JP2022026679A - 蓄電装置及び蓄電装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】活物質層で発生したガスが活物質層と接着層との間に留まることを抑制できる蓄電装置及び蓄電装置の製造方法を提供する。【解決手段】蓄電装置1では、第2接着層27は、凹部22aの谷部22bと、凹部22aへの入込部分27fの頂部27gとの距離が相対的に小さい強接着部27aと、凹部22aの谷部22bと、凹部22aへの入込部分27hの頂部27kとの距離が相対的に大きい弱接着部27bとを有している。弱接着部27bは、第2接着層27の接合領域27cの縁の一端及び他端を結ぶように延在している。【選択図】図2

Description

本開示は、蓄電装置及び蓄電装置の製造方法に関する。
従来の蓄電装置として、例えば特許文献1に記載の蓄電素子がある。この従来の蓄電素子は、タブを有する正極板と、正極板を挟み込む一対のセパレータとを備えている。セパレータは、正極板に対向する面に積層された接着層を有している。接着層は、活物質層に対して接着されるほか、正極板のタブに接着されている。
特開2018-152236号公報
上述した蓄電装置では、セパレータが接着層によって集電体の活物質層に接着されているため、蓄電装置の組み立て時や使用時の集電体に対するセパレータの位置ずれ抑制が図られる。一方、蓄電装置の初回の充放電時においては、活物質層でガスが発生することが知られている。通常、活物質層で発生したガスは、活物質層の表面とセパレータとの間の隙間などから電極の外部へと排出される。しかしながら、セパレータが接着層によって活物質層に接着される構成では、活物質層で発生したガスが電極の外部へ排出されにくくなる。そのため、活物質層と接着層との間に留まるガスにより、電極間の距離が不均一になり又は活物質層の剥離が生じ、その結果、電池性能を悪化させるおそれがある。
本開示は、上記課題の解決のためになされたものであり、活物質層とセパレータとの間に接着層を配置した場合であっても、活物質層で発生したガスが活物質層と接着層との間に留まることを抑制できる蓄電装置及び蓄電装置の製造方法を提供することを目的とする。
本開示の一側面に係る蓄電装置は、活物質層が一方面に設けられ、活物質層同士が互いに対向するように配置された正負一対の集電体と、活物質層間に配置されたセパレータ層と、正負一対の集電体の少なくとも一方の活物質層とセパレータ層との間に配置され、活物質層とセパレータ層とを接着する接着層と、を備え、正負一対の集電体の少なくとも一方の活物質層の表面は、接着層が入り込む微細な凹部を有し、接着層は、凹部の谷部と、凹部への入込部分の頂部との距離が相対的に小さい強接着部と、凹部の谷部と、凹部への入込部分の頂部との距離が相対的に大きい弱接着部とを有し、弱接着部は、接着層における活物質層とセパレータ層との接合領域の縁の一端及び他端を結ぶように延在している。
この蓄電装置では、活物質層とセパレータ層とを接着する接着層が、凹部の谷部と、凹部への入込部分の頂部との距離が相対的に小さい強接着部と、凹部の谷部と、凹部への入込部分の頂部との距離が相対的に大きい弱接着部とを有している。接着層が強接着部を有することにより、活物質層とセパレータ層との接着強度を十分に担保できる。また、弱接着部が接着層における接合領域の縁の一端及び他端を結ぶように延在しているため、活物質層でガスが発生した場合に、活物質層の表面と弱接着部との間の隙間を経路として当該ガスを接合領域の外部に排出することができる。したがって、活物質層で発生したガスが活物質層と接着層との間に留まることを抑制できる。
弱接着部は、接着層の厚さ方向から見て直線状に延在していてもよい。この場合、接合領域の外部にガスが到達するまでの経路の長さを抑えることができ、活物質層で発生したガスを接合領域の外部に効率よく排出することができる。
弱接着部は、接着層の厚さ方向から見て接合領域の中央から縁に向かって放射状に延在していてもよい。活物質層の中央付近は、接合領域の縁までの距離が長くなり易い。したがって、弱接着部を接合領域の中央から縁に向かって放射状に延在させることにより、活物質層の中央付近で発生したガスを接合領域の外部に効率よく排出することができる。
弱接着部は、接着層の厚さ方向から見てストライプ状をなしていてもよい。この場合、接合領域に対してガスの経路が一方向に一様に形成されるため、活物質層で発生したガスを接合領域の外部に効率よく排出することができる。
弱接着部は、接着層の厚さ方向から見て格子状をなしていてもよい。この場合、接合領域に対してガスの経路が二方向に一様に形成されるため、活物質層で発生したガスを接合領域の外部に効率よく排出することができる。
本開示の一側面に係る蓄電装置の製造方法は、それぞれの一方面に活物質層が設けられた正負一対の集電体と、セパレータ層と、接着層と、を準備する準備工程と、活物質層同士が互いに対向するように配置した正負一対の集電体の活物質層間にセパレータ層を配置すると共に、正負一対の集電体の少なくとも一方の活物質層とセパレータ層との間に接着層を配置する配置工程と、正負一対の集電体を押圧することで、活物質層とセパレータ層とを接着層によって接着する接着工程と、を備え、正負一対の集電体の少なくとも一方の活物質層の表面は、接着層が入り込む微細な凹部を有し、接着工程では、接着層における活物質層とセパレータ層との接合領域への押圧の強度を部分的に調整することにより、凹部の谷部と、凹部へ入り込む接着層の頂部との距離が相対的に小さい強接着部を形成すると共に、凹部の谷部と、凹部へ入り込む接着層の頂部との距離が相対的に大きい弱接着部を接合領域の縁における一端及び他端を結ぶように形成する。
