JP2023087348A - 蓄電装置の製造方法及び蓄電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶着不良を抑制し、かつ、簡便な蓄電装置の製造方法及び蓄電装置を提供する。【解決手段】蓄電装置の製造方法は、第1面及び第2面を有する集電体と、第1面に設けられた第1活物質層と、第2面に設けられた第2活物質層と、を含むバイポーラ電極を準備する工程S1と、第1面の周縁部に第1シール樹脂を接合すると共に、第2面の周縁部に第2シール樹脂を接合する工程S2と、工程S2により得られたシール付きバイポーラ電極の第1活物質層が、他のシール付きバイポーラ電極の第2活物質層と対向するように、シール付きバイポーラ電極を他のシール付きバイポーラ電極上に積層する工程S4と、工程S4で積層したシール付きバイポーラ電極の第1シール樹脂の第1張出部と、他のシール付きバイポーラ電極の第2シール樹脂の第2張出部とを溶着し、積層方向で隣り合うバイポーラ電極間の空間を封止する工程S4及び工程S6と、を含む。【選択図】図3

Description

本開示は、蓄電装置の製造方法及び蓄電装置に関する。
バイポーラ電池の製造においては、バイポーラ電極間の内部空間を封止するために、バイポーラ電極の周縁部にシール樹脂を接合し、シール樹脂同士を溶着することが行われている(たとえば、特許文献1,2参照)。
特開2018-186020号公報 特開2021-82532号公報
特許文献1に記載の製造方法では、周縁部にシール部が設けられた電極を積層して積層体を作製した後に、積層体を加熱しつつ積層方向に圧縮することによって積層体に含まれるシール部同士を一括して溶着する手法が採用されている。この手法では、各シール部同士で溶着が不十分な箇所が発生する場合があり、各電極間の空間を確実に封止できないおそれがある。
特許文献2に記載の製造方法では、樹脂部付き正極の樹脂部と樹脂部付き負極の樹脂部とを溶着することにより、蓄電セルの内部空間を封止している。この製造方法では、上記封止された複数の蓄電セルを積層した後、隣り合う蓄電セル同士を固定するために隣り合う蓄電セルの樹脂部同士を溶着させる工程が更に必要となる。
本開示の目的は、溶着不良を抑制し、かつ、簡便な蓄電装置の製造方法及び蓄電装置を提供することである。
本開示の一態様に係る蓄電装置の製造方法は、互いに反対を向く第1面及び第2面を有する集電体と、第1面に設けられた第1活物質層と、第2面に設けられた第2活物質層と、を含むバイポーラ電極を準備する工程と、第1面の周縁部に、集電体の外側まで張り出す第1張出部を含むように第1シール樹脂を接合すると共に、第2面の周縁部に、集電体の外側まで張り出す第2張出部を含むように第2シール樹脂を接合する工程と、接合する工程により得られたシール付きバイポーラ電極の第1活物質層が、他のシール付きバイポーラ電極の第2活物質層と対向するように、シール付きバイポーラ電極を他のシール付きバイポーラ電極上に積層する工程と、積層する工程で積層したシール付きバイポーラ電極の第1シール樹脂の第1張出部と、他のシール付きバイポーラ電極の第2シール樹脂の第2張出部とを溶着し、積層方向で隣り合うバイポーラ電極間の空間を封止する工程と、を含む。
上記蓄電装置の製造方法では、積層したシール付きバイポーラ電極の第1張出部と、先に積層されていた他のシール付きバイポーラ電極の第2張出部とを溶着する。シール付きバイポーラ電極を積層するたびに、第1張出部と第2張出部とを溶着するので、全ての電極を積層した後に全てのシール樹脂を一括で加熱して溶着する方法に比べて、確実にシール樹脂同士を溶着でき、隣り合う電極間の空間を確実に封止できる。また、各バイポーラ電極は、第1面に設けられた第1シール樹脂及び第2面に設けられた第2シール樹脂のそれぞれが、積層方向で隣り合う他の電極のシール樹脂と溶着されて溶着部を形成することにより、積層方向で隣り合う他の電極と固定される。よって、全ての電極を積層した後、電極同士を固定するためにシール樹脂同士を互いに溶着させる必要がなく、簡便に蓄電装置を製造することができる。
接合する工程では、第1張出部と第2張出部とを互いに溶着し、集電体の端面を覆う被覆部を形成してもよい。この場合、集電体の端面に異物が付着することが抑制される。これにより、集電体の端面を通じた電気的短絡の発生が抑制される。
封止する工程は、積層方向から見て、シール付きバイポーラ電極の第1張出部が露出するように、シール付きバイポーラ電極の第2張出部を捲ると共に、積層方向から見て、他のシール付きバイポーラ電極の第2張出部が露出するように、他のシール付きバイポーラ電極の第1張出部を捲った状態で行われてもよい。この場合、溶着対象の張出部以外の張出部が溶着されることが抑制される。
上記蓄電装置の製造方法は、積層方向で隣り合う電極間の空間に電解液を注液する工程を更に含み、封止する工程は、注液する工程前に行われる第1溶着工程と、注液する工程後に行われる第2溶着工程と、を含み、第1溶着工程では、第1張出部及び第2張出部のうち、注液する工程において電解液の注液口を構成する部分以外を溶着し、第2溶着工程では、注液口を構成する部分を溶着してもよい。この場合、より簡便に電極間の空間に電解液を注液することができると共に、電極間の空間に電解液を封止することができる。
第1シール樹脂及び第2シール樹脂は矩形枠状であって、接合する工程は、第1シール樹脂及び第2シール樹脂の少なくとも一辺からなる接合対象ごとに周縁部への接合を行うと共に、接合対象の辺と異なる辺において、第1張出部と第2張出部との間に剥離シートを配置して行われてもよい。この場合、接合対象の辺と異なる辺において、第1張出部と第2張出部とが溶着されることを抑制できる。
