JP6765056B2 - 吸収式冷凍機 - Google Patents
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Description
このような吸収式冷凍機として、従来、例えば、高温再生器と低温再生器とを連通する吸収溶液ライン又は低温再生器と吸収器とを連通する吸収溶液ラインに圧力調整手段及び中間再生器を介装し、該中間再生器は外部温熱源から供給される流体と吸収溶液ラインを流れる吸収溶液との間で顕熱・潜熱交換を行い、冷温水出口温度及び高温再生器の温度を測定する温度測定手段と、冷温水出口温度及び高温再生器の温度に基づいて高質燃料燃焼用バーナーへの高質燃料供給量を調節する燃料供給量制御機構、とを備えたものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、吸収式冷凍機においては、近年、高負荷時に定格出力を発揮する機器ではなく、通常の負荷時に定格出力を発揮する機器を用い、これにより、夏場の冷房運転時などの高負荷時には、定格以上の出力を発揮し、通常の負荷時には定格出力で運転を行うため、従来よりも定格出力の低い小型の吸収式冷凍機が用いられてきている。
これによれば、定格能力以上の能力で運転している場合でも、ガスバーナによる燃焼量の低下を必要最小限に止めることができ、吸収式冷凍機による冷凍能力を可能な限り維持することができる。
これによれば、定格能力以上の能力で運転している場合でも、ガスバーナによる燃焼量の低下を必要最小限に止めることができ、吸収式冷凍機による冷凍能力を可能な限り維持することができる。
これによれば、高温再生器の内部温度が所定温度を超えた場合には、高温再生器の内部温度を速やかに低下させることができ、高温再生器の内部温度が所定温度より低くなった場合には、高温再生器の内部温度を徐々に上昇させることができる。
これによれば、暖房運転時においても、高温再生器の内部温度を所定の範囲に制御することができ、ガスバーナによる燃焼量の低下を必要最小限に止めることができ、吸収式冷凍機による冷凍能力を可能な限り維持することができる。
図1は、本実施形態に係る吸収式冷凍機の概略構成図である。吸収式冷凍機100は、冷媒に水を、吸収液に臭化リチウム(LiBr)水溶液を使用し、この吸収液を、ガス燃料で加熱する吸収式冷温水機である。
また、吸収式冷凍機100は、低温熱交換器12と、高温熱交換器13と、冷媒ドレン熱回収器17と、稀吸収液ポンプ45と、濃吸収液ポンプ47と、冷媒ポンプ48とを備え、これらの各機器が吸収液管21〜25および冷媒管31〜35などを介して配管接続されて循環経路が構成されている。
吸収器2および凝縮器7には、吸収器2および凝縮器7に順次冷却水を流通させるための冷却水管15が設けられており、この冷却水管15の一部に形成された各伝熱管15A、15Bがそれぞれ吸収器2および凝縮器7内に配置されている。
この分岐稀吸収液管21Aは冷媒ドレン熱回収器17を経由した後に、稀吸収液管21の低温熱交換器12の下流側で再び稀吸収液管21に合流する。この稀吸収液管21の他端は、高温熱交換器13を経由した後、高温再生器5内に形成された熱交換部5Aの上方に位置する気層部5Bに開口している。
稀吸収液管21は、低温熱交換器12の下流側で第2分岐管21Bに分岐され、第2分岐管21Bは低温再生器6内に開口している。
第2中間吸収液管23の他端は、低温再生器6と吸収器2とを繋ぐ濃吸収液管25に接続されている。また、第2中間吸収液管23の高温熱交換器13上流側と吸収器2とは開閉弁V1が介在する吸収液管24により接続されている。
低温再生器6の吸収液溜り6Aには、濃吸収液管25の一端が接続され、この濃吸収液管25の他端は、吸収器2の気層部2B上部に設けられる濃液散布器2Cに接続されている。濃吸収液管25には濃吸収液ポンプ47および低温熱交換器12が設けられている。この低温熱交換器12は、低温再生器6の吸収液溜り6Bから流出した濃吸収液の温熱で稀吸収液管21を流れる稀吸収液を加熱するものである。
濃吸収液ポンプ47の運転が停止した場合には、低温再生器6の吸収液溜り6Aに溜った吸収液は、濃吸収液管25およびバイパス管27を通じて吸収器2内に供給される。
また、凝縮器7の冷媒液溜り7Aには、この冷媒液溜り7Aから流出した冷媒が流れる冷媒管34の一端が接続され、この冷媒管34の他端は、下方に湾曲したUシール部34Aを介して蒸発器1の気層部1Aに接続されている。
蒸発器1の下方には、液化した冷媒が溜る冷媒液溜り1Bが形成され、この冷媒液溜り1Bと蒸発器1の気層部1Aの上部に配置される散布器1Cとは冷媒ポンプ48が介在するに冷媒管35により接続されている。
そして、エジェクタポンプ74を駆動することにより、吸収液管75を介して稀吸収液管21の稀吸収液をタンク71に取り込む。吸収液管75により流れ込んだ稀吸収液により、タンク71の内部が負圧となり、これにより、吸収器2の上部に貯留されている不凝縮ガスのみならず冷媒蒸気、気化した吸収液などが抽気管72を通ってタンク71の上方に導かれる。
