JP4066760B2 - バイポーラ電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、正極と負極とが集電体の両側に配置されてなるバイポーラ電池とその製造方法、並びに該バイポーラ電池を用いてなる電気自動車システムに関する。より詳しくは、高温下で優れたイオン電導性を示す電解質を用いてなるバイポーラ電池とその製造方法、並びに該バイポーラ電池を用いてなる電気自動車システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境保護のため二酸化炭素排出量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)、燃料電池車の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が鋭意行われている。二次電池としては、高エネルギー密度、高出力密度が達成できるリチウムイオン二次電池に注目が集まっている。ただし、自動車に適用するためには、大出力を確保するために、複数の二次電池を直列に接続して用いる必要がある。
【0003】
しかしながら、接続部を介して電池を接続した場合、接続部の電気抵抗によって出力が低下してしまう。また、接続部を有する電池は空間的にも不利益を有する。即ち、接続部によって、電池の出力密度やエネルギー密度の低下がもたらされる。
【0004】
この問題を解決するものとして、集電体の両側に正極と負極とを配置したバイポーラ電池が開発されている。電解液を有する液体電解質を用いたバイポーラ電池においては、セル間の液絡による自己放電を防止するため、絶縁体を用いて電解液を分離しなければならない。しかしながら、絶縁体を設けても電解液を完全に遮断することは困難であり、また、バイポーラ電池の構成が複雑化する。この問題を解決するべく、正極と負極との間に介在する電解質として実質的に溶液を含まない固体電解質を用いる発明が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−100471号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
液絡を防止する観点からは、上述のように実質的に溶液を含まない固体電解質を用いることが好ましく、かような固体電解質としては、高分子化合物からなる固体電解質(本願においては「固体高分子電解質」とも記載する。)が一般に用いられる。固体高分子電解質は、耐熱性に優れ分解しないためガス発生がなく引火の危険性もないほか、コンパクトであり、形を自由にできる。そのため、固体高分子電解質を用いたバイポーラ電池では、サイクル特性、充電容量維持率において極めて優れた特性が期待できる。
【0007】
しかしながら、固体高分子電解質を用いたバイポーラ電池は、液体電解質やゲル電解質を用いたバイポーラ電池に比べ電解質のイオン伝導度が低く、低温下では電池の内部抵抗が高いため、自動車に適した大出力を確保するのが困難であるという問題があった。
【0008】
そこで、固体高分子電解質を用いたバイポーラ電池のイオン伝導度を向上させるためには、該バイポーラ電池を高温下で動作させる必要がある。
【0009】
しかしながら、固体高分子電解質を用いたバイポーラ電池を加熱するために、ヒータ等の熱源を用いると、部品点数が増加し、電気自動車システムとしてのエネルギー効率も下がるという問題があることが明らかとなった。
【0010】
また、自動車の走行中に生み出される熱(例えば、エンジン、ラジエータ、モータなどから放出される熱)を利用することも考えられる。しかしながら、固体高分子電解質を用いたバイポーラ電池は、集電体の一方の面に正極を形成し、他方の面に負極を形成したバイポーラ電極を、電解質を挟んで複数枚直列に積層した構造であることからシート形状をしている。電池内の固体高分子電解質では液絡がなく柔軟性があるとはいえ、このシート状のバイポーラ電池を熱源として利用し得るエンジン等に貼り付けることで、新たな問題が生ずることも明らかになった。すなわち、シート状のバイポーラ電池を、段差や凹凸や曲面を有するエンジン等の外面に貼り付けるべく、かかるエンジン等の外面形状に沿って折り曲げたり湾曲させたりして無理な応力をかけると、電池内のバイポーラ電極や電解質にシワができたり割れが発生したりする問題があることも明らかとなった。
【0011】
したがって、本発明が目的とするところは、ヒータ等の熱源を増設することなく、電池に無理な応力もかけずに、電池の動作温度に必要な熱を自動車内の部品から享受し得るバイポーラ電池およびその製造方法、並びにこれを用いた電気自動車システムを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、集電体の一方の面に正極が形成され、他方の面に負極が形成されたバイポーラ電極を、電解質を挟んで複数枚直列に積層したバイポーラ電池において、自動車の熱源外面または該熱源外面に設けられた断熱材外面の形状をトレースした型板を作製し、その型板上に電極、電解質、集電体を連続的に製膜積層して形成されていることを特徴とするバイポーラ電池により達成される。
【0013】
【発明の効果】
本発明のバイポーラ電池は、自動車の熱源外面または該熱源外面に設けられた断熱材外面(以下、単に熱源外面等ともいう)の形状をトレースした「型板」を作り、その上に、例えば、負極/電解質/正極/集電体/負極・・・と連続的に単電池層を製膜積層して形成しているため、シワや割れのない自動車の熱源外面の形状に沿った電池を形成できる。そのため、かかる形状の電池を、自動車部品であるエンジン、モータなどを熱源とし、この熱源の外面や該熱源外面に設けた断熱材の外面に貼り付けて用いることにより、電池が加熱され、電解質のイオン伝導度が高まり、電池の出力を上昇させることができる。また、熱源として新たにヒータ等の部品点数を増やすことなく、自動車部品を熱源として確保することができる。また、電池を該熱源に貼り付ける際にも、電池に無理な応力がかからず、シワや割れが発生することもない。そのため、信頼性が高く、優れた出力特性を引き出し得る設置場所(熱源外面等)に適用可能な電池を形成できる。また、固体電解質のイオン伝導度の低さを温度を上げることにより補うことができる電気自動車システムを形成できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のバイポーラ電池は、集電体の一方の面に正極が形成され、他方の面に負極が形成されたバイポーラ電極を、電解質を挟んで複数枚直列に積層したバイポーラ電池において、自動車の熱源外面等の形状をトレースした型板を作製し、その型板上に電極、電解質、集電体、更には絶縁層を連続的に製膜積層することにより形成されていることを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明のバイポーラ電池の好適な一実施形態は、前記型板上に形成されている電極、電解質、集電体が、電極材料、電解質材料、集電体材料をそれぞれスプレーコートにより連続製膜して形成されていることを特徴とするものである。これにより、容易にかつ連続的に、形状にとらわれないバイポーラ電池を形成することができる(図3、4参照のこと)。そのため、自動車の熱源であるエンジン、ラジエータ、モータなど、複雑な立体構造の熱源外面等をトレースした形状に無理なく形成できるため、電池設置時に無理な力が加わらないため、電池が損傷することもなく、自動車の熱源外面等に隙間なく密着させて設置する(貼り付ける)ことができ、効率よく熱伝達でき、目的とする電池動作温度に加熱することができる。これにより、高分子電解質のイオン伝導性を高めることができ、特に固体高分子電解質を用いた電池の動作性能の向上に大いに寄与し得るものである。
【0016】
本発明のバイポーラ電池の好適な他の一実施形態は、正極活物質としてリチウム−遷移金属複合酸化物を用い、負極活物質としてカーボンもしくはリチウム−遷移金属複合酸化物を用いてなるものである。これにより、出力特性、容量特性に優れた電池を提供できる。そのため、出力特性、容量特性に優れた電池を提供できる。
【0017】
本発明のバイポーラ電池の好適なさらに他の一実施形態は、電解質に固体高分子を用いてなるものである。これにより、形状が自由なバイポーラ電池を形成できる。また、固体高分子を用いることにより、液絡の問題が無いため信頼性が高く、かつ出力特性に優れた電池を形成することができる。
【0018】
以下、図面を用いて本発明を説明する。
【0019】
図1は、本発明に係るバイポーラ電池であって、自動車の熱源外面等の形状をトレースした型板上に形成されてなる単電池層の構成を模式的に表わした断面概略図である。
【0020】