本開示の一態様に係る蓄電装置は、積層された複数の電極と、積層方向で隣り合う電極間の空間を封止する封止部と、を備え、複数の電極は、積層方向で隣り合う第1バイポーラ電極及び第2バイポーラ電極を含み、第1バイポーラ電極及び第2バイポーラ電極のそれぞれは、互いに反対を向く第1面及び第2面を有する集電体と、第1面に設けられた第1活物質層と、第2面に設けられた第2活物質層と、を含み、第1バイポーラ電極及び第2バイポーラ電極は、第1バイポーラ電極の第1活物質層と第2バイポーラ電極の第2活物質層とが互いに対向するように積層されており、封止部は、第1面の周縁部に接合された第1接合部と、集電体の外側に張り出した第1張出部と、を含む第1シール樹脂と、第2面の周縁部に接合された第2接合部と、集電体の外側に張り出した第2張出部と、を含む第2シール樹脂と、第1バイポーラ電極に設けられた第1シール樹脂の第1張出部と、第2バイポーラ電極に設けられた第2シール樹脂の第2張出部とが互いに溶着されてなる溶着部と、第1張出部と第2張出部とが溶着されてなり、集電体の端部を覆う被覆部と、を有し、積層方向で隣り合う溶着部同士は、互いに溶着されていない。
上記蓄電装置では、第1バイポーラ電極の第1面に設けられた第1シール樹脂の第1張出部は、第1バイポーラ電極と積層方向で隣り合う第2バイポーラ電極の第2面に設けられた第2シール樹脂の第2張出部と溶着され、溶着部を構成している。積層方向で隣り合う溶着部同士は、互いに溶着されていないので、全てのシール樹脂の端面を一括で加熱してなる溶着部と比べて、溶着不良を抑制することができる。また、各バイポーラ電極は、第1面に設けられた第1シール樹脂及び第2面に設けられたシール樹脂がそれぞれ溶着部を形成することにより、積層方向で隣り合う電極と固定されている。このように、溶着部同士を溶着しなくても、電極同士が固定されているので、簡便に製造することができる。
本開示によれば、溶着不良を抑制し、かつ、簡便な蓄電装置の製造方法及び蓄電装置を提供することができる。
図1は、一実施形態に係る蓄電装置の内部構成を示す概略断面図である。 図2は、正極終端電極と正極終端電極に接合されたシール樹脂とセパレータとを取り外した状態で電極積層体を示す平面図である。 図3は、一実施形態に係る蓄電装置の製造方法を示すフローチャートである。 図4は、シール樹脂を接合する工程を説明するための平面図である。 図5は、図4のV-V線に沿っての断面図である。 図6は、図4のVI-VI線に沿っての断面図である。 図7は、セパレータを取り付ける工程を説明するための断面図である。 図8は、シール付き電極を積層する工程及びシール樹脂を溶着する工程を説明するため断面図である。 図9は、シール付き電極を積層する工程及びシール樹脂を溶着する工程を説明するため断面図である。 図10は、シール付き電極を積層する工程及びシール樹脂を溶着する工程を説明するため断面図である。 図11は、電解液を注液する工程を説明するため断面図である。 図12は、変形例に係る蓄電装置の内部構成を示す概略断面図である。 図13は、変形例に係るシール樹脂を接合する工程を説明するための断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。
(蓄電措置)
図1及び図2を参照して、本実施形態に係る蓄電装置1について説明する。図1に示される蓄電装置1は、例えば、フォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリに用いられる。蓄電装置1は、例えば、リチウムイオン二次電池又はニッケル水素二次電池等の二次電池である。蓄電装置1は、例えば電気二重層キャパシタであってもよい。本実施形態では、蓄電装置1がリチウムイオン二次電池である場合を例示する。
蓄電装置1は、電極積層体2と、封止部3と、一対の導電板4と、一対の端子5と、一対のエンドプレート6と、複数の締結部材7と、を備えている。電極積層体2は、積層された複数の電極10と、複数のセパレータ14と、を有している。複数の電極10は、複数のバイポーラ電極11と、正極終端電極12と、負極終端電極13と、を有している。
バイポーラ電極11は、集電体15Aと、正極活物質層16と、負極活物質層17と、を有している。集電体15Aは、例えばシート状を呈している。集電体15Aは、複数の電極10の積層方向Dにおいて互いに反対を向く第1面15a及び第2面15bを有している。集電体15は、図2に示されるように、集電体15の主構成部分である主部15eと、電圧監視線として機能するタブ15fと、を有している。主部15eは、例えば、積層方向Dから見て、矩形状を呈している。タブ15fは、主部15eから積層方向Dに直交する方向に突出している。タブ15fは、例えば、積層方向Dから見て、矩形状を呈している。
正極活物質層16は、集電体15Aの主部15eの第1面15aに設けられている。正極活物質層16は、積層方向Dから見て、例えば矩形状を呈している。負極活物質層17は、集電体15Aの主部15eの第2面15bに設けられている。負極活物質層17は、積層方向Dから見て、例えば矩形状を呈している。負極活物質層17は、積層方向Dから見て、正極活物質層16よりも一回り大きい。つまり、積層方向Dから見た平面視において、正極活物質層16の形成領域の全体が負極活物質層17の形成領域内に位置している。複数の電極10は、隣り合う電極10間で、正極活物質層16と負極活物質層17とが互いに対向するように積層されている。
正極終端電極12は、集電体15Bと、正極活物質層16と、を有している。集電体15Bは、タブ15fを有さない以外は、集電体15Aと同じ構成を有している。正極終端電極12は、負極活物質層17を有していない。つまり、正極終端電極12の集電体15Bの第2面15bには、活物質層が設けられていない。正極終端電極12の集電体15の第2面15bは、露出している。正極終端電極12は、複数のバイポーラ電極11に対して、積層方向Dにおける一方側に配置されている。正極終端電極12の正極活物質層16は、積層方向Dにおける一端に位置するバイポーラ電極11の負極活物質層17に対向している。
