JP2021197279A - 蓄電セル及び蓄電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電池特性の低下を抑制することができる蓄電セル及び蓄電装置を提供する。【解決手段】蓄電セル2は、正極11と、負極12と、正極11と負極12との間に配置されたセパレータ13とを備える。正極11は、集電体21と、集電体21の第1面21aに設けられた正極活物質層22と、正極活物質層22の表面22sの一部に設けられセパレータ13に接着される接着層26とを有する。接着層26は、正極活物質層22の表面22sの残部に設けられていない。接着層26は、接着層26の厚み方向から見て正極活物質層22の表面22sの縁部に沿うように設けられている。【選択図】図2
Description
本開示は、蓄電セル及び蓄電装置に関する。
特許文献1には、セパレータと電極とを接着する接着層を有する二次電池が開示されている。接着層の例として、ドット状又はストライプ状の接着部が開示されている。
ところで、上記二次電池では、電極表面の縁部においてセパレータと電極表面とが接着されていないので、充放電時など電極の膨張収縮に伴って極間距離が変化して電池の内部抵抗が増大してしまう虞がある。また、二次電池の充放電時に電極材料が発熱して高温になった場合には、セパレータが熱収縮して、電極表面の縁部において対向する両極間で微小な短絡が生じる虞がある。その結果、電池特性が低下してしまう。
本開示は、電池特性の低下を抑制することができる蓄電セル及び蓄電装置を提供する。
本開示の一側面に係る蓄電セルは、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に配置されたセパレータと、を備え、前記正極及び前記負極のそれぞれは、集電体と、前記集電体の第1面に設けられた活物質層と、を有し、前記正極及び前記負極の少なくとも一方は、前記活物質層の表面の一部に設けられ前記セパレータに接着される接着層を有し、前記接着層は、前記活物質層の前記表面の残部に設けられておらず、前記接着層は、前記接着層の厚み方向から見て前記活物質層の前記表面の縁部に沿うように設けられている。
上記蓄電セルによれば、活物質層の表面の縁部において、接着層によって活物質層とセパレータとの間の接着性が向上するので、接触抵抗が減少して、電池特性の低下を抑制することができる。
前記活物質層の前記表面の前記縁部よりも内側に位置する中央部に、前記接着層が設けられてもよい。この場合、活物質層の表面の中央部においても活物質層とセパレータとの間の接着性が向上する。
前記中央部及び前記縁部を通り前記接着層の厚み方向に沿った断面において、複数の前記接着層が互いに間隔を空けて配置されており、前記中央部から前記縁部に向かって徐々に前記間隔が変化するように前記接着層が配置されてもよい。この場合、間隔を調整することによって、表面における単位面積当たりの接着層の面積(面密度)を中央部から縁部に向かって徐々に変化させることができる。
前記正極及び前記負極のいずれか一方において、前記活物質層の前記表面の面積の合計は、1m2以上であってもよい。この場合、セパレータを接着層から剥離しようとする力(接着層の厚み方向に働く膨張収縮の力)が、中央部と縁部との間で大きく異なる。そのような場合であっても、中央部における接着層の接着力と、縁部における接着層の接着力との差を調整できる。
本開示の一側面に係る蓄電装置は、積層された複数の蓄電セルを含む積層体を備え、前記複数の蓄電セルは、上記蓄電セルを含む。上記蓄電装置によれば、電池特性の低下を抑制することができる。
上記蓄電装置は、前記積層体の積層方向において前記積層体を挟む一対の通電体を更に備え、前記積層体は、前記積層方向において最も外側に配置された前記集電体と前記一対の通電体のいずれか一方との間に配置された導電層を有し、前記導電層は、前記集電体の硬度よりも低い硬度を有してもよい。この場合、集電体と導電層との間の接触面積及び通電体と導電層との間の接触面積を大きくできる。そのため、導電層を介さずに通電体を集電体に接触させる場合に比べて、通電体と集電体との間の電気抵抗を低減できる。
本開示によれば、電池特性の低下を抑制することが可能な蓄電セル及び蓄電装置が提供され得る。