図1に示すように、型板上に形成されてなる単電池層1の構成は、自動車の熱源外面等の形状をトレースした型板3上に、負極5、電解質7、正極9、絶縁層11、集電体13が順次、製膜積層されている。絶縁層11は、単電池層1の側面外周部に、これら単電池層を積層することにより集電体同士が接触したり、電解質が漏れ出したり、積層電極の端部の僅かな不ぞろいなどによる短絡が起こるのを防止する目的で、正極9の形成後であって集電体13の形成前に連続的に製膜積層することにより形成されている。特に、電解質に高分子ゲル電解質のようにある程度電解液を用いてなるような場合には、液絡防止の観点から該絶縁層11が必須であるが、固体高分子電解質を用いる場合でも集電体同士が接触するのを防止する観点からは、該絶縁層11を設けるのが好ましい。
【0021】
本発明では、既存のシート状のバイポーラ電池と異なり、これら電極(正極および負極)、電解質、絶縁層および集電体は、自動車の熱源外面等の形状をトレースした型板上に、スプレーコートなどにより製膜積層することで、型板の形状に沿った電池を、無理な応力を加えることなく形成することができるものである。なお、図1に示すように、各電極、電解質、絶縁層、集電体の形状は、一様ではなく、各層ごとの機能
(目的)に応じて、所望の形状に形成する必要がある。そのため、各層ごとに所定形状のマスキングを行い、各層内の部位(場所)により自在に厚さ調整が可能なスプレーコートなどのコーティング技術を用いて形成することが望ましい。
【0022】
図2は、図1に示す構造の単電池層(セル)を繰り返して連続的に製膜積層して、3セルが直列に接続(積層)した構造を有する、本発明のバイポーラ電池の電池積層体を模式的に表わした断面概略図である。
【0023】
図2に示すように、本発明のバイポーラ電池の電池積層体21は、図1に示す型板3が負極端子板として兼用されている。そして、この自動車の熱源の形状をトレースして作製された型板(負極端子板)3上に、図1と同様に負極5、電解質7、正極9、絶縁層11、集電体13、さらに負極5、電解質7、正極9、絶縁層11、集電体13、負極5、電解質7、正極9、絶縁層11、集電体13と連続的な製膜積層を繰り返すことにより、図1に示す構造の単電池層1が3セル直列に接続(積層)した構造を有するように形成されているものである。これは、従来のバイポーラ電池のようにシート形状では、自動車の熱源外面等に沿わせようとするとシワや割れを発生することから、電池に無理な応力が加わらないように、電池の形状自体を自動車の熱源の外面形状に沿ったものとするものである。そのため、従来のようにバイポーラ電極や電解質を交互に貼り合わせることは、自動車の熱源であるエンジン、ラジエータ、モータなどが複雑な外面形状をしていることから困難である。そこで、本発明では、複雑な外面形状を有する自動車の熱源外面等をトレースして作製した型板上であっても、むらなく均一な製膜が可能なスプレーコート法などの薄膜製造技術を利用して、電極や電解質は勿論のこと、従来は金属箔が利用されていた集電体、さらには外周部のみに用いられる絶縁層までも製膜積層することにより電池積層体を形成することとしたものである。
【0024】
さらに、電池積層体21では、3セル目(最外層)の集電体13上には、該集電体13の外面形状をトレースした形状の正極端子板23が積層されている。さらに、型板(兼負極端子板)3には、負極端子リード25が接続されてり、正極端子板23には正極リード27が接続されている。なお、正極端子板23は、連続的に製膜積層して形成してもよいし、型板と同様に、最外層の集電体の形状をトレースして作製し、これを最外層の集電体上に接合して(電気的に接続して)形成してもよい。
【0025】
また、電池積層体21は、負極端子用電極とバイポーラ電極と正極端子用電極を、電解質7を挟んで複数枚直列に積層した構造を有しているとも言える。バイポーラ電極は、集電体13の一方の面に正極9が形成され、他方の面に負極5が形成された構造を有している。正極端子用電極は、集電体13の一方の面に正極9が形成され、他方の面には正極端子板23が積層された構造を有している。また、負極端子用電極は、型板(兼負極端子板)3の一方の面に負極5が形成された構造を有している。バイポーラ電極の積層回数は、所望する電圧に応じて調節する。電池の厚みを極力薄くしても十分な出力が確保できるのであれば、バイポーラ電極の積層回数を少なくしてもよい。
【0026】
上記バイポーラ電極は、換言すれば、正極、集電体および負極がこの順序で積層された構造を有する。バイポーラタイプでない通常の電極からなる電池を直列に接続する場合には、電池の正極リードと負極リードとを接続部(配線など)を介して電気的に接続する。かような電池は、接続部を調整するだけで並列に変更でき、設計変更の点では便利かもしれない。しかし、接続部の抵抗値も小さいながらに当然存在し、出力の低下を招来する。また、電池モジュールの小型化を考えると、かような接続部は相反する要因である。さらに、接続部のような発電とは直接関係のない部材は、接続部等も含めた電池モジュール全体のエネルギー密度を必然的に低下させる。バイポーラ電極はかような問題を解決する。つまり、直列に接続される電極同士を介在する接続部が存在しないため、接続部の抵抗による出力の低下がない。また、接続部が存在しないため、電池モジュールの小型化が図れる。さらには、接続部が存在しない分、電池モジュール全体のエネルギー密度が向上する。
【0027】
なお、上記電解質7が固体高分子電解質である場合には、上記正極9または負極5の少なくとも一方に、好ましくは両方共に、固体高分子電解質が含まれていることが望ましい。これは正極または負極内の活物質間の空隙に固体高分子電解質を充填することによって、活物質層におけるイオン伝導がスムーズになり、バイポーラ電池全体としての出力向上が図れる点で有利なためである。
【0028】
また、本発明のバイポーラ電池では、使用する際の外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、電池積層体21を電池外装材ないし電池ケース(共に図示せず)に収容するとよい。
【0029】
本発明のバイポーラ電池は、リチウムイオンの移動によって充放電が媒介されるリチウムイオン二次電池に用いられる。ただし、電池特性の向上等の効果が得られるのであれば、他の種類の電池に適用することを妨げるものではない。
【0030】
次に、本発明のバイポーラ電池の構成要素について、個別に説明する。
【0031】
[型板]
図3は、自動車の熱源外面等の形状をトレースした型板を模式的に表わした概略図である。図3に示すように、本発明のバイポーラ電池に用いられる型板3は、電池の設置対象(兼熱源)となる自動車の熱源外面等31の形状をトレースして形成されたものである。
【0032】
ここで、型板のトレース対象であって、電池の設置対象(兼熱源)でもある自動車の熱源としては、特に制限されるべきものではなく、本発明の電池を搭載し得る車両である電気自動車、ハイブリッド電気自動車、燃料電池自動車などに用いられている熱源(主に動力源や熱交換システム)であればよい。例えば、エンジン、モータ、ラジエタなどが利用できる。固体高分子電解質を用いた電池の通常動作温度が50〜100℃の範囲であることから、かかる温度にまで電池温度を高めることができる熱源を利用するのが望ましい。ここで、熱源を介して電池温度が50℃未満までしか加熱されない場合には、イオン伝導度を十分に高めることができず、内部抵抗が増加するおそれがある。一方、熱源を介して電池温度が100℃を越えて加熱される場合には、電池の内容物の耐熱性を保つのが困難となるほか、使用できる材料が制限されることになる。ただし、上限値の100℃は、あくまで電池温度であり、後述するように、該熱源と電池(断熱材を除く)との間に適当な断熱材を設けることで、より高温の熱源外面部分などにも十分に設置し得るものである。例えば、1つの熱源でも場所によって表面温度が異なる場合もあるし、エンジンやモータなどの熱源の種類が異なることで、表面温度が異なる場合もあるため、それぞれの電池設置場所に応じて上記電池の動作温度を達成できるように、断熱材の厚さを調節すればよく(図5〜6参照のこと)、厚さの異なる断熱材を有する電池を複数設置してもよい。
【0033】
上記型板の形状は、図3では段差部を有するプレート形状としたが、これらに制限されるべきものではなく、自動車の熱源外面等の形状をトレースしたものであればよい。自動車の熱源外面の形状は、平坦部分、円筒部分、段差部分、凹凸部分、角部(コーナー)部分等を有する立体形状であり、1つの型板で自動車の熱源外面等の形状をトレースするのが困難であったり、その後の取り付けが困難な場合には、複数の型板を用いて、複数の電池を設置するようにしてもよい。複数の型板による複数の電池を用いる場合、これらの形状は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、型板(断熱材を含む)の形状は、自動車の熱源外面の全体またはその一部をトレースするものであればよく、必ずしも全体をトレースする必要はない。
【0034】
また、該型板は、電池の構成部材として利用するようにしてもよいし(図2参照のこと)、製造段階でのみ用いるものであって製造過程で除去するものであってもよいし(この場合、型板は再利用するのが望ましい)。部品点数の削減の観点からは、前者が望ましい。
【0035】
