JP5451208B2 - サーマルプリンタの制御方法およびサーマルプリンタ - Google Patents

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本発明は、サーマルプリンタの制御方法およびサーマルプリンタに関する。
サーマルプリンタは、発熱素子を有するサーマルヘッドでインクリボンを加熱することにより、インクリボンのインクを印画紙に転写させる熱転写方式のプリンタである。そのため、印画時には、印画紙にも間接的にサーマルヘッドの熱が加えられることになる。
通常、複数の層で構成される合成紙であるサーマルプリンタ用の印画紙は、サーマルヘッドの熱を受けることにより、印画面側の樹脂層が積極的に収縮を起こすため、内側にカールするような力を印画面に発生させる。
しかしながら、印画する画像ごとに印画紙が受ける熱の量は異なるため、図柄の異なる複数の画像を印画する場合には、カール量が異なった印画紙が出力されることになり、印画の品位が低下してしまうことは好ましくない。また、排出された用紙が排紙トレイに整って積載されないことも問題であった。
このような問題を解決するために、例えば特許文献1では、インクリボンにインクを塗布しない領域を設け、この領域を用いて印画紙に熱を空打ちし、各画像における印画紙への印加熱量を均一にする方法が開示されている。
特開平2−072964号公報
上述の方法では、画像を保護するためのオーバーコートを画像上に形成するようなサーマルプリンタの場合、インクリボンに、画像を形成するための複数のインク層とオーバーコート層とに加えて、空打ち専用の領域をさらに設ける必要がある。そのため、インクリボンの全長が長くなり、インクリボンカートリッジが大きくなってしまい、コストの増大につながるため、好ましくない。
そこで、本発明の目的は、コストの増大を抑えながら、印画時に発生する印画紙ごとのカール量の差を低減できるサーマルプリンタの制御方法およびサーマルプリンタを提供することである。
上述した目的を達成するために、本発明のサーマルプリンタの制御方法は、複数の発熱素子を有するサーマルヘッドの発熱によって、インクリボンに塗布されたインク層を印画紙に転写して画像を形成し、その後、インクリボンに塗布されたオーバーコート層を画像上に転写してオーバーコートを形成するサーマルプリンタの制御方法において、画像形成時に発生するサーマルヘッドの発熱量を算出する発熱量算出工程と、発熱量算出工程で算出された画像形成における発熱量に基づいて、オーバーコート形成時に発生させるサーマルヘッドの発熱量を決定する発熱量決定工程と、を含み、発熱量決定工程において、発熱量算出工程で算出された画像形成における発熱量が予め設定された所定範囲内にある場合には、画像形成における発熱量とオーバーコート形成における発熱量との総和が印画紙ごとに一定となるような発熱量を選択し、画像形成における発熱量が所定範囲の上限値より大きい場合には、オーバーコート形成に必要な最小の発熱量を選択し、画像形成時の発熱量が所定範囲の下限値より小さい場合には、オーバーコート形成において許容される最大の発熱量を選択することを特徴とする。また、本発明のサーマルプリンタは、複数の発熱素子を有するサーマルヘッドが発熱を行うことによって、インクリボンに塗布されたインク層を印画紙に転写して画像を形成し、その後、インクリボンに塗布されたオーバーコート層を画像上に転写してオーバーコートを形成するサーマルヘッドを有するサーマルプリンタにおいて、画像形成時に発生するサーマルヘッドの発熱量を算出する発熱量算出手段と、発熱量算出手段で算出された画像形成における発熱量に基づいて、オーバーコート形成時に発生させるサーマルヘッドの発熱量を決定する発熱量決定手段と、を有し、発熱量決定手段は、発熱量算出手段で算出された画像形成における発熱量が予め設定された所定範囲内にある場合には、画像形成における発熱量とオーバーコート形成における発熱量との総和が印画紙ごとに一定となるような発熱量を選択し、画像形成における発熱量が所定範囲の上限値より大きい場合には、オーバーコート形成に必要な最小の発熱量を選択し、画像形成時の発熱量が所定範囲の下限値より小さい場合には、オーバーコート形成において許容される最大の発熱量を選択することを特徴とする。
