JP4997828B2 - プリンタ、蓄熱補正制御方法、およびプリント制御方法 - Google Patents

プリンタ、蓄熱補正制御方法、およびプリント制御方法 Download PDF

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本発明は、プリンタ、蓄熱補正制御方法、およびプリント制御方法に関し、特に、熱転写によるプリントの際に高濃度から低濃度への階調差が大きく、また、高速プリントの場合においても、サーマルヘッドの熱の蓄積による尾引き現象を低減することができると共に、プリントする画像の「立ち上がり濃度不足補正」と「尾引き補正」とを両立できる、プリンタ、蓄熱補正制御方法、およびプリント制御方法に関する。
昇華プリンタは、染料または顔料が塗布されたインクリボンにサーマルヘッドを押し当て、サーマルヘッドの加熱により、インクリボンの染料または顔料を紙などの記録媒体に転写させ画像を形成するものであり、写真印刷の用途などで使用されている。
図7は、昇華型プリンタのプリント部の構成例を示す図である。図7(a)に示すように、ロール紙31(供給側)から巻き出されたプリント用紙32の上面側には、巻き出し側の供給コア34に巻かれたインクリボンロール33(未使用部分)、インクリボン用ガイドロール36、サーマルヘッド18、インクリボン用ガイドロール37、巻き取り側の巻取コア38が順に配置される。インクリボンロール33から巻き出されたインクリボン35は、ガイドロール36にガイドされてロール紙31から巻き出されたプリント用紙32と重ね合わせられ、サーマルヘッド18とプラテンロール39との間を搬送された後、ガイドロール37を介して巻取コア38に巻き取られる。
プリント用紙32の下面側には、サーマルヘッド18に対向する位置にプラテンロール39が配置され、このプラテンロール39によりプリント用紙32がサーマルヘッド18の発熱抵抗体19(図7(b)を参照)に適度に押圧される。また、ピンチロール40に対向する位置にはフィードロール41が配置される。これらピンチロール40とフィードロール41の間にプリント用紙32を挟み込んでフィードロール41を回転駆動することによりプリント用紙32が搬送される。
また、サーマルヘッド18は、図7(b)に示すように形成する画像の1ライン分の各ドットに対応して設けられた発熱抵抗体19からなり(発熱抵抗体が複数ライン配置される場合もある)、これらの発熱抵抗体19にパルス通電することにより、インクリボン35の染料または顔料がプリント用紙32に転写される。
また、図8は、インクリボンの例を示す図であり、図8に示すように、インクリボンには、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の3色のインク層と、OP(オーバーコート層)が周期的に配置されている。そして、インクリボンのインク層中の点線で示す領域が、プリント用紙にプリントされる。
上記構成の昇華型プリンタにおいては、プリント濃度(階調)をサーマルヘッド18からインクリボン35に与える熱の強さで変化させている。インクリボンに強い熱を与えると高い濃度でプリントされ、弱い熱を与えると低い濃度でプリントされる。
ところで、インクリボンのインクをプリント用紙に転写する場合に、プリント濃度(階調)が高濃度から低濃度に変化するところでは低濃度エリアの先頭が濃くなる。これは高濃度でプリント中は、サーマルヘッド内部に熱が蓄積し、高濃度エリアから低濃度エリアに変化したときにサーマルヘッドの温度を高い状態から瞬時に低くすることができず、熱の過多から生じる現象である。この現象は尾引き現象と呼ばれている。
図9は尾引き現象の例を示す図である。図9に示すように、図9(a)に示す元画像に対して、図9(b)に示すプリント結果では、高濃度エリアから低濃度エリアに変化したところで“にじみ”が生じている。この“にじみ”が尾引き現象である。
また、図10は、従来の蓄熱補正制御(尾引き補正制御)の例を示す図であり、尾引き現象は高濃度から低濃度に変化するところで生じる。このようなところではサーマルヘッドからインクリボンに与える熱を小さく補正することで属引き現象を軽減することができる。
図10(a)に示すように、無補正の場合は、低階調エリア(128階調)でインクリボンに与える熱は一定である。これに対して、図10(b)に示すように、補正した場合は、高階調(255階調)から低階調(128階調)に変化したところでインクリボンに与える熱を小さくしている(点線Gで囲んだ部分)。これにより尾引き現象が軽減されている。
しかしながら、従来の尾引き補正方法では。高濃度から低濃度への階調差が大きく、かつ低濃度エリアの濃度の小さいところでは尾引きを十分に補正することができなかった。尾引き補正制御はインクリボンに与える熱を小さくなるように補正することで実現される。インクリボンに与える熱が最も小さいのは、サーマルヘッドに対して発熱命令を発行しない(以下、無通電と呼ぶ)ときであり、このとき最も強い補正を行うことができる。無通電にしたときが補正の限界であり、これよりも強い補正を行うことはできない。
図11は、尾引き補正制御により十分に補正することができない場合の例を示す図である。255階調(最も高濃度)から64階調に変化した場合の例であり、図11(a)に示すように無補正の場合は、尾引き現象が顕著に生じる。