負極終端電極13は、集電体15Cと、負極活物質層17と、を有している。集電体15Cは、タブ15fを有さない以外は、集電体15Aと同じ構成を有している。集電体15Cは、集電体15Bと同じ構成を有している。負極終端電極13は、正極活物質層16を有していない。つまり、負極終端電極13の集電体15Bの第1面15aには、活物質層が設けられていない。負極終端電極13の集電体15Bの第1面15aは、露出している。負極終端電極13は、複数のバイポーラ電極11に対して、積層方向Dにおける他方側に配置されている。負極終端電極13の負極活物質層17は、積層方向Dにおける他端に位置するバイポーラ電極11の正極活物質層16に対向している。
セパレータ14は、隣り合う電極10間に配置されている。すわなち、セパレータ14は、隣り合うバイポーラ電極11の間、隣り合う正極終端電極12とバイポーラ電極11の間、及び、隣り合う負極終端電極13とバイポーラ電極11との間に配置されている。セパレータ14は、正極活物質層16と負極活物質層17との間に介在している。セパレータ14は、正極活物質層16と負極活物質層17とを隔離することで、隣り合う電極10の接触による短絡を防止しつつ、リチウムイオン等の電荷担体を通過させる。このように、電極積層体2は、セパレータ14を介して複数の電極10を積層することで構成される。
セパレータ14の位置を固定するために、セパレータ14の周縁部は、例えば、後述のシール樹脂21,22に点溶着されている。本実施形態では、セパレータ14は、バイポーラ電極11及び負極終端電極13それぞれに設けられたシール樹脂22に取り付けられる。セパレータ14は、バイポーラ電極11及び正極終端電極12それぞれに設けられたシール樹脂21に取り付けられてもよい。
集電体15A、集電体15B、及び集電体15C(以下、単に「集電体15」ともいう)は、リチウムイオン二次電池の放電又は充電の間、正極活物質層16及び負極活物質層17に電流を流し続けるための化学的に不活性な電気伝導体である。集電体15の材料は、例えば、金属材料、導電性樹脂材料又は導電性無機材料等である。導電性樹脂材料としては、例えば、導電性高分子材料又は非導電性高分子材料に必要に応じて導電性フィラーが添加された樹脂等が挙げられる。集電体15は、複数の層を備えていてもよい。この場合、集電体15の各層は、上記の金属材料又は導電性樹脂材料を含んでいてもよい。
集電体15の表面には、被覆層が形成されていてもよい。当該被覆層は、例えばメッキ処理又はスプレーコート等の公知の方法によって形成されていてもよい。集電体15は、例えば、板状、箔状(例えば金属箔)、フィルム状又はメッシュ状等を呈していてもよい。金属箔としては、例えば、アルミニウム箔、銅箔、ニッケル箔、チタン箔又はステンレス鋼箔等が挙げられる。ステンレス鋼箔としては、例えば、JIS G 4305:2015にて規定されるSUS304、SUS316又はSUS301等が挙げられる。集電体15としてステンレス鋼箔を用いることによって、集電体15の機械的強度を確保することができる。集電体15は、上記の金属の合金箔又は複数の上記金属箔を一体化させた箔であってもよい。集電体15が箔状を呈している場合、集電体15の厚さは、例えば、1μm以上100μm以下であってもよい。
正極活物質層16は、リチウムイオン等の電荷担体を吸蔵及び放出し得る正極活物質を含んでいる。正極活物質としては、例えば、層状岩塩構造を有するリチウム複合金属酸化物、スピネル構造を有する金属酸化物、ポリアニオン系化合物等が挙げられる。正極活物質は、リチウムイオン二次電池に使用可能なものであればよい。正極活物質層16は、複数の正極活物質を含んでいてもよい。本実施形態では、正極活物質層16は、複合酸化物としてのオリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO)を含んでいる。
負極活物質層17は、リチウムイオン等の電荷担体を吸蔵及び放出し得る負極活物質を含んでいる。負極活物質は、単体、合金又は化合物のいずれであってもよい。負極活物質としては、例えば、Li、炭素、金属化合物等が挙げられる。負極活物質は、リチウムと合金化可能な元素もしくはその化合物等であってもよい。炭素としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、ハードカーボン(難黒鉛化性炭素)又はソフトカーボン(易黒鉛化性炭素)等が挙げられる。人造黒鉛としては、例えば、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ等が挙げられる。リチウムと合金化可能な元素としては、シリコン(ケイ素)又はスズ等が挙げられる。本実施形態では、負極活物質層17は、炭素系材料としての黒鉛を含んでいる。
正極活物質層16及び負極活物質層17のそれぞれ(以下、単に「活物質層」ともいう)は、必要に応じて電気伝導性を高めるための導電助剤、結着剤、電解質(ポリマーマトリクス、イオン伝導性ポリマー、電解液等)、イオン伝導性を高めるための電解質支持塩(リチウム塩)等をさらに含み得る。導電助剤は、各電極の導電性を高めるために添加される。導電助剤は、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック又はグラファイト等である。
活物質層に含まれる成分又は当該成分の配合比及び活物質層の厚さは特に限定されず、リチウムイオン二次電池についての従来公知の知見が適宜参照され得る。活物質層の厚さは、例えば2~150μmである。活物質層は、ロールコート法等の公知の方法によって集電体15の表面に形成されていてもよい。集電体15の表面(片面又は両面)又は活物質層の表面には、各電極の熱安定性を向上させるために、耐熱層が設けられていてもよい。耐熱層は、例えば、無機粒子と結着剤とを含み、その他に増粘剤等の添加剤を含んでいてもよい。
結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、アクリル酸又はメタクリル酸等のアクリル系樹脂、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム等のアルギン酸塩、水溶性セルロースエステル架橋体、デンプン-アクリル酸グラフト重合体等が挙げられる。これらの結着剤は、単独で又は複数で用いられ得る。溶媒には、例えば、水、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)等が用いられる。
