JP5343663B2 - 双極型二次電池の製造方法および製造装置 - Google Patents

双極型二次電池の製造方法および製造装置 Download PDF

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本発明は、双極型二次電池の製造方法および製造装置に関する。
双極型二次電池は、双極型電極とセパレータとが積層された積層体を貼り合せて、複数積層することにより製造されており、単電池間での液絡を防止するため、シール部が配置される(例えば、特許文献1参照。)。
特開平11−204136号公報
しかし、双極型電極とセパレータとが積層された積層体を貼り合せて積層する際において双極型電極とセパレータとの間に混入した気泡は、シール部あるいはシール材(シール部の前駆体)の存在のため、電池内部から外部へ排出することが出来ない。そのため、デッドスペースが発生したり、セパレータに皺が発生したりすることで、セパレータでのイオンの移動が妨げられ(抵抗が増大)、出力が低下する問題を有する。
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、気泡の混入を抑制することにより良好な電池性能を有する双極型二次電池の製造方法および製造装置を、提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の一様相は、双極型電極とセパレータとが積層された積層体を貼り合せて、複数積層することにより双極型二次電池を製造するための製造方法である。当該製造方法は、第1積層体の貼り合せ面の背面を、第1保持手段によって保持する一方、前記第1積層体に相対する第2積層体の貼り合せ面の背面を、前記第1保持手段に対して近接離間自在に配置される第2保持手段によって保持する保持工程と、
前記第1保持手段により保持される前記第1積層体と、前記第2保持手段により保持される前記第2積層体と、を貼り合して積層する積層工程と、を有する。また、前記第1保持手段および前記第2保持手段の少なくとも一方は、負圧によって前記貼り合せ面の背面を保持している。前記積層工程、前記第1積層体を保持している前記第1保持手段と、前記第2積層体を保持している前記第2保持手段と、の間に位置する空間を、ケーシング部によって取り囲み、前記第1保持手段および前記第2保持手段の少なくとも一方と、前記ケーシング部との間にシール材を配置することによって、前記空間を密閉する密閉工程と、密閉された前記空間を減圧し、前記第1積層体と前記第2積層体とを貼り合して積層する減圧工程と、を有する
上記目的を達成するための本発明の別の一様相は、双極型電極とセパレータとが積層された積層体を貼り合せて、複数積層することにより双極型二次電池を製造するための製造装置である。当該製造装置は、第1積層体の貼り合せ面の背面を保持する第1保持手段と、前記第1保持手段に対して近接離間自在に配置され、前記第1積層体に相対する第2積層体の貼り合せ面の背面を保持する第2保持手段と、前記第1積層体を保持している前記第1保持手段と、前記第2積層体を保持している前記第2保持手段と、の間に位置する空間を密閉するための密閉手段と、前記密閉手段によって密閉された前記空間を減圧するための減圧機構と、を有する。また、前記密閉手段は、前記空間を取り囲むように配置されるケーシング部と、前記第1保持手段および前記第2保持手段の少なくとも一方と、前記ケーシング部との間に配置され、前記空間を密閉するためのシール材と、を有し、前記第1保持手段および前記第2保持手段の少なくとも一方は、負圧によって前記貼り合せ面の背面を保持する負圧保持機構を有し、前記第1積層体と前記第2積層体とは、前記減圧機構によって前記空間が減圧されると、貼り合されて積層される。
本発明の一様相に係る双極型二次電池の製造方法および別の一様相に係る双極型二次電池の製造方法によれば、第1積層体および第2積層体の保持部位は、外周ではなく、貼り合せ面の背面であり、かつ、第1積層体を保持している第1保持手段と、第2積層体を保持している第2保持手段と、の間に位置する空間は、第1および第2保持手段の少なくとも一方と、前記空間を取り囲んでいるケーシング部との間にシール材を配置することによって、密閉されて減圧されているため、第1積層体と第2積層体とを貼り合せて積層する際、積層体同士を面接触させ、気泡の混入を抑制することが可能である。これにより、気泡の混入によるデッドスペースおよび皺の発生が削減されるため、出力の低下を避けることができる。したがって、気泡の混入を抑制し得る双極型二次電池の製造方法および製造装置を、提供することができる。
本発明の実施の形態に係る双極型二次電池を説明するための斜視図である。 本発明の実施の形態に係る双極型二次電池を説明するための断面図である。 図1に示される双極型二次電池を利用する組電池を説明するための斜視図である。 図3に示される組電池が搭載されている車両の概略図である。 本発明の実施の形態に係る双極型二次電池の製造方法を説明するための工程図である 図5に示される電極形成工程を説明するための平面図である。 図5に示される電極形成工程を説明するための背面図である。 図6の線VIII−VIIIに関する断面図である。 図5に示される第1シール材配置工程を説明するための平面図である。 図9の線X−Xに関する断面図である。 図5に示されるセパレータ配置工程を説明するための断面図である。