図2は、本実施形態の制御構成を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態の吸収式冷凍機100は、コントローラ50を備えており、コントローラ50は、制御装置51を備えている。制御装置51は、吸収式冷凍機100の各部を中枢的に制御するものであり、演算実行部としてのCPU、このCPUによって実行可能な基本制御プログラムや所定のデータ等を不揮発的に記憶するROM、RAMなどのメモリ52、その他の周辺回路などを備えている。
また、制御装置51には、温度センサ36および濃度センサ37の検出信号がそれぞれ入力されるように構成されている。
また、コントローラ50は、タイマ53と、操作部54と、報知部55とをそれぞれ備えている。
そのため、本実施形態の吸収式冷凍機100は、高負荷以外の通常の負荷に対応することができる機器を用い、高負荷時には、冷却水ポンプおよび冷水ポンプの能力を高めるとともに、ガスバーナ4の能力を上げることで、対応するようにしたものである。
また、冷却水ポンプは、定格運転時には、最大で供給することができる冷却水流量の70%程度の冷却水流量で駆動することができるように構成されている。すなわち、最大能力を100%とした場合、定格運転時には、70%程度の能力で駆動するようになっている。
そして、制御装置51は、内部温度が160℃を超えた状態が所定時間継続していると判断した場合は、燃料制御弁64の開度を現在の開度から5%減少させるように制御する。
また、制御装置51は、燃料制御弁64の開度を減少させた後、所定時間(例えば、10分)が経過した場合に、高温再生器5の内部温度が160℃を超えているか否かを判断する。そして、高温再生器5の内部温度が160℃を超えている場合には、燃料制御弁64の開度をさらに5%減少させるように制御する。
なお、高温再生器5の内部温度の設定温度を160℃に設定するようにしたが、これに限定されず、任意に設定することが可能である。また、設定温度に対する低下温度として、158℃すなわち設定温度−2℃に設定しているが、これに限定されず、任意に設定することが可能である。
また、燃料制御弁64の開度制御についても、開度減少を5%、開度増加を2%としているが、これに限定されず、任意に設定することが可能である。
この場合は、制御装置51は、冷房運転時において、濃度センサ37により、検出される濃吸収液の濃度を取得し、濃吸収液の濃度が所定の濃度か否かを判断する。例えば、濃吸収液の濃度は、64wt%に設定されており、制御装置51は、濃吸収液の濃度が64wt%を超えた場合には、この状態が所定時間(例えば、60秒)継続しているか否かを判断する。
また、制御装置51は、燃料制御弁64の開度を減少させた後、所定時間(例えば、10分)が経過した場合に、濃吸収液の濃度が64wt%を超えているか否かを判断する。そして、濃吸収液の濃度が64wt%を超えている場合には、燃料制御弁64の開度をさらに5%減少させるように制御する。
また、制御装置51は、燃料制御弁64の開度を減少させた後、濃吸収液の濃度が63wt%(64wt%−1.0wt%)より低下した場合には、燃料制御弁64の開度を現在の開度から2%増加させるように制御する。一方、高温再生器5の内部温度が63wt%から64wt%の間にある場合には、現状の燃料制御弁64の最大値を維持するように制御する。
この場合は、制御装置51は、温度センサ36により検出される高温再生器5の内部温度が所定の温度か否かを判断する。例えば、暖房運転時には、高温再生器5の内部温度は、120℃に設定されており、制御装置51は、高温再生器5の内部温度が120℃を超えた状態が、所定時間継続していると判断した場合は、燃料制御弁64の開度を現在の開度から5%減少させるように制御する。
また、制御装置51は、燃料制御弁64の開度を減少させた後、所定時間が経過した場合に、高温再生器5の内部温度が120℃を超えている場合には、燃料制御弁64の開度をさらに5%減少させるように制御する。
また、制御装置51は、燃料制御弁64の開度を減少させた後、高温再生器5の内部温度が118℃より低下した場合には、燃料制御弁64の開度を現在の開度から2%増加させるように制御する。一方、高温再生器5の内部温度が118℃から120℃の間にある場合には、現状の燃料制御弁64の最大値を維持するように制御する。
なお、濃吸収液の濃度設定や暖房運転時の温度設定に関しても、任意に設定することが可能である。
冷房などの冷却運転時においては、冷水管14を介して図示しない熱負荷にブライン(例えば、冷水)が循環供給される。制御装置51は、ブラインの蒸発器1の出口側温度(冷水出口温度センサ36にて検出される温度)が所定の設定温度、例えば7℃になるように吸収式冷凍機100に投入される熱量が制御される。
具体的には、制御装置51は、全てのポンプ45,47,48を起動し、かつ、燃料制御弁64の制御によりガスバーナ4におけるガスの燃焼制御を行うことで、温度センサ36による高温再生器5の内部温度が所定の160℃となるようにガスバーナ4の火力を制御する。
