JP2010170782A - レドックスフロー電池およびその充放電方法 - Google Patents

レドックスフロー電池およびその充放電方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010170782A
JP2010170782A JP2009010861A JP2009010861A JP2010170782A JP 2010170782 A JP2010170782 A JP 2010170782A JP 2009010861 A JP2009010861 A JP 2009010861A JP 2009010861 A JP2009010861 A JP 2009010861A JP 2010170782 A JP2010170782 A JP 2010170782A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
moisture
electrolyte
tank
negative electrode
moisture concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP2009010861A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomohisa Yoshie
智寿 吉江
Shinobu Takenaka
忍 竹中
Shunsuke Sata
俊輔 佐多
Masaki Kaga
正樹 加賀
Naoto Nishimura
直人 西村
Yoshihiro Tsukuda
至弘 佃
Hisayuki Uchiumi
久幸 内海
Yuki Watanabe
佑樹 渡辺
Akito Yoshida
章人 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2009010861A priority Critical patent/JP2010170782A/ja
Publication of JP2010170782A publication Critical patent/JP2010170782A/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】安定動作可能なレドックスフロー電池を提供すること。
【解決手段】電池槽と、電池槽の内部に設けられて内部空間を正極室と負極室に区画するイオン交換膜と、電池槽内の正極室内および負極室内にそれぞれ設けられた正極板および負極板と、正極用活物質とイオン液体と水分を含む第1電解液を収容する第1タンクと、負極用活物質とイオン液体と水分を含む第2電解液を収容する第2タンクと、第1タンクと正極室の間で第1電解液を循環させる第1循環経路部と、第2タンクと負極室の間で第2電解液を循環させる第2循環経路部と、第1および第2電解液中の水分濃度を制御するための水分濃度調整手段と、第1および第2電解液の温度を制御するための電解液温度調整手段とを備えたレドックスフロー電池。
【選択図】図1

Description

本発明は、イオン液体を用いたレドックスフロー電池およびその充放電方法に関する。
近年、化石燃料資源の枯渇および地球温暖化ガス排出抑制などの観点から、再生可能エネルギーの利用が望まれており、太陽電池、太陽熱変換器などを用いた太陽光発電が急速に普及している。将来的に増加し続ける電気エネルギー需要を満たすためには、大型の太陽光発電設備による大規模な電力供給手法の早期な開発が望まれている。
太陽電池を用いる場合、晴天時であれば高効率で十分な電力を発電することが可能であるが、天候不良時には発電出力が大幅に低下するため天候による出力変動が大きいこと、電力の供給ピークと需要ピークのシフトに対応し難いこと、太陽電池自体には蓄電機能が備わっていないため夜間に発電することができないことなど、課題も多い。
これらの課題を解決するためには、大規模蓄電池(二次電池)システムを設置し、電気を蓄え、電力ピークシフトの対応を行うことが最適であると考えられる。二次電池の種類として、鉛電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、レドックスフロー電池、ナトリウム硫黄電池などが挙げられるが、中でもレドックスフロー電池は、時間変動への適応性が良好であることや、反応がイオンの価数変化でのみ起こるためサイクル寿命が長いことなどの特徴を有することから、大規模蓄電システムにおいて使用される有力な選択肢の一つである。