図11(b)は、尾引き補正した場合の例を示しており、十分な補正結果を得るにはグラフの点線Gで囲んだ部分で示すような補正(負の熱補正)が必要となる。しかし無通電より強い補正を行うことができないので太線Hで示す補正を行う。このように、補正量が不足するため十分な補正結果が得られず尾引きが残る。
高速プリントすることでこの問題が与える影響はさらに大きくなる。より強い熱でプリントするためサーマルヘッドの蓄熱量が多くなることと、用紙搬送スピードが速いため補正量が不足する間に用紙が長い距離を進むことから、尾引きの長さが長くなる。
図12は、尾引き補正の不足の例を示す図である。図12(a)は、文字をプリントした例を示しており、縦線でサーマルヘッドに多くの熱が蓄積するため、縦線の尾引きが長くなる。また、図12(b)に示すバーコードをプリントする場合においては、バーとバーとの間がはっきりしなくなる。
ところで、昇華型プリンタにおいては、上述した尾引き現象の補正(図10の点線Gで囲んだ部分を参照)とは別に、0階調データをプリントする場合(特に0階調データを連続してプリントする場合)に、サーマルヘッドに印加するバイアスエネルギーとして、インクリボンが発色しない範囲内での予熱を与える第1の0階調データプリント方式と、サーマルヘッドを全くの無通電にする第2の0階調データプリント方式とがある。
上記第1の0階調データプリント方式(バイアスエネルギーを印加する方式)においては、その長所として、0階調データが続いている時もサーマルトヘッドに予熱を与えているので、それに続いて1階調以上のデータをプリントする場合に、ある程度はサーマルヘッドは温まっているので、「プリント諧調データの濃度の立ち上がり」が良く、また、1ライン中に0階調と1階調以上のデータが存在する場合に、そのエネルギーの段差が小さいので、プリント時のインクリボンの伸縮の差が原因である「しわ」が発生しにくいという長所がある。
また、上記第2の0階調データプリント方式(無通電の方式)においては、高階調のデータが続いた後に、0階調データをプリントする場合に、サーマルヘッドが無通電になるので、「尾引き現象」の軽減に対して最大限の対策効果がある。
このため、プリント画像の高品質化のために、上記第1の0階調データプリント方式と、第2の0階調データプリント方式の長所を、同時に実現することが求められていた。また、プリンタの高速化により、第1の0階調データプリント方式においては、「プリント濃度の立ち上がり良くする効果」と「インクリボンしわの軽減の効果」とが低下し、第2の0階調データプリント方式においては、「尾引き現象の補正」の効果が低減し、どちらか一方にのみ効果があるだけでは、満足出来るプリント品質が得られない傾向になりつつあった。
なお、従来技術の感熱記録装置がある(例えば、特許文献1を参照)。この従来技術の感熱記録装置は、常に同一濃度の画素を記録することが可能であると共に、高品位の印字が可能な感熱記録装置を提供することを目的としている。このために、主走査方向の隣接する少なくとも2個の発熱素子を単位ブロックとして複数の発熱素子を複数のブロックにて構成し、発熱させられるべき発熱素子の属するブロックと、該ブロックの主走査方向に隣接する一対のブロックとに属する発熱素子の発熱データに基づいて、前記発熱させられるべき発熱素子に印加されるエネルギ量を設定する。これにより、発熱させられるべき発熱素子の近傍に位置する発熱素子の発熱状態が考慮されて、該発熱させられるべき発熱素子への印加エネルギ量が設定されるため、近傍に位置する発熱素子の発熱の影響によるドット径の増加、印字のにじみ、ツブレ等の不具合が発生せずに、常に同一濃度の画素を記録することが可能であると共に、高品位の印字が可能な感熱記録装置を提供することができる。
しかしながら、上記従来技術の感熱記録装置においては、発熱素子の近傍に位置する発熱素子の発熱状態を考慮して、発熱させられるべき発熱素子への印加エネルギ量を設定することにより、印字品質を向上させようとするものであり、本発明のようにプリント濃度(階調)の変化により生じる尾引き現象を低減しょうとするものとは、発明の目的と構成が異なるものである。
特開平11−235839号公報
上述したように、従来の尾引き補正方法では、高濃度から低濃度への階調差が大きく、かつ低濃度エリアの濃度の小さいところでは尾引きを十分に補正することができなかった。特に、高速プリント場合は、より強い熱でプリントするためサーマルヘッドの蓄熱量が多くなることと、用紙搬送スピードが速いため補正量が不足する間に用紙が長い距離を進むことから、尾引きの長さが長くなるという問題があった。
また、0階調データをプリントする場合(特に0階調データを連続してプリントする場合)に、サーマルヘッドに印加するバイアスエネルギーとして、インクリボンが発色しない範囲内での予熱を与える第1の0階調データプリント方式と、サーマルヘッドを全くの無通電にする第2の0階調データプリント方式とがあるが、プリント画像の高品質化のために、上記第1の0階調データプリント方式と、第2の0階調データプリント方式の長所を同時に実現することが求められていた。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その第1の目的は、高濃度から低濃度への階調差が大きく、また、高速プリントの場合においても、尾引き現象を低減することができる、プリンタ、および尾引き補正制御方法を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、0階調データをプリントする場合に、「予熱」が必要とされる場合にはバイアスエネルギーを与え、「尾引き現象」の補正が必要な場合には無通電にすることができる、プリンタ、およびプリント制御方法を提供することにある。
