JP5375263B2 - 電池の製造方法および製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電池の製造方法および製造装置に関する。
双極型二次電池や非双極型(積層型)二次電池は、電極とセパレータとが積層された積層体を重ね合せて、複数積層することにより製造されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平11−204136号公報
しかし、電極とセパレータとが積層された積層体を重ね合せて積層する際において、電極とセパレータとの間に、気泡が混入する可能性がある。混入した気泡は、デッドスペースを発生させたり、セパレータに皺が発生させたりする。そのため、セパレータでのイオンの移動が妨げられ(抵抗が増大)、出力が低下する問題を有する。
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、気泡の混入を抑制することにより良好な電池性能を有する電池の製造方法および製造装置を、提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の一様相は、電極とセパレータとが積層された積層体を重ね合せて、複数積層することにより電池を製造するための製造方法である。当該製造方法は、第1積層体の重ね合せ面の背面を、第1保持手段によって保持しながら、前記第1積層体を、第2積層体の重ね合せ面の背面を保持する第2保持手段に対して近接させ、前記第1積層体を、前記第2積層体に重ね合せて積層する積層工程を有する。また、前記第1積層体の背面には、通気性を有するセパレータが位置しており、少なくとも前記第1積層体が前記第2積層体に重ね合されて積層されるまで、前記第1保持手段によって、前記セパレータが負圧保持される。なお、前記第1積層体および前記第2積層体の背面は、前記第1保持手段および前記第2保持手段における平面からなる当接面によって支持される。
上記目的を達成するための本発明の別の一様相は、電極とセパレータとが積層された積層体を重ね合せて、複数積層することにより電池を製造するための製造装置である。当該製造装置は、第1積層体の重ね合せ面の背面を負圧保持自在の第1保持手段と、第2積層体の重ね合せ面の背面を保持する第2保持手段と、前記第1積層体の背面を負圧保持する前記第1保持手段を、前記第2積層体の背面を保持する前記第2保持手段に対して近接させ、前記第1積層体を、前記第2積層体に重ね合せて積層するための駆動手段と、を有する。また、前記第1積層体の背面には、通気性を有するセパレータが位置しており、前記第1保持手段は、少なくとも前記第1積層体が前記第2積層体に重ね合されて積層されるまで、前記セパレータを負圧保持する。なお、前記第1保持手段および前記第2保持手段は、前記第1積層体および前記第2積層体の重ね合せ面の背面と当接する平面からなる当接面を有する。
本発明の一様相に係る電池の製造方法および別の一様相に係る電池の製造方法によれば、第1積層体の重ね合せ面の背面に位置するセパレータは、通気性を有し、かつ、負圧によって保持されており、第1積層体を第2積層体に重ね合せて積層するまで、セパレータを介して気泡が排出されるため、気泡の残留を抑制することが可能である。また、第1積層体および第2積層体の保持部位は、外周ではなく、重ね合せ面の背面であるため、積層体同士を面接触させ、重ね合せ面における気泡の残留を抑制することが可能である。これにより、気泡の混入によるデッドスペースおよび皺の発生が削減されるため、電池(発電要素)出力の低下を避けることができる。また、第1積層体および第2積層体の重ね合せ面は、平面からなる当接面によってその背面が支持され、平面を維持した状態で重ね合されて積層されるため、吸着時のズレなどによる皺が発生し難くかつ気泡を確実に排除することが可能である。したがって、気泡の混入を抑制し得る電池の製造方法および製造装置を、提供することができる。
本発明の実施の形態に係る電池を説明するための斜視図である。 本発明の実施の形態に係る電池を説明するための断面図である。 図1に示される電池を利用する組電池を説明するための斜視図である。 図3に示される組電池が搭載されている車両の概略図である。 本発明の実施の形態に係る電池の製造方法を説明するための工程図である 図5に示される電極形成工程を説明するための平面図である。 図5に示される電極形成工程を説明するための背面図である。 図6の線VIII−VIIIに関する断面図である。 図5に示される第1シール材配置工程を説明するための平面図である。 図9の線X−Xに関する断面図である。 図5に示されるアッシー工程に適用される製造装置を説明するための概略図である。 図5に示されるサブアッシーユニット形成工程を説明するための断面図である。 図5に示される搬送工程を説明するための断面図である。 図5に示される第2シール材配置工程を説明するための断面図である。 図5に示される積層工程を説明するための断面図である。 サブアッシーユニット形成工程〜積層工程の繰り返しを説明するための断面図である。 本発明の実施の形態に係る変形例1を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態に係る変形例2を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態に係る変形例3を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態に係る変形例4を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態に係る変形例4を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態に係る変形例4を説明するための概略図である。 本発明の実施の形態に係る電池の微小短絡試験結果を説明するための図表である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1および図2は、本発明の実施の形態に係る電池を説明するための斜視図および断面図である。