以上、本発明によれば、コストの増大を抑えながら、印画時に発生する印画紙ごとのカール量の差を低減できるサーマルプリンタの制御方法およびサーマルプリンタを提供することができる。
本発明によるサーマルプリンタの制御方法が適用されるサーマルプリンタを概略的に示す側面図である。 本発明によるサーマルプリンタの制御方法が適用されるサーマルプリンタに使用されるインクリボンを概略的に示す平面図である。 本発明の第1の実施形態におけるサーマルプリンタの制御方法が適用されるサーマルプリンタの制御系の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態におけるサーマルプリンタの制御方法において、オーバーコート形成における発熱量を決定する工程を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態におけるサーマルプリンタの制御方法が適用されるサーマルプリンタの構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態におけるサーマルプリンタの制御方法において、オーバーコート形成における発熱量を決定する工程を説明するための図である。
以下、図面を参照しながら、本発明のサーマルプリンタの制御方法の実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
はじめに、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施形態におけるサーマルプリンタの制御方法が適用されるサーマルプリンタについて、その構成と印画動作を説明する。
図1は、本実施形態に係るサーマルプリンタの構成を概略的に示す側面図であり、図2は、上記サーマルプリンタに使用されるインクリボンを概略的に示す平面図である。なお、図1では、本発明に関連したサーマルプリンタの主要部分である印画機構のみを示している。
本実施形態に係るサーマルプリンタ1は、ライン状に複数の発熱素子が成形されたセラミック基板を有するサーマルヘッド11と、サーマルヘッド11に対向するように回転可能に保持されたプラテンローラ12とを有している。サーマルヘッド11は、発熱素子がプラテンローラ12に対向するような配置で、サーマルヘッド11に結合されたサーマルヘッド駆動機構(図示せず)によって、プラテンローラ12の方向に移動可能に設けられている。これにより、サーマルヘッド11は、プラテンローラ12に対して圧接および離間することが可能となる。また、サーマルヘッド11には、セラミック基板の近傍にサーマルヘッド駆動回路34を内蔵するICドライバが搭載されており、サーマルヘッド駆動回路34にパルス信号が入力されると、それに応じて各発熱素子が発熱を行うようになっている。
サーマルプリンタ1は、サーマルヘッド11とプラテンローラ12との間に引き渡されるように配置されたインクリボン20を有している。インクリボン20は、供給ボビン13に巻かれており、リボン巻上駆動機構(図示せず)によって回転駆動される巻取ボビン14に巻き取られて、サーマルヘッド11とプラテンローラ12との間を搬送されるようになっている。図2に示すように、インクリボン20には、イエローY、マゼンタM、シアンCの各インク層とオーバーコート層OCが、インクリボン20の搬送方向(図2の矢印B参照)に対して、この順で配置されて塗布されている。各層の境界には、光透過性のない黒色のマーカ21が印刷されている。このマーカ21を、巻取ボビン14の下流側に配置され、フォトリフレクタによって構成されたリボンマーカ検知センサ15が検知することにより、インクリボン20に塗布された各色のインクの頭出しが行われることになる。さらに、印画時に最初に転写される先頭色のイエローYには、インクリボン20の搬送方向(図2の矢印B参照)に対する先頭部分に2本のマーカが印刷されており、これによって先頭色とそれ以外の色とを区別することが可能となる。