以下、添付図面を参照しながら本開示の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。
図1は、一実施形態の蓄電装置を示す概略的な断面図である。図1に示す蓄電装置1は、例えば、フォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリに用いられる蓄電モジュールである。蓄電装置1は、例えばニッケル水素二次電池又はリチウムイオン二次電池等の二次電池である。蓄電装置1は、電気二重層キャパシタであってもよいし、全固体電池であってもよい。本実施形態では、蓄電装置1がリチウムイオン二次電池である場合を例示する。
蓄電装置1は、複数の蓄電セル2が積層方向にスタック(積層)されたセルスタック5(積層体)を含んで構成されている。各蓄電セル2は、図1に示すように、正極11と、負極12と、セパレータ13と、スペーサ14とを備える。正極11は、集電体21と、集電体21の第1面21aに設けられた正極活物質層22と、正極活物質層22の表面22sの一部に設けられセパレータ13に接着される接着層26とを備える。接着層26は、正極活物質層22の表面22sの残部に設けられていない。正極11は、例えば矩形状の電極である。負極12は、集電体21と、集電体21の第1面21aに設けられた負極活物質層23と、負極活物質層23の表面23sの一部に設けられセパレータ13に接着される接着層26とを備える。接着層26は、負極活物質層23の表面23sの残部に設けられていない。負極12は、例えば矩形状の電極である。負極12は、負極活物質層23が正極活物質層22と対向するように配置されている。本実施形態では、正極活物質層22及び負極活物質層23は、いずれも矩形状に形成されている。負極活物質層23は、正極活物質層22よりも一回り大きく形成されており、積層方向から見た平面視において、正極活物質層22の形成領域の全体が負極活物質層23の形成領域内に位置している。
各集電体21は、第1面21aとは反対側の面である第2面21bを有する。正極11の集電体21の第2面21bには、正極活物質層22が形成されていない。負極12の集電体21の第2面21bには、負極活物質層23が形成されていない。正極11の集電体21の第2面21bと負極12の集電体21の第2面21bとが互いに接するように、蓄電セル2がスタックされることによって、セルスタック5が構成される。これにより、複数の蓄電セル2が電気的に直列に接続される。セルスタック5では、積層方向に隣り合う蓄電セル2,2により、互いに接する正極11の集電体21及び負極12の集電体21を電極体とする疑似的なバイポーラ電極10が形成される。すなわち、1つのバイポーラ電極10は、互いに隣接する2つの集電体21,21、正極活物質層22及び負極活物質層23を含む。積層方向の一端には、終端電極として正極11の集電体21が配置される。積層方向の他端には、終端電極として負極12の集電体21が配置される。
集電体21は、リチウムイオン二次電池の放電又は充電の間、正極活物質層22及び負極活物質層23に電流を流し続けるための化学的に不活性な電気伝導体である。集電体21を構成する材料としては、例えば、金属材料、導電性樹脂材料、導電性無機材料等を用いることができる。導電性樹脂材料としては、例えば、導電性高分子材料又は非導電性高分子材料に必要に応じて導電性フィラーが添加された樹脂等が挙げられる。集電体21は、前述した金属材料又は導電性樹脂材料を含む1以上の層を含む複数層を備えてもよい。集電体21の表面に、メッキ処理又はスプレーコート等の公知の方法により被覆層を形成してもよい。集電体21は、例えば、板状、箔状、シート状、フィルム状、メッシュ状等の形態に形成されていてもよい。集電体21を金属箔とする場合、例えば、アルミニウム箔、銅箔、ニッケル箔、チタン箔又はステンレス鋼箔等を用いることができる。集電体21としてステンレス鋼箔(例えばJIS G 4305:2015にて規定されるSUS304、SUS316、SUS301、SUS304等)を用いた場合、集電体21の機械的強度を確保することができる。集電体21は、上記金属の合金箔又はクラッド箔であってもよい。本実施形態において、正極11の集電体21はアルミニウム箔であり、負極12の集電体21は銅箔である。箔状の集電体21を用いる場合、その厚みは、例えば、1μm〜100μmとしてよい。
