JPH08224926A - 感熱転写記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被熱転写シートの搬送を安定させて高品質な
画像を形成できるようにする。 【構成】 被熱転写シート４の供給ロール７とプラテン
ローラ２との間及び／又はプラテンローラ２の後に、被
熱転写シート４のテンションを制御するテンションコン
トローラ１０，１１を設ける。テンションコントローラ
１０，１１が被熱転写シート４のたるみを除去すると共
に、テンションを安定的に付与することにり、被熱転写
シート４に剛性の無い薄いフィルム等を用いても見当ズ
レや皺のない高品質な画像を記録することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、溶融転写記録方式や昇
華転写記録方式により画像を記録するのに使用される感
熱転写記録装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、基材シートの一方の面に色材層が
設けられた熱転写シートと、必要に応じて画像受容層が
設けられた被転写体とを、サーマルヘッド等の加熱デバ
イスとプラテンローラとの間に圧接し、画像情報に応じ
て加熱デバイスの発熱部分を選択的に発熱させ、熱転写
シート上の色材層に含まれる色材を被転写体に移行させ
て画像を記録する感熱転写方式が種々提案されている。
中でも感熱溶融転写方式と感熱昇華転写方式が広く用い
られている。

【０００３】感熱溶融転写方式は、顔料等の色材を熱溶
融性のワックスや樹脂等のバインダに分散させた熱溶融
インキ層をプラスチックフィルム等の基材シートに担持
させた熱転写シートを用いて、サーマルヘッド等の加熱
デバイスの画像情報に応じたエネルギーを印加すること
により、紙やプラスチックシート等の被転写体上に色材
をバインダと共に転写する画像形成方法である。この感
熱溶融転写方式によって形成される画像は、高濃度で鮮
鋭性に優れ、文字、線画等の２値画像の記録に適してい
る。また、イエロー（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）、シアン
（Ｃ）、ブラック（Ｂｋ）等の熱転写シートを用いて被
転写体上に重ねて記録することにより、多色或いはカラ
ー画像の形成も可能である。

【０００４】感熱昇華転写方式は、色材として用いる昇
華性染料をバインダ樹脂に溶融或いは分散させた染料層
をプラスチックフィルム等の基材シートに担持させた熱
転写シートと、紙やプラスチックシート等の支持体上に
画像受容層を設けた被転写体とを用いて、サーマルヘッ
ド等の加熱デバイスの画像情報に応じたエネルギーを印
加することにより、熱転写シート上の染料層中に含まれ
る昇華性染料を被転写体上の画像受容層中に移行させて
画像を記録する方法である。この感熱昇華転写方式は、
熱転写シートに印加するエネルギー量によってドット単
位で染料の移行量を制御できるため、濃度階調による階
調再現が可能である。また、使用する色材が染料である
ため、形成される画像は透明性があり、複数の染料層を
用いて色を重ねた際の中間色の再現性に優れている。し
たがって、イエロー、マゼンタ、シアンの３色或いはこ
れにブラックを加えた４色の熱転写シートを用いて被転
写体上にこれらの３色或いは４色を重ねて記録すること
により、高画質のフルカラー画像の形成が可能である。

【０００５】これらの熱転写による画像形成方式のう
ち、特に後者の感熱昇華転写方式においては、被転写体
の画像受容面が染料の染着性を持つことが必要であり、
画像受容層が設けられていない被転写体に画像を形成す
ることは殆ど不可能であった。このため、画像受容層を
予め設定した専用紙以外の被転写体に感熱昇華転写方式
によって画像を形成する方法として、画像受容層を基材
シート上に剥離可能に形成した受容層転写シートから画
像受容層を被転写体に転写し、その上に熱転写シートか
ら色材を転写して画像を設ける技術が提案されている
（特開昭６２−２６４９９４号公報参照）。しかしなが
らこの方法では、被転写体上の画像受容層は被転写体の
面質の影響を強く受け、被転写体の凹部には画像受容層
の転写抜けが発生したり、被転写体表面の凹凸によって
画像受容層表面が凹凸になり、形成される画像にムラが
発生したりすることがある。したがって、良好な画像形
成物を得るためには表面が平滑な被転写体を選択する必
要があった。

