JP5449285B2 - 車両前部構造及び車両のヒンジカバー取付方法 - Google Patents
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Description
請求項1に係る発明では、車両のエンジンルームを閉塞するエンジンフードとウインドシールドガラスとの間に備えられるカウルトップの側端部に、ウインドシールドガラスの下端隅角部を覆うとともにエンジンフードとカウルトップとの隙間からフードヒンジを隠すヒンジカバーが配置された。
ヒンジカバーが、カウルトップの側端部から車両後方に延出され、ウインドシールドガラスの側部下面及び側部端面の車両前後方向に延在するシール部材に支持される後方固定部を有するので、後方固定部がシール部材を押圧することができ、ヒンジカバーを支持することができる。これにより、ヒンジカバーがウインドシールドガラスのガラス意匠面に当接することを回避できる。この結果、砂等を噛むことがないとともに、振動が生じても傷や異音の発生を回避することができる。
また、後方固定部の下端部では車幅内方に突出する係止爪がシール部材を押圧することでヒンジカバーを支持する。これにより、容易に後方固定部の上下方向の位置決めが可能で、側部端面(ガラス接着部)にシール部材のない部分を形成する必要がない。従って、設計自由度を高めることができる。
また、ヒンジカバーに、カウルトップの側端部に車幅内方から固定する前方固定部を有することで、前方固定部の近傍部分でフードヒンジを見えない様にすることができ、外観商品性を大幅に向上することができる。
また、後方固定部がシール部材を押圧することでヒンジカバーを支持し、後方固定部の意匠面がフランジ部に沿って形成されるので、ヒンジカバー全体が薄く形成できる。これにより、ワイパ装置の作動によりウインドシールドガラスの側方に集められた雨水が、ウインドシールドガラスの下端隅角部に溜まることはない。この結果、ウインドシールドガラスの高い排水効果を得ることができる。また、砂等を噛むことがないとともに、振動が生じても傷や異音の発生を回避することができる。
後方固定部がシール部材を押圧することでヒンジカバーを支持し、後方固定部の意匠面がフランジ部に沿って形成されるので、ヒンジカバー全体が薄く形成できる。これにより、ウインドシールドガラス側にヒンジカバーが膨出しない。この結果、ワイパ装置が「タンデム式」の場合であっても、ワイパ稼動範囲に影響することを回避でき、設計自由度を拡げることができる。なお、タンデム式のワイパとは、2本(タンデム)のワイパアームが連動してウインドシールドガラスを払拭するタイプのワイパをいう。
嵌合溝を、溝支持部より軟質の素材で成形する場合には、例えば、フロントフェンダとウインドシールドガラスとの間に挟み込むフードヒンジを、板状にて樹脂の二色成形で形成することができる。
ヒンジカバーに、カウルトップの側端部に固定する前方固定部と、カウルトップの側端部から車両後方に延出される後方固定部と、を有し、後方固定部の下端部の車幅内方に突出する係止爪がウインドシールドガラスの側部下面及び側部端面の車両前後方向に延在するシール部材に押圧し、後方固定部の上端部の嵌合溝がフランジ部を下方から跨いで挟持することでヒンジカバーを支持する。
ヒンジカバーをフランジ部に沿って車両後方にスライドさせ、嵌合溝をフランジ部に嵌合させるとともに係止爪をシール部材に押圧する第1取付工程と、前方固定部をカウルトップの側端部に車幅内方から固定する第2取付工程と、により車両のヒンジカバー取付方法が構成される。
すなわち、ヒンジカバーを取付ける際には、第1取付工程でヒンジカバーをフランジ部に沿って車両後方にスライドさせ、嵌合溝をフランジ部に嵌合させるとともに係止爪をシール部材に押圧し、第2取付工程で前方固定部をカウルトップの側端部に車幅内方から固定するようにした。
これにより、ヒンジカバーがウインドシールドガラスのガラス意匠面に当接することを回避できる。この結果、砂等を噛むことがないとともに、振動が生じても傷や異音の発生を回避することができる。
また、ウインドシールドガラスのガラス意匠面に当接することはないので、ウインドシールドガラスの高い排水効果を得ることができる。
さらに、ウインドシールドガラスのガラス意匠面に取付のための構造体がないので、ヒンジカバー全体が薄く形成できる。これにより、ウインドシールドガラス側にヒンジカバーが膨出しない。この結果、ワイパ装置が「タンデム式」の場合であっても、ワイパ稼動範囲に影響することを回避でき、設計自由度を拡げることができる。
なお、ヒンジカバーを取り外す場合は、第2取付工程、第1取付工程の順に作業を進めればよく、ヒンジカバー以外の部材を要することなくヒンジカバーの取付けが可能となるとともに、ヒンジカバーの着脱性の向上を図ることができる。
なお、板状のヒンジカバー27は、図10に示されたように、軟質の素材75と硬質の素材76との二色成形で形成される。