また、型板の材質は、電池の構成部材として兼用する場合には、耐熱性や電池の構成部材としての特性を有する必要があり、例えば、図2に示すような負極端子板(あるいは正極端子板)として兼用する場合には、アルミニウムなどを利用することができるなど、使用用途に応じて適宜選択すればよい。なお、製造段階でのみ用いるものであれば、耐熱性や電池の構成部材としての特性は特に要求されるものではないので、成型加工性や離型性に優れた樹脂材や該樹脂で被覆した金属材などを用いることができる。
【0036】
同様に、型板の厚さは、電池の構成部材として兼用される場合には、耐熱性や電池の構成部材として必要な厚さを備えていればよい。一方、製造段階でのみ用いるものであれば、特に制限されるものではない。
【0037】
[集電体]
集電体は、製法上、スプレーコートなどの薄膜製造技術により、いかような形状を有するものにも製膜積層して形成し得る必要上、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金などの金属粉末を主成分として、これにバインダ(樹脂)、溶剤を含む集電体金属ペーストを加熱して成形してなるものであり、上記金属粉末およびバインダにより形成されてなるものである。本発明の集電体では、これら金属粉末を1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよいし、さらに、製法上の特徴を生かして金属粉末の種類の異なるものを多層に積層したものであってもよい。耐蝕性、作り易さ、経済性などの観点からは、アルミニウムを上記金属粉末として用いてなる集電体が好ましい。
【0038】
上記バインダとしては、特に制限されるべきものではなく、例えば、エポキシ樹脂など、従来公知の樹脂バインダ材料を用いることができるほか、導電性高分子材料を用いても良い。
【0039】
集電体の厚さは、特に限定されないが、通常は1〜100μm程度である。ただし、図1や図2に示すように、集電体の形状は、製法上の特徴を生かして、電極(正極または負極)の上面並びに側面外周部も被覆するように形成することも容易であり、機能、性能面からも部位によらず常に略一定の厚さにする必要はない。
【0040】
[正極(正極活物質層)]
正極は、正極活物質を含む。この他にも、イオン伝導性を高めるために電解質、リチウム塩、導電助剤などが含まれ得る。特に、正極または負極の少なくとも一方に電解質、好ましくは固体高分子電解質が含まれていることが望ましいが、バイポーラ電池の電池特性をより向上させるためには、双方に含まれることが好適である。
【0041】
上記正極活物質としては、溶液系のリチウムイオン電池でも使用される、遷移金属とリチウムとの複合酸化物を使用できる。具体的には、LiCoO2などのLi・Co系複合酸化物、LiNiO2などのLi・Ni系複合酸化物、スピネルLiMn2O4などのLi・Mn系複合酸化物、LiFeO2などのLi・Fe系複合酸化物などが挙げられる。この他、LiFePO4などの遷移金属とリチウムのリン酸化合物や硫酸化合物;V2O5、MnO2、TiS2、MoS2、MoO3などの遷移金属酸化物や硫化物;PbO2、AgO、NiOOHなどが挙げられる。
【0042】
正極活物質の粒径は、製法上、正極材料をペースト化してスプレーコートなどにより製膜し得るものであればよいが、さらにバイポーラ電池の電極抵抗を低減するために、電解質が固体でない溶液タイプのリチウムイオン電池で用いられる一般に用いられる粒径よりも小さいものを使用するとよい。具体的には、正極活物質の平均粒径が10〜0.1μmであるとよい。
【0043】
上記正極に含まれる電解質としては、固体高分子電解質に制限されるべきものではなく、高分子ゲル電解質であっても、図1に示すように、絶縁層を形成するなどして、液絡を防止することができるものであれば利用することができるほか、これらを併用することもできる。すなわち、正極を多層構造とすることもでき、集電体側と電解質側とで、正極を構成する電解質の種類や活物質の種類や粒径、さらにはこれらの配合比を変えた層を形成することもできる。好ましくは、高分子ゲル電解質を構成するポリマーと電解液との比率(質量比)が、20:80〜95:5とする、比較的電解液の比率が小さい範囲であるが、より好ましくは固体高分子電解質である。これは、本発明により固体高分子電解質を用いた電池を折り曲げなどにより損傷させることなく自動車の熱源を利用できるため、高分子ゲル電解質や液体電解質に比して耐熱性に優れ、熱分解したり、高温でガス化したり、発火するおそれがなく、また、釘刺し耐性に優れ外部負荷等での破損による液漏れや短絡が生じにくく、さらにコンパクトで形状が自由にできるという固体高分子電解質の特性を有効に利用することができるためである。
【0044】
なお、本発明では、固体高分子電解質と、高分子ゲル電解質との違いを以下のように規定する。
【0045】
ポリエチレンオキシド(PEO)などの固体高分子電解質に、通常リチウムイオン電池で用いられる電解液を含んだものが高分子ゲル電解質である。
【0046】
また、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)など、リチウムイオン導伝性を持たない高分子の骨格中に、電解液を保持させたものも高分子ゲル電解質にあたる。
【0047】
高分子ゲル電解質を構成するポリマーと電解液の比率は幅広く、ポリマー(高分子)100%を固体高分子電解質、電解液100%を液体電解質とすると、その中間体はすべて高分子ゲル電解質にあたる。
【0048】
上記固体高分子電解質は、イオン伝導性を有する高分子であれば、特に限定されるものではない。イオン伝導性を有する高分子としては、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)などのポリアルキレンオキシド系高分子、これらの共重合体などが挙げられる。なお共重合体では、少なくともイオン伝導性を有する高分子鎖を有するものであればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデンのようなイオン電導性を持たないものとの共重合体であるポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレンなどであってもよい。上記ポリアルキレンオキシド系高分子は、LiBF4、LiPF6、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2などのリチウム塩をよく溶解しうる。また、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度が発現する点で有利である。
【0049】
上記高分子ゲル電解質は、上記に規定したように、イオン導伝性を有する固体高分子電解質に、通常リチウムイオン電池で用いられる電解液を含んだものであるが、さらに、リチウムイオン導伝性を持たない高分子の骨格中に、同様の電解液を保持させたものも含まれるものである。
【0050】
ここで、高分子ゲル電解質に含まれる電解液(電解質塩および可塑剤)としては、通常リチウムイオン電池で用いられるものであればよく、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiTaF6、LiAlCl4、Li2B10Cl10等の無機酸陰イオン塩、LiCF3SO3、Li(CF3SO2)2N、Li(C2F5SO2)2N等の有機酸陰イオン塩の中から選ばれる、少なくとも1種類のリチウム塩(電解質塩)を含み、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等のエーテル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトニトリル等のニトリル類;プロピオン酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;酢酸メチル、蟻酸メチルの中から選ばれる少なくともから1種類または2種以上を混合した、非プロトン性溶媒等の有機溶媒(可塑剤)を用いたものなどが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
【0051】
高分子ゲル電解質に用いられるリチウムイオン導伝性を持たない高分子としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。なお、PAN、PMMAなどは、どちらかと言うとイオン伝導性がほとんどない部類に入るものであるため、上記イオン伝導性を有する高分子とすることもできるが、ここでは高分子ゲル電解質に用いられるリチウムイオン導伝性を持たない高分子として例示したものである。
【0052】
上記リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiTaF6、LiAlCl4、Li2B10Cl10等の無機酸陰イオン塩、Li(CF3SO2)2N、Li(C2F5SO2)2N等の有機酸陰イオン塩、またはこれらの混合物などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