形成する画像のライン方向のドットごとに発熱抵抗体を設けたサーマルヘッドにより、インクリボンをプリント用紙に押し当て、該サーマルヘッドによりインクリボンに対し画像の濃度の階調に応じた熱量を印加することにより、インクリボンのインクを用紙に転写し印刷を行うプリンタであって、現在画像をプリントしようとする着目ドットについて、当該着目ドットとともに同じ発熱抵抗体によって印刷が行われるプリント方向のドットのうち当該着目ドットの次に印刷が行われるドットを含みそこからプリント方向にN(予め設定される任意の数)ライン先のドットまでの間で前記着目ドットを基準にしたときの階調値の変化を予め検出する階調値変化検出手段と、前記階調値変化検出手段により前記着目ドットの次に印刷されるドットを含みそこからNライン先のドットまでの間で前記着目ドットを基準にしたときの階調値の変化があることが検出され、且つその階調値が所定の範囲以上に低下すると判定された場合に、前記着目ドットにおけるインクリボンへの加熱量を補正するサーマルヘッド加熱補正手段とを備えることを特徴とする。このような構成により、着目ドットについて着目ドットの次に印刷が行われるドットを含みそこからプリント方向にNライン先のドットまでの間の階調値の変化を予め検出する。そして、Nライン先のドットまでの間に階調値の変化があることが検出された場合は、着目ドットにおいてインクリボンに印加される熱量を補正する。例えば、高階調から低階調に変化する場合に、階調値が変化する手前Nライン目から補正を始める。すなわち、階調値が変化するNライン手前から徐々にインクリボンに加える熱を少なくし、サーマルヘッドの蓄熱量を小さくする。このようにすると、高階調から低階調に変化するときはすでにサーマルヘッドの蓄熱量は小さくなっているので、小さい補正量で十分な補正結果を得ることができる。また、高濃度から低濃度への階調差がある程度大きいところに対してのみ補正を行うようにしているので、高濃度から低濃度に変化する全ての場所で補正を行うと全体的にぼやけた印象のプリント結果になるのを防ぐことができる。これにより、昇華型プリンタにおいて、プリント濃度(階調)が変化する場合の尾引き現象を低減することができる。
また、本発明のプリンタは、前記階調値検出手段によりNライン先までの間の階調値の変化を検出する場合に、Nライン先までの階調値の平均値である平均階調値を求め、該平均階調値を基に階調値の変化を検出することを特徴とする。
このような構成により、階調値の変化を検出する場合には、着目ドットに対し、Nライン先までの階調値の平均値である平均階調値を求め、該平均階調値を基に階調値の変化を検出する。
これにより、階調値の補正を滑らかに行うことができる。
また、本発明のプリンタは、前記サーマルヘッド加熱補正手段による補正は、「補正後の着目ドット階調値=補正前の着目ドット階調値−補正値」、の計算式により行い、Nを、着目ドットの下の参照するドット数とし、Lvを、着目ドットの下Nドットの平均階調値とし、Iiを、サーマルヘッドの現在の蓄熱量で印字できる階調値とした場合に、補正値を(Ii−Lv)を変数とする所定の関数により求めることを特徴とする。
このような構成により、「補正後の着目ドット階調値=補正前の着目ドット階調値−補正値」とする。そして、補正値を(Ii−Lv)を変数とする関数により求める。例えば、補正値を(Ii−Lv)の1次式や2次式等により求める。
これにより、サーマルヘッドや、インクリボンの特性に応じた最適な形態で補正値を算出することができるので、尾引き現象を効果的に低減できる。
また、本発明のプリンタは、前記サーマルヘッド加熱補正手段による補正は、「補正後の着目ドット階調値=補正前の着目ドット階調値−補正値」、の計算式により行い、Nを、着目ドットの下の参照するドット数とし、Lvを、着目ドットの下Nドットの平均階調値とし、Iiを、サーマルヘッドの現在の蓄熱量で印字できる階調値とし、Wを、補正値の大きさを調整する補正係数とし、Sを、補正する/しないを決める所定の閾値(正数)とし、「(Li−Lv)>S」かつ「(Ii−Lv)>0」の場合に、「補正値=(Ii−Lv)×W」で求め、その他の場合は、「補正値=0」とすることを特徴とする。
このような構成により、「補正後の着目ドット階調値=補正前の着目ドット階調値−補正値」とする。そして、「(Li−Lv)>S(閾値)」かつ「(Ii−Lv)>0」の場合に、「補正値=(Ii−Lv)×W」求め、その他の場合は、「補正値=0」とする。「(Li−Lv)>S」については、補正を行うとドット間の階調差が小さくなり境界がはっきりしなくなるので、高濃度から低濃度への階調差がある程度大きいところに対してのみ補正を行うようにする。また、「(Ii−Lv)>0」については、サーマルヘッドの蓄熱量が高く、平均階調値Lv以上をプリントする場合(Ii>Lv)に補正を行う。蓄熱量が低く、平均階調値Lv以上をプリントしない場合は、補正を行わない。また、「補正値=(Ii−Lv)×W」については、補正に対して重み付けができるようにし、また、滑らかな補正を実現するために2次式を用いる。