さらに、サーマルプリンタ1には、印画動作時にサーマルヘッド11とプラテンローラ12との間に配置された印画紙16を搬送可能に保持することができる用紙搬送ローラ対17、18が設けられている。用紙搬送ローラ対17、18は、用紙搬送駆動系(図示せず)を介してモータ19に接続されたグリップローラ17と、グリップローラ17の中心に向かって常に圧接するように保持されたピンチローラ18とから構成されている。モータ19は、モータ駆動回路38によって駆動され、正逆両方向に所望の角度の回転が可能である。これにより、モータ19が回転することで、グリップローラ17は正逆両方向に回転することが可能となる。
次に、本実施形態に係るサーマルプリンタの印画動作について説明する。
給紙機構(図示せず)によってサーマルプリンタ1本体内部に搬送された印画紙16は、グッリプローラ17とピンチローラ18とに狭持され、グリップローラ17の回転によって、図1に示す印画開始位置まで搬送される。
印画紙16が所定の位置まで搬送された後、巻取ボビン14が回転して、リボンマーカ検知センサ15が先頭色のイエローYの2本マーカ21を検出するまで、インクの頭出しのためのインクリボン20の搬送が行われる。
次に、サーマルヘッド11がプラテンローラ12の方向に駆動され、印画紙16およびインクリボン20が、サーマルヘッド11とプラテンローラ12との間に圧接狭持される。そして、サーマルヘッド11が所定の位置まで移動すると、サーマルヘッド11の各発熱素子が、印画されるべき入力画像に応じた選択的な発熱を行うことになる。
同時に、用紙搬送ローラ対17、18が、図1に示す印画方向Aに印画紙16を搬送し、巻取ボビン14が、インクリボン20を搬送することにより、インクリボン20のインクが印画紙16に転写されて、イエローの画像が形成される。
イエロー画像の印画が終了すると、サーマルヘッド11はプラテンローラ12から離間して、印画紙16およびインクリボン20の圧接は解除される。その後、印画紙16は、用紙搬送ローラ対17、18によって印画方向Aとは逆方向に搬送されて、再び印画開始位置にセットされる。
これ以降は、各色に対して、インクリボン20の頭出し搬送動作、サーマルヘッド11の圧接動作および印画動作、サーマルヘッド11の離間動作、印画紙11の逆搬送動作が繰り返し行われる。こうして、イエロー印画の上に、マゼンタ印画およびシアン印画が重ねて転写されて、目的の画像が形成される。
画像形成後は、巻取ボビン14が回転して、インクリボン20のオーバーコート層OCの頭出し搬送動作を行い、その後再びサーマルヘッド11をプラテンローラ12に圧接させて、オーバーコートの印画動作を行う。その際、サーマルヘッド11の全ての発熱素子は同一エネルギーで発熱を行い、印画面全体に一様にオーバーコート層を転写させる。
オーバーコートの転写が完了すると、サーマルヘッド11がプラテンローラ12から離間し、印画紙16は、用紙搬送ローラ対17、18によって図1の矢印Aの方向にそのまま搬送され、サーマルプリンタ1の排紙機構(図示せず)に受け渡される。その後、印画紙16は、排紙機構によって本体外部に配設された排紙トレイ(図示せず)に排出されて、印画動作は完了となる。
ユーザが複数の画像を入力していた場合には、再度印画紙16の給紙動作からスタートし、それ以降は、上述した一連の印画動作が繰り返し行われることになる。
次に、本実施形態におけるサーマルプリンタの制御方法、特にオーバーコートを形成する際のサーマルヘッドの発熱量に関する制御動作について説明する。
この制御動作においては、最初に、ユーザが入力した画像データから、画像形成時、つまり各色インクの印画動作を通じてサーマルヘッドに発生する発熱量を算出する発熱量算出工程が行われる。その後、発熱量算出工程で算出された画像形成における発熱量に基づいて、画像上にオーバーコートを転写させる際に発生させるサーマルヘッドの発熱量を決定する発熱量決定工程が行われることになる。
図3は、本実施形態における制御方法を実施するためのサーマルプリンタ1の制御系の構成を示すブロック図である。以下に、ユーザが入力した画像データからサーマルヘッドの発熱量が決定される、上記制御動作の流れについて、図3を参照しながら説明する。
まず、画像入力部31から入力された入力画像が画像処理部32へと送られ、画像処理が行われる。画像処理部32では、入力画像において、印刷サイズの補正が行われた後、イエロー、マゼンタ、シアンの各色データへの分解が行われる。その後、分解した各色データについて熱補正などの画像面データ処理が施されて、イエロー、マゼンタ、シアン各色の印画データが生成される。
