JP5417441B2 - レドックスフロー電池 - Google Patents

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Description

本発明は、レドックスフロー電池に関する。更に詳しくは、本発明は、スラリ状の負極液及び/又は正極液を用いたレドックスフロー電池に関する。
太陽光発電、風力発電、水力発電等の再生可能であるクリーンエネルギーは化石エネルギー源にかわる主要なエネルギー源になると期待される。しかし、これらエネルギー源は、自然エネルギーを利用するために、環境変化によって得られる電力が大きく変動するという欠点を有する。このため、これらエネルギー源から得られた電力を、現在の火力発電や原子力発電で構築される電力系統へ供給する際には、いったん電力を貯蔵することで、安定化させたうえで供給する必要がある。
このような電力貯蔵には、レドックスフロー電池、NAS(ナトリウム硫黄)電池等の蓄電池や、超電導フライホイール等を利用することが検討されている。その中でも、特に、レドックスフロー電池は、常温で駆動でき、かつ使用する電極液の容量を増減させることで蓄電力容量を容易に設計できることから、電力貯蔵の蓄電池として有望視されている。
現在、レドックスフロー電池の一つであるバナジウムレドックスフロー電池が実用化段階にある(例えば、電子技術総合研究所彙報 第63巻 第4,5号:非特許文献1)。また、特開2005−209525公報(特許文献1)では、バナジウムレドックスフロー電池よりも高い起電力が得られることから、非プロトン性有機溶媒を用い、負極反応にU4+/U3+を、正極反応にUO2 +/UO2 2+を利用したウランレドックスフロー電池が提案されている。
特開2005−209525公報
電子技術総合研究所彙報 第63巻 第4,5号
バナジウムレドックスフロー電池やウランレドックスフロー電池は、用いる電極液へのレドックス反応を起こす物質の溶解度が低い。そのため、得られる電池のエネルギー密度は十数〜数十Wh/L程度にとどまる。したがって、この程度のエネルギー密度では、電力貯蔵システムを構築するには、設置規模が非常に大きくなる。このため、エネルギー密度を高めて、設置規模に対する電力貯蔵量をできるだけ多くすることが望まれている。
かくして本発明によれば、負極セルと正極セル、及びこれらを分離するセパレータとからなる電極セルと、前記負極セル及び前記正極セルの少なくとも一方は、スラリ状の電極液、多孔質状の集電体及び筐体とで構成され、
前記スラリ状の電極液の貯留用のタンクと、
前記タンクと前記電極セルとの間で、前記スラリ状の電極液を循環させる配管とを備えるレドックスフロー電池が提供される。
本発明のレドックスフロー電池において、負極液及び/又は正極液がスラリ状の電極液であり、電極液を含む側の負極セル及び/又は正極セル中の集電体が多孔質状の集電体である。
スラリ状の電極液を使用することで、高いエネルギー密度をもちつつ充放電効率の高い電力貯蔵システムを実現できる。
また、多孔質状の集電体を使用することで、スラリ状の電極液にレドックス反応を起こす活物質として固体粒子を用いても、集電体への固体粒子の衝突を増加できる。その結果、充放電効率を高くすることができる。
また、多孔質状の集電体の構成と配置位置を特定することで、より固体粒子の目詰まりを防止できる。
更に、多孔質状の集電体に備えられた細孔が特定の方向に蛇行していることで、正極液及び/又は負極液との接触時間を長くすることができるので、より高いエネルギー密度及び充電効率を実現できる。
また、スラリ状の電極液の流速を制御する制御回路を更に備えることで、スラリ状の電極液中の成分が集電体へ残留することを防止できるので、より高いエネルギー密度及び充電効率を実現できる。
更に、スラリ状の電極液が、負極セル側の負極液であり、金属粒子からなる固体状負極活物質粒子と非水系溶媒とを含むことで、より高いエネルギー密度及び充電効率を実現できる。
また、スラリ状の電極液が、負極セル側の負極液であり、リチウム粒子からなる固体状負極活物質粒子を含むことで、より高いエネルギー密度及び充電効率を実現できる。
更に、スラリ状の電極液が、イオン液体からなる非水系溶媒を含むことで、メンテナンスフリーなレドックスフロー電池を提供できる。
本発明のレドックスフロー電池の概略構成図である。 スラリ状の負極液の概略説明図である。 本発明の負極集電体の一例の概略断面図である。 図3aのA−A’平面における概略断面図である。 本発明の負極集電体の一例の概略断面図である。 スラリ状の負極液の蛇行についての説明図である。 本発明のレドックスフロー電池の概略構成図である。
(レドックスフロー電池の構成)
本発明のレドックスフロー電池は、負極セルと正極セル、及びこれらを分離するセパレータとからなる電極セルを備えている。なお、上記では、正極と負極とをまとめて電極と称している。
また、負極セル及び正極セルの少なくとも一方が、スラリ状の電極液、筐体及び集電体を備えている。加えて、スラリ状の電極液を含む側の電極セル中の集電体が、多孔質状の集電体からなる。集電体が多孔質状であることで、スラリ状の電極液中の固体粒子と集電体の衝突回数を増加できる。その結果、高いエネルギー密度をもちつつ充放電効率の高い電力貯蔵システムを実現できる。ここで、多孔質状の集電体は、筺体及びセパレータと必ずしも隣接していることは要求されないが、筺体及びセパレータの少なくとも一方と隣接して配置されていることが好ましく、筺体及びセパレータの両方と隣接して配置されていることがより好ましい。多孔質状の集電体が、筺体及びセパレータの少なくとも一方と隣接して配置されていることで、電極液を集電体により多く流すことができ、かつ集電体の電池内での固定がより容易である。更に、集電体が、筺体及びセパレータの両方と隣接して配置されていることで、電極液を集電体に更に多く流すことができ、かつ集電体の電池内での固定が更に容易である。
更に、スラリ状の電極液の貯留用のタンクを備え、タンクと電極セルとの間でスラリ状の電極液を循環させる配管を備えている。
上記構成を有することで、高いエネルギー密度をもちつつ充放電効率の高い電力貯蔵システムを実現できる。
以下、レドックスフロー電池の一実施形態について図1及び6を参照しながら説明する。
図1及び6は、本発明のレドックスフロー電池の概略構成図である。図1に示されるレドックスフロー電池Aは、負極セル1及び正極セル10を備えている。そして、負極セル1と正極セル10とは、セパレータ2により分離されている。負極セル1及び正極セル10の少なくとも一方が、スラリ状の電極液、筐体及び集電体を備えている。図1では、負極セル1のみが、スラリ状の電極液(負極液)を備えている場合を例示しているが、正極セルにもスラリ状の電極液(正極液)を使用でき、又は正極セルのみにスラリ状の正極液を使用してもよい。
図1では、負極液を含む側の負極セル1中の集電体3が、多孔質状であり、かつ筺体4とセパレータ2に隣接して配置されている。図6では、集電体3は、セパレータ2と隣接しているが、筐体4との間には緩衝材Bが位置しており、筐体と隣接していない(直接接していない)。更に、負極液6が貯留されたタンク5と、タンク5と負極液を含む側の負極セル1との間で負極液6を循環させる配管7を備えている。
緩衝材Bとしては、電極液(図6では負極液)中の物質と反応や溶解しない材料からなり、緩衝性を有する材料から構成されていれば特に限定されない。緩衝材Bとしては、樹脂性の粒子や丸ロッドが挙げられる。なお、図6では緩衝材を集電体と筐体との隣接を防ぐスペーサーとして使用しているが、緩衝性を備えない材料をスペーサーとして使用してもよい。なお、緩衝材Bにより形成される集電体3と筐体4間の体積は、負極セル全体積の20%以下であることが好ましい。
