JP4356999B2 - 吸収ヒートポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、大気が保有する熱量等の未利用エネルギーを低温熱源とする吸収ヒートポンプに関する。より詳細には、本発明は、吸収ヒートポンプにおいて、起動時から短時間で高温の温水を提供可能にするための技術に関する。
従来技術に係るヒートポンプの例として、単効用増熱型ヒートポンプを図7で示す。
図7において、システム全体を符号70で示す単効用増熱型ヒートポンプは、例えば、燃料ガス供給ラインLfから都市ガスが燃料として投入される再生器1と、系外から例えば空気熱Qを取り入れて冷媒(例えばアンモニア)を蒸発する蒸発器2と、吸収溶液(吸収剤と冷媒との混合物)が気相の冷媒(冷媒蒸気:例えばアンモニア蒸気)を吸収する吸収器3と、冷媒蒸気が凝縮する凝縮器4とを備えている。
吸収器3及び凝縮器4は、冷却水ラインLwを流れる冷却水によって冷却される。換言すれば、冷却水ラインLwを流過する冷却水は吸収器3及び凝縮器4によって熱が投入され、昇温される様に構成されており、昇温された冷却水は給湯に供されている。
吸収器3と再生器1とは、循環ポンプ5の介装された吸収溶液ラインL1及びL2によって接続されている。吸収溶液ラインL1、L2には溶液熱交換器6が介装され、ラインL2を流れる吸収溶液が保有する熱量をラインL1を流れる吸収溶液に投与する様に構成されている。
さらに、再生器1には精溜器11が設けられており、気相冷媒(例えば、アンモニア蒸気)から気相の吸収剤(例えば、水)(吸収剤蒸気:例えば、水蒸気)を分離するとともに、精溜器11内の熱エネルギーをラインL1における溶液熱交換器6よりも吸収器3側の領域で、吸収器3から再生器1に向う吸収溶液に与え、吸収溶液を昇温(予熱)する様に構成されている。
再生器1で発生し精溜器11で吸収剤蒸気が分離された冷媒蒸気(アンモニア蒸気)は、ラインL3を経由して凝縮器4に流入し、凝縮器4内で凝縮して液相のアンモニアになり、この液相のアンモニアはラインL4を経由して蒸発器2に流入する。
蒸発器2内の液相のアンモニアは空気熱Qが与えられて気化し、再び冷媒蒸気(アンモニア蒸気)となって、ラインL5を経由して吸収器3に流入する。吸収器3に流入した冷媒蒸気は、再生器1で冷媒蒸気を再生した吸収溶液、すなわち吸収剤(水)の含有率の高い吸収溶液(例えばアンモニア水溶液)に吸収される。その結果、吸収剤の含有率が低い吸収溶液となって、循環ポンプ5を介して再生器1に送られる。
図7の例では、蒸発器2内の液相冷媒は、大気からの熱エネルギー(空気熱)Qによって、気化(蒸発)するが、大気からの熱エネルギーのみならず、河川、下水などの未利用エネルギーを汲み上げて用いることも可能なように構成することも出来る。
吸収式ヒートポンプは、ガス焚き給湯機等に比べて、いわゆる「立ちあがり」が悪い。すなわち、ヒートポンプの起動から所望の温度の湯を供給するまでに時間が掛かるという問題がある。
ヒートポンプの起動から所望の温度の湯を供給するまでに時間が掛かってしまうのは、以下の理由からである。
つまり、ヒートポンプが所望の温度のお湯を取り出せるようになるためには、再生器1内の吸収溶液を常温の状態から冷媒が再生する温度まで加熱・昇温させなければならず、この加熱・昇温に時間が掛かってしまう。
すなわち、吸収ヒートポンプでは、吸収溶液を加熱している間は給湯出来ず、上水を直接加熱して給湯する給湯機よりも、吸収溶液を加熱する時間だけ、給湯可能な状態になるまでの時間が掛かってしまうのが実情である。
