伝導性を持たない高分子や、イオン伝導性を有する高分子(固体高分子電解質)を適用することも可能である。その他のリチウムイオン伝導性を持たない高分子は、例えば、PAN(ポリアクリロニトリル)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)である。イオン伝導性を有する高分子は、例えば、PEO(ポリエチレンオキシド)やPPO(ポリプロピレンオキシド)である。
ホストポリマーに保持される電解液は、例えば、PC(プロピレンカーボネート)およびEC(エチレンカーボネート)からなる有機溶媒、支持塩としてのリチウム塩(LiPF)を含んでいる。有機溶媒は、PCおよびECに特に限定されず、その他の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類、テトラヒドロフラン等のエーテル類を適用することが可能である。リチウム塩は、LiPFに特に限定されず、その他の無機酸陰イオン塩、LiCFSO等の有機酸陰イオン塩を、適用することが可能である。
バイポーラ電池10は、単電池層110aの積層体(電池要素100に相当する)の形態で、外装ケース104に収容されており、外部からの衝撃や環境劣化が防止されている。積層体100の最外層に位置する集電体111には、高導電性部材からなる端子リード101、102が接続されている。高導電性部材は、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス、これらの合金である。
端子プレート101、102は、外装ケース104の外部に延長しており、積層体100から電流を引き出すための電極タブを兼用している。なお、独立した別体の電極タブを配置し、直接的あるいはリードを利用して、端子プレート101、102と接続することにより、積層体100から電流を引き出すことも可能である。
外装ケース104は、軽量化および熱伝導性の観点から、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、銅などの金属(合金を含む)をポリプロピレンフィルム等の絶縁体で被覆した高分子−金属複合ラミネートフィルムなどのシート材からなり、その外周部の一部または全部が、熱融着により接合さることで形成される。
バイポーラ電池10は、単独で使用することが可能であるが、例えば、組電池130の形態で利用することが可能である。組電池130は、バイポーラ電池10を直列化および/又は並列化し、複数接続して構成されており、導電バー132、134を有する。導電バー132、134は、バイポーラ電池10の内部から延長する端子プレート101、102に接続されている。
バイポーラ電池10を接続して構成する際に、適宜、直列あるいは並列化することで、容量および電圧を自由に調整することができる。接続方法は、例えば、超音波溶接、熱溶接、レーザ溶接、リベット、かしめ、電子ビームである。
組電池130自体を、直列化および/又は並列化し、複数接続することで組電池モジュール(大型の組電池)136として提供することも可能である。
組電池モジュール136は、大出力を確保し得るため、例えば、車両138のモータ駆動用電源として搭載することが可能である。車両は、例えば、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、電車である。
組電池モジュール136は、例えば、内蔵するバイポーラ電池10毎あるいは組電池130毎の充電制御を行うなど、非常にきめ細かい制御ができるため、1回の充電あたりの走行距離の延長、車載電池としての寿命の長期化などの性能の向上を図ることが可能である。
次に、第1の実施形態のバイポーラ電池10の製造方法について説明する。
図10は、第1の実施形態に係るバイポーラ電池10の製造方法を説明するための全体工程図である。
第1の実施形態に係るバイポーラ電池10の製造方法は、バイポーラ電極110、電解質層120、充填材料としてのシール材114、116、およびセパレータ121が配置された集成体108を形成するための集成体形成工程、集成体108が積層されて一体化された積層体100(接合体)を形成するための接合体形成工程、および、一体化された積層体100を外装ケース104に収容するためのケーシング工程を有する。
図11は、図10に示される集成体形成工程を説明するための工程図、図12は、図11に示される電極形成工程を説明するための平面図、図13は、図11に示される電極形成工程を説明するための断面図、図14は、図11に示される電解質配置工程を説明するための断面図、図15は、図11に示される集電体111上へのシール材配置工程を説明するための平面図、図16は、図11に示される集電体111上へのシール材配置工程を説明するための断面図、図17は、図11に示されるセパレータ配置工程を説明するための断面図、図18は、図11に示されるセパレータ121上へのシール材配置工程を説明するための断面図である。