【0053】
導電助剤としては、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト等が挙げられる。ただし、これらに限られるわけではない。
【0054】
正極における、正極活物質、電解質(好ましくは固体高分子電解質)、リチウム塩、導電助剤の配合量は、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。例えば、正極内における電解質、特に固体高分子電解質の配合量が少なすぎると、活物質層内でのイオン伝導抵抗やイオン拡散抵抗が大きくなり、電池性能が低下してしまう。一方、正極内における電解質、特に固体高分子電解質の配合量が多すぎると、電池のエネルギー密度が低下してしまう。従って、これらの要因を考慮して、目的に合致した固体高分子電解質量を決定する。
【0055】
ここで現状レベルの固体高分子電解質(イオン伝導度:10-5〜10-4S/cm)を用いて電池反応性を優先するバイポーラ電池を製造する場合について、具体的に考えてみる。かような特徴を有するバイポーラ電池を得るには、導電助剤を多めにしたり活物質のかさ密度を下げたりして、活物質粒子間の電子伝導抵抗を低めに保つ。同時に空隙部を増やし、該空隙部に固体高分子電解質を充填する。かような処理によって固体高分子電解質の割合を高めるとよい。
【0056】
正極の厚さは、特に限定するものではなく、配合量について述べたように、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。一般的な正極活物質層の厚さは10〜500μm程度である。
【0057】
[負極(負極活物質層)]
負極は、負極活物質を含む。この他にも、イオン伝導性を高めるために電解質、リチウム塩や導電助剤などが含まれ得る。負極活物質の種類以外は、基本的に「正極」の項で記載した内容と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0058】
負極活物質としては、溶液系のリチウムイオン電池でも使用される負極活物質を用いることができる。ただし、本発明のバイポーラ電池では、固体高分子電解質が好適に用いられるため、該固体高分子電解質での反応性を考慮すると、金属酸化物、リチウム−金属複合酸化物金属、カーボンなどが好ましい。より好ましくは、カーボン、遷移金属酸化物、リチウム−遷移金属複合酸化物である。さらに好ましくは、チタン酸化物、リチウム−チタン複合酸化物、カーボンである。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0059】
[電解質]
上記電解質としては、固体高分子電解質に制限されるべきものではなく、高分子ゲル電解質であっても、図1に示すように、絶縁層11を形成するなどして、液絡を防止することができるものであれば利用することができるほか、これらを併用することもできる。また、電解質7を多層構造とすることもでき、正極側と負極側とで、電解質の種類や成分配合比を変えた層を形成することもできる。高分子ゲル電解質を用いる場合、該高分子ゲル電解質を構成するポリマーと電解液との比率(質量比)が、20:80〜95:5と比較的電解液の比率が小さい範囲であるが、より好ましくは固体高分子電解質である。これは、本発明により固体高分子電解質を用いた電池を折り曲げなどにより損傷させることなく自動車の熱源を利用できるため、高分子ゲル電解質や液体電解質に比して耐熱性に優れ、熱分解したり、高温でガス化したり、発火するおそれがなく、また、釘刺し耐性に優れ外部負荷等での破損による液漏れや短絡が生じにくく、さらにコンパクトで形状が自由にできるという固体高分子電解質に固有の特性を有効に利用することができるためである。
【0060】
上記固体高分子電解質は、イオン伝導性を有する高分子から構成される層であり、イオン伝導性を示すのであれば材料は限定されない。固体高分子電解質としては、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、これらの共重合体のような公知の固体高分子電解質が挙げられる。固体高分子電解質中には、イオン伝導性を確保するためにリチウム塩が含まれる。リチウム塩としては、LiBF4、LiPF6、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、またはこれらの混合物などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。PEO、PPOのようなポリアルキレンオキシド系高分子は、LiBF4、LiPF6、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2などのリチウム塩をよく溶解しうる。また、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度が発現する。
【0061】
また、高分子ゲル電解質は、上記に規定したように、イオン導伝性を有する固体高分子電解質に、通常リチウムイオン電池で用いられる電解液を含んだものであるが、さらに、リチウムイオン導伝性を持たない高分子の骨格中に、同様の電解液を保持させたものも含まれるものである。これらについては、[正極]に含まれる電解質の1種として説明した高分子ゲル電解質と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0062】
これら固体高分子電解質もしくは高分子ゲル電解質は、電池を構成する高分子電解質のほか、上記したように正極および/または負極にも含まれ得るが、電池を構成する高分子電解質、正極、負極によって異なる高分子電解質を用いてもよいし、同一の高分子電解質を使用してもよいし、層によって異なる高分子電解質を用いてもよい。
【0063】
電池を構成する電解質の厚さは、特に限定するものではない。しかしながら、コンパクトなバイポーラ電池を得るためには、電解質としての機能が確保できる範囲で極力薄くすることが好ましい。一般的な固体高分子電解質層の厚さは10〜100μm程度である。ただし、図1や図2に示すように、電解質の形状は、製法上の特徴を生かして、電極(正極または負極)の上面並びに側面外周部も被覆するように形成することも容易であり、機能、性能面からも部位によらず常に略一定の厚さにする必要はない。
【0064】
ところで、本発明において、好ましく使用される固体高分子電解質用の高分子は、PEO、PPOのようなポリエーテル系高分子である。このため、高温条件下における正極側での耐酸化性が弱い。従って、溶液系のリチウムイオン電池で一般に使用される、酸化還元電位の高い正極剤を使用する場合には、負極の容量が、固体高分子電解質を介して対向する正極の容量より少ないことが好ましい。負極の容量が対向する正極の容量より少ないと、充電末期に正極電位が上がり過ぎることを防止できる。ここで、「固体高分子電解質を介して対向する正極」とは、同一のセルの構成要素である正極を指す。なお、正極および負極の容量は、正極および負極を製造する際の理論容量として、製造条件から求めることができる。完成品の容量を測定装置で直接測定してもよい。
【0065】
ただし、負極の容量が対向する正極の容量と比べて少ないと、負極電位が下がりすぎて電池の耐久性が損なわれる恐れがあるので充放電電圧に注意する必要がある。例えば、一のセルの平均充電電圧を使用する正極活物質の酸化還元電位に対して適切な値に設定して、耐久性が低下しないように注意する。
【0066】
[絶縁層]
絶縁層は、集電体同士が接触したり、電解液が漏れ出したり、積層電極の端部の僅かな不ぞろいなどによる短絡が起こるのを防止する目的で、各電極の周囲に形成されてなるものである。
【0067】
該絶縁層としては、製法上、スプレーコートなどの薄膜製造技術により、いかような形状を有するものにも製膜して形成し得るものであり、かつ絶縁性、電解質の漏出や外部からの水分の透湿に対するシール性(密封性)、電池動作温度下での耐熱性などを有するものであればよく、例えば、エポキシ樹脂、ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが使用できるが、耐蝕性、耐薬品性、作り易さ(製膜性)、経済性などの観点からは、エポキシ樹脂が好ましい。
【0068】
[正極および負極端子板]
正極および負極端子板は、端子としての機能を有するほか、薄型化の観点からは極力薄い方がよいが、製膜により積層されてなる電極、電解質および集電体はいずれも機械的強度が弱いため、これらを両側から挟示し支持するだけの強度を持たせることが望ましい。さらに、端子部での内部抵抗を抑える観点から、正極および負極端子板の厚さは、通常0.1〜2mm程度が望ましいといえる。
【0069】
正極および負極端子板の材質は、通常リチウムイオン電池で用いられる材質を用いることができる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金などを利用することができる。耐蝕性、作り易さ、経済性などの観点からは、アルミニウムを用いることが好ましい。