現在、レドックスフロー電池の一種であるバナジウムレドックスフロー電池が実用化段階にある(例えば、非特許文献1参照)。
さらに、高い起電力を得るために非プロトン性有機溶媒と、負極反応にU4+/U3+、正極反応にUO2+/UO2 2+を使用するウランレドックスフロー電池が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
レドックスフロー電池は、主に電解液を物理的に循環させることにより、電解液タンク内に設けられた電極の表面で活物質を反応させるシステムであることが知られている。
これに対し、温度や圧力等の反応条件を制御することによって充放電効率の最適化を行う方法(例えば、特許文献2参照)や、電極の形状を工夫することにより電解液の圧力損失を緩和する方法(例えば、特許文献3参照)など、効率的に電池動作を行うための条件や電池部材の構造に関する技術が提案されている。
また、レドックスフロー電池を含むエネルギー貯蔵デバイス用の活物質溶媒として、電位窓の広いイオン液体を用いることが提案されている(例えば、非特許文献2参照)。
特開2005−209525公報 特表2008−527647公報 特開2003−157885公報
電子技術総合研究所彙報 第63巻 第4,5号 シーエムシー出版 イオン液体II 第15章
レドックスフロー電池は、元来、他の電池と比較するとエネルギー密度が低いことに加え、充放電速度が遅いという問題を有している。レドックスフロー電池の動作温度を上げることにより反応電流は増加するため、急速な充放電を行うためには高温条件下での反応を行うことが求められる。高温条件下の反応における活物質溶媒としては、水よりも沸点の高い溶媒、中でも揮発性が低い観点からイオン液体が適している。
しかしながら、従来技術において、イオン液体を活物質溶媒として用いたレドックスフロー電池を動作させる際、温度や圧力などの諸条件を制御することにより高効率化させる方法は提案されているが、水の沸点近傍もしくはそれ以上の高温条件下で動作させる場合、温度や圧力制御など既存の環境条件を制御することによっても電池性能が低下して安定動作を行うことができないという問題があった。
本発明者らが鋭意検討を行った結果、イオン液体を活物質溶媒として用いたレドックスフロー電池を高温条件下で動作させる際、電解液中に含まれる水分濃度が電池性能に大きな影響を与えることを見出し、高温動作時においても安定的に電池を動作させることが可能となる本発明に至った。
かくして本発明によれば、電池槽と、電池槽の内部に設けられて内部空間を正極室と負極室に区画するイオン交換膜と、電池槽内の正極室内および負極室内にそれぞれ設けられた正極板および負極板と、正極用活物質とイオン液体と水分を含む第1電解液を収容する第1タンクと、負極用活物質とイオン液体と水分を含む第2電解液を収容する第2タンクと、第1タンクと正極室の間で第1電解液を循環させる第1循環経路部と、第2タンクと負極室の間で第2電解液を循環させる第2循環経路部と、第1および第2電解液中の水分濃度を制御するための水分濃度調整手段と、第1および第2電解液の温度を制御するための電解液温度調整手段とを備え、前記水分濃度調整手段が、第1および第2電解液の水分濃度を検知する水分濃度センサと、第1および第2電解液に対する水分の供給および除去を選択的に行う水分調整部と、水分濃度センサにより検知される水分濃度に基いて水分調整部を制御して第1および第2電解液中の水分濃度を所定範囲に保持する水分制御部とを有してなり、前記電解液温度調整手段が、第1および第2電解液の温度を検知する温度センサと、第1および第2電解液を加熱するヒータと、温度センサにより検知される温度に基いてヒータを制御して第1および第2電解液の温度を所定範囲に保持する温度制御部とを有してなるレドックスフロー電池が提供される。
また、本発明の別の観点によれば、前記レドックスフロー電池の充放電において、前記水分濃度調整手段によって第1および第2電解液中の水分濃度を0.01〜2.0重量%に保持し、かつ前記電解液温度調整手段によって第1および第2電解液の温度を80〜250℃に保持するレドックスフロー電池の充放電方法が提供される。
