JP2019190708A - 吸収式冷凍機 - Google Patents
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Abstract
Description
このような吸収式冷凍機として、従来、例えば、高温再生器と低温再生器とを連通する吸収溶液ライン又は低温再生器と吸収器とを連通する吸収溶液ラインに圧力調整手段及び中間再生器を介装し、該中間再生器は外部温熱源から供給される流体と吸収溶液ラインを流れる吸収溶液との間で顕熱・潜熱交換を行い、冷温水出口温度及び高温再生器の温度を測定する温度測定手段と、冷温水出口温度及び高温再生器の温度に基づいて高質燃料燃焼用バーナへの高質燃料供給量を調節する燃料供給量制御機構、とを備えたものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、近年、JIS B8622の改定で、吸収式冷凍機のIPLV(標準期間成績係数)が規定され、IPLVについても、許容誤差の範囲内に保持した状態で運転する必要が出てきた。従来は、IPLVを満たすように運転制御を行う吸収式冷凍機は存在しないため、IPLVを満たす運転制御を行う吸収式冷凍機が望まれている。
これによれば、制御装置により所定条件に応じて補正処理を行うことにより、IPLVを許容誤差の範囲内に保持した状態で運転することができる。
これによれば、制御装置により濃液濃度に応じて補正処理を行うことにより、IPLVを許容誤差の範囲内に保持した状態で運転することができる。
これによれば、制御装置により高温再生器の温度に応じて補正処理を行うことにより、IPLVを許容誤差の範囲内に保持した状態で運転することができる。
これによれば、必要以上に、高温再生器温度および濃液濃度の上昇が発生しないように制御することができる。
これによれば、算出したCOPが想定COPに対する許容範囲より低い場合に、COPを許容範囲内に調整することができる。
これによれば、COPが許容範囲にならない場合に、予報発報を行うことで、COPが低下したことを、メンテナンス作業者が認識することができる。
図1は、本実施の形態に係る吸収式冷凍機の概略構成図である。吸収式冷凍機100は、冷媒に水を、吸収液に臭化リチウム(LiBr)水溶液を使用し、この吸収液を、ガス燃料で加熱する吸収冷温水機である。
また、吸収式冷凍機100は、低温熱交換器12と、高温熱交換器13と、冷媒ドレン熱回収器17と、稀吸収液ポンプ45と、濃吸収液ポンプ47と、冷媒ポンプ48とを備え、これらの各機器が吸収液管21,23,24,25および冷媒管31,32,34,35などを介して配管接続されて循環経路が構成されている。
吸収器2および凝縮器7には、吸収器2および凝縮器7に順次冷却水を流通させるための冷却水管15が設けられており、この冷却水管15の一部に形成された各伝熱管15A、15Bがそれぞれ吸収器2および凝縮器7内に配置されている。
この分岐稀吸収液管21Aは冷媒ドレン熱回収器17を経由した後に、稀吸収液管21の低温熱交換器12の下流側で再び稀吸収液管21に合流する。この稀吸収液管21の他端は、高温熱交換器13を経由した後、高温再生器5内に形成された熱交換部5Aの上方に位置する気層部5Bに開口している。
稀吸収液管21は、低温熱交換器12の下流側で第2分岐管21Bに分岐され、第2分岐管21Bは低温再生器6内に開口している。
第2中間吸収液管23の他端は、低温再生器6と吸収器2とを繋ぐ濃吸収液管25に接続されている。また、第2中間吸収液管23の高温熱交換器13上流側と吸収器2とは開閉弁V1が介在する吸収液管24により接続されている。
低温再生器6の吸収液溜り6Aには、濃吸収液管25の一端が接続され、この濃吸収液管25の他端は、吸収器2の気層部2B上部に設けられる濃液散布器2Cに接続されている。濃吸収液管25には濃吸収液ポンプ47および低温熱交換器12が設けられている。この低温熱交換器12は、低温再生器6の吸収液溜り6Aから流出した濃吸収液の温熱で稀吸収液管21を流れる稀吸収液を加熱するものである。
濃吸収液ポンプ47の運転が停止した場合には、低温再生器6の吸収液溜り6Aに溜った吸収液は、濃吸収液管25およびバイパス管27を通じて吸収器2内に供給される。
また、凝縮器7の冷媒液溜り7Aには、この冷媒液溜り7Aから流出した冷媒が流れる冷媒管34の一端が接続され、この冷媒管34の他端は、下方に湾曲したUシール部34Aを介して蒸発器1の気層部1Aに接続されている。