本実施の形態に係る電池10は、双極型のリチウム二次電池であり、外装ケース14、外装ケース14の内部に配置される電池本体部16および端子プレート11,12を有する。電池本体部16は、後述するように、気泡の混入が抑制されており、電池10は、良好な電池性能を備えている。
外装ケース14は、外部からの衝撃や環境劣化を防止するために使用されており、シート材の外周部の一部または全部を、熱融着により接合することで形成される。シート材は、軽量化および熱伝導性の観点から、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、銅などの金属(合金を含む)をポリプロピレンフィルム等の絶縁体で被覆した高分子−金属複合ラミネートフィルムから構成されることが好ましい。
電池本体部16は、複数の単電池(電池要素)を有しており、双極型電極20、電解質層30、第1シール部25および第2シール部27を有する。双極型電極20は、負極22、正極23および集電体21を有する。正極23および負極22は、集電体21の一方および他方の面に形成されており、集電体21は、正極23および負極22の間に位置している。
負極22は、ハードカーボン(難黒鉛化炭素材料)からなる負極活物質を有する。負極活物質は、例えば、黒鉛系炭素材料や、リチウム−遷移金属複合酸化物を利用することも可能である。しかし、カーボンおよびリチウム−遷移金属複合酸化物からなる負極活物質は、容量および出力特性の観点から好ましい。正極23は、LiMnからなる正極活物質を有する。正極活物質は、LiMnに制限されないが、容量および出力特性の観点から、リチウム−遷移金属複合酸化物を適用することが好ましい。正極23および負極22の厚さは、電池の使用目的(例えば、出力重視あるいはエネルギー重視)や、イオン伝導性を考慮して適宜設定される。
集電体21は、ステンレススチール箔から形成される。集電体21の素材として、アルミニウム箔、ニッケルとアルミニウムのクラッド材、銅とアルミニウムのクラッド材、あるいはこれらの金属の組み合わせのめっき材を、利用することも可能である。
電解質層30は、通気性を有するセパレータに非水電解質を浸透させてなる基部層、および、セパレータと正極23あるいはセパレータと負極22との間でイオンを伝導する電解質からなる表面層を有する。
セパレータは、多孔性(ポーラス)のPE(ポリエチレン)から形成され、通気性を有する。セパレータの素材として、PP(ポリプロピレン)などの他のポリオレフィン、PP/PE/PPの3層構造をした積層体、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、不織布を、利用することが可能である。不織布は、例えば、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステルである。なお、セパレータは、絶縁体であるが、電解質が浸透することによって、イオンの透過性および電気伝導性を呈することとなる。
電解質は、ゲルポリマー系であり、電解液およびホストポリマーを有する。
電解液は、PC(プロピレンカーボネート)およびEC(エチレンカーボネート)からなる有機溶媒、支持塩としてのリチウム塩(LiPF)を含んでいる。有機溶媒は、例えば、その他の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類、テトラヒドロフラン等のエーテル類を適用することが可能である。リチウム塩は、例えば、その他の無機酸陰イオン塩、LiCFSO等の有機酸陰イオン塩を、適用することが可能である。
ホストポリマーは、HFP(ヘキサフルオロプロピレン)コポリマーを10%含むPVDF−HFP(ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体)である。ホストポリマーは、その他のリチウムイオン伝導性を持たない高分子や、イオン伝導性を有する高分子(固体高分子電解質)を適用することも可能である。その他のリチウムイオン伝導性を持たない高分子は、例えば、PAN(ポリアクリロニトリル)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)である。イオン伝導性を有する高分子は、例えば、PEO(ポリエチレンオキシド)やPPO(ポリプロピレンオキシド)である。
第1シール部25は、集電体21の一方の面に配置されかつ正極23の周囲を取り囲むように延長している充填部であり、良好なシール効果を発揮し、例えば、水分の内部混入を抑制する。電解質層30は、正極23および第1シール部25を覆うように配置されている。第2シール部27は、第1シール部25と位置合せされて、集電体21の他方の面に配置されかつ負極22の周囲を取り囲むように延長している充填部であり、良好なシール効果を発揮し、例えば、水分の内部混入を抑制する。
第1シール部25および第2シール部27を構成するシール材は、一液熱硬化型エポキシ樹脂であるが、特に限定されず、その他の熱硬化型樹脂(ポリプロピレンやポリエチレン等)を適用することが可能であり、使用環境下において良好なシール効果を発揮するものを、用途に応じて適宜選択することが好ましい。
端子プレート11,12は、高導電性部材からなり、外装ケース14の内部から外部に向かって延長しており、電池本体部16から電流を引き出すための電極タブを兼用している。独立した別体の電極タブを配置し、直接的あるいはリードを利用して、端子プレート11,12と接続することで、電池本体部16から電流を引き出すことも可能である。高導電性部材は、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス、これらの合金である。
端子プレート11,12は、電池本体部16の最外層(最上位および最下位)に配置され、その電極投影面の全てを、少なくとも覆うように構成されている。したがって、最外層の電流取り出し部(面方向の電流取り出し)は、低抵抗化され、電池の高出力化が可能になる。なお、電池本体部16の最外層に位置する集電体21によって、端子プレート11,12を構成することも可能である。また、端子プレート11,12のさらに外側に、補強板を配置することも可能である。