セパレータ14は、例えば、電解質を吸収保持するポリマーを含む多孔性シート又は不織布であってもよい。セパレータ14の材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオレフィン、ポリエステル等が挙げられる。セパレータ14は、単層構造又は多層構造を有していてもよい。多層構造は、例えば、接着層又は耐熱層としてのセラミック層等を有していてもよい。セパレータ14には、電解質が含浸されていてもよい。セパレータ14は、高分子電解質又は無機型電解質等の電解質によって構成されていてもよい。セパレータ14に含浸される電解質としては、例えば、非水溶媒と非水溶媒に溶解された電解質塩とを含む液体電解質(電解液)、又はポリマーマトリクス中に保持された電解質を含む高分子ゲル電解質等が挙げられる。
セパレータ14に電解液が含浸される場合、その電解質塩としては、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(FSO、LiN(CFSO等の公知のリチウム塩が用いられていてもよい。また、非水溶媒としては、環状カーボネート類、環状エステル類、鎖状カーボネート類、鎖状エステル類、エーテル類等の公知の溶媒が用いられていてもよい。なお、二種以上のこれらの公知の溶媒材料が組合せて用いられていてもよい。
封止部3は、積層方向Dで隣り合う電極10間の空間Sを封止している樹脂製部材である。空間Sには、電解質が封止されている。封止部3は、電解質を空間Sに封止している。封止部3は、耐電解質性を有する樹脂材料により構成される。封止部3は、隣り合う集電体15間の短絡を防止するために、電気絶縁性を有する樹脂材料により構成される。封止部3を構成する材料として、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ABS樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂等の種々の樹脂材料が挙げられる。封止部3は、酸変性ポリエチレン又は酸変性ポリプロピレンのような酸変性基を有する樹脂材料で形成されていてもよい。
封止部3は、集電体15の第1面15aの周縁部15cに設けられた複数のシール樹脂21と、集電体15の第2面15bの周縁部15cに設けられた複数のシール樹脂22と、シール樹脂21及びシール樹脂22が溶着されてなる溶着部23と、を有している。本実施形態では、シール樹脂21は、集電体15A,15Bの第1面15aの周縁部15cに設けられている。シール樹脂22は、集電体15A,15Cの第2面15bの周縁部15cに設けられている。集電体15Bの第2面15b及び集電体15Cの第1面15aには、シール樹脂21,22がいずれも設けられていない。
シール樹脂21,22は、例えば、互いに同じ材料で形成されていてもよい。シール樹脂21,22は、例えば、互いに同じ厚さを有している。シール樹脂21,22の厚さは、例えば、100μm以上200μm以下である。
シール樹脂21,22は、積層方向Dから見て、活物質層を取り囲むように設けられている。シール樹脂21,22は、積層方向Dから見て、例えば矩形枠形状を呈している。各シール樹脂21,22は、矩形枠状に切り取られた一枚のシートで形成されていてもよいし、複数の帯状のシートを繋ぎ合わせて矩形枠状に形成されていてもよい。シール樹脂21は、第1面15aの周縁部15cに接合された接合部21aと、集電体15の外側に張り出した張出部21bと、を含む。張出部21bは、集電体15から積層方向Dと交差する方向へ張り出している。換言すると、シール樹脂21のうち、接合部21aは集電体15と重なる部分であり、張出部21bは集電体15と重ならない部分である。シール樹脂22は、第2面15bの周縁部15cに接合された接合部22aと、集電体15の外側に張り出した張出部22bと、を含む。張出部22bは、集電体15から積層方向Dと交差する方向へ張り出している。換言すると、シール樹脂22のうち、接合部22aは集電体15と重なる部分であり、張出部22bは集電体15と重ならない部分である。
溶着部23は、隣り合うバイポーラ電極11のうち、一方のバイポーラ電極11に設けられたシール樹脂21の張出部21bと、他方のバイポーラ電極11に設けられたシール樹脂22の張出部22bとが溶着されてなる。ここで、一方のバイポーラ電極11及び他方のバイポーラ電極11は、一方のバイポーラ電極11の正極活物質層16と他方のバイポーラ電極11の負極活物質層17とが互いに対向するように配置されている。溶着部23には、上述の一方のバイポーラ電極11の張出部21b及び他方のバイポーラ電極11の張出部22b以外の張出部が溶着されていない。各溶着部23は、1つの張出部21b及び1つの張出部22bが溶着されてなり、積層方向Dで隣り合う溶着部23同士は、互いに溶着されていない。
溶着部23は、積層方向Dから見て、集電体15Aのタブ15fの部分を除く集電体15を取り囲むように枠状に形成されている。集電体15Aのタブ15fは、積層方向Dで隣り合う溶着部23の間から集電体15Aの外側に向かって延出している。
蓄電装置1は、一対の電極10を含む蓄電セルCが積層方向Dにおいて積層されたセルスタックであると言える。各蓄電セルCにおいて、バイポーラ電極11は、二つの蓄電セルCに共有されている。これにより、蓄電装置1では、複数の蓄電セルCが電気的に直列に接続される。本実施形態では、三つの蓄電セルCが電気的に直列に接続されている。各蓄電セルCの空間Sには、空間Sから外部へのガスの流れのみを許容する逆止弁8が設けられている。逆止弁8は、一方のバイポーラ電極11の張出部21b及び他方のバイポーラ電極11の張出部22bの間に配置され、溶着部23により固定されている。逆止弁8は、例えば、図2に示されるように、矩形状を呈する集電体15Aのタブ15fが設けられた辺部とは異なる辺部に設けられている。