イオン液体を活物質溶媒として用いた本発明のレドックスフロー電池は、水分濃度調整手段と電解液温度調整手段が協働することにより、第1および第2電解液の水分濃度および温度を充放電時の最適値に制御することができるため、水溶媒を用いるレドックスフロー電池と比較して、高温反応時に安定動作を行うことが可能となり、充放電速度が飛躍的に向上する。
本発明に係るレドックスフロー電池の実施形態1を示す概略構成図である。 本発明の実施形態1における水分濃度調整手段の概念図である。 本発明の実施形態1における具体的な水分濃度調整手段を示す概略構成図である。 本発明に係るレドックスフロー電池の実施形態2を示す概略構成図である。 本発明の実施形態2における具体的な水分濃度調整手段を示す概略構成図である。 本発明に係る実施例1〜7と比較例1〜3における充放電時間に対する電解液中の水分濃度を表した図である。 本発明に係る実施例1〜7と比較例1〜3におけるサイクル数に対する充放電効率を表した図である。 本発明に係る実施例5におけるサイクル数に対する電解液温度を表した図である。 本発明に係る実施例6におけるサイクル数に対する電解液中の水分濃度を表した図である。
本発明は、正極用活物質とイオン液体と水分を含む第1電解液を収容する第1タンクと、負極用活物質とイオン液体と水分を含む第2電解液を収容する第2タンクとを備えたレドックスフロー電池において、充放電時の第1および第2電解液の水分濃度および温度を最適値に保持する手段を備えたものである。
ここで、本発明において、第1および第2電解液の水分濃度の最適値は0.01〜2.0重量%であり、第1および第2電解液の温度の最適値は80〜250℃である。
したがって、本発明は、充放電時の第1および第2電解液の水分濃度および温度を最適値に保持することができさえすれば、それを実現する手段は特に限定されるものではない。さらに、レドックスフロー電池におけるその他の構成も特に限定されるものではなく、正極板、負極板および正負極板が設置されたスペースを区画するイオン交換膜を有する電池槽と、第1・第2タンクと電池槽の間で第1・第2電解液を循環させる循環手段とを備えた従来公知の構成のレドックスフロー電池にも適用することができる。
本発明のレドックスフロー電池を具現化する構成例としては、次に図面を用いて説明する複数の実施形態を挙げることができるが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
(実施形態1)
図1は本発明に係るレドックスフロー電池の実施形態1を示す概略構成図である。
このレドックスフロー電池は、電池槽Bと、電池槽Bの内部に設けられて内部空間を正極室Pと負極室Nに区画するイオン交換膜3と、電池槽B内の正極室P内および負極室N内にそれぞれ設けられた正極板1および負極板2と、正極用活物質とイオン液体と水分を含む第1電解液10を収容する第1タンク4と、負極用活物質とイオン液体と水分を含む第2電解液11を収容する第2タンク7と、第1タンク4と正極室Pの間で第1電解液10を循環させる第1循環経路部6と、第2タンク7と負極室Nの間で第2電解液11を循環させる第2循環経路部9と、第1および第2電解液10、11中の水分濃度を制御するための水分濃度調整手段12と、第1および第2電解液10、11の温度を制御するための電解液温度調整手段23とを備え、水分濃度調整手段12と電解液温度調整手段23は協働して第1および第2電解液10、11の水分濃度および温度を充放電時の最適値に制御することができる。
以下、本明細書において、「レドックスフロー電池」を「電池」と略称し、「正極板」および「負極板」を統合して「電極板」と称し、「第1電解液」と「第2電解液」を統合して「電解液」と称する場合がある。
<電池槽>
電池槽Bは、第1および第2電解液に対する耐食性および防錆性を有する、例えば、SUS304等のステンレス、Ti、Ta、Nb、Zr、Mo、Wをはじめとする金属類およびその合金、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、フッ素樹脂等の有機材料、炭素材料、パイレックス(登録商標)ガラスをはじめとする高機能ガラス等の材料にて密閉容器形に形成されている。さらに、電池槽Bを構成する基材自体が耐食性や防錆性を有さない場合、第1および第2電解液と接触する箇所に耐食性および防錆性を有する前記材料(例えばポリエチレンフィルム)を蒸着するなどの方法により、耐食性、防錆性の機能が付与された容器を形成することが可能である。
