JP2022109062A - 蓄電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】集電体に対するスペーサの熱溶着時に筒部材が塞がることを抑制する。【解決手段】スペーサ50は、正極集電体32の正極表面32aと、負極集電体22の負極表面22aと、に溶着している。筒部材60は、第1方向Xにおいてスペーサ50を貫通している。内部部材45は、筒部材60の内部に配置される。正極表面32a及び負極表面22aにおいてスペーサ50が溶着する部分を被溶着部27とする。筒部材60は、積層方向Zから見て、被溶着部27と重なる重なり領域Rを備える。内部部材45は、積層方向Zから見て、少なくとも重なり領域Rの第1方向Xにおける第1領域端R1から第2領域端R2にわたって配置されている。内部部材45を構成する材料は、融点がスペーサ50を構成する樹脂及び筒部材60を構成する樹脂より高い。【選択図】図2

Description

本発明は、蓄電装置に関する。
蓄電装置としては、複数積層する集電体と、正極活物質層と、負極活物質層と、スペーサと、を備えたものが知られている。正極活物質層は、集電体の積層方向における集電体の一方面に配置されている。負極活物質層は、積層方向における集電体の一方面と反対側の他方面に配置されている。スペーサは樹脂製であり、積層方向において隣り合う2つの集電体の間に配置されている。
また、特許文献1に記載の蓄電装置は、スペーサを貫通する樹脂製の筒部材を備えている。蓄電装置の内部への電解液の注入は、筒部材を介して行われている。
特開2012-59450号公報
集電体に対してスペーサの熱溶着を行う場合、スペーサの昇温に伴って筒部材も昇温する。筒部材が溶融するまで昇温すると、筒部材の内面同士が溶着することにより筒部材が塞がるおそれがある。
上記課題を解決する蓄電装置は、積層方向に複数積層する集電体と、前記集電体の第1面に配置される正極活物質層と、前記積層方向において前記第1面とは反対側の前記集電体の第2面に配置される負極活物質層と、前記積層方向において隣り合う2つの前記集電体のうち、一方の前記集電体の前記第1面と、他方の前記集電体の前記第2面との間に配置されて一方の前記集電体及び他方の前記集電体に溶着されるとともに、前記正極活物質層及び前記負極活物質層を囲うように配置される樹脂製のスペーサと、前記積層方向に直交する直交方向において前記スペーサを貫通する樹脂製の筒部材と、を備える蓄電装置であって、前記筒部材の内部に配置される内部部材を備え、前記第1面及び前記第2面において前記スペーサが溶着する部分を被溶着部とするとき、前記筒部材は、前記積層方向から見て、前記被溶着部と重なる重なり領域を備え、前記内部部材は、前記積層方向から見て、少なくとも前記重なり領域の前記直交方向における一端から他端にわたって配置されており、前記内部部材を構成する材料は、融点が前記スペーサを構成する樹脂及び前記筒部材を構成する樹脂より高いことを特徴とする。
上記構成によれば、集電体に対するスペーサの熱溶着時に、筒部材を構成する樹脂の融点よりも高い温度に筒部材が昇温したとしても、積層方向における筒部材の内面の間に内部部材が介在するため、筒部材の内面同士の溶着を抑制できる。したがって、集電体に対するスペーサの熱溶着時に筒部材が塞がることを抑制できる。
蓄電装置において、前記内部部材は多孔質材料からなることが好ましい。
上記構成によれば、内部部材が保水機能を有するため、蓄電装置の内部から筒部材へと電解液が流入しても、内部部材によって電解液を留めることができる。したがって、筒部材を介して蓄電装置の内部から外部へと電解液が流出することを抑制できる。
前記積層方向における前記正極活物質層と前記負極活物質層との間に配置されたセパレータを蓄電装置が備える場合、前記内部部材は前記セパレータと一体であることが好ましい。
上記構成によれば、蓄電装置の構成部材を利用して、集電体に対するスペーサの熱溶着時における筒部材の閉塞を抑制できる。したがって、筒部材の閉塞抑制のために蓄電装置の構成部材とは別部材を配置する場合と比較して、部品点数の増大を抑制できる。
この発明によれば、集電体に対するスペーサの熱溶着時に筒部材が塞がることを抑制できる。
蓄電装置を示す断面図。 蓄電装置の一部を拡大して示す断面図。 筒部材及び内部部材を示す断面図。 セルスタックとして積層される前の蓄電セルを示す断面図。 第1端部が閉塞されていない筒部材を示す模式図。 正極集電体及び負極集電体へのスペーサの溶着について説明するための断面図。 筒部材に注液ノズルを挿入する様子について説明するための断面図。 筒部材を用いて空間に電解液を注入する様子について説明するための断面図。 折り曲げられた筒部材のフィルムを戻す様子について説明するための断面図。 筒部材の第1端部を溶着する様子について説明するための断面図。 他の実施例における筒部材及びセパレータを示す断面図。 他の実施例における蓄電装置の一部を拡大して示す断面図。
以下、蓄電装置を具体化した実施形態について、図1~図10を用いて説明する。なお、蓄電装置は、例えば、フォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリに用いられる蓄電モジュールである。本実施形態の蓄電装置はリチウムイオン二次電池である。
