JP2004319210A - バイポーラ電池、バイポーラ電池の製造方法、組電池および車両 - Google Patents

バイポーラ電池、バイポーラ電池の製造方法、組電池および車両 Download PDF

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Abstract

【課題】加熱プレスによる熱融着樹脂の厚さの減少による、電池性能の低減を防止することができるバイポーラ電池を提供する。
【解決手段】本発明のバイポーラ電池1は、集電体2の一方の面に正極活物質層3が形成され他方の面に負極活物質層4が形成されてなるバイポーラ電極が、ゲル電解質層5を挟んで積層されてなるバイポーラ電池であって、隣接する正極活物質層3、ゲル電解質層5、および負極活物質層4を含んで構成される単電池層6の周囲を取り囲むように、集電体2、7間に配置され、集電体2、7外部まで延びて、該外部で互いに熱融着されるシール部材9を有するバイポーラ電池である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バイポーラ電池に関し、特に電解質に高分子ゲル電解質を用いたバイポーラ電池、該バイポーラ電池の製造方法、組電池、該バイポーラ電池を搭載した車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウム二次電池では、その中に封入する電解質として、固体電解質を用いたもの、液体電解質を用いたもの、そして高分子ゲル電解質を用いたものがある。
【0003】
固体電解質には、たとえばポリエチレンオキシドなどの全固体高分子電解質が用いられ、一方、液体電解質には、100%電解液を用いる。高分子ゲル電解質は、これらの中間とも言うべきもので、たとえばポリフッ化ビニリデン(PVDF)などのそのもの自体はリチウムイオン伝導性を持たない高分子の骨格中に電解液を保持させたものである(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
電解質に液体電解質または高分子ゲル電解質を用いる場合、集電体間に単電池層を囲むシール部材を設けている(たとえば、特許文献2)。シール部材がないと、各単電池層間において電解質が染み出し、他の単電池層の電解質と接触して液絡と称する単電池層同士の短絡が発生してしまうからである。ここで、単電池層は、正極活物質層、ゲル電解質層、および負極活物質層を含む。
【0005】
シール部材を設けるには、集電体間の中央部に単電池層、外周部にシール用の熱融着樹脂を挟み込み、熱融着樹脂部分を加熱プレスして、集電体と熱融着樹脂を熱融着する手法がある。熱融着樹脂がシール部材となる。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−204136号公報
【特許文献2】
特開平08−007926号公報(段落「0012」、図2参照)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のように、集電体にシール部材を加熱プレスして熱融着するのでは、熱融着樹脂が加熱により溶融され、加圧により圧縮されるので、その厚さが減少する。
【0008】
加熱プレス前には同等な厚さであっても、加熱プレス後には熱融着樹脂の厚さが減少するのでは、熱融着樹脂の方が単電池層よりも薄くなってしまう。特に、バイポーラ電池の積層数が多い場合には、集電体間の熱融着樹脂の厚さがそれぞれ少しずつ減少し、バイポーラ電池全体としては、熱融着樹脂が配置される端部側が、単電池層が配置される中央側に比べてかなり薄くなる。換言すると、端部側の厚さの減少とは反対に、中央側の厚さは厚くなる。
【0009】
中央側の厚さが厚くなると、中央に配置される単電池層の密着性、すなわち、正極活物質層およびゲル電解質層、あるいは負極活物質層およびゲル電解質層の密着性が悪くなる。これは、バイポーラ電池の内部抵抗の増加につながり、電池性能を低減してしまう。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、熱融着樹脂の厚さの減少による、電池性能の低減を防止することができるバイポーラ電池、該バイポーラ電池の製造方法、該バイポーラ電池を用いた組電池および車両の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0012】
本発明の第1は、集電体の一方の面に正極活物質層が形成され他方の面に負極活物質層が形成されてなるバイポーラ電極が、ゲル電解質層を挟んで積層されてなるバイポーラ電池であって、隣接する前記正極活物質層、前記ゲル電解質層、および前記負極活物質層を含んで構成される単電池層の周囲を取り囲むように、前記集電体間に配置され、前記集電体外部まで延びて、該外部で互いに熱融着されるシール部材を有するバイポーラ電池である。
【0013】
