JPH08282072A - 熱転写記録方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 各色を記録するためのヘッドの位置合わせ及
び各色の画像の位置合わせを容易にする。 【構成】 搬送方向と平行に各色帯１ｙ，１ｍ，１ｃを
形成したマルチインクシートと、マルチインクシートの
各色帯１ｙ，１ｍ，１ｃのインクを受像材３に転写する
１個のサーマルヘッド２と、サーマルヘッド２をマルチ
インクシート１及び受像材３を介して圧接するプラテン
ローラ４とを備え、マルチインクシート１をプラテンロ
ーラ４の軸と直交する方向に搬送すると共に、受像材３
をプラテンローラ４に２回巻き付けてマルチインクシー
ト１に対して斜めに交差させて搬送しながら画像を記録
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は熱転写記録方法に関し、
特に複数色の色帯を形成した複数回印写が可能なマルチ
インクシートを用いてカラー画像を記録する熱転写記録
方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の熱転写記録装置においては、イエ
ロー（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）及びシアン（Ｃ）並びに必
要な場合にはブラック（Ｂｋ）の各色の色帯を所定の長
さで搬送方向に循環順序で順に形成した複数回印写が可
能なマルチインクシートを用いて、サーマルヘッドとプ
ラテンローラとの間でマルチインクシートを受像紙に押
し付け、マルチインクシート及び受像紙を所定の速度で
同じ方向に搬送しながら、サーマルヘッドを画像データ
に応じて駆動することによってマルチインクシートのイ
ンクを受像紙に転移させて画像を記録するようにしてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の熱転写
記録装置で用いるマルチインクシートのように、搬送方
向に各色の色帯を循環順序で順に形成したインクシート
を製造するためには、スクリーン印刷法やマイクログラ
ビア印刷法などによってインク層を塗布しなければなら
ないが、このような塗布法は単色をベタ塗りするロール
コータ、ダイコータ法などの塗布法に比べて生産性が低
く、その結果、インクシートの製造コストが高くなると
いう不都合がある。

【０００４】そこで、マルチインクシートの各色帯を搬
送方向と平行に形成することが考えられるが、このよう
なマルチインクシートを用いたときには各色のインクを
転写するために各色毎の３個の記録ヘッドを備えて、マ
ルチインクシートの搬送方向と直交する方向に受像材を
搬送しながら記録を行わなければならなくなり、各記録
ヘッドの位置合わせ及び各色の画像の位置合わせが難し
くなる。

【０００５】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、各色帯を搬送方向と平行に形成したマルチインク
シートを用いた場合の各色の記録ヘッド及び各色の画像
の位置合わせを容易にすることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項１の熱転写記録方法は、複数色の色帯を形成
した複数回印写が可能なマルチインクシートを用いてカ
ラー画像を記録する熱転写記録方法において、搬送方向
と平行に前記各色帯を形成したマルチインクシートと、
このマルチインクシートの各色帯のインクを前記受像材
に転写する１個の記録ヘッドと、この記録ヘッドを前記
マルチインクシート及び受像材を介して圧接するプラテ
ンローラとを備え、前記マルチインクシートを前記プラ
テンローラの軸と直交する方向に搬送すると共に、前記
受像材を前記プラテンローラに複数回巻き付けて前記マ
ルチインクシートに対して斜めに交差させて搬送しなが
ら画像を記録する。

【０００７】請求項２の熱転写記録方法は、複数色の色
帯を形成した複数回印写が可能なマルチインクシートを
用いてカラー画像を記録する熱転写記録方法において、
搬送方向と平行に前記各色帯を形成したマルチインクシ
ートと、このマルチインクシートの各色帯のインクを前
記受像材に転写する１個の記録ヘッドと、この記録ヘッ
ドを前記マルチインクシート及び受像材を介して圧接す
るプラテンローラと、このプラテンローラの軸方向に配
置したプラテンローラよりも大径のドラム部材とを備
え、前記マルチインクシートを前記プラテンローラの軸
と直交する方向に搬送すると共に、前記受像材を前記ド
ラム部材に複数回巻き付けて前記マルチインクシートに
対して斜めに交差させて搬送しながら画像を記録する。

【０００８】

【作用】本発明の熱転写記録方法は、搬送方向と平行に
各色帯を形成したマルチインクシートをプラテンローラ
の軸と直交する方向に搬送すると共に、受像材をプラテ
ンローラ又はドラム部材に複数回巻き付けてマルチイン
クシートに対して斜めに交差させて搬送しながら、マル
チインクシートの各色帯のインクを受像材に転写する１
個の記録ヘッドによって画像を記録するので、各色を記
録するためのヘッドの位置合わせが容易になると共に、
各色の画像の位置合わせも容易なる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を参照して
説明する。図１は本発明の一実施例を示す熱転写記録装
置の機構部の概略正面図、図２は図１の平面図である。
この熱転写記録装置は、マルチインクシート１と、１個
の記録ヘッドであるサーマルヘッド２と、ロール状の受
像材である受像紙３と、サーマルヘッド２に対応する１
個のプラテンローラ４等とを備えている。