図5に示されるアッシー工程に適用される製造装置を説明するための断面図である。 図5に示されるサブアッシーユニット保持工程を説明するための断面図である。 図5に示される第2シール材配置工程を説明するための断面図である。 図5に示される積層工程における密閉空間の形成を説明するための断面図である。 図5に示される積層工程における減圧を説明するための断面図である。 図5に示される加圧工程を説明するための断面図である。 サブアッシーユニット保持工程〜加圧工程の繰り返しを説明するための断面図である。 本発明の実施の形態に係る双極型二次電池の容量評価結果を説明するための図表である。 本発明の実施の形態に係る変形例1を説明するための断面図である。 変形例1に係る密閉機構を説明するための断面図である。 変形例1に係る密閉機構を説明するための平面図である。 本発明の実施の形態に係る変形例2を説明するための平面図である。 本発明の実施の形態に係る変形例3を説明するための平面図である。 本発明の実施の形態に係る変形例4を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態に係る変形例5を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態に係る変形例6を説明するための断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1および図2は、本発明の実施の形態に係る双極型二次電池を説明するための斜視図および断面図である。
双極型二次電池10は、リチウム二次電池であり、外装ケース14、外装ケース14の内部に配置される電池本体部16および端子プレート11,12を有する。電池本体部16は、後述するように、減圧を利用して気泡の混入が抑制されており、双極型二次電池10は、良好な電池性能を備えている。
外装ケース14は、外部からの衝撃や環境劣化を防止するために使用されており、シート材の外周部の一部または全部を、熱融着により接合することで形成される。シート材は、軽量化および熱伝導性の観点から、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、銅などの金属(合金を含む)をポリプロピレンフィルム等の絶縁体で被覆した高分子−金属複合ラミネートフィルムから構成されることが好ましい。
電池本体部16は、複数の単電池(電池要素)を有しており、双極型電極20、電解質層30、第1シール部25および第2シール部27を有する。双極型電極20は、負極22、正極23および集電体21を有する。正極23および負極22は、集電体21の一方および他方の面に形成されており、集電体21は、正極23および負極22の間に位置している。
負極22は、ハードカーボン(難黒鉛化炭素材料)からなる負極活物質を有する。負極活物質は、例えば、黒鉛系炭素材料や、リチウム−遷移金属複合酸化物を利用することも可能である。しかし、カーボンおよびリチウム−遷移金属複合酸化物からなる負極活物質は、容量および出力特性の観点から好ましい。正極23は、LiMnからなる正極活物質を有する。正極活物質は、LiMnに制限されないが、容量および出力特性の観点から、リチウム−遷移金属複合酸化物を適用することが好ましい。正極23および負極22の厚さは、電池の使用目的(例えば、出力重視あるいはエネルギー重視)や、イオン伝導性を考慮して適宜設定される。
集電体21は、ステンレススチール箔から形成される。集電体21の素材として、アルミニウム箔、ニッケルとアルミニウムのクラッド材、銅とアルミニウムのクラッド材、あるいはこれらの金属の組み合わせのめっき材を、利用することも可能である。
電解質層30は、通気性を有するセパレータに電解質を浸透させてなる基部層、および、セパレータと正極23あるいはセパレータと負極22との間でイオンを伝導する電解質からなる表面層を有する。
セパレータは、多孔性(ポーラス)のPE(ポリエチレン)から形成される。セパレータの素材として、PP(ポリプロピレン)などの他のポリオレフィン、PP/PE/PPの3層構造をした積層体、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、不織布を、利用することが可能である。不織布は、例えば、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステルである。なお、セパレータは、絶縁体であるが、電解質が浸透することによって、イオンの透過性および電気伝導性を呈することとなる。
電解質は、ゲルポリマー系であり、電解液およびホストポリマーを有する。
電解液は、PC(プロピレンカーボネート)およびEC(エチレンカーボネート)からなる有機溶媒、支持塩としてのリチウム塩(LiPF)を含んでいる。有機溶媒は、例えば、その他の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類、テトラヒドロフラン等のエーテル類を適用することが可能である。リチウム塩は、例えば、その他の無機酸陰イオン塩、LiCFSO等の有機酸陰イオン塩を、適用することが可能である。
ホストポリマーは、HFP(ヘキサフルオロプロピレン)コポリマーを10%含むPVDF−HFP(ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体)である。ホストポリマーは、その他のリチウムイオン伝導性を持たない高分子や、イオン伝導性を有する高分子(固体高分子電解質)を適用することも可能である。その他のリチウムイオン伝導性を持たない高分子は、例えば、PAN(ポリアクリロニトリル)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)である。イオン伝導性を有する高分子は、例えば、PEO(ポリエチレンオキシド)やPPO(ポリプロピレンオキシド)である。
第1シール部25は、集電体21の一方の面に配置されかつ正極23の周囲を取り囲むように延長している充填部であり、良好なシール効果を発揮し、例えば、水分の内部混入を抑制する。電解質層30は、正極23および第1シール部25を覆うように配置されている。第2シール部27は、第1シール部25と位置合せされて、集電体21の他方の面に配置されかつ負極22の周囲を取り囲むように延長している充填部であり、良好なシール効果を発揮し、例えば、水分の内部混入を抑制する。
第1シール部25および第2シール部27を構成するシール材は、一液熱硬化型エポキシ樹脂である。シール材は、その他の熱硬化型樹脂(ポリプロピレンやポリエチレン等)や、熱可塑型樹脂を適用することが可能である。しかし、例えば、使用環境下において良好なシール効果を発揮するものを、用途に応じて適宜選択することが好ましい。