本発明の第2は、集電体の一方の面に正極活物質層を形成し、他方の面に負極活物質層を形成して、バイポーラ電極を形成する工程と、前記集電体の一面または両面の端部に予めシール部材を熱融着する工程と、前記バイポーラ電極をゲル電解質層を挟んで積層する工程と、前記集電体の外部に延びるシール部材同士を、該外部で互いに熱融着する工程と、を有するバイポーラ電池の製造方法である。
【0014】
【発明の効果】
上記本発明の第1では、シール部材が集電体外部で熱融着されるので、熱融着の際の溶融により、集電体間でシール部材の厚さが単電池層よりも薄くならない。したがって、単電池層とシール部材との厚さの不整合により生じる集電体間の歪を防止しつつ、シール部材を提供できる。集電体間に歪みが生じないので、バイポーラ電極とゲル電解質層との密着性が低下することがなく、電池の内部抵抗の増加を防止でき、電池性能を維持できる。
【0015】
本発明の第2では、集電体、正極活物質層、ゲル電解質層、負極活物質層、集電体およびシール部材を積層していき、最後にシール部材の端部を熱融着するだけなので、簡易な方法で、確実にゲル電解質層からの液漏れを防止できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面では、説明の明確のために各構成要素を誇張して表現している。
【0017】
(第1の実施の形態)
本発明の第1は、集電体の一方の面に正極活物質層が形成され他方の面に負極活物質層が形成されてなるバイポーラ電極が、ゲル電解質層を挟んで積層されてなるバイポーラ電池であって、隣接する前記正極活物質層、前記ゲル電解質層、および前記負極活物質層を含んで構成される単電池層の周囲を取り囲むように、前記集電体間に配置され、前記集電体外部まで延びて、該外部で互いに熱融着されるシール部材を有するバイポーラ電池である。
【0018】
また、本発明の第2は、集電体の一方の面に正極活物質層を形成し、他方の面に負極活物質層を形成して、バイポーラ電極を形成する工程と、前記集電体の一面または両面の端部に予めシール部材を熱融着する工程と、前記バイポーラ電極をゲル電解質層を挟んで積層する工程と、前記集電体の外部に延びるシール部材同士を、該外部で互いに熱融着する工程と、を有するバイポーラ電池の製造方法である。
【0019】
図1は、本発明を適用したバイポーラ電池の構造を説明するための断面図である。
【0020】
バイポーラ電池1は、両端部以外の集電体2の両面中央に正極活物質層3と負極活物質層4が形成されており、この集電体2の正極活物質層3と負極活物質層4との間に電解質層5を挟んで単電池層6を構成し、この単電池層6が複数積層された構造を持つ。なお、両端部にある集電体(端部集電体7と称する)は、このバイポーラ電池全体の電極と接続される。
【0021】
そして、集電体2を挟んで正極活物質層3と負極活物質層4を設けた構成をバイポーラ電極という。
【0022】
ここで、電解質層5は、たとえば、ポリマー骨格中に、数重量%〜98重量%程度電解液を保持させたゲル電解質で、特に本実施の形態においては、70重量%以上電解液を保持したゲル電解質を使用することができる。
【0023】
このバイポーラ電池1では、単電池層6からの液漏れを防止するために、一つひとつの単電池層6の周囲を取り囲み、集電体2間、または、集電体2および端部集電体7の間に配置されるシール部材9を設けている。
【0024】
シール部材9は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのような絶縁性を有する熱融着樹脂により形成されている。シール部材9は、集電体2、7外部まで延びて、該外部で互いに熱融着される。また、後述するように、シール部材9は、積層前に、集電体2または端部集電体7に熱融着されている。これにより、シール部材9によって、各単電池層6が密閉される。したがって、単電池層6からの液漏れを防止することができ、また集電体同士の接触による短絡を防止することができる。
【0025】
次に、本発明のバイポーラ電池1の製造手順について説明する。
【0026】
図2〜図4は本発明のバイポーラ電池の製造手順を説明するための図である。
【0027】
図2はバイポーラ電極、ゲル電解質層、およびシール部材を積層する様子を示す断面図、図3はバイポーラ電極、ゲル電解質層、およびシール部材を積層する様子を示す斜視図、図4はバイポーラ電極、ゲル電解質層、およびシール部材の大きさの一例を示す図、図5はバイポーラ電極、ゲル電解質層、およびシール部材の積層後の様子を示す断面図である。
【0028】
本発明のバイポーラ電池1の製造手順としては、図2に示すように、まず、端部集電体7上に電極層(正極活物質層3または負極活物質層4、例えば、正極活物質層3)を積層し、その上にさらにゲル電解質層5を積層する。この積層したものを積層体Aと称する。
【0029】
次に、積層体Aとは別に、集電体2の両面に負極活物質層4および正極活物質層3を取り付け、正極活物質層3上にゲル電解質層5を積層する。さらに、集電体2端部に、ゲル電解質層5の周りを取り囲むように、シール部材9を配置する。ゲル電解質層5を取り囲むために、シール部材9は、中央に貫通孔が形成されている(図3参照)。
【0030】