この蓄電装置の製造方法では、接着工程において、接着層における活物質層とセパレータ層との接合領域への押圧の強度を部分的に調整することにより、凹部の谷部と、凹部へ入り込む接着層の頂部との距離が相対的に小さい強接着部を形成すると共に、凹部の谷部と、凹部へ入り込む接着層の頂部との距離が相対的に大きい弱接着部とを形成する。接着層が強接着部を有することにより、活物質層とセパレータ層との接着強度を十分に担保できる。また、弱接着部が接着層における接合領域の縁の一端及び他端を結ぶように形成されるため、活物質層でガスが発生した場合に、活物質層の表面と弱接着部との間の隙間を経路として当該ガスを接合領域の外部に排出することができる。したがって、活物質層で発生したガスが活物質層と接着層との間に留まることを抑制できる。
接着工程では、接合領域への面圧をロールプレスによって付与してもよい。この場合、ロールプレスでのプレスパターンの調整により、所望のパターンの強接着部及び弱接着部を一度に形成することができる。
蓄電装置の製造方法は、配置工程と接着工程との間に、正負一対の集電体の間の空間を封止する封止工程と、配置工程と接着工程との間に、空間に電解液を注液する注液工程と、注液工程の後に、初期充放電を行う初期充放電工程とを備えてもよい。注液工程の後に接着工程を実施することで、例えば電解液の注液による活物質層とセパレータ層との接着の状態の変化を回避できる。また、活物質層の表面と弱接着部との間の隙間を経路として、初期充放電工程において活物質層で発生したガスを接合領域の外部に排出することができる。
本開示によれば、活物質層とセパレータ層との間に接着層を配置した場合であっても、活物質層で発生したガスが活物質層と接着層との間に留まることを抑制できる蓄電装置及び蓄電装置の製造方法を提供することが可能となる。
図1は、一実施形態に係る蓄電装置を示す概略的な断面図である。 図2は、接着層の構成を示す平面図である。 図3は、強接着部と活物質層との接合状態を示す概略的な断面図である。 図4は、弱接着部と活物質層との接合状態を示す概略的な断面図である。 図5は、図1に示す蓄電装置の製造方法を示すフローチャートである。 図6は、変形例に係る接着層の構成を示す平面図である。 図7は、別の変形例に係る接着層の構成を示す平面図である。 図8は、更に別の変形例に係る接着層の構成を示す平面図である。 図9は、更に別の変形例に係る接着層の構成を示す平面図である。
以下、添付図面を参照しながら本開示の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。
図1は、一実施形態に係る蓄電装置を示す概略的な断面図である。図1に示す蓄電装置1は、例えば、フォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリに用いられる蓄電モジュールである。蓄電装置1は、例えばニッケル水素二次電池又はリチウムイオン二次電池等の二次電池である。蓄電装置1は、電気二重層キャパシタであってもよいし、全固体電池であってもよい。本実施形態では、蓄電装置1がリチウムイオン二次電池である場合を例示する。
蓄電装置1は、複数の蓄電セル2が積層方向にスタック(積層)されたセルスタック5(積層体)を含んで構成されている。各蓄電セル2は、正極11と、負極12と、セパレータ13と、スペーサ14とを備える。正極11は、集電体21と、集電体21の第1面(一方面)21aに設けられた正極活物質層22とを備える。正極11は、例えば矩形状の電極である。負極12は、集電体21と、集電体21の第1面(一方面)21aに設けられた負極活物質層23とを備える。負極12は、例えば矩形状の電極である。負極12は、負極活物質層23が正極活物質層22と対向するように配置されている。本実施形態では、正極活物質層22及び負極活物質層23は、いずれも矩形状に形成されている。負極活物質層23は、正極活物質層22よりも一回り大きく形成されており、積層方向から見た平面視において、正極活物質層22の形成領域の全体が負極活物質層23の形成領域内に位置している。
各集電体21は、第1面21aとは反対側の面である第2面21bを有する。正極11の集電体21の第2面21bには、正極活物質層22が形成されていない。負極12の集電体21の第2面21bには、負極活物質層23が形成されていない。正極11の集電体21の第2面21bと負極12の集電体21の第2面21bとが互いに接するように、蓄電セル2がスタックされることによって、セルスタック5が構成される。これにより、複数の蓄電セル2が電気的に直列に接続される。セルスタック5では、積層方向に隣り合う蓄電セル2,2により、互いに接する正極11の集電体21及び負極12の集電体21を電極体とする疑似的なバイポーラ電極10が形成される。すなわち、1つのバイポーラ電極10は、互いに隣接する2つの集電体21,21、正極活物質層22及び負極活物質層23を含む。積層方向の一端には、終端電極として正極11の集電体21が配置される。積層方向の他端には、終端電極として負極12の集電体21が配置される。
集電体21は、リチウムイオン二次電池の放電又は充電の間、正極活物質層22及び負極活物質層23に電流を流し続けるための化学的に不活性な電気伝導体である。集電体21を構成する材料としては、例えば、金属材料、導電性樹脂材料、導電性無機材料等を用いることができる。導電性樹脂材料としては、例えば、導電性高分子材料又は非導電性高分子材料に必要に応じて導電性フィラーが添加された樹脂等が挙げられる。集電体21は、前述した金属材料又は導電性樹脂材料を含む1以上の層を含む複数層を備えてもよい。集電体21の表面に、メッキ処理又はスプレーコート等の公知の方法により被覆層を形成してもよい。集電体21は、例えば、板状、箔状、シート状、フィルム状、メッシュ状等の形態に形成されていてもよい。集電体21を金属箔とする場合、例えば、アルミニウム箔、銅箔、ニッケル箔、チタン箔又はステンレス鋼箔等を用いることができる。集電体21としてステンレス鋼箔(例えばJIS G 4305:2015にて規定されるSUS304、SUS316、SUS301、SUS304等)を用いた場合、集電体21の機械的強度を確保することができる。集電体21は、上記金属の合金箔又はクラッド箔であってもよい。本実施形態において、正極11の集電体21はアルミニウム箔であり、負極12の集電体21は銅箔である。箔状の集電体21を用いる場合、その厚みは、例えば、1μm~100μmとしてよい。