端子プレート11,12は、高導電性部材からなり、外装ケース14の内部から外部に向かって延長しており、電池本体部16から電流を引き出すための電極タブを兼用している。独立した別体の電極タブを配置し、直接的あるいはリードを利用して、端子プレート11,12と接続することで、電池本体部16から電流を引き出すことも可能である。高導電性部材は、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス、これらの合金である。
端子プレート11,12は、電池本体部16の最外層(最上位および最下位)に配置され、その電極投影面の全てを、少なくとも覆うように構成されている。したがって、最外層の電流取り出し部(面方向の電流取り出し)は、低抵抗化され、電池の高出力化が可能になる。なお、電池本体部16の最外層に位置する集電体21によって、端子プレート11,12を構成することも可能である。また、端子プレート11,12のさらに外側に、補強板を配置することも可能である。
図3は、図1に示される双極型二次電池を利用する組電池を説明するための斜視図である。
双極型二次電池10は、単独で使用することが可能であるが、組電池50の形態で利用することが可能である。組電池50は、双極型二次電池10を直列化および/又は並列化し、複数接続して構成されており、導電バー52,54を有する。導電バー52,54は、各双極型二次電池10の外装ケース14から延長する端子プレート11,12に接続されている。接続方法は、例えば、超音波溶接、熱溶接、レーザー溶接、リベット、かしめ、電子ビームである。容量および電圧は、例えば、双極型二次電池10を接続する際に、適宜、直列あるいは並列化することで、自由に調整することが可能である。
図4は、図3に示される組電池が搭載されている車両の概略図である。
組電池50自体を、直列化および/又は並列化し、複数接続することで組電池モジュール(大型の組電池)60として提供することも可能である。組電池モジュール60は、大出力を確保し得るため、車両70のモータ駆動用電源として搭載することが可能である。車両は、例えば、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、電車である。
組電池モジュール60は、例えば、内蔵する外装ケース14毎あるいは組電池50毎の充電制御を行うなど、非常にきめ細かい制御ができるため、1回の充電あたりの走行距離の延長、車載電池としての寿命の長期化などの性能の向上を図ることが可能である。
図5は、本発明の実施の形態に係る双極型二次電池の製造方法を説明するための工程図である
本実施の形態に係る双極型二次電池の製造方法は、双極型電極とセパレータとが積層されたサブアッシーユニット(積層体)を形成するためのサブアッシーユニット形成工程と、サブアッシーユニットを複数積層した双極型二次電池(電池本体部)を形成するためのアッシー工程と、電池本体部を外装ケースに収容するため組立工程とを有する。なお、アッシー工程においては、良好な電池性能を有するように、減圧を利用して気泡の混入を抑制している。
サブアッシーユニット形成工程は、電極形成工程、電解質配置工程、第1シール材配置工程およびセパレータ配置工程に分割される。アッシー工程は、サブアッシーユニット保持工程、第2シール材配置工程、積層工程、加圧工程、シール材硬化工程、ゲル界面形成工程、初充電工程および気泡排出工程に分割される。
次に、サブアッシーユニット形成工程の各工程を詳述する。
図6および図7は、図5に示される電極形成工程を説明するための平面図および背面図、図8は、図6の線VIII−VIIIに関する断面図である。
電極形成工程においては、図6および図7に示されるように、集電体21の一方および他方の面に、正極スラリー23Aおよび負極スラリー22Aが、それぞれ塗布される。集電体21は、例えば、厚さ20μmのステンレススチール箔である。
正極スラリーは、例えば、正極活物質[85重量%]、導電助剤[5重量%]およびバインダ[10重量%]を有し、粘度調整溶媒を添加することで、所定の粘度に調整されている。正極活物質は、LiMnである。導電助剤は、アセチレンブラックである。バインダは、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)である。粘度調整溶媒は、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)である。導電助剤は、カーボンブラックやグラファイトを利用することも可能である。バインダおよび粘度調整溶媒は、PVDFおよびNMPに限定されない。
負極スラリーは、例えば、負極活物質[90重量%]およびバインダ[10重量%]を有し、粘度調整溶媒を添加することで、所定の粘度に調整されている。負極活物質は、ハードカーボンである。バインダおよび粘度調整溶媒は、PVDFおよびNMPである。
正極スラリーの塗膜および負極スラリーの塗膜は、例えば、真空オーブンを利用して、乾燥させられ、図8に示されるように、正極活物質層からなる正極23および負極活物質層からなる負極22を形成する。この際、NMPは、揮発することで除去される。正極23および負極22の厚みは、例えば、30μmである。
電極形成工程に続く電解質配置工程においては、集電体21の一方および他方の面に、電解質(不図示)が、塗布される。電解質の塗布部位は、正極23および負極22の電極部である。
電解質は、例えば、電解液[90重量%]およびホストポリマー[10重量%]の有し、粘度調整溶媒を添加することで、塗布に適した粘度にされている。電解液は、PCおよびECからなる有機溶媒、支持塩としてのリチウム塩を含んでいる。リチウム塩濃度は、1Mである。ホストポリマーは、HFPコポリマーを10%含むPVDF−HFPである。粘度調製溶媒は、DMC(ジメチルカーボネート)である。粘度調製溶媒は、DMCに限定されない。