そのため、吸収ヒートポンプにおいては、起動時から短時間で高温の温水を提供可能にすることが望まれている。しかし、その様な要請に応える従来技術は未だに提案されていない。
例えば、従来技術において、大気温度が低く大気熱交換用循環水が十分に加熱されない場合に凝縮熱により大気熱交換用循環水を加熱し、大気温度が高く大気熱交換用循環水が十分に冷却されない場合に気化熱により大気熱交換用循環水を冷却する吸収ヒートポンプシステムが提案されている(特許文献1)。
しかし、係る従来技術は気温が低い場合にも確実に暖房運転を実行し、気温が高くても確実に冷房運転を実行することを目的としており、吸収ヒートポンプの起動時から短時間で高温の温水を提供可能にするものではなく、上述した問題を解消しない。
特開2005−77037号公報
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、起動時から短時間で高温の温水を提供可能となる吸収ヒートポンプの提供を目的としている。
本発明の吸収ヒートポンプは、加熱装置(例えばバーナー)により冷媒蒸気を再生せしめる再生器(1)と、系外から熱エネルギー(空気熱等の未利用エネルギーQ)を取り入れて冷媒を蒸発する蒸発器(2)と、吸収剤が冷媒を吸収する吸収器(3)と、冷媒蒸気が凝縮する凝縮器(4)と、吸収溶液を循環させる循環装置(溶液ポンプ5)とを備え、凝縮器(4)で凝縮した液相冷媒が蒸発器(2)へ流れるライン(L4)には、第1の弁(V1:開閉弁或いは逆止弁)が介装され、蒸発器(2)で蒸発した冷媒蒸気が吸収器(3)に流れるライン(L5)には、第2の弁(開閉弁V2)が介装されている吸収ヒートポンプにおいて、前記第2の弁(開閉弁V2)は、吸収ヒートポンプの運転停止の直後に閉鎖され且つ運転開始の直後に開放される様に構成されており、前記第1の弁(V1:開閉弁或いは逆止弁)は、第2の弁(V2)が閉鎖された後で蒸発器(2)に冷媒を貯留させた後に閉鎖され且つ運転開始の直後に開放される様に構成されている(請求項1)。
ここで、吸収剤として例えば水を選択し、冷媒として例えばアンモニアを選択することが可能である。
ただし、これに限定されるものではなく、例えば、吸収剤として臭化リチウムを選択し、且つ、冷媒として水を選択することや、有機媒体(フッ化アルコール)を選択すること等も可能であり、それ以外の冷媒や吸収剤を選択し得る。
なお、再生器(1)における加熱装置は、都市ガスその他の燃料が投入される装置であっても良いし、高圧蒸気が供給されるタイプの装置であっても良い。係る加熱装置については、特に限定する趣旨ではない。
本発明において、前記加熱装置(バーナー)は、前記第2の弁(V2)が閉鎖した後に再生器(1)の液面が空焚きの可能性が生じるレベルに降下したならば停止する様に構成され、前記循環装置(溶液ポンプ5)は再生器(1)温度が所定温度まで降下したならば停止する(吸収溶液循環系統を流れる吸収溶液の濃度が均一となれば停止する)様に構成されているのが好ましい(請求項2)。
本発明の吸収ヒートポンプ(請求項1の吸収ヒートポンプ)の制御方法は、吸収ヒートポンプの運転停止の直後に前記第2の弁(開閉弁V2)を閉鎖する工程(ステップS2)と、第2の弁が閉鎖された後で蒸発器に冷媒を貯留させた後に前記第1の弁(V1:開閉弁或いは逆止弁)を閉鎖する工程(ステップS4)と、吸収ヒートポンプの運転開始の直後に第1の弁及び第2の弁を開放する工程(ステップS6)、とを有していることを特徴としている(請求項3)。