蒸発器1の下方には、液化した冷媒が溜る冷媒液溜り1Bが形成され、この冷媒液溜り1Bと蒸発器1の気層部1Aの上部に配置される散布器1Cとは冷媒ポンプ48が介在するに冷媒管35により接続されている。
さらに、冷却水管15の入口側には、冷却水の入口側の温度を検出する冷却水入口温度センサ83が設けられている。
また、濃吸収液管25には、吸収液の濃度を検出する濃液濃度センサ84が設けられている。濃吸収液管25には、低温再生器6の出口側の吸収液の濃度を検出する低温再生器出口濃度センサ85が設けられている。
第2中間吸収液管23には、高温再生器5の出口側の吸収液の濃度を検出する高温再生器出口濃度センサ86が設けられている。
高温再生器5の内部には、高温再生器5の温度を検出する高温再生器温度センサ87が設けられている。
そして、エジェクタポンプ74を駆動することにより、吸収液管75を介して稀吸収液管21の稀吸収液をタンク71に取り込む。吸収液管75により流れ込んだ稀吸収液により、タンク71の内部が負圧となり、これにより、吸収器2の上部に貯留されている不凝縮ガスのみならず冷媒蒸気、気化した吸収液などが抽気管72を通ってタンク71の上方に導かれる。
図2は、本実施の形態の制御構成を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施の形態の吸収式冷凍機100は、コントローラ50を備えており、コントローラ50は、制御装置51を備えている。制御装置51は、吸収式冷凍機100の各部を中枢的に制御するものであり、演算実行部としてのCPU、このCPUによって実行可能な基本制御プログラムや所定のデータ等を不揮発的に記憶するROM、所定のデータ等を揮発的に記憶するRAMなどのメモリ52、その他の周辺回路などを備えている。
また、制御装置51には、濃液濃度センサ84、低温再生器出口濃度センサ85、高温再生器出口濃度センサ86および高温再生器温度センサ87の検出信号がそれぞれ入力されるように構成されている。
また、コントローラ50は、タイマ53と、操作部54と、報知部55とをそれぞれ備えている。
制御装置51は、濃液濃度センサ84により吸収液の濃度を検出するとともに、低温再生器出口濃度センサ85により低温再生器6の出口側の吸収液の濃度を検出する。また、制御装置51は、高温再生器出口濃度センサ86により高温再生器5の出口側の吸収液の濃度を検出するとともに、高温再生器温度センサ87により高温再生器5の温度を検出する。
IPLV=COP(100%負荷)×0.01+COP(75%負荷)×0.47+COP(50%負荷)×0.37+COP(25%負荷)×0.15。
ここで、冷却水温度条件は、冷房負荷100%時で32℃、75%時で27.5℃、50%時で23℃、25%時で18.5℃となっている。
なお、IPLVの許容誤差(%)は、6.5+19.4÷(定格冷水温度差)となり、定格冷水温度が12℃から7℃となる仕様で約10%となる。
安定条件は、次の2つの式を満足する場合である。
−0.5℃≦冷水設定温度−冷水出口温度≦+0.5℃(安定条件1)
−1.0℃≦冷却水入口温度(JIS条件)≦+1.0℃(安定条件2)
そして、本実施の形態においては、冷凍能力が25%±5%の場合、冷却水の入口温度が18.5℃±1.0℃で濃液濃度は50wt%で設定される。冷凍能力が50%±5%の場合、冷却水の入口温度が23.0℃±1.0℃で濃液濃度は55wt%で設定される。冷凍能力が75%±5%の場合、冷却水の入口温度が27.5℃±1.0℃で濃液濃度は60wt%で設定される。
制御装置51は、安定条件を満足している状態が所定時間経過したと判断した場合は、濃液濃度センサ84により濃吸収液管25における吸収液の濃度を検出する。制御装置51は、吸収液の濃度が所定値以上低いと判断した場合には、補正処理を実行するように構成されている。ここで、吸収液の濃度の所定値は、例えば、1wt%に設定される。
このように制御することにより、濃吸収液管25における吸収液の濃度を上昇させることができ、COP値を可能な限り許容範囲(想定値の10%以内)に保つことが可能となる。
ここで、高温再生器5の所定温度は、例えば、150℃に設定される。また、濃液濃度の所定値は、例えば、60wt%に設定される。
冷房運転時においては、冷水管14を介して図示しない熱負荷にブライン(例えば、冷水)が循環供給される。制御装置51は、ブラインの蒸発器1の出口側温度(冷水出口温度センサ81にて検出される温度)が所定の設定温度、例えば7℃になるように吸収式冷凍機100に投入される熱量が制御される。