シール部材9は、集電体2の負極活物質層4側に、熱融着により固定される。熱融着の際には、集電体2とシール部材9とを両側から加熱プレスする。シール部材9は、図2および図3に示すように、集電体2端部からその外部まで延びている。この積層したものを積層体Bと称する。積層体Bと全く同様の方法で、積層体Cを形成する。
【0031】
続けて、端部集電体7上に負極活物質層4を積層し、端部集電体7の端部に、負極活物質層4を取り囲むように、シール部材9を配置する。積層体Bと同様に、シール部材9は、端部集電体7に熱融着により固定される。ここで積層したものを積層体Dと称する。
【0032】
以上、作成した積層体A〜Dについて、図2に示すように、積層体A上に積層体B、積層体Cおよび積層体Dを順に積層して、図5に示すような積層体Xを作成する。積層体Xは、集電体2、7から3枚のシール部材9が延びている。
【0033】
これらのシール部材9の端部を、最後に、図5に示すように、加熱プレスすることによって、シール部材9同士が熱融着する。
【0034】
以上の手順によって、図1に示すバイポーラ電池1が製造される。
【0035】
なお、上記積層体B〜Dでは、集電体2、7に熱融着した後のシール部材9の厚さが、正極活物質層3、ゲル電解質層5および負極活物質層4の合計厚さ、すなわち、単電池層6の厚さと同等か、誤差30μm以内である。
【0036】
ただし、本発明のバイポーラ電池1では、上述のように、シール部材9は、集電体2端部の片面に熱融着されているだけであり、集電体2間でシールするものではない。つまり、シールは、バイポーラ電池1外部でシール部材9同士を熱融着させる部分で達成している。したがって、シール部材9の厚さが、単電池層6の厚さより薄くてもよい。
【0037】
例えば、図4に示すようにシール部材9の厚さを負極活物質層4と略同等にすることができる。この場合、図4に示すように、集電体2、正極活物質層3、負極活物質層4、ゲル電解質層5、およびシール部材9の幅を、それぞれ、100mm、70mm、70mm、90mm、および30mmとすることができる。ここで、集電体2とシール部材9とが熱融着される幅は、10mmである。
【0038】
上記寸法のように、ゲル電解質層5の幅を大きくすることによって、シール部材9とゲル電解質層5の両者により、集電体2、7間の絶縁性を確保することができる。
【0039】
本実施形態のバイポーラ電池1の奏する効果は、以下の通りである。
【0040】
シール部材9が集電体2、7の外部で熱融着されるので、熱融着の際の溶融により、集電体2、7間でシール部材9の厚さが単電池層6よりも薄くならない。したがって、集電体2、7間の単電池層6とシール部材9との厚さの不整合による集電体2、7間(集電体2同士の間、および集電体2と端部集電体7との間を含む)の歪みを防止しつつ、ゲル電解質層5からの液漏れを防止するシール部材9を提供できる。集電体2、7間に歪みが生じないので、バイポーラ電極とゲル電解質層5との密着性が低下することがなく、電池の内部抵抗の増加を防止でき、電池性能を維持できる。
【0041】
先に集電体2の端部にシール部材9を熱融着しておくので、積層体A〜Dの積層後に、集電体2、7間でシール部材9の厚さが変動しない。したがって、単電池層6とシール部材9との厚さが、後発的に不整合になることを防止できる。
【0042】
さらに、上述のように、集電体7、正極活物質層3、ゲル電解質層5、負極活物質層4、集電体2およびシール部材9を積層していき、最後にシール部材9の端部を熱融着するだけなので、簡易な方法で、確実にゲル電解質層からの液漏れを防止できる。
【0043】
なお、上記実施形態では、積層体AおよびDの間に、積層体BおよびCの2枚を積層していたが、これに限定されない。積層体Bと同等のものの積層数を増減することによって、出力の異なるバイポーラ電池1を構成できる。
【0044】
(変形例)
バイポーラ電池1は、外装体に封入することもできる。以下では、バイポーラ電池1を外装体内に封入した電池の製造手順を説明する。
【0045】
図6は図5に示す積層体を外装体に封入した様子を示す断面図、図7はバイポーラ電池を含む電池を示す断面図である。
【0046】
まず、積層体Xを加熱プレスする前に、図6に示すように、外装体10に該積層体Xを内包する。ここで、外装体10は、シート状に形成された絶縁体である。2枚を一組として、積層体Xの上下から被せて、外装体の端部を合わせる。内包した後、積層体Xのシール部材9の端部を外装体10で挟むように、両側から加熱プレスを行う。
【0047】
加熱プレスを行うと、図7に示すように、シール部材9同士および外装体10が密着する。ここでは、シール部材9の溶融により、シール部材9同士が熱融着すると共に、外装体10は、シール部材9の最外層に熱融着される。積層体Xは、外装体10内で、図1に示すバイポーラ電池1と同様に形成される。
【0048】
このように、外装体10内にバイポーラ電池1を含めて電池20とすることによって、図1に示すバイポーラ電池1と同様の電池特性を有しつつ、振動や衝撃に対する耐久性を向上できる。
【0049】
上記バイポーラ電池1および電池20について、シール部材9以外の電池を構成する部材は、一般的なリチウムイオン二次電池に用いられているものと同じでよい。