図1に示すように、蓄電装置10は、セルスタック11と、正極通電板12bと、負極通電板12aと、を備える。正極通電板12b及び負極通電板12aは、セルスタック11を挟んで互いに対向している。正極通電板12b及び負極通電板12aは、金属製の良導電性材料で構成されている。セルスタック11、正極通電板12b、及び負極通電板12aは、積層方向Zに積層している。積層方向Zは、正極通電板12b及び負極通電板12aにおける外面のうち、セルスタック11と隣接する外面に垂直をなす方向である。セルスタック11は、複数の蓄電セル20が積層方向Zに積層された積層体である。
正極通電板12b及び負極通電板12aは、それぞれセルスタック11と電気的に接続している。図示は省略しているが、正極通電板12b及び負極通電板12aの各々には端子が接続されている。この端子を通じて蓄電装置10の充放電が行われる。
セルスタック11、正極通電板12b、及び負極通電板12aは、積層方向Zにおける両側から拘束ユニット等によって拘束されている。これにより、積層方向Zにおける拘束荷重がセルスタック11、正極通電板12b、及び負極通電板12aに付与されている。
各蓄電セル20は、正極31と、負極21と、セパレータ40と、を備える。正極31は、正極集電体32と、正極集電体32の一方面である正極表面32aに配置される正極活物質層33と、を備える。正極集電体32は、正極表面32aの裏面である正極裏面32bに正極活物質層33を有さない。
負極21は、負極集電体22と、負極集電体22の一方面である負極表面22aに配置される負極活物質層23と、を備える。負極集電体22は、負極表面22aの裏面である負極裏面22bに負極活物質層23を有さない。
本実施形態において、正極集電体32及び負極集電体22は、積層方向Zから見た平面視で矩形状をなす。正極活物質層33は、積層方向Zから見た平面視で、正極集電体32よりも小さい矩形状をなす。負極活物質層23は、積層方向Zから見た平面視で、負極集電体22よりも小さく、且つ正極活物質層33よりも大きい矩形状をなす。
正極集電体32を積層方向Zから見た平面視で、正極集電体32の二辺が延びる方向を第1方向Xといい、正極集電体32の残りの二辺が延びる方向を第2方向Yという。図示は省略しているが、負極集電体22を積層方向Zから見た平面視で、負極集電体22の二辺は第1方向Xに延びており、負極集電体22の残りの二辺は第2方向Yに沿って延びている。第1方向Xは、積層方向Zと直交する方向である。第2方向Yは、積層方向Z及び第1方向Xの両方向と直交する方向である。第1方向X及び第2方向Yは、積層方向Zに直交する直交方向に相当する。
セパレータ40は、積層方向Zにおける正極活物質層33と負極活物質層23との間に位置する。セパレータ40を介して、正極活物質層33と負極活物質層23とは積層方向Zに対向している。積層方向Zから見た平面視で、正極活物質層33の全体がセパレータ40を介して負極活物質層23と重なっている。
セパレータ40は、正極活物質層33と負極活物質層23との間をイオンが移動することができる多孔質材料からなる。セパレータ40は、正極31と負極21とを隔離する。セパレータ40は、正極31及び負極21の接触による短絡を防止しつつ、リチウムイオン等の電荷担体を通過させる部材である。セパレータ40は、接着剤やホットプレス等の公知の手法により正極活物質層33及び負極活物質層23に接着していてもよい。
セパレータ40は樹脂製である。セパレータ40を構成する材料としては、例えば、ポリプロピレン(PP)及びポリエチレンといったポリオレフィン、及びポリエステル等の種々の材料が採用可能である。本実施形態においては、ポリプロピレンによって構成されたセパレータ40を例示する。
セパレータ40は、積層方向Zから見た平面視で、正極活物質層33及び負極活物質層23よりも大きい矩形状をなすとともに、中央部分が正極活物質層33及び負極活物質層23の各々の全体と重なっている。セパレータ40を積層方向Zから見た平面視で、セパレータ40の二辺は第1方向Xに延びており、セパレータ40の残りの二辺は第2方向Yに延びている。
図1に示すように、蓄電装置10はスペーサ50を備える。スペーサ50は、積層方向Zにおいて隣り合う正極集電体32と負極集電体22とのうち、正極集電体32の正極表面32aと負極集電体22の負極表面22aとの間に配置されている。スペーサ50は、絶縁材料を含み、正極集電体32と負極集電体22との間を絶縁することによって、それら両集電体間の短絡を防止する。
スペーサ50を積層方向Zから見た平面視において、スペーサ50は四角枠状をなしている。スペーサ50は、第1方向X及び第2方向Yにおいて、正極活物質層33及び負極活物質層23を囲うように配置されている。スペーサ50は、4つの縁部によって正極活物質層33及び負極活物質層23を囲んでいる。スペーサ50の2つの縁部は、第1方向Xにおいて正極活物質層33及び負極活物質層23と並んでいる。スペーサ50の2つの縁部は、第2方向Yにおいて正極活物質層33及び負極活物質層23と並んでいる。スペーサ50は、積層方向Zにおいて隣り合う正極集電体32及び負極集電体22のうち、正極集電体32の正極表面32aと、負極集電体22の負極表面22aと、に溶着している。
スペーサ50は樹脂製である。スペーサ50を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、変性ポリプロピレン(変性PP)、ABS樹脂、及びAS樹脂等、種々の樹脂材料が挙げられる。本実施形態においては、ポリエチレンによって構成されたスペーサ50を例示する。
蓄電セル20の内部には、積層方向Zにおいて隣り合う正極集電体32及び負極集電体22と、スペーサ50と、によって空間Sが区画形成されている。空間Sには、正極活物質層33、負極活物質層23、セパレータ40、及び電解液が収容されている。