集成体形成工程は、電極形成工程、電解質配置工程、集電体111上へのシール材配置工程、セパレータ配置工程およびセパレータ121上へのシール材配置工程を有する。
電極形成工程においては、まず、正極スラリーが、調整される。正極スラリーは、例えば、正極活物質[85重量%]、導電助剤[5重量%]およびバインダ[10重量%]を有し、粘度調整溶媒を添加することで、所定の粘度にされる。正極活物質は、LiMnである。導電助剤は、アセチレンブラックである。バインダは、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)である。粘度調整溶媒は、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)である。正極スラリーは、ステンレススチール箔からなる集電体111の一方の面に塗布される。
導電助剤は、例えば、カーボンブラックやグラファイトを利用することも可能である。バインダおよび粘度調整溶媒は、PVDFおよびNMPに限定されない。
次に、負極スラリーが、調整される。負極スラリーは、例えば、負極活物質[90重量%]およびバインダ[10重量%]を有し、粘度調整溶媒を添加することで、所定の粘度にされる。負極スラリーは、集電体111の他方の面に、塗布される。負極活物質は、ハードカーボンである。バインダおよび粘度調整溶媒は、PVDFおよびNMPである。負極スラリーは、集電体111の他方の面に、塗布される。
正極スラリーの塗膜および負極スラリーの塗膜は、例えば、真空オーブンを利用して、乾燥させられ、正極活物質層からなる正極113および負極活物質層からなる負極112を形成する(図12および図13参照)。この際、NMPは、揮発することで除去される。
正極113および負極112の厚さは、特に限定されず、電池の使用目的(例えば、出力重視、エネルギー重視)や、イオン伝導性を考慮して設定される。
電解質配置工程においては、電解質124、125が、正極113および負極112の電極部にそれぞれ塗布される(図14参照)。
電解質124、125は、例えば、電解液[90重量%]およびホストポリマー[10重量%]を有し、粘度調整溶媒を添加することで、塗布に適した粘度にされている。
電解液は、PC(プロピレンカーボネート)およびEC(エチレンカーボネート)からなる有機溶媒、支持塩としてのリチウム塩(LiPF6)を含んでいる。リチウム塩濃度は、例えば、1Mである。
ホストポリマーは、例えば、HFP(ヘキサフルオロプロピレン)コポリマーを10%含むPVDF−HFP(ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体)である。粘度調製溶媒は、DMC(ジメチルカーボネート)である。粘度調製溶媒は、DMCに限定されない。
集電体111上へのシール材配置工程においては、集電体111が露出している正極側外周部かつ正極113の周囲を延長するように、第1シール材114が、配置される(図15、図16参照)。第1シール材114の厚さは、正極113の厚さと、電解質を含んでいる層124の厚さとの合計厚さを超えない厚さに設定してある。
セパレータ配置工程においては、セパレータ121が、集電体111の一方の電極側(例えば、正極側)の面の全てを覆うように配置される(図17参照)。
セパレータ121上へのシール材配置工程においては、セパレータ121の上に、第2シール材116が、配置される(図18参照)。第2シール材116の厚さは、負極112の厚さと、電解質を含んでいる層125の厚さとの合計厚さを超えない厚さに設定してある。第2シール材116は、第1シール材114の配置部位と相対するように(重なるように)位置決めされる(図18参照)。第1および第2シール材114、116は、1液性未硬化エポキシ樹脂からなる充填材料である。これにより、バイポーラ電極110、電解質124、125、シール材114、116、およびセパレータ121が配置された集成体108が形成される。セパレータ121は、ポーラス状のPEである。
集成体108を積層することにより、集電体111と電解質層120との間の空間に、正極113の周囲および負極112の周囲を取り囲むように、充填材料114、116を配置した充填部20が形成される。
図19は、図10に示される接合体形成工程を説明するための工程図、図20は、図19に示される集成体セット工程を説明するための断面図、図21は、図19に示される積層工程およびプレス工程を説明するための概略図、図22は、図19に示されるシール材浸透工程を説明するための概略図、図23は、図19に示されるシール層形成工程を説明するための概略図、図24は、図19に示される界面形成工程を説明するための概略図、図25は、図19に示される初充電工程を説明するための概略図である。
接合体形成工程は、集成体セット工程、積層工程、プレス工程、シール材浸透工程、シール層形成工程、界面形成工程、初充電工程および気泡排出工程を有する。