また、本発明の吸収ヒートポンプ(請求項2の吸収ヒートポンプ)の制御方法は、前記第2の弁(開閉弁V2)が閉鎖した後に再生器(1)の液面が空焚きの可能性が生じるレベルに降下したならば(ステップS12がYES)前記加熱装置(バーナー)を停止する工程(ステップS13)と、再生器温度が所定温度まで降下したならば(ステップS14がYES)前記循環装置(溶液ポンプ5)を停止する(吸収溶液循環系統を流れる吸収溶液の濃度が均一となれば前記循環装置を停止する)工程(ステップS15)、とを有していることを特徴としている(請求項4)。
上述する構成を具備する本発明によれば、第1の弁(V1)は開放し第2の弁(V2)を閉鎖した状態でヒートポンプの運転を停止すると、第1の弁(V1)が開放されているので、液相冷媒が蒸発器(2)に溜まり続ける。一方、第2の弁(V2)が閉鎖しているので、冷媒蒸気は吸収器(3)側へ移動することは出来ない。そして、冷媒蒸気が飽和状態に至るまで、冷媒は蒸発し気化し続ける。その結果、蒸発器(2)内の圧力が上昇する。
ヒートポンプの運転を開始する際に、第2の弁(V2)を開放すれば、蒸発器(2)内に貯留された冷媒蒸気が一挙に吸収器(3)内に流れ込む。ここで、吸収器(3)内には高濃度吸収溶液(吸収剤の含有比率が高い吸収溶液)が存在するので、係る高濃度吸収溶液が流入してきた冷媒蒸気を一度に吸収するので、吸収器(3)において多量の吸収熱が発生する。
大量に発生した吸収熱により給湯ライン(Lw)中の上水が一気に加熱され、その結果、ヒートポンプの運転開始直後から高温の給湯温度が得られる(熱いお湯が利用出来る)。
すなわち、本発明によれば、ヒートポンプの運転開始時に、吸収器(3)内で大量の冷媒蒸気が吸収剤の含有比率が高い吸収溶液に吸収されるので、吸収器(3)内で大量の吸収熱を発生せしめる。そして、大量に発生する吸収熱により、ヒートポンプ起動時における給湯温度を上昇させて、その立ち上がり特性、立ち上がり時間を大幅に改善することが出来るのである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1において、全体を符号100で示す吸収ヒートポンプは、燃料ガス供給ラインLfによって燃料(例えば都市ガス)が投入される再生器1と、系外から例えば空気熱Qを取り入れて冷媒(図示の例ではアンモニア)を蒸発・再生する蒸発器2と、吸収剤(例えば水)の含有率が高い吸収溶液(吸収剤と冷媒との混合物)が気相の冷媒(冷媒蒸気)を吸収する吸収器3と、冷媒蒸気が凝縮する凝縮器4、とを備えている。
尚、図示の例では、蒸発器2内の液相冷媒は、大気からの熱エネルギー(空気熱)Qによって、気化(蒸発)するが、大気からの熱エネルギーのみならず、河川、下水などの未利用エネルギーを汲み上げて用いることも可能なように構成することも出来る。
吸収器3と再生器1とは循環ポンプ(吸収溶液ポンプ)5の介装されたラインL1、L2によって吸収溶液が循環する様に接続され、そのラインL1とラインL2には溶液熱交換器6が介装されている。その溶液熱交換器6ではラインL2の吸収溶液の熱をラインL1の溶液に投与する様に構成されている。
再生器1内には燃焼バーナー(加熱装置)20が設けられており、ラインLfを介して供給される燃料(例えば都市ガス)を燃焼する。ここで、燃焼バーナー20は、バーナー20を直接操作することによって停止出来るが、ラインLfに開閉弁を介装し、当該開閉弁を閉鎖することによっても停止出来る。