なお、正極集電体32及び負極集電体22は、化学的に不活性な電気伝導体である。正極集電体32及び負極集電体22を構成する材料としては、例えば、金属材料、導電性樹脂材料、及び導電性無機材料等を用いることができる。導電性樹脂材料としては、例えば、導電性高分子材料や、非導電性高分子材料に導電性フィラーが添加された樹脂等が挙げられる。正極集電体32及び負極集電体22は、金属材料、導電性樹脂材料、又は導電性無機材料などの電気導電体により構成される1以上の層を含む複数層を備えてもよい。
正極集電体32の表面及び負極集電体22の表面に、メッキ処理又はスプレーコート等の公知の方法により被覆層を形成してもよい。正極集電体32及び負極集電体22は、例えば、板状、箔状、シート状、フィルム状、及びメッシュ状等の形態に形成されていてもよい。
正極集電体32及び負極集電体22を金属箔とする場合、例えば、アルミニウム箔、銅箔、ニッケル箔、チタン箔又はステンレス鋼箔等を用いることができる。正極集電体32及び負極集電体22としてステンレス鋼箔を用いた場合、正極集電体32及び負極集電体22の機械的強度を確保することができる。ステンレス鋼箔としては、例えばJISG4305:2015にて規定されるSUS304、SUS316、及びSUS301等が挙げられる。正極集電体32及び負極集電体22は、上記金属の合金箔又はクラッド箔であってもよい。箔状の正極集電体32及び負極集電体22を用いる場合、その厚みは、例えば、1~100μmとしてもよい。
正極通電板12bを構成する材料には、正極集電体32を構成する材料と同じ材料を用いることができる。負極通電板12aを構成する材料には、負極集電体22を構成する材料と同じ材料を用いることができる。正極通電板12b及び負極通電板12aは、正極集電体32及び負極集電体22よりも厚い金属板で構成してもよい。
正極活物質層33は、リチウムイオン等の電荷担体を吸蔵及び放出し得る正極活物質を含む。正極活物質としては、層状岩塩構造を有するリチウム複合金属酸化物、スピネル構造の金属酸化物、及びポリアニオン系化合物等、リチウムイオン二次電池の正極活物質として使用可能なものを採用すればよい。また、2種以上の正極活物質を併用してもよい。
負極活物質層23は、リチウムイオンなどの電荷担体を吸蔵及び放出可能である単体、合金、又は化合物であれば、特に限定はなく使用可能である。例えば、負極活物質としては、炭素、金属化合物、及びリチウムと合金化可能な元素もしくはその化合物等が挙げられる。炭素としては、天然黒鉛、人造黒鉛、ハードカーボン(難黒鉛化性炭素)、及びソフトカーボン(易黒鉛化性炭素)を挙げることができる。人造黒鉛としては、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ等が挙げられる。リチウムと合金化可能な元素の例としては、シリコン(ケイ素)及びスズが挙げられる。
正極活物質層33及び負極活物質層23を単に活物質層ともいう。活物質層は、必要に応じて電気伝導性を高めるための導電助剤、結着剤、電解質(ポリマーマトリクス、イオン伝導性ポリマー、電解液等)、及びイオン伝導性を高めるための電解質支持塩(リチウム塩)等をさらに含み得る。活物質層に含まれる成分、当該成分の配合比、及び活物質層の厚さは特に限定されず、リチウムイオン二次電池についての従来公知の知見が適宜参照され得る。活物質層の厚みは、例えば2~150μmである。正極集電体32及び負極集電体22の表面に活物質層を形成させるには、ロールコート法等の従来から公知の方法を用いてもよい。正極31及び負極21の熱安定性を向上させるために、正極表面32a及び負極表面22aの少なくとも一方、又は活物質層の表面に、耐熱層を設けてもよい。耐熱層は、例えば、無機粒子と結着剤とを含み、その他に増粘剤等の添加剤を含んでもよい。
導電助剤は、正極31又は負極21の導電性を高めるために添加される。導電助剤は、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、及びグラファイト等である。
結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、ポリアクリル酸及びポリメタクリル酸等のアクリル系樹脂、スチレン-ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム等のアルギン酸塩、水溶性セルロースエステル架橋体、デンプン-アクリル酸グラフト重合体を例示することができる。これらの結着剤は、単独で又は複数で用いられ得る。溶媒には、例えば、水、N-メチル-2-ピロリドン等が用いられる。
セパレータ40は、例えば、電解質を吸収保持するポリマーを含む多孔性シート又は不織布であってもよい。セパレータ40は、単層構造又は多層構造を有してもよい。多層構造は、例えば、耐熱層としてのセラミック層等を有してもよい。セパレータ40は、電解質が含浸されてもよく、セパレータ40自体を高分子電解質又は無機型電解質等の電解質で構成してもよい。
セパレータ40に含浸される電解質としては、例えば、非水溶媒と非水溶媒に溶解した電解質塩とを含む液体電解質である電解液、又はポリマーマトリックス中に保持された電解質を含む高分子ゲル電解質等が挙げられる。