詳細には、ワイパ装置21は、駆動源としてのワイパモータ(不図示)と、このワイパモータで駆動されるリンク機構(不図示)と、このリンク機構で回転する左右の駆動軸33,34と、この左右の駆動軸33,34にそれぞれ取付けられる左右のワイパアーム35,36と、左右のワイパアーム35,36にそれぞれ取付けられる左右のワイパブレード37,38と、からなる。なお、左右のワイパブレード37,38には、ウインドシールドガラス18を払拭する左右のワイパゴム(不図示)が取付けられている。
ウインドシールドガラス18に設けられたシール部材44は、ウインドシールドガラス18の側部下面41及び側部端面42の車両前後方向に延在する。
左の取付部54は、左のヒンジカバー27を係止する係止孔62,62が形成される。右の取付部54は、左の取付部54に車体中心に関して対称に形成される。
ヒンジカバー27では、フロントフェンダ17のフランジ部31に硬質の素材76であるポリプロピレンが直接当接すると、塗装剥がれの原因になるため内方に熱可塑性エラストマー75を配置している。
すなわち、フロントフェンダ17のフランジ部31には熱可塑性エラストマー75が当接し、フロントフェンダ17の塗装剥がれによる錆の発生や振動による異音の発生を防いでいる。
図17にヒンジカバー27の取付方法のフローチャートが示される。ST××はステップ番号である(符号は図1〜図16参照)。
ST01:ワイパ装置21の左右のワイパアーム35,36(図1参照)を、図2に示されたように、矢印A1,A1の如く左右の駆動軸33,34から取り外す。
ST03:カウルトップ24をカウルボックス25に係止しているクリップ55を、図4に示されたように矢印A3の如く8箇所取り外す。
右のヒンジカバー27も、同様に係止孔62,62から取り外す。
右のヒンジカバー27も、同様に取り外す。
また、ST04の逆手順が、前方固定部71(図10、図13参照)をカウルトップ24の側端部53に車幅内方から固定する第2取付工程である。
また、ウインドシールドガラス18のガラス意匠面88に当接することはないので、ウインドシールドガラス18の高い排水効果を得ることができる。
Claims (5)
- 車両のエンジンルームを閉塞するエンジンフードとウインドシールドガラスとの間に備えられるカウルトップの側端部に、前記ウインドシールドガラスの下端隅角部を覆うとともにエンジンフードとカウルトップとの隙間からフードヒンジを隠すヒンジカバーが配置された車両前部構造であって、
前記ヒンジカバーは、前記カウルトップの側端部から車両後方に延出され、前記ウインドシールドガラスの側部下面及び側部端面の車両前後方向に延在するシール部材に支持される後方固定部を有し、
前記後方固定部の下端部は、車幅内方に突出する係止爪を有し、該係止爪が前記シール部材を押圧することで前記ヒンジカバーを支持する、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両前部構造。 - 前記ヒンジカバーは、前記カウルトップの側端部に車幅内方から固定する前方固定部を有することを特徴とする請求項1に記載の車両前部構造。
- 前記車両は、前記ウインドシールドガラスの下端隅角部の外方に前記エンジンルームの側方を覆うフロントフェンダを備え、
前記フロントフェンダは、車幅内端から車両下方に延出するフランジ部を有し、
前記後方固定部は、意匠面が前記フランジ部に沿って形成されることを特徴とする請求項1に記載の車両前部構造。 - 前記後方固定部の上端部は、前記フランジ部に嵌合する嵌合溝と、該嵌合溝の一方を車幅外方から支持する溝支持部とを備え、
前記嵌合溝は、前記溝支持部より軟質の素材で成形され前記フランジ部を下方から跨いで挟持することを特徴とする請求項3に記載の車両前部構造。 - 車両のエンジンルームを閉塞するエンジンフードとウインドシールドガラスとの間に備えられるカウルトップの側端部に、前記ウインドシールドガラスの下端隅角部を覆うとともにエンジンフードとカウルトップとの隙間からフードヒンジを隠すヒンジカバーと、前記ウインドシールドガラスの下端隅角部の外方に車幅内端から車両下方に延出するフランジ部を有するフロントフェンダと、を備え、
前記ヒンジカバーは、前記カウルトップの側端部に固定する前方固定部と、前記カウルトップの側端部から車両後方に延出される後方固定部と、を有し、前記後方固定部の下端部は、車幅内方に突出する係止爪が前記ウインドシールドガラスの側部下面及び側部端面の車両前後方向に延在するシール部材に押圧し、前記後方固定部の上端部は、嵌合溝が前記フランジ部を下方から跨いで狭持することで前記ヒンジカバーを支持するものであり、
前記ヒンジカバーをフランジ部に沿って車両後方にスライドさせ、前記嵌合溝を前記フランジ部に嵌合させるとともに前記係止爪を前記シール部材に押圧する第1取付工程と、前記前方固定部を前記カウルトップの側端部に車幅内方から固定する第2取付工程と、により構成される車両のヒンジカバー取付方法。
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