正極活物質層22は、リチウムイオン等の電荷担体を吸蔵及び放出し得る正極活物質を含む。正極活物質としては、層状岩塩構造を有するリチウム複合金属酸化物、スピネル構造の金属酸化物、ポリアニオン系化合物など、リチウムイオン二次電池の正極活物質として使用可能なものを採用すればよい。また、2種以上の正極活物質を併用してもよい。本実施形態において、正極活物質層22は複合酸化物としてのオリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO)を含む。
負極活物質層23は、リチウムイオンなどの電荷担体を吸蔵及び放出可能である単体、合金又は化合物であれば特に限定はなく使用可能である。例えば、負極活物質としてLi、又は、炭素、金属化合物、リチウムと合金化可能な元素もしくはその化合物等が挙げられる。炭素としては天然黒鉛、人造黒鉛、あるいはハードカーボン(難黒鉛化性炭素)又はソフトカーボン(易黒鉛化性炭素)を挙げることができる。人造黒鉛としては、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ等が挙げられる。リチウムと合金化可能な元素の例としては、シリコン(ケイ素)及びスズが挙げられる。本実施形態において、負極活物質層23は炭素系材料としての黒鉛を含む。
正極活物質層22及び負極活物質層23のそれぞれ(以下、単に「活物質層」ともいう)は、必要に応じて電気伝導性を高めるための導電助剤、結着剤、電解質(ポリマーマトリクス、イオン伝導性ポリマー、電解液等)、イオン伝導性を高めるための電解質支持塩(リチウム塩)等をさらに含み得る。活物質層に含まれる成分又は当該成分の配合比及び活物質層の厚さは特に限定されず、リチウムイオン二次電池についての従来公知の知見が適宜参照され得る。活物質層の厚みは、例えば2~150μmである。集電体21の表面に活物質層を形成させるには、ロールコート法等の従来から公知の方法を用いてもよい。正極11又は負極12の熱安定性を向上させるために、集電体21の表面(片面又は両面)又は活物質層の表面に耐熱層を設けてもよい。耐熱層は、例えば、無機粒子と結着剤とを含み、その他に増粘剤等の添加剤を含んでもよい。
導電助剤は、正極11又は負極12の導電性を高めるために添加される。導電助剤は、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト等である。
結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸等のアクリル系樹脂、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム等のアルギン酸塩、水溶性セルロースエステル架橋体、デンプン-アクリル酸グラフト重合体を例示することができる。これらの結着剤は、単独で又は複数で用いられ得る。溶媒には、例えば、水、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)等が用いられる。
セパレータ13は、正極11の正極活物質層22と負極12の負極活物質層23との間に配置されて、正極11と負極12とを隔離することで両極の接触による短絡を防止しつつ、リチウムイオン等の電荷担体を通過させる部材である。セパレータ13は、蓄電セル2をスタックした際に隣り合うバイポーラ電極10,10間の短絡を防止する。
セパレータ13は、基材層(セパレータ層)25と、基材層25の第1面25aに設けられた第1接着層26と、基材層25の第2面25bに設けられた第2接着層27とを有する。第1接着層26は、第1面25aの全面に設けられている。第1接着層26は、負極活物質層23と基材層25との間に配置されている。第1接着層26は、負極活物質層23と基材層25とを接着している。第1接着層26は、負極12と基材層25との間の位置ずれを防止する。第2接着層27は、第2面25bの全面に設けられている。第2接着層27は、正極活物質層22と基材層25との間に配置されている。第2接着層27は、正極活物質層22と基材層25とを接着している。第2接着層27は、正極11と基材層25との間の位置ずれを防止する。
基材層25は、例えば、電解質を吸収保持するポリマーを含む多孔性シート又は不織布であってもよい。基材層25を構成する材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオレフィン、ポリエステルなどが挙げられる。基材層25は、単層構造又は多層構造を有してもよい。多層構造は、例えば、接着層、耐熱層としてのセラミック層等を有してもよい。基材層25には、電解質が含浸されてもよく、基材層25自体を高分子電解質又は無機型電解質等の電解質で構成してもよい。
基材層25に含浸される電解質としては、例えば、非水溶媒と非水溶媒に溶解した電解質塩とを含む液体電解質(電解液)、又はポリマーマトリクス中に保持された電解質を含む高分子ゲル電解質などが挙げられる。
基材層25に電解液が含浸される場合、その電解質塩として、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(FSO、LiN(CFSO等の公知のリチウム塩を使用できる。また、非水溶媒として、環状カーボネート類、環状エステル類、鎖状カーボネート類、鎖状エステル類、エーテル類等の公知の溶媒を使用できる。なお、これら公知の溶媒材料を二種以上組合せて用いてもよい。