【0050】
以下に、このバイポーラ電池1に使用することのできる集電体、正極、負極、ゲル電解質等について説明する。
【0051】
[集電体]
集電体は、製法上、スプレーコートなどの薄膜製造技術により、いかような形状を有するものにも製膜積層して形成し得る必要上、たとえば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金などの金属粉末を主成分として、これにバインダー(樹脂)、溶剤を含む集電体金属ペーストを加熱して成形してなるものであり、上記金属粉末およびバインダーにより形成されてなるものである。また、これら金属粉末を1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよいし、さらに、製法上の特徴を生かして金属粉末の種類の異なるものを多層に積層したものであってもよい。
【0052】
上記バインダーとしては、特に制限されるべきものではなく、たとえば、エポキシ樹脂など、従来公知の樹脂バインダー材料を用いることができるほか、導電性高分子材料を用いても良い。
【0053】
集電体の厚さは、特に限定されないが、通常は1〜100μm程度である。
【0054】
[正極活物質層]
正極は、正極活物質を含む。この他にも、イオン伝導性を高めるために電解質、リチウム塩などが含まれ得る。また、電子伝導性を高めるために導電助剤、スラリー粘度の調整溶媒としてNMP(N−メチル−2−ピロリドン)、重合開始材としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)などが含まれ得る。特に、正極または負極の少なくとも一方に電解質、好ましくは固体高分子電解質が含まれていることが望ましいが、バイポーラ電池の電池特性をより向上させるためには、双方に含まれることが好適である。
【0055】
上記正極活物質としては、溶液系のリチウムイオン電池でも使用される、遷移金属とリチウムとの複合酸化物を使用できる。具体的には、LiCoOなどのLi・Co系複合酸化物、LiNiOなどのLi・Ni系複合酸化物、スピネルLiMnなどのLi・Mn系複合酸化物、LiFeOなどのLi・Fe系複合酸化物などが挙げられる。この他、LiFePOなどの遷移金属とリチウムのリン酸化合物や硫酸化合物;V、MnO、TiS、MoS、MoOなどの遷移金属酸化物や硫化物;PbO、AgO、NiOOHなどが挙げられる。
【0056】
正極活物質の粒径は、製法上、正極材料をペースト化してスプレーコートなどにより製膜し得るものであればよい。さらにバイポーラ電池の電極抵抗を低減するために、電解質が固体でない溶液タイプのリチウムイオン電池で用いられ一般に用いられる粒径よりも小さいものを使用するとよい。具体的には、正極活物質の平均粒径が10〜0.1μmであるとよい。
【0057】
上記正極に含まれる電解質としては、固体高分子電解質、高分子ゲル電解質、およびこれらを積層したものなどが利用できる。すなわち、正極を多層構造とすることもでき、集電体側と電解質側とで、正極を構成する電解質の種類や活物質の種類や粒径、さらにはこれらの配合比を変えた層を形成することもできる。
【0058】
高分子ゲル電解質は、イオン導伝性を有する固体高分子電解質に、通常リチウムイオン電池で用いられる電解液を含んだものであるが、さらに、リチウムイオン導伝性を持たない高分子の骨格中に、同様の電解液を保持させたものも含まれる。
【0059】
ここで、高分子ゲル電解質に含まれる電解液(電解質塩および可塑剤)としては、通常リチウムイオン電池で用いられるものであればよく、たとえば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10等の無機酸陰イオン塩、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON等の有機酸陰イオン塩の中から選ばれる、少なくとも1種類のリチウム塩(電解質塩)を含み、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等のエーテル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトニトリル等のニトリル類;プロピオン酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;酢酸メチル、蟻酸メチルの中から選ばれる少なくともから1種類または2種以上を混合した、非プロトン性溶媒等の有機溶媒(可塑剤)を用いたものなどが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
【0060】
高分子ゲル電解質に用いられるリチウムイオン導伝性を持たない高分子としては、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。なお、PAN、PMMAなどは、どちらかと言うとイオン伝導性がほとんどない部類に入るものであるため、上記イオン伝導性を有する高分子とすることもできるが、ここでは高分子ゲル電解質に用いられるリチウムイオン導伝性を持たない高分子として例示したものである。