これにより、昇華型プリンタにおいて、高濃度から低濃度への階調差が大きい場合に生じる尾引き現象を低減できる。また、高速プリントの場合においても、尾引き現象を低減することができる。さらに、サーマルヘッドとインクリボンの特性に応じた重み付け係数Wを選定できると共に、滑らかな補正を実現することができる。
また、本発明の蓄熱補正制御方法は、形成する画像のライン方向のドットごとに発熱抵抗体を設けたサーマルヘッドにより、インクリボンをプリント用紙に押し当て、該サーマルヘッドによりインクリボンに対し画像の濃度の階調に応じた熱量を印加することにより、インクリボンのインクを用紙に転写し印刷を行うプリンタにおける蓄熱補正制御方法であって、前記プリンタ内の制御部により、現在画像をプリントしようとする着目ドットについて、当該着目ドットとともに同じ発熱抵抗体によって印刷が行われるプリント方向のドットのうち当該着目ドットの次に印刷が行われるドットを含みそこからプリント方向にN(予め設定される任意の数)ライン先のドットまでの間で前記着目ドットを基準にしたときの階調値の変化を予め検出する階調値変化検出手順と、前記階調値変化検出手順により前記着目ドットの次に印刷されるドットを含みそこからNライン先のドットまでの間で前記着目ドットを基準にしたときの階調値の変化があることが検出され、且つその階調値が所定の範囲以上に低下すると判定された場合に、前記着目ドットにおけるインクリボンへの加熱量を補正するサーマルヘッド加熱補正手順とが行われることを特徴とする。このような手順により、着目ドットについてプリント方向にN(予め設定される任意の数)ライン先までの間の階調値の変化を予め検出する。そして、Nライン先までの間に階調値の変化があることが検出された場合は、着目ドットにおいてインクリボンに印加される熱量を補正する。例えば、高階調から低階調に変化する場合は、階調値が変化する手前Nライン目から補正を始める。すなわち、階調値が変化するNライン手前から徐々にインクリボンに加える熱を少なくし、サーマルヘッドの蓄熱量を小さくする。このようにすると、高階調から低階調に変化するときはすでにサーマルヘッドの蓄熱量は小さくなっているので小さい補正量で十分な補正結果を得ることができる。また、高濃度から低濃度への階調差がある程度大きいところに対してのみ補正を行うようにしているので、高濃度から低濃度に変化する全ての場所で補正を行うと全体的にぼやけた印象のプリント結果になるのを防ぐことができる。これにより、昇華型プリンタにおいて、プリント濃度(階調)が変化する場合の尾引き現象を低減することができる。
また、本発明のプリンタは、形成する画像のライン方向のドットごとに発熱抵抗体を設けたサーマルヘッドにより、インクリボンをプリント用紙に押し当て、該サーマルヘッドによりインクリボンに対し画像の濃度の階調に応じた熱量を印加することにより、インクリボンのインクを用紙に転写し印刷を行うプリンタであって、0階調データをプリントする際に、サーマルヘッドの蓄熱量が所定値以下の場合には、サーマルヘッドを予熱するためのバイアスエネルギーを印加して印字するバイアスエネルギー印加手段と、サーマルヘッドの蓄熱量が所定値以上の場合には、サーマルヘッドにバイアスエネルギーを印加することなく無通電で印字する無通電印字手段とを備えることを特徴とする。
このような構成により、0階調データまたは低諧調データのプリントが連続し、サーマルヘッドの蓄熱量が少ない場合には、0階調データをプリントする際に、バイアスエネルギー(インクリボンが発色しない範囲内での予熱を与えるエネルギー)を印加する。また、高階調データのプリントが連続し、サーマルヘッドの蓄熱量が高い場合には、0階調データをプリントする際に、バイアスエネルギーを印加することなく無通電で印字する。すなわち、「予熱」が必要な場合はバイアスエネルギーを与え、「尾引き補正」が必要な場合は無通電にする。
これにより、「立ち上がり濃度不足補正」と「尾引き補正」とが両立した高品質プリントを実現できる。
また、本発明のプリンタは、前記サーマルヘッドの蓄熱量は、プリントした諧調データを加算した熱履歴データを基に算出されることを特徴とする。これにより、サーマルヘッドの蓄熱量を容易に算出でき、0階調データをプリントする際に、バイアスエネルギーを印加して印字するか、無通電で印字するかを判定できる。
また、本発明のプリント制御方法は、形成する画像のライン方向のドットごとに発熱抵抗体を設けたサーマルヘッドにより、インクリボンをプリント用紙に押し当て、該サーマルヘッドによりインクリボンに対し画像の濃度の階調に応じた熱量を印加することにより、インクリボンのインクを用紙に転写し印刷を行うプリンタにおけるプリント制御方法であって、前記プリンタ内の制御部により、0階調データをプリントする際に、サーマルヘッドの蓄熱量が所定値以下の場合には、サーマルヘッドを予熱するためのバイアスエネルギーを印加して印字するバイアスエネルギー印加手順と、サーマルヘッドの蓄熱量が所定値以上の場合には、サーマルヘッドにバイアスエネルギーを印加することなく無通電で印字する無通電印字手順と、高階調データのプリント後に0階調データをプリントする際の加える熱をプリントするNライン手前から徐々に少なくする手順とが行われることを特徴とする。このような手順により、0階調データまたは低諧調データのプリントが連続し、サーマルヘッドの蓄熱量が少ない場合には、0階調データをプリントする際に、バイアスエネルギー(インクリボンが発色しない範囲内での予熱を与えるエネルギー)を印加する。また、高階調データのプリントが連続し、サーマルヘッドの蓄熱量が高い場合には、0階調データをプリントする際に、バイアスエネルギーを印加することなく無通電で印字する。すなわち、「予熱」が必要な場合はバイアスエネルギーを与え、「尾引き補正」が必要な場合は無通電にする。これにより、「立ち上がり濃度不足補正」と「尾引き補正」とが両立した高品質プリントを実現できる。