なお、図1及び6中、8aは負極セルへの負極液6の流入口、8bは負極セルからの負極液6の流出口、9aはタンクへの負極液6の流入口、9bはタンクからの負極液6の流出口、15はポンプを意味する。
正極セル10は、筐体11中に、正極活物質12、非水系溶媒13及び集電体14を備えている。
図1及び6のように多孔質状の集電体3を、筺体4とセパレータ2の両方に、又は筐体4のみに隣接して配置することにより、負極液6を主に多孔質状の集電体を通過させることができる。その結果、多孔質状の集電体の細孔中の負極液6の流速を増大できるので、負極液6中の固形分の堆積(閉塞)により、多孔質状の集電体の目詰まりを抑制できる。つまりは、物質拡散律速による内部インピーダンスの増加を防止でき、従って、高い電流密度による充放電を行うことができる。
以下では、本発明のレドックスフロー電池の動作原理と、構成する各部材の典型的な態様について説明する。
(レドックスフロー電池の動作原理)
図1のレドックスフロー電池では、負極液としてスラリが使用されている。負極液は、通常、固体状負極活物質粒子と非水系溶媒とを含んでいる。また、負極液は、液体性状を示し、タンク5に貯留され、ポンプ15により負極セル1に供給される。
放電反応時には、負極セル1において、例えば固体状負極活物質粒子がリチウム粒子である場合には、リチウム粒子が集電体3に衝突することにより、
負極セル:Li(固体)→Li+(イオン)+e-(電子)
の酸化反応が生じる。
このとき、生じた電子は集電体3により補足され、外部配線を通じて外部負荷(照明、電子機器、モータ、ヒータ等)を経由し、集電体14に流れる。一方、Li+(イオン)は非水系溶媒を経由し、セパレータ2を介して負極セル1から正極セル10に移動する。
また、正極セル10において、例えば正極活物質12がコバルト酸リチウム(LiCoO2)である場合には、正極セル10において、セパレータ2から非水系溶媒13にLi+(イオン)が移動する。加えて、移動したLi+と共に、集電体14に流れてきた電子とにより、
正極セル:Li1-xCoO2+xLi+(イオン)+xe-(電子)→LiCoO2
の還元反応が起こる。
一方、充電反応時には、外部電源によって放電反応時とは逆に
負極セル:Li+(イオン)+e-(電子)→Li(固体)
正極セル:LiCoO2→Li1-xCoO2+xLi+(イオン)+xe-(電子)
の酸化還元反応が起こる。
このとき、正極セル10で生じた電子は集電体14に補足され、外部配線を通じて外部電源(充電器、直流電源等)を経由し、負極側の集電体3に流れる。一方、Li+(イオン)は非水系溶媒13を経由し、セパレータ2を介して正極セル10から負極セル1に移動する。
以上のように、充放電を行うことができる。
(スラリ状の電極液)
スラリ状の電極液とは、非水系溶媒に固体状電極活物質粒子が分散した分散液を意味する。固体状電極活物質粒子は、負極では固体状負極活物質であり、正極では固体状正極活物質である。電極液中の固体状電極活物質の濃度は、特に限定されない。しかしながら、多すぎると多孔質状の集電体に目詰まりが生じやすくなり、少なすぎると蓄電性能が劣ることがある。そのため、固体状電極活物質の濃度は、0.5〜20重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは2〜50重量%の範囲である。
図2は、スラリ状の負極液21の概略説明図である。負極液21は、充放電反応時に酸化還元反応をおこす固体状負極活物質粒子22a及び22bと、それら粒子を分散しうる非水系溶媒23とを含み、液体性状を示す。負極液21には、そのイオン伝導度を向上させるために支持電解質(図示せず)を添加してもよい。また、正極セル側にも、スラリ状の正極液を使用できる。この場合、上記負極液21と同様に、固体状正極活物質粒子と、その粒子を分散しうる非水系溶媒を使用できる。なお、粒子22aは粒子22bより前に位置していることを示している。以下、電極液(負極液及び正極液)の各成分について説明する。
(A)負極液
(1)固体状負極活物質粒子
固体状負極活物質粒子としては、キノン系(例:ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン)やチオール系(例:ベンゼンチオール、ブタン−2,3−ジチオール、ヘキサ−5−エン−3−チオール等)の有機化合物材料、グラファイト、ハードカーボン、黒鉛、活性炭等の炭素材料、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、ストロンチウム等の金属材料、又はリチウム−スズ系、リチウム−シリコン系等のリチウム合金材料、バナジウム、ウラン、鉄、クロム等の遷移金属等からなる粒子を用いることができる。
上記材料からなる粒子の内、リチウムイオンがレドックス反応に関与する場合には、炭素材料粒子が好ましい。炭素材料粒子の中でも非晶質炭素を表面に付着させた黒鉛粒子を用いることが特に好ましい。黒鉛粒子を使用することにより、充電時に負極反応で生じる有機溶媒及びリチウム塩の分解反応を有意に抑制できる。その結果、充放電サイクル寿命が改善され、上記分解反応によるガス発生が抑止された電池を提供できる。
また、放電時に固体からイオンに、充電時にイオンから固体に変化しうる金属材料粒子を用いることが好ましい。金属材料粒子は、単位体積及び重量あたりの放電容量が大きい点で優れている。金属材料粒子は、放電時に集電体に衝突する度に、一部がイオン化することで、その粒径が次第に小さくなる。そのため、集電体で金属材料粒子が目詰まりすることをより抑制できる。また、充電時に、金属材料は、一般的に集電体表面に針状形状の析出物(デンドライド析出物)を生じることが知られている。このデンドライト析出物は、一定のサイズに成長した場合、負極液の送圧を調整することにより、破壊除去できる。そのため、金属材料粒子は、極端な粒径の増大が起こりにくいので、粒径サイズを均一に保つことができる。
固体状負極活物質粒子の粒径は、100〜0.01μmであることが好ましい。粒径を小さくすることで、この粒子を非水系溶媒に均一に分散させることができる。そのため、十分な液体性状を有するスラリを得ることができる。その結果、特殊なポンプを用いずとも安価なポンプにより負極液を送液(循環)できる。
特に、非水系溶媒として、以下で説明する高い粘度のイオン液体は、固体状負極活物質粒子と非水系溶媒との分離が起こりにくく、安定に液状性状を維持できるため好ましい。
また、仕込み時の固体状負極活物質粒子の粒径は0.01μm以上であることが好ましい。0.01μm以上の粒径の粒子は、負極液中で凝集体を形成し難く、負極集電体につまり難いという利点がある。また、製造コストが低く、安価に入手できるという利点もある。なお、0.01μmより小さい粒子を使用することもできるが、固体状負極活物質粒子は、充電時の電析により成長する。そのため、0.01μm以下の粒径を用いても、充放電を繰り返すごとに成長するので、あえて0.01μmより小さい粒子を用いる利点がない。
(2)非水系溶媒