具体的には、制御装置51は、全てのポンプ45,47,48を起動し、かつ、ガスバーナ4におけるガスの燃焼制御を行うことで、冷水出口温度センサ81が計測するブラインの温度が所定の7℃となるようにガスバーナ4の火力を制御する。
高温再生器5に送られた吸収液は、この高温再生器5でガスバーナ4による火炎および高温の燃焼ガスにより加熱されるため、この吸収液中の冷媒が蒸発分離する。高温再生器5で冷媒を蒸発分離して濃度が上昇した中間吸収液は、高温熱交換器13を経由して濃吸収液管25に送られ、低温再生器6を経由した吸収液と合流する。
伝熱管14Aの上に散布された冷媒液は、伝熱管14Aの内部を通るブラインから気化熱を奪って蒸発するため、伝熱管14Aの内部を通るブラインは冷却され、こうして温度を下げたブラインが冷水管14から熱負荷に供給されて冷房などの冷却運転が行われる。
そして、蒸発器1で蒸発した冷媒は吸収器2に入り、低温再生器6より供給されて上方から散布される濃吸収液に吸収されて、吸収器2の稀吸収液溜り2Aに溜り、稀吸収液ポンプ45によって高温再生器5に搬送される循環を繰り返す。
本実施の形態においては、冷房運転を開始すると(ST1)、制御装置51は、冷水出口温度センサによる冷水出口温度および冷却水入口温度センサによる冷却水の入口温度に基づいて、安定条件1および安定条件2を算出する(ST2)。そして、制御装置51は、安定条件1および安定条件2を満足しているか否かを判断する(ST3)。
制御装置51は、安定条件を満足している状態が所定時間経過したと判断した場合は(ST4:YES)、濃液濃度センサ84により濃吸収液管25における吸収液の濃度を検出する(ST6)。制御装置51は、吸収液の濃度が所定値以上低いと判断した場合には(ST7:YES)、補正処理を実行し、稀吸収液ポンプ45のインバータ周波数を低減させるように制御する(ST7)。
このように制御することにより、濃吸収液管25における吸収液の濃度を上昇させることができ、COP値を可能な限り許容範囲(想定値の10%以内)に保つことが可能となる。
そして、制御装置51は、高温再生器温度センサ87により検出された高温再生器5の温度が所定温度以上になったと判断した場合、または、濃液濃度センサ84により検出された濃液濃度が所定値以上になったと判断した場合は(ST8:YES)、前述の補正処理を解除するように制御する(ST9)。
これにより、必要以上に、高温再生器温度および濃液濃度の上昇が発生しないように制御することができる。
これによれば、制御装置51により補正処理を行うことにより、IPLVを許容誤差の範囲内に保持した状態で運転することができる。
これによれば、必要以上に、高温再生器5温度および濃液濃度の上昇が発生しないように制御することができる。
第2実施の形態においては、補正処理を行う条件を変更したものであり、制御構成に変更はない。
本実施の形態においては、高温再生器温度センサ87により高温再生器5の温度を検出し、制御装置51は、高温再生器5の温度が設定される高温再生器5の温度より所定温度以上低いか否かを判断する。ここで、所定温度は、例えば、5℃に設定される。
そして、制御装置51は、高温再生器5の温度が想定される高温再生器5の温度より所定温度以上低いと判断した場合には、稀吸収液ポンプ45のインバータ周波数を5Hz低下させるように補正処理を行うものである。
その他の部分は、第1実施の形態と同様である。
本実施の形態においては、冷房運転を開始すると(ST11)、制御装置51は、冷水出口温度センサ81による冷水出口温度および冷却水入口温度センサ83による冷却水の入口温度に基づいて、安定条件1および安定条件2を算出する(ST12)。そして、制御装置51は、安定条件1および安定条件2を満足しているか否かを判断する(ST13)。
制御装置51は、安定条件を満足している状態が所定時間経過したと判断した場合は(ST14:YES)、高温再生器温度センサ87により、高温再生器5の温度を検出する(ST15)。
制御装置51は、高温再生器5の温度が設定温度より所定温度以上低い場合は(ST16:YES)、補正処理を実行し、稀吸収液ポンプ45のインバータ周波数を低減させるように制御する(ST17)。
このように制御することにより、濃吸収液管25における吸収液の濃度を上昇させることができ、COP値を可能な限り許容範囲(想定値の10%以内)に保つことが可能となる。