【０００６】そこで、任意の被転写体上に画像を形成可
能とし、しかも被転写体の表面凹凸や地合いにより画像
品質が影響を受けることを防止するために、まず画像受
容層が基材シート上に剥離可能に設けられた中間転写記
録媒体の画像受容層上に、染料層が基材シート上に形成
された熱転写シートより昇華染料を転写して画像を形成
し、しかる後に中間転写記録媒体を加熱して、画像が形
成された画像受容層を被転写体上に転写する方法が提案
されている（特開昭６２−２３８７９１号公報参照）。
この方法では、被転写体の表面状態に依存しない高品質
な画像が得られる。さらに、被転写体上に形成された受
容層は、色材転写面が被転写体側に位置するので耐久性
が良好になる。

【０００７】以上に述べたような画像形成方式を採用す
る感熱転写記録装置において、使用する被熱転写シート
の厚みが薄い場合、被熱転写シートを供給ロールから繰
り出して連続的に給紙するタイプのものが使用されてい
る。

【０００８】図１はこのような感熱転写記録装置の一例
を示すものである。以下にこの装置における印字手順に
ついて同図を参照しながら説明する。まず（ａ）の状態
から搬送ローラ８により印字に要する長さだけ被熱転写
シート４を供給ロール７から繰り出して（ｂ）に示す状
態にする。この状態で、熱転写シート３と被熱転写シー
ト４とをサーマルヘッド１とプラテンローラ２で圧接
し、搬送ローラ８により被熱転写シート４を供給ロール
７方向へ引き戻しながら、画像情報に応じたエネルギー
をサーマルヘッド１に印加して１色分の画像を記録して
（ｃ）に示す状態にする。次いで、搬送ローラ８により
１色目の印字開始時と同じ位置になるように被熱転写シ
ート４を搬送して（ｂ）の状態とし、他の色についても
同様に画像記録を繰り返してカラー画像を被熱転写シー
ト４上に形成する。

【０００９】図２は感熱転写記録装置の別の例を示すも
のである。この装置は図１に示す装置と比べて、被熱転
写シート４の搬送ローラ８の位置が異なり、さらに被熱
転写シート４の供給ロール７を直接駆動する点で異なっ
ており、印字時の搬送方向は図１と逆になるように構成
されている。この装置では、熱転写シート３と被熱転写
シート４とをサーマルヘッド１とプラテンローラ２で圧
接し、搬送ローラ８により被熱転写シート４を供給ロー
ル７から繰り出しながら、画像情報に応じたエネルギー
をサーマルヘッド１に印加して１色分の画像を記録す
る。次いで、供給ロール７を駆動して１色目の印字開始
時と同じ位置になるように被熱転写シート４を引き戻し
た後、他の色についても同様に画像記録を繰り返してカ
ラー画像を被熱転写シート４上に形成する。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】上記で述べた感熱転写
記録装置のうち、図１に示す装置では図示の如くプラテ
ンローラ２の後ろ側に被熱転写シート４を挟持するニッ
プローラ９が設置されており、このため印字前において
は（ｂ）に示す如くプラテンローラ２とこのニップロー
ラ９との間で被熱転写シート４がたるみを起こし、搬送
が不安定になったり皺が発生したりする。ニップローラ
９がない構成であっても、画像形成後に被熱転写シート
４が長い経路を経て巻き取られる場合、解放されたまま
の場合、カットされるため又は被転写体に再転写される
ためにニップされている場合等には、被熱転写シート４
には印字時にプラテンローラ２の後ろ方向に作用するテ
ンション（バックテンション）が全くかからないことか
ら、被熱転写シート４の搬送が不安定になってしまう。
さらに、印字後においては（ｃ）に示す如く搬送ローラ
８と供給ロール７との間で被熱転写シート４がたるみを
起こし、これによっても搬送が不安定になったり皺が発
生したりしてしまう。

【００１１】また、被熱転写シート４を繰り出す供給ロ
ール７の交換頻度を少なくするために、供給ロール７に
巻回される被熱転写シート４を長くすると、使用の始ま
りと終わりにおいて供給ロール７の径が大きく変動す
る。したがって、図２に示す装置では、プラテンローラ
２とサーマルヘッド１で圧接される部分において被熱転
写シート４にかかる供給ロール７方向に作用するテンシ
ョン（フロントテンション）の変動が大きくなって搬送
が不安定になってしまう。

【００１２】以上述べたように、従来の感熱転写記録装
置では、皺の発生や送りムラによる見当ズレが生じて所
望の品質の画像を記録できないという問題点があった。

【００１３】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、被熱転写
シートの搬送を安定させて高品質な画像を記録できる感
熱転写記録装置を提供することを目的とする。

