JPH0340612Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は熱転写型サーマルプリンターに利用さ
れる多色印字用熱転写カーボンリボンロールに係
り、、特に簡単な構成で多色印字を実現できる多
色印字用熱転写カーボンリボンロールに関する。

（従来の技術） 従来よりこの種の熱転写型サーマルプリンター
に多色印字が要請され、この多色印字用の熱転写
カーボンリボンロールとして一枚の基材シートに
各種色用の例えば赤、青、黄等のインキ層をリボ
ンの進行方向に平行して、或いはリボンの進行方
向に直交して順番に赤、青、黄等と設けたものが
ある。

更に先行技術(イ)の特開昭59−62181号公報（感
熱転写カラー記録装置）に記載された技術に於て
は、それぞれ異色のカラーリボンを互に独立状態
にロール状に巻く構成が開示されている。しかし
この構成は各リボンを独立して繰出す方式の為、
各ロールを一体化する基芯を必要としない。

更には先行技術(ロ)の実開昭49−40511号公報
（インク自給ローラ）に記載された技術に於ては、
異色のロールを互いに独立したロール体とし、こ
の複数のロール体を一体化する軸芯体は有する
が、このロール体を軸芯体とは密着嵌合して、一
体的に回動して各活字に各インクロールを塗布す
る構成なので、カーボンリボンの縛出時に起る各
リボンロール間の相対関係は発生しない。

（考案が解決しようとする問題点） 上記、従来技術から成るこれらの多色印字用熱
転写カーボンリボンロールを製作するのにあたつ
て、一枚の基材シート上に、それぞれの色層を形
成するため、生産コストが非常に高く、実用性に
合わないものである。

本考案はこのような事情に鑑みてなされたもの
で、多色印刷に当り、そのカーボンリボンロール
を簡単に供給でき得るようにした多色印字用熱転
写カーボンリボンロールを提供することを目的と
する。

更には各カラーリボンを子芯に巻回し、この子
芯を一体化する親芯を備えると共に、各カラーリ
ボンを用いての各印字に於て、その繰出時の張力
が相違する時、その張力の緩和又は余剰回転の防
止をはかることが望まれている。

（問題点を解決するための手段） 本考案では第１図および第２図に示す如く、そ
れぞれの独立した異色の熱転写カーボンリボン
１，２，３をそれぞれ独立してロール状に巻く複
数の子芯４，５，６に巻回し、これら子芯を一体
化する親芯７に摩擦手段を介して嵌合して成る有
する多色印字用熱転写カーボンリボンロール１０
とした構成である。

（作 用） 第３図を参照して、上記例えば三色から成るカ
ーボンリボンロール１０を供給側の保持軸１１よ
り、ガイドロール１２に案内されて印刷部分に至
る。この印刷部分において、このカーボンリボン
１，２，３はテープ状のラベル１５と重ね合わさ
り、圧接状態のサーマルヘツド１３とプラテン１
４とで、ラベル側に、第４図に示された印字サン
プル２０を得る。

この印字サンプル２０は例えば黒色から成るカ
ーボンリボン１は最上行２１に重さを黒色表示
し、青色から成るカーボンリボン２は二番目の行
２２に値段を青色表示し、赤色から成るカーボン
リボン３は三番目の行２３にバーコードとして赤
色表示の印刷が施される。

尚、この印字に於て、最上行２１および二番目
に行２２の文字印字と、三番目の行２３のバーコ
ード印字とは各カーボンリボンのその繰出時の張
力が相違する。すなわち、バーコード印字の三番
目の行２３のカーボンリボン１１は印字密度が高
い為、その張力が大となる。他方、、最上行２１
および二番目の行２２のカーボン３，２は印字密
度が相対的に低く、その張力が小となし、繰出時
に余剰回転を起す。