なお、電解質層を、正極上や負極上、あるいはその両方に予め形成したり、電極や電解質層を別々に形成したりすることも可能である。
図9は、図5に示される第1シール材配置工程を説明するための平面図、図10は、図9の線X−Xに関する断面図である。
第1シール材配置工程においては、第1シール材24が、集電体21が露出している正極側外周部かつ正極23の周囲を延長するように配置される。第1シール材24は、第1シール部25を構成することとなる一液熱硬化型エポキシ樹脂(未硬化)からなる前駆体である。第1シール材24の配置は、例えば、ディスペンサを用いる塗布が適用される。
図11は、図5に示されるセパレータ配置工程を説明するための断面図である。
セパレータ配置工程においては、PE(ポリエチレン)セパレータ31が、集電体21の正極側面(電解質の表面)の全てを覆うように配置される。これにより、セパレータ31が、電解質および第1シール材24に重ねられ、サブアッシーユニット(積層体)40が形成される。セパレータ31の厚みは、例えば、12μmである。
図12は、図5に示されるアッシー工程に適用される製造装置を説明するための断面図である。
製造装置100は、サブアッシーユニット40を貼り合せて、複数積層することにより双極型二次電池(電池本体部)を製造するために使用され、載置台(第1保持手段)110、上部アーム(第2保持手段)120、密閉手段130、減圧機構140および加圧手段150を有する。以下において、載置台110によって保持されるサブアッシーユニットを、下方積層体(第1積層体)40Aで参照し、上部アーム120によって保持されるサブアッシーユニットを、上方積層体(第2積層体)40Bで参照する。
載置台110は、下方積層体40Aの貼り合せ面42の背面44を、負圧によって保持するために使用され、負圧保持機構111および負圧保持機構111が配置される基部118を有する。負圧保持機構111は、下方積層体40Aの背面44と当接する吸着パッド(支持部)112、および、外部の負圧源に連結される負圧導入部116を有する。吸着パッド112は、多孔性材料からなり、平面からなる当接面114を有する。負圧保持機構111は、吸着パッド112の当接面114の上方に位置する下方積層体40Aの背面44を吸引することで、下方積層体40Aの背面44全体を保持自在に設定されている。
上部アーム120は、載置台110に対して近接離間自在に配置され、下方積層体40Aに相対する上方積層体40Bの背面44を、負圧によって保持するために使用され、負圧保持機構121および負圧保持機構121が配置される基部128を有する。負圧保持機構121は、上方積層体40Bの背面44と当接する吸着パッド(支持部)122、および、外部の負圧源に連結される負圧導入部126を有する。吸着パッド122は、多孔性材料からなり、平面からなる当接面124を有する。負圧保持機構121は、吸着パッド122の当接面124の下方に位置する上方積層体40Bの背面44を吸引することで、上方積層体40Bの背面44全体を保持自在に設定されている。
密閉手段130は、下方積層体40Aを保持している載置台110と、上方積層体40Bを保持している上部アーム120と、の間に形成される(位置する)空間を、密閉するために使用され、上部気密シール132、下部気密シール134およびケーシング部136を有する。
上部気密シール132は、弾性体からなり、上部アーム120の基部128の外周に沿って配置されている。下部気密シール134は、弾性体からなり、載置台110の基部118の外周に沿って配置されている。ケーシング部136は、下方積層体40Aおよび上方積層体40Bをそれぞれ保持した載置台110および上部アーム120が、スライド自在に構成されている。
したがって、上部気密シール132が、ケーシング部136の内面と上部アーム120の基部128の外周との間に位置する一方、下部気密シール134が、ケーシング部136の内面と載置台110の基部118の外周との間に位置する場合、載置台110と上部アーム120との間の空間は、密閉されることになる。つまり、ケーシング部136、上部アーム120および載置台110は、上部気密シール132および下部気密シール134を介在させることで、一体として、密閉チェンバを形成する。
減圧機構140は、密閉手段130によって密閉された前記空間を減圧するために使用され、減圧配管系142および排出手段144を有する。減圧配管系142は、真空ポンプ等の外部の減圧源(不図示)に連結されている。排出手段144は、前記空間の内部に存在する気体を排出するために使用され、ケーシング部136に配置される排気口からなる。つまり、排出手段144は、下方積層体40Aおよび上方積層体40Bの貼り合せ面42に対して交差する積層方向Lに延長する前記空間の側面に、配置されている。
なお、下方積層体40Aと上方積層体40Bとは、前記減圧機構によって前記空間が減圧されると、貼り合されて積層される。したがって、気泡の混入を抑制するためには、高い真空度(真空)であることが好ましい。
加圧手段150は、例えば、液圧シリンダを有し、上部アーム120に配置されており、上方積層体40Bおよび下方積層体40Aを貼り合せて積層した後において、減圧機構140によって前記空間が減圧された状態で、上部アーム120を介して上方積層体40Bおよび下方積層体40Aを積層方向Lに加圧するために使用される。
以上のように、製造装置100においては、下方積層体40Aおよび上方積層体40Bの保持部位は、外周ではなく、貼り合せ面42の背面44であり、かつ、下方積層体40Aを保持している載置台110と、上方積層体40Bを保持している上部アーム120と、の間に形成される密閉空間Sは、減圧されているため、下方積層体40Aと上方積層体40Bとを貼り合せて積層する際、積層体同士を面接触させ、気泡の混入を抑制することが可能である。これにより、気泡の混入によるデッドスペースおよび皺の発生が削減されるため、出力の低下を避けることができる。つまり、気泡の混入を抑制することにより良好な電池性能を有する双極型二次電池を、提供することが可能である。また、減圧される空間は、載置台110と上部アーム120との間に形成される小さな空間であるため、真空度の向上および減圧時間の短縮化を図ることが可能である。