さらに、再生器1には、精溜器11が装備されており、再生器1で発生した冷媒蒸気(アンモニア蒸気)から気相の吸収剤(水蒸気)を分離すると共に、精溜器11内の熱を、ラインL1における溶液熱交換器6よりも吸収器3側の領域を流れる吸収溶液に投入し、吸収溶液を昇温(予熱)させる様に構成されている。
冷却水ラインLwは、その内部を流過する冷却水(上水)によって凝縮器4及び吸収器3を冷却する様に配置されている。すなわち、冷却水ラインLwは上水道に連通しており、冷却水ラインLwを流れる上水(冷却水)は、凝縮器4、吸収器3の順に流過し、その際に凝縮器4、吸収器3から熱を投与され、昇温された冷却水(温水)が給湯に供される。
精溜器11は、再生器1で発生した冷媒蒸気(図示の例ではアンモニア蒸気と水蒸気の混合物)から気相の吸収剤(図示の例では水蒸気)を分離する。そして、吸収剤(水蒸気)を含まない冷媒蒸気(アンモニア蒸気)はラインL3を経由して凝縮器4に流入し、凝縮器4内で凝縮して液相のアンモニアになる。更にこの液相のアンモニアはラインL4を経由して蒸発器2に流入する。ラインL4には、第1の弁(図示の例では開閉弁)V1が介装されている。
蒸発器2内の液相のアンモニアは蒸発器2で空気熱Qが与えられて気化し、再び冷媒蒸気(アンモニア蒸気)となって、ラインL5を経由して吸収器3に流入する。吸収器3内に流入した冷媒蒸気(アンモニア蒸気)は、(再生器1から戻った)吸収剤(水)の含有率の高い吸収溶液(アンモニア水溶液)に吸収されて、吸収剤の含有率が低い吸収溶液となって、吸収溶液ポンプ5で再生器1に送られる。
蒸発器2で蒸発した冷媒蒸気が流れるラインL5には、第2の弁(図示の例では開閉弁)V2が介装されている。
ここで、前記第1の開閉弁V1は、例えば、逆止弁に置き換えることも可能である。但し、制御方法には若干の相違がある(この制御方法の若干の相違に関しては後述する)。
そして、第1の開閉弁V1、第2の開閉弁V2、再生器1内の燃焼バーナー20、吸収溶液ポンプ5は、図示しない制御装置(コントロールユニット)から制御信号を受信する様に構成されている。すなわち、第1の開閉弁V1、第2の開閉弁V2は、図示しない制御装置からの制御信号により開閉が制御され、燃焼バーナー20及び吸収溶液ポンプ5は、図示しない制御装置からの制御信号により作動・停止が制御される。
上述したように、蒸発器2では、大気からの熱エネルギー(空気熱)Q、或いは、河川、下水などの未利用エネルギー(図示せず)を汲み上げる。
ここで、再生器1において都市ガス等、強制的に付加した熱量をQとすれば、給湯で得られる熱量Qは、Q=Q+Qで表される。
この様な構成にすれば、冷却水においては、蒸発器2及び吸収器3の両方から熱が供給されるので、効率μが1を越える。
効率μは、
μ=(給湯の熱量)/(都市ガス等の強制的に付加した熱量)であるから、
μ=(Q+Q)/Q=1+Q/Qとなり、効率μは必ず1を超える。
図2は、吸収ヒートポンプのサイクルを示したPT線図である。符号Aは吸収溶液であるアンモニア水溶液が吸収器3と再生器1間とを循環している状態を示し、直線Bは凝縮器4から蒸発器2における冷媒であるアンモニア100%の状態を示す。
図1の実施形態に係る吸収ヒートポンプの通常運転時には、ラインL5(蒸発器2で蒸発した冷媒蒸気が吸収器3に流れるライン)に介装した第2の開閉弁V2が開放されており、蒸発器2で気化した冷媒は、ラインL5を経由して吸収器3に吸収される。