図3は、図1に示される電池を利用する組電池を説明するための斜視図である。
電池10は、単独で使用することが可能であるが、組電池50の形態で利用することが可能である。組電池50は、電池10を直列化および/又は並列化し、複数接続して構成されており、導電バー52,54を有する。導電バー52,54は、各電池10の外装ケース14から延長する端子プレート11,12に接続されている。接続方法は、例えば、超音波溶接、熱溶接、レーザー溶接、リベット、かしめ、電子ビームである。容量および電圧は、例えば、電池10を接続する際に、適宜、直列あるいは並列化することで、自由に調整することが可能である。
図4は、図3に示される組電池が搭載されている車両の概略図である。
組電池50自体を、直列化および/又は並列化し、複数接続することで組電池モジュール(大型の組電池)60として提供することも可能である。組電池モジュール60は、大出力を確保し得るため、車両70のモータ駆動用電源として搭載することが可能である。車両は、例えば、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、電車である。
組電池モジュール60は、例えば、内蔵する外装ケース14毎あるいは組電池50毎の充電制御を行うなど、非常にきめ細かい制御ができるため、1回の充電あたりの走行距離の延長、車載電池としての寿命の長期化などの性能の向上を図ることが可能である。
図5は、本発明の実施の形態に係る電池の製造方法を説明するための工程図である
本実施の形態に係る電池の製造方法は、電極ユニットを形成するための電極ユニット形成工程と、電極ユニットとセパレータとが積層されたサブアッシーユニット(積層体)を形成し、当該サブアッシーユニットを複数積層した双極型二次電池(電池本体部)を形成するためのアッシー工程と、電池本体部を外装ケースに収容するため組立工程と、を有する。なお、アッシー工程においては、良好な電池性能を有するように、気泡の混入を抑制している。
電極ユニット形成工程は、電極形成工程、電解質配置工程および第1シール材配置工程に分割される。アッシー工程は、サブアッシーユニット形成工程(第1積層体形成工程)、搬送工程、第2シール材配置工程、積層工程、加熱プレス工程、ゲル界面形成工程および初充電工程に分割される。
次に、電極ユニット形成工程の各工程を詳述する。
図6および図7は、図5に示される電極形成工程を説明するための平面図および背面図、図8は、図6の線VIII−VIIIに関する断面図である。
電極形成工程においては、図6および図7に示されるように、集電体21の一方および他方の面に、正極スラリー23Aおよび負極スラリー22Aが、それぞれ塗布される。集電体21は、例えば、厚さ20μmのステンレススチール箔である。
正極スラリーは、例えば、正極活物質[85重量%]、導電助剤[5重量%]およびバインダ[10重量%]を有し、粘度調整溶媒を添加することで、所定の粘度に調整されている。正極活物質は、LiMnである。導電助剤は、アセチレンブラックである。バインダは、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)である。粘度調整溶媒は、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)である。導電助剤は、カーボンブラックやグラファイトを利用することも可能である。バインダおよび粘度調整溶媒は、PVDFおよびNMPに限定されない。
負極スラリーは、例えば、負極活物質[90重量%]およびバインダ[10重量%]を有し、粘度調整溶媒を添加することで、所定の粘度に調整されている。負極活物質は、ハードカーボンである。バインダおよび粘度調整溶媒は、PVDFおよびNMPである。
正極スラリーの塗膜および負極スラリーの塗膜は、例えば、真空オーブンを利用して、乾燥させられ、図8に示されるように、正極活物質層からなる正極23および負極活物質層からなる負極22を形成する。この際、NMPは、揮発することで除去される。正極23および負極22の厚みは、例えば、30μmである。
電解質配置工程においては、集電体21の一方および他方の面に、電解質(不図示)が、塗布される。電解質の塗布部位は、正極23および負極22の電極部である。
電解質は、例えば、電解液[90重量%]およびホストポリマー[10重量%]の有し、粘度調整溶媒を添加することで、塗布に適した粘度にされている。電解液は、PCおよびECからなる有機溶媒、支持塩としてのリチウム塩を含んでいる。リチウム塩濃度は、1Mである。ホストポリマーは、HFPコポリマーを10%含むPVDF−HFPである。粘度調製溶媒は、DMC(ジメチルカーボネート)である。粘度調製溶媒は、DMCに限定されない。
図9は、図5に示される第1シール材配置工程を説明するための平面図、図10は、図9の線X−Xに関する断面図である。
第1シール材配置工程においては、第1シール材24が、集電体21が露出している正極側外周部かつ正極23の周囲を延長するように配置される。第1シール材24は、第1シール部25を構成することとなる一液熱硬化型エポキシ樹脂(未硬化)からなる前駆体である。第1シール材24の配置は、例えば、ディスペンサを用いる塗布が適用される。これにより、電極ユニット35が形成される。なお、第1シール材24の厚みHは、正極(電極)23の厚みHよりも大きくなるように設定される。
図11は、図5に示されるアッシー工程に適用される製造装置を説明するための概略図である。
製造装置100は、電極ユニット35とセパレータ31とが積層されたサブアッシーユニット(積層体)40を形成し、当該サブアッシーユニット40を複数積層した双極型二次電池(電池本体部)を製造するために使用され、載置台(第2保持手段)110、上部アーム(第1保持手段)120および駆動機構(駆動手段)150を有する。以下において、載置台110によって保持されるサブアッシーユニットを、下方積層体(第2積層体)40Aで参照し、上部アーム120によって保持されるサブアッシーユニットを、上方積層体(第1積層体)40Bで参照する。なお、積層の初回においては、上部アーム120によって保持される上方積層体40Bは、載置台110にそのまま配置され、下方積層体40Aとなる。