密閉空間Sの側面に排気口144が配置されており、密閉空間内部に存在する気体が、密閉空間Sの側面から排出されて、減圧されるため、気泡を効率よく排除することができる。
貼り合せて積層した後において減圧を維持した状態で、上方積層体40Bおよび下方積層体40Aを加圧することにより、気泡が混入することが抑制されるため、残留気泡をさらに減少させことが可能である。
載置台110および上部アーム120によって保持される下方積層体40Aおよび上方積層体40Bの貼り合せ面42は、平面からなる当接面114,124によってその背面44が支持され、平面を維持した状態で貼り合せて積層されるため、皺が発生し難くかつ気泡を確実に排除することが可能である。
次に、製造装置100が適用されるアッシー工程の各工程を説明する。
図13は、図5に示されるサブアッシーユニット保持工程を説明するための断面図である。
サブアッシーユニット保持工程においては、下方積層体40Aの背面44を、負圧によって載置台110によって保持する一方、下方積層体40Aに相対する上方積層体40Bの背面44を、負圧によって上部アーム120によって保持する。この際、下方積層体40Aおよび上方積層体40Bは、互いに接触しないように、積層方向Lに間隔をあけて配置される。また、下方積層体40Aの背面44(負極22)は、載置台110の吸着パッド112における平面からなる当接面114に吸着され、上方積層体40Bの背面44(セパレータ31)は、上部アーム120の吸着パッド122における平面からなる当接面124に吸着される。
図14は、図5に示される第2シール材配置工程を説明するための断面図である。
第2シール材配置工程においては、第2シール材26が、下方積層体40Aの貼り合せ面42(セパレータ31)上に配置され。この際、第2シール材26は、第1シール材24の配置部位と対応するように(重なるように)位置決めされる。第2シール材26は、第2シール部27を構成することとなる一液熱硬化型エポキシ樹脂(未硬化)からなる前駆体である。第2シール材26の配置は、例えば、ディスペンサを用いる塗布が適用される。
第1シール材24の厚みは、正極23および電解質の合計厚み未満であり、かつ、第2シール材26の厚みは、負極22および電解質の合計厚み未満であるように、設定されることが好ましい。この場合、セパレータ31が、外周部に位置する第1シール材24および第2シール材26に接触する前に、電解質が設けられる中央部位と接触するため、第1シール材24および第2シール材26により囲まれた内部に、気泡を残留することを抑制することが可能である。
なお、第2シール材配置工程は、セパレータ配置工程の後に配置し、サブアッシーユニット保持工程において、第2シール材26が予め配置された下方積層体40Aを、載置台110に保持させることも可能である。
図15および図16は、図5に示される積層工程における密閉空間の形成および減圧を説明するための断面図である。
積層工程においては、上部アーム120により保持される上方積層体40Bと、載置台110により保持される下方積層体40Aと、を貼り合して積層する。この際、載置台110と上部アーム120との間に形成される空間を密閉した後で、当該空間を減圧し、下方積層体40Aと上方積層体40Bとを貼り合して積層する。
詳述すると、図15に示されるように、上部アーム120が、ケーシング部136の内面をスライドしながら載置台110に向かって降下する。この際、上部気密シール132は、ケーシング部136の内面と上部アーム120の基部128の外周との間に位置する一方、下部気密シール134は、ケーシング部136の内面と載置台110の基部118の外周との間に位置する。したがって、載置台110と上部アーム120との間の空間Sは、密閉される。
上部アーム120の降下を継続し、下方積層体40Aと上方積層体40Bとを貼り合して積層する直前において、減圧機構140を作動させ、ケーシング部136に配置される排気口144および減圧配管系142を経由して、密閉空間内部に存在する気体を排出することで、密閉空間Sを減圧する。
貼り合して積層する直前における下方積層体40Aの貼り合せ面42と上方積層体40Bの貼り合せ面42との間の離間距離は、非常に小さいため、減圧される密閉空間Sを最小限とすることが可能であり、また、下方積層体40Aおよび上方積層体40Bの背面44を保持するための負圧が、密閉空間Sの真空度に比較して弱くて、保持力がなくなる場合であっても、下方積層体40Aと上方積層体40Bとを貼り合して積層することが可能である。
そして、上部アーム120の降下をさらに継続し、上部アーム120によって保持される上方積層体40Bの貼り合せ面42と、載置台110によって保持される下方積層体40Aの貼り合せ面42と、を当接させて、図16に示されるように、上方積層体40Bと下方積層体40Aとを貼り合して積層する。
この際、下方積層体40Aおよび上方積層体40Bの保持部位は、外周ではなく、貼り合せ面42の背面44であり、かつ、下方積層体40Aを保持している載置台110と、上方積層体40Bを保持している上部アーム120と、の間に形成される密閉空間Sは、減圧されているため、下方積層体40Aと上方積層体40Bとを貼り合せて積層する際、積層体同士を面接触させ、気泡の混入を抑制することが可能である。これにより、気泡の混入によるデッドスペースおよび皺の発生が削減されるため、出力の低下を避けることができる。したがって、気泡の混入を抑制することにより良好な電池性能を有する双極型二次電池を、提供することが可能である。また、減圧される空間は、載置台110と上部アーム120との間に形成される小さな空間であるため、真空度の向上および減圧時間の短縮化を図ることが可能である。