ここで親芯７を各子芯４，５，６との間には摩
擦手段が備えられているので、これら張力の緩和
又は余剰回転を吸収するものである。

（実施例） 次に本考案の一実施例を図面と共に説明する。

第１図及び第２図に示す如く、、それぞれ異色
の帯状の熱転写カーボンリボン１，２，３は赤、
青、黒印字用の熱転写カーボンリボンであつて、
それぞれプラスチツク製の子芯４，５，６に互に
独立状態で巻回されている。これら子芯４，５，
６は一本のプラスチツク製の親芯７に摩擦手段を
介して嵌合されている。尚、熱転写カーボンリボ
ン１，２，３の最外端には所要長さのリードテー
プ８が設けられ、粘着テープ９によつて端止めさ
れるようになつている。

このように構成されたリボンロール１０は第３
図に示す如くリボンロールの保持軸１１に嵌装保
持されガイドロール１２を経て、サーマルヘツド
１３及びプラテン１４の間をラベル１５と共に通
り、ガイドロール１６を経て巻取軸１７に巻取ら
れる。

このサーマルプリンターによつて印字された印
字サンプル２０が第４図に示されている。即ち、
この印字サンプル２０はラベルが図中矢印の方向
に進む場合の印字状態を示し、最上行２１には黒
で、二番目の行２２には青で、三番目の行２３に
は赤で夫々重さ、値段、、バーコード等が印字さ
れる。

尚、第４図に示された印字作動に於て、最上行
２１および二番目の行２２は文字印字で、三番目
の行２３バーコード印字である。

従つて各カーボンリボン１，２，３に於て、そ
の繰出時の張力に相違を有する。具体的にはバー
コード印字の三番目の行２３のカーボンリボン１
は印字密度が高い為、サーマルヘツド１３の熱に
よりこのカーボンリボンが収縮し、その繰出時の
張力が大となる。他方、最上行２１および二番目
の行２２のカーボン３，２印字密度が相対的に低
い為、カーボンリボンの収縮は余り起らず、その
繰出時に余剰回転を起す。

この解決手段として親芯７と各子芯４，５，６
との間に摩擦手段が備えられているので、この手
段によつてこの張力の緩和又は余剰回転を吸収す
るものである。

尚、本実施例においては三色の場合を説明した
が、二色或は四色以上等任意の印字に可能で、夫
夫異つたパターンの印字ができ、印字内容をアピ
ールする事ができる。

また、このカーボンリボンを被印字媒体である
ラベル１５と平行して移送する場合を説明した
が、この被印字媒体と直交する方向にカーボンリ
ボンを移送して印字するようにしてもかまわな
い。

更に夫々の子芯の材質、幅は任意であり、また
三個の子芯でも黒赤黒と二色用に準備することも
できる。

（考案の効果） 本考案は叙述の如く、それぞれ異色の熱転写カ
ーボンリボン１，２，３を互いに独立にロール状
に巻く複数の子芯４，５，６に巻回し、この各子
芯を一体化する親芯７に摩擦手段を介して嵌合し
て成る構成なので、各カーボンリボンの印字の種
類によつて、その繰出時の張力の相違を各子芯と
親芯との間に備えた摩擦手段により吸収でき得
る。

従つて各カーボンリボンの張力の緩和又は余剰
回転の防止をはかれる等の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の斜視図、第２図は
第１図−線断面図、第３図は本考案によるカ
ーボンリボンロールを適用したサーマルプリンタ
ーの概略図、第４図は本考案のカーボンリボンロ
ールによる印字サンプルの説明図である。 符号の説明、１，２，３…熱転写カーボンリボ
ン、４，５，６…子芯、７…親芯、８…リードテ
ープ、９…粘着テープ、１０…リボンロール、１
１…保持軸、１２，１６…ガイドロール、１３…
サーマルヘツド、１４…プラテン、１５…ラベ
ル、１７…巻取軸、２０…印字サンプル、２１…
最上行、２２…二番目の行、２３…三番目の行。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. それぞれ異色の熱転写カーボンリボン１，２，
   ３を互いに独立にロール状に巻く複数の子芯４，
   ５，６に巻回し、該各子芯を一本化する親芯７に
   摩擦手段を介して嵌合して成る多色印字用熱転写
   カーボンリボンロール。