生成された各色の印画データは、パルス変換部33により各画素の濃度に応じたパルス数データに変換され、各色の印画動作時にラインごとに分割されてサーマルヘッド駆動回路34に入力される。
それに応じて、サーマルヘッド11の各発熱素子は、ラインごとのパルス数データに基づいた発熱を繰り返すことで所定の濃度のインクを印画紙に転写させる。
一方、パルス変換部33により生成されたイエロー、マゼンタ、シアン各色のパルス数データは、発熱量算出手段35にも入力される。発熱量算出手段35によって、各パルス数データから、サーマルヘッド11の各発熱素子が発熱を行う回数の総数が求められる。そうして、イエロー、マゼンタ、シアンの各印画時に発生する発熱量がそれぞれ算出され、その総和として、画像形成時のサーマルヘッドの発熱量EYMCが算出されることになる。
こうして算出された画像形成時の発熱量EYMCは、発熱量決定手段36に入力され、そこで、画像形成における発熱量EYMCに基づいた、オーバーコート形成時に発生させるサーマルヘッド11の発熱量EOCが決定される。具体的に発熱量EOCを決定する手順については後述する。
それから、オーバーコートを印画する際の発熱量がEOCとなるような一様な濃度のベタ画像であるオーバーコート印画データが、発熱量決定手段36によって生成され、再びパルス変換部33へと送られる。
オーバーコート印画データは、各色の印画データと同様に、パルス変換部33によって濃度に応じたパルス数データに変換され、オーバーコートの印画動作時にラインごとに分割されてサーマルヘッド駆動回路34へと入力される。こうして、サーマルヘッド11の各発熱素子が各ラインごとに、入力されたパルス数だけ発熱を繰り返し、オーバーコートが印画紙に転写されることになる。
次に、上述した発熱量決定手段36によるオーバーコート印画時の発熱量EOCの決定方法について説明する。
まず、オーバーコート形成における発熱量EOCには、オーバーコートの形成に必要な最小の発熱量EOC,minと、許容される最大の発熱量EOC,maxとが存在することについて説明する。
オーバーコート形成時に発生させる発熱量EOCが最小発熱量EOC,minより小さいと、インクリボン20に塗布されたオーバーコート層OCを印画面全面に渡って溶融、転写させるだけの十分な熱エネルギーが得られないことになる。そのため、オーバーコート層の良好な転写を行うことができないという問題が発生する。
一方、許容最大発熱量EOC,maxよりも大きい熱を加えた場合、エネルギー的には十分であるが、オーバーコート層OCが印画面全面に渡って溶融、転写された後で、余った熱がインクリボン20の基材シートに蓄積されることになる。それにより、基材シートには、熱収縮が起こることで縮みしわが発生し、その箇所ではインクリボン20と印画紙16が密着できずにオーバーコートの印画が良好に行われないという問題が発生する。
したがって、オーバーコートの印画に用いることができる熱量EOCは、最小発熱量EOC,min以上かつ最大発熱量EOC,max以下の範囲に限定されることになる。
図4(a)は、本実施形態のサーマルプリンタ1において、4つの異なる図柄の画像を印画した際にサーマルヘッド11で発生する総発熱量Etotをそれぞれ棒グラフとして示した図である。ここで、縦軸に示す総発熱量Etotは、画像形成における発熱量EYMCとオーバーコート形成における発熱量EOCとの和Etot=EYMC+EOCで表される。
図中の左端の棒グラフは、画像形成時の発熱量が最大の画像、すなわちイエロー、マゼンタ、シアンの印画に用いる熱の総量が最大(EYMC,max)の画像を表しており、全面黒ベタの画像を意味する。また、図中の右端の棒グラフは、画像形成時の発熱量が0の画像、すなわちイエロー、マゼンタ、シアンの印画に用いる熱の総量が最少(EYMC,min=0)の画像を表しており、前面白ベタの画像を意味する。
また、残りの2つの棒グラフは、それぞれの画像形成時の発熱量が、
YMC,max>EYMC1>EYMC2>0