【0061】
上記リチウム塩としては、たとえば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10等の無機酸陰イオン塩、Li(CFSON、Li(CSON等の有機酸陰イオン塩、またはこれらの混合物などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
【0062】
導電助剤としては、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト等が挙げられる。ただし、これらに限られるわけではない。
【0063】
正極における、正極活物質、電解質(好ましくは固体高分子電解質)、リチウム塩、導電助剤の配合量は、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。たとえば、正極内における電解質、特に固体高分子電解質の配合量が少なすぎると、活物質層内でのイオン伝導抵抗やイオン拡散抵抗が大きくなり、電池性能が低下してしまう。一方、正極内における電解質、特に固体高分子電解質の配合量が多すぎると、電池のエネルギー密度が低下してしまう。従って、これらの要因を考慮して、目的に合致した固体高分子電解質量を決定する。
【0064】
正極の厚さは、特に限定するものではなく、配合量について述べたように、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。一般的な正極活物質層の厚さは10〜500μm程度である。
【0065】
[負極活物質層]
負極は、負極活物質を含む。この他にも、イオン伝導性を高めるために電解質、リチウム塩や導電助剤などが含まれ得る。負極活物質の種類以外は、基本的に「正極活物質層」の項で記載した内容と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0066】
負極活物質としては、溶液系のリチウムイオン電池でも使用される負極活物質を用いることができる。たとえば、金属酸化物、リチウム−金属複合酸化物金属、ハードカーボンなどが好ましい。より好ましくは、カーボン、遷移金属酸化物、リチウム−遷移金属複合酸化物である。さらに好ましくは、チタン酸化物、リチウム−チタン複合酸化物、カーボンである。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0067】
[電解質]
電解質としては、高分子ゲル電解質である。この電解質は多層構造とすることもでき、正極側と負極側とで、電解質の種類や成分配合比を変えた層を形成することもできる。高分子ゲル電解質を用いる場合、該高分子ゲル電解質を構成するポリマーと電解液との比率(質量比)が、20:80〜2:98と比較的電解液の比率が大きい範囲である。
【0068】
このような高分子ゲル電解質としては、イオン導伝性を有する固体高分子電解質に、通常リチウムイオン電池で用いられる電解液を含んだものであるが、さらに、リチウムイオン導伝性を持たない高分子の骨格中に、同様の電解液を保持させたものも含まれるものも含まれる。これらについては、[正極]に含まれる電解質の1種として説明した高分子ゲル電解質と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0069】
これら固体高分子電解質もしくは高分子ゲル電解質は、電池を構成する高分子電解質のほか、上記したように正極および/または負極にも含まれ得るが、電池を構成する高分子電解質、正極、負極によって異なる高分子電解質を用いてもよいし、同一の高分子電解質を使用してもよいし、層によって異なる高分子電解質を用いてもよい。
【0070】
電池を構成する電解質の厚さは、特に限定するものではない。しかしながら、コンパクトなバイポーラ電池を得るためには、電解質としての機能が確保できる範囲で極力薄くすることが好ましい。一般的な固体高分子電解質層の厚さは10〜100μm程度である。ただし、電解質の形状は、製法上の特徴を生かして、電極(正極または負極)の上面ならびに側面外周部も被覆するように形成することも容易であり、機能、性能面からも部位によらず常に略一定の厚さにする必要はない。
【0071】
[外装体(電池ケース)]
外装体には、軽量化の観点からは、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、銅などの金属(合金を含む)をポリプロピレンフィルム等の絶縁体で被覆した高分子−金属複合ラミネートフィルムやアルミラミネートパックなど、従来公知の材料を用いて、バイポーラ電池を収納し密封した構成とする。
【0072】
この場合、上記正極および負極リードは、上記熱融着部に挟まれて上記電池外装体の外部に露出される構造とすればよい。また、熱伝導性に優れた高分子−金属複合ラミネートフィルムやアルミラミネートパックなどを用いることが、自動車の熱源から効率よく熱を伝え、電池内部を電池動作温度まですばやく加熱することができる点で好ましい。