載置台110および上部アーム120によって保持される下方積層体40Aおよび上方積層体40Bの貼り合せ面42は、平面からなる当接面114,124によってその背面44が支持され、平面を維持した状態で貼り合せて積層されるため、皺が発生し難くかつ気泡を確実に排除することが可能である。
図17は、図5に示される加圧工程を説明するための断面図である。
加圧工程においては、貼り合せて積層した後の下方積層体40Aおよび上方積層体40Bを、密閉空間Sが減圧された状態で、上部アーム120を介して加圧手段150によって積層方向Lに加圧することで、下方積層体40Aおよび上方積層体40Bが有する第1および第2シール材24,26の厚みを、所定に値(極厚みと同等の厚み)に調整する。この際、下方積層体40Aおよび上方積層体40Bは、加圧によって、気泡が混入することが抑制されるため、残留気泡をさらに減少させことが可能である。
図18は、サブアッシーユニット保持工程〜加圧工程の繰り返しを説明するための断面図である。
加圧工程が完了すると、上部アーム120は、上方積層体40Bの保持を解除し、上昇する。これにより、貼り合されて積層された上方積層体40Bと一体化された下方積層体40Aが、載置台110によって保持されることになる。そして、サブアッシーユニット保持工程〜加圧工程が所定回数繰り返される。つまり、サブアッシーユニット保持工程〜加圧工程を繰り返す毎に、載置台110によって保持される下方積層体40Aに含まれるサブアッシーユニットが増加していくことになる。なお、最後の繰り返し時においては、図18に示されるように、上部アーム120に保持される上方積層体40Bとして、正極用電解質、第1シール材およびセパレータを有しないサブアッシーユニットが適用される。
シール材硬化工程においては、載置台110から取りはずされた下方積層体40Aを、加熱することで、第1および第2シール材24,26を熱硬化し、第1および第2シール部25,27を形成することで、電池本体部16が形成される。下方積層体40Aの加熱は、例えば、オーブンを適用することが可能である。
ゲル界面形成工程においては、電池本体部16を加熱下で加圧することで、電池本体部に含まれるセパレータ31に、電解質が浸透させられ、ゲル界面が形成される。
初充電工程においては、電池本体部16と電気的に接続された充放電装置によって、初回充電が行われ、気泡が発生させさられる。
気泡排出工程においては、例えば、電池本体部16の表面をローラによって押圧することにより、電池本体部16の中央部に位置する気泡が、外周部に移動させられて取り除かれる。なお、ゲル界面形成工程で、既に気泡が十分排出されるので、気泡排出工程は必ずしも必要ではないが、この工程によって、気泡の抑制がより確実となる。
組立工程においては、電池本体部16が、外装ケース14に収容され、双極型二次電池10(図1参照)が製造される。
図19は、本発明の実施の形態に係る双極型二次電池の容量評価結果を説明するための図表である。比較例は、積層工程および加圧工程が大気圧下で実施されている点で、本実施の形態と異なっている。
容量評価に使用された双極型二次電池の電池本体部は、サブアッシーユニットが5個積層されてなり、電極面、集電体およびセパレータのサイズ(mm)は、120×70、140×90および150×100である。
また、双極型二次電池は、100μmのアルミニウム板からなる強電端子によって電池本体部を挟み込み、これらを覆うように外装ケースで真空密封し、大気圧によって電池要素全体を加圧することで形成した。強電端子のサイズ(mm)は、130×80であり、電池要素の投影面全体を覆うことが可能であり、強電端子の一部が電池投影面外部まで伸びている。
容量評価においては、正極の塗布重量から概算された容量ベースで、21V−1Cで2時間充電を行った後、下限電圧12.5Vで10C定電流放電を実施し、容量測定を行った。放電容量は、正極の塗布重量から概算された容量を100%としたときの値である。
図19に示さされるように、比較例は、80%であり、本実施の形態は、95%であった。つまり、本実施の形態は、10Cという比較的負荷の高い放電でも、良好な放電容量を維持することが可能である。これは層間に気泡の残った比較例に係る電池に対し、本実施の形態に係る電池は、真空中で貼り合せて積層しいることから、気泡は電池内には残っておらず、気泡による放電の阻害がなかったためと考えられる。また、本実施の形態に係る製造装置100においては、積層工程および加圧工程を大気圧下で実施する場合と同様なスピードで、貼り合せて積層することが可能であった。
図20は、本発明の実施の形態に係る変形例1を説明するための断面図、図21および図22は、変形例1に係る密閉機構を説明するための断面図および平面図である。
変形例1は、密閉手段の構成が異なっており、装置構造が簡略化されている。
図20に示されるように、密閉手段130Aは、ケーシング部136Aおよび単一の気密シール135Aを有する。ケーシング部136Aは、上部アーム120の基部128の外周(上部アーム120により保持される上方積層体40Bの外周)を取り囲むように配置され、載置台110に向かって突出している。気密シール135Aは、ケーシング部136Aの内面と接触自在に、載置台110の基部128の外周に配置される。
したがって、図21に示されるように、上部アーム120を載置台110に向かって降下させ、ケーシング部136Aの内面を、気密シール135Aを介して載置台110の基部128の外周を覆うように位置決めすることにより、載置台110と上部アーム120との間の空間Sは、密閉されることになる。また、減圧される領域の体積は、非常に小さくなる。
なお、減圧機構140Aの排出手段144Aは、ケーシング部136Aに配置される排気口からなる。排気口144Aは、減圧配管系142Aに連通しており、下方積層体40Aの貼り合せ面42と上方積層体40Bの貼り合せ面42との間に形成される空間の側面から、空間内部に存在する気体が排出されるように位置決めされる。これにより、気泡を効率よく排除することができる。