であるような画像を表している。これら2つの発熱量EYMC1、EYMC2は、オーバーコート形成時の発熱量を決定するための境界値として設定されており、印画に用いられる総発熱量が、
YMC1+EOC,min=EYMC2+EOC,max=EX
であるような関係が成り立っている。
まず、発熱量算出手段35によって算出された画像形成時の発熱量EYMCが、これら2つの境界発熱量EYMC1、EYMC2を上限値および下限値とする所定範囲内にある場合について説明する。
そのような場合には、発熱量決定手段36は、オーバーコート形成における発熱量として、印画時に投入される総発熱量Etotが印画紙ごとに常に一定となるような発熱量を選択する。つまり、画像形成時の発熱量EYMCが第1の境界発熱量EYMC1および第2の境界発熱量EYMC2である画像が入力された場合には、オーバーコート形成時の発熱量EOCとして、最小発熱量EOC,minおよび最大発熱量EOC,maxが選択される。また、画像形成時の発熱量EYMCがEYMC1>EYMC>EYMC2である場合には、オーバーコート形成時の発熱量EOCとして、総発熱量が上記に示した所定値EXとなるような適切な発熱量が選択される。選択される発熱量は、最小発熱量EOC,minから最大発熱量EOC,minまでの範囲である。
ここで、2つの境界発熱量EYMC1、EYMC2の中間値が通常一般的にサーマルプリンタの入力画像に用いられる自然画像の平均値になるように、2つの境界発熱量EYMC1、EYMC2を設定しておくことが好ましい。それにより、通常印画される画像の多くの総発熱量を一定の値EXにすることが可能となる。
一方で、画像形成時の発熱量EYMCが第1の境界発熱量EYMC1を上回る場合には、オーバーコート形成時の発熱量EOCとして、最小発熱量EOC,minが常に選択される。また、第2の境界発熱量EYMC2を下回る場合には、最大発熱量EOC,minが常に選択される。
これにより、印画時に印画紙に投入される総熱量の最大値Emaxと最小値Eminとの差ΔE1を、図4(b)に示すような常に一定の発熱量EOC,constでオーバーコート形成を行う従来の方法の場合(ΔE0)と比べて、小さくすることが可能となる。
印画完了後の印画紙に作用するカール発生力は、印画時に投入された総熱量に比例するため、上記のような構成の制御動作によって、通常印画される印画紙のカール量の多くは一定となるようにすることができる。また、発生しうるカール量の最大値と最小値の差も、従来の値より小さくすることが可能となる。
以上のように、投入される総熱量の大きい(濃度の濃い)図柄の画像を印画する際には、転写に影響の無い範囲で小さい発熱量でオーバーコート転写を行う。また、投入される熱量の小さい(濃度の薄い)図柄の画像を印画する際には、転写に影響の無い範囲で大きな発熱量でオーバーコート転写を行う。これにより、各々の印画において投入される総熱量の差を小さくすることができ、印画紙に生じるカールの大きさの差を低減することが可能となる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態におけるサーマルプリンタの制御方法について説明する。本実施形態では、本実施形態の制御方法が適用されるサーマルプリンタの構成とその印刷動作については第1の実施形態と同様であり、以下では、第1の実施形態と異なる構成についてのみ説明する。
本実施形態のサーマルプリンタの制御方法では、第1の実施形態における発熱量算出工程および発熱量決定工程に加えて、搬送速度決定工程がさらに行われる。そこでは、発熱量決定工程で決定されたオーバーコート形成における発熱量に基づいて、オーバーコート形成時の印画紙の搬送速度が決定される。本実施形態では、オーバーコート印画時の用紙搬送速度を通常(画像形成時)よりも遅くすることで、オーバーコート印画時に許容される最大発熱量を、第1の実施形態の場合の値EOC,maxよりも大きな値EOC,max2に変更することができる。
これは、用紙の搬送速度を遅くすることにより、印画紙とインクリボンとの間、およびインクリボンとサーマルヘッドとの間で発生する摩擦力が低減され、縮みしわが発生しにくくなり、印画不良発生のマージンが増えるためである。このような性質を利用して、本実施形態では、第1の実施形態における許容最大発熱量EOC,max以上の発熱量が必要となるオーバーコート印画が実施可能となる。