【0073】
[正極および負極端子板]
正極および負極端子板は、端子としての機能を有するほか、薄型化の観点からは極力薄い方がよいが、製膜により積層されてなる電極、電解質および集電体はいずれも機械的強度が弱いため、これらを両側から挟示し支持するだけの強度を持たせることが望ましい。さらに、端子部での内部抵抗を抑える観点から、正極および負極端子板の厚さは、通常0.1〜2mm程度が望ましいといえる。
【0074】
正極および負極端子板の材質は、通常リチウムイオン電池で用いられる材質を用いることができる。たとえば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金などを利用することができる。耐蝕性、作り易さ、経済性などの観点からは、アルミニウムを用いることが好ましい。
【0075】
正極端子板と負極端子板との材質は、同一の材質を用いてもよいし、異なる材質のものを用いてもよい。さらに、これら正極および負極端子板は、材質の異なるものを多層に積層したものであってもよい。
【0076】
正極および負極端子板の形状は、型板と兼用する場合には、自動車の熱源外面等をトレースした形状に、また、型板と対極する位置に設けられる端子板では、該端子板を設置する集電体外面をトレースした形状であればよく、プレス成形等によりトレースして形成すればよい。なお、型板と対極する位置に設けられる端子板では、集電体と同様にスプレーコートにより形成してもよい。
【0077】
[正極および負極リード]
正極および負極リードに関しては、通常リチウムイオン電池で用いられる公知のリードを用いることができる。なお、電池外装材(電池ケース)から取り出された部分は、自動車の熱源との距離がないことから、これらに接触して漏電したりして自動車部品(特に電子機器)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆しておくのが好ましい。
【0078】
図8は、外装体10にアルミラミネートパックを用いてなる電池20の外観を示す斜視図である。この電池20は、内包するバイポーラ電池1の端部集電体7に上記の正極および負極端子板を設け、さらにリードを取り付けて、電極23および24としている。
【0079】
次に、実際上記バイポーラ電池1を製作して評価を行った実験例について説明する。
【0080】
実験例
<内部抵抗評価>
上述した実施の形態と同様にして電池20を製作し、電圧の評価を行った。
【0081】
(サンプル作製)
実施例として実際に作製した電池20は、下記の通りである。
【0082】
集電体2、7は、厚さ20μmのステンレス(SUS)箔を使用し、端部集電体7には正極活物質層3または負極活物質層4を形成し、集電体2には正極活物質層3および負極活物質層4を形成した。
【0083】
正極活物質層3は、LiMn2O4(85%)に、導電助剤としてアセチレンブラック(5%)、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)(10%)、粘度調整溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量混合して正極スラリーを作製し、これを正極活物質として、集電体であるステンレス箔(厚さ20μm)の片面に塗布し、乾燥させて膜厚40μmの正極活物質層3としている。
【0084】
負極活物質層4は、ハードカーボン(90%)に、バインダーとしてPVDF(10%)、粘度調整溶媒としてNMP(適量)を、混合して負極スラリーを作製し、この負極スラリーを正極活物質層3を塗布したステンレス箔の反対面に塗布し、乾燥させて膜厚40μmの負極活物質層4としている。
【0085】
上記手順で形成したバイポーラ電極の正極側の面の外周部に、シール部材9を熱融着させた。
【0086】
高分子ゲル電解質層5は、厚さ100μmのポリプロピレン(PP)不識布に、ポリマー(ポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドの共重合体)10重量%、混合比1:1のエチレンカーボネート(EC)+プロピレンカーボネート(PC)に1.0mol/lのLiBETIを溶解させたもの90重量%、および重合開始剤からなるプレゲル溶液を浸透させて、不活性雰囲気下で熱重合させたものである。
【0087】
上記正極活物質層3、集電体2、7、負極活物質層4からなるバイポーラ電極にシール部材9を熱融着させたもの、およびゲル電解質層5を、正極活物質層3と負極活物質層4がゲル電解質層5を挟むような構成で積層した。単電池層6の積層数は4層とし、積層したバイポーラ電池1を外装体10内に封入した。封入後、外装体10の外側から、バイポーラ電池1のシール部材9の端部にあたる部分に加熱プレスをかけ、シール部材9同士を熱融着させると同時に、シール部材9と外装体10も融着させた。
【0088】
また、この評価の比較例として、シール部材9が集電体2、7の外部に延長しておらず、集電体2、7の端部で加熱プレスによりシール部材9および集電体2、7、外装体10を熱融着させている、同様構造の電池を形成した。