正極活物質層22は、リチウムイオン等の電荷担体を吸蔵及び放出し得る正極活物質を含む。正極活物質としては、層状岩塩構造を有するリチウム複合金属酸化物、スピネル構造の金属酸化物、ポリアニオン系化合物など、リチウムイオン二次電池の正極活物質として使用可能なものを採用すればよい。また、2種以上の正極活物質を併用してもよい。本実施形態において、正極活物質層22は複合酸化物としてのオリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO4)を含む。
負極活物質層23は、リチウムイオンなどの電荷担体を吸蔵及び放出可能である単体、合金又は化合物であれば特に限定はなく使用可能である。例えば、負極活物質としてLi、又は、炭素、金属化合物、リチウムと合金化可能な元素もしくはその化合物等が挙げられる。炭素としては天然黒鉛、人造黒鉛、あるいはハードカーボン(難黒鉛化性炭素)又はソフトカーボン(易黒鉛化性炭素)を挙げることができる。人造黒鉛としては、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ等が挙げられる。リチウムと合金化可能な元素の例としては、シリコン(ケイ素)及びスズが挙げられる。本実施形態において、負極活物質層23は炭素系材料としての黒鉛を含む。
正極活物質層22及び負極活物質層23のそれぞれ(以下、単に「活物質層」ともいう)は、必要に応じて電気伝導性を高めるための導電助剤、結着剤、電解質(ポリマーマトリクス、イオン伝導性ポリマー、電解液等)、イオン伝導性を高めるための電解質支持塩(リチウム塩)等をさらに含み得る。活物質層に含まれる成分又は当該成分の配合比及び活物質層の厚さは特に限定されず、リチウムイオン二次電池についての従来公知の知見が適宜参照され得る。活物質層の厚みは、例えば2〜150μmである。集電体21の表面に活物質層を形成させるには、ロールコート法等の従来から公知の方法を用いてもよい。正極11又は負極12の熱安定性を向上させるために、集電体21の表面(片面又は両面)又は活物質層の表面に耐熱層を設けてもよい。耐熱層は、例えば、無機粒子と結着剤とを含み、その他に増粘剤等の添加剤を含んでもよい。
導電助剤は、正極11又は負極12の導電性を高めるために添加される。導電助剤は、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト等である。
結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸等のアクリル系樹脂、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム等のアルギン酸塩、水溶性セルロースエステル架橋体、デンプン−アクリル酸グラフト重合体を例示することができる。これらの結着剤は、単独で又は複数で用いられ得る。溶媒には、例えば、水、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等が用いられる。
セパレータ13は、正極11と負極12との間に配置されて、正極11と負極12とを隔離することで両極の接触による短絡を防止しつつ、リチウムイオン等の電荷担体を通過させる部材である。
セパレータ13は、例えば、電解質を吸収保持するポリマーを含む多孔性シート又は不織布であってもよい。セパレータ13を構成する材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオレフィン、ポリエステルなどが挙げられる。セパレータ13は、単層構造又は多層構造を有してもよい。多層構造は、例えば、接着層、耐熱層としてのセラミック層等を有してもよい。セパレータ13には、電解質が含浸されてもよく、セパレータ13自体を高分子電解質又は無機型電解質等の電解質で構成してもよい。
セパレータ13に含浸される電解質としては、例えば、非水溶媒と非水溶媒に溶解した電解質塩とを含む液体電解質(電解液)、又はポリマーマトリックス中に保持された電解質を含む高分子ゲル電解質などが挙げられる。