第1接着層26及び第2接着層27のそれぞれは、熱硬化性接着剤又は熱可塑性接着剤を含んでもよいし、例えば電解液の溶媒等と反応して固化する接着剤を含んでもよい。熱硬化性接着剤は、例えばエポキシ樹脂又はフェノール樹脂等を含んでもよい。熱可塑性接着剤は、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)又はポリビニールアルコール等の結着剤を含んでもよい。第1接着層26及び第2接着層27のそれぞれは、接着剤を塗布することによって形成されてもよい。
スペーサ14は、正極11の集電体21と負極12の集電体21との間に形成され、正極11の集電体21及び負極12の集電体21の少なくとも一方(例えば正極11の集電体21及び負極12の集電体21の両方、又は正極11の集電体21及び負極12の集電体21のいずれか一方のみ)に接合又は固定される。スペーサ14は、絶縁材料を含み、正極11の集電体21と負極12の集電体21との間を絶縁することによって、それら両集電体間の短絡を防止する。スペーサ14を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン、ABS樹脂、変性ポリプロピレン(変性PP)、アクリロニトリルスチレン(AS)樹脂などの種々の樹脂材料が用いられる。
本実施形態において、スペーサ14は、集電体21の縁部21eに沿って延在し、平面視で矩形状に形成された正極活物質層22又は負極活物質層23の周囲を取り囲むように、平面視で矩形の枠状に形成されている。スペーサ14に、セパレータ13の縁部13aが埋設されていてもよい。
本実施形態では、各蓄電セル2に配置されるスペーサ14は、一対の集電体21間に配置される部分と集電体21の縁部21eよりも外側に延びる部分とを有しており、セルスタック5の積層方向に隣り合うスペーサ14の外側に延びる部分同士が接合されて一体化している。複数のスペーサ14が一体化されて封止体14aを形成している。スペーサ14、正極11及び負極12によって囲まれた空間Sには、セパレータ13及び電解質(電解液)が収容されている。平面視において矩形の枠状をなすスペーサ14は、集電体21の縁部21eに接合固定されている。複数のスペーサ14が一体化されてなる封止体14aは、セルスタック5の積層方向の一端に配置された集電体21から積層方向の他端に配置された集電体21まで積層方向に延在する筒状部分を有している。隣り合うスペーサ14同士を接合する方法としては、例えば、熱溶着、超音波溶着又は赤外線溶着など、公知の溶着方法が用いられる。
本実施形態において、スペーサ14は、正極11及び負極12との間の空間Sを封止する封止部としても機能しており、空間Sに収容された電解質の外部への透過を防止し得る。また、スペーサ14は、蓄電装置1の外部から空間S内への水分の侵入を防止し得る。さらに、スペーサ14は、例えば充放電反応等により正極11又は負極12から発生したガスが蓄電装置1の外部に漏れることを防止し得る。
蓄電装置1は、セルスタック5の積層方向においてセルスタック5を挟むように配置された一対の通電体(正極通電板40及び負極通電板50)を備える。正極通電板40及び負極通電板50のそれぞれは、良導電性材料で構成される。正極通電板40及び負極通電板50のそれぞれを構成する材料としては、集電体21を構成する材料と同じ材料を用いることができる。正極通電板40及び負極通電板50のそれぞれは、セルスタック5に用いられた集電体21よりも厚い金属板で構成してもよい。正極通電板40は、積層方向の一端において最も外側に配置された正極11の集電体21に電気的に接続される。負極通電板50は、積層方向の他端において最も外側に配置された負極12の集電体21に電気的に接続される。正極通電板40及び負極通電板50のそれぞれに設けられた端子を通じて蓄電装置1の充放電が行われる。
セルスタック5の積層方向において最も外側に配置された集電体21と正極通電板40又は負極通電板50との間には、両部材間の導電接触を良好にする目的で、導電層30が更に配置されてもよい。この場合、導電層30は、集電体21の第2面21bに密着してもよい。
導電層30は、例えば集電体21の硬度よりも低い硬度を有する。導電層30は、アセチレンブラック又はグラファイト等のカーボンを含む層であってもよく、Auを含むメッキ層であってもよい。
続いて、上述した接着層の構成について更に詳細に説明する。図2は、第2接着層27の構成を示す平面図である。図2においては、正極11側に配置された第2接着層27が示されている。図2においては、セパレータ13の基材層25及び第1接着層26の図示が省略されている。なお、第1接着層26の構成は、第2接着層27と同じであるため、第1接着層26の詳細な説明については、省略する。
まず、第2接着層27の周辺構成について説明すると、図2に示すように、正極活物質層22は、積層方向から見て例えば矩形状をなしている。正極11において、正極活物質層22の表面22sの面積の合計は、例えば1m以上であってもよいし、5m以下であってもよい。正極11の集電体21の縁部21eにおける第1面21aは、正極活物質層22が形成されていない未塗工領域21fとなっている。未塗工領域21fは、積層方向から見て矩形環状をなしており、正極活物質層22を囲んでいる。未塗工領域21fには、上述した枠状のスペーサ14が溶着されている。スペーサ14の内縁は、積層方向から見て正極活物質層22の外縁よりも外側に位置している。スペーサ14の外縁は、積層方向から見て集電体21の外縁よりも外側に位置(突出)している。
