JP5449862B2 - 吸収式冷凍装置 - Google Patents
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Description
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、冷/温水流量を定格値より減らした状態でも冷/温水温度を安定させる吸収式冷凍装置を提供することにある。
上記構成によれば、冷/温水温度に応じて入熱量制御弁の開度を決定する決定部と、冷/温水流量に基づいて、決定部で決定した開度を補正する補正部とを備えるため、冷/温水流量に基づいて入熱量が補正されるので、冷/温水温度の変化幅を定格流量時に近づけることができ、冷/温水温度の安定化を図ることができる。
また、上記構成によれば、補正部は、決定部が決定した開度に、定格流量に対する冷/温水流量の比率を乗じて補正するため、冷/温水流量に比例して入熱量が補正されるので、冷/温水温度をより確実に安定化できる。
〔第一の実施の形態〕
図1は、本発明の第一の実施の形態に係る吸収式冷温水機(吸収式冷凍装置)を示す回路図である。
吸収式冷温水機100は、例えば、冷媒に水、吸収液に臭化リチウム(LiBr)溶液を用いた二重効用吸収式冷温水機である。この吸収式冷温水機100は、高温再生器1、低温再生器2、凝縮器3、蒸発器4、吸収器5、高温熱交換器6、及び低温熱交換器7等が配管接続され、吸収液及び冷媒の循環サイクルが構成されている。
蒸発器4には、凝縮器3から流入した冷媒が溜まる冷媒溜まり4Bが形成され、この冷媒溜まり4Bから上部に設けられた散布器4Aへと液冷媒を循環させる冷媒ポンプ14を備えた冷媒管27が接続されている。蒸発器4内には、冷温水管28が伝熱管として配置され、この冷温水管28を介して、ブライン(例えば、冷水又は温水)が図示しない熱負荷(例えば空気調和装置)に循環供給される。冷温水管28と冷却水管26とは、開閉弁33が設けられた接続管29によって接続されている。
吸収器5の下部には、蒸発器4からの冷媒蒸気が散布器5Aから散布された濃液に吸収された稀液が溜まる稀液溜まり5Bが形成されている。この稀液溜まり5Bには、冷温水管28から分岐して開閉弁34が設けられた分岐管30と、上記稀液管20とが接続されている。吸収器5内には、冷却水が流通する冷却水管26が伝熱管として配置されている。この冷却水管26は、この吸収器5内を経由して上記凝縮器3内を経由するように配設されている。
また、吸収式冷温水機100には、吸収式冷温水機100の制御を行う制御装置60が設けられている。この制御装置60は、図示しない計時手段を備えている。制御装置60は、液面検知器1Aにより検出される高温再生器1における吸収液の液面の高さ、温度センサ51により検出される冷/温水の温度、流量センサ52により検出される冷/温水流量Q等を取得する。そして、制御装置60は、取得した値に基づいて、点火器10Aの点火制御、燃料制御弁10Bの開閉及び開度制御、インバータ8Aのインバータ制御等を実行する。
冷房運転時には、冷温水管28を介して熱負荷に循環供給されるブライン(例えば冷水)の蒸発器4出口側温度が所定の設定温度、例えば7℃になるように吸収式冷温水機100に投入される入熱量が制御装置60により制御される。具体的には、制御装置60は、ポンプ8,14を起動し、冷却水管26に冷却水を流し、バーナ10で燃料を燃焼させ、温度センサ51が検出するブラインの温度が所定の7℃となるようにバーナ10の火力を制御する。なお、冷房運転時には、開閉弁31〜34は閉じられる。
吸収器5の稀液溜まり5Bに溜まった稀液は、第1吸収液ポンプ8によって稀液管20から流出される。この稀液は、稀液管20を流通して低温熱交換器7を経由し、吸収液管23を流通する濃液によって加熱された後、高温熱交換器6を経由し、第1吸収液管22Aを流通する中間液によって加熱され、高温再生器1に入る。
なお、本実施の形態の吸収式冷温水機100は、蒸発器4で凝縮した冷媒が冷媒管27、分岐管30を流通して吸収器5に入るように構成されているが、開閉弁34を閉じ、蒸発器4で凝縮して冷媒溜まり4Bに溜まった冷媒を冷媒溜まり4Bからオーバーフローさせて吸収器5に入るように構成することもできる。