また、排気口144Aは、図22に示されるように、気泡を効率よく排除する観点から、上部アーム120の基部128の外周の4辺上に配置される。
以上のように、変形例1においては、単一の気密シール135Aと上部アーム120に配置されるケーシング部136Aとによって、密閉手段130Aが構成されるため、装置構造が簡略化される。また、減圧される領域の体積は、非常に小さくなるため、真空度の向上および減圧時間の短縮化を図ることできる。
図23および図24は、本発明の実施の形態に係る変形例2および変形例3を説明するための平面図である。
ケーシング部136Aに配置される排気口144Aは、上部アーム120の基部128の外周の4辺上に配置される形態に限定されず、例えば、図23に示される変形例2のように、対角上に配置したり、図24に示される変形例3のように、対辺上に配置したりすることも可能である。なお、効果は、図24に示される対辺上、図23に示される対角上、図22に示される4辺上の順に向上する。
図25および図26は、本発明の実施の形態に係る変形例4および変形例5を説明するための断面図である。
減圧機構140Aの排出手段144Aは、ケーシング部136Aに配置される排気口から構成する形態に限定されない。例えば、図25に示される変形例4のように、上部アーム120の基部128に配置される排気口によって構成し、密閉空間内部に存在する気体を上方に排出したり、図26に示される変形例5のように、載置台110の基部128に配置される排気口によって構成し、密閉空間内部に存在する気体を下方に排出したりすることも可能である。
図27は、本発明の実施の形態に係る変形例6を説明するための断面図である。
変形例6は、ケーシング部および単一のシール材が配置される部材に関し、変形例1と概して異なっており、図27に示されるように、密閉手段130Bは、ケーシング部136Bおよび単一の気密シール135Bを有する。
ケーシング部136Bは、載置台110の基部128の外周(載置台110により保持される下方積層体40Aの外周)を取り囲むように配置され、上部アーム120に向かって突出している。気密シール135Bは、ケーシング部136Bの内面と接触自在に、上部アーム120の基部128の外周に配置される。
したがって、上部アーム120を載置台110に向かって降下させ、上部アーム120の基部128の外周が、気密シール135Bを介してケーシング部136Bの内面によって覆われるように位置決めすることにより、載置台110と上部アーム120との間の空間は、変形例1の場合と同様に密閉されることになる。
以上のように、本実施の形態に係る双極型二次電池の製造方法および製造装置においては、下方積層体および上方積層体の保持部位は、外周ではなく、貼り合せ面の背面であり、かつ、下方積層体を保持している載置台と、上方積層体を保持している上部アームと、の間に形成される空間は、減圧されているため、下方積層体と上方積層体とを貼り合せて積層する際、積層体同士を面接触させ、気泡の混入を抑制することが可能である。これにより、気泡の混入によるデッドスペースおよび皺の発生が削減されるため、出力の低下を避けることができる。つまり、気泡の混入を抑制し得る双極型二次電池の製造方法および製造装置を、提供することができる。なお、減圧される空間は、載置台と上部アームとの間に形成される小さな空間であるため、真空度の向上および減圧時間の短縮化を図ることが可能である。
載置台および上部アームによって保持される下方積層体および上方積層体の貼り合せ面は、平面からなる当接面によってその背面が支持され、平面を維持した状態で貼り合せて積層されるため、皺が発生し難くかつ気泡を確実に排除することが可能である。
貼り合せて積層した後において減圧を維持した状態で、上方積層体および下方積層体を加圧することにより、気泡が混入することが抑制されるため、残留気泡をさらに減少させことが可能である。
また、本実施の形態に係る双極型二次電池の製造方法においては、積層工程において、下方積層体と上方積層体とを貼り合して積層する直前において、密閉空間を減圧している。したがって、下方積層体の貼り合せ面と上方積層体の貼り合せ面との間の離間距離は、非常に小さいため、減圧される密閉空間を最小限とすることが可能であり、また、下方積層体および上方積層体の背面を保持するための負圧が、密閉空間の真空度に比較して弱くて、保持力がなくなる場合であっても、下方積層体と上方積層体とを貼り合して積層することが可能である。
また、本実施の形態に係る双極型二次電池の製造装置においては、密閉空間の側面に排気口が配置されており、密閉空間内部に存在する気体が、密閉空間の側面から排出されて、減圧されるため、気泡を効率よく排除することができる。
さらに、本実施の形態に係る双極型二次電池の製造装置においては、密閉手段を単一の気密シールと、上部アームあるいは載置台に配置されるケーシング部とによって構成する場合、装置構造が簡略化することが可能である。また、これにより、減圧される領域の体積は、非常に小さくなるため、真空度の向上および減圧時間の短縮化を図ることできる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で種々改変することができる。
例えば、電解質は、ゲルポリマー系に限定されない。また、載置台は、下方に位置し、下方積層体を自重によって保持することが可能であるため、必要に応じて、負圧保持機構を省略することも可能である。
10 双極型二次電池、
11,12 端子プレート、
14 外装ケース、
16 電池本体部(積層体)、
20 双極型電極、
21 集電体、
22 負極、
22A 負極スラリー、
23 正極、
23A 正極スラリー、
24 第1シール材、
25 第1シール部、
26 第2シール材、
27 第2シール部、
30 電解質層、
31 セパレータ、
40 サブアッシーユニット(積層体)、
40A 下方積層体(第1積層体)、
40B 上方積層体(第2積層体)、
42 貼り合せ面、
44 背面、
50 組電池、
52,54 導電バー、
60 組電池モジュール、
70 車両、
100 製造装置、