セパレータ40に電解液が含浸される場合、その電解質塩として、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(FSO、LiN(CFSO等の公知のリチウム塩を使用できる。また、非水溶媒として、環状カーボネート類、環状エステル類、鎖状カーボネート類、鎖状エステル類、及びエーテル類等の公知の溶媒を使用できる。なお、これら公知の溶媒材料を二種以上組合せて用いてもよい。
本実施形態における正極集電体32はアルミニウム箔である。本実施形態における負極集電体22は銅箔である。本実施形態における正極活物質層33は、複合酸化物としてのオリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO)を含む。本実施形態における負極活物質層23は、炭素系材料としての黒鉛を含む。本実施形態において、セパレータ40には電解液が含浸されている。
図2に示すように、各蓄電セル20は筒部材60を備える。筒部材60は、積層方向Zに直交する直交方向である第1方向Xにおいて、スペーサ50を貫通している。筒部材60の軸方向は、第1方向Xに一致している。筒部材60は、空間Sから空間Sの外部に向かって延びている。
筒部材60は樹脂製である。筒部材60を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、変性ポリプロピレン(変性PP)、ABS樹脂、及びAS樹脂等、種々の樹脂材料が挙げられる。本実施形態においては、ポリエチレンによって構成された筒部材60を例示する。
筒部材60は、2枚の樹脂製のフィルム60aによって形成されてもよい。フィルム60aは平面視で長方形状をなす。フィルム60aの長辺は第1方向Xに延びている。フィルム60aの短辺は第2方向Yに延びている。筒部材60を軸方向に沿って外側から見た軸方向視において、筒部材60は、積層方向Zにおける寸法が第2方向Yにおける寸法よりも小さい扁平形状である。
筒部材60の第1方向Xにおいて、一端を第1端部60bといい、他端を第2端部60cという。第1端部60bは空間Sの外部に位置する。第2端部60cは空間Sの内部に位置する。第1端部60b及び第2端部60cは、スペーサ50の内部からスペーサ50の外部に突出している。筒部材60のうち、第1方向Xにおける第1端部60bと第2端部60cとの間の部分は、スペーサ50の内部に位置している。
図3に示すように、筒部材60は、第1溶着部61及び第2溶着部62を備えている。第1溶着部61は、筒部材60の第2方向Yにおける両端部に位置する。第2溶着部62は第1端部60bに位置する。第1溶着部61及び第2溶着部62において、2枚のフィルム60aが互いに溶着している。第1端部60bは、第2溶着部62によって閉塞している。第2端部60cは、フィルム60aが互いに溶着されていない。第2端部60cは空間Sに開口している。
2枚のフィルム60aのうち、第1溶着部61及び第2溶着部62が形成されない部分によって、筒部材60の内部空間が区画形成されている。この筒部材60の内部空間を通路部63という。通路部63は、第2端部60cを介して空間Sに連通している。
次に、積層されてセルスタック11を構成する前の蓄電セル20について、スペーサ50及び筒部材60の構成を中心にさらに詳しく説明する。
図4に示すように、スペーサ50は、スペーサ本体56及びスペーサ端部57を備える。スペーサ本体56は、積層方向Zにおいて隣り合う正極集電体32の正極表面32aと負極集電体22の負極表面22aと、の間に配置されている。スペーサ端部57は、スペーサ本体56から正極集電体32及び負極集電体22よりも外側に延びている。
筒部材60の第2溶着部62は、正極活物質層33及び負極活物質層23への電解液の含浸が完了した後に第1端部60bに形成される。正極活物質層33及び負極活物質層23への電解液の含浸は、筒部材60が第2溶着部62によって閉塞されていない状態で行う。
正極活物質層33及び負極活物質層23への電解液の含浸は、蓄電セル20の内部の空間Sに電解液を注入することで行う。蓄電セル20の内部の空間Sに電解液を注入する際、筒部材60は空間Sに電解液を注入するための注入口として機能する。空間Sへの電解液の注入に際しては、例えば筒部材60に注液ノズルを挿入する。注液ノズルを通じて、空間Sへの電解液の注入を行うことができる。
空間Sへの電解液の含浸が完了した後、第1端部60bに第2溶着部62が形成される。第2溶着部62によって第1端部60bが閉塞した状態で、蓄電セル20が複数積層されてセルスタック11を構成している。
正極集電体32の正極表面32aと負極集電体22の負極表面22aにおいて、スペーサ50が溶着する部分を被溶着部27という。被溶着部27は、正極表面32a及び負極表面22aにおいて、スペーサ本体56に対して積層方向Zに重なる部分である。
被溶着部27は、積層方向Zから見た平面視において、正極集電体32及び負極集電体22の周縁部に沿って四角枠状をなすように位置している。被溶着部27は、図示するように、正極集電体32及び負極集電体22の第1方向Xにおける両端縁部に沿って位置する。この被溶着部27は、正極表面32a及び負極表面22aの各々において、第1方向Xにおける各端部から範囲L1に位置している。
被溶着部27は、図示は省略しているが、正極集電体32及び負極集電体22の第2方向Yにおける両端縁部に沿って位置する。この被溶着部27は、正極表面32a及び負極表面22aの各々において、第1方向Xにおける各端部から所定の範囲に位置している。