ところで、この吸収式冷温水機100は、省エネ等の目的で冷/温水流量Qが定格流量Q0よりも減らされて運転される場合がある。この状態で、高温再生器1の入熱量を定格時のままに設定すると、高温再生器1の入熱量が過度になり、冷/温水温度が上下に変動を繰り返すハンチングが発生するおそれがある。
このため、吸収式冷温水機100は冷/温水流量Qを検出する流量センサ52を備え、この流量センサ52が検出した冷/温水流量Qに基づいて、制御装置60が冷/温水温度に基づいて決定された燃料制御弁10Bの開度を補正する開度補正処理を実行し、冷/温水温度のハンチングを防止するように構成されている。
制御装置60は、流量センサ52が出力する冷/温水流量Qの多さを判定する一又は複数(本実施の形態では、3つ)の判定部61A〜61Cと、温度センサ51が出力する冷/温水温度に基づき燃料制御弁10Bの開度(燃料制御弁開度D0)を決定する決定部62と、判定部61A〜61Cが出力する信号に基づき、決定部62が決定した燃料制御弁開度D0を補正する補正部63と、これら判定部61A〜61C、決定部62、及び補正部63の動作を制御するマイコン64とを備えて構成されている。
補正部63は、いずれかの判定部61A〜61Cから信号が出力された場合、その信号に応じた所定乗数KA〜KCを、決定部62から出力された燃料制御弁開度D0に乗じて補正するものである。これらの所定乗数KA〜KCは、「1」未満の値であり、設定流量A〜C時において、冷/温水の変動を抑制する開度となるように、予め実験等によって取得されている。補正部63は、冷/温水流量Qが少なくなるほど、燃料制御弁開度D0が小さくなるように補正する。
図3は、開度補正処理を示すフローチャートである。
マイコン64は、吸収式冷温水機100の運転中、計時手段によって時間をカウントし、所定の間隔で開度補正処理を実行する。開度補正処理では、マイコン64は、まず、冷/温水流量Qが所定流量A未満か否か判別する(ステップS1)。すなわち、マイコン64は、流量センサ52が出力した冷/温水流量Qが所定流量A未満になったことを示す信号が判定部61Aから補正部63に出力されたか否か判別する。
冷/温水流量Qが所定流量A以上の場合(ステップS1:No)、マイコン64は、冷/温水流量Qが所定流量B未満か否か判別する(ステップS2)。すなわち、マイコン64は、流量センサ52が出力した冷/温水流量Qが設定流量B未満になったことを示す信号が判定部61Bから補正部63に出力されたか否か判別する。
冷/温水流量Qが所定流量C以上の場合(ステップS3:No)、マイコン64は、冷/温水流量Qが十分に多いと判別し、決定部62から出力された燃料制御弁10Bの開度(燃料制御弁開度D0)を補正部63に補正させず、燃料制御弁開度D0を燃料制御弁10Bに出力する燃料制御弁開度Dとさせる(ステップS4)。そして、マイコン64は、燃料制御弁開度Dを燃料制御弁10Bに出力し、燃料制御弁10Bを動作させ(ステップS5)、開度補正処理の処理を終了する。
また、冷/温水流量Qが所定流量B未満の場合(ステップS2:Yes)、マイコン64は、冷/温水流量Qが少ないと判別し、決定部62から補正部63に出力された燃料制御弁開度D0を補正部63に補正させる(ステップS7)。このとき、補正部63は、燃料制御弁開度D0に所定乗数KBを乗じることにより、燃料制御弁開度D0を小さく補正し、補正した値を燃料制御弁開度Dとする。そして、マイコン64は、処理をステップS5に移行する。
また、補正部63は、冷/温水流量Qが所定流量A〜Cより小さい場合、すなわち、判定部61A〜61Cから信号が出力された場合のみ、決定部62が決定した燃料制御弁開度D0に所定乗数KA〜KCを乗じて補正するため、燃料制御弁開度D0を補正する頻度を抑え、開度補正処理に係わる制御ロジックを簡素化できる。
次いで、第二の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態に係る吸収式冷温水機の構成は、図1で示すものと同一である。
本実施の形態の補正部63は、いずれかの判定部61A〜61Cから信号が出力された場合、且つ、この信号に応じた上限値MA〜MCより決定部62が決定した燃料制御弁開度D0が大きい場合に、燃料制御弁開度D0を上限値MA〜MCに補正するように構成されている。これらの上限値MA〜MCは、設定流量A〜C時において、冷/温水の変動を抑制する開度となるように、予め実験等によって取得されている。この補正部63は、冷/温水流量Qが少なくなるほど、燃料制御弁開度D0が小さくなるように補正する。