セパレータ13は、積層方向から見た場合に、正極活物質層22と重なっている。セパレータ13の外縁は、積層方向から見た場合に、正極活物質層22の外縁及びスペーサ14の内縁よりも外側に位置している。正極11の集電体21の第1面21aのうちスペーサ14の内縁と正極活物質層22の外縁との間の領域(未塗工領域21f)、正極活物質層22の外縁、第2接着層27における基材層25とは反対側の表面、及びスペーサ14の内縁は、空間S(空間Sの一部)を画定する(図1参照)。当該空間Sは、積層方向から見て矩形環状をなしており、接合領域27cを囲んでいる。
第2接着層27は、接合領域27cにおいて正極活物質層22と基材層25とを接着している。接合領域27cは、第2接着層27における正極活物質層22と基材層25とが接合される領域である。接合領域27cは、第2接着層27における正極活物質層22と重なる領域である。本実施形態では、接合領域27cの外縁は、正極活物質層22の外縁と一致している。つまり、接合領域27cは、積層方向から見て矩形状をなしている。
第2接着層27は、強接着部27aと、弱接着部27bとを有している。強接着部27aは、第2接着層27の厚さ方向(積層方向)から見て複数の矩形状の領域を含んでいる。図2の形態では、複数の矩形状の領域は、弱接着部27bによって互いに離間しており、例えば4×6のマトリクス状に配置されている。弱接着部27bは、接合領域27cのうち強接着部27a以外の領域である。弱接着部27bは、接合領域27cの外縁に到達するように配置されている。弱接着部27bは、接合領域27cの外縁の少なくとも2点(異なる2点)を結ぶように延在している。
具体的には、弱接着部27bは、積層方向から見て格子状をなしている。弱接着部27bは、接合領域27cの一辺(ここでは、長辺)に沿って直線状に延在する複数(ここでは3つ)の第1延在部27dと、接合領域27cの一辺に直交する他辺(ここでは、短辺)に沿って直線状に延在する複数(ここでは5つ)の第2延在部27eとを含んでいる。複数の第1延在部27dは、短辺方向において同間隔に並んでいる。複数の第1延在部27dは、短辺方向において均等に分布している。複数の第2延在部27eは、長辺方向において同間隔に並んでいる。複数の第2延在部27eは、長辺方向において均等に分布している。複数の第1延在部27dのそれぞれと複数の第2延在部27eのそれぞれとは、互いに直交している。
第1延在部27dは、接合領域27cの一方の短辺における1点(一端)と、接合領域27cの他方の短辺における1点(他端)とを結んでいる。第2延在部27eは、接合領域27cの一方の長辺における1点(一端)と、接合領域27cの他方の長辺における1点(他端)とを結んでいる。このように、本実施形態では、弱接着部27bの全ての第1延在部27d及び第2延在部27eの両端が接合領域27cの外縁に到達している。
図3は、強接着部27aと正極活物質層22との接合状態を示す概略的な断面図である。図3に示すように、正極活物質層22の表面22sには、正極活物質層22が集電体21の第1面21aに形成された後(例えば、活物質が第1面21aに塗布され乾燥された後)に残留する複数の微細な凹凸が存在する。つまり、表面22sは、複数の微細な凹部22aを有している。強接着部27aは、凹部22aに入り込んでいる。これにより、強接着部27aは、正極活物質層22と基材層25とを接着している。表面22sと強接着部27aとの間には、隙間G1が形成されている。表面22sへの強接着部27aの入込量は、相対的に大きい。つまり、隙間G1の幅(ここでは、表面22sの凹部22aにおける谷部22bと、凹部22aへの強接着部27aの入込部分27fの頂部27gとの距離の平均値)は、相対的に小さい。なお、強接着部27aの形成領域のうち、隙間G1の幅がゼロである部位が存在する場合がある。
強接着部27aは、例えば第2接着層27の接合領域27cへの面圧を部分的に強くすることにより形成される。強接着部27aによる正極活物質層22と基材層25との接着強度は、相対的に大きい。例えば、強接着部27aを正極活物質層22から剥離させるために必要な力は、相対的に大きい。
図4は、弱接着部27bと正極活物質層22との接合状態を示す概略的な断面図である。図4に示すように、弱接着部27bは、正極活物質層22の表面22sに存在する微細な凹部22aに入り込んでいる。これにより、弱接着部27bは、正極活物質層22と基材層25とを接着している。表面22sと弱接着部27bとの間には、隙間G2が形成されている。
表面22sへの弱接着部27bの入込量は、相対的に小さい。具体的には、表面22sへの弱接着部27bの入込量は、表面22sへの強接着部27aの入込量よりも小さい。隙間G2の幅(ここでは、表面22sの凹部22aにおける谷部22bと、凹部22aへの弱接着部27bの入込部分27hの頂部27kとの距離の平均値)は、相対的に大きい。具体的には、隙間G2の幅は、隙間G1の幅よりも大きい。隙間G2の幅は、所定値よりも大きい。なお、弱接着部27bの形成領域のうち、隙間G2の幅が隙間G1の幅以下である部位が存在する場合がある。
弱接着部27bは、例えば第2接着層27の接合領域27cへの面圧を部分的に弱くすることにより形成される。弱接着部27bによる正極活物質層22と基材層25との接着強度は、相対的に小さい。具体的には、弱接着部27bによる接着強度は、強接着部27aによる接着強度よりも小さい。例えば、弱接着部27bを正極活物質層22から剥離させるために必要な力は、相対的に小さい。弱接着部27bを正極活物質層22から剥離させるために必要な力は、強接着部27aを正極活物質層22から剥離させるために必要な力よりも小さい。
正極活物質層22の表面22sと弱接着部27bとの間には、隙間G2に相当する空間が形成されている。当該空間は、接合領域27cを囲む空間Sに連通している。具体的には、表面22sと第1延在部27dとの間の空間(隙間G2)は、長辺方向における接合領域27cの両側の空間Sを連通している。表面22sと第2延在部27eとの間の空間(隙間G2)は、短辺方向における接合領域27cの両側の空間Sを連通している。これにより、正極活物質層22でガスが発生した場合に、当該ガスは、表面22sと弱接着部27bとの間に形成されたこれらの空間(隙間G2)を通過して、接合領域27cの外部(空間S)に移動することが可能となる。