本発明のプリンタ、および尾引き補正制御方法においては、昇華型プリンタにおいて、高濃度から低濃度への階調差が大きい場合に生じる尾引き現象を低減できる。また、高速プリントの場合においても、尾引き現象を低減することができる。
また、本発明のプリンタ、およびプリント制御方法においては、「立ち上がり濃度不足補正」と「尾引き補正」とが両立した高品質プリントを実現できる。
[第1の実施の形態]
最初に、本発明の第1の実施の形態として、プリント濃度が高諧調から低諧調に移行する場合に、尾引き現象を軽減するための実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明のプリンタにおける、尾引き補正制御方法について説明するための図である。図1に示すように、本発明においては、プリント濃度(階調)が高階調から低階調(図1の例では255階調から64階調)に変化する場合に、階調が変化する手前Nライン目から補正を始める。すなわち、Nライン手前から徐々にインクリボンに加える熱を少なくし、サーマルヘッドの蓄熱量を小さくする。高階調から低階調に変化するときはすでにサーマルヘッドの蓄熱量は小さくなっているので小さい補正量で十分な補正結果を得ることができる。
図1においては、グラフの実線で示す部分が本発明による尾引き補正制御を示しており、Nラインの区間はインクリボンに加える熱を小さくしているので目標の濃度を得られない(小さくなる)。しかし、余熱によりある程度の濃度は得られ、尾引きで生じる“にじみ”よりはプリントに与える影響は小さい。
次に、本発明の尾引き補正制御の実現方法について説明する。
図2は、着目ドットと下Nラインのドットの配置を示す図である。図2に示すように、着目ドット3をこれから補正を行うドットとする。補正を行う際に着目ドット3の下Nドットを参照する。着目ドット3の下Nドットとは、着目ドット3の後にプリントするドットを指す。次のNラインの間に高階調から低階階調に変化するかどうかを調べ、変化する場合に補正を行う。これを各ラインで全ドットに対して行う。Nライン下のドットを参照することでNライン手前から補正を始めることができる。
次に、補正値の計算方法を示す。最初に、計算で用いる値を次のように定義する。
N:着目ドットの次に印刷が行われるドットを含みそこからプリント方向に参照するドットの数である。
Li:着目ドットの階調値である。
Lv:着目ドットの次に印刷が行われるドットを含みそこからNライン先のドットまでの平均階調値である。
Vi::着目ドットプリント時のサーマルヘッドの蓄熱量であり、サーマルヘッドの特性に応じて得られる値である。
Ii:サーマルヘッドの蓄熱量Viで印字できる階調値であり、各階調値に対して目的の濃度が得られる最適なサーマルヘッドの蓄熱量を予め定義しており、この定義から得られた値であり、例えば、図3に示すように、点線矢印で示す方法で、蓄熱量Viから印字できる階調値Iiを導く。
W:補正の重みであり、補正値の大きさを調整する係数である。
S:補正する/しないの閾値(正数)であり、(Li−Lv)>Sのとき補正を行う。すなわち、該平均階調値と前記着目ドットの階調値とを基に階調値の変化を検出し、変化があるとき、補正を行う。また、高濃度から低濃度へある一定の大きさの階調変化があるときだけ、補正するようにする。
そして、計算式は次のようにする。
「補正後のLi=補正前のLi−補正値」、
ここで、「(Li−Lv)>S」かつ「(Li−Lv)>0」の場合、
補正値=(Ii−Lv)×W、
その他の場合、補正値=0とする。
次に、上式について説明する。
「(Li−Lv)>S」については、本補正を行うと、高濃度から低濃度に変化するところでドット間の階調差が小さくなり、境界がはっきりしなくなる。高濃度から低濃度に変化する全ての場所で補正を行うと全体的にぼやけた印象のプリント結果になる。これを防ぐために高濃度から低濃度への階調差がある程度大きいところに対してのみ補正を行うようにする。
「(Ii−Lv)>0」については、蓄熱量Viが高く、平均階調値Lv以上をプリントする場合(Ii>Lvの場合)は、着目ドットの階調値Liを補正する。蓄熱量Viが低く、平均階調値Lv以上をプリントしない場合は、補正を行わない。
「補正値=(Ii−Lv)×W」については、補正の強さは、蓄熱量で印字できる階調値Iiと、平均階調値Lvで決まる。Ii−Lvが大きいほど補正が強い。Wはこれに乗ずる係数で重みとして働く。