集成体セット工程においては、マガジン150に、複数の集成体108が順次セットされる(図20参照)。
マガジン150は、集成体108のセットの際の干渉を避けるため、フレーム形状であり、集成体108の外周部の把持自在であるクランプ機構152を有する。
クランプ機構152は、集成体108が互いに接触しないように、積層方向に間隔をあけて配置される。積層方向は、集成体108の面方向に対して垂直な方向である。
クランプ機構152は、例えば、バネからなる弾性部材を有しており、弾性力に基づいて、皺などが生じないように、集成体108に張力を付与した状態で保持自在に構成されている。
積層工程においては、マガジン150が真空処理装置160の内部に配置され、真空下で、集成体108の積層体100が形成される(図21参照)。真空度は、例えば、0.2〜0.5×10Paである。積層工程は、空気排出工程を有し、積層体100を形成する際に、第1および第2シール材114、116によって囲まれる内部空間31に残留していたガス30が、隙間部21を通って内部空間31の外部に排出される。さらに、真空下であるため、電極および電解質層120の積層界面に対する気泡の混入がさらに抑制される。
積層体100の形成方法は、特に限定されず、例えば、受け台に向かってマガジン150を移動させながら、集成体108を把持するクランプ機構152を制御し、受け台に接触するタイミングで、集成体108の把持を順次解消することで、積層体100を形成することが可能である。
真空処理装置160は、真空手段162、プレス手段170および制御部178を有する。
真空手段162は、真空チャンバ163、真空ポンプ164および配管系165を有する。真空チャンバ163は、着脱自在(開放自在)の蓋部と、マガジン150およびプレス手段170が配置される固定式の基部を有する。真空ポンプ164は、例えば、遠心式であり、真空チャンバ163の内部を真空状態にするために使用される。配管系165は、真空ポンプ164と真空チャンバ163と連結するために使用され、リークバルブ(不図示)が配置されている。
プレス手段170は、基部プレート171および基部プレート171に対して近接離間自在に配置されるプレスプレート173を有する。制御部178は、プレスプレート173の移動や押圧力を制御するために使用される。基部プレート171およびプレスプレート173に、シート状の弾性体を配置することも可能である。
プレス工程においては、積層体100は、真空状態を保持した状態で、プレスプレートおよび基部プレート171によって、バイポーラ電極110を積層した方向に加圧される(図21参照)。加圧条件は、例えば、1〜2×10Paである。
第1および第2シール材114、116により囲まれた内部に、気泡が残留することを抑制するために、第1シール材114の厚みおよび第2シール材116の厚みを、正極113と電解質124の合計厚みおよび負極112と電解質125の合計厚みより、それぞれ小さくする場合、積層体100を平面的に加圧しても、第1および第2シール材114、116が配置されている部位(充填部20)に、加圧力が十分伝達されず、シール不足が発生する虞がある。
そのため、プレス手段280を使用し、積層体100における充填部のみを加圧するためのシール材浸透工程を追加することで、セパレータ121に、第1および第2シール材114、116を十分浸透させている(図22参照)。これにより、接合部119が形成される(図6参照)。
第1および第2シール材114、116が浸透させられた部位は、シール層形成工程において、加熱されることで、熱硬化するため、第1および第2シール層115、117の密着性が向上することとなる。また、製造されたバイポーラ電池のセパレータにおける第1および第2シール層に相対する部位には、第1および第2シール材が浸透していることとなる。
プレス手段280は、積層体100が配置される基部プレート281、基部プレート281に対して近接離間自在に配置されるプレスプレート283、および制御部(不図示)を有する。プレスプレート283は、分割されており、中央プレスプレート284および外周プレスプレート285を有する。
中央プレスプレート284は、積層体100の電極部(正極および負極が配置されている部位)が位置する部位を支持するために使用される。外周プレスプレート285は、積層体100における充填部を加圧するために使用される。制御部は、中央プレスプレート284および外周プレスプレート285の移動や押圧力を制御するために使用される。
したがって、プレス手段280は、基部プレート281に配置された積層体100に対し、外周プレスプレート285を使用し、充填部のみを加圧することが可能である。
中央プレスプレート284によって積層体100の電極部を押さえた後で、外周プレスプレート285による加圧を実施することが好ましい。この場合、電極部に位置する気泡を、外周部に移動させることが可能であるため、電極部に気泡が残留することが、抑制される。