【0070】
正極端子板と負極端子板との材質は、同一の材質を用いてもよいし、異なる材質のものを用いてもよい。さらに、これら正極および負極端子板は、材質の異なるものを多層に積層したものであってもよい。
【0071】
なお、図1、2では、型板を負極端子板と兼用する例を示したが、該型板を正極端子板として兼用してもよい。
【0072】
正極および負極端子板の形状は、型板と兼用する場合には、自動車の熱源外面等をトレースした形状に、また、型板と対極する位置に設けられる端子板では、該端子板を設置する集電体外面をトレースした形状であればよく、プレス成形等によりトレースして形成すればよい。なお、型板と対極する位置に設けられる端子板では、集電体と同様にスプレーコートにより形成してもよい。
【0073】
[正極および負極リード]
正極および負極リードに関しては、通常リチウムイオン電池で用いられる公知のリードを用いることができる。なお、電池外装材(電池ケース)から取り出された部分は、自動車の熱源との距離がないことから、これらに接触して漏電したりして自動車部品(特に電子機器)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆しておくのが好ましい。
【0074】
[電池外装材(電池ケース)]
バイポーラ電池は、外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、使用する際の外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、バイポーラ電池本体である型板を含めた電池積層体21全体(図2参照のこと)を電池外装材ないし電池ケース(図示せず)に収容するとよい。軽量化の観点からは、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、銅などの金属(合金を含む)をポリプロピレンフィルム等の絶縁体で被覆した高分子−金属複合ラミネートフィルムやアルミラミネートパックなど、従来公知の電池外装材を用いて、その周辺部の一部または全部を熱融着にて接合することにより、電池積層体を収納し密封した構成とするのが好ましい。この場合、上記正極および負極リードは、上記熱融着部に挟まれて上記電池外装材の外部に露出される構造とすればよい。また、熱伝導性に優れた高分子−金属複合ラミネートフィルムやアルミラミネートパックなどを用いることが、自動車の熱源から効率よく熱を伝え、電池内部を電池動作温度まですばやく加熱することができる点で好ましい。
【0075】
図5は、本発明の電気自動車(システム)に用いられるバイポーラ電池の該電気自動車の熱源への設置の様子を模式的に示す概略図である。図5に示すように、本発明のバイポーラ電池本体51を、断熱材55を挟んでハイブリッド電気自動車の熱源の1つであるエンジン53の外面の一部に設置してなるものである。本発明では、該電気自動車の熱源であるエンジンなどの外面形状に沿った形状の電池であるため、電池に余分な応力を加えることなく、熱源に密着させることができる。そのため、電池にひび割れなどの損傷を与えることがない。また熱源から熱エネルギーをロスなく効率よく授受して電池温度を高めることができる。特に、高分子個体電解質を用いたバイポーラ電池では、該高分子個体電解質のイオン伝導度を高めることができ、電池の動作性能を向上させることができる。
【0076】
さらに、本発明のバイポーラ電池では、断熱材が、外設されてなることを特徴とするものである。すなわち、バイポーラ電池本体(電池積層体ないし電池外装材で封入されたもの)を、断熱材を介して自動車の熱源外面に設置するものである。ここでは、断熱材を電池の構成要件の1つとして以下に説明するが、後述する電気自動車システムないし電気自動車の構成要件の1つとしてもよい。
【0077】
図5、6は、かかる好適な実施形態の1つとして、断熱材を有するバイポーラ電池の電気自動車の熱源外面への設置の様子を模式的に示す概略図である。図5に示すように、バイポーラ電池本体(電池外装材で封入されたもの)51を、断熱材55を挟んでハイブリッド電気自動車の熱源の1つであるエンジン53の外面の一部に設置してなるものである。
【0078】
該断熱材の厚さは、自動車の熱源外面の温度により調節されてなることが望ましい。すなわち、バイポーラ電池の設置場所によって自動車の熱源の表面温度が異なる場合には、バイポーラ電池が適正温度範囲を超えないように、バイポーラ電池の設置場所の熱源表面温度に応じて断熱材の厚さが決めればよい。これは、熱源の外面温度は部位によって不均一であるのに対し、電池の温度は、1つの電池内部においても、また複数の電池を用いる場合においても、ある上限温度の範囲内で、できるだけ電池内部および電池同士の温度差は小さい方が望ましい。そのため、図4に示すように、熱源(エンジン)外面の高温部53aに電池本体51を設置する場合には、該電池本体51と熱源外面の間に厚めの断熱材55aを設け、逆に熱源(エンジン)外面の低温部53bに電池本体51を設置する場合には、薄めの断熱材55bを設ける。こうすることで、複数の電池を設置するような場合に、熱源のどの部分に電池を設置しても、各電池間で電池温度に大きな差が生じないように調整する。また各電池が高温になりすぎないように調整する。
【0079】
なお、上記断熱材を熱源の外面温度が異なる領域(部位)に渡って設ける場合には、自動車の熱源外面の温度に応じて1つの断熱材の厚さが部位に応じて変化するように形成してもよい。この場合、該断熱材上に設けられる電池の形状は、断熱材外面形状をトレースして形成された型板に沿って製造される必要がある。そのため、本発明では、型板は自動車の熱源または熱源外面に設けられた断熱材の形状をトレースして形成されると規定しているものである。
【0080】
上記熱源の外面に断熱材を設置する方法としては、特に制限されるべきものではなく、例えば、まず電池本体51と断熱材55とを適当な耐熱性を有する適当な接着剤を用いて固定してもよいし、適当な固定部材(バンドやテープなど)や締結部材(ネジなど)などを用いて機械的に固定してもよいなど特に制限されるべきものではない。次に電池の断熱材を熱源であるエンジン53外面に、高温耐熱性を有する適当な接着剤で貼り付けてもよいし、適当な固定部材(バンドやテープなど)や締結部材(ネジなど)などを用いて機械的に固定してもよいなど特に制限されるべきものではない。ただし、熱源側の交換や修理の際など、あるいは電池の交換等が便利なように、こうした断熱材や電池を着脱自在に固定しておくのがよいといえる。
【0081】
本発明に用いることのできる断熱材としては、熱源の種類、熱源の最高温度、熱源外表面の構造(形状)や材質などによっても異なるが、耐熱性に優れるガラスウール、アラミド、ポリイミド、アクリル、フッ素樹脂などの耐熱性樹脂、セラミックス繊維などを用いることが望ましい。さらに、電池が漏電した場合に、熱源やその周辺の電子機器への影響を防止する観点からは、さらに絶縁性を有するものが望ましいといえる。
【0082】
次に、本発明の電気自動車システムは、本発明のバイポーラ電池が自動車の熱源外面等に設置されてなることを特徴とするものである。これにより、電池を損傷することなく熱源外面等に沿って密着することができ、電池を効率良く加熱することができる。これにより、低温下でイオン伝導度の低い固体高分子電解質のイオン伝導度を高めることができ、電池出力を向上させることができる。また、エンジン、モータなど電池と電気エネルギーをやりとりする機器に電池を密着させることにより、送電に必要なハーネスなどを最小限にできる。
【0083】
電気自動車システムが適用可能な自動車には、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、燃料電池自動車などが挙げられる。
【0084】
ここで、電気自動車システムとは、自動車に搭載するバイポーラ電池を用いて構成されるものであればよく、特に制限されるべきものではない。例えば、燃料電池自動車やハイブリッド電気自動車の場合、パワーコントロールユニット、モータなどバイポーラ電池に充電した電力を利用して行われる、パワーコントロールユニットの電気制御やモータの駆動など、バイポーラ電池の電力を利用して構成されるシステムを含むものであり、電気制御系、駆動系の双方を含むものである。
【0085】
本発明の電気自動車システムでは、本発明のバイポーラ電池のみを用いることに制限されるものではなく、他の電池との併用を行っても良い。例えば、常温で動作可能な二次電池と組合せることで、始動時から一定時間(熱源温度上昇期間)は、常温で動作可能な二次電池を用い、その後は本発明のバイポーラ電池をモータ駆動電源として用いる、あるいは併用するようにしてもよい。始動時から一定時間(熱源温度上昇期間)は、エンジンやモータなどが熱源として十分な温度に達していないため、この期間は他の電池ないしエンジンをモータ駆動電源として用いる必要があるためである。そして、エンジンやモータ等が熱源として十分な温度に達した時点(エンジン等では極めて短時間で十分な温度になる)で、本発明のバイポーラ電池も良好な電池特性を発現できるため、モータ駆動電源として本発明のバイポーラ電池を使用(併用)するような電気自動車システムを構築してもよい。ただし、本発明のバイポーラ電池だけでも、低温でも短時間であればモータ駆動電源として大電流が取出し可能であれば、モータ駆動電源に他の電池を用いることなく電気自動車システムを構築してもよいことはいうまでもない。