そして、滑らかな補正を実現するために2次式を用いる。図4(a)に示すように、1次式を使うと直線的な補正をするのに対し、図4(b)に示すように、2次式を使うと2次曲線を描く滑らかな補正を実現できる。この補正区間は徐々に濃度が低下するが2次式を使うと急激な濃度低下が抑えられる。滑らかさがプリント結果に現れ、よい補正結果が得られる。
図5は補正例を示す図である。実線で囲ったドットが着目ドット3、点線で囲ったドットが下Nドットであり、N=5の場合の例を示している。図5に示すように、着目ドット3が高濃度から低濃度へ変化するところへ近付くにつれて下Nドットの平均階調値が小さくなり、補正値も大きくなる。徐々に補正値を大きくすることで滑らかな補正結果が得られる。
また、図6は、本発明によるプリンタのシステム構成例を示す図である。
図6に示すプリンタ1において、11は、CPU等を含み、プリンタの各部を制御する主制御部である。12は、外部のホスト(ホストコンピュータ)2からプリント対象となる画像をYMC(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C))等の画像データにより受信し一時保存するイメージバッファである。
13は、ホスト2から送信された画像データをプリントするために必要な処理を行うプリント制御部である。プリント制御部13中のプリント用画像データ生成部14は、ホスト2から受信したYMC入力画像データを、インクリボンのインク色に対応したプリント用画像データに変換するための処理部である。また、インクリボン巻取/巻戻処理部15は、プリントの際にインクリボンのインク面が適切な位置にくるように、モータ駆動制御部20に対して指令信号を送信し、インクリボンの巻取り/巻き戻し制御を行うための処理部である。ロール紙駆動処理部16は、モータ駆動制御部20に対して指令信号を送信しプリント用紙の送り制御を行うと共に、プリント用紙のカット処理等を行うための処理部である。
17は、サーマルヘッド18内の発熱抵抗体19に対し、階調(濃度)に応じた通電パルスパターンにより、パルス通電を行う通電パルス発生部である。18は、プリントするドットごとに発熱抵抗体が配列されたサーマルヘッドである。19は、各ドットに対応する発熱抵抗体である。20はモータ駆動制御部であり、インクリボンを搬送するインクリボン巻取モータと、インクリボンを巻き戻すインクリボン巻戻モータと、プリント用紙を搬送するロール紙駆動モータ等を駆動制御する。
本発明のプリンタ1においては、プリント制御部13内の、サーマルヘッド加熱補正処理部21に特徴がある。
サーマルヘッド加熱補正処理部21内の階調値変化検出処理部22は、プリント用画像データ生成部14により生成された画像データを調べ、現在画像をプリントしようとする着目ドットについて、プリント方向にN(予め設定される任意の数)ライン先までの間に階調値の変化があるかどうかを予め検出する処理を行う。言い換えれば、当該着目ドットとともに同じ発熱抵抗体によって印刷が行われるプリント方向のドットのうち当該着目ドットの次に印刷が行われるドットを含みそこからプリント方向にN(予め設定される任意の数)ライン先のドットまでの間で前記着目ドットを基準にしたときの階調値の変化を予め検出する。なお、階調値を検出する場合には、Nライン先までの階調値の平均値である平均階調値を求め、該平均階調値を基に階調値の変化を検出する場合もある。
補正値計算処理部23は、階調値変化検出処理部22により階調値の変化があることが検出された場合に、すなわち前記着目ドットを基準にしたときの階調値の変化があることが検出され、且つその階調値が所定の範囲以上に低下すると判定された場合に、先に説明した補正値の計算方法により、階調値が変化するNライン手前から、サーマルヘッドがインクリボンに印加する熱量の補正値の計算を行う。
以上説明したように、本発明のプリンタにおいては、サーマルヘッドからインクリボンに与える熱をコントロールすることで尾引き現象を軽減させることができる。また、プリントスピードが速く、前のラインをプリントした後、サーマルヘッド内部に蓄積した熱が外部に放出されるまでの間に次のラインをプリントする時間に達し、蓄積した熱がインクリボンに伝わりインクが用紙に転写され、本来の濃度で次のラインをプリントすることができず尾引きが生じる場合にも、この尾引き現象を低減することができる。
[第2の実施の形態]
従来のプリント制御では、サーマルヘッドの熱履歴補正の計算により、図10の点線Gで囲んだ部分に示すような1ライン中のサーマルヘッドへの通電時間(例えば、通電パルスの時間幅)を増減する補正処理と、0階調データをプリントする場合のバイアス通電時間(インクリボンが発色しない範囲でサーマルヘッドに印加する予熱エネルギーの印加時間)の長さを決定する処理とが独立に行われていた。(なお、サーマルヘッドの熱履歴の計算は、例えば、サーマルヘッドに印加した諧調データを加算した熱履歴データを基に算出する。また、この加算データを基に、サーマルヘッドのヒートシンクへの放熱量および周囲環境温度(サーミスタ等により測定)の要素を考慮して算出してもよい。)
本発明の第2の実施の形態では、上記の2つの処理を関連付け、熱履歴データを基に、0階調データをプリントする場合のバイアス通電時間を制御し、その長さを増減するようにする。