図5は、本実施形態における制御方法を実施するためのサーマルプリンタ1の制御系の構成を示すブロック図である。ユーザが入力した画像データからサーマルヘッドの発熱量が決定される制御動作については、第1の実施形態と同様であり、説明は省略する。
本実施形態では、発熱量決定手段36によって決定されたオーバーコート形成時の発熱量EOCが、搬送速度決定手段36に入力され、そこで、オーバーコート形成時に発生させる発熱量EOCに基づいた、オーバーコート形成時の印画紙の搬送速度が決定される。ここで決定される搬送速度は、画像形成時の用紙搬送速度である第1の速度Vnormalか、印画完了時間の遅延を許容しうる範囲で用紙の搬送速度を最小限に落とした時の第2の速度Vminかのいずれかである。具体的に用紙搬送速度を決定する手順については後述する。
その後、搬送速度決定手段37によって決定された用紙搬送速度は、モータ駆動回路38へと送られる。モータ駆動回路38は、入力された用紙搬送速度に応じて、オーバーコート印画時に用紙がそれぞれの搬送速度で搬送されるようにモータを駆動する。
次に、本実施形態における、発熱量決定手段36によるオーバーコート印画時の発熱量EOC、および搬送速度決定手段36による用紙搬送速度の決定方法について説明する。
図6は、本実施形態のサーマルプリンタにおいて、5つの異なる図柄の画像を印画した際にサーマルヘッドで発生する総発熱量Etotをそれぞれ棒グラフとして示した図である。
図6では、第1の実施形態の図4で示した4つの画像に加えて、画像形成時の発熱量EYMC3が、
YMC2>EYMC3>EYMC,min
であるような画像が示されている。この発熱量EYMC3は、新たに設定された第3の境界発熱量として設定されており、例えば第2の境界発熱量EYMC2との間に、
YMC2+EOC,max=EYMC3+EOC,max2=EX
であるような関係が成り立っている。
本実施形態におけるオーバーコート形成時の発熱量の決定方法は、画像形成時の発熱量EYMCの比較すべき上限値が、第1の実施形態における第2の境界発熱量EYMC2から第3の境界発熱量EYMC3に変更された以外は、第1の実施形態と同様である。つまり、発熱量決定手段36は、オーバーコート形成における発熱量として、最小発熱量EOC,minから最大発熱量EOC,min2までの範囲で、印画時に投入される総発熱量Etotが印画紙ごとに常に一定となるような発熱量を選択する。また、画像形成時の発熱量EYMCが第1の境界発熱量EYMC1を上回る場合、および第3の境界発熱量EYMC3を下回る場合には、それぞれ最小および最大発熱量EOC,min、EOC,max2を常に選択することになる。これらの決定方法については、図6からも見てとることができる。
一方で、第1の実施形態と比べて大きなオーバーコート形成時の発熱量、つまり第1の実施形態における最大発熱量EOC,maxよりも大きい発熱量が必要となる場合、用紙搬送速度の変更が行われることになる。すなわち、発熱量決定手段36で決定されたオーバーコート形成時の発熱量EOCが、
OC,max2≧EOC>EOC,max
の場合、用紙搬送速度は変更される。
このような場合、搬送速度決定手段38が、用紙搬送速度として第2の速度Vminを選択し、通常よりも遅い速度で印画紙を搬送することで、オーバーコート形成時の許容最大発熱量はEOC,max2まで増加可能となる。これにより、上記の発熱量範囲でのオーバーコート印画が可能となる。
以上のように、第1の実施形態の場合と比べて、印画紙に印画時に投入される総熱量の最大値Emaxと最小値Eminとの差ΔE2を、さらに小さくすることができ、したがって、発生しうるカール量の最大値と最小値の差も、より小さくすることが可能となる。さらには、本実施形態によれば、印画完了後の印画紙のカール量が一定となるような入力画像の範囲がより広がることが有利である。
1 サーマルプリンタ
11 サーマルヘッド
12 プラテンローラ
16 印画紙
20 インクリボン
35 発熱量算出手段
36 発熱量決定手段
36 搬送速度決定手段

Claims (5)