【００１０】マルチインクシート１は、図２に示すよう
にイエロー（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）及びシアン（Ｃ）の
各色の熱昇華性（熱溶融性でもよい。）インクを搬送方
向（巻取り方向）と平行に帯状にダオコータ法等によっ
て塗布して形成した色帯１ｙ，１ｍ，１ｃを有する複数
回印写が可能なマルチインクシートである。なお、ブラ
ック（Ｂｋ）の色帯を有するマルチインクシートでも本
発明を同様に適用することができるが、ここでは３色構
成で説明する。このマルチインクシート１は、供給ロー
ル５にロール状に巻回して巻取りロール６にて巻取るこ
とでプラテンローラ４の軸と直交する方向に搬送する。

【００１１】サーマルヘッド２はマルチインクシート１
の各色帯１ｙ，１ｍ，１ｃのインクを受像紙３に転写す
るためのイエロー用ヘッド、マゼンタ用ヘッド及びシア
ン用ヘッドを一体的に形成したものであり、その長手方
向をプラテンローラ４の軸方向と同じ方向にして配置し
ている。受像紙３は、プラテンローラ４にその軸に対し
て斜めの方向から２回巻き付けられ、受像紙給送ローラ
７にて搬送されてカッター８にて所定の長さに切断され
る。

【００１２】ここで、受像紙３をプラテンローラ４に２
回巻き付けることによってプラテンローラ４上に受像紙
３が三箇所位置することになり、マルチインクシート１
に対して受像紙３は斜めに交差して搬送されることにな
る。したがってまた、受像紙３の搬送方向と直交する方
向の幅とマルチインクシート１の各色帯１ｙ，１ｍ，１
ｃの搬送方向と直交する方向の幅とは略同じになるよう
に形成している。さらに、プラテンローラ４の直径は受
像紙３の画像の重ね合わせ位置に応じて設定する。

【００１３】以上のように構成した熱転写記録装置によ
る熱転写記録方法について説明すると、先ず受像紙３を
給送して受像領域をマルチインクシート１の色帯１ｙに
対応するサーマルヘッド２による記録位置にセットし
て、サーマルヘッド２をマルチインクシート１及び受像
紙３を介してプラテンローラ４に圧接した状態にした
後、サーマルヘッド２の色帯１ｙに対応する領域を画像
データに応じて駆動制御すると共に、巻取りロール６及
び受像紙給送ローラ７を駆動制御して、マルチインクシ
ート１を所定の搬送速度で搬送し、受像紙３をプラテン
ローラ４の外周面をスリップさせながら所定の搬送速度
で搬送しながら、イエロー（Ｙ）の色帯１ｙによる画像
を受像紙３に転写する。このとき、マルチインクシート
１を受像紙３の搬送速度に対して１／ｎ（ｎ＝１以上）
倍の搬送速度で搬送する。

【００１４】次いで、受像紙３のイエローの画像が記録
された受像領域がマルチインクシート１の色帯１ｍに対
応するサーマルヘッド２による記録位置に位置した後、
サーマルヘッド２の色帯１ｍに対応する領域を画像デー
タに応じて駆動制御すると共に、上記同様にしてマルチ
インクシート１及び受像紙３を搬送制御しながら、マゼ
ンタ（Ｍ）の色帯１ｍによる画像を受像紙３のイエロー
の画像に重ね合わせて転写記録する。

【００１５】更に同様にして、受像紙３のイエロー及び
マゼンタの画像が記録された受像領域がマルチインクシ
ート１の色帯１ｃに対応するサーマルヘッド２による記
録位置に位置した後、サーマルヘッド２の色帯１ｃに対
応する領域を画像データに応じて駆動制御すると共に、
上記同様にしてマルチインクシート１及び受像紙３を搬
送制御しながら、シアン（Ｃ）の色帯１ｃによる画像を
受像紙３のイエロー及びマゼンタの画像に重ね合わせて
転写記録することで、カラー画像を記録する。

【００１６】このように、搬送方向と平行に各色帯１
ｙ，１ｍ，１ｃを形成したマルチインクシート１をプラ
テンローラ４の軸と直交する方向に搬送すると共に、受
像材３をプラテンローラ４に２回巻き付けてマルチイン
クシート１に対して斜めに交差させて搬送しながら、マ
ルチインクシート１の各色帯１ｙ，１ｍ，１ｃのインク
を受像材３に転写する１個のサーマルヘッド２によって
各色の画像を重ね合わせてカラー画像を記録するので、
各色を記録するためのヘッドを一体化することができて
位置合わせが容易になると共に、各色の画像の位置合わ
せも容易なる。