続いて、上述した蓄電装置1の製造方法について説明する。
蓄電装置1の製造にあたっては、図5に示すように、まず、集電体21の第1面21aに正極活物質層22が設けられた正極11と、集電体21の第1面21aに負極活物質層23が設けられた負極12と、基材層25、第1接着層26及び第2接着層27を有するセパレータ13とを準備する(準備工程S1)。
次に、正極11及び負極12のそれぞれにおける集電体21の第1面21aの縁部21eに樹脂部を溶着して、樹脂部付き正極及び樹脂部付き負極を形成する。この工程では、樹脂部の縁部を正極11及び負極12の集電体21の縁部21eよりも外側にそれぞれ突出させる。樹脂部付き正極の樹脂部の厚さと、樹脂部付き負極の樹脂部の厚さとは、互いに等しくてよい。樹脂部と集電体21とを溶着する際には、ヒータ等の加熱手段を用いることにより、集電体21側から樹脂部にそれぞれ熱を加え、金属と樹脂との異種材接合を行う。
次に、正極活物質層22と負極活物質層23とが互いに対向するように配置した正極11及び負極12の間(正極活物質層22と負極活物質層23との間)にセパレータ13を配置する(配置工程S2)。配置工程S2では、正極活物質層22及び負極活物質層23のそれぞれと基材層25との間に、第1接着層26及び第2接着層27のそれぞれが配置される。配置工程S2では、セパレータ13の縁部13aが樹脂部付き正極の樹脂部及び樹脂部付き負極の樹脂部に挟まれるように、セパレータ13を配置する。具体的には、樹脂部付き正極の正極活物質層22上にセパレータ13を配置した後、負極活物質層23がセパレータ13を介して正極活物質層22に対向するように樹脂部付き負極を積層する。
次に、樹脂部付き正極の樹脂部と、樹脂部付き負極の樹脂部とを溶着し、正極11と負極12との間の空間Sを封止する封止部(スペーサ14)を形成する(封止工程S3)。封止工程では、樹脂部付き正極及び樹脂部付き負極のいずれか一方の電極の集電体21側から熱を付加して樹脂部同士を溶着する。ここでは、ヒータ等の加熱手段を用いることにより、樹脂部付き負極の集電体21の第2面21b側から第1面21a側に樹脂部への熱を加え、樹脂同士の同種材接合を行う。次に、空間Sに電解液を注液する(注液工程S4)。以上により、正極活物質層22及び負極活物質層23のそれぞれと基材層25との接着が行われていない蓄電セル(以下、「接着前の蓄電セル」という)が得られる。
次に、正極11及び負極12を押圧することで、正極活物質層22と基材層25とを第2接着層27によって接着する(接着工程S5)。接着工程S5では、正極11の集電体21の第2面21b及び負極12の集電体21の第2面21bのそれぞれにおける所定の領域を押圧することで、第2接着層27の接合領域27cを押圧する。正極11及び負極12のそれぞれにおける所定の領域は、積層方向から見て正極活物質層22を含む。本実施形態では、正極11及び負極12のそれぞれにおける所定の領域は、積層方向から見て負極活物質層23も含む。
接着工程S5では、第2接着層27の接合領域27cへの面圧をロールプレスによって付与する。具体的には、接着工程S5では、一対のプレスロール対によって、接着前の蓄電セルをプレスする。プレスロール対は、接着前の蓄電セルを挟み込んで所定のプレス圧でプレスを行う。プレスロール対のロール間隔は、接着前の蓄電セルの厚さ未満となるように設定されている。接着前の蓄電セルがプレスロール対のロール間に搬送されると、正極11及び負極12のそれぞれにおける所定の領域がプレスロール対によって押圧される。
接着工程S5では、第2接着層27の接合領域27cへの押圧の強度を部分的に調整することにより、強接着部27aを形成すると共に弱接着部27bを形成する。本実施形態では、プレスロール対は、強接着部27a及び弱接着部27bに対応するプレスパターンを有している。プレスロール対の少なくとも一方のロールの表面には、強接着部27a及び弱接着部27bのパターンに対応する凸部が形成されている。
この凸部は、例えば、強接着部27aに対応する第1凸部と、弱接着部27bに対応する第2凸部とによって構成され、第1凸部の高さは、第2凸部の高さよりも大きくなっている。このようなロールを用いて蓄電セルのロールプレスを実施すると、第2接着層27の配置領域のうち、第1凸部に対応する領域には、相対的に大きい面圧が付与される。第2接着層27の配置領域に相対的に大きい面圧が付与されると、正極活物質層22の表面22sへの第2接着層27の入込量が相対的に大きくなり、強接着部27aが形成される。また、第2接着層27の配置領域のうち、第2凸部に対応する領域には、相対的に小さい面圧が付与される。第2接着層27の配置領域に相対的に小さい面圧が付与されると、正極活物質層22の表面22sへの第2接着層27の入込量が相対的に小さくなり、弱接着部27bが形成される。
以上により、図1に示した蓄電セル2が得られる。準備工程S1~接着工程S5を繰り返し実施することにより、複数の蓄電セル2が得られる。複数の蓄電セル2を得た後、正極11の集電体21と負極12の集電体21とが接するように蓄電セル2を積層する。その後、例えば熱板溶着により熱板から各蓄電セル2における樹脂部の突出部分に熱を加え、積層方向に隣り合う各蓄電セル2の突出部分同士を互いに溶着する。これにより、積層方向に隣り合う蓄電セル2,2において互いに接する正極11の集電体21と負極12の集電体21との間が封止される。