【００１４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の感熱転写記録装置は、少なくとも、熱転写
シートを供給ロールから繰り出して巻取ロールに巻き取
るように搬送する搬送手段と、被熱転写シートを供給ロ
ールから繰り出して搬送する搬送手段と、熱転写シート
と被熱転写シートとの搬送経路途中に設けられたプラテ
ンローラと、搬送された熱転写シートと被熱転写シート
とをプラテンローラとの間に圧接するとともに、画像デ
ータに応じたエネルギーを印加することにより熱転写シ
ートを加熱して被熱転写シート上に画像を記録するため
のサーマルヘッドとを備えた感熱転写記録装置におい
て、被熱転写シートの供給ロールとプラテンローラとの
間及び／又はプラテンローラの後に、被熱転写シートの
テンションを制御するテンションコントローラを設けた
ことを特徴とするものであり、このテンションコントロ
ーラは、被熱転写シートを支えるガイド手段とこのガイ
ド手段を支持する弾性手段とにより構成することができ
る。

【００１５】そして、上記被熱転写シートに代えて、基
材上に印画後剥離可能な画像受容層を設けた中間転写記
録媒体を使用した形態であっても構わないものである。

【００１６】

【作用】本発明は、被熱転写シートの供給ロールとプラ
テンローラとの間及び／又はプラテンローラの後に設け
たテンションコントローラが、被熱転写シートにバック
テンション及び／又はフロントテンションを安定的に付
与することにより、被熱転写シートに剛性のない薄いフ
ィルム等を用いても見当ズレや印字面状態の悪化のない
高品質な画像を形成することを可能にする。

【００１７】

【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例に
ついて説明する。

【００１８】図３に本発明に係る感熱転写記録装置の一
実施例を示す。この感熱転写記録装置における印字手順
は図１に示した装置と同様である。まず、搬送ローラ８
により印字に要する長さだけ被熱転写シート４を供給ロ
ール７から繰り出しておく。この状態で、熱転写シート
３と被熱転写シート４とをサーマルヘッド１とプラテン
ローラ２で圧接し、搬送ローラ８により被熱転写シート
４を供給ロール７方向へ引き戻しながら、画像情報に応
じたエネルギーをサーマルヘッド１に印加して１色分の
画像を記録する。次いで、搬送ローラ８により１色目の
印字開始時と同じ位置になるように被熱転写シート４を
搬送した後、他の色についても同様に画像記録を繰り返
してカラー画像を被熱転写シート４上に形成する。本実
施例の装置では、図１に示す装置に加えて、弾性手段で
あるコイルバネ１０ａとガイド手段であるガイドローラ
１０ｂとからなるテンションコントローラ１０が搬送ロ
ーラ８と供給ローラ７との間に設けられ、さらに弾性手
段であるコイルバネ１１ａとガイド手段であるガイドロ
ーラ１１ｂとからなるテンションコントローラ１１がプ
ラテンローラ２とニップローラ９との間に設けられてい
る。このような構成を採ることにより、印字前に被熱転
写シート４が搬送ローラ８により印字に要する長さだけ
供給ロール７から繰り出された時、テンションコントロ
ーラ１１においては、ガイドローラ１１ｂがコイルバネ
１１ａの圧縮に対する反発力により被熱転写シート４に
押し当てられた状態になる。すなわち被熱転写シート４
のたるみを無くすと共に、印字時にニップローラ９とプ
ラテンローラ２との間で被熱転写シート４に一定のバッ
クテンションを付与することができる。また、印字中に
被熱転写シート４が搬送ローラ８により供給ロール７方
向へ引き戻された時、テンションコントローラ１０にお
いては、ガイドローラ１０ｂがコイルバネ１０ａの圧縮
に対する反発力により被熱転写シート４に押し当てられ
た状態になる。すなわち被熱転写シート４のたるみを無
くすことができる。

