JP2587471B2 - 熱転写記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は熱転写記録装置に係り、記録紙特に合成紙に
複数色の重ね合わせ記録を行なうに好適な、熱転写記録
装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、この種の熱転写記録装置としては、特開昭59−
185665号公報に記載のものがある。

この装置では、所定の間隔をもつて第１及び第２のロ
ーラが並列しておかれ、そのローラの周囲を含む長円形
の紙搬送路が設けてある。この紙搬送路内を記録紙を循
環させ、該搬送路内の一部で記録紙とインク担体（この
インク担体は帯状をしており、長手方向に沿つて前記紙
搬送路長さに等しい長さを単位として、相異なる色調の
複数の単色インク層が順次繰返し形成されている）を間
に介してサーマルヘツドを押しあて加熱し、画像情報を
記録する。そして、インク担体の色を他の色に変え、ま
た再び記録紙が１回転する間に記録を行ない、多色重ね
合わせ記録を行なつていた。

この記録装置では、記録紙は単一方向に搬送されるた
め、搬送時の負荷変動による記録紙の斜行は発生しな
い。また、記録紙寸法が大きくなつても比較的小径のプ
ラテンで済み、適合するサーマルヘツドの寸法及び装置
全体の寸法が小さくなるなどの利点を合わせ持つてい
る。

しかしながら、記録紙として合成紙を用いて記録を行
なうと、記録紙表面では、印加する熱によつて収縮が発
生してしまう。そして、全体に均一のデータに対しては
略均一に、不均一なデータに対しては不規則に記録紙が
カールしてしまう点については十分認識されていなかつ
た。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記従来技術は、記録時に記録紙表面が加熱され、熱
による収縮が発生する点について配慮されておらず、記
録後の記録紙の表裏の収縮量の差によつてカールしてし
まう問題があつた。

本発明の目的は、上記従来の問題点を解決し、記録紙
のカールを取り、画像情報記録に好適な熱転写記録装置
を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本発明においては、記録
した画像データに対応して、記録紙表面を加熱し、画像
データの各ドツト毎に印加した総熱量を略均一にする手
段を設けた。

〔作用〕

画像データの記録に用いた印加熱量に対応して、記録
紙表面を加熱し、画像データの各ドツト毎に印加した総
熱量を略等しくする。これにより、記録紙の熱による収
縮を略等しくできるので、記録後の記録紙の不均一な画
像データによる不規則なカールを取ることができる。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。

第６図は、本発明による熱転写記録装置の外観斜視図
で、１は記録紙、２は熱転写記録装置、３は排紙口、４
は給紙口である。記録紙１を給紙口４より装置２内部に
挿入すると、後述するように所定の記録がなされ、記録
終了後、排紙口３より記録紙１を排出し、装置２は所定
の動作を終了する。

第１図は、本発明による熱転写記録装置の第１の実施
例を示す内部断面図であつて、５はプラテン、６は補助
ローラ、７は搬送路、８はサーマルヘツド、９は引きは
がしローラ、10は加熱部、11はインクシート、12は供給
リール、13は巻取りリール、14はマーカ検出手段、15は
記録紙先端検出手段、16は排紙コマである。

まず、第１図を用いて全体の構成を説明する。

プラテン５は、周面をゴム等の弾性体で構成し、矢印
Ａ方向に回動する。補助ローラ６は、図示しない板バネ
等によりプラテン５の周面に圧接，回動自在に設けられ
ており、記録紙１をプラテン５周面に押しつける。搬送
路７は、プラテン５の周面に対して略一定間隔をもつて
構成され、印画紙１を案内する。サーマルヘツド８は、
図示しない支持部材により記録時には、プラテン５に圧
接され、非記録時には、プラテン５より離間する構成で
ある。インクシート11は、供給リール12に巻回されてお
り、記録に伴つて供給され、巻取りリール13に巻取られ
る。排紙コマ16は揺動可能で、点線で示す位置に揺動
し、所定の記録が終了した記録紙１を排紙口３に案内す
る。

次に記録の動作について第１図および第２図を用いて
説明する。

第２図は第１図に示す本実施例の動作フローチヤート
である。

第１図の給紙口４より挿入された記録紙１は第１図の
搬送路７へ案内される（第２図のステツプ１）。プラテ
ン５の回動に従い（ステツプ２）、記録紙１はプラテン
５および補助ローラ６によつて保持，搬送される。搬送
路７内を進んだのち、記録紙１の先端は、インクシート
11と接触，一体となつてサーマルヘツド８とプラテン５
との接触部に進む。

記録紙１の先端が記録紙先端検出手段15によつて検出
されると（ステツプ３）、図示しない記録制御手段によ
り記録が開始される（ステツプ４）。インクシート11は
後述するように、長手方向に複数色のインクが塗布され
ており、引きはがしローラ９によつて、記録紙１より分
離され、巻取りリール13に巻取られる。

記録はプラテン５の回動に伴つて進行し、記録紙１は
所定の色数に相当する回数だけ搬送路７内を周回するこ
とになる。所定の多色重ね合わせ記録が終了したのち
（ステツプ５）、さらに記録紙１は搬送路７内を進み、
記録紙先端検出手段15によつて記録紙１の先端が検出さ
れると排紙コマ16は点線で示す位置に揺動する。