載置台110は、下方積層体40Aの重ね合せ面42の背面44を、保持するために使用され、平面からなる当接面114を有する。
上部アーム120は、上方積層体40Bの背面44を、負圧によって保持するために使用され、負圧保持機構121および負圧保持機構121が配置される基部128を有する。負圧保持機構121は、上方積層体40Bの背面44と当接する吸着パッド(支持部)122、および、外部の負圧源に連結される負圧導入部126を有する。吸着パッド122は、多孔性材料からなり、平面からなる当接面124を有する。負圧保持機構121は、吸着パッド122の当接面124の下方に位置する上方積層体40Bの背面44を吸引することで、上方積層体40Bの背面44全体を保持自在に設定されている。
上方積層体40Bの背面44には、通気性を有するセパレータ31が位置している。また、上部アーム120は、少なくとも上方積層体40Bが下方積層体40Aに重ね合されて積層されるまで、セパレータ31を負圧保持するように設定されている。
駆動機構150は、上部アーム120を、載置台110に対して近接させ、上方積層体40Bを、下方積層体40Aに重ね合せて積層するために使用され、例えば、多関節(多軸)式ロボットアームからなる。
また、製造装置100は、電極ユニット35とセパレータ31とを重ね合せて、積層することにより上方積層体40Bを形成する手段(第1積層体形成手段)を、さらに有する。当該手段は、本実施の形態において、上部アーム120および駆動機構150によって兼用されている。つまり、上部アーム120は、セパレータ31の重ね合せ面の背面を負圧保持し、駆動機構150は、上部アーム120を、電極ユニット35に対して近接させ、セパレータ31を、電極ユニット35に重ね合せて積層するために使用される。
以上のように、製造装置100においては、上方積層体40Bの重ね合せ面42の背面44に位置するセパレータ31は、通気性を有し、かつ、負圧によって保持されており、上方積層体40Bを下方積層体40Aに重ね合せて積層するまで、セパレータ31を介して気泡が排出されるため、気泡の残留を抑制することが可能である。また、上方積層体40Bおよび下方積層体40Aの保持部位は、外周ではなく、重ね合せ面42の背面44であるため、積層体同士を面接触させ、重ね合せ面における気泡の残留を抑制することが可能である。これにより、気泡の混入によるデッドスペースおよび皺の発生が削減されるため、電池(発電要素)出力の低下を避けることができる。つまり、気泡の混入を抑制することにより良好な電池性能を有する電池を、提供することが可能である。
載置台110および上部アーム120によって保持される下方積層体40Aおよび上方積層体40Bの重ね合せ面42は、平面からなる当接面114,124によってその背面44が支持され、平面を維持した状態で重ね合されて積層されるため、吸着時のズレなどによる皺が発生し難くかつ気泡を確実に排除することが可能である。
また、上方積層体40Bを形成する際において、セパレータ31を介して気泡が排出されるため、気泡の残留を抑制することが可能である。つまり、気泡の混入が抑制された上方積層体40Bを形成することができる。
形成された上方積層体40Bは、上部アーム120によって継続して負圧保持されながら、下方積層体40Aに重ね合されて積層されるため、移動(搬送)中における気泡の混入が抑制される。また、上部アーム120の当接面124は、正極23に塗布されているゲル電解質と接触しないため、搬送時のハンドリングも容易である。
なお、電極ユニット35とセパレータ31とを重ね合せて、積層することにより上方積層体40Bを形成する装置を、独立して配置することも可能である。
次に、製造装置100が適用されるアッシー工程の各工程を説明する。
図12は、図5に示されるサブアッシーユニット形成工程を説明するための断面図である。
サブアッシーユニット形成工程においては、電極ユニット35を、載置台110の平面からなる当接面114に配置する一方、通気性を有するセパレータ31の背面を、平面からなる当接面124を介して上部アーム120によって負圧保持する。そして、駆動機構150によって上部アーム120を制御し、上部アーム120を、電極ユニット35に対して近接させ、セパレータ31を、電極ユニット35に重ね合せて積層する。これにより、セパレータ31が、正極23(電解質)および第1シール材24に重ねられ、上方積層体40Bが形成される。セパレータ31の厚みは、例えば、12μmである。
この際、電極ユニット35に重ね合されて積層されるセパレータ31は、通気性を有し、かつ、負圧によって保持されており、上方積層体40Bを形成する際において、セパレータ31を介して気泡が排出されるため、気泡の残留を抑制することが可能である。これにより、気泡の混入が抑制された上方積層体40Bを形成することができる。
第1シール材24の厚みH2は、重ね合せ面に対して直交する積層方向に関し、正極23の厚みH1よりも大きくなるように設定されており(図10参照)、第1シール材24が正極23より突出している。そのため、セパレータ31を電極ユニット35に重ね合せて積層する際、第1シール材24がセパレータ31に接触した後で、気泡(気体)が外に抜けようとする。
この際、第1シール材24は、外方向に伸展させられる結果、第1シール材24の分布は、均一となり、良好かつ安定したシール性能を確保することが可能である。例えば、第1シール材24が集電体21のエッジ部まで満遍なく広がることで、集電体エッジでの短絡が低減され、初期不良率を改善できる。また、第1シール材24の伸展は、外方向(面方向で外側)であり、内側の位置する硬化前の電解質と接触することが防止されるため、電解質と反応して第1シール材24が硬化しなくなる現象を避けることで、シール不良が低減される。