すなわち、吸収器3には高濃度の吸収溶液(吸収剤の含有率の高い吸収溶液)が存在し、係る高濃度の吸収溶液が、蒸発器2から流入する冷媒蒸気を吸収する。
ラインL4に介装したライン第1の開閉弁V1を開放し、ラインL5の第2の開閉弁V2を閉鎖した状態でヒートポンプの運転を停止すると、蒸発器2の状態(点Pb2)は、圧力が高くなる方向へ移動する。
第1の開閉弁V1が開放されてはいるが、第2の開閉弁V2が閉鎖しているので、液相冷媒が蒸発器2に溜まり続ける。しかし、冷媒蒸気は吸収器3側へ移動することは出来ない。したがって蒸発器2内が飽和状態に至るまで、蒸発器2内に冷媒が溜まり続け、蒸発器2内の圧力は上昇する。
係る状態が、図3の線図で表現されている。
図3では、ラインL5の開閉弁V2が閉鎖しているため、気相冷媒(例えばアンモニア蒸気;アンモニア100%)は蒸発器2から吸収器3に移動することが出来ず、蒸発器2に溜まった気相冷媒(図3の点Pb2)は線B上を圧力が高まる方向に移動する。
なお、第1及び第2の開閉弁V1、V2が存在しない場合は、蒸発器2で気化した冷媒は、ラインL5を経由して吸収器3に流入して、高濃度の吸収溶液(吸収剤の含有率の高い吸収溶液)吸収されてしまう。そのため吸収溶液における吸収剤の含有率が低くなり(或いは、吸収溶液濃度が薄くなり)、図4で示す様に、吸収溶液のサイクル(実線で示すラインA)が低温側に移動(移動後は破線ABで示す)してしまう。
ヒートポンプの運転再開時に、第2の開閉弁V2を開放すれば、蒸発器2内に貯留された冷媒蒸気が一挙に吸収器3内に流れ込む。
後述するように、吸収器3内には高濃度の吸収溶液が存在する。そして、係る高濃度吸収溶液が流入してきた冷媒蒸気を一度に吸収するので、吸収器3において多量の吸収熱が発生する。大量に発生した吸収熱により給湯ラインLw中の上水が一気に加熱されるので、ヒートポンプの運転開始直後から高温の給湯温度が得られる(高温の給湯が利用出来る)。
次に、図5、図6のフローチャートを参照して、本実施形態の吸収ヒートポンプ100の運転制御について詳細に説明する。
先ず、図5において、吸収ヒートポンプの運転を中止したならば(ステップS1)、開閉弁V2を閉鎖して(ステップS2)、蒸発器2への冷媒溜め込み運転(図6のフローチャートに従って行われる運転)を実行する(ステップS3)。
蒸発器2への冷媒溜め込み運転については、図6を参照して後述する。
蒸発器2内の圧力が冷媒蒸気の飽和圧力に到達して、蒸発器2への冷媒溜め込み運転が終了したならば(ステップS3において、図6のフローチャート終了)、第1の開閉弁V1を閉鎖する(ステップS4)。
但し、弁V1が逆止弁である場合には、このステップS4は省略することが出来る。逆止弁の機能として、蒸発器2内の圧力が凝縮器4側へ漏出することが防止されるからである。
その状態で吸収ヒートポンプの運転が開始されるまで待機する(ステップS5がNOのループ)。
吸収ヒートポンプの運転が開始された際には(ステップS5がYES)、開閉弁V1及びV2を開放する(ステップS6)。
開閉弁V2を開放することにより、蒸発器2内に貯留された冷媒蒸気が一挙に吸収器3内に流れ込み、吸収器3内の高濃度吸収溶液(吸収剤の含有率の高い吸収溶液)によって(吸収器3内に流入した大量の冷媒蒸気が)吸収されて、多量の吸収熱が発生する。
多量に発生した吸収熱により、給湯ラインLw中の冷却水(上水)が一気に加熱されるので、ヒートポンプの運転開始直後から高温の給湯温度が得られる(高温の給湯が利用出来る)のである。
なお、ステップS6において、弁V1が逆止弁の場合には、弁V1自体は開閉制御が不要である。