次に、蓄電装置1に対して初期充放電を行う(初期充放電工程S6)。初期充放電工程S6は、正極活物質層22及び負極活物質層23の活性化、正極11及び負極12に被膜を形成させることで正極活物質層22及び負極活物質層23の劣化抑制等を目的として実施される。初期充放電工程S6では、蓄電装置1に電流を供給することで所定の電圧(満充電状態)まで充電し、充電後に蓄電装置1を放電させる。初期充放電工程S6では、正極活物質層22及び負極活物質層23でガスが発生する。
以上説明したように、蓄電装置1では、正極活物質層22と基材層25とを接着する第2接着層27が、凹部22aの谷部22bと、凹部22aへの入込部分27fの頂部27gとの距離が相対的に小さい強接着部27aと、凹部22aの谷部22bと、凹部22aへの入込部分27hの頂部27kとの距離が相対的に大きい弱接着部27bとを有している。第2接着層27が強接着部27aを有することにより、正極活物質層22と基材層25との接着強度を十分に担保できる。また、弱接着部27bが第2接着層27における接合領域27cの縁の一端及び他端を結ぶように延在しているため、正極活物質層22でガスが発生した場合に、正極活物質層22の表面22sと弱接着部27bとの間の隙間G2を経路として当該ガスを接合領域27cの外部(空間S)に排出(ガス抜け)することができる。したがって、正極活物質層22で発生したガスが正極活物質層22と第2接着層27との間に留まることを抑制できる。また、正極活物質層22で発生したガスによる正極活物質層22と第2接着層27との間の内圧の上昇を抑制でき、正極活物質層22からの基材層25の剥離を抑制できる。なお、接合領域27cの外部は、セルスタック5が正極通電板40及び負極通電板50によって挟まれていない空間Sとなっているため、正極通電板40及び負極通電板50によって挟まれている正極活物質層22で発生したガスは、弱接着部27bを介して空間Sに排出されやすい。また、正極活物質層22の表面22sの面積が相対的に大きい(例えば1m以上)場合には、正極活物質層22で発生したガスが接合領域27cの外部に排出されにくい傾向にある。このような場合においては、当該ガスを接合領域27cの外部に効率よく排出することが特に重要になる。
また、弱接着部27bは、積層方向から見て直線状に延在している。これにより、接合領域27cの外部にガスが到達するまでの経路の長さを抑えることができ、正極活物質層22で発生したガスを接合領域27cの外部に効率よく排出することができる。
また、弱接着部27bは、積層方向から見て格子状をなしている。これにより、接合領域27cに対してガスの経路が二方向に一様に形成されるため、正極活物質層22で発生したガスを接合領域27cの外部に効率よく排出することができる。
また、蓄電装置の製造方法では、接着工程S5において、第2接着層27の接合領域27cへの押圧の強度を部分的に調整することにより、凹部22aの谷部22bと、凹部22aへ入り込む第2接着層27の頂部27gとの距離が相対的に小さい強接着部27aを形成すると共に、凹部22aの谷部22bと、凹部22aへ入り込む第2接着層27の頂部27kとの距離が相対的に大きい弱接着部27bとを形成する。第2接着層27が強接着部27aを有することにより、正極活物質層22と基材層25との接着強度を十分に担保できる。また、弱接着部27bが第2接着層27における接合領域27cの縁の一端及び他端を結ぶように形成されるため、正極活物質層22でガスが発生した場合に、正極活物質層22の表面22sと弱接着部27bとの間の隙間G2を経路として当該ガスを接合領域27cの外部に排出することができる。したがって、正極活物質層22で発生したガスが正極活物質層22と第2接着層27との間に留まることを抑制できる。また、正極活物質層22で発生したガスによる正極活物質層22と第2接着層27との間の内圧の上昇を抑制でき、正極活物質層22からの基材層25の剥離を抑制できる。
また、接着工程S5では、接合領域27cへの面圧をロールプレスによって付与している。これにより、ロールプレスでのプレスパターンの調整により、所望のパターンの強接着部27a及び弱接着部27bを一度に形成することができる。
また、蓄電装置の製造方法は、配置工程S2と接着工程S5との間に、正極11の集電体21及び負極12の集電体21の間の空間Sを封止する封止工程S3と、配置工程S2と接着工程S5との間に、空間Sに電解液を注液する注液工程S4と、注液工程の後に、初期充放電を行う初期充放電工程S6とを備えている。例えば、接着工程S5を実施した後に、注液工程S4を実施する場合には、注液工程S4の実施に起因して、又は、接着工程S5と注液工程S4との間の他の要因に起因して、正極活物質層22と基材層25との接着状態が変化し、基材層25が正極活物質層22から剥離し易くなる場合がある。注液工程S4の後に接着工程S5を実施することで、例えば電解液の注液による正極活物質層22と基材層25との接着の状態の変化を回避できる。また、正極活物質層22の表面22sと弱接着部27bとの間の隙間G2を経路として、初期充放電工程S6において正極活物質層22で発生したガスを接合領域27cの外部に排出することができる。
本開示は、上記実施形態に限られるものではない。例えば上記実施形態では、弱接着部27bの第1延在部27dが接合領域27cの長辺方向に沿って延在し、弱接着部27bの第2延在部27eが接合領域27cの短辺方向に沿って延在しているが、図6に示すように、第1延在部27d及び第2延在部27eのそれぞれは、例えば接合領域27cの1つの辺に対して斜めに交差するように延在していてもよい。
また、図7に示すように、弱接着部27bは、接合領域27cの中央から縁に向かって放射状に延在していてもよい。具体的には、弱接着部27bは、直線状に延在している複数の延在部を有している。弱接着部27bの複数の延在部は、接合領域27cの中央付近において互いに交差している。延在部は、接合領域27cの対角を結んでもよい。正極活物質層22の中央付近は、接合領域27cの縁までの距離が長くなり易い。したがって、弱接着部27bを接合領域27cの中央から縁に向かって放射状に延在させることにより、正極活物質層22の中央付近で発生したガスを接合領域27cの外部に効率よく排出することができる。