セパレータ31および電極ユニット35の背面は、上部アーム120および載置台110における平面からなる当接面114,124によって支持されている。そのため、セパレータ31および電極ユニット35の重ね合せ面は、平面を維持した状態で重ね合されて積層されるため、吸着時のズレなどによる皺が発生し難くかつ気泡を確実に排除することが可能である。
図13は、図5に示される搬送工程を説明するための断面図である。
搬送工程においては、駆動機構150によって上部アーム120を制御し、形成された上方積層体40Bを、載置台110の平面からなる当接面114に配置されている下方積層体40Aに相対するように位置決めする。この際、上方積層体40Bの背面44に位置するセパレータ31は、上部アーム120によって継続して負圧保持される。したがって、移動(搬送)中における気泡の混入が抑制される。また、上部アーム120の当接面124は、正極23に塗布されているゲル電解質と接触しないため、搬送時のハンドリングも容易である。
図14は、図5に示される第2シール材配置工程を説明するための断面図である。
第2シール材配置工程においては、第2シール材26が、下方積層体40Aの重ね合せ面42(セパレータ31)上に配置され。この際、第2シール材26は、第1シール材24の配置部位と対応するように(重なるように)位置決めされる。第2シール材26は、第2シール部27を構成することとなる一液熱硬化型エポキシ樹脂(未硬化)からなる前駆体である。第2シール材26の配置は、例えば、ディスペンサを用いる塗布が適用される。
なお、第2シール材配置工程は、積層工程の前であれば、搬送工程と積層工程との間に配置することに特に限定されない。
図15は、図5に示される積層工程を説明するための断面図である。
積層工程においては、上方積層体40Bの背面44を、上部アーム120によって負圧保持しながら、上方積層体40Bを、下方積層体40Aの背面44を保持する載置台110に対して近接させ、上方積層体40Bを、下方積層体40Aに重ね合せて積層する。この際、上方積層体40Bの背面44には、通気性を有するセパレータ31が位置しており、少なくとも上方積層体40Bが下方積層体40Aに重ね合されて積層されるまで、上方積層体40Bによって、セパレータ31が負圧保持される。
これにより、上方積層体40Bを下方積層体40Aに重ね合せて積層するまで、セパレータ31を介して気泡が排出されるため、気泡の残留を抑制することが可能である。また、上方積層体40Bおよび下方積層体40Aの保持部位は、外周ではなく、重ね合せ面42の背面44であるため、積層体同士を面接触させ、重ね合せ面における気泡の残留を抑制することが可能である。これにより、気泡の混入によるデッドスペースおよび皺の発生が削減されるため、電池(発電要素)出力の低下を避けることができる。つまり、気泡の混入を抑制することにより良好な電池性能を有する電池を、提供することが可能である。
載置台110および上部アーム120によって保持される下方積層体40Aおよび上方積層体40Bの重ね合せ面42は、平面からなる当接面114,124によってその背面44が支持され、平面を維持した状態で重ね合されて積層されるため、吸着時のズレなどによる皺が発生し難くかつ気泡を確実に排除することが可能である。なお、積層の初回においては、上部アーム120によって保持される上方積層体40Bは、載置台110にそのまま配置され、下方積層体40Aとなる。
図16は、サブアッシーユニット形成工程〜積層工程の繰り返しを説明するための断面図である。
積層工程が完了すると、上部アーム120は、上方積層体40Bの保持を解除し、上昇する。これにより、重ね合されて積層された上方積層体40Bと一体化された下方積層体40Aが、載置台110によって保持されることになる。そして、サブアッシーユニット形成工程〜積層工程が所定回数繰り返される。つまり、サブアッシーユニット形成工程〜積層工程を繰り返す毎に、載置台110によって保持される下方積層体40Aに含まれるサブアッシーユニットが増加していくことになる。
加熱プレス工程においては、例えば、熱プレス機によって、所定のサブアッシーユニットを有する下方積層体40Aが、加熱された状態でプレスされる。加圧力は、例えば、0.98×10Paである。加熱条件は、例えば、80℃で1時間である。これにより、下方積層体40Aに含まれる第1および第2シール材24,26の厚みを、所定に値(極厚みと同等の厚み)に調整し、かつ、第1および第2シール材24,26を熱硬化し、第1および第2シール部25,27を形成することで、電池本体部16が形成される。
なお、加熱プレス工程を、第1および第2シール材24,26の厚みを調整するプレス工程と、第1および第2シール材24,26を熱硬化する加熱工程とに分割することも可能である。この場合、製造装置100の上部アーム120によって下方積層体40Aをプレス(押圧)するように構成する場合、積層工程とプレス工程とを連続的に実施することが可能である。
ゲル界面形成工程においては、電池本体部16を加熱下で加圧することで、電池本体部に含まれるセパレータ31に、電解質が浸透させられ、ゲル界面が形成される。
初充電工程においては、電池本体部16と電気的に接続された充放電装置によって、初回充電が行われ、気泡が発生させさられる。
組立工程においては、電池本体部16が、外装ケース14に収容され、電池10(図1参照)が製造される。
図17は、本発明の実施の形態に係る変形例1を説明するための断面図である。
セパレータのサイズは、集電体のサイズより大きい形態に限定されない。例えば、図17に示されるように、セパレータ31Aのサイズを、集電体21のサイズより小さくすることも可能であり、この場合、シール材24Aは、下方積層体40Aの集電体21に配置される。
シール材24Aの厚みは、セパレータ31A、負極22および正極23および集電体21の合計厚みより大きくなるように設定することが好ましい。これにより、積層工程において、上方積層体40Bを下方積層体40Aに重ね合せて積層する際、下方積層体40Aのシール材24Aが、上方積層体40Bの集電体21に接触した後で、気泡(気体)が外に抜けようとする。この際、シール材24Aは、外方向に伸展させられる結果、シール材24Aの分布は、均一となり、良好かつ安定したシール性能を確保することが可能である。