イオン透過および電子の移動ができないデッドスペースの発生が抑制されるため、使用時のイオンの移動は、害されず、電池抵抗は増大しないため、高出力密度を達成することができる。つまり、ガス30の混入が抑制されたバイポーラ電池10が得られるため、使用時におけるイオンの移動は、害されず、電池抵抗は増大しない。
なお、プレス工程およびシール材浸透工程を、必要に応じ、適宜一体化することも可能である。
シール層形成工程においては、積層体100がオーブン190に配置され、加熱されることで、積層体100に含まれる第1および第2シール材114、116が熱硬化して、第1および第2シール層115、117を形成する(図23参照)。加熱条件は、例えば、80℃である。積層体100の加熱方法は、オーブンを使用する形態に、特に限定されない。
リチウム二次電池は、水分を嫌うが、第1および第2シール層115、117が樹脂から構成されるため、水分の混入は、避けられない。そのため、プレス工程における第1および第2シール材114、116の前記所定の厚みは、第1および第2シール層115、117の外気に触れる厚さの寸法を極小にして、侵入する水分を減らす見地から設定されている。
第1および第2シール材114、116は、熱可塑性樹脂を適用することも可能である。この場合、第1および第2シール材114、116は、加熱することによって塑性変形し、第1および第2シール層115、117を形成することとなる。
界面形成工程においては、積層体100が、プレス手段180に配置され、加熱下で加圧されることで、積層体100に含まれるセパレータ121に、電解質124、125が浸透させられ、ゲル界面が形成される(図24参照)。加熱温度および加圧条件は、例えば、80℃および1〜2×10Paである。これにより、集成体108が積層されて一体化された積層体100(接合体)100が得られる。
プレス手段180は、基部プレート181、基部プレート181に対して近接離間自在に配置されるプレスプレート183、下部加熱手段185、上部加熱手段187および制御部188を有する。下部加熱手段185および上部加熱手段187は、例えば、抵抗発熱体を有しており、基部プレート181およびプレスプレート183の内部に配置され、基部プレート181およびプレスプレート183の温度を上昇させるために使用される。制御部188は、プレスプレート183の移動や押圧力、下部加熱手段185および上部加熱手段187の温度を制御するために使用される。
下部加熱手段185および上部加熱手段187の一方を省略したり、下部加熱手段185および上部加熱手段187を、基部プレート181およびプレスプレート183の外部に配置したりすることも可能である。基部プレート181およびプレスプレート183に、シート状の弾性体を配置することも可能である。
初充電工程においては、積層体100と電気的に接続された充放電装置192によって、初回充電が行われ、気泡が発生させさられる(図25参照)。初充電条件は、例えば、正極113の塗布重量から概算された容量ベースで、21V−0.5Cで4時間である。
気泡排出工程においては、例えば、ローラを積層体100の表面に押圧することにより、積層体100の中央部に位置する気泡が、外周部に移動させられて取り除かれる。したがって、電池の出力密度を向上させることが可能である。
ケーシング工程においては、一体化された積層体100(接合体)が、外装ケース104(図2参照)に収容され、バイポーラ電池10が製造される(図1および図2参照)。外装ケース104は、積層体100を2枚のシート状の外装材の間に配置し、外装材の外周部を、接合することで形成される。外装材は、ポリプロピレンフィルム等の絶縁体で被覆した高分子−金属複合ラミネートフィルムであり、その接合は、熱融着が適用される。
なお、一体化された積層体100を、さらに複数積層した後に、外装ケース104に収容することで、バイポーラ電池10のさらなる大容量および/又は高出力を、図ることも可能である。積層工程およびプレス工程を、大気下で実施したり、シール層形成工程および界面形成工程を真空下で実施したりすることも可能である。
電解質124、125、第1および第2シール材114、116を適宜選択することにより、シール層形成工程および界面形成工程を一体化し、第1および第2シール材114、116の硬化および電解質層120の完成を同時に実施することで、製造工程の短縮を図ることも可能である。シール層形成工程と界面形成工程の間に、積層体100の各層(バイポーラ単電池)の電位をモニタするためのタブ(リード線)を、取り付けるための工程を追加することも可能である。
以上のように、第1の実施形態は、気泡混入が抑制されたバイポーラ電池10およびその製造方法を提供することができる。