負極セルに使用される非水系溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート類と、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート類、γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン等のラクトン類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のフラン類、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジオキサン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、ギ酸メチル、酢酸メチル等が挙げられる。また、イオン液体も使用できる。
特に、イオン液体は、揮発性及び可燃性がないことから安全性に優れる点で好ましく、揮発性の非水溶媒に添加することで可燃性を失わせることもできる。加えて、揮発性の非水系溶媒は蒸発するため定期的に補充する必要があるが、イオン液体は揮発性がないことから補充の回数を低減できるので、保守費用を低減できるという利点も有する。
イオン液体としては、例えば、イミダゾリウム系カチオンとホウフッ化物アニオン(BF4 -)、六フッ化リン酸アニオン(PF6 -)、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン(CF3SO3 -)(TF)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン(N(CF3SO22 -)(TFSI)又はヨウ化物イオン(I-)との溶融塩、脂肪族四級アンモニウム系カチオンとBF4 -、PF6 -、TF、TFSI又はI-との溶融塩等が挙げられる。
イミダゾリウム系カチオンとしては、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(EMI)イオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム(BMI)イオン、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム(HMI)イオン、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウム(MPI)イオン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウム(DMPI)イオン等が好適に使用できる。脂肪族四級アンモニウム系カチオンとしては、テトラエチルアンモニウム(TEA)イオン、トリエチルメチルアンモニウム(TEMA)イオン、トリメチルプロピルアンモニウム(TMPA)イオン等が好適に使用できる。その他のカチオン種として、メチルプロピルピペリジニウム(MPPi)イオン、ブチルメチルピペリジニウム(BMPi)イオン、メチルプロピルピロリジニウム(MPPy)イオン、ブチルメチルピロリジニウム(BMPy)イオン等が好適に使用できる。
また、上記イオン液体中でも酸化還元に対する電位窓が広いことから、TMPA−TFSI、MPPy−TFSI、EMI−TFSI、EMI−TFが好ましい。
更に好ましいイオン液体は、以下の範囲の電位窓、粘度及び/又はイオン伝導度を有するものである。
イオン液体の電位窓は、−2.5〜2.0V vs.Ag/Ag+が好ましい。低電位側の電位が−2.5Vより高くなると、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属や、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属を活物質として使用し難くなる。高電位側の電位が2.0Vより低くなると、ウランや硫黄等の材料が活物質として使用し難くなる。より好ましい電位窓は、−2.0〜1.5Vvs.Ag/Ag+の範囲である。低電位側の電位が−2.0Vより高くなると、水素発生電位より高電位になり、水系の溶媒に対するイオン液体のメリットが小さくなることがある。また、高電位側の電位が1.5Vより低くなると、水系の溶媒に対するイオン液体のメリットが小さくなることがある。この範囲であれば、より高起電力の電池を構成できる。なお、電位窓は、サイクリックボルタンメトリーを行い、急激に酸化電流及び還元電流が検出された電位を測定した値を意味する。
イオン液体の粘度は、20℃において、1〜500mPa・sの範囲が好ましい。1mPa・sより低いと、イオン液体の安定性が低下することがある。500mPa・sより高いと、イオン液体を循環させるポンプの負荷が高くなりすぎることがある。より好ましい粘度は、10〜150mPa・sの範囲であり、この範囲であれば、負極へのイオン液体の染み込みをより良好にできる。なお、粘度は、TA Instruments社製AR2000により測定した値を意味する。
イオン液体のイオン伝導度は、25℃において、0.05〜25mS/cmの範囲が好ましい。0.05mS/cmより低くなると、電池の電気抵抗が高くなりすぎて充放電のエネルギー効率が低くなることがある。25mS/cmより高くなると、漏れ電流が大きくなり、エネルギー貯蔵性が低下することがある。より好ましいイオン伝導度は、1〜15mS/cmの範囲であり、この範囲であれば、レドックスフロー電池の充放電反応をより良好にできる。なお、イオン伝導度は、ソーラトロン社製1280Z型電気化学測定システムを使用し、1000Hzの交流インピーダンスを測定した値を意味する。
非水系溶媒は、固体状負極活物質粒子100重量部に対して、1〜200重量部の範囲で使用することが好ましい。この範囲内で使用することで、より高いエネルギー密度及び充電効率を実現できる。より好ましい非水系溶媒の使用量は、5〜100重量部の範囲である。
(3)支持電解質
非水系溶媒のイオン伝導度を向上し、高出力特性を有する非水系溶媒を用いるレドックスフロー電池を構成するために、支持電解質を負極液へ添加できる。
支持電解質としては、例えば、過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウム(LiBF4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、トリフルオロ酢酸リチウム(LiCF3COO)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF3SO22)等のリチウム塩が使用できる。更に、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、テトラメチルアンモニウムのカチオンから選ばれる少なくとも一種と、ホウフッ化物アニオン(BF4 -)、六フッ化リン酸アニオン(PF6 -)、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン(CF3SO3 -)(TF)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン(N(CF3SO22 -)(TFSI)、ヨウ化物イオン(I-)のアニオンから選ばれる少なくとも一種とからなる塩も使用できる。
支持電解質の添加量としては、負極液全体に対して、0.01〜2mol/リットルの範囲が好ましい。特に高出力特性を有するイオン液体を用いるレドックスフロー電池を構成するためには、0.1〜1mol/リットルの範囲がより好ましい。
特に、リチウム、ナトリウム、カリウム等の金属を固体状負極活物質粒子として用いる場合には、支持電解質は用いる金属種のイオンからなる塩であることが好ましい。例えば、固体状負極活物質粒子としてリチウムを用いる場合には、支持電解質は六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)等のリチウム塩であることが好ましい。このように、同種の金属種からなる組み合わせを用いることにより、負極セルにおいて固体状負極活物質粒子が酸化還元反応を起こしやすくなるとともに、支持電解質に含まれる金属イオンも反応に寄与するため、充放電効率を高くすることができる。