図18は、本発明の実施の形態に係る変形例2を説明するための断面図である。
載置台は、サブアッシーユニット形成工程および積層工程において、電極ユニット35および下方積層体40Aを自重によって保持する形態に限定されない。例えば、図18に示される載置台110Aのように、負圧保持機構111と負圧保持機構111が配置される基部118とを設けることが可能である。なお、負圧保持機構111は、吸着パッド(支持部)112、および、外部の負圧源に連結される負圧導入部116を有する。吸着パッド112は、多孔性材料からなり、平面からなる当接面114を有する。
これにより、サブアッシーユニット形成工程においては、電極ユニット35が載置台110Aによって負圧保持することが可能である。したがって、セパレータ31を電極ユニット35に重ね合せて積層する際、電極ユニット35のズレが抑制されるため、積層精度が向上する。また、電極ユニット35の背面が負圧保持されるため、電極ユニット35の重ね合せ面の平滑性が向上する。
一方、積層工程においては、下方積層体40Aが載置台110Aによって負圧保持することが可能である。したがって、上方積層体40Bを下方積層体40Aに重ね合せて積層する際、下方積層体40Aのズレが抑制されるため、積層精度が向上する。また、下方積層体40Aの背面が負圧保持されるため、下方積層体40Aの重ね合せ面の平滑性が向上する。
図19は、本発明の実施の形態に係る変形例3を説明するための断面図である。
積層工程は、大気圧(常圧)下で実施する形態に限定されない。例えば、図19に示されるように、製造装置100に密閉手段130および減圧機構140を設けることで、積層工程を減圧下で実施することが可能である。なお、密閉手段130は、下方積層体40Aを保持している載置台110Aと、上方積層体40Bを保持している上部アーム120と、の間に形成される空間を、密閉するために使用され、上部気密シール132、下部気密シール134およびケーシング部136を有する。
上部気密シール132は、弾性体からなり、上部アーム120の基部128の外周に沿って配置されている。下部気密シール134は、弾性体からなり、載置台110Aの基部118の外周に沿って配置されている。ケーシング部136は、下方積層体40Aおよび上方積層体40Bをそれぞれ保持した載置台110Aおよび上部アーム120が、スライド自在に構成されている。
このため、上部気密シール132が、ケーシング部136の内面と上部アーム120の基部128の外周との間に位置する一方、下部気密シール134が、ケーシング部136の内面と載置台110Aの基部118の外周との間に位置する場合、載置台110Aと上部アーム120との間の空間は、密閉されることになる。つまり、ケーシング部136、上部アーム120および載置台110Aは、上部気密シール132および下部気密シール134を介在させることで、一体として、密閉チェンバを形成する。
減圧機構140は、密閉手段130によって密閉された前記空間を減圧するために使用され、減圧配管系142および排出手段144を有する。減圧配管系142は、真空ポンプ等の外部の減圧源(不図示)に連結されている。排出手段144は、前記空間の内部に存在する気体を排出するために使用され、ケーシング部136に配置される排気口からなる。
したがって、積層工程において、上部アーム120が、ケーシング部136の内面をスライドしながら載置台110に向かって降下する際、上部気密シール132は、ケーシング部136の内面と上部アーム120の基部128の外周との間に位置する一方、下部気密シール134は、ケーシング部136の内面と載置台110の基部118の外周との間に位置する。したがって、載置台110と上部アーム120との間の空間は、密閉される。
そして、上部アーム120の降下を継続し、下方積層体40Aと上方積層体40Bとを重ね合せて積層する直前において、減圧機構140を作動させ、ケーシング部136に配置される排気口144および減圧配管系142を経由して、密閉空間内部に存在する気体を排出することで、密閉空間を減圧する。
上部アーム120の降下をさらに継続し、上部アーム120によって保持される上方積層体40Bの重ね合せ面42と、載置台110によって保持される下方積層体40Aの重ね合せ面42と、を当接させて、上方積層体40Bと下方積層体40Aとを重ね合せて積層する。
変形例3に係る積層工程においては、上記のように、上部アーム120により保持される上方積層体40Bと、載置台110により保持される下方積層体40Aとを、減圧下で、重ね合せて積層することが可能であり、下方積層体40Aと上方積層体40Bとの重ね合せ面における気泡の混入を抑制することができる。
図20、図21および図22は、本発明の実施の形態に係る変形例4を説明するための断面図、工程図および概略図である。
一般に、双極型二次電池では、上述のようにシール部25を配置することで、集電体を介して隣接する単電池層の電解質が、集電体を超えて移動して電気的に接続されることを抑制し、液絡が生じて電池機能が停止することを避けている。しかし、シール部25を構成することとなる第1シール材24は、セパレータを積層する際にセパレータと接触するため、電極表面とセパレータ間に残留した気泡を、排出することが困難である。一方、本実施の形態においては、セパレータを介して気泡が排出されるため、シール部25(第1シール材24)が存在する場合であっても、電極表面とセパレータ間に残留する気泡を抑制することが可能である。つまり、本実施の形態は、集電体の周囲を延長するように配置されるシール部(シール材)を有する形態の双極型二次電池に、特に有効である。
しかし、本実施の形態は、図20に示されるような非双極型(積層型)の二次電池10Aに適用することも可能である。