なお、高分子ゲル電解質は、ポリマー骨格に電解液を保持した熱可塑型であるため、漏液が防止され、液絡を防ぎ信頼性の高いバイポーラ電池10を構成することが可能である。また、高分子ゲル電解質は、熱可塑型に限定されず、熱硬化型を適用することも可能である。この場合も、加熱下での加圧により、電解質層120を硬化させることで漏液が防止され、液絡を防ぐことが可能である。
プレス工程および界面形成工程における面圧は、1〜2×10Paに限定されず、積層体100の構成材料の強度等の物性を考慮し、適宜設定することが可能である。シール層形成工程における加熱温度は、80℃に限定されず、電解液の耐熱性や、第1シール材114(第1シール層115)および第2シール材116(第2シール層117)の硬化温度などの物性を考慮し、例えば、60℃〜150℃であることが好ましい。
電解質124、125は、ゲルポリマー系に限定されず、電解液系を適用することも可能である。この場合、電解質配置工程において、例えば、マイクロピペットを用いて、電解液が、正極113および負極112の電極部にそれぞれ塗布され、滲み込まされる(図14参照)。
電解液は、PC(プロピレンカーボネート)およびEC(エチレンカーボネート)からなる有機溶媒、支持塩としてのリチウム塩(LiPF)および少量の界面活性剤を含んでいる。リチウム塩濃度は、例えば、1Mである。
有機溶媒は、PCおよびECに特に限定されず、その他の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類、テトラヒドロフラン等のエーテル類を適用することが可能である。リチウム塩は、LiPFに特に限定されず、その他の無機酸陰イオン塩、LiCFSO等の有機酸陰イオン塩を、適用することが可能である。
(第2の実施形態)
図26は、実施の形態2に係るシール材配置工程を説明するための平面図、図27は、実施の形態2に係るプレス工程を説明するための概念図である。
第2の実施の形態は、シール材配置工程、積層工程およびプレス工程に関し、実施の形態1と概して異なる。
シール材配置工程においては、第1および第2シール材314、316は、正極および負極の周囲を不連続に延長しており、第1および第2シール材314、316が配置されていない切欠き状の隙間部315、317が形成される(図26参照)。つまり、充填部に隙間部が形成される。なお、符号311は、集電体である。
積層工程は、空気排出工程を有し、積層体を形成する際に、集電体、電解質層および第1および第2シール材314、316によって囲まれる内部空間に残留していた空気が、隙間部315、317を介し、排出される。
プレス工程は、空気排出工程および隙間閉塞工程を有し、積層体が、プレスプレートおよび基部プレートによって、バイポーラ電極を積層した方向に加圧される。この際、積層体における第1および第2シール材314、316が配置されている部位(充填部)が加圧される。
これにより、加圧初期においては、集電体、電解質層および第1および第2シール材314、316によって囲まれる内部空間に残留していた空気が、隙間部315、317を介し、排出される。そして、加圧が進行することにより、隙間部315、317の近傍に位置する第1および第2シール材314、316が、隙間部315、317に向かって流動し、隙間部315、317を被覆することにより、隙間部315、317を閉塞させるため、排気機能が停止する(図27参照)。
この場合、隙間部315、317が閉塞するまで、積層体に含まれる電極部に位置する空気を、隙間部315、317を介して、外周部に移動させることが可能であるため、電極部に気泡が残留することが、さらに抑制される。
図28は、第2の実施形態に係る変形例を説明するための平面図である。
本変形例においては、隙間部315、317の近傍に位置する第1および第2シール材314、316の端面は、略円形状であり、隙間部315、317の幅が一定ではない。つまり、第1および第2シール材314、316の配置量が増加することで、第1および第2シール材の流動性が向上し、かつ、隙間部315、317の幅が狭くなった部位が存在するため、隙間部315、317を容易に閉塞させることが可能である。
以上のように、第2の実施形態は、第1の実施形態1に比べ、気泡混入をさらに抑制することが可能である。
第1の実施形態に係るバイポーラ電池を示す斜視図である。 バイポーラ電池の要部を示す断面図である。 図3(A)は、バイポーラ電極を示す断面図、図3(B)は、単電池層の説明に供する断面図である。 図4(A)(B)は、充填部における充填材料の配置の形態を説明するための断面図である。 図5(A)(B)は、充填材料の厚みの説明に供する断面図である。 接合部の説明に供する断面図である。 図7(A)(B)は、バイポーラ電極と電解質層とを交互に積層するときにガスが混入する様子を示す断面図である。 図1に示されるバイポーラ電池を利用する組電池を説明するための斜視図である。 図8に示される組電池が搭載されている車両の概略図である。 