一対の導電板4は、電極積層体2の積層方向Dの両端に積層されている。一方の導電板4は、正極終端電極12の集電体15Bの第2面15bと接して配置されている。他方の導電板4は、負極終端電極13の集電体15Cの第1面15aと接して配置されている。一対の端子5は、一対の導電板4に接続されている。一方の端子5は、一方の導電板4と接続され、正極端子として機能する。他方の端子5は、他方の導電板4と接続され、負極端子として機能する。
一対のエンドプレート6及び締結部材7は、電極積層体2に対して積層方向Dに拘束荷重を付加する拘束部材を構成している。一対のエンドプレート6は、電極積層体2を一対の導電板4ごと積層方向Dに挟むように設けられている。エンドプレート6は、例えば金属板によって形成されている。エンドプレート6の形成材料としては、例えば銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、ステンレス鋼等の合金などが挙げられる。エンドプレート6は、積層方向Dから見て、電極積層体2よりも一回り大きい矩形状をなしている。導電板4とエンドプレート6との間には、導電板4とエンドプレート6とを電気的に絶縁する絶縁シート(不図示)が配置されている。
締結部材7は、例えばボルト及びナットによって構成されている。ボルトは、一対のエンドプレート6に設けられた挿通孔に通され、ナットの螺合によって一対のエンドプレート6を締結している。これにより、電極積層体2には、一対のエンドプレート6を介して積層方向Dに拘束荷重が付加されている。
(蓄電装置の製造方法)
図3~図11を参照して、本実施形態に係る蓄電装置1の製造方法について説明する。図3に示されるように、蓄電装置1の製造方法は、工程S1~工程S7を含む。工程S1は、複数のバイポーラ電極11と、正極終端電極12と、負極終端電極13と、を含む複数の電極10を準備する工程である。
工程S2は、工程S1で準備した複数の電極10のそれぞれにシール樹脂21,22を接合する工程である。これにより、シール付き電極30が形成される。図4~図6では、バイポーラ電極11にシール樹脂21,22が接合される様子が示されている。図4~図6に示されるように、バイポーラ電極11の集電体15Aの第1面15aの周縁部15cに、集電体15Aの外側まで張り出すようにシール樹脂21が接合される。これにより、シール樹脂21の内縁部がバイポーラ電極11に接合され、接合部21aが形成されると共に、張出部21bが形成される。また、この工程では、集電体15Aの第2面15bの周縁部15cに、集電体15Aの外側まで張り出すようにシール樹脂22が接合される。これにより、シール樹脂22の内縁部がバイポーラ電極11に接合され、接合部22aが形成されると共に、張出部22bが形成される。この結果、シール付きバイポーラ電極31が形成される。
工程S2では、例えば、インパルスシーラーの一対の加熱部34により、集電体15Aの周縁部15cを、第1面15a側に配置されたシール樹脂21、及び、第2面15b側に配置されたシール樹脂22と共に挟み込み、シール樹脂21,22をバイポーラ電極11に熱接合させる。工程S2は、インパルスシーラーや超音波シーラー等の接触式の装置を用いて行われてもよいし、レーザシーラー等の非接触式の装置を用いて行われてもよい。工程S2は、矩形枠状であるシール樹脂21,22の少なくとも一辺からなる接合対象ごとに周縁部15cへの接合を行う。図4~図6の例は、矩形枠状のシール樹脂21,22の互いに対向する二辺を接合対象とし、集電体15Aに同時に接合しているが、シール樹脂21,22の一辺ずつを接合対象とし、集電体15Aに順次接合してもよい。また、図4~図6の例では、シール樹脂21,22を集電体15Aに同時に接合しているが、シール樹脂21,22を集電体15Aに順次接合してもよい。
工程S2は、シール樹脂21の集電体15の外側に張り出した張出部21bと、シール樹脂22の集電体15の外側に張り出した張出部22bとが互いに溶着しないように、加熱部34が集電体15の溶着が行われる辺において外側にはみ出ないように配置される。また、シール樹脂21,22の接合対象となる辺と異なる辺において、加熱部34により挟み込まれる張出部21bと張出部22bとの間には、剥離シート35が配置される。剥離シート35が配置されるのは、具体的には、接合対象の辺と隣り合う辺である。本実施形態では、接合対象の辺と隣り合う辺の全長にわたって、剥離シート35が配置されるが、少なくとも、接合対象の辺と隣り合う辺において、加熱部34により挟み込まれる部分に剥離シート35が配置されればよい。
剥離シート35は、耐熱性及び非粘着性を有し、例えば、フッ素樹脂からなる。剥離シート35は、例えば、短冊状(長方形状)を呈している。本実施形態では、シール樹脂21,22の互いに対向する二辺を接合対象とし、当該二辺と交差する、互いに対向する別の二辺に沿って、一対の剥離シート35がそれぞれ張出部21bと張出部22bとの間に配置される。剥離シート35の形状は、加熱部34による張出部21b,22b同士の溶着を抑制可能な形状であれば、短冊状に限られない。
図示を省略するが、工程S2では、正極終端電極12の集電体15Bの第1面15aの周縁部15cにシール樹脂21が接合されることにより、シール付き正極終端電極32(図10参照)が形成される。シール付き正極終端電極32は、シール樹脂22を接合しない以外の点で、シール付きバイポーラ電極31と同様に形成される。また、負極終端電極13の集電体15Cの第2面15bの周縁部15cにシール樹脂22が接合されることにより、シール付き負極終端電極(図10参照)が形成される。シール付き負極終端電極33は、シール樹脂21を接合しない以外の点で、シール付きバイポーラ電極31と同様に形成される。