セパレータに電解液が含浸される場合、その電解質塩として、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(FSO2)2、LiN(CF3SO2)2等の公知のリチウム塩を使用できる。また、非水溶媒として、環状カーボネート類、環状エステル類、鎖状カーボネート類、鎖状エステル類、エーテル類等の公知の溶媒を使用できる。なお、これら公知の溶媒材料を二種以上組合せて用いてもよい。
スペーサ14は、正極11の集電体21と負極12の集電体21との間に形成され、正極11の集電体21及び負極12の集電体21の少なくとも一方(例えば正極11の集電体21及び負極12の集電体21の両方、又は正極11の集電体21及び負極12の集電体21のいずれか一方のみ)に接合又は固定される。スペーサ14は、絶縁材料を含み、正極11の集電体21と負極12の集電体21との間を絶縁することによって、それら両集電体間の短絡を防止する。スペーサ14を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン、ABS樹脂、変性ポリプロピレン(変性PP)、アクリロニトリルスチレン(AS)樹脂などの種々の樹脂材料が用いられる。
本実施形態において、スペーサ14は、集電体21の縁部21eに沿って延在し、平面視で矩形状に形成された正極活物質層22又は負極活物質層23の周囲を取り囲むように、平面視で矩形の枠状に形成されている。スペーサ14に、セパレータ13の縁部13aが埋設されていてもよい。
本実施形態では、各蓄電セル2に配置されるスペーサ14は、一対の集電体21間に配置される部分と集電体21の縁部21eよりも外側に延びる部分とを有しており、セルスタック5の積層方向に隣り合うスペーサ14の外側に延びる部分同士が接合されて一体化している。複数のスペーサ14が一体化されて封止体14aを形成している。スペーサ14、正極11及び負極12によって囲まれた空間Sには、セパレータ13及び電解質(電解液)が収容されている。平面視において矩形の枠状をなすスペーサ14は、集電体21の縁部21eに接合固定されている。複数のスペーサ14が一体化されてなる封止体14aは、セルスタック5の積層方向の一端に配置された集電体21から積層方向の他端に配置された集電体21まで積層方向に延在する筒状部分を有している。隣り合うスペーサ14同士を接合する方法としては、例えば、熱溶着、超音波溶着又は赤外線溶着など、公知の溶着方法が用いられる。
本実施形態において、スペーサ14は、正極11及び負極12との間の空間Sを封止する封止部としても機能しており、空間Sに収容された電解質の外部への透過を防止し得る。また、スペーサ14は、蓄電装置1の外部から空間S内への水分の侵入を防止し得る。さらに、スペーサ14は、例えば充放電反応等により正極11又は負極12から発生したガスが蓄電装置1の外部に漏れることを防止し得る。
蓄電装置1は、セルスタック5の積層方向においてセルスタック5を挟むように配置された、正極通電板40及び負極通電板50からなる一対の通電体を備える。正極通電板40及び負極通電板50は、それぞれ、良導電性材料で構成される。正極通電板40は、積層方向の一端において最も外側に配置された正極11の集電体21に電気的に接続される。負極通電板50は、積層方向の他端において最も外側に配置された負極12の集電体21に電気的に接続される。正極通電板40及び負極通電板50のそれぞれに設けられた端子を通じて蓄電装置1の充放電が行われる。正極通電板40及び負極通電板50のそれぞれを構成する材料としては、集電体21を構成する材料と同じ材料を用いることができる。正極通電板40及び負極通電板50のそれぞれは、セルスタック5に用いられた集電体21よりも厚い金属板で構成してもよい。
セルスタック5の積層方向において最も外側に配置された集電体21と正極通電板40又は負極通電板50との間に、両部材間の導電接触を良好にするために、さらに、導電層30を配置してもよい。導電層30は、集電体21の第2面21bに密着している。
導電層30は、集電体21の硬度よりも低い硬度を有する。導電層30は、例えばアセチレンブラック又はグラファイト等のカーボンを含む層であってもよく、例えばAuを含むメッキ層であってもよい。