高温再生器5に送られた吸収液は、この高温再生器5でガスバーナ4による火炎および高温の燃焼ガスにより加熱されるため、この吸収液中の冷媒が蒸発分離する。高温再生器5で冷媒を蒸発分離して濃度が上昇した中間吸収液は、高温熱交換器13を経由して濃吸収液管25に送られ、低温再生器6を経由した吸収液と合流する。
伝熱管14Aの上に散布された冷媒液は、伝熱管14Aの内部を通るブラインから気化熱を奪って蒸発するため、伝熱管14Aの内部を通るブラインは冷却され、こうして温度を下げたブラインが冷水管14から熱負荷に供給されて冷房などの冷却運転が行われる。
そして、蒸発器1で蒸発した冷媒は吸収器2に入り、低温再生器6より供給されて上方から散布される濃吸収液に吸収されて、吸収器2の稀吸収液溜り2Aに溜り、稀吸収液ポンプ45によって高温再生器5に搬送される循環を繰り返す。
まず、冷房運転を開始して、ガスバーナ4の燃焼が開始されると(ST1)、制御装置51は、温度センサ36により検出される高温再生器5の内部温度を取得し、高温再生器5の内部温度が160℃を超えているか否かを判断する(ST2)。
そして、高温再生器5の内部温度が160℃を超えていると判断した場合には(ST2:YES)、この状態が、60秒継続しているか否かを判断する(ST3)。
また、制御装置51は、燃料制御弁64の開度を減少させた後、10分が経過した場合に、高温再生器5の内部温度が160℃を超えているか否かを判断する(ST5)。そして、高温再生器5の内部温度が160℃を超えている場合には(ST5:YES)、燃料制御弁64の開度をさらに5%減少させるように制御する(ST4)。
燃料制御弁64の開度を増加させた後、10分が経過した場合には、制御装置51は、高温再生器5の内部温度が158℃から160℃の間にあるか否か判断し(ST1)、内部温度が158℃から160℃の間にある場合には(ST10:YES)、現状の燃料制御弁64の最大値を維持するように制御する(ST11)。
図4に示すように、高温再生器5の内部温度が160℃を超えた場合に、燃料制御弁64の開度を5%低減させる制御を行うことで、高温再生器5の内部温度が低下し、高温再生器5の内部温度が158℃より低くなった場合に、燃料制御弁64の開度を2%増加させる制御を行うことで、高温再生器5の内部温度を上昇させることができる。
このように制御することにより、ガスバーナ4による燃焼量の低下を必要最小限に止めることができ、吸収式冷凍機100による冷凍能力を可能な限り維持することができる。
これによれば、定格能力以上の能力で運転している場合でも、ガスバーナ4による燃焼量の低下を必要最小限に止めることができ、吸収式冷凍機100による冷凍能力を可能な限り維持することができる。
これによれば、高温再生器5の内部温度が所定温度を超えた場合には、高温再生器5の内部温度を速やかに低下させることができ、高温再生器5の内部温度が所定温度より低くなった場合には、高温再生器5の内部温度を徐々に上昇させることができる。
これによれば、暖房運転時においても、高温再生器5の内部温度を所定の範囲に制御することができ、ガスバーナ4による燃焼量の低下を必要最小限に止めることができ、吸収式冷凍機100による冷凍能力を可能な限り維持することができる。
例えば、本実施形態では、高温再生器5にて吸収液を加熱する加熱手段として燃料ガスを燃焼させて加熱を行うガスバーナ4を備える構成について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、灯油やA重油を燃焼させるガスバーナを備える構成や、蒸気や排気ガスなどの温熱を用いて加熱する構成としてもよい。
2 吸収器
4 ガスバーナ
5 高温再生器
6 低温再生器
7 凝縮器
12 低温熱交換器
13 高温熱交換器
14 冷水管
15 冷却水管
16 排温水供給管
21 稀吸収液管
36 温度センサ
37 濃度センサ
45 稀吸収液ポンプ
47 濃吸収液ポンプ
48 冷媒ポンプ
50 コントローラ
51 制御装置
52 メモリ
64 燃料制御弁
70 抽気装置
100 吸収式冷凍機
Claims (2)
- 高温再生器、低温再生器、蒸発器、凝縮器および吸収器を備え、これらを配管接続して吸収液および冷媒の循環経路をそれぞれ形成してなる吸収式冷凍機において、
冷房運転時に、前記高温再生器の内部温度が所定温度を超えたと判断した場合に、ガスバーナの燃料制御弁の開度を所定量低減させ、前記高温再生器の内部温度が所定温度より低くなったと判断した場合に、前記燃料制御弁の開度を所定量増加させるように制御する制御装置を備え、
前記制御装置による前記燃料制御弁の開度を所定量低減させる制御、および前記燃料制御弁の開度を所定量増加させる制御は、前記燃料制御弁の開度を低減させる際の開度量に対して、前記燃料制御弁の開度を増加させる際の開度量を少なく制御することを特徴とする吸収式冷凍機。 - 前記制御装置は、暖房運転時にも前記燃料制御弁の開度制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の吸収式冷凍機。
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