【００１７】次に、図３は本発明の他の実施例を示す熱
転写記録装置の機構部の概略正面図、図４は図４の略平
面図である。この熱転写記録装置では、受像紙３の背面
に接触して受像紙３を給送するためのプラテンローラ１
１と、受像紙３を巻き付けてスリップ状態で搬送させる
ためのドラム部材１２とを備えている。プラテンローラ
１１の表面は受像紙３との間でスリップ状態を維持しな
くともよいので、弾性部材等の相対的に摩擦係数が大き
な材料で形成している。これに対してドラム部材１２
は、受像紙３との間でスリップ状態を発生させる必要が
あるので平滑ですべり摩擦係数の小さな材料（剛体）で
形成している。

【００１８】そして、ドラム部材１２に形成した凹溝１
２ａ内にプラテンローラ１１を配置することによって、
プラテンローラ１１外周面がドラム部材１２の外周面
（実際には溝１２ａがあるので仮想的な外周面とな
る。）に内接する状態で両者を配置して、受像紙３の表
面起伏が少なくなるようにしている。また、ドラム部材
１２の外周面には受像紙３の両端をガイドするためのガ
イド凸部１３を形成して、受像紙３が搬送中に重ね巻き
されることがないようにしている。

【００１９】この熱転写記録装置による熱転写記録方法
においても、上記実施例と同様に受像紙３をドラム部材
１２に２回巻き付けることによって受像紙３をマルチイ
ンクシート１の搬送方向に対して斜めに交差する方向に
搬送しながら、１個のサーマルヘッド２を用いてマルチ
インクシート１の各色帯のインクを受像紙３に順次転写
して重ね合わせてカラー画像を記録する。

【００２０】このようにプラテンローラ１１と受像紙３
を巻き付けるドラム部材１２とに分割することによっ
て、受像紙３をドラム部材１２表面をスリップさせなが
らプラテンローラ１１で給送することができる。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明による熱転
写記録方法によれば、搬送方向と平行に各色帯を形成し
たマルチインクシートをプラテンローラの軸と直交する
方向に搬送すると共に、受像材をプラテンローラ又はド
ラム部材に複数回巻き付けてマルチインクシートに対し
て斜めに交差させて搬送しながらマルチインクシートの
各色帯のインクを受像材に転写する１個の記録ヘッドに
よって画像を記録するようにしたので、各色を記録する
ためのヘッドの位置合わせが容易になると共に、各色の
画像の位置合わせも容易なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例を示す熱転写記録装置の機
構部の概略正面図

【図２】 図１の平面図

【図３】 本発明の他の実施例を示す熱転写記録装置の
機構部の概略正面図

【図４】 図３の略平面図

【符号の説明】

１…マルチインクシート、１ｙ，１ｍ，１ｃ…色帯、２
…サーマルヘッド、３…受像紙、４，１１…プラテンロ
ーラ、５…供給ロール、６…巻取りロール、７…受像紙
給送ローラ、１２…ドラム部材。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数色の色帯を形成した複数回印写が可
   能なマルチインクシートを用いてカラー画像を記録する
   熱転写記録方法において、搬送方向と平行に前記各色帯
   を形成したマルチインクシートと、このマルチインクシ
   ートの各色帯のインクを前記受像材に転写する１個の記
   録ヘッドと、この記録ヘッドを前記マルチインクシート
   及び受像材を介して圧接するプラテンローラとを備え、
   前記マルチインクシートを前記プラテンローラの軸と直
   交する方向に搬送すると共に、前記受像材を前記プラテ
   ンローラに複数回巻き付けて前記マルチインクシートに
   対して斜めに交差させて搬送しながら画像を記録するこ
   とを特徴とする熱転写記録方法。
2. 【請求項２】 複数色の色帯を形成した複数回印写が可
   能なマルチインクシートを用いてカラー画像を記録する
   熱転写記録方法において、搬送方向と平行に前記各色帯
   を形成したマルチインクシートと、このマルチインクシ
   ートの各色帯のインクを前記受像材に転写する１個の記
   録ヘッドと、この記録ヘッドを前記マルチインクシート
   及び受像材を介して圧接するプラテンローラと、このプ
   ラテンローラの軸方向に配置したプラテンローラよりも
   大径のドラム部材とを備え、前記マルチインクシートを
   前記プラテンローラの軸と直交する方向に搬送すると共
   に、前記受像材を前記ドラム部材に複数回巻き付けて前
   記マルチインクシートに対して斜めに交差させて搬送し
   ながら画像を記録することを特徴とする熱転写記録方
   法。