110 載置台(第1保持手段)、
111 負圧保持機構、
112 吸着パッド(支持部)、
114 当接面、
116 負圧導入部、
118 基部、
120 上部アーム(第2保持手段)、
121 負圧保持機構、
122 吸着パッド(支持部)、
124 当接面、
126 負圧導入部、
128 基部、
130,130A,130B 密閉手段、
132 上部気密シール、
134 下部気密シール、
135A,135B 気密シール、
136,136A,136B ケーシング部、
140,140A 減圧機構、
142,142A 減圧配管系、
144,144A 排気口(排出手段)、
150 加圧手段、
L 積層方向、
S 密閉空間。

Claims (9)

  1. 双極型電極とセパレータとが積層された積層体を貼り合せて、複数積層することにより双極型二次電池を製造するための製造方法であって、
    第1積層体の貼り合せ面の背面を、第1保持手段によって保持する一方、前記第1積層体に相対する第2積層体の貼り合せ面の背面を、前記第1保持手段に対して近接離間自在に配置される第2保持手段によって保持する保持工程と、
    前記第1保持手段により保持される前記第1積層体と、前記第2保持手段により保持される前記第2積層体と、を貼り合して積層する積層工程と、を有し、
    前記第1保持手段および前記第2保持手段の少なくとも一方は、負圧によって前記貼り合せ面の背面を保持しており、
    前記積層工程
    前記第1積層体を保持している前記第1保持手段と、前記第2積層体を保持している前記第2保持手段と、の間に位置する空間を、ケーシング部によって取り囲み、前記第1保持手段および前記第2保持手段の少なくとも一方と、前記ケーシング部との間にシール材を配置することによって、前記空間を密閉する密閉工程と、
    密閉された前記空間を減圧し、前記第1積層体と前記第2積層体とを貼り合して積層する減圧工程と、を有する
    ことを特徴とする製造方法。
  2. 前記ケーシング部は、前記第1保持手段および前記第2保持手段の一方の外周を取り囲むように配置され、かつ、前記第1保持手段および前記第2保持手段の他方に向かって突出しており、
    前記シール材は、前記ケーシング部の内面と、前記他方の外周との間に配置されており、
    前記密閉工程において、前記空間は、前記ケーシング部を、前記シール材を介して前記他方を覆うように位置決めすることにより、密閉されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記積層工程の後において、前記空間が減圧された状態で、前記第1積層体および前記第2積層体を、前記貼り合せ面に対して直交する積層方向に加圧する加圧工程を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記保持工程において、前記貼り合せ面の背面は、前記第1保持手段および前記第2保持手段の支持部における平面からなる当接面によって支持されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 双極型電極とセパレータとが積層された積層体を貼り合せて、複数積層することにより双極型二次電池を製造するための製造装置であって、
    第1積層体の貼り合せ面の背面を保持する第1保持手段と、
    前記第1保持手段に対して近接離間自在に配置され、前記第1積層体に相対する第2積層体の貼り合せ面の背面を保持する第2保持手段と、
    前記第1積層体を保持している前記第1保持手段と、前記第2積層体を保持している前記第2保持手段と、の間に位置する空間を密閉するための密閉手段と、
    前記密閉手段によって密閉された前記空間を減圧するための減圧機構と、
    を有し、
    前記密閉手段は、
    前記空間を取り囲むように配置されるケーシング部と、
    前記第1保持手段および前記第2保持手段の少なくとも一方と、前記ケーシング部との間に配置され、前記空間を密閉するためのシール材と、を有し、
    前記第1保持手段および前記第2保持手段の少なくとも一方は、負圧によって前記貼り合せ面の背面を保持する負圧保持機構を有し、
    前記第1積層体と前記第2積層体とは、前記減圧機構によって前記空間が減圧されると、貼り合されて積層される
    ことを特徴とする製造装置。
  6. 前記ケーシング部は、前記第1保持手段および前記第2保持手段の一方の外周を取り囲むように配置され、かつ、前記第1保持手段および前記第2保持手段の他方に向かって突出しており
    前記シール材は、前記ケーシング部の内面と、前記他方の外周との間に配置されており
    前記空間は、前記ケーシング部、前記シール材を介して前記他方を覆うように位置決めすることにより密閉される
    ことを特徴とする請求項に記載の製造装置。
  7. 前記減圧機構は、前記空間の内部に存在する気体を排出するための排出手段を有し、
    前記排出手段は、前記貼り合せ面に対して直交する積層方向に延長する前記空間の側面に、配置されている
    ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の製造装置。
  8. 前記第1積層体と前記第2積層体とを貼り合せて積層した後において、前記減圧機構によって前記空間が減圧された状態で、前記第1積層体および前記第2積層体を、前記貼り合せ面に対して直交する積層方向に加圧するための加圧手段を有する
    ことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の製造装置。
  9. 前記第1保持手段および前記第2保持手段は、前記第1積層体および前記第2積層体の貼り合せ面の背面と当接する支持部を有し、
    前記支持部は、平面からなる当接面を有することを特徴とする請求項8に記載の製造装置。
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