例えば、図13(A)に示すように、0階調データが連続する場合(領域1の部分をプリントする場合)は、0階調データが続いておりサーマルヘッドの蓄熱量も少ないので、バイアス通電時間を減らさないようにし、サーマルヘッドに予熱を与え続ける。例えば、図14の蓄熱量(Vi)と印字諧調(Ii)の関係を示す図に示されるように、サーマルヘッドの蓄熱量(Vi)が、Vimin(インクリボンが発色しない限界の蓄熱量)以下の場合に、サーマルヘッドに予熱を与え続ける。ただし、蓄熱量(Vi)がViminを超えないようにする。このようすることにより、領域2の部分をプリントし始める時に、ある程度はサーマルヘッドは温まっているので、「プリント濃度の立ち上がり」が良くなる。
また、図13(B)のように高諧調濃度のプリント(領域3の部分のプリント)が連続し、その後に0階調データがプリント(領域4の部分のプリント)される場合には、熱履歴補正の計算によりバイアス通電時間を0(無通電)まで減らすようにする。例えば、図14に示すように、サーマルヘッドの蓄熱量(Vi)が、Vin(Vin>Vimin)の場合には、バイアス通電時間を0(無通電)まで減らすようにする。これにより、「尾引き現象」に対して最大限の対策効果を与えることができる。
また、図15は、第2の実施の形態におけるプリンタのシステム構成例を示す図である。図15に示すプリンタ1Aの構成は、図6に示すプリンタ1と比較して、プリント制御部13内のサーマルヘッド加熱補正処理部21の構成が異なるものであり、その他の部分は図6に示すものと同様である。
サーマルヘッド加熱補正処理部21内のバイアスエネルギー印加処理部24は、0階調データをプリントする際に、現在のサーマルヘッドの蓄熱量を判定し、0階調データまたは低諧調データのプリントが連続し蓄熱量が所定値以下の場合は、サーマルヘッドに予熱を付与するためにバイアスエネルギーを印加して0階調データを印字する処理を行う。
また、無通電印字処理部25は、0階調データをプリントする際に、現在のサーマルヘッドの蓄熱量を判定し、高低諧調データのプリントが連続し蓄熱量が所定値以上の場合は、無通電により0階調データを印字する処理を行う。
なお、第2の実施の形態において高諧調データのプリント後に0階調データをプリントする際に、第1の実施の形態と同様に、着目ドット(高諧調データをプリントするドット)についてプリント方向にNライン先までの間の階調値の変化を予め検出し、Nライン先までの間に0階調データをプリントすることが検出された場合は、0階調データをプリントする手前Nライン目から補正を始めるようにしてもよい。すなわち、0階調データをプリントするNライン手前から徐々にインクリボンに加える熱を少なくし、サーマルヘッドの蓄熱量を小さくする。このようにすると、0階調データをプリントするときはすでにサーマルヘッドの蓄熱量は小さくなっているので、尾引き補正がより効果的に行えるようになる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明のプリンタは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明においては、プリントの際に高濃度から低濃度への階調差が大きく、また、高速プリントの場合においても、尾引き現象を低減することができ、また、プリントする画像の「立ち上がり濃度不足補正」と「尾引き補正」とを両立した高品質プリントを実現できるので、本発明はプリンタ等に有用である。
本発明による尾引き補正制御について説明するための図である。 着目ドットと下Nラインのドットの配置を示す図である。 サーマルヘッドの蓄熱量Viと印字できる階調値Iiの関係を示す図である。 補正値に1次式を使った場合と2次式を使った場合の例を示す図である。 補正例を示す図である。 本発明によるプリンタのシステム構成例を示す図である。 プリンタのプリント部の構成例を示す図である。 インクリボンの例を示す図である。 尾引き現象について説明するための図である。 従来の尾引き補正制御について説明するための図である。 従来の尾引き補正制御の問題点を説明するための図である。 高速プリント時の尾引き現象の例を示す図である。 第2の実施の形態におけるプリント方法を説明するための図である。 第2の実施の形態における蓄熱量Viと印字諧調Iiの関係を示す図である。 第2の実施の形態におけるプリンタのシステム構成例を示す図である。
符号の説明
1、1A…プリンタ
2…ホスト
3…着目ドット
11…主制御部
12…イメージバッファ
13…プリント制御部
14…プリント用画像データ生成部
15…インクリボン巻取/巻戻処理部
16…ロール紙駆動処理部
17…通電パルス発生部
18…サーマルヘッド
19…発熱抵抗体
20…モータ駆動制御部
21…サーマルヘッド加熱補正処理部
22…階調値変化検出処理部
23…補正値計算処理部
24…バイアスエネルギー印加処理部
25…無通電印字処理部
31…ロール紙
32…プリント用紙
33…インクリボンロール
34…供給コア
35…インクリボン
36、37…インクリボン用ガイドロール
38…巻取コア
39…プラテンロール
40…ピンチロール
41…フィードロール

Claims (6)

  1. 形成する画像のライン方向のドットごとに発熱抵抗体を設けたサーマルヘッドにより、インクリボンをプリント用紙に押し当て、該サーマルヘッドによりインクリボンに対し画像の濃度の階調に応じた熱量を印加することにより、インクリボンのインクを用紙に転写し印刷を行うプリンタであって、