工程S3は、工程S2で得られたシール付き電極30にセパレータ14を取り付ける工程である。図7には、セパレータ14がシール付きバイポーラ電極31のシール樹脂22に取り付けられた状態が示されている。セパレータ14は、積層方向Dから見て、シール樹脂22と重なるように設けられ、例えば、はんだごて等によりシール樹脂22の接合部22aに点溶着される。本実施形態では、シール付きバイポーラ電極31及びシール付き負極終端電極33それぞれのシール樹脂22にセパレータ14が取り付けられる。シール付きバイポーラ電極31及びシール付き正極終端電極32それぞれのシール樹脂21にセパレータ14が取り付けられてもよい。
工程S4は、シール付き電極30を積層し、シール樹脂21,22を溶着する工程である。工程S3でセパレータ14が取り付けられたシール付き電極30は、セパレータ14ごと積層される。シール付き電極30は、先に積層されているシール付き電極30との間で正極活物質層16及び負極活物質層17が互いに対向するように積層される。
図8には、シール付き負極終端電極33上にシール付きバイポーラ電極31が積層された状態が示されている。ここでは、シール付きバイポーラ電極31の正極活物質層16が、先に積層されたシール付き負極終端電極33の負極活物質層17と対向するように、シール付きバイポーラ電極31がシール付き負極終端電極33上に積層されている。
積層したシール付き電極30の張出部21bと、先に積層されたシール付き電極30の張出部22bとのうち、工程S5において電解液を注液するための注液口P(図11参照)を構成する部分以外が溶着される(第1溶着工程)。図8の例では、矩形枠状のシール樹脂21,22の一辺が注液口Pを構成するので、残りの三辺を工程S4で溶着する。注液口Pは、シール樹脂21,22の一辺よりも短い部分で構成されてもよい。この場合、注液口Pが構成される一辺においては、注液口Pを構成する一部を除いて張出部21bと張出部22bとが溶着される。
図8には、シール付きバイポーラ電極31の張出部21bと、先に積層されたシール付き負極終端電極33の張出部22bとを溶着する様子が示されている。工程S4では、例えば、インパルスシーラーの一対の加熱部36により、溶着対象である張出部21b及び張出部22bを挟み込んで溶着する。これにより、注液口P以外の部分に溶着部23が形成される。工程S4は、インパルスシーラーや超音波シーラー等の接触式の装置を用いて行われてもよいし、レーザシーラー等の非接触式の装置を用いて行われてもよい。図8の例では、矩形枠状のシール樹脂21,22を一辺ずつ溶着しているが、複数辺を同時に溶着してもよい。
図8に示されるように、工程S4は、積層方向Dから見て、溶着対象となるシール付きバイポーラ電極31の張出部21bが露出するように、張出部22bを捲った状態で行われる。張出部22bは、例えば、図示しない吸着パッドによって保持されて、溶着対象となる張出部21bから引き離されることで捲られる。
全てのシール付き電極30が積層されるまで、工程S4が繰り返し行われる。図9には、シール付きバイポーラ電極31上にシール付きバイポーラ電極31が更に積層された状態が示されている。ここでは、シール付きバイポーラ電極31の正極活物質層16が、先に積層されたシール付きバイポーラ電極31の負極活物質層17と対向するように、シール付きバイポーラ電極31がシール付きバイポーラ電極31上に積層されている。
図9には、シール付きバイポーラ電極31の張出部21bと、先に積層されたシール付きバイポーラ電極31の張出部22bとを溶着する様子が示されている。インパルスシーラーの一対の加熱部36により、溶着対象である張出部21b及び張出部22bを挟み込んで溶着する。これにより、溶着部23が形成される。工程S4は、積層方向Dから見て、溶着対象である張出部21bが露出するように、後から積層されたシール付きバイポーラ電極31の張出部22bを捲ると共に、積層方向Dから見て、溶着対象である張出部22bが露出するように、先に積層されたシール付きバイポーラ電極31の張出部21bを捲った状態で行われる。先に積層されたシール付きバイポーラ電極31の張出部21bは、溶着部23を形成しているので、溶着部23ごと捲られる。
図10には、シール付きバイポーラ電極31上にシール付き正極終端電極32が更に積層され、シール付き正極終端電極32の張出部21bと、先に積層されたシール付きバイポーラ電極31の張出部22bとが溶着された状態が示されている。このように全てのシール付き電極30が積層されることにより、工程S4の繰り返しが終了する。
工程S5は、積層方向Dで隣り合う集電体15間の空間Sに電解液を注液する工程である。図11に示されるように、工程S5は、シール樹脂21,22の一辺からなる注液口Pが重力方向の上方に位置するように電極積層体2を固定した状態で、ノズル37を注液口Pに挿入して行われる。複数のノズル37を用いて、一括で複数の空間Sに電解液を注液してもよい。電極積層体2は、例えば、電極積層体2を積層方向Dに挟み込む一対のエンドプレート38と、一対のエンドプレート38を締結する締結部材39と、により固定される。工程S5は、電解液の含侵を促進し、空気の残留による蓄電装置1の容量低下を抑制するため、例えば、真空引きされたデシケータ40内に電極積層体2を収容した状態で行われる。真空引きは、注液前に開始されてもよいし、注液後に開始されてもよい。
工程S6は、工程S5後に行われ、シール樹脂21,22の注液口Pを構成する部分を溶着する工程(第2溶着工程)である。本実施形態では、矩形枠状のシール樹脂21,22の一辺が注液口Pを構成するので、当該一辺の張出部21b及び張出部22bを溶着する。図示を省略するが、工程S6では、例えば、インパルスシーラーの一対の加熱部により、溶着対象である張出部21b及び張出部22bを挟み込んで溶着し、溶着部23を形成する。このとき、溶着対象である張出部21bと張出部22bとの間に逆止弁8(図1参照)を挟み込んで溶着を行い、蓄電セルCに逆止弁8を取り付ける。
工程S4及び工程S6により、集電体15の全周にわたって溶着部23が形成され、積層方向Dで隣り合う電極10間の空間Sが封止される。工程S4及び工程S6は、空間Sを封止する工程を構成していると言える。