電池10Aの電池本体部16は、第1および第2シール部25,27を有しておらず、電解質層30を介して負極22と正極23とが対向するように、負極22を有する非双極型電極、電解質層30、正極23を有する非双極型電極の順に、積層されて形成される。なお、負極22を有する非双極型電極は、負極22が両面に形成される負極集電体21Aを有する。正極23を有する非双極型電極は、正極23が両面に形成される正極集電体21Bを有する。
負極集電体21Aおよび正極集電体21Bは、高導電性部材からなる負極集電板17および正極集電板18に接続されている。負極集電板17および正極集電板18は、外装ケース14の内部から外部に向かって延長しており、電池本体部16から電流を引き出すための電極タブを兼用している。
変形例4に係る製造方法は、図21に示されるように、電極形成工程および電解質配置工程に分割される電極ユニット形成工程と、サブアッシーユニット形成工程、搬送工程、積層工程、ゲル界面形成工程および初充電工程に分割されるアッシー工程と、電池本体部を外装ケースに収容するため組立工程と、を有する。なお、加熱プレス工程〜組立工程は、既述の本実施の形態と略一致するため、その説明を省略する。
電極形成工程においては、正極集電体21Bの両面に、正極スラリーが、塗布される。正極集電体21Bは、例えば、厚さ20μmのアルミニウム箔である。また、負極集電体21Aの両面に、負極スラリーが、塗布される。負極集電体21Aは、例えば、厚さ20μmの銅箔である。
電解質配置工程においては、正極集電体21Bの両面に、電解質(不図示)が、塗布され、正極電極ユニット(非双極型電極)が形成される。電解質の塗布部位は、正極23の電極部である。また、負極集電体21Aの両面に、電解質(不図示)が、塗布され、負極電極ユニット(非双極型電極)が形成される。電解質の塗布部位は、負極22の電極部である。
サブアッシーユニット形成工程においては、図21に示されるように、電極ユニット35Aを、載置台110の平面からなる当接面114に配置する一方、通気性を有するセパレータ31の背面を、平面からなる当接面124を介して上部アーム120によって負圧保持する。そして、駆動機構150によって上部アーム120を制御し、上部アーム120を、電極ユニット35に対して近接させ、セパレータ31を、電極ユニット35に重ね合せて積層する。これにより、セパレータ31が、電解質および第1シール材24に重ねられ、上方積層体40Bが形成される。セパレータ31の厚みは、例えば、12μmである。なお、電極ユニット35Aとして、正極電極ユニットと負極電極ユニットとが交互に適用される。
搬送工程においては、駆動機構150によって上部アーム120を制御し、形成された上方積層体40Bを、載置台110の平面からなる当接面114に配置されている下方積層体40Aに相対するように位置決めする。
積層工程においては、上方積層体40Bの背面44を、上部アーム120によって負圧保持しながら、上方積層体40Bを、下方積層体40Aの背面44を保持する載置台110に対して近接させ、上方積層体40Bを、下方積層体40Aに重ね合せて積層する。
図23は、本発明の実施の形態に係る電池の微小短絡試験結果を説明するための図表である。
微小短絡試験においては、初回充電を正極の塗布重量から概算された容量ベースで、21V−0.5Cで4時間充電を行った後、1時間経過後の電圧を測定した。完成時の外観不良、初期充電できないもの、電圧の高いものを初期不良として、100個あたりの歩留まり(%)を算出した。
実施例1は、変形例4に関し、非双極型電極を12枚重ねることで単電池が12積層されている。実施例2は、第1および第2シール材を有しておらず、双極型二次電極を13枚重ねることで単電池が12積層されている。実施例3は、50μm厚の第1および第2シール材が配置されている点を除き、実施例2と一致している。比較例は、セパレータを負圧保持せず、手で積層して、形成されている。なお、実施例1における電極面、集電体およびセパレータのサイズ(mm)は、160×128、160×133および170×140である。実施例2,3および比較例における電極面、集電体およびセパレータのサイズ(mm)は、140×110、160×130および170×140である。
図23に示されるように、比較例の歩留まりが94%に対し、実施例1〜3の歩留まりは、97〜99%であり、良好な結果を示した。
以上のように、本実施の形態に係る電池の製造方法および製造装置においては、上方積層体を下方積層体に重ね合せて積層するまで、セパレータを介して気泡が排出されるため、気泡の残留を抑制することが可能である。また、上方積層体および下方積層体の保持部位は、外周ではなく、重ね合せ面の背面であるため、積層体同士を面接触させ、重ね合せ面における気泡の残留を抑制することが可能である。これにより、気泡の混入によるデッドスペースおよび皺の発生が削減されるため、電池(発電要素)出力の低下を避けることができる。つまり、気泡の混入を抑制することにより良好な電池性能を有する電池を、提供することが可能である。したがって、気泡の混入を抑制することにより良好な電池性能を有する電池の製造方法および製造装置を、提供することが可能である。
載置台および上部アームによって保持される下方積層体および上方積層体の重ね合せ面は、平面からなる当接面によってその背面が支持され、平面を維持した状態で重ね合されて積層されるため、吸着時のズレなどによる皺が発生し難くかつ気泡を確実に排除することが可能である。
上方積層体を形成する際において、セパレータを介して気泡が排出されるため、気泡の残留を抑制することが可能である。つまり、気泡の混入が抑制された上方積層体を形成することができる。また、形成された上方積層体は、上部アームによって継続して負圧保持されながら、下方積層体に重ね合されて積層されるため、移動(搬送)中における気泡の混入が抑制される。また、上部アームの当接面は、正極に塗布されているゲル電解質と接触しないため、搬送時のハンドリングも容易である。