図2は、図1の蓄電装置に含まれる正極及びスペーサを示す平面図である。図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。以下では正極11の接着層26について説明するが、負極12の接着層26も正極11の接着層26と同様の構成を有する。図2及び図3に示されるように、正極11の集電体21の縁部21eに枠状のスペーサ14が溶着されている。接着層26は、接着層26の厚み方向から見て正極活物質層22の表面22sの縁部に沿うように設けられている。縁部は、縁Eを含むか又は縁Eに最も近い。縁部は、正極活物質層22の表面22sの縁Eから内側に例えば10cm以内の枠状領域である。本実施形態では、正極活物質層22の表面22sの縁部よりも内側に位置する中央部にも接着層26が設けられている。表面22sの中央部は、中心Mを含むか又は中心Mに最も近い。中心Mは例えば重心である。中央部は、中心Mを重心とする例えば一辺10cmの正方形領域である。
正極活物質層22の表面22sは、例えば矩形形状を有する。正極11において、表面22sの面積の合計は、例えば1m2以上であってもよいし、5m2以下であってもよい。表面22sにおいて、単位面積当たりの接着層26の面積(面密度)は、縁部と中央部とで異なっている。本実施形態において、中央部における接着層26の面密度は縁部における接着層26の面密度よりも大きい。
表面22sは、複数の単位領域RUを有している。複数の単位領域RUは、例えばm個×n個の格子状に配置される。m及びnのそれぞれは例えば2以上の整数(例えば奇数)である。複数の単位領域RUによって、表面22sの外形によって規定される領域RAが形成される。各単位領域RUは同じ面積及び同じ形状を有する。各単位領域RUは、例えば矩形形状を有する。各単位領域RUの面積は、単位面積に相当し、例えば10cm2である。
各単位領域RUは、接着層26が設けられた第1領域R1と、接着層26が設けられていない第2領域R2とを有する。第1領域R1は、正極活物質層22の表面22sの一部(接着層26が設けられた部分)に相当する。第2領域R2は、正極活物質層22の表面22sの残部(接着層26が設けられていない部分)に相当する。第1領域R1は例えば矩形形状を有する。接着層26の面密度は、単位領域RUにおいて第1領域R1が占める割合RTとして算出される。中央部における接着層26の面密度は、正極活物質層22の表面22sの中央部に位置する単位領域RU(中心領域RUc)において第1領域R1が占める割合RTcとして算出される。縁部における接着層26の面密度は、正極活物質層22の表面22sの縁部に位置する単位領域RU(縁領域RUe)において第1領域R1が占める割合RTeとして算出される。本実施形態において、割合RTcは割合RTeよりも大きい。各単位領域RUにおいて第1領域R1が占める割合RTは、中央部から縁部に向かって徐々に(単調に)変化している。本実施形態では、割合RTが、中央部から縁部に向かって徐々に減少している。正極活物質層22の表面22sにおいて、中心Mと縁E上の一点E1とを結ぶ第1方向と、中心Mと縁E上の別の一点E2とを結び第1方向に直交する第2の方向においても、割合RTが、中心Mから縁Eに向かって徐々に減少している。すなわち、正極活物質層22の表面22sの中心Mから縁Eまで径方向外側に向かうに連れて割合RTが徐々に減少している。
図3には、正極活物質層22の表面22sの中央部及び縁部を通り接着層26の厚み方向に沿った断面が示される。図3に示されるように、正極活物質層22の表面22sの中央部及び縁部を通り接着層26の厚み方向に沿った断面において、複数の接着層26が互いに間隔Dを空けて配置されている。接着層26は、間隔Dが中央部から縁部に向かって徐々に変化するように配置される。間隔Dを調整することによって、割合RTを中央部から縁部に向かって徐々に変化させることができる。本実施形態では、間隔Dが中央部から縁部に向かって徐々に増加している。
本実施形態の蓄電装置1及び蓄電セル2によれば、正極活物質層22の表面22sの縁部に沿うように接着層26が設けられているので、正極活物質層22の表面22sの縁部において、正極活物質層22とセパレータ13との間の接着性が向上する。同様に、負極活物質層23の表面23sの縁部に沿うように接着層26が設けられているので、負極活物質層23の表面23sの縁部において、負極活物質層23とセパレータ13との間の接着性が向上する。これにより、充放電時などに、正極活物質層22や負極活物質層23が膨張収縮した場合であっても、正極11と負極12との間の距離が広がることを抑制して、蓄電装置1及び蓄電セル2の電池内部の電気抵抗の増大を抑制することができる。すなわち、蓄電装置1及び蓄電セル2の電池特性の低下を抑制することが可能となる。また、接着層26によりセパレータ13の収縮が抑制される。