(4)負極集電体
負極集電体は、固体状負極活物質粒子から電子を受け取り集電する機能を有する。
負極集電体は、連続孔を有する発泡体、焼結金属不織布、エキスパンド加工、メッシュ加工等からなる多孔質状を有している。負極集電体は、負極筺体とセパレータに隣接して配置されていることが好ましい。これにより、負極液の流入口から負極液の流出口にかけて、負極液のほとんどを負極集電体の細孔内部を通過させることが可能となる。従って、負極集電体と固体状負極活物質粒子との衝突確率を増加できる。
図3aは、負極集電体の一例の概略断面図であり、この図には負極液の流れ方向も併せて記載されている。図3bは、図3aのA−A'平面における概略断面図である。図3a及び3bでは、負極液の流れは、負極液の流入口と流出口とを結ぶ方向に対して平行である。これら図中、31は負極集電体、32a及び32bは固体状負極活物質粒子、33は非水系溶媒、34は負極液の流れ方向、35は筐体、36はセパレータを意味する。これら図に示すように、負極セルは、筐体35とセパレータ36との間に集電体31が位置している。集電体31は、孔が複数存在することで多孔質状となっている。集電体31には、負極液の流れ方向34に沿って、固体状負極活物質粒子32a及び32bと、非水系溶媒33とを含む負極液が流れている。
図4は、負極集電体の別の一例の概略断面図であり、この図には負極液の流れも併せて記載されている。図4では、負極液の流れは、負極液の流入口と流出口とを結ぶ方向に対して蛇行している。これら図中、41は負極集電体、42a及び42bは固体状負極活物質粒子、43は非水系溶媒、44は負極液の流れ方向、45は筐体、46はセパレータを意味する。負極集電体41は、第1負極集電体41aと第2負極集電体41bとからなる。図4に示すように、負極セルは、筐体45とセパレータ46との間に集電体41が位置している。集電体41は、孔が複数存在することで多孔質状となっている。集電体41には、負極液の流れ方向44に沿って、固体状負極活物質粒子42a及び42bと、非水系溶媒43とを含む負極液が流れている。
ここで、図4では、第1負極集電体41aの開口と第2負極集電体41bの開口とが周期的にずらして配置されている。その結果、負極液の流れは、負極液の流入口と流出口とを結ぶ方向に対して蛇行している。
次に、負極液の蛇行について図5を用いて説明する。負極液中の固体状負極活物質粒子の送液経路長lは、l≧2nL1+(2n−1){(d2+(L−2nL1)/(2n−1))20.5の関係式を満たすことが好ましい。式中、Lは負極集電体の長さを、L1は第1負極集電体及び第2負極集電体の長さ(厚さ)を、dは固体状負極活物質粒子の平均粒径を、nは配置される1対の第1負極集電体と第2負極集電体の組数を表している。ここでは、第1負極集電体及び第2負極集電体の厚さが同一場合を例示している。
上記関係式を満たすことにより、負極液の流れ方向に対して、第1負極集電体中を平行に流れる固体状負極活物質粒子は、下流の第2負極集電体へ、第2負極集電体中を平行に流れる固体状負極活物質粒子は、下流の第1負極集電体へ、それぞれ効果的に衝突させることができる。その結果、固体状負極活物質粒子と負極集電体間で電子授受が効率的に行われ、充放電効率を高くできる。また、この集電体では、集電体中の孔内において、負極液の流れが不規則になり、局所的に乱流による送圧の差が生じやすい。その結果、負極集電体中に固体状負極活物質粒子が堆積することによる目詰まりを抑制できる。
負極集電体の材料としては、金属材料、炭素質材料、導電性を有する金属酸化物材料等が挙げられる。
金属材料としては、電子伝導性を有し、酸性雰囲気下で耐腐食性を有する材料が好ましい。具体的には、Au、Pt、Pd等の貴金属、Ti、Ta、W、Nb、Ni、Al、Cr、Ag、Cu、Zn、Su、Si等を用いることができる。これらの金属材料の窒化物、炭化物、ステンレス、Cu−Cr、Ni−Cr、Ti−Pt等の合金を用いることもできる。金属材料には、Pt、Ti、Au、Ag、Cu、Ni、Wからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素を含むことが、他の化学的な副反応が少ないという観点からより好ましい。これら金属材料は、比抵抗が小さいため面方向に電流を取り出しても電圧の低下を抑制できる。
炭素質材料としては、化学的に安定で導電性を有する材料が好ましい。例えば、アセチレンブラック、バルカン、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、VGCF、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、フラーレン等の炭素粉末や炭素繊維が挙げられる。
導電性を有する金属酸化物材料としては、例えば、酸化スズ、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化アンチモンドープ酸化スズが挙げられる。
更に、Cu、Ag、Zn等の酸性雰囲気下での耐腐食性に乏しい金属材料を用いる場合には、Au、Pt、Pd等の耐腐食性を有する貴金属及び金属、カーボン、グラファイト、グラッシーカーボン、導電性高分子、導電性窒化物、導電性炭化物、導電性酸化物等で上記耐腐食性に乏しい金属の表面をコーティングしてもよい。
なお、導電性高分子としては、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン等が挙げられる。導電性窒化物としては、窒化炭素、窒化ケイ素、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化ゲルマニウム、窒化チタニウム、窒化ジルコニウム、窒化タリウム等が挙げられる。導電性炭化物としては、炭化タンタル、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタニウム、炭化モリブデン、炭化ニオブ、炭化鉄、炭化ニッケル、炭化ハフニウム、炭化タングステン、炭化バナジウム、炭化クロム等が挙げられる。導電性酸化物としては、酸化スズ、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化アンチモンドープ酸化スズ等が挙げられる。
(B)正極液
(1)固体状正極活物質粒子
固体状正極活物質粒子としては、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、硫黄、4価又は5価のバナジウム酸化物等からなる粒子が挙げられる。固体状正極活物質粒子の粒径は、固体状負極活物質粒子と同様に、100〜0.01μmであることが好ましい。
ここで、負極セル及び正極セルの両方にスラリ状の電極液を使用する場合、
(i)イオン種にリチウムイオンを利用する場合には、固体状負極活物質粒子に金属リチウム、スズ系やシリコン系のリチウム合金を用い、固体状正極活物質粒子にマンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、硫黄を用いる組み合わせが好ましく、