【0086】
本願発明の第三は、集電体の一方の面に正極が形成され、他方の面に負極が形成されたバイポーラ電極を、電解質を挟んで複数枚直列に積層した構造を有するバイポーラ電池の製造方法において、自動車の熱源外面等の形状をトレースした型板を作製し、該型板上に電極材料、電解質材料、集電体材料を連続的に製膜積層して、電極、電解質、集電体を形成することを特徴とするバイポーラ電池の製造方法である。
【0087】
本発明に係るバイポーラ電池の製造方法の代表的な一実施形態につき、その作製手順に則して説明する。
【0088】
(1)型板(兼負極端子板)の作製
本発明のバイポーラ電池の製造方法では、図3に示すように、適当な大きさ及び厚さの板材(例えば、アルミ板)を、電池を貼り付ける対象となる自動車の熱源外面等31の形状、ここでは、エンジン33外面の一部形状に沿って成型することにより型板3を作製する。
【0089】
(2)単電池積層の形成
型板31上に、例えば、図2に示す電池積層体を構成する場合には、負極、電解質、正極、絶縁層、集電体、負極、集電体、・・・・を連続的に製膜して積層することにより形成する。ただし、これは型板を負極端子板として兼用する場合であり、逆に該型板を正極端子板として利用する場合には、型板上に、正極、電解質、負極、絶縁、集電体、正極、電解質、・・・を連続的に製膜して積層することにより形成すればよい。
【0090】
図4は、図3の型板上に、電極材料、電解質材料、絶縁層材料及び集電体材料をスプレーコートすることにより、電極、電解質、絶縁層及び集電体を連続製膜する様子を模式的に表わした断面該略図である。
【0091】
電極、電解質、絶縁層及び集電体は、所望の形状、例えば、図4に示すような段差部を有するプレート形状の型板3に沿った形状に形成する必要上、所定の形状にマスキングを行い、部位により自在に厚さ調整が可能なコーティング技術を用いることが必要である。各部位の構造例は、図2に示す通りである。
【0092】
コーティング(製膜塗工)技術としては、自在に厚さ調整がし易い点でスプレーコートが好ましい。すなわち、本発明では、図4に示すように、電極材料、電解質材料、絶縁層材料及び集電体材料を、スプレーコートなどにより製膜できるようにペースト状に調整する。特に、集電体に関してもペースト状の集電体材料である集電体金属ペーストをスプレーコートして製膜することを特徴とするものである。これは、既存の金属箔集電体を、図1、2に示すような形状に成型することが困難なためである。さらに、既存の金属箔集電体を成型して積層するには、ペースト状の電極材料上に積層して双方を密着させる必要があるが、ペースト状の電極材料を押さえつけたりすると、形成される電極の厚さが不均一となったり空隙部ができるなど電池性能に影響するおそれがあるもある。また、図2に示すように、積層するにつれて段差部の位置が移動するため、一つの金型で金属箔集電体を成型して積層することは困難であり、段差部の位置が異なる金属箔集電体用金型を複数作成することはコストアップにもつながる。
【0093】
(i)負極の形成
▲1▼負極ペーストの調製
負極の形成には、熱源外面等の形状を有する型板上に負極を製膜して形成する必要上、スプレーコート等によりコーティングし易い粘度に調整したペーストないしスラリー状の負極材料(本明細書では、単に負極ペーストとも称する)を用いる必要がある。
【0094】
上記負極ペーストは、固体高分子電解質の原料(ポリマー)、負極活物質、支持塩(リチウム塩)、およびスラリー粘度調整溶媒を含むペーストないしスラリー状の溶液である。他成分として、導電助剤、重合開始剤が任意で含まれる。すなわち、負極ペーストは、溶液系のリチウムイオン電池と同様に、負極活物質、導電助剤、ポリマー(固体高分子電解質)、支持塩(リチウム塩)、スラリー粘度調整溶媒、重合開始剤を含む材料を所定の比で混合して作製することができる。
【0095】
固体高分子電解質の高分子原料(ポリマー)は、PEO、PPO、これらの共重合体などが挙げられ、分子内に架橋性の官能基(炭素−炭素二重結合など)を有することが好ましい。この架橋性の官能基を用いて固体高分子電解質を架橋することによって、機械的強度が向上する。
【0096】
上記負極活物質、リチウム塩、導電助剤に関しては、前述した化合物を用いることができる。
【0097】
上記重合開始剤は、重合させる化合物に応じて選択する必要がある。例えば、光重合開始剤としてベンジルジメチルケタール、熱重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルが挙げられる。
【0098】
NMPなどの上記スラリー粘度調整溶媒は、他の成分を溶解ないし分散して、適当な粘度のスラリー(ペースト)を調整できるものであればよく、負極ぺーストの種類に応じて選択すればよい。
【0099】
負極活物質、リチウム塩、導電助剤の添加量はバイポーラ電池の目的等に応じて調節すればよく、通常用いられる量を添加すればよい。固体高分子電解質の原料(高分子原料)の添加量は、電極のエネルギー密度と固体高分子電解質の体積分率との関係などを考慮して選択される。重合開始剤の添加量は、高分子原料に含まれる架橋性官能基の数に応じて決定される。通常は高分子原料に対して0.01〜1質量%程度である。
【0100】
▲2▼負極の形成
図2に示すように、上記型板3上に、所定の形状(負極形成部分以外)にマスキングを行い、調製された上記負極ぺーストを適当なコーティング技術(例えば、スプレーコートなど)によりコーティングし、所定の厚さの負極層を形成する(図4参照のこと)。
【0101】
その後、負極層が形成された型板を乾燥機に入れて加熱乾燥し、負極層に含まれる溶媒を除去する。それと同時に、負極層内のポリマーの架橋反応を進行させて(熱重合させて)、固体高分子電解質の機械的強度を高め、図2に示すように、負極5を製膜形成する(完成させる)。
【0102】
上記加熱乾燥は、真空オーブン等の真空乾燥機などを用いることができる。加熱乾燥の条件はコーティングされた負極ぺーストに応じて決定され、一義的に規定できないが、通常は30〜110℃で0.5〜12時間である。
【0103】
上記マスキングは、図1に示すように、負極の外周部に電解質や絶縁層を形成することが行われるため、こうした電解質や絶縁層を形成する部分に負極材料が付着しないようにマスキングを行うものである。マスキングには、マスキングテープやシートを貼り付けるなどすればよい。これらマスキング材料は、負極層形成後に除去しても良いし、その後の加熱乾燥後に除去しても良い。
【0104】
なお、ポリマーの架橋反応に関しては、熱重合開始剤を用いた熱重合法に制限されるべきものではなく、例えば、光重合開始剤を用いた光重合法による場合には、乾燥及び光重合ができるような光照射装置に入れて負極層内のポリマーを架橋反応させてもよい。
【0105】
(ii)電解質の形成
▲1▼ポリマー電解質前駆体の調整
電解質の形成には、熱源外面等の形状を有する型板上に電解質を製膜して形成する必要上、スプレーコートによりコーティングし易い粘度に調整したペーストないしスラリー状の電解質材料(本明細書では、単にポリマー電解質前駆体とも称する)を用いる必要がある。
【0106】
上記ポリマー電解質前駆体は、固体高分子電解質の高分子原料(ポリマー)、支持塩(リチウム塩)、およびスラリー粘度調整溶媒を含むペーストないしスラリー状の溶液である。他成分として、重合開始剤が任意で含まれる。すなわち、ポリマー電解質前駆体は、溶液系のリチウムイオン電池と同様に、ポリマー、支持塩、スラリー粘度調整溶媒、重合開始剤を含む材料を所定の比で混合して調製することができる。
【0107】
▲2▼電解質の形成
図2に示すように、上記負極5上に、所定の形状(電解質形成部分以外)にマスキングを行い、調製された上記ポリマー電解質前駆体を適当なコーティング技術(例えば、スプレーコートなど)によりコーティングし、所定の厚さの電解質層を形成する(図4参照のこと)。
【0108】
その後、電解質層が積層された型板を加熱乾燥し、電解質層に含まれる溶媒を除去する。それと同時に、電解質層内のポリマーの架橋反応を進行させて(熱重合させて)硬化させることによって、電解質の機械的強度を高め、図2に示すように、電解質7を製膜形成する(完成させる)。加熱乾燥は真空乾燥機(真空オーブン)などを用いることができる。加熱乾燥の条件はコーティングされたポリマー電解質前駆体に応じて決定され、一義的に規定できないが、通常は30〜110℃で0.5〜12時間である。電解質の厚さはスペーサーを用いて制御できる。なお、光重合開始剤を用いて光重合させる場合には、乾燥及び光重合ができるような紫外線照射装置を用いて電解質層内のポリマーを光重合させ架橋反応を進行させて製膜すればよい。ただし、この方法に限定されないことは勿論である。重合開始剤の種類に応じて、放射線重合、電子線重合、熱重合などを使いわける。用いる固体高分子電解質、リチウム塩、配合量などについては、前述した通りであるため、ここでは説明を省略する。