また、弱接着部27bは、積層方向から見てストライプ状をなしていてもよい。具体的には、図8に示すように、弱接着部27bは、接合領域27cの短辺方向に沿って延在する複数の延在部のみを有していてもよい。また、図9に示すように、弱接着部27bは、接合領域27cの長辺方向に沿って延在する複数の延在部のみを有していてもよい。これらの場合、接合領域27cに対してガスの経路が一方向に一様に形成されるため、正極活物質層22で発生したガスを接合領域27cの外部に効率よく排出することができる。
また、第2接着層27が、基材層25の第2面25bの全面に設けられているが、第2接着層27は、第2面25bの一部にのみ設けられていてもよい。第2接着層27は、正極活物質層22と基材層25との間に設けられていればよい。
また、セパレータ13は、第1接着層26及び第2接着層27を有していなくてもよい。蓄電セル2は、基材層25とは別体として、第1接着層26及び第2接着層27を備えていてもよい。
また、セパレータ13は、第1接着層26及び第2接着層27のいずれか一方を有していなくてもよい。つまり、正極11の正極活物質層22及び負極12の負極活物質層23の少なくとも一方(正負一対の集電体21の少なくとも一方の活物質層)と基材層25との間に接着層が配置されていればよい。
また、接着工程S5では、第2接着層27の接合領域27cへの面圧をロールプレスによって付与するが、第2接着層27の接合領域27cへの面圧を平板状のプレス板によって付与してもよい。
また、正極活物質層22の表面22sは、粗面化されていることが好ましい。これにより、表面22sの凹部22aの深さが大きくなるため、表面22sへの第2接着層27(強接着部27a及び弱接着部27b)の入込量の調整の自由度を向上できる。
また、例えば、空間Sのガスを外部に排出させるため逆止弁等がスペーサ14に設けられている場合には、弱接着部27bの延在部は、当該逆止弁に向かって延在することが好ましい。これにより、正極活物質層22で発生したガスを効率よく空間Sから蓄電セル2の外部に排出できる。
1…蓄電装置、21…集電体、21a…第1面(一方面)、22…正極活物質層、22a…凹部、22b…谷部、22s…表面、23…負極活物質層、25…基材層(セパレータ層)、26…第1接着層、27…第2接着層、27a…強接着部、27b…弱接着部、27c…接合領域、27f…入込部分、27g…頂部、27h…入込部分、27k…頂部。

Claims (8)

  1. 活物質層が一方面に設けられ、前記活物質層同士が互いに対向するように配置された正負一対の集電体と、
    前記活物質層間に配置されたセパレータ層と、
    前記正負一対の集電体の少なくとも一方の前記活物質層と前記セパレータ層との間に配置され、前記活物質層と前記セパレータ層とを接着する接着層と、を備え、
    前記正負一対の集電体の少なくとも一方の前記活物質層の表面は、前記接着層が入り込む微細な凹部を有し、
    前記接着層は、
    前記凹部の谷部と、前記凹部への入込部分の頂部との距離が相対的に小さい強接着部と、
    前記凹部の谷部と、前記凹部への入込部分の頂部との距離が相対的に大きい弱接着部とを有し、
    前記弱接着部は、前記接着層における前記活物質層と前記セパレータ層との接合領域の縁の一端及び他端を結ぶように延在している蓄電装置。
  2. 前記弱接着部は、前記接着層の厚さ方向から見て直線状に延在している請求項1に記載の蓄電装置。
  3. 前記弱接着部は、前記接着層の厚さ方向から見て前記接合領域の中央から前記縁に向かって放射状に延在している請求項1又は2に記載の蓄電装置。
  4. 前記弱接着部は、前記接着層の厚さ方向から見てストライプ状をなしている請求項1又は2に記載の蓄電装置。
  5. 前記弱接着部は、前記接着層の厚さ方向から見て格子状をなしている請求項1又は2に記載の蓄電装置。
  6. それぞれの一方面に活物質層が設けられた正負一対の集電体と、セパレータ層と、接着層と、を準備する準備工程と、
    前記活物質層同士が互いに対向するように配置した前記正負一対の集電体の前記活物質層間に前記セパレータ層を配置すると共に、前記正負一対の集電体の少なくとも一方の前記活物質層と前記セパレータ層との間に前記接着層を配置する配置工程と、
    前記正負一対の集電体を押圧することで、前記活物質層と前記セパレータ層とを前記接着層によって接着する接着工程と、を備え、
    前記正負一対の集電体の少なくとも一方の前記活物質層の表面は、前記接着層が入り込む微細な凹部を有し、
    前記接着工程では、前記接着層における前記活物質層と前記セパレータ層との接合領域への押圧の強度を部分的に調整することにより、前記凹部の谷部と、前記凹部へ入り込む前記接着層の頂部との距離が相対的に小さい強接着部を形成すると共に、前記凹部の谷部と、前記凹部へ入り込む前記接着層の頂部との距離が相対的に大きい弱接着部を前記接合領域の縁における一端及び他端を結ぶように形成する蓄電装置の製造方法。
  7. 前記接着工程では、前記接合領域への面圧をロールプレスによって付与する請求項6に記載の蓄電装置の製造方法。
  8. 前記配置工程と前記接着工程との間に、前記正負一対の集電体の間の空間を封止する封止工程と、
    前記配置工程と前記接着工程との間に、前記空間に電解液を注液する注液工程と、
    前記注液工程の後に、初期充放電を行う初期充放電工程とを備える請求項6又は7に記載の蓄電装置の製造方法。
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