さらに、正極活物質層22の表面22sの中央部に接着層26が設けられているので、表面22sの中央部においても、正極活物質層22とセパレータ13との間の接着性が向上する。同様に、負極活物質層23の表面23sの中央部に接着層26が設けられているので、表面23sの中央部においても、負極活物質層23とセパレータ13との間の接着性が向上する。
例えば一対の拘束板間に蓄電装置1を挟む場合、拘束板の縁においてボルト及びナット等によって拘束板同士が連結されるが、拘束板の中心は連結されない。そのため、拘束板の中心では、活物質の膨張により拘束板が外側に変形する可能性がある。そのような場合であっても、正極活物質層22の表面22sの中央部及び負極活物質層23の表面23sの中央部において接着層26とセパレータ13との間の接着力が高いので、拘束板の変形が抑制される。
正極活物質層22の表面22sの面積の合計が1m2以上である場合、セパレータ13を接着層26から剥離しようとする力(接着層26の厚み方向に働く膨張収縮の力)が、表面22sの中央部と縁部との間で大きく異なる。そのような場合であっても、中央部における接着層26の接着力と、縁部における接着層26の接着力との差を調整できる。負極12においても同様に、負極活物質層23の表面23sの面積の合計が1m2以上である場合であっても、中央部における接着層26の接着力と、縁部における接着層26の接着力との差を調整できる。
集電体21と正極通電板40又は負極通電板50との間に導電層30が配置される場合、集電体21と導電層30との間の接触面積及び正極通電板40又は負極通電板50と導電層30との間の接触面積を大きくできる。そのため、導電層30を介さずに正極通電板40又は負極通電板50を集電体21に接触させる場合に比べて、正極通電板40又は負極通電板50と集電体21との間の電気抵抗を低減できる。
図4は、正極及びスペーサの変形例を示す平面図である。図5は、図4のV−V線に沿った断面図である。図4及び図5に示される正極11及びスペーサ14は、接着層26の配置が異なること以外は図2及び図3に示される正極11及びスペーサ14と同じ構成を有する。図4及び図5に示される正極11では、割合RTeが割合RTcよりも大きい。各単位領域RUにおいて第1領域R1が占める割合RTは、表面22sの中央部から縁部に向かって徐々に増加している。正極活物質層22の表面22sにおいて、中心Mと縁E上の一点E1とを結ぶ第1方向と、中心Mと縁E上の別の一点E2とを結び第1方向に直交する第2の方向においても、割合RTが、中央部から縁部に向かって徐々に増加している。図5に示されるように、接着層26は、間隔Dが中央部から縁部に向かって徐々に増加するように配置される。
割合RTeが割合RTcよりも大きいと、表面22sの縁部における接着層26の接着力を表面22sの中央部における接着層26の接着力よりも大きくできる。よって、表面22sの縁部においてセパレータ13が接着層26から剥離し難くなるので、正極11と負極12との間の距離が広がることを抑制できる。通常、表面22sの縁部には応力が集中するので、応力によってセパレータが接着層から剥離する可能性がある。そのような場合であっても、表面22sの縁部において、接着層26とセパレータ13との間の接着力が高いので、応力によるセパレータ13の剥離が抑制される。
以上、本開示の好適な実施形態について詳細に説明されたが、本開示は上記実施形態に限定されない。
例えば、上記実施形態では、正極11及び負極12の両方が接着層26を有しているが、正極11及び負極12のいずれか一方のみが接着層26を有してもよい。
上記実施形態では、正極活物質層22の表面22sの縁部及び中央部の両方に接着層26が設けられているが、接着層26は正極活物質層22の表面22sの縁部のみに設けられてもよい。同様に、接着層26は負極活物質層23の表面23sの縁部のみに設けられてもよい。
上記実施形態では、複数の接着層26が正極活物質層22の表面22sに設けられているが、単一の接着層26が正極活物質層22の表面22sに設けられてもよい。同様に、単一の接着層26が負極活物質層23の表面23sに設けられてもよい。