【００１９】図４に本発明に係る感熱転写記録装置の他
の実施例を示す。この感熱転写記録装置における印字手
順は図２に示した装置と同様である。まず、熱転写シー
ト３と被熱転写シート４とをサーマルヘッド１とプラテ
ンローラ２で圧接し、搬送ローラ８により被熱転写シー
ト４を供給ロール７から繰り出しながら、画像情報に応
じたエネルギーをサーマルヘッド１に印加して１色分の
画像を記録する。次いで、供給ロール７を駆動して１色
目印字開始時と同じ位置になるように被熱転写シート４
を引き戻した後、他の色についても同様に画像記録を繰
り返してカラー画像を被熱転写シート４上に形成する。
本実施例の装置では、図２に示す装置に加えて、弾性手
段であるコイルバネ１２ａとガイド手段であるガイドロ
ーラ１２ｂとからなるテンションコントローラ１２が供
給ロール７とプラテンローラ２との間に設けられてい
る。このような構成を採ることにより、供給ロール７で
熱転写シート４を引き戻した時、テンションコントロー
ラ１２においては、ガイドローラ１２ｂがコイルバネ１
２ａの引っ張りに対する反発により被熱転写シート４に
押し当てられた状態になる。すなわち印字時に被熱転写
シート４に供給ロール７とプラテンロール２との間で一
定のバックテンションを付与することができ、供給ロー
ル７の径が徐々に小さくなっても同様に被熱転写シート
４に一定のバックテンションを付与することができる。

【００２０】以上説明したように、被熱転写シート４に
安定したテンションを付与し、たるみを無くすことによ
り、皺の発生や搬送の不安定さによる送りムラ及び見当
ズレを防止し、高品質な画像を記録することが可能にな
る。

【００２１】なお、上記実施例ではガイドローラを支持
する弾性手段としてコイルバネを使用した例を挙げた
が、その他にも板バネ、渦巻きバネ、竹の子バネ等のバ
ネ類や、エアーシリンダー、油圧シリンダー等のアクチ
ュエータ類を用いることも可能である。もちろん、バネ
類とアクチュエータ類を併用してもよい。

【００２２】また、被熱転写シートの代わりに、基材上
に印画後剥離可能な画像受容層を設けた中間転写記録媒
体を使用し、この中間転写記録媒体に画像を形成するよ
うにしてもよい。この場合には、画像形成後にインライ
ン又はオフラインにて中間転写記録媒体から画像受容層
を被転写体に転写することになる。

【００２３】

【発明の効果】本発明の感熱転写記録装置によれば、被
熱転写シートの供給ロールとプラテンローラとの間及び
／又はプラテンローラの後に設けたテンションコントロ
ーラが、被熱転写シートのたるみを除去すると共に、テ
ンションを安定的に付与することにより、被熱転写シー
トに剛性の無い薄いフィルム等を用いても見当ズレや皺
のない高品質な画像を記録することが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の感熱転写記録装置の一例を示す概略構成
図である。

【図２】従来の感熱転写記録装置の別の例を示す概略構
成図である。

【図３】本発明に係る感熱転写記録装置の一実施例を示
す概略構成図である。

【図４】本発明に係る感熱転写記録装置の他の実施例を
示す概略構成図である。

【符号の説明】

１ サーマルヘッド ２ プラテンローラ ３ 熱転写シート ４ 被熱転写シート ５ 供給ロール ６ 巻取ロール ７ 供給ロール ８ 搬送ローラ ９ ニップローラ １０，１１，１２ テンションコントローラ １０ａ，１１ａ，１２ａ コイルバネ（弾性手段） １０ｂ，１１ｂ，１２ｂ ガイドローラ（ガイド手段）

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも、熱転写シートを供給ロール
   から繰り出して巻取ロールに巻き取るように搬送する搬
   送手段と、被熱転写シートを供給ロールから繰り出して
   搬送する搬送手段と、熱転写シートと被熱転写シートと
   の搬送経路途中に設けられたプラテンローラと、搬送さ
   れた熱転写シートと被熱転写シートとをプラテンローラ
   との間に圧接するとともに、画像データに応じたエネル
   ギーを印加することにより熱転写シートを加熱して被熱
   転写シート上に画像を記録するためのサーマルヘッドと
   を備えた感熱転写記録装置において、被熱転写シートの
   供給ロールとプラテンローラとの間及び／又はプラテン
   ローラの後に、被熱転写シートのテンションを制御する
   テンションコントローラを設けたことを特徴とする感熱
   転写記録装置。
2. 【請求項２】 前記テンションコントローラを、被熱転
   写シートを支えるガイド手段とこのガイド手段を支持す
   る弾性手段とにより構成したことを特徴とする請求項１
   記載の感熱転写記録装置。
3. 【請求項３】 前記被熱転写シートに代えて、基材上に
   印画後剥離可能な画像受容層を設けた中間転写記録媒体
   を使用したことを特徴とする請求項１又は２記載の感熱
   転写記録装置。