【0089】
内部抵抗の評価は、実施例および比較例の電池20に対し、25℃、満充電の状態で交流インピーダンス測定を行うことにより評価した。
【0090】
(評価結果)
実施例の電池20では、内部抵抗が2.35Ωとなった。
【0091】
一方、比較例の電池では、内部抵抗が4.13Ωとなった。
【0092】
比較例の電池の方の内部抵抗が高いのは、集電体2、7端部の加熱プレスにより、集電体2、7間に歪みが生じ、バイポーラ電極とゲル電解質層との密着性が低下したからであると考えられる。
【0093】
この評価結果から、集電体端部に加熱プレスを行うのではなく、集電体2、7外部で加熱プレスを行いシールすれば、集電体2、7間の歪みによる電池性能の低下がないことがわかる。
【0094】
<液絡評価>
上述した実施の形態と同様にして電池20を製作し、単電池同士の液絡の評価を行った。
【0095】
(サンプル作製)
実施例として実際に作製した電池20は、下記の通りである。
【0096】
集電体2、7は、厚さ20μmのステンレス(SUS)箔を使用し、端部集電体7には正極活物質層3または負極活物質層4を形成し、集電体2には正極活物質層3および負極活物質層4を形成した。
【0097】
正極活物質層3は、LiMn2O4(85%)に、導電助剤としてアセチレンブラック(5%)、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)(10%)、粘度調整溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量混合して正極スラリーを作製し、これを正極活物質として、集電体であるステンレス箔(厚さ20μm)の片面に塗布し、乾燥させて膜厚40μmの正極活物質層3としている。
【0098】
負極活物質層4は、ハードカーボン(90%)に、バインダーとしてPVDF(10%)、粘度調整溶媒としてNMP(適量)を、混合して負極スラリーを作製し、この負極スラリーを正極活物質層3を塗布したステンレス箔の反対面に塗布し、乾燥させて膜厚40μmの負極活物質層4としている。
【0099】
上記手順で形成したバイポーラ電極の正極側の面の外周部に、シール部材9を熱融着させた。
【0100】
高分子ゲル電解質層5は、厚さ100μmのポリプロピレン(PP)不識布に、ポリマー(ポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドの共重合体)10重量%、混合比1:1のエチレンカーボネート(EC)+プロピレンカーボネート(PC)に1.0mol/lのLiBETIを溶解させたもの90重量%、および重合開始剤からなるプレゲル溶液を浸透させて、不活性雰囲気下で熱重合させたものである。
【0101】
上記正極活物質層3、集電体2、7、負極活物質層4からなるバイポーラ電極にシール部材9を熱融着させたもの、およびゲル電解質層5を、正極活物質層3と負極活物質層4がゲル電解質層5を挟むような構成で積層した。単電池層6の積層数は4層とし、積層したバイポーラ電池1を外装体10内に封入した。封入後、外装体10の外側から、バイポーラ電池1のシール部材9の端部にあたる部分に加熱プレスをかけ、シール部材9同士を熱融着させると同時に、シール部材9と外装体10も融着させた。
【0102】
また、この評価の比較例として、シール部材9を持たない、同様構造の電池を形成した。
【0103】
液絡の評価は、実施例および比較例の電池20の充放電サイクル試験を行うことにより評価した。充放電のサイクルは、0.5CAの電流で充電し、0.5CAの電流で放電を行い、これを1サイクルとした。
【0104】
(評価結果)
実施例の電池20では、充放電サイクルを50サイクル超えても電極間の液絡(短絡)は起こらず、出力電圧が維持されていた。
【0105】
一方、比較例の電池では、10サイクル目の充電を行っている途中に、電解液が単電池層外に染み出し、他の単電池層の電解質層5と接触して液絡が起こり、電池電圧が著しく低下した。
【0106】
この評価結果から、単電池層6ごとに、これを取り囲むシール部材9を設けることで、単電池同士の液絡を確実に防止できることがわかる。
【0107】
(第2の実施の形態)
本発明の第3は、上記第1の実施の形態のバイポーラ電池1または電池20を複数個、並列および/または直列に接続してなる組電池である。
【0108】
図9は、第2の実施の形態による組電池の斜視図であり、図10は、内部構成を上方から見た図面である。
【0109】
図9および図10に示すように組電池50は、上述した第1の実施の形態によるバイポーラ電池1をラミネートパックによりパッケージした電池20(図8参照)複数個直接に接続したものをさらに並列に接続したものである。電池20同士は、導電バー53により各電池の電極23および24が接続されている。この組電池50には電極ターミナル51および52が、この組電池50の電極として組電池50の一側面に設けられている。
【0110】