  1. 回転可能に保持されたプラテンローラと、該プラテンローラに対向するように設けられ、ライン状に配置された複数の発熱素子を有するサーマルヘッドと、複数のインク層とオーバーコート層とが塗布されたインクリボンと、を有するサーマルプリンタの制御方法であって、前記サーマルヘッドを前記インクリボンおよび印画紙を介して前記プラテンローラに圧接し、前記サーマルヘッドの発熱によって、前記インクリボンに塗布された前記インク層を前記印画紙に転写して画像を形成し、その後、前記インクリボンに塗布されたオーバーコート層を前記画像上に転写してオーバーコートを形成するサーマルプリンタの制御方法において、
    画像形成時に発生する前記サーマルヘッドの発熱量を算出する発熱量算出工程と、該発熱量算出工程で算出された画像形成における発熱量に基づいて、オーバーコート形成時に発生させる前記サーマルヘッドの発熱量を決定する発熱量決定工程と、を含み、
    前記発熱量決定工程において、前記発熱量算出工程で算出された画像形成における発熱量が予め設定された所定範囲内にある場合には、前記画像形成における発熱量とオーバーコート形成における発熱量との総和が前記印画紙ごとに一定となるような発熱量を選択し、前記画像形成における発熱量が前記所定範囲の上限値より大きい場合には、オーバーコート形成に必要な最小の発熱量を選択し、前記画像形成時の発熱量が前記所定範囲の下限値より小さい場合には、オーバーコート形成において許容される最大の発熱量を選択することを特徴とするサーマルプリンタの制御方法。
  2. 前記発熱量決定工程で決定されたオーバーコート形成における発熱量に基づいて、オーバーコート形成時の前記印画紙の搬送速度を決定する搬送速度決定工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のサーマルプリンタの制御方法。
  3. 前記搬送速度決定工程において、前記オーバーコート形成における発熱量が予め設定された所定値以下の場合には、画像形成時の前記印画紙の搬送速度である第1の速度を選択し、前記オーバーコート形成時の発熱量が前記所定値より大きい場合には、前記第1の速度よりも遅い第2の速度を選択することを特徴とする、請求項に記載のサーマルプリンタの制御方法。
  4. 前記サーマルプリンタは、画像データに基づいて前記サーマルヘッドを発熱することで画像を形成し、前記発熱量算出工程では、前記画像データに基づいて前記サーマルヘッドの発熱量を算出することを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載のサーマルプリンタの制御方法。
  5. 回転可能に保持されたプラテンローラと、該プラテンローラに対向するように設けられ、ライン状に配置された複数の発熱素子を有するサーマルヘッドと、複数のインク層とオーバーコート層とが塗布されたインクリボンと、を有するサーマルプリンタであって、前記サーマルヘッドは、前記インクリボンおよび印画紙を介して前記プラテンローラに圧接し、発熱を行うことによって、前記インクリボンに塗布された前記インク層を前記印画紙に転写して画像を形成し、その後、前記インクリボンに塗布されたオーバーコート層を前記画像上に転写してオーバーコートを形成するサーマルプリンタにおいて、
    画像形成時に発生する前記サーマルヘッドの発熱量を算出する発熱量算出手段と、該発熱量算出手段で算出された画像形成における発熱量に基づいて、オーバーコート形成時に発生させる前記サーマルヘッドの発熱量を決定する発熱量決定手段と、を有し、
    前記発熱量決定手段は、前記発熱量算出手段で算出された画像形成における発熱量が予め設定された所定範囲内にある場合には、前記画像形成における発熱量とオーバーコート形成における発熱量との総和が前記印画紙ごとに一定となるような発熱量を選択し、前記画像形成における発熱量が前記所定範囲の上限値より大きい場合には、オーバーコート形成に必要な最小の発熱量を選択し、前記画像形成時の発熱量が前記所定範囲の下限値より小さい場合には、オーバーコート形成において許容される最大の発熱量を選択することを特徴とするサーマルプリンタ。
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