ここで、所定の記録が終了した記録紙１に対して後述
するカール取りの処理が行なわれる（ステツプ６）。処
理の進行に伴つて、記録紙１は排紙口３に案内される。
後述するカール取りの処理が終了すると、記録紙１は排
紙口３より排出され（ステツプ７）、全体の動作が終了
する。

第３図はインクシート11の詳細説明図であつて、17は
先頭マーカ、18はカール取り部である。インクシート11
は長手方向に複数（例えば、イエロー、マゼンタ、シア
ン）のインクが順次塗布されている。一連のインクの先
頭には、先頭マーカ17が設けられており、第１図で示し
たマーカ検出手段14によつて、先頭マーカ17が検出され
ると、巻取りリール13が停止し、インクシート11は次の
記録の準備を完了する。最後の記録に相当するインクの
次の位置には、１色分の塗布長さと略等しい長さで、イ
ンクの塗布されていないカール取り部18が設けられてい
る。

次に第２図に示すフローの中のカール取りの処理動作
について詳細に説明する。

記録は、サーマルヘツド８によつて、インクシート11
のインク塗布部分を加熱し、記録紙１にインクを転写す
ることにより行なわれる。画像情報によつて各ドツト毎
への印加熱量が異なる。このため、記録紙１の表面で熱
によるアンバランスな収縮が発生し、結果として、記録
紙１が不規則にカールしてしまう。本発明におけるカー
ル取りの処理動作を第１図，第３図，第４図，第５図
（ａ）および第５図（ｂ）により説明する。

第４図はカール取り処理のブロツク図であつて、19は
記録する画像データ、20はカール取り制御部、21はサー
マルヘツド８の駆動部、39は切換え部、40は記録制御部
である。

第５図は横軸にサーマルヘツド８のドツト番号、縦軸
に印加する熱量をとつた場合の各ドツトの熱量の総量を
示し、（ａ）は記録時、（ｂ）はカール取り時を示して
いる。第４図の切換え部39はまず、実線方向を選択す
る。

記録制御部40は画像データ19に合わせて駆動部21を制
御し、第５図（ａ）に示すようにサーマルヘツド８によ
り各ドツト毎に熱量を印加して、所定の多色重ね合わせ
記録を行なう。そして、搬送路７内を進んだ記録紙１の
先端が記録紙先端検出手段15によつて検出されると、切
換え部39では、点線方向を選択し、カール取り制御部20
は所定の動作に入る。即ち、第５図（ｂ）に示すよう
に、各ドツトに印加した熱量の総量に対して略一定の熱
量Ｐになるように点線で示す各ドツトへの追加熱量を求
める。サーマルヘツド８の駆動部21では、カール取り制
御部20から印加すべき熱量の情報を受けとり、サーマル
ヘツド８を駆動し、カール取りの動作に入る。

カール取りの動作時には、インクシート11は第３図で
示したように、カール取り部18が位置する。

カール取り部18にはインクが塗布されていないため、
サーマルヘツド８で発生した熱は、インクシート11の生
地を介して、記録済みの記録紙１の表面に印加される。

以上の動作により、記録紙１には画像情報に対応した
熱量とカールを取るための熱量との総熱量が各ドツト毎
に略等しくなるように印加されることになる。これによ
り、記録紙１の表面では各ドツト毎に熱による収縮が略
等しくなり、印加熱量の大小による不規則なカールを取
ることができる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明によれば、第１の実施例
に示したように記録した画像データの記録時印加熱量に
対応して、サーマルヘツドにより記録紙表面を加熱し、
画像データの各ドツト毎に印加した総熱量を略等しくす
る手段を設けた。これにより、記録紙の熱による収縮が
画像データの各ドツト毎に等しくなり、全体に不均一な
画像データによる不規則なカールを取ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例の内部断面図、第２図は第
１図の熱転写記録装置の動作フローチャート、第３図は
インクシートの構成図、第４図はカール取りの処理ブロ
ック図、第５図は各ドット毎の印加熱量のグラフ図、第
６図は本発明の装置の全体斜視図である。 １……記録紙、５……プラテン、７……搬送路、８……
サーマルヘッド、11……インクシート、18……カール取
り部、19……画像データ、20……カール取り制御部。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】記録紙を搬送する搬送路と、複数色のイン
   クが順次塗布され、該インクの塗布領域の次に該塗布領
   域での１色分のインクの塗布長さと略等しい長さでイン
   クが塗布されていない部分を設けたインクシートと、プ
   ラテンと、このプラテンに該インクシートを介して接離
   するサーマルヘッドからなる記録手段とを備え、該記録
   紙の表面を該インクシートの該インク塗布領域を介して
   該サーマルヘッドで加熱することにより、該記録紙に画
   像データを記録するようにした熱転写記録装置におい
   て、 前記記録紙の前記画像データが記録された表面を前記イ
   ンクシートのインクが塗布されていない部分を介して前
   記サーマルヘッドで加熱し、該加熱による前記記録され
   た画像データの各ドット毎の印加熱量を夫々前記サーマ
   ルヘッドによる前記画像データの記録時での印加熱量の
   大きさに応じた熱量とする手段 を設け、前記記録紙の全域にわたり前記画像データの各
   ドット毎の印加総熱量を互いに略等しくしたことを特徴
   とする熱転写記録装置。