この組電池においては、電池20を直接に接続しさらに並列に接続する際の接続方法として、超音波溶接、熱溶接、レーザー溶接、リベット、かしめ、電子ビームなどを用いることができる。このような接続方法をとることで、長期的信頼性のある組電池を製造することができる。
【0111】
本第2の実施の形態による組電池によれば、前述した第1の実施の形態による電池を用いて組電池化することで、高容量、高出力と得ることができ、しかも一つひとつの電池の信頼性が高いため、組電池としての長期的信頼性を向上させることができる。
【0112】
なお、組電池としての電池20の接続は、電池20を複数個全て並列に接続してもよいし、また、電池20を複数個全て直列に接続してもよい。
【0113】
(第3の実施の形態)
本発明の第4は、上記第1実施形態のバイポーラ電池1、電池20、または第2実施形態の組電池50を駆動用電源として搭載してなる車両である。バイポーラ電池1または組電池50をモータ用電源として用いる車両としては、たとえば電気自動車、ハイブリッド自動車など、車輪をモータによって駆動している自動車である。
【0114】
参考までに、図11に、組電池50を搭載する自動車100の概略図を示す。自動車に搭載される組電池50は、上記説明した特性を有する。このため、組電池50を搭載してなる自動車は高い耐久性を有し、長期間に渡って使用した後であっても充分な出力を提供しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したバイポーラ電池の構造を説明するための断面図である。
【図2】バイポーラ電極、ゲル電解質層、およびシール部材を積層する様子を示す断面図である。
【図3】バイポーラ電極、ゲル電解質層、およびシール部材を積層する様子を示す斜視図である。
【図4】バイポーラ電極、ゲル電解質層、およびシール部材の大きさの一例を示す図
【図5】バイポーラ電極、ゲル電解質層、およびシール部材の積層後の様子を示す断面図である。
【図6】図5に示す積層体を外装体に封入した様子を示す断面図である。
【図7】バイポーラ電池を含む電池を示す断面図である。
【図8】外装体にアルミラミネートパックを用いてなる電池の外観を示す斜視図である。
【図9】組電池の斜視図である。
【図10】組電池の内部構成を上方から見た図面である。
【図11】組電池を搭載する自動車の概略図である。
【符号の説明】
1…バイポーラ電池、
2(7)…集電体(端部集電体)、
3…正極活物質層、
4…負極活物質層、
5…ゲル電解質層、
6…単電池層、
9…シール部材、
10…外装体、
20…電池、
50…組電池、
100…自動車。

Claims (9)

  1. 集電体の一方の面に正極活物質層が形成され他方の面に負極活物質層が形成されてなるバイポーラ電極が、ゲル電解質層を挟んで積層されてなるバイポーラ電池であって、
    隣接する前記正極活物質層、前記ゲル電解質層、および前記負極活物質層を含んで構成される単電池層の周囲を取り囲むように、前記集電体間に配置され、前記集電体外部まで延びて、該外部で互いに熱融着されるシール部材を有するバイポーラ電池。
  2. 前記集電体および前記シール部材が内包される外装体をさらに有し、
    前記外装体は、前記シール部材同士の熱融着と共に、前記シール部材の最外層に熱融着される請求項1に記載のバイポーラ電池。
  3. 前記シール部材は、前記集電体の一面または両面の端部に予め熱融着されており、その後、熱融着された集電体と共に積層される請求項1または請求項2に記載のバイポーラ電池。
  4. 前記正極活物質層には、リチウムと遷移金属との複合酸化物が含まれ、
    前記負極活物質層には、カーボンもしくはリチウムと遷移金属との複合酸化物が含まれる請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のバイポーラ電池。
  5. 前記ゲル電解質層に、高分子電解質を用いた請求項1〜請求項4に記載のバイポーラ電池。
  6. 集電体の一方の面に正極活物質層を形成し、他方の面に負極活物質層を形成して、バイポーラ電極を形成する工程と、
    前記集電体の一面または両面の端部に予めシール部材を熱融着する工程と、
    前記バイポーラ電極をゲル電解質層を挟んで積層する工程と、
    前記集電体の外部に延びるシール部材同士を、該外部で互いに熱融着する工程と、
    を有するバイポーラ電池の製造方法。
  7. 前記熱融着する工程では、併せて、前記集電体および前記シール部材を内包する外装体と、前記シール部材とを熱融着する請求項4に記載のバイポーラ電池の製造方法。
  8. 請求項1〜5のいずれか一つに記載のバイポーラ電池、または、請求項6または請求項7に記載の製造方法により製造されたバイポーラ電池を複数個、並列および/または直列に接続してなる組電池。
  9. 請求項1〜5のいずれか一つに記載のバイポーラ電池、請求項6または請求項7に記載の製造方法により製造されたバイポーラ電池、または、請求項6に記載の組電池を駆動用電源として搭載してなる車両。
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