【0109】
(iii)正極の形成
正極の形成においても、熱源外面等の形状を有する型板上に製膜して形成する必要上、スプレーコートによりコーティングし易い粘度に調整したペーストないしスラリー状の正極材料(本明細書では、単に正極ペーストとも称する)を用いる必要がある。
【0110】
▲1▼正極ペーストの調製
上記正極ペーストは、固体高分子電解質の高分子原料(ポリマー)、正極活物質、支持塩(リチウム塩)、およびスラリー粘度調整溶媒を含むペーストないしスラリー状の溶液である。他成分として、導電助剤、重合開始剤が任意で含まれる。すなわち、正極ペーストは、溶液系のリチウムイオン電池と同様に、正極活物質、導電助剤、ポリマー(固体高分子電解質)、支持塩(リチウム塩)、スラリー粘度調整溶媒、重合開始剤を含む材料を所定の比で混合して作製することができる。使用される原料や添加量については、上記「負極ペーストの調製」の項での説明と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0111】
▲2▼正極の形成
図2に示すように、型板3上の負極5/電解質7の積層体上に、所定の形状(正極形成部分以外の部分)にマスキングを行い、調製された上記正極ぺーストを適当なコーティング技術(例えば、スプレーコートなど)によりコーティングし、所定の厚さの正極層を形成する(図4参照のこと)。
【0112】
その後、正極層が形成された型板を乾燥機に入れて加熱乾燥し、正極層に含まれる溶媒を除去する。それと同時に、正極層内のポリマーの架橋反応を進行させて(熱重合させて)、固体高分子電解質の機械的強度を高め、図2に示すように、正極9を製膜形成する(完成させる)。なお、光重合開始剤を用いて光重合させる場合には、紫外線照射装置等を用いて正極層内のポリマーを光重合させてもよいなど、特に制限されるべきものではない。
【0113】
加熱乾燥は真空乾燥機などを用いることができる。加熱乾燥の条件はコーティングされた正極ペーストに応じて決定され、一義的に規定できないが、通常は30〜110℃で0.5〜12時間である。
【0114】
(iv)絶縁層の形成
絶縁層の形成においても、熱源外面等の形状を有する型板上に製膜して形成する必要上、スプレーコートによりコーティングし易い粘度に調整したペーストないしスラリー状の絶縁層材料(例えば、未硬化の液状エポキシ樹脂成分に液状または固形硬化剤成分を混合したエポキシ樹脂配合物など)を用いる必要がある。
【0115】
図2に示すように、型板3上の負極5/電解質7/正極9の積層体上に、所定の形状(絶縁層形成以外の部分)にマスキングを行い、上記絶縁性樹脂材料を適当なコーティング技術(例えば、スプレーコートなど)によりコーティングし、所定の厚さの絶縁ペースト層を形成する(図4参照のこと)。
【0116】
その後、絶縁ペースト層が形成された型板を乾燥機に入れて加熱乾燥し、絶縁ペースト層内の未硬化樹脂成分を硬化させて、図2に示すように、絶縁層11を製膜形成する(完成させる)。
【0117】
(v)集電体の形成
集電体の形成においても、熱源外面等の形状を有する型板上に製膜して形成する必要上、スプレーコートによりコーティングし易い粘度に調整したペーストないしスラリー状の集電体材料(本明細書では、集電体金属ペーストとも称する)を用いる必要がある。
【0118】
▲1▼集電体金属ペーストの調製
上記集電体金属ペーストは、金属粉末、バインダ、およびスラリー粘度調整溶媒を含むペーストないしスラリー状の溶液である。すなわち、集電体金属ペーストは、金属粉末、バインダおよびスラリー粘度調整溶媒を含む材料を所定の比で混合して調製することができる。
【0119】
上記金属粉末、バインダは、上記「集電体」の項での説明と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0120】
NMPなどの上記スラリー粘度調整溶媒は、他の成分を溶解ないし分散して、適当な粘度のペースト(スラリー)を調整できるものであればよく、集電体金属ペーストの種類に応じて選択する。
【0121】
金属粉末、バインダの添加量はバイポーラ電池の目的等に応じて調節すればよく、集電体としての高い電気伝導性を損なわない範囲で、十分な接合強度を有するように調整すればよい。バインダの添加量は、金属粉末に対して5〜30質量%程度である。
【0122】
▲2▼集電体の形成
図2に示すように、上記型板3上の負極5/電解質7/正極9/絶縁層11の積層体上に、所定の形状(集電体形成部分以外)にマスキングを行い、調製された上記集電体金属ペーストを適当なコーティング技術(例えば、スプレーコートなど)によりコーティングし、所定の厚さの集電体層を形成する(図4参照のこと)。
【0123】
その後、集電体層が形成された型板を乾燥機に入れて乾燥し、集電体層に含まれる溶媒を除去して、図2に示すように、集電体13を製膜形成する(完成させる)。この作業により、図1に示す型板を有する単電池層10が完成する。
【0124】
上記乾燥は、真空オーブン等の真空乾燥機などを用いることができる。乾燥の条件はコーティングされた集電体金属ペーストに応じて決定され、一義的に規定できないが、通常は30〜110℃で0.5〜12時間である。
【0125】
(3)繰り返し積層(電池積層体の形成)
型板3上の負極5/電解質7/正極9/絶縁層11/集電体13の積層体上に、負極ペーストをスプレーコートし、上記の手順を繰り返して電池要素(単電池層)を複数層積層する。すなわち、型板3上の負極5/電解質7/正極9/絶縁層11/集電体13の積層体上に、さらに負極5、電解質7、正極9、絶縁層11、集電体13を繰り返して連続的に製膜積層して、必要なセル数を有する電池積層体21を形成(完成)する(図2参照のこと)。
【0126】
単電池層の積層数(セル数)は、バイポーラ電池に求める電池特性を考慮して決定される。
【0127】
(4)パッキング(電池の完成)
最後に形成した集電体13の上に正極端子板23を設置し、正極リード27を接合(電気的に接続)して取り出し、型板3から負極リード25を接合(電気的に接続)して取り出す。負極リード25および正極リード27の接合方法としては特に制限されるべきものではないが、接合温度の低い超音波溶接等が好適に利用し得るものであるが、これに限定されるべきものではなく、従来公知の接合方法を適宜利用することができる。
【0128】
型板3と該型板上に形成した電池積層体21全体を電池外装材ないし電池ケース(図示せず)で封止し、バイポーラ電池を完成させる。
【0129】
上記正極端子板23は、型板上に最後に形成された集電体の形状をトレースする形状に成型されてなるものが望ましい。また、該正極端子板の材質は、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを利用することができる。該正極端子板の厚さに関しては、型板と共に上下で支持できる強度を有することが望ましく、また電気抵抗を低減する観点から、型板と同程度の厚さにするのが望ましい。なお、電池の上面の段差による凹凸を埋めて平坦にしてもよく、軽量かつ保温性のよい適用な部材を凹部に補充してもよい。
【0130】
上記型板上への積層からバイポーラ電池の組み立てまでの段階は、電池内部に水分等が混入するのを防止する観点から不活性雰囲気下で行うことが好ましい。例えば、アルゴン雰囲気下や窒素雰囲気下でバイポーラ電池を作製するとよい。
【0131】
【実施例】
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例に限定されるものではない。
【0132】
実施例1
<各ペーストの調製>
1.正極ペーストの調製
正極活物質として平均粒子径2μmのスピネルLiMn2O4[29質量%]、導電助剤としてアセチレンブラック[8.7質量%]、ポリマーとしてポリエチレンオキシド[17質量%]、支持塩(リチウム塩)としてLi(C2F5SO2)2N[7.3質量%]、スラリー粘度調整溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)[41質量%]、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)[ポリマーに対して0.1質量%]からなる材料を上記比率にて混合して正極ペーストを調製した。
【0133】
2.負極ペーストの調製
負極活物質としてLi4Ti5O12[28質量%]、導電助剤としてアセチレンブラック[3質量%]、ポリマーとしてポリエチレンオキシド[17質量%]、支持塩としてLi(C2F5SO2)2N[8質量%]、スラリー粘度調整溶媒としてNMP[44質量%]および重合開始剤としてAIBN[ポリマーに対して0.1質量%]からなる材料を上記比率にて混合して負極ペーストを調製した。
【0134】