次に、図6を参照して、蒸発器2への冷媒溜め込み運転(図1のステップS3で示す運転)について説明する。
図6において、蒸発器2への冷媒溜め込み運転を開始した(スタート)際には、ステップS10で表現されるように、開閉弁V2を閉鎖された状態にある(図1のステップS2)。
ここで、再生器1において燃料ガスを燃焼するバーナー20と、吸収器3から再生器1に向って冷媒蒸気を吸収した吸収溶液を吐出する吸収溶液ポンプ5とは、その運転は続行する(ステップS11)。
バーナー20とポンプ5の運転が続行される結果として、吸収溶液は加熱されて、冷媒蒸気は再生し続けるので、冷媒蒸気は凝縮器4へ流入して凝縮し続ける。そして、ラインL4の開閉弁V1は開放されているので、凝縮した液相冷媒は蒸発器2に流入し続ける。
一方、吸収器3内では、冷媒蒸気が再生される結果として、吸収溶液における吸収剤の含有率は高くなり続ける(高濃度となり続ける)。
この状態は、再生器1を空焚きしてしまう恐れが生じるまで続けられる(ステップS12がNOのループ)。すなわち、図示しない液面センサにより再生器1の吸収溶液液面を監視して(検知して)、当該液面が「設定値」、すなわち、再生器1を空焚きする恐れがない液位(液面高さ)の限界に到達するまで、バーナー20による燃焼運転が続けられる。
なお、図示しない液面センサについては、公知・市販のセンサを適用可能である。
再生器1の吸収溶液液面が「設定値以下」に到達したならば(ステップS12がYES)、燃焼バーナー20を停止する(ステップS13)。
再生器1の吸収溶液液面が「設定値以下」に到達した段階(ステップS12がYESとなった段階)では、吸収溶液ポンプ5の運転は続行する。燃焼バーナー20を停止することにより、冷媒蒸気の再生は停止し、それ以降は再生器1の温度が低下する。
ここで、吸収溶液ポンプ5を運転し続けているので、吸収系統における吸収溶液濃度差、すなわち再生器1内の吸収溶液の濃度(吸収剤の含有率)と吸収器3内に吸収溶液の濃度との差、は減少し続ける(ステップS14がNOのループ)。
再生器温度が所定温度以下となれば(ステップS14がYES)、吸収溶液ポンプ5を停止する(ステップS15)。吸収溶液ポンプ5を停止するまでに、吸収系統における吸収溶液濃度が均一となる。
そして、開閉弁V1を閉鎖する(ステップS16)。このステップS16は、図5のステップS4と同一である。なお、弁V1が逆止弁の場合は、ステップS16は省略される。
ステップS16の後、図5のフローチャートのステップS5まで進む。
ステップS10〜S16までの蒸発器2への冷媒溜め込み運転においては、ヒートポンプを停止して開閉弁V2を閉じた後、開閉弁V1が開いている時間帯があり、係る時間帯において、蒸発器2内に液相のアンモニアが貯溜するのである。
上述する構成及び運転制御方法を具備する本発明の実施形態によれば、上述したように、第1の開閉弁V1を開放し、第2の開閉弁V2を閉鎖した状態でヒートポンプの運転を停止すると、第1の開閉弁V1が開放されているので、液相冷媒が蒸発器2に溜まり続ける。その間において、第2の開放弁V2が閉鎖しているので、冷媒蒸気は吸収器3側へ移動することが出来ない。
したがって、冷媒蒸気が飽和状態に至るまで、冷媒は蒸発し気化し続け、その結果、蒸発器2内で冷媒蒸気が溜まり続けて、蒸発器2内の圧力が上昇する。