(ii)イオン種に水素イオンまたは水酸化イオンを利用する場合には、固体状負極活物質粒子にキノン系(例:ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン)やチオール系(例:ベンゼンチオール、ブタン−2,3−ジチオール、ヘキサ−5−エン−3−チオール等)の有機化合物材料、2価及び3価のバナジウム酸化物を用い、固体状正極活物質粒子に4価又は5価のバナジウム酸化物を用いる組み合わせが好ましい。
(2)正極液の非水系溶媒、支持電解質及び正極集電体には、負極液の非水系溶媒、支持電解質及び負極集電体と同じものを使用できる。
(C)負極セル及び正極セルの両方ともスラリ状の負極液及び正極液を使用できるが、どちらか一方のみにスラリ状の電極液を使用してもよい。この場合、他方の電極セルには、例えば、非水系二次電池で使用されている電極活物質と非水系溶媒とを含む電極液を使用できる。
電極活物質中、正極活物質としては、リチウムを含有した酸化物が挙げられる。具体的には、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24及びLiNi1-xx2(ただしMは遷移金属元素)、LiCoxNi1-x2(0<x<1)等のリチウムを含有する金属酸化物が挙げられ、これらのいずれかを用いて負極活物質に炭素質材料を用いた場合に炭素質材料自身の充電・放電に伴う電圧変化(約1V vs Li/Li+)が起こっても十分に実用的な作動電圧を示すこと、更に電池の充電・放電反応に必要なLiイオンが電池を組み立てる前から、例えばLiCoO2、LiNiO2等の形で既に電池内に含有されている利益を有する。また、他の正極活物質として、バナジウム、ウラン、鉄、クロム等の遷移金属、硫黄も挙げられる。
このうち、単位体積当たりのエネルギー密度が高く、システムを小型化できる点から、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、硫黄を用いることが好ましい。
負極活物質としては、黒鉛質炭素材料が通常使用できる。黒鉛質炭素材料としては、例えば、天然黒鉛、粒子状(例えば、鱗片状、塊状、繊維状、ウィスカー状、球状、破砕状等)の人造黒鉛、あるいは、メソカーボンマイクロビーズ、メソフェーズピッチ粉末、等方性ピッチ粉末等の黒鉛化品等に代表される高結晶性黒鉛、樹脂焼成炭等の難黒鉛化炭素等が挙げられる。更にはこれらの混合物も使用できる。また、錫の酸化物、シリコン系の負極活物質等、容量の大きい合金系の負極活物質も使用可能である。
非水系溶媒としては、上記負極液において例示した溶媒をいずれも使用できる。非水系溶媒は、電極活物質100重量部に対して、1〜200重量部の範囲で使用できる。
(セパレータ)
セパレータは、負極活物質と正極活物質の混合を防止し、イオンは伝導するが電子は絶縁する機能を有するものを使用することが好ましい。
例えば、セパレータには、電極液に対して化学的に安定で、電気絶縁性を有するポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミド、ガラス繊維等からなる多孔質体の膜を使用できる。多孔質体の膜は、その膜中の微細な細孔に非水系溶媒を浸透させることにより、細孔に生じる毛細管力により非水系溶媒が流動性を持たなくなる。その結果、多孔質体の膜には、イオンのみを選択的に通過させることができる。また、このような意図的な細孔を有する多孔質体の膜に限らず、多孔質体の材料自体がイオン伝導性を有するイオン交換膜もセパレータとして用いることができる。
特に、負極セルと正極セルの両方にスラリ状の電極液を使用して循環させる場合、負極セル側と正極セル側との間において、固体状電極活物質粒子の堆積による大きな圧力差が生じやすい。この場合、セパレータにはイオン交換膜を用いることがより好ましい。イオン交換膜は、それを構成する高分子の分子中をイオンが伝導するため、多孔質形状のセパレータよりも、圧力差が生じた場合でも細孔中の非水系溶媒が流動し難い。その結果、化学的な短絡による電池性能の著しい低下を抑制できる。
イオン交換膜としては、当該分野で公知の膜をいずれも使用でき、通常プロトン伝導性膜、カチオン交換膜、水酸化イオン伝導性膜、アニオン交換膜等を使用できる。
(1)プロトン伝導性膜
プロトン伝導性膜の材質としては、プロトン伝導性を有しかつ電気的絶縁性を有する材質であれば特に限定されない。例えば、高分子膜、無機膜又はコンポジット膜等が挙げられる。
高分子膜としては、例えばパーフルオロスルホン酸系電解質膜である、ナフィオン(デュポン社製)、アシプレックス(旭化成社製)、フレミオン(旭硝子社製)等の膜や、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン等の炭化水素系電解質膜等が挙げられる。また、プロトン伝導性を持たない多孔質膜の細孔中に、前述の高分子膜を構成するポリマーを充填することもできる。
無機膜としては、例えばリン酸ガラス、硫酸水素セシウム、ポリタングストリン酸、ポリリン酸アンモニウム等からなる膜が挙げられる。
コンポジット膜としては、スルホン化ポリイミド系ポリマーやスルホン化ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー等の有機物と、タングステン酸やタングストリン酸、硫酸化ジルコニア等の無機物を分子レベルで複合した膜が挙げられる。
更に、高温環境下(例えば、100℃以上)で電池を使用する場合には、スルホン化ポリイミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、スルホン化ポリベンゾイミダゾール、ホスホン化ポリベンゾイミダゾール、硫酸水素セシウム、ポリリン酸アンモニウム等からなる膜が挙げられる。
イオン交換膜は、プロトン伝導率が10-5S/cm以上であることが好ましい。10-5S/cm以上のプロトン伝導率を有することで、膜中におけるオーミック損による電圧の低下を抑えることができる。より好ましいイオン交換膜は、パーフルオロスルホン酸ポリマーや炭化水素系ポリマー等のプロトン伝導率が10-3S/cm以上の高分子電解質膜である。そのような膜としては、例えば、ナフィオン(デュポン社製)、アシプレックス(旭化成社製)、フレミオン(旭硝子社製)の膜等が挙げられる。
イオン交換膜には、撥水性を付与するためにPTFE、PVDFを添加してもよく、その逆に、親水性を付与するためにシリカ粒子、吸湿性樹脂等を添加してもよい。
(2)カチオン交換膜
カチオン交換膜としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のカチオンを移動させることができる固体高分子電解質であればよい。具体的は、パーフルオロカーボンスルフォン酸膜、パーフルオロカーボンカルボン酸膜等のフッ素系イオン交換膜、リン酸を含浸させたポリベンズイミダゾール膜、ポリスチレンスルホン酸膜、スルホン酸化スチレン・ビニルベンゼン共重合体膜等を挙げることができる。
(3)アニオン交換膜
電極液のアニオン輸率が高い場合には、アニオン交換膜を使用してもよい。アニオン交換膜としては、アニオンの移動可能な固体高分子電解質膜を使用できる。具体的には、ポリオルトフェニレンジアミン膜、アンモニウム塩誘導体基を有するフッ素系イオン交換膜、アンモニウム塩誘導体基を有するビニルベンゼンポリマー膜、クロロメチルスチレン・ビニルベンゼン共重合体をアミノ化した膜、ピリジン環やピロリジン環を有した芳香族系ポリマー膜等が挙げられる。
(4)Ew値
イオン交換膜は、400〜2000の範囲のEw値を有していることが好ましい。特に、ナフィオンからなるイオン交換膜の場合、Ew値は800〜1200の範囲が好ましい。Ew値が低いと電池の抵抗が高くなることがあり、Ew値が高いとレドックスフロー電池のような流体を使用する電池では膜強度が低くなることがある。より好ましいEw値は900〜1100の範囲である。