上記実施形態では、集電体21の第1面21aに単一の正極活物質層22が設けられているが、互いに離間して配置された複数の正極活物質層22が集電体21の第1面21aに設けられてもよい。この場合、複数の正極活物質層22の表面22sと、隣り合う正極活物質層22間の領域とを合わせた単一領域が図2の領域RAとなる。同様に、互いに離間して配置された複数の負極活物質層23が集電体21の第1面21aに設けられてもよい。
上記実施形態では、正極11及び負極12の両方において割合RTcが割合RTeと異なっているが、正極11及び負極12のいずれか一方において割合RTcが割合RTeと同じであってもよい。
また、上記実施形態では、セルスタック5が一対の導電層30を有しているが、セルスタック5は、一対の導電層30のうちいずれか一方のみを有してもよいし、一対の導電層30を有していなくてもよい。
1…蓄電装置、2…蓄電セル、5…セルスタック(積層体)、11…正極、12…負極、13…セパレータ、21…集電体、21a…第1面、22…正極活物質層、23…負極活物質層、22s,23s…表面、26…接着層、30…導電層、D…間隔。
Claims (6)
- 正極と、
負極と、
前記正極と前記負極との間に配置されたセパレータと、
を備え、
前記正極及び前記負極のそれぞれは、集電体と、前記集電体の第1面に設けられた活物質層と、を有し、
前記正極及び前記負極の少なくとも一方は、前記活物質層の表面の一部に設けられ前記セパレータに接着される接着層を有し、前記接着層は、前記活物質層の前記表面の残部に設けられておらず、
前記接着層は、前記接着層の厚み方向から見て前記活物質層の前記表面の縁部に沿うように設けられている、蓄電セル。 - 前記活物質層の前記表面の前記縁部よりも内側に位置する中央部に、前記接着層が設けられている、請求項1に記載の蓄電セル。
- 前記中央部及び前記縁部を通り前記接着層の厚み方向に沿った断面において、複数の前記接着層が互いに間隔を空けて配置されており、
前記中央部から前記縁部に向かって徐々に前記間隔が変化するように前記接着層が配置される、請求項2に記載の蓄電セル。 - 前記正極及び前記負極のいずれか一方において、前記活物質層の前記表面の面積の合計は、1m2以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓄電セル。
- 積層された複数の蓄電セルを含む積層体を備え、
前記複数の蓄電セルは、請求項1〜4のいずれか一項に記載の蓄電セルを含む、蓄電装置。 - 前記積層体の積層方向において前記積層体を挟む一対の通電体を更に備え、
前記積層体は、前記積層方向において最も外側に配置された前記集電体と前記一対の通電体のいずれか一方との間に配置された導電層を有し、
前記導電層は、前記集電体の硬度よりも低い硬度を有する、請求項5に記載の蓄電装置。
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JP2020102994A JP2021197279A (ja) | 2020-06-15 | 2020-06-15 | 蓄電セル及び蓄電装置 |
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JP2022084168A (ja) * | 2020-11-26 | 2022-06-07 | プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社 | 電極積層体、電池、および電極積層体の製造方法 |
-
2020
- 2020-06-15 JP JP2020102994A patent/JP2021197279A/ja active Pending
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JP7213225B2 (ja) | 2020-11-26 | 2023-01-26 | プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社 | 電極積層体、電池、および電極積層体の製造方法 |
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