第1の実施形態に係るバイポーラ電池の製造方法を説明するための全体工程図である。 図10に示される集成体形成工程を説明するための工程図である。 図11に示される電極形成工程を説明するための平面図である。 図11に示される電極形成工程を説明するための断面図である。 図11に示される電解質配置工程を説明するための断面図である。 図11に示される集電体上へのシール材配置工程を説明するための平面図である。 図11に示される集電体上へのシール材配置工程を説明するための断面図である。 図11に示されるセパレータ配置工程を説明するための断面図である。 図11に示されるセパレータ上へのシール材配置工程を説明するための断面図である。 図10に示される接合体形成工程を説明するための工程図である。 図19に示される集成体セット工程を説明するための断面図である。 図19に示される積層工程およびプレス工程を説明するための概略図である。 図19に示されるシール材浸透工程を説明するための概略図である。 図19に示されるシール層形成工程を説明するための概略図である。 図19に示される界面形成工程を説明するための概略図である。 図19に示される初充電工程を説明するための概略図である。 実施の形態2に係るシール材配置工程を説明するための平面図である。 実施の形態2に係るプレス工程を説明するための概念図である。 第2の実施形態に係る変形例を説明するための平面図である。
符号の説明
10 バイポーラ電池、
20 充填部、
30 ガス、
31 内部空間、
100 電池要素、積層体、
104 外装ケース、
108 集成体、
110 バイポーラ電極、
110a 単電池層、
111 集電体、
112 負極、
113 正極、
114 第1シール材(充填材料)、
115 第1シール層、
116 第2シール材(充填材料)、
117 第2シール層、
118 シール材(充填材料)、
119 接合部、
120 電解質層、
121 セパレータ、
124、125 電解質(イオンを伝導する電解質を含んでいる層)、
130 組電池、
132、134 導電バー、
136 組電池モジュール、
138 車両、
315、317 隙間部。

Claims (5)

  1. 集電体の一方の面に正極が形成され、他方の面に負極が形成されたバイポーラ電極と、前記バイポーラ電極を複数積層する際に介在され前記正極と前記負極とを区分けするポーラス状のセパレータに電解質を浸透させた層と、前記セパレータと前記正極又は前記負極との間でイオンを伝導する電解質を含んでいる層と、隣り合う前記集電体と前記セパレータとの間の空間に前記正極の周囲および前記負極の周囲を取り囲むように配置される充填材料と、を準備し、
    前記バイポーラ電極を積層するときの前記充填材料の厚さが、前記正極又は前記負極の厚さと、前記電解質を含んでいる層の厚さとの合計厚さを超えないように、前記充填材料を配置して充填部を形成し、
    前記バイポーラ電極を積層した方向に、前記正極と前記負極とが配置されている電極部の全面を押さえた後に、前記充填部を加圧して、前記集電体、前記セパレータおよび前記充填材料を互いに密着させた接合部を形成するバイポーラ電池の製造方法。
  2. 集電体の一方の面に正極が形成され、他方の面に負極が形成されたバイポーラ電極と、前記バイポーラ電極を複数積層する際に介在され前記正極と前記負極とを区分けするポーラス状のセパレータに電解質を浸透させた層と、前記セパレータと前記正極又は前記負極との間でイオンを伝導する電解質を含んでいる層と、隣り合う前記集電体同士の間の空間に前記正極の周囲、前記セパレータの周囲、および前記負極の周囲を取り囲むように配置される充填材料と、を準備し、
    前記バイポーラ電極を積層するときの前記充填材料の厚さが、前記正極の厚さと、前記セパレータの厚さと、前記負極の厚さと、前記電解質を含んでいる層の厚さとの合計厚さを超えないように、前記充填材料を配置して充填部を形成し、
    前記バイポーラ電極を積層した方向に、前記正極と前記負極とが配置されている電極部の全面を押さえた後に、前記充填部を加圧して、前記集電体および前記充填材料を互いに密着させた接合部を形成するバイポーラ電池の製造方法。
  3. 前記電解質を含んでいる層は、高分子ゲル電解質を含んでいる請求項1または請求項2に記載のバイポーラ電池の製造方法
  4. 前記充填部に隙間部を形成し、
    前記集電体、前記セパレータおよび前記充填材料によって囲まれる内部空間に残留していた空気を、前記隙間部を介し、排出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバイポーラ電池の製造方法。
  5. 前記バイポーラ電極を積層した方向に前記充填部を押圧することにより、前記隙間部を閉塞し、排気機能を停止することを特徴とする請求項4に記載のバイポーラ電池の製造方法
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