なお、Ew値は、下記式で定義される値である。
Ew=官能基の当量あたりのイオン交換膜の乾燥重量=(イオン交換膜の乾燥重量)/(イオン交換能を有する官能基数)
イオン交換膜の乾燥重量は、イオン交換膜を60℃で72時間、真空乾燥した後に秤量することで求めた値である。イオン交換能を有する官能基数は、塩化ナトリウム滴定法にて求めた値である。具体的には、官能基数は、イオン交換膜に塩化ナトリウムを加えた後のpH値を測定することにより、活性な官能基を定量することにより得られる。
(5)イオン交換膜の形成方法
イオン交換膜は公知の方法で形成できる。例えば、電解重合法、プラズマ重合法、液相重合法、固相重合法等により、正極又は負極の集電体を被覆する方法が挙げられる。これら方法は、膜製造用のモノマーの種類に応じて適宜選択できる。更に、イオン交換膜を構成する重合体溶液中に集電体を直接浸して表面に付着(被覆)させることもできる。被覆量は、一般には少なくとも1mg/cm2以上であることが好ましく、2mg/cm2以上であることがより好ましい。被覆量の上限は、5mg/cm2であることが好ましい。
(タンク)
タンクは、電極液が収納されている。ここで、スラリ状の正極液を使用する場合は、正極液を収納するタンクが必要であり、スラリ状の負極液を使用する場合は、負極液を収納するタンクが必要であり、正極セルと負極セルそれぞれにスラリ状の電極液を使用する場合は、正極液及び負極液をそれぞれ収納するタンクが必要である。タンクの形状は、特に限定されず、電池の用途、使用場所等に応じて適宜決定できる。また、タンクの容量は、電池の所望する容量に応じて、適宜決定できる。更に、タンクを構成する材質は、電極液を保持できさえすれば特に限定されない。
(配管)
配管は、タンクと電極セルとの間を電極液が循環しうるように接続する。配管の形状は、電池の用途、使用場所等に応じて適宜決定できる。また、配管を構成する材質は、電極液を保持できさえすれば特に限定されない。
(他の構成部材)
(1)ポンプ
ポンプは、電極セルとタンクとの間に電極液を循環させるために使用される。この機能を有する限り、その構成及び種類等は限定されない。例えば、充放電時の電流量が数Aオーダである場合には、電極液の流速を1ml/min以上で吐出しうる機能を有するポンプを使用することが好ましい。充放電時の電流量が数十Aオーダである場合には、電極液の流速を増加させることで必要な電極液を供給することができるが、流速が大きくなると配管および電極セル内部の圧力が増加し、高い突出圧が得られる特殊なポンプを採用する必要があるため、流速の上限は、100L/minであることが好ましい。
(2)制御回路
ポンプにはスラリ状の電極液の流速制御を行う制御回路が設けられ、電極液の流速を種々の態様に調整することが好ましい。
例えば、制御回路により、以下で説明する第1出力レベルと第2出力レベルをポンプに出力することができる。具体的には、第2出力レベルによりポンプで発生する電極液の流速を、第1出力レベルによりポンプで発生する流速よりも大きく設定し、第1出力レベルから第2出力レベルへの間欠的な変化を周期的に行うことが挙げられる。このような出力の制御を行うことで、ポンプの消費電力を抑えながら、多孔質状の集電体の細孔中の電極液を間欠的に速い流速で移動させることができる。その結果、細孔中に堆積した固体状電極活物質粒子を効果的に押し流すことが可能となる。つまり、固体状電極活物質粒子の堆積を防止できるので、集電体の表面積の減少を抑制でき、高い電流密度による充放電を維持できる。
また、多孔質状の集電体の細孔内の電極液の流れは、第1出力レベルで層流であり、第2出力レベルで乱流であることが好ましい。電極液の流れを層流とすることにより、充放電時の電圧を安定にできる。また、短時間に間欠的に電極液の流れを乱流とすることにより、集電体の細孔内に堆積する固体状電極活物質粒子を効果的に除去できる。
特に、固体状電極活物質粒子として、リチウムやナトリウム、カリウム等の金属材料を用いる場合には、充電時に限って、集電体の細孔内の電極液の流れを、第1出力レベルで層流、第2出力レベルで乱流とすることが好ましい。これにより、層流下で集電体表面に生じた針状形状の析出物(デンドライド析出物)により、集電体の表面積が増加し充電効率が向上する。また、間欠的な乱流によりデンドライド析出物を破壊し除去することにより、所定サイズ以上のデンドライド析出を抑制し、細孔の閉塞を抑制することができる。
なお、第2の出力レベルによる電極液の流速が、第1の出力レベルによる電極液の流速の3倍以上となるように、第1と第2の出力レベルを調整することが好ましい。5〜20倍となるように調整することがより好ましい。ここで、第1の出力レベルによる電極液の流速は、1ml/min〜100L/minの範囲であることが好ましい。
また、第1の出力レベルがポンプに印加される時間は、第2の出力レベルがポンプに印加される時間の10倍以下であることが好ましい。3〜5倍となるように調整することがより好ましい。
更に、第2の出力レベルが印加される回数は、1回/時間以上であることが好ましい。1〜60回/時間となるように調整することがより好ましい。第2の出力レベルが印加されるそれぞれの時間は、均等でもよく、異なっていてもよい。更に、印加される間隔は、均等でもよく、異なっていてもよい。
本発明では、エネルギー密度が、例えば100Wh/L以上のレドックスフロー電池を提供できる。このエネルギー密度は、上記溶液状の電極液を使用した公知の電池の約3〜5倍であり、本発明のレドックスフロー電池が極めて効率よく電力貯蔵できることを意味している。
<実施例1>
図1に示す構成のレドックスフロー電池を以下のように作製した。
まず、非水系溶媒であるエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合比50:50の混合溶媒100mlと、固体状負極活物質粒子である平均粒径10μmのLi粉末5gと、支持電解質である六フッ化リン酸リチウムを10gとを、不活性Arガス雰囲気中のチェンバ内で混合した。次いで、混合物中の各成分を超音波プローブにて分散させることで目的のスラリ状の負極液を作製した。
また、正極活物質である平均粒径7μmのコバルト酸リチウム粉末100重量部と、導電性補助剤である平均粒径20nmのアセチレンブラック(電気化学工業社製デンカブラック)5重量部と、バインダであるPVdF溶液(クレハ社製)をN−メチル―2−ピロリドン(NMP)により調整し混合した。PVdF溶液は、PVdFが5重量部となるように混合した。次に、混合物にN−メチルピロリドンを適量加え粘度を500cpsに調整した後、コイラーを用いて混練を行うことで正極の前駆体となる正極塗料を作製した。次に、正極集電体である20μmのアルミ箔上に正極塗料を10mg/cm2の量で塗布した。塗膜を乾燥後、プレス加工することで正極シートを形成した。得られたシートを30×30mmのサイズに裁断することにより目的の正極を作製した。
次に、厚さ50μmの多孔質ポリエチレンフィルム(旭化成ケミカルズ社製)を50×50mmのサイズに裁断してセパレータを得た。得られたセパレータには、非水系溶媒であるエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合比50:50の混合溶媒をあらかじめ染み込ませておいた。
次に、平均細孔径0.5mm、厚さ5mmのニッケル発泡金属(三菱マテリアル社製)を30×30mmのサイズに切断することで負極集電体を作製した。