第1シール材の厚みは、重ね合せ面に対して直交する積層方向に関し、正極の厚みよりも大きくなるように設定されており、第1シール材が正極より突出している。そのため、セパレータを電極ユニットに重ね合せて積層する際、第1シール材がセパレータに接触した後で、気泡(気体)が外に抜けようとする。この際、第1シール材は、外方向に伸展させられる結果、第1シール材の分布は、均一となり、良好かつ安定したシール性能を確保することが可能である。
なお、載置台は、負圧保持機構を設けることが好ましい。この場合、サブアッシーユニット形成工程および積層工程においては、電極ユニットおよび下方積層体のズレが抑制されるため、積層精度が向上する。また、電極ユニットおよび下方積層体の背面が負圧保持されるため、電極ユニットおよび下方積層体の重ね合せ面の平滑性が向上する。
また、積層工程においては、上部アームにより保持される上方積層体と、載置台により保持される下方積層体とを、減圧下で、重ね合せて積層することが好ましい。この場合、下方積層体と上方積層体との重ね合せ面における気泡の混入を抑制することができる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で種々改変することができる。
例えば、第1および第2シール材は、熱可塑性樹脂を適用することも可能である。この場合、第1および第2シール材は、加熱することによって塑性変形し、第1および第2シール部を形成することとなる。
10 双極型二次電池、
10A 非双極型(積層型)二次電池、
11,12 端子プレート、
14 外装ケース、
16 電池本体部(積層体)、
17 負極集電板
18 正極集電板
20 双極型電極、
21 集電体、
21A 負極集電体、
21B 正極集電体、
22 負極、
22A 負極スラリー、
23 正極、
23A 正極スラリー、
24 第1シール材、
24A シール材、
25 第1シール部、
26 第2シール材、
27 第2シール部、
30 電解質層、
31,31A セパレータ、
35,35A 電極ユニット、
40 サブアッシーユニット(積層体)、
40A 下方積層体(第2積層体)、
40B 上方積層体(第1積層体)、
42 重ね合せ面、
44 背面、
50 組電池、
52,54 導電バー、
60 組電池モジュール、
70 車両、
100 製造装置、
110,110A 載置台(第2保持手段)、
111 負圧保持機構、
112 吸着パッド(支持部)、
114 当接面、
116 負圧導入部、
118 基部、
120 上部アーム(第1保持手段)、
121 負圧保持機構、
122 吸着パッド、
124 当接面、
126 負圧導入部、
128 基部、
130 密閉手段、
132 上部気密シール、
134 下部気密シール、
136 ケーシング部、
140 減圧機構、
142 減圧配管系、
144 排気口(排出手段)、
150 駆動機構(駆動手段)、
1,H2 厚み。

Claims (5)

  1. 電極とセパレータとが積層された積層体を重ね合せて、複数積層することにより電池を製造するための製造方法であって、
    第1積層体の重ね合せ面の背面を、第1保持手段によって保持しながら、前記第1積層体を、第2積層体の重ね合せ面の背面を保持する第2保持手段に対して近接させ、前記第1積層体を、前記第2積層体に重ね合せて積層する積層工程を有し、
    前記第1積層体の背面には、通気性を有するセパレータが位置しており、少なくとも前記第1積層体が前記第2積層体に重ね合されて積層されるまで、前記第1保持手段によって、前記セパレータが負圧保持され、
    前記第1積層体および前記第2積層体の背面は、前記第1保持手段および前記第2保持手段における平面からなる当接面によって支持される
    ことを特徴とする製造方法。
  2. 前記積層工程の前において、前記電極と前記セパレータとを重ね合せて、積層することにより前記第1積層体を形成する第1積層体形成工程を、さらに有し、
    前記第1積層体形成において、前記セパレータの重ね合せ面の背面を、前記第1保持手段によって負圧保持しながら、前記セパレータを、前記電極に重ね合せて積層する
    ことを特徴とする請求項に記載の製造方法。
  3. 前記電極は、集電体の一方の面に配置されており、
    前記第1積層体形成工程の前において、前記集電体の一方の面における前記電極の周囲に、シール材を配置するシール材配置工程を、さらに有し、
    前記シール材の厚みは、前記重ね合せ面に対して直交する積層方向に関し、前記電極の厚みよりも大きい
    ことを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  4. 電極とセパレータとが積層された積層体を重ね合せて、複数積層することにより電池を製造するための製造装置であって、
    第1積層体の重ね合せ面の背面を負圧保持自在の第1保持手段と、
    第2積層体の重ね合せ面の背面を保持する第2保持手段と、
    前記第1積層体の背面を負圧保持する前記第1保持手段を、前記第2積層体の背面を保持する前記第2保持手段に対して近接させ、前記第1積層体を、前記第2積層体に重ね合せて積層するための駆動手段と、を有し、
    前記第1積層体の背面には、通気性を有するセパレータが位置しており、
    前記第1保持手段は、少なくとも前記第1積層体が前記第2積層体に重ね合されて積層されるまで、前記セパレータを負圧保持し、
    前記第1保持手段および前記第2保持手段は、前記第1積層体および前記第2積層体の重ね合せ面の背面と当接する平面からなる当接面を有する
    ことを特徴とする製造装置。
  5. 前記電極と前記セパレータとを重ね合せて、積層することにより前記第1積層体を形成する第1積層体形成手段を、さらに有し、
    前記第1積層体形成手段は、前記第1保持手段と前記駆動手段とからなり、
    前記第1保持手段は、前記セパレータの重ね合せ面の背面を負圧保持し、
    前記駆動手段は、前記セパレータの背面を負圧保持する前記第1保持手段を、前記電極に対して近接させ、前記セパレータを、前記電極に重ね合せて積層する
    ことを特徴とする請求項に記載の製造装置。
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