筒部材60は、積層方向Zから見て、被溶着部27と重なる重なり領域Rを備える。第1方向Xにおける重なり領域Rの寸法は、第1方向Xにおける被溶着部27の範囲L1と同じである。第2方向Yにおける重なり領域Rの寸法は、第2方向Yにおけるフィルム60aの寸法と同じである。重なり領域Rは、2枚のフィルム60a、第1溶着部61、及び通路部63において、積層方向Zから見て被溶着部27と重なる部分から構成される。
直交方向である第1方向Xにおいて、重なり領域Rの一端を第1領域端R1といい、重なり領域Rの他端を第2領域端R2という。第1領域端R1は、第2領域端R2よりも、第1方向Xにおいて筒部材60の第1端部60bに近い位置にある。
図3に示すように、蓄電装置10は、筒部材60の内部に配置される内部部材45を備える。内部部材45は、積層方向Zから見た平面視で長方形状をなす。内部部材45を積層方向Zから見た平面視において、内部部材45の長辺は第1方向Xに延びており、内部部材45の短辺は第2方向Yに延びている。
内部部材45の第2方向Yにおける寸法は、筒部材60の第2方向Yにおける第1溶着部61同士の間の寸法よりも若干小さく設定されている。内部部材45は、第2方向Yにおいて、筒部材60の第1溶着部61同士の間に位置している。内部部材45は、2枚のフィルム60aと積層方向Zにおいて重なっている。内部部材45は、一方のフィルム60aに接着されていてもよい。
図4に示すように、内部部材45は、積層方向Zから見て、少なくとも重なり領域Rの第1方向Xにおける第1領域端R1から第2領域端R2にわたって配置されている。本実施形態の内部部材45は、第1方向Xにおいて第1領域端R1及び第2領域端R2の各々を超えて、通路部63に配置されている。具体的には、第1方向Xにおける内部部材45の寸法は、第1方向Xにおける重なり領域Rの寸法よりも大きい。内部部材45は、通路部63のうち、第1方向Xにおける第2端部60cから第2溶着部62の手前までの範囲に位置している。積層方向Zにおいて、正極表面32a及び負極表面22aの被溶着部27と、スペーサ本体56と、筒部材60と、内部部材45と、が並んでいる。
内部部材45は多孔質材料からなる。本実施形態の内部部材45は樹脂製である。内部部材45を構成する材料としては、例えば、ポリプロピレン(PP)及びポリエチレンといったポリオレフィン、及びポリエステル等の種々の材料が採用可能である。本実施形態においては、ポリプロピレンによって構成された内部部材45を例示する。
本実施形態において、スペーサ50及び筒部材60はポリエチレンによって構成されている。内部部材45を構成するポリプロピレンは、融点がポリエチレンより高い。そのため、内部部材45を構成する材料は、融点がスペーサ50を構成する樹脂及び筒部材60を構成する樹脂より高いと言える。
次に、積層されてセルスタック11を構成した状態で、蓄電セル20の構成について、さらに詳しく説明する。
図1に示すように、積層方向Zに隣り合う2つの蓄電セル20のうち、一方の蓄電セル20の正極裏面32bと、他方の蓄電セル20の負極裏面22bと、が互いに接する。これにより、積層方向Zに隣り合う2つの蓄電セル20において、一方の蓄電セル20の正極31と他方の蓄電セル20の負極21とが接している。
互いに接する正極31及び負極21によって疑似的なバイポーラ電極25が形成されている。互いに接する正極集電体32及び負極集電体22が、バイポーラ電極25の電極体として機能する。1つのバイポーラ電極25は、積層方向Zにおいて互いに接する正極集電体32及び負極集電体22と、正極活物質層33及び負極活物質層23と、を含む。バイポーラ電極25は、積層方向Zにおいてセパレータ40と交互に積層されている。
1つのバイポーラ電極25を構成する正極集電体32及び負極集電体22の組を、1つの集電体26という。集電体26は、積層方向Zに複数積層する。正極表面32aは、積層方向Zにおける集電体26の一方面である。負極表面22aは、積層方向Zにおける集電体26の他方面である。以下では、正極表面32aを集電体26の第1面26bともいい、負極表面22aを集電体26の第2面26aともいう。第2面26aは、積層方向Zにおいて第1面26bとは反対側の集電体26の面である。正極活物質層33は、集電体26の第1面26bに配置されるといえる。負極活物質層23は、集電体26の第2面26aに配置されるといえる。
スペーサ50は、積層方向Zにおいて隣り合う2つの集電体26のうち、一方の集電体26の第1面26bと、他方の集電体26の第2面26aと、に溶着するといえる。被溶着部27は、集電体26の第1面26b及び第2面26aにおいてスペーサ50が溶着する部分といえる。
蓄電装置10は、積層方向Zにおける一端に正極31を備えるとともに、積層方向Zにおける他端に負極21を備える。正極通電板12bは、積層方向Zにおける一端に位置する正極31の正極集電体32に電気的に接続される。負極通電板12aは、積層方向Zにおける他端に位置する負極21の負極集電体22に電気的に接続される。
積層方向Zに隣り合う蓄電セル20において、スペーサ50のスペーサ端部57同士が接合されて一体化している。積層方向Zにおいて積層する全ての蓄電セル20のスペーサ端部57が一体化している。一体化されたスペーサ端部57を封止体57aという。
封止体57aは、正極集電体32及び負極集電体22の周縁部を覆っている。封止体57aは、積層方向Zにおいてセルスタック11の一端に配置された正極集電体32から、積層方向Zにおいてセルスタック11の他端に配置された負極集電体22まで延びている。なお、接合方法としては、例えば、熱溶着、超音波溶着、及び赤外線溶着等が挙げられる。