負極筺体及び正極筺体には厚さ5mmの50×50mmのカーボン板を用いた。負極筺体用のカーボン板には、一方の面の中心に深さ500μmの30×30mmのサイズからなる凹部を切削加工で作製した。また、凹部を設けた面とは反対側の面から凹部まで貫通孔を2つ設けて負極液流入口と負極液流出口とした。
負極筺体用のカーボン板の凹部に負極集電体を組み合わせた後、負極筺体用のカーボン板上にセパレータを重ねた。次いで、予めエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合比50:50の混合溶媒を染み込ませた正極を重ね合わせた。この後、負極筺体用のカーボン板と正極筺体用のカーボン板との外周部を合わせながらセパレータを挟みこむことで負極セル及び正極セルを作製した。
次に、ステンレス製の負極液の貯留用タンク(負極タンク)と、負極セルとを、スラリ状の負極液が循環するように、送液ポンプを備えたステンレス製の配管を用いて接続した。負極タンクに、スラリ状の負極液を100mL投入し、5ml/minの流速で循環させた。
上記工程を経ることで80Wh/Lのエネルギー密度を有するレドックスフロー電池を得た。
得られたレドックスフロー電池に充放電装置を用いて、0.1Aの定電流で12時間充電した。この後、0.1Aの定電流で10時間放電したときの開回路電圧は3.0Vであった。10回の充放電サイクルを経た後でも、負極集電体の閉塞による送液量の変化は特に認められなかった。
<実施例2>
非水系溶媒であるエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合溶媒を100mlと、固体状負極活物質粒子である平均粒径10μmの黒鉛(日本カーボン社製)を5gと、支持電解質である六フッ化リン酸リチウムを10gとを、不活性Arガス雰囲気中のチェンバ内で混合し、次いで、混合物中の各成分を超音波プローブにて分散させることで目的のスラリ状の負極液を作製したこと以外は、実施例1と同様に72Wh/Lのエネルギー密度を有するレドックスフロー電池の作製と評価を行った。
得られたレドックスフロー電池に充放電装置を用いて、0.1Aの定電流で12時間充電した。この後、0.1Aの定電流で10時間放電したときの開回路電圧は2.8Vであった。10回の充放電サイクルを経た後でも、負極集電体の閉塞による送液量の変化は特に認められなかった。
<実施例3>
非水系溶媒であるエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合溶媒を100mlと、固体状負極活物質粒子である平均粒径10μmのリチウムスズ合金(Li:Sn=1:1(原子比))を5gと、支持電解質である六フッ化リン酸リチウムを10gとを、不活性Arガス雰囲気中のチェンバ内で混合し、次いで、混合物中の各成分を超音波プローブにて分散させることで目的のスラリ状の負極液を作製したこと以外は、実施例1と同様に61Wh/Lのエネルギー密度を有するレドックスフロー電池の作製と評価を行った。
得られたレドックスフロー電池に充放電装置を用いて、0.1Aの定電流で12時間充電した。この後、0.1Aの定電流で10時間放電したときの開回路電圧は2.7Vであった。10回の充放電サイクルを経た後でも、負極集電体の閉塞による送液量の変化は特に認められなかった。
<実施例4>
負極セルと正極セルの非水系溶媒として、イオン性液体であるEMI−TFを用い、固体状負極活物質粒子として、平均粒径10μmの硫酸バナジルを用い、固体状正極活物質粒子として、平均粒径10μmの塩化バナジルを用いた。スラリ状の負極液は、EMI−TF100mlに対して硫酸バナジルを10g混合して作製し、スラリ状の正極液は、EMI−TF100mlに対して塩化バナジルを10g混合して作製した。
また、負極セル側と同様にして、正極セルを作製し、ステンレス製の正極タンクと、正極セルとを、スラリ状の正極液が循環するように、送液ポンプを備えたステンレス製の配管を用いて接続した。正極タンクに、スラリ状の正極液を100mL投入し、5ml/minの流速で循環させた。
上記工程を経ること以外は実施例1と同様に15Wh/Lのエネルギー密度を有するレドックスフロー電池を得た。
得られたレドックスフロー電池に充放電装置を用いて、0.1Aの定電流で12時間充電した。この後に、0.1Aの定電流で10時間放電したときの開回路電圧は1.0Vであった。10回の充放電サイクルを経た後でも、負極集電体の閉塞による送液量の変化は特に認められなかった。
<実施例5>(参考例)
負極活物質である平均粒径1μmの黒鉛粉末100重量部と、導電性補助剤である平均粒径20nmのアセチレンブラック(電気化学工業社製デンカブラック)5重量部と、バインダであるPVdF溶液(クレハ社製)をN−メチル―2−ピロリドン(NMP)により調整し混合した。PVdF溶液は、PVdFが5重量部となるように混合した。次に、混合物にN−メチルピロリドンを適量加え粘度を500cpsに調整した後、コイラーを用いて混練を行うことで負極の前駆体となる負極塗料を作製した。次に、負極集電体である20μmのアルミ箔上に負極塗料を10mg/cm2の量で塗布した。
次に、非水系溶媒であるエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合比50:50の混合溶媒100mlと、固体状正極活物質粒子である平均粒径7μmのコバルト酸リチウム粉末10gと、支持電解質である六フッ化リン酸リチウムを10gとを、不活性Arガス雰囲気中のチェンバ内で混合した。次いで、混合物中の各成分を超音波プローブにて分散させることで目的のスラリ状の正極液を作製した。
上記負極と正極液を作製したこと以外は、実施例1と同様に40Wh/Lのエネルギー密度を有するレドックスフロー電池の作製と評価を行った。
得られたレドックスフロー電池に充放電装置を用いて、0.1Aの定電流で12時間充電した。この後に、0.1Aの定電流で10時間放電したときの開回路電圧は2.5Vであった。10回の充放電サイクルを経た後でも、負極集電体の閉塞による送液量の変化は特に認められなかった。
<実施例6>
非水系溶媒であるエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合比50:50の混合溶媒100mlと、固体状負極活物質粒子である平均粒径10μmのLi粉末1gと、支持電解質である六フッ化リン酸リチウム10gとを、不活性Arガス雰囲気中のチャンバ内で混合した。次いで、混合物中の各成分を超音波プローブにて分散させることで目的のスラリ状の負極液を作製した。
また、正極活物質である平均粒径7μmのTiS2粉末100重量部と、導電性補助剤である平均粒径20nmのアセチレンブラック(電気化学工業社製デンカブラック)10重量部と、バインダであるPVdF溶液(クレハ社製)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)により調整し混合した。PVdF溶液は、PVdFが5重量部となるように混合した。次に、混合物にN−メチルピロリドンを適量加え粘度を500cpsに調整した後、コイラーを用いて混練を行うことで正極の前駆体となる正極塗料を作製した。次に、正極集電体である20μmのアルミ箔状に正極塗料を1g/cm2の量で塗布した。塗膜を乾燥後、プレス加工することで正極シートを形成した。得られたシートを30×30mmのサイズに裁断することにより目的の正極を作製した。