    現在画像をプリントしようとする着目ドットについて、当該着目ドットとともに同じ発熱抵抗体によって印刷が行われるプリント方向のドットのうち当該着目ドットの次に印刷が行われるドットを含みそこからプリント方向にN(予め設定される任意の数)ライン先のドットまでの間で前記着目ドットを基準にしたときの階調値の変化を予め検出する階調値変化検出手段と、
    前記階調値変化検出手段により前記着目ドットの次に印刷されるドットを含みそこからNライン先のドットまでの間で前記着目ドットを基準にしたときの階調値の変化があることが検出され、且つその階調値が所定の範囲以上に低下すると判定された場合に、前記着目ドットにおけるインクリボンへの加熱量を補正するサーマルヘッド加熱補正手段と
    を備えることを特徴とするプリンタ。
  2. 前記階調値検出手段により前記着目ドットの次に印刷されるドットを含みそこからNライン先のドットまでの間で当該着目ドットを基準にしたときの階調値の変化を検出する場合に、当該着目ドットの次に印刷が行われるドットを含みそこからNライン先のドットまでの階調値の平均値である平均階調値を求め、該平均階調値と前記着目ドットの階調値とを基に階調値の変化を検出することを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
  3. 前記サーマルヘッド加熱補正手段による補正は、
    「補正後の着目ドット階調値=補正前の着目ドット階調値−補正値」、
    の計算式により行い、
    Nを、前記着目ドットの次に印刷が行われるドットを含みそこからプリント方向に参照するドットの数とし、
    Lvを、当該着目ドットの次に印刷が行われるドットを含みそこからNライン先のドットまでの平均階調値とし、
    Iiを、サーマルヘッドの現在の蓄熱量で印字できる階調値とした場合に、
    補正値を(Ii−Lv)を変数とする所定の関数により求めることを特徴とする請求項1または2に記載のプリンタ。
  4. 前記サーマルヘッド加熱補正手段による補正は、
    「補正後の着目ドット階調値=補正前の着目ドット階調値−補正値」、
    の計算式により行い、
    Nを、前記着目ドットの次に印刷が行われるドットを含みそこからプリント方向に参照するドット数とし、
    Lvを、当該着目ドットの次に印刷が行われるドットを含みそこからNライン先のドットまでの平均階調値とし、
    Iiを、サーマルヘッドの現在の蓄熱量で印字できる階調値とし、
    Wを、補正値の大きさを調整する補正係数とし、
    Sを、補正する/しないを決める所定の閾値(正数)とし、
    「(Li−Lv)>S」かつ「(Ii−Lv)>0」の場合に、「補正値=(Ii−Lv) ×W」で求め、その他の場合は、「補正値=0」とすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のプリンタ。
  5. 形成する画像のライン方向のドットごとに発熱抵抗体を設けたサーマルヘッドにより、インクリボンをプリント用紙に押し当て、該サーマルヘッドによりインクリボンに対し画像の濃度の階調に応じた熱量を印加することにより、インクリボンのインクを用紙に転写し印刷を行うプリンタにおける蓄熱補正制御方法であって、
    前記プリンタ内の制御部により、現在画像をプリントしようとする着目ドットについて、当該着目ドットとともに同じ発熱抵抗体によって印刷が行われるプリント方向のドットのうち当該着目ドットの次に印刷が行われるドットを含みそこからプリント方向にN(予め設定される任意の数)ライン先のドットまでの間で前記着目ドットを基準にしたときの階調値の変化を予め検出する階調値変化検出手順と、
    前記階調値変化検出手順により前記着目ドットの次に印刷されるドットを含みそこからNライン先のドットまでの間で前記着目ドットを基準にしたときの階調値の変化があることが検出され、且つその階調値が所定の範囲以上に低下すると判定された場合に、前記着目ドットにおけるインクリボンへの加熱量を補正するサーマルヘッド加熱補正手順と
    が行われることを特徴とする蓄熱補正制御方法
  6. 形成する画像のライン方向のドットごとに発熱抵抗体を設けたサーマルヘッドにより、インクリボンをプリント用紙に押し当て、該サーマルヘッドによりインクリボンに対し画像の濃度の階調に応じた熱量を印加することにより、インクリボンのインクを用紙に転写し印刷を行うプリンタにおけるプリント制御方法であって、
    前記プリンタ内の制御部により、0階調データをプリントする際に、サーマルヘッドの蓄熱量が所定値以下の場合には、サーマルヘッドを予熱するためのバイアスエネルギーを印加して印字するバイアスエネルギー印加手順と、
    サーマルヘッドの蓄熱量が所定値以上の場合には、サーマルヘッドにバイアスエネルギーを印加することなく無通電で印字する無通電印字手順と
    高階調データのプリント後に0階調データをプリントする際の加える熱をプリントするNライン手前から徐々に少なくする手順と
    が行われることを特徴とするプリント制御方法。
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