ヒートポンプの運転開始時(或いは運転再開時)には、第2の開閉弁V2を開放するので、蒸発器2内に貯留された冷媒蒸気が一挙に吸収器3内に流れ込む。吸収器3内には高濃度の吸収溶液(吸収剤の含有率が高い吸収溶液)が存在するので、係る高濃度吸収溶液が流入してきた冷媒蒸気を一度に吸収して、吸収器3において大量の吸収熱が発生する。
大量に発生した吸収熱により給湯ラインLw中の上水が一気に加熱されるので、ヒートポンプの運転開始直後から高温の給湯温度が得られる。
すなわち、本発明の実施形態によれば、吸収器3内で発生する大量の吸収熱により、ヒートポンプ起動時における給湯温度を上昇させて、その立ち上がり特性、立ち上がり時間を大幅に改善するとともに、起動時から短時間の内に、十分な給湯を得ることが出来る。
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない旨を付記する。
本発明の実施形態の全体構成を示したブロック図。 吸収ヒートポンプのサイクルを説明するPT線図。 本発明の実施形態において、弁V1を開放し、弁V2を閉鎖した場合を説明するPT線図。 本発明の実施形態において、弁V1及び弁V2が無い場合を説明するPT線図。 実施形態の吸収ヒートポンプの運転方法を説明する制御フローチャート。 実施形態の吸収ヒートポンプの蒸発器への溜め込み運転の制御フローチャート。 従来技術の吸収ヒートポンプの全体構成を示したブロック図。
符号の説明
1・・・再生器
2・・・蒸発器
3・・・吸収器
4・・・凝縮器
5・・・循環ポンプ/吸収溶液ポンプ
6・・・溶液熱交換器
11・・・精溜器
L1、L2・・・吸収溶液ライン/ライン
Lf・・・燃料ガス供給ライン
V1・・・第1の弁/第1の開閉弁
V2・・・第2の弁/第2の開閉弁

Claims (4)

  1. 加熱装置により冷媒蒸気を再生せしめる再生器と、系外から熱エネルギーを取り入れて冷媒を蒸発する蒸発器と、吸収剤が冷媒を吸収する吸収器と、冷媒蒸気が凝縮する凝縮器と、吸収溶液を循環させる循環装置とを備え、凝縮器で凝縮した液相冷媒が蒸発器へ流れるラインには、第1の弁が介装され、蒸発器で蒸発した冷媒蒸気が吸収器に流れるラインには、第2の弁が介装されている吸収ヒートポンプにおいて、前記第2の弁は、吸収ヒートポンプの運転停止の直後に閉鎖され且つ運転開始の直後に開放される様に構成されており、前記第1の弁は、第2の弁が閉鎖された後で蒸発器に冷媒を貯留させた後に閉鎖され且つ運転開始の直後に開放される様に構成されていることを特徴とする吸収ヒートポンプ。
  2. 前記第2の弁が閉鎖した後に再生器の液面が空焚きの可能性が生じるレベルに降下したならば停止する様に構成され、前記循環装置は再生器温度が所定温度まで降下したならば停止する様に構成されている請求項1記載の吸収ヒートポンプ。
  3. 請求項1の吸収ヒートポンプの制御方法において、吸収ヒートポンプの運転停止の直後に前記第2の弁を閉鎖する工程と、第2の弁が閉鎖された後で蒸発器に冷媒を貯留させた後に前記第1の弁を閉鎖する工程と、吸収ヒートポンプの運転開始の直後に第1の弁及び第2の弁を開放する工程、とを有していることを特徴とする吸収ヒートポンプの制御方法。
  4. 請求項2の吸収ヒートポンプの制御方法において、前記第2の弁が閉鎖した後に再生器の液面が空焚きの可能性が生じるレベルに降下したならば前記加熱装置を停止する工程と、再生器温度が所定温度まで降下したならば前記循環装置を停止する工程、とを有していることを特徴とする吸収ヒートポンプの制御方法。
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