スペーサ50は、正極31と負極21との間の空間Sを封止する封止部としても機能する。スペーサ50は、空間Sに収容された電解液が蓄電装置10の外部に漏れることを防止し得る。スペーサ50は、蓄電装置10の外部から空間Sへと水分が侵入することを防止し得る。さらに、スペーサ50は、例えば充放電反応等により正極31又は負極21から発生したガスが蓄電装置10の外部に漏れることを防止し得る。
次に、蓄電セル20の製造手順について説明する。
蓄電セル20は、負極21、セパレータ40、及び正極31を積層方向Zに順次積み重ねて形成する。スペーサ50も同様に積み重ねられることで、スペーサ50は積層方向Zにおける負極集電体22と正極集電体32との間に配置される。このときのスペーサ50は、負極集電体22及び正極集電体32に溶着していない。また、このときのスペーサ50は、内部に筒部材60を配置可能な構成を有している。例えば、スペーサ50は、積層方向Zに分かれた2つの部材から構成されていてもよいし、第1方向Xに貫通する貫通孔を有するように構成されていてもよい。
図5に示すように、スペーサ50に配置されるときの筒部材60は、第2溶着部62と、第1方向Xにおける第1端部60b寄りの部分における第1溶着部61と、を有さない。このときの筒部材60は、第1方向Xにおける第1端部60b寄りの部分で、2枚のフィルム60aが互いに固定していない。2枚のフィルム60aのうち、互いに固定されていない部分を非固定部65という。
筒部材60は、内部部材45を内部に有した状態で、スペーサ50の内部に配置される。これにより、正極集電体32、スペーサ50、筒部材60、内部部材45、及び負極集電体22が積層方向Zにおいて積み重なった状態となる。
つづいて、図6に示すように、スペーサ50を正極集電体32及び負極集電体22に溶着する。正極集電体32及び負極集電体22へのスペーサ50の溶着は、例えば溶着治具81を用いて行ってもよい。溶着治具81を正極裏面32bの周縁部に当接させると、正極集電体32を介して、溶着治具81から正極表面32aと接するスペーサ50へと熱が伝達される。溶着治具81を負極裏面22bの周縁部に当接させると、負極集電体22を介して、溶着治具81から負極表面22aと接するスペーサ50へと熱が伝達される。スペーサ50は、熱の伝達を受けて溶融し、正極表面32a及び負極表面22aに溶着する。
溶着治具81によるスペーサ50の溶着により、正極表面32aの周縁部及び負極表面22aの周端縁は、スペーサ50が溶着された被溶着部27となる。被溶着部27は、正極表面32a及び負極表面22aの各々において、第1方向Xにおける各端部から範囲L1に形成される。
なお、溶着治具81によるスペーサ50の溶融によって、スペーサ50は筒部材60に対しても溶着する。これにより、正極集電体32及び負極集電体22へのスペーサ50の溶着と併せて、スペーサ50の内部への筒部材60の固定が完了する。
つづいて、図7に示すように、蓄電セル20の空間Sへの電解液の注入を行う。電解液の注入に際しては、非固定部65を筒部材60の外側に向けて折り曲げる。非固定部65が折り曲げられた筒部材60に対して、注液ノズル82を挿入する。
図8に示すように、注液ノズル82は、通路部63及び第2端部60cを通過して、空間Sまで挿入される。このとき、筒部材60は注液ノズル82によって押し広げられるため、通路部63の通路断面積が大きくなる。筒部材60を軸方向に沿って外側から見た軸方向視において、筒部材60は、積層方向Zにおける寸法が大きくなる。
内部部材45は、一方のフィルム60aと共に積層方向Zに変位する。内部部材45が一方のフィルム60aに固定されている場合、内部部材45は固定するフィルム60aと共に変位する。注液ノズル82は、積層方向Zにおいて1枚のフィルム60aと内部部材45との間を通過する。そして、注液ノズル82から空間Sに電解液が注入される。電解液の注入が完了すると、注液ノズル82が筒部材60の内部から引き抜かれる。
図9に示すように、注液ノズル82が引き抜かれた後の筒部材60は、注液ノズル82が筒部材60の内部に挿入される前の状態まで通路部63の通路断面積が小さくなる。筒部材60を軸方向に沿って外側から見た軸方向視において、筒部材60の形状は、積層方向Zにおける寸法が第2方向Yにおける寸法よりも小さい扁平形状に戻る。
注液ノズル82が引き抜かれた後の筒部材60において、筒部材60の外側への非固定部65の折り曲げを戻す。これにより、図9に一点鎖線で示すように、非固定部65を含む筒部材60の全体で、筒部材60の軸線が第1方向Xに延びた状態になる。
つづいて、蓄電セル20への初期充電を行う。初期充電に伴って、空間Sにガスが発生する。このガスは、筒部材60を介して空間Sから蓄電セル20の外部へと排出される。
次に、図10に示すように、溶着治具83を用いて、非固定部65を構成するフィルム60a同士を溶着する。具体的には、溶着治具83は、積層方向Zにおける両側から非固定部65を挟みつつ、2枚のフィルム60aに熱を伝達する。これにより、第2溶着部62と、第1方向Xにおける第1端部60b寄りの部分に位置する第1溶着部61と、が筒部材60に形成される。第1溶着部61によって筒部材60の第1端部60bが閉塞される。そして、蓄電セル20を複数積層してセルスタック11を形成する。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図6に示すように、筒部材60における重なり領域Rは、積層方向Zから見て、集電体26の第1面26b及び第2面26aにおける被溶着部27と重なる。正極集電体32及び負極集電体22に対するスペーサ50の熱溶着時、筒部材60の内部には内部部材45が配置されている。内部部材45は、積層方向Zから見て、少なくとも重なり領域Rの第1方向Xにおける一端である第1領域端R1から他端である第2領域端R2にわたって配置されている。