尚、負極活物質に用いたLi4Ti5O12の二次粒子の平均粒径は10μmで、0.2〜0.5μmの一次粒子がある程度ネッキングした構造になっていた。
【0135】
3.ポリマー電解質前駆体の調製
ポリマーとしてポリエチレンオキシド[53質量%]、支持塩(リチウム塩)としてLi(C2F5SO2)2N[26質量%]、重合開始剤としてAIBN[ポリマーに対して0.1質量%]および溶媒としてNMP[21質量%]からなる材料を所定の比率で混合してポリマー電解質前駆体を調製した。
【0136】
4.集電体金属ペーストの調製
以下の材料を所定の比率で混合して集電体金属ペーストを調製した。
【0137】
平均粒径3μmのアルミニウム(Al)粉末[50質量%]、バインダとしてPVDF[5.6質量%]、溶媒としてNMP[44.4質量%]を用いて集電体金属ペーストの調製した。
【0138】
<バイポーラ電池の作製>
1.型板の作製
15cm四方の大きさのアルミニウム板(厚さ2mm)を、車のエンジン外面の一部の形状に沿って成型した(図3参照のこと)。
【0139】
2.負極の形成
上記1で作製した型板上に、所定の形状にマスキングを行い、上記負極ペーストをスプレーコートし、厚さ30μmの負極層を形成した。その後真空オーブンに入れ、100℃で5時間加熱乾燥させると同時に負極層内のポリマーを熱重合させて負極を製膜形成した。得られた負極は、ポリマーの熱重合(架橋)反応が良好に進行しており、充分硬化していた。硬化後の負極の厚さは約20μmであった。
【0140】
3.電解質の形成
上記2で形成された負極上に、所定の形状にマスキングを行い、上記ポリマー電解質前駆体をスプレーコートし、厚さ100μmのポリマー電解質層を形成した。その後真空オーブンに入れ、100℃で5時間加熱乾燥させると同時にポリマー電解質層内のポリマーを熱重合(硬化)させて電解質を製膜形成した。
【0141】
4.正極の形成
上記3で形成されたポリマー電解質上に、所定の形状にマスキングを行い、正極ペーストをスプレーコートし、厚さ30μmの正極層を形成した。その後真空オーブンに入れ、100℃で5時間加熱乾燥させると同時に正極層内のポリマーを熱重合させて正極を製膜形成した。得られた正極は、ポリマーの熱重合(架橋)反応が良好に進行しており、充分硬化していた。硬化後の正極の厚さは約20μmであった。
【0142】
5.絶縁層の形成
上記4までに形成された負極/電解質/正極積層体上に、所定の形状にマスキングを行い、エポキシ樹脂をスプレーコートし、厚さ30μmの絶縁ペースト層を形成した。その後エポキシ樹脂を加熱硬化させて、絶縁層を製膜形成した。
【0143】
6.集電体層形成
上記5までに形成された負極/電解質/正極/絶縁層積層体上に、所定の形状にマスキングを行い、上記集電体金属ペーストをスプレーコートし、厚さ20μmの集電体層を形成した。その後集電体金属ペーストを110℃で1時間乾燥させて、集電体を製膜形成した。
【0144】
7.繰り返し積層(電池積層体の形成)
上記6で得られた集電体層上に、負極ペーストから集電体金属ペーストまでを順に、スプレーコートし、上記の手順を繰り返して電池要素(単電池層;セル)を3層積層した。これにより、3セルが直列に積層された構造を有する電池積層体(型板を含む)を形成することができた(図2参照のこと)。
【0145】
8.パッキング(電池の完成)
上記7で最後に形成した集電体の上に、該集電体の形状をトレースして成型したAl製の正極端子板を設置し、続いて該正極端子板にAl製の正極リードを超音波溶接により接合して取り出し、型板からAl製の負極リードを超音波溶接により接合して取り出した。また、後述するバイポーラ電池の評価のために、電池温度を測定するために熱源から最も離れた正極端子板に温度センサ(熱電対)を接続し、電池内部温度を測定できる状態にした。
【0146】
型板を有する電池積層体全体をアルミラミネートパック(アルミニウムをポリプロピレンフィルムでラミネートしたもの)で封止し、バイポーラ電池を完成させた。この電池の負極の設計容量は、正極の設計容量の80%とした。なお、バイポーラ電池は、アルゴン雰囲気下にあるグローブボックス内で作製した。
【0147】
4.バイポーラ電池の評価
作製されたバイポーラ電池を型板をトレースしたハイブリッド電気自動車の熱源であるエンジン外面の一部に耐熱テープを用いて貼り付けた。
【0148】
このハイブリッド電気自動車で10モード走行実験を行った。バイポーラ電池が良好な電池動作性能を発揮する60℃以上に達するのに10分を要し、その後は常に良好な電池動作温度である50〜80℃の範囲にあることが確認できた。かかる実験は外気温25℃のときに実験した。
【0149】
25℃のとき、電流1Cで放電した際の放電反応率(電池容量に対し、実際に放電できた容量)は43%だったのに対し、エンジン外面に貼り付けられ、60℃に加熱された電池は、87%の放電反応率を示した。
【0150】
このことから、本発明のバイポーラ電池は、電気自動車やハイブリッド電気自動車や燃料電池自動車などのモータ駆動電源として有効に利用できることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るバイポーラ電池の型板を用いて単電池層を形成した状態を示す概略断面図である。
【図2】 型板を用いた単電池層を含む3層の単電池層を積層して形成した状態のバイポーラ電池の組み立て概略図である。
【図3】 本発明の電気自動車(システム)に用いられるバイポーラ電池の該電気自動車の熱源への設置の様子を模式的に示す概略図である。
【図4】 図3の型板上に、電極材料、電解質材料、絶縁層材料及び集電体材料をスプレーコートすることにより、電極、電解質、絶縁層及び集電体を連続製膜する様子を模式的に表わした断面該略図である。
【図5】 断熱材を有するバイポーラ電池の電気自動車の熱源外面への設置の様子を模式的に示す概略図である。
【図6】 断熱材を有するバイポーラ電池の電気自動車の熱源外面への設置の様子を模式的に示す概略図である。
【符号の説明】
1…単電池層、 3…型板(負極端子板)、
5…負極、 7…電解質、
9…正極、 11…絶縁層、
13…集電体、 21…電池積層体、
23…正極端子板、 25…負極端子リード、
27…正極端子リード、 31…自動車の熱源外面等、
33…エンジン、 51…バイポーラ電池本体、
53a…熱源(エンジン)外面の高温部、
53b…熱源(エンジン)外面の低温部、
53…エンジン、 55…断熱材、
55a…厚めの断熱材、 55b…薄めの断熱材。
Claims (9)
- 集電体の一方の面に正極が形成され、他方の面に負極が形成されたバイポーラ電極を、電解質を挟んで複数枚直列に積層した構造を有するバイポーラ電池において、
自動車の熱源外面または該熱源外面に設けられる断熱材の形状をトレースして形成された型板上に、電極、電解質、集電体を連続的に製膜積層して形成されていることを特徴とするバイポーラ電池。 - 前記型板上に形成されている電極、電解質、集電体が、電極材料、電解質材料、集電体材料をそれぞれスプレーコートにより連続製膜して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のバイポーラ電池。
- 正極活物質が、リチウム−遷移金属複合酸化物であり、
負極活物質が、カーボンまたはリチウム−遷移金属複合酸化物であることを特徴とする請求項1または2に記載のバイポーラ電池。 - 前記電解質が、固体高分子電解質であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイポーラ電池。
- 前記断熱材が、外設されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のバイポーラ電池。
- バイポーラ電池の設置場所によって自動車の熱源の表面温度が異なる場合に、バイポーラ電池が適正温度範囲を超えないようにバイポーラ電池の設置場所の熱源表面温度に応じて前記断熱材の厚さが決められていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のバイポーラ電池。
- 請求項1〜6に記載のバイポーラ電池が、自動車の熱源の外面および/または該熱源外面に設けられた断熱材の外面に設置されてなることを特徴とする電気自動車システム。
- 集電体の一方の面に正極が形成され、他方の面に負極が形成されたバイポーラ電極を、電解質を挟んで複数枚直列に積層した構造を有するバイポーラ電池の製造方法において、
自動車の熱源の外面または該熱源外面に設ける断熱材の外面の形状をトレースした型板を作製し、
該型板上に電極材料、電解質材料、集電体材料を連続的に製膜積層して、電極、電解質、集電体を形成することを特徴とするバイポーラ電池の製造方法。 - 前記型板上に電極材料、電解質材料、集電体材料を、それぞれスプレーコートにより連続製膜することにより、電極、電解質、集電体を形成することを特徴とする請求項8に記載のバイポーラ電池の製造方法。
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