次に、厚さ50μmの多孔質ポリエチレンフィルム(旭化成ケミカルズ社製)を50×50mmのサイズに裁断してセパレータを得た。得られたセパレータには、非水系溶媒であるエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合比50:50の混合溶媒を予め染み込ませておいた。
次に、平均細孔径0.5mm、厚さ5mmのニッケル発泡金属(三菱マテリアル社製)を30×30mmのサイズに切断することで負極集電体を作製した。
負極筐体及び正極筐体には、厚さ7mmの50×50mmのカーボン板を用いた。負極筐体用のカーボン板には、一方の面の中心に深さ5mmの30×30mmのサイズからなる凹部を切削加工で作製した。また、凹部を設けた面とは反対側の面から凹部まで貫通孔を2つ設けて負極液の流入口と負極液の流出口とした。
負極筐体用のカーボン板の凹部に負極集電体を組み合わせた後、負極筐体用のカーボン板上にセパレータを重ねた。次いで、予めエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合比50:50の混合溶媒を染み込ませた正極を重ね合わせた。この後、負極筐体用のカーボン板と正極筐体用のカーボン板との外周部を合わせながらセパレータを挟み込むことで負極セル及び正極セルを作製した。
次に、ステンレス製の負極タンクと、負極セルとを、スラリ状の負極液が循環するように、送液ポンプを備えたステンレス製の配管を用いて接続した。負極タンクに、スラリ状の負極液を100mL投入し、5ml/minの流速で循環させた。
上記工程を経ることで80Wh/Lのエネルギー密度を有するレドックスフロー電池を得た。
得られたレドックスフロー電池に充放電装置を用いて、0.1Aの定電流で12時間充電した。この後に、0.1Aの定電流で10時間放電したときの開回路電圧は3.1Vであった。10回の充放電サイクルを経た後でも、負極集電体の閉塞による送液量の変化は特に認められなかった。また、10回の充放電サイクルにおける充放電効率は75〜77%の範囲であった。
<比較例1>
負極集電体として、厚さ4mmのニッケル板(ニラコ社製)を30×30mmのサイズに切断し、直径0.5mmのニッケル線(ニラコ社製)をスポット溶接機を用いて負極集電体に溶接しリード線とした。また、負極筐体用のカーボン板の凹部に負極集電体を組み合わせる際に、負極筐体と負極集電体間に直径1.0mm、長さ2mmのPTFEチューブを緩衝材として用い、負極集電体と負極筐体の高さを一致させ、負極筐体用のカーボン板上にセパレータを重ねた。上記以外は、実施例1と同様に80Wh/Lのエネルギー密度を有するレドックスフロー電池の作製と評価を行った。
得られたレドックスフロー電池に充放電装置を用いて、0.1Aの定電流で12時間充電した。この後、0.1Aの定電流で10時間放電したときの開回路電圧は3.1Vであった。10回の充放電サイクルを経た後でも、負極集電体の閉塞による送液量の変化は特に認められなかった。また、10回の充放電効率は35〜41%の範囲であった。
<実施例7>
図6に示す構成のレドックスフロー電池を以下のように作製した。
負極集電体として、厚さ4mmのニッケル発泡金属(三菱マテリアル社製)を30×30mmのサイズに切断し、直径0.5mmのニッケル線(ニラコ社製)をスポット溶接機を用いて負極集電体に溶接しリード線としたこと以外は、比較例1と同様に80Wh/Lのエネルギー密度を有するレドックスフロー電池の作製と評価を行った。
得られたレドックスフロー電池に充放電装置を用いて、0.1Aの定電流で12時間充電した。この後、0.1Aの定電流で10時間放電したときの開回路電圧は3.0Vであった。10回の充放電サイクルを経た後でも、負極集電体の閉塞による送液量の変化は特に認められなかった。また、10回の充放電効率は56〜62%の範囲であった。
A レドックスフロー電池
B 緩衝材
1 負極セル
2、36、46 セパレータ
3、14 集電体
4、35、45 筺体
5 タンク
6、21 負極液
7 配管
8a 負極セルへの負極液の流入口
8b 負極セルからの負極液の流出口
9a タンクへの負極液の流入口
9b タンクからの負極液の流出口
10 正極セル
12 正極活物質
13、23、33、43 非水系溶媒
15 ポンプ
22a、22b、32a、32b、42a、42b 固体状負極活物質粒子
31、41 負極集電体
34、44 負極液の流れ方向
41a 第1負極集電体
41b 第2負極集電体

Claims (11)

  1. 負極セルと正極セル、及びこれらを分離するセパレータとからなる電極セルと、少なくとも前記負極セルは、スラリ状の電極液、多孔質状の集電体及び筐体とで構成され、
    前記スラリ状の負極液の貯留用のタンクと、
    前記タンクと前記負極セルとの間で、前記スラリ状の負極液を循環させる配管とを備え、
    前記スラリ状の負極液が、金属粒子からなる固体状負極活物質粒子と非水系溶媒とを含むレドックスフロー電池。
  2. 前記スラリ状の負極液が、リチウム粒子からなる固体状負極活物質粒子を含む請求項1に記載のレドックスフロー電池。
  3. 前記スラリ状の負極液が、イオン液体からなる非水系溶媒を含む請求項1又は2に記載のレドックスフロー電池。
  4. 前記正極セルが正極活物質、非水系電解液及び集電体を備える請求項1〜3のいずれか1つに記載のレドックスフロー電池。
  5. 前記スラリ状の負極液が、100〜0.01μmの粒径の固体状負極活物質粒子を含む請求項1〜4のいずれか1つに記載のレドックスフロー電池。
  6. 前記正極セルが、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、硫黄、及び4価又は5価のバナジウム酸化物から選択される固体状正極活物質粒子と、環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、及びイオン液体から選択される非水溶媒とを含むスラリ状の正極液を備える請求項1〜5のいずれか1つに記載のレドックスフロー電池。
  7. 負極セルと正極セル、及びこれらを分離するセパレータとからなる電極セルと、前記負極セル及び前記正極セルの少なくとも一方は、スラリ状の電極液、多孔質状の集電体及び筐体とで構成され、
    前記スラリ状の電極液の貯留用のタンクと、
    前記タンクと前記電極セルとの間で、前記スラリ状の電極液を循環させる配管と、
    前記スラリ状の電極液の流速を制御する制御回路とを備え、
    前記スラリ状の電極液が、非水系溶媒に固体状電極活物質粒子が分散した分散液であり、
    前記制御回路が、少なくとも第1流速を発生させる第1出力レベルと、第1流速より大きい第2流速を発生させる第2出力レベルとの間を、間欠的かつ周期的に変化させるように制御する回路であるレドックスフロー電池。
  8. 前記第1流速が、1ml/min〜100L/minである請求項7に記載のレドックスフロー電池。
  9. 前記第2流速が、前記第1流速の5〜20倍である請求項7又は8に記載のレドックスフロー電池。
  10. 前記電極セルと前記タンクとの間に前記スラリ状の電極液を循環させるためのポンプを更に備え、
    前記第1出力レベルは、第2出力レベルが前記ポンプに印加されるより、3〜5倍の時間前記ポンプに印加される請求項7〜9のいずれか1つに記載のレドックスフロー電池。
  11. 前記第2出力レベルが、1〜60回/時間ポンプに印加される請求項7〜10のいずれか1つに記載のレドックスフロー電池。
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