正極集電体32及び負極集電体22に対するスペーサ50の熱溶着時に、筒部材60を構成する樹脂の融点よりも高い温度に筒部材60が昇温したとしても、積層方向Zにおける筒部材60の内面の間に内部部材45が介在する。内部部材45を構成するポリプロピレンは、スペーサ50及び筒部材60を構成するポリエチレンよりも融点が高い。そのため、筒部材60の内面同士の溶着を抑制できる。筒部材60の内面同士が溶着しないため、通路部63の閉塞を抑制できる。
正極集電体32及び負極集電体22に対するスペーサ50の熱溶着後に、空間Sへの電解液の注入を行う。このとき、筒部材60の通路部63が閉塞していないため、注液ノズル82を筒部材60に挿入できる。そのため、筒部材60を用いて空間Sへの電解液の注入を行うことができる。
上記実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)内部部材45は、筒部材60の内部に配置される。内部部材45は、積層方向Zから見て、少なくとも重なり領域Rの第1方向Xにおける第1領域端R1から第2領域端R2にわたって配置されている。内部部材45を構成する材料は、融点がスペーサ50を構成する樹脂及び筒部材60を構成する樹脂より高い。そのため、正極集電体32及び負極集電体22に対するスペーサ50の熱溶着時に、内部部材45によって、筒部材60の内面同士の溶着を抑制できる。したがって、正極集電体32及び負極集電体22に対するスペーサ50の熱溶着時に筒部材60が塞がることを抑制できる。
(2)多孔質材料からなる内部部材45が筒部材60の内部に配置されている。そのため、内部部材45が保水機能を有するため、蓄電装置10の内部から筒部材60へと電解液が流入しても、内部部材45によって電解液を留めることができる。したがって、筒部材60を介して蓄電装置10の内部から外部へと電解液が流出することを抑制できる。
(3)非固定部65を筒部材60の外側に向けて折り曲げた状態で、筒部材60に対する注液ノズル82の抜き差しを行っている。そのため、非固定部65には注液ノズル82が接触しにくいため、非固定部65に電解液が付着しにくい。非固定部65を溶着する際に、溶着箇所への電解液の付着による溶着精度の低下を抑制できる。したがって、筒部材60の第1端部60bを精度よく閉塞できる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○ 図11及び図12に示すように、セパレータ40はセパレータ延設部40bを備えてもよい。セパレータ延設部40bは、上記実施形態における内部部材45と同様に機能する。すなわち、内部部材はセパレータ40と一体であると言える。この変更例について、以下に具体的に説明する。
図11に示すように、セパレータ延設部40bは、セパレータ40の縁部から延びている。セパレータ延設部40bは、積層方向Zから見た平面視で長方形状をなす。セパレータ延設部40bの長辺は第1方向Xに延びており、セパレータ延設部40bの短辺は第2方向Yに延びている。
セパレータ延設部40bは、筒部材60の内部に配置される。すなわち、セパレータ延設部40bは、筒部材60の内部に配置される内部部材に相当する。セパレータ延設部40bを構成する材料は、上記実施形態において挙げられたセパレータ40の材料及び内部部材45の材料と同様である。すなわち、セパレータ延設部40bを構成する材料としては、例えば、ポリプロピレン(PP)及びポリエチレンといったポリオレフィン、及びポリエステル等の種々の材料が採用可能である。この変更例においては、ポリプロピレンによって構成されたセパレータ延設部40bを例示する。セパレータ延設部40bを構成する材料は、融点がスペーサ50を構成する樹脂及び筒部材60を構成する樹脂より高い。
図12に示すように、セパレータ延設部40bは、筒部材60の第2端部60cから筒部材60外に延びている。筒部材60の内部に位置するセパレータ延設部40bの部分において、各種寸法及び配置位置は上記実施形態における内部部材45と同様である。すなわち、内部部材に相当するセパレータ延設部40bは、積層方向Zから見て、少なくとも重なり領域Rの第1方向Xにおける第1領域端R1から第2領域端R2にわたって配置されている。
上記変更例によれば、上記実施形態において得られる効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(4)セパレータ40の一部であるセパレータ延設部40bが筒部材60の内部に配置されている。そのため、正極集電体32及び負極集電体22に対するスペーサ50の熱溶着時に、蓄電装置10の構成部材を利用して筒部材60の閉塞を抑制できる。したがって、筒部材60の閉塞抑制のために蓄電装置10の構成部材とは別部材を配置する場合と比較して、部品点数の増大を抑制できる。
○ 内部部材45は多孔質材料からなるものに限らない。内部部材45は、筒部材60の内面に配置するテープ材や塗膜等であってもよい。この場合も、内部部材45を構成する材料として、スペーサ50を構成する樹脂及び筒部材60を構成する樹脂より融点が高い性質を有する材料を採用すれば、正極集電体32及び負極集電体22に対するスペーサ50の熱溶着時に筒部材60が塞がることを抑制できる。