図4は、開度補正処理を示すフローチャートである。
マイコン64は、吸収式冷温水機100の運転中、計時手段によって時間をカウントし、所定の間隔で開度補正処理を実行する。開度補正処理では、マイコン64は、まず、冷/温水流量Qが所定流量A未満か否か判別する(ステップS11)。すなわち、マイコン64は、流量センサ52が出力した冷/温水流量Qが所定流量A未満になったことを示す信号が判定部61Aから補正部63に出力されたか否か判別する。
冷/温水流量Qが所定流量A以上の場合(ステップS11:No)、マイコン64は、冷/温水流量Qが所定流量B未満か否か判別する(ステップS12)。すなわち、マイコン64は、流量センサ52が出力した冷/温水流量Qが設定流量B未満になったことを示す信号が判定部61Bから補正部63に出力されたか否か判別する。
冷/温水流量Qが所定流量C以上の場合(ステップS13:No)、マイコン64は、冷/温水流量Qが十分に多いと判別し、決定部62から出力された燃料制御弁10Bの開度(燃料制御弁開度D0)を補正部63に補正させず、燃料制御弁開度D0を燃料制御弁10Bに出力する燃料制御弁開度Dとさせる(ステップS14)。そして、マイコン64は、燃料制御弁開度Dを燃料制御弁10Bに出力し、燃料制御弁10Bを動作させ(ステップS15)、開度補正処理の処理を終了する。
燃料制御弁開度D0が上限値MAより大きい場合(ステップS16:Yes)、マイコン64は、決定部62から補正部63に出力された燃料制御弁開度D0を補正部63に補正させる(ステップS17)。このとき、補正部63は、上限値MAを燃料制御弁開度Dとすることにより、燃料制御弁開度D0を小さく補正する。そして、マイコン64は、処理をステップS15に移行する。
燃料制御弁開度D0が上限値MBより大きい場合(ステップS18:Yes)、マイコン64は、決定部62から補正部63に出力された燃料制御弁開度D0を補正部63に補正させる(ステップS19)。このとき、補正部63は、上限値MBを燃料制御弁開度Dとすることにより、燃料制御弁開度D0を小さく補正する。そして、マイコン64は、処理をステップS15に移行する。
燃料制御弁開度D0が上限値MBより大きい場合(ステップS20:Yes)、マイコン64は、決定部62から補正部63に出力された燃料制御弁開度D0を補正部63に補正させる(ステップS21)。このとき、補正部63は、上限値MCを燃料制御弁開度Dとすることにより、燃料制御弁開度D0を小さく補正する。そして、マイコン64は、処理をステップS15に移行する。
また、本実施の形態では、補正部63は、冷/温水流量Qが所定流量A〜Cより小さい場合、且つ、所定流量A〜Cに応じた上限値MA〜MCより決定部62が決定した燃料制御弁開度D0が大きい場合のみ、決定部62が決定した燃料制御弁開度D0を上限値MA〜MCに補正するため、燃料制御弁開度D0を補正する頻度をさらに抑え、開度補正処理に係わる制御ロジックをより簡素化できる。
例えば、上記実施の形態では、3つの判定部61A〜61Cが設けられていたが、判定部は1つでもよいし、2つ以上であってもよい。判定部を多く設けるほど、冷/温水流量Qに追従して入熱量が補正されるので、冷/温水温度を確実に安定化できる。
2 低温再生器
3 凝縮器
4 蒸発器
5 吸収器
62 決定部
63 補正部
10B 燃料制御弁(入熱量制御弁)
100 吸収式冷温水機(吸収式冷凍装置)
Claims (1)
- 高温再生器、低温再生器、凝縮器、蒸発器、及び吸収器を備え、これらを配管接続して吸収液及び冷媒の循環サイクルをそれぞれ形成し、入熱量制御弁によって高温再生器の入熱量を制御する吸収式冷凍装置において、
蒸発器出口側の冷/温水温度に応じて前記入熱量制御弁の開度を決定する決定部と、冷/温水流量に基づいて、前記決定部で決定した開度を補正する補正部とを備え、
前記補正部は、前記決定部が決定した開度に、定格流量に対する冷/温水流量の比率を乗じて補正することを特徴とする吸収式冷凍装置。
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