工程S7は、電極積層体2を拘束する工程である。工程S7では、電極積層体2に一対の導電板4を介して一対のエンドプレート6を取り付け、締結部材7により締結する。これにより、電極積層体2に積層方向Dの拘束荷重が付加される。
(作用及び効果)
蓄電装置1では、バイポーラ電極11の第1面15aに設けられたシール樹脂21の張出部21bは、バイポーラ電極11と積層方向Dで隣り合うバイポーラ電極11の第2面15bに設けられたシール樹脂22の張出部22bと溶着され、溶着部23を構成している。積層方向Dで隣り合う溶着部23同士は、互いに溶着されていない。張出部21b,22bを積層方向Dから加熱して溶着部23を形成することができるので、全てのシール樹脂21,22の端面を一括で加熱して形成される溶着部と比べて、溶着部23の幅を広げることができる。よって、溶着不良を抑制することができる。また、各バイポーラ電極11は、第1面15aに設けられたシール樹脂21及び第2面15bに設けられたシール樹脂22のそれぞれが、積層方向Dで隣り合う電極10のシール樹脂21,22と溶着されて溶着部23を形成することにより、積層方向Dで隣り合う電極10と固定されている。このように、溶着部23同士を溶着しなくても、電極10同士が固定されているので、簡便に製造することができる。
蓄電装置1の製造方法では、工程S4において、積層したシール付きバイポーラ電極31の張出部21bと、先に積層されていた他のシール付きバイポーラ電極31の張出部22bとを溶着し、溶着部23を形成する。シール付きバイポーラ電極31を積層するたびに、溶着部23を形成するので、張出部21b,22bを積層方向Dから加熱して溶着することができる。よって、全てのシール付き電極30を積層した後に全てのシール樹脂21,22を一括で加熱して溶着する方法に比べて、確実にシール樹脂21,22同士を溶着でき、隣り合う電極10間の空間Sを確実に封止できる。また、各バイポーラ電極11は、第1面15aに設けられたシール樹脂21及び第2面15bに設けられたシール樹脂22のそれぞれが、積層方向Dで隣り合う他の電極10のシール樹脂21,22と溶着されて溶着部23を形成することにより、積層方向Dで隣り合う他の電極10と固定される。よって、全ての電極を積層した後に電極同士を固定するためにシール樹脂同士を互いに溶着させる工程を行う必要がなく、簡便に蓄電装置1を製造することができる。
工程S4は、積層方向Dから見て、積層されたシール付きバイポーラ電極31の張出部21bが露出するように、当該シール付きバイポーラ電極31の張出部を捲ると共に、積層方向Dから見て、先に積層されていた他のシール付きバイポーラ電極31の張出部22bが露出するように、当該他のシール付きバイポーラ電極31の張出部21bを捲った状態で行われる。これにより、溶着対象の張出部21b,22b以外の張出部が溶着されることが抑制される。
積層方向Dで隣り合う電極10間の空間Sを封止する工程は、空間Sに電解液を注液する工程S5の前に行われる工程S4と、工程S5の後に行われる工程S6と、を含む。工程S4では、張出部21b及び張出部22bのうち、工程S5において電解液の注液口Pを構成する部分以外を溶着する。工程S6では、注液口Pを構成する部分を溶着する。これにより、より簡便に空間Sに電解液を注液することができると共に、空間Sに電解液を封止することができる。複数の電極10を積層し、電極積層体2を形成した後にまとめて注液を行うことができるので、生産性が向上する。
工程S2は、張出部21bと張出部22bとの間に剥離シート35を配置して行われる。これにより、張出部21b,22b同士を溶着することなく、シール樹脂21及びシール樹脂22をそれぞれ集電体15に接合することができる。剥離シート35によれば、例えば、加熱部34が張出部21b,22bにかかる幅を有する場合や、加熱部34の長手方向の長さが集電体15の一辺の長さよりも長い場合でも、張出部21b,22b同士を溶着することが抑制される。工程S2は、矩形枠状のシール樹脂21,22を辺ごとに接合対象とし、接合対象の辺と異なる辺において、張出部21bと張出部22bとの間に剥離シート35を配置して行われる。これにより、接合対象の辺と異なる辺において、張出部21bと張出部22bとが溶着されることを抑制できる。
本開示は上記実施形態に限定されない。
図12は、変形例に係る蓄電装置1Aの内部構成を示す概略断面図である。図12に示されるように、蓄電装置1Aでは、封止部3は、集電体15の端面15dを覆う被覆部24を更に有する。被覆部24は、同じバイポーラ電極11に設けられたシール樹脂21,22が互いに溶着されてなる溶着部である。具体的には、シール樹脂21の張出部21bの内縁部21cと、シール樹脂22の張出部22bの内縁部22cとが互いに溶着されてなる。被覆部24は、積層方向Dから見て、溶着部23から離間して、溶着部23の内側に配置されている。
変形例に係る工程S2では、図13に示されるように、張出部21bの内縁部21cと張出部22bの内縁部22cとを互いに溶着し、集電体15の端面15dを覆う被覆部24を形成する。例えば、一対の加熱部34が集電体15の溶着が行われる辺において外側にはみ出るように配置され、張出部21bの内縁部21cと張出部22bの内縁部22cとを挟み込んで溶着が行われる。内縁部21cと内縁部22cとの溶着により、被覆部24が形成される。被覆部24によれば、端面15dが覆われるので、端面15dに水分が付着することが抑制される。これにより、端面15dを通じた電気的短絡の発生が抑制される。
上記実施形態では、シール樹脂21,22のうち、正極終端電極12にはシール樹脂22のみが設けられ、負極終端電極13にはシール樹脂22のみが設けられているが、全ての電極10にシール樹脂21,22が設けられてもよい。この場合、集電体15B,15Cの露出部分が減るので、電気的短絡の発生が抑制される。また、全ての電極10に被覆部24を設けることができるので、端面15dを通じた電気的短絡の発生が更に抑制される。