この変更例において、内部部材45として撥水性を有するテープ材や塗膜を採用する場合、蓄電セル20の内部から筒部材60の内部に電解液が流入したとしても、筒部材60の内部を電解液が流れることが抑制できる。したがって、筒部材60を介して蓄電装置10の内部から外部へと電解液が流出することを抑制できる。
○ 内部部材45は、積層方向Zから見て、少なくとも重なり領域Rの第1方向Xにおける第1領域端R1から第2領域端R2にわたって配置されていれば、内部部材45の配置位置及び各種寸法の変更が可能である。上記変更例において、セパレータ延設部40bは、積層方向Zから見て、少なくとも重なり領域Rの第1方向Xにおける第1領域端R1から第2領域端R2にわたって配置されていれば、セパレータ延設部40bの配置位置及び各種寸法の変更が可能である。
○ 筒部材60の第1端部60bは、溶着以外の手段で閉塞してもよい。例えば、フィルム60aの内面同士を接着剤等によって接着することにより、第1端部60bを閉塞してもよい。第1端部60bを覆う蓋部材等を第1端部60bに取り付けることにより、第1端部60bを閉塞してもよい。
○ 筒部材60を構成するフィルム60aの枚数は、1枚であってもよいし、3枚以上であってもよい。
○ 筒部材60のスペーサ50への固定と、スペーサ50の正極集電体32及び負極集電体22への溶着と、を別工程で行ってもよい。この場合、筒部材60のスペーサ50への固定は、スペーサ50を加熱してスペーサ50を筒部材60に溶着させることにより行ってもよい。接着剤などによって筒部材60をスペーサ50に固定してもよい。スペーサ50への筒部材60の固定が済んだ後に、スペーサ50を正極集電体32及び負極集電体22に溶着してもよい。
○ 蓄電セル20は複数の筒部材60を備えてもよい。この場合、複数の筒部材60の各々の内部に、内部部材45又はセパレータ延設部40bが配置される。
○ スペーサ50、筒部材60、及び内部部材45を構成する材料を、上記実施形態と異ならせてもよい。セパレータ延設部40bを構成する材料を、上記変更例と異ならせてもよい。要するに、内部部材45及びセパレータ延設部40bを構成する材料の融点が、スペーサ50を構成する樹脂及び筒部材60を構成する樹脂よりも高い関係にあれば、スペーサ50、筒部材60、内部部材45、及びセパレータ延設部40bの各々において、構成する材料は変更可能である。
○ 筒部材60を用いた空間Sへの電解液の注入は、複数の蓄電セル20を積層してセルスタック11を形成した後に、蓄電セル20の各々に対して行ってもよい。
○ 筒部材60を用いて空間Sへの電解液の注入を行わなくてもよい。この場合の筒部材60は、例えば、初期充電後に発生するガス等、蓄電セル20の内部から外部に気体を排出させる排出通路として利用可能である。
○ バイポーラ電極25の集電体26は、上記実施形態のような正極集電体32及び負極集電体22の二つの部材からなるものに限らない。例えば、集電体26は一つの部材からなるものであってもよい。この場合、積層方向Zにおける集電体26の一方面が正極活物質層33を有する第1面26bとなる。積層方向Zにおける集電体26の他方面が負極活物質層23を有する第2面26aとなる。バイポーラ電極25の集電体26が金属基材の片面にメッキ被膜を形成したものであってもよい。例えば、アルミニウム箔の片面に銅メッキを施したものであってもよい。
○ 蓄電装置10は、例えばニッケル水素二次電池等のリチウムイオン二次電池以外の二次電池であってもよい。蓄電装置10は、電気二重層キャパシタであってもよいし、全固体電池であってもよい。
R…重なり領域、R1…第1領域端、R2…第2領域端、X…第1方向、Y…第2方向、Z…積層方向、10…蓄電装置、22…負極集電体、23…負極活物質層、26…集電体、26a…第2面、26b…第1面、27…被溶着部、32…正極集電体、33…正極活物質層、40…セパレータ、40b…セパレータ延設部、45…内部部材、50…スペーサ、60…筒部材。

Claims (3)

  1. 積層方向に複数積層する集電体と、
    前記集電体の第1面に配置される正極活物質層と、
    前記積層方向において前記第1面とは反対側の前記集電体の第2面に配置される負極活物質層と、
    前記積層方向において隣り合う2つの前記集電体のうち、一方の前記集電体の前記第1面と、他方の前記集電体の前記第2面との間に配置されて一方の前記集電体及び他方の前記集電体に溶着されるとともに、前記正極活物質層及び前記負極活物質層を囲うように配置される樹脂製のスペーサと、
    前記積層方向に直交する直交方向において前記スペーサを貫通する樹脂製の筒部材と、を備える蓄電装置であって、
    前記筒部材の内部に配置される内部部材を備え、
    前記第1面及び前記第2面において前記スペーサが溶着する部分を被溶着部とするとき、
    前記筒部材は、前記積層方向から見て、前記被溶着部と重なる重なり領域を備え、
    前記内部部材は、前記積層方向から見て、少なくとも前記重なり領域の前記直交方向における一端から他端にわたって配置されており、
    前記内部部材を構成する材料は、融点が前記スペーサを構成する樹脂及び前記筒部材を構成する樹脂より高いことを特徴とする蓄電装置。
  2. 前記内部部材は多孔質材料からなる請求項1に記載の蓄電装置。
  3. 前記積層方向における前記正極活物質層と前記負極活物質層との間に配置されたセパレータを備え、
    前記内部部材は前記セパレータと一体である請求項2に記載の蓄電装置。
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