そして、制御装置51は、高温再生器温度センサ87により検出された高温再生器5の温度が所定温度以上になったと判断した場合、または、濃液濃度センサ84により検出された濃液濃度が所定値以上になったと判断した場合は(ST18:YES)、前述の補正処理を解除するように制御する(ST19)。
これにより、必要以上に、高温再生器5温度および濃液濃度の上昇が発生しないように制御することができる。
これによれば、制御装置51により補正処理を行うことにより、IPLVを許容誤差の範囲内に保持した状態で運転することができる。
第3実施の形態においては、COPの値に応じて補正処理を行うようにしたものであり、制御構成に変更はない。
第3実施の形態においては、ガス流量計65によりガス流量を検出し、制御装置51は、このガス流量および冷凍能力に基づいて、COP(冷凍能力÷ガス入熱量)を算出する。
そして、制御装置51は、算出したCOPが想定されるCOPに対する許容範囲より低いか否かを判断し、算出したCOPが想定COPの許容範囲より低いと判断した場合、稀吸収液ポンプ45のインバータ周波数を、例えば、5Hz低下させるように制御する。ここで、想定COPに対する許容範囲は、想定COPに対して10%とされる。
制御装置51は、これらの制御を行った場合でも、算出したCOPが想定COPに対する所定の許容範囲にならないと判断した場合には、COPが低下したことを予報発報する。
これによれば、算出したCOPが想定COPに対する許容範囲より低い場合に、COPを許容範囲内に調整することができる。
これによれば、COPが許容範囲にならない場合に、予報発報を行うことで、COPが低下したことを、メンテナンス作業者が認識することができる。
例えば、本実施の形態では、冷房運転時における制御について説明したが、暖房運転時にも、同様に適用することができる。
2 吸収器
4 ガスバーナ
5 高温再生器
6 低温再生器
7 凝縮器
45 稀吸収液ポンプ
47 濃吸収液ポンプ
48 冷媒ポンプ
50 コントローラ
51 制御装置
52 メモリ
55 報知部
64 燃料制御弁
65 ガス流量計
70 抽気装置
80 冷水入口温度センサ
81 冷水出口温度センサ
83 冷却水入口温度センサ
84 濃液濃度センサ
85 低温再生器出口濃度センサ
86 高温再生器出口濃度センサ
87 高温再生器温度センサ
100 吸収式冷凍機
Claims (6)
- 高温再生器、低温再生器、蒸発器、凝縮器および吸収器を備え、これらを配管接続して吸収液および冷媒の循環経路をそれぞれ形成してなる吸収式冷凍機において、
制御装置を備え、
前記制御装置は、複数の冷房負荷の近傍で、安定条件である冷水設定温度と冷水出口温度との差が所定範囲内にあるか、および冷却水出口温度が所定範囲内にあるかをそれぞれ判断し、安定条件が所定時間継続し、かつ、所定条件を満たした場合、稀吸収液ポンプのインバータ周波数を低下させるように制御する補正処理を行うことを特徴とする吸収式冷凍機。 - 前記所定条件は、あらかじめ設定される設定濃液濃度が所定値以上低い場合であることを特徴とする請求項1に記載の吸収式冷凍機。
- 前記所定条件は、高温再生器温度があらかじめ設定される設定高温再生器温度より所定温度以上低い場合であることを特徴とする請求項1に記載の吸収式冷凍機。
- 前記制御装置は、前記高温再生器の温度が所定温度以上、あるいは、濃液濃度が所定値以上になった場合、前記補正処理を解除することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の吸収式冷凍機。
- 前記制御装置は、ガス流量および冷凍能力を計測してCOPを算出し、算出したCOPが想定COPに対する許容範囲より低い場合、稀吸収液ポンプのインバータ周波数を低下させるように制御し、COPが許容範囲外の場合、前記稀吸収液ポンプのインバータ周波数をさらに低下させるように制御することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の吸収式冷凍機。
- 前記制御装置は、前記稀吸収液ポンプのインバータ周波数をさらに低下させるように制御してもCOPが許容範囲にならない場合、COP低下の予報発報を行うことを特徴とする請求項5に記載の吸収式冷凍機。
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