複数の電極10は、正極終端電極12及び負極終端電極13を有さず、複数の電極10は、すべてバイポーラ電極11であってもよい。この場合、準備する電極10が一種類なので、生産性が向上する。電極積層体2の積層端の集電体15と導電板4との間に活物質層が介在するが、活物質層の電気抵抗が低ければ、活物質層による電圧降下を抑制することができる。
上記実施形態の工程S4では、シール付き負極終端電極33から順に複数のシール付き電極30が積層されるが、シール付き正極終端電極32から順に積層されてもよい。
封止部3は、複数のシール樹脂21,22を外側から覆う被覆層を更に備えてもよい。これにより、シール樹脂21,22を通じた空間Sへの水分透過を抑制することができる。蓄電装置1の製造方法は、当該被覆層を形成する工程を更に含んでもよい。被覆層は、例えば、射出成形により形成された樹脂材料であってもよいし、金属層と樹脂層からなるラミネートフィルムにより形成されてもよい。被覆層を形成する工程は、例えば、工程S6と工程S7との間に実施される。
上記実施形態及び上記変形例は、適宜組み合わされてもよい。
1,1A…蓄電装置、2…電極積層体、3…封止部、10…電極、11…バイポーラ電極、12…正極終端電極、13…負極終端電極、14…セパレータ、15,15A,15B,15C…集電体、15a…第1面、15b…第2面、15c…周縁部、15d…端面、16…正極活物質層、17…負極活物質層、21…シール樹脂、21a…接合部、21b…張出部、21c…内縁部、22…シール樹脂、22a…接合部、22b…張出部、22c…内縁部、23…溶着部、24…被覆部、30…シール付き電極、31…シール付きバイポーラ電極、32…シール付き正極終端電極、33…シール付き負極終端電極、35…剥離シート、C…蓄電セル、D…積層方向、P…注液口、S…空間。

Claims (6)

  1. 互いに反対を向く第1面及び第2面を有する集電体と、前記第1面に設けられた第1活物質層と、前記第2面に設けられた第2活物質層と、を含むバイポーラ電極を準備する工程と、
    前記第1面の周縁部に、前記集電体の外側まで張り出す第1張出部を含むように第1シール樹脂を接合すると共に、前記第2面の周縁部に、前記集電体の外側まで張り出す第2張出部を含むように第2シール樹脂を接合する工程と、
    前記接合する工程により得られたシール付きバイポーラ電極の前記第1活物質層が、他の前記シール付きバイポーラ電極の前記第2活物質層と対向するように、前記シール付きバイポーラ電極を前記他のシール付きバイポーラ電極上に積層する工程と、
    前記積層する工程で積層した前記シール付きバイポーラ電極の前記第1シール樹脂の前記第1張出部と、前記他のシール付きバイポーラ電極の前記第2シール樹脂の前記第2張出部とを溶着し、積層方向で隣り合う前記バイポーラ電極間の空間を封止する工程と、を含む、
    蓄電装置の製造方法。
  2. 前記接合する工程では、前記第1張出部と前記第2張出部とを互いに溶着し、前記集電体の端面を覆う被覆部を形成する、
    請求項1に記載の蓄電装置の製造方法。
  3. 前記封止する工程は、前記積層方向から見て、前記シール付きバイポーラ電極の前記第1張出部が露出するように、前記シール付きバイポーラ電極の前記第2張出部を捲ると共に、前記積層方向から見て、前記他のシール付きバイポーラ電極の前記第2張出部が露出するように、前記他のシール付きバイポーラ電極の前記第1張出部を捲った状態で行われる、
    請求項1又は2に記載の蓄電装置の製造方法。
  4. 前記積層方向で隣り合う前記集電体間の空間に電解液を注液する工程を更に含み、
    前記封止する工程は、前記注液する工程前に行われる第1溶着工程と、前記注液する工程後に行われる第2溶着工程と、を含み、
    前記第1溶着工程では、前記第1張出部及び前記第2張出部のうち、前記注液する工程において電解液の注液口を構成する部分以外を溶着し、
    前記第2溶着工程では、前記注液口を構成する部分を溶着する、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の蓄電装置の製造方法。
  5. 前記第1シール樹脂及び前記第2シール樹脂は矩形枠状であって、
    前記接合する工程は、前記第1シール樹脂及び前記第2シール樹脂の少なくとも一辺からなる接合対象ごとに前記周縁部への接合を行うと共に、前記接合対象の辺と異なる辺において、前記第1張出部と前記第2張出部との間に剥離シートを配置して行われる、
    請求項1~4のいずれか一項に記載の蓄電装置の製造方法。
  6. 積層された複数の電極と、
    積層方向で隣り合う前記電極間の空間を封止する封止部と、を備え、
    前記複数の電極は、前記積層方向で隣り合う第1バイポーラ電極及び第2バイポーラ電極を含み、
    前記第1バイポーラ電極及び前記第2バイポーラ電極のそれぞれは、互いに反対を向く第1面及び第2面を有する集電体と、前記第1面に設けられた第1活物質層と、前記第2面に設けられた第2活物質層と、を含み、
    前記第1バイポーラ電極及び前記第2バイポーラ電極は、前記第1バイポーラ電極の前記第1活物質層と前記第2バイポーラ電極の前記第2活物質層とが互いに対向するように積層されており、
    前記封止部は、
    前記第1面の周縁部に接合された第1接合部と、前記集電体の外側に張り出した第1張出部と、を含む第1シール樹脂と、
    前記第2面の周縁部に接合された第2接合部と、前記集電体の外側に張り出した第2張出部と、を含む第2シール樹脂と、
    前記第1バイポーラ電極に設けられた前記第1シール樹脂の前記第1張出部と、前記第2バイポーラ電極に設けられた前記第2シール樹脂の前記第2張出部とが互いに溶着されてなる溶着部と、
    前記第1張出部と前記第2張出部とが溶着されてなり、前記集電体の端部を覆う被覆部と、を有し、
    前記積層方向で隣り合う前記溶着部同士は、互いに溶着されていない、
    蓄電装置。
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