この密閉容器形の電池槽Bの内部には、その内部空間を左右にほぼ均等に区画して正極室Pと負極室Nを形成するように、イオン交換膜3がその外周端を電池槽Bの内壁面に固定されている。さらに、正極室Pにおけるイオン交換膜3と対向する内壁面に正極板1が固定されると共に、負極室Nにおけるイオン交換膜3と対向する内壁面に負極板2が固定されている。
また、電池槽Bの底壁における正極室P側と負極室N側には、第1・第2循環経路部6、9と接続する流入口が設けられると共に、電池槽Bの側壁上部における正極室P側と負極室N側には、第1・第2循環経路部6、9と接続する排出口が設けられている。
<イオン交換膜>
イオン交換膜3としては、当該分野で公知の膜をいずれも使用でき、プロトン伝導性膜、カチオン交換膜、アニオン交換膜等を使用できる。
〔プロトン伝導性膜〕
プロトン伝導性膜の材質としては、プロトン伝導性を有しかつ電気的絶縁性を有する材質であれば特に限定されず、高分子膜、無機膜又はコンポジット膜を用いることができる。
高分子膜としては、例えば、パーフルオロスルホン酸系電解質膜である、デュポン社製のナフィオン(登録商標)、旭化成社製のアシプレックス(登録商標)、旭硝子社製のフレミオン(登録商標)等の膜や、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン等の炭化水素系電解質膜等が挙げられる。
無機膜としては、例えば、リン酸ガラス、硫酸水素セシウム、ポリタングストリン酸、ポリリン酸アンモニウム等からなる膜が挙げられる。
コンポジット膜としては、スルホン化ポリイミド系ポリマー、タングステン酸等の無機物とポリイミド等の有機物とのコンポジット等からなる膜が挙げられ、具体的にはゴア社製のゴアセレクト膜(登録商標)や細孔フィリング電解質膜等が挙げられる。
さらに、高温環境下(例えば、100℃以上)でレドックスフロー電池を使用する場合には、スルホン化ポリイミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、スルホン化ポリベンゾイミダゾール、ホスホン化ポリベンゾイミダゾール、硫酸水素セシウム、ポリリン酸アンモニウム等が挙げられる。
プロトン伝導性膜は、プロトン伝導率が10-5S/cm以上であることが好ましく、より好ましくは、パーフルオロスルホン酸ポリマーや炭化水素系ポリマー等のプロトン伝導率が10-3S/cm以上の高分子電解質膜を用いることがより好ましい。例えば、デュポン社製のナフィオン(登録商標)、旭化成社製のアシプレックス(登録商標)、旭硝子社製のフレミオン(登録商標)等の使用が好ましい。
さらに、撥水性を付与するためにPTFE、PVDFを添加してもよく、親水性を付与するためにシリカ粒子、吸湿性樹脂等を添加してもよい。
〔カチオン交換膜〕
カチオン交換膜としては、カチオンを移動させることができる固体高分子電解質であればよい。具体的は、パーフルオロカーボンスルフォン酸膜や、パーフルオロカーボンカルボン酸膜等のフッ素系イオン交換膜、リン酸を含浸させたポリベンズイミダゾール膜、ポリスチレンスルホン酸膜、スルホン酸化スチレン・ビニルベンゼン共重合体膜等が挙げられる。
〔アニオン交換膜〕
支持電解質溶液のアニオン輸率が高い場合には、アニオン交換膜の使用が好ましい。アニオン交換膜としては、アニオンの移動可能な固体高分子電解質を使用できる。具体的には、ポリオルトフェニレンジアミン膜、アンモニウム塩誘導体基を有するフッ素系イオン交換膜、アンモニウム塩誘導体基を有するビニルベンゼンポリマー膜、クロロメチルスチレン・ビニルベンゼン共重合体をアミノ化した膜等が挙げられる。
〔Ew値〕
イオン交換膜3は、400〜2000の範囲のEw値を有していることが好ましい。特に、ナフィオン(登録商標)からなるイオン交換膜の場合、Ew値は800〜1200の範囲が好ましい。Ew値が低いと電池の抵抗が高くなることがあり、Ew値が高いとレドックスフロー電池のような流体を使用する電池では膜強度が低いことがある。
なお、Ew値は、下記式で定義される値である。
Ew=官能基の当量あたりのイオン交換膜の乾燥重量
=(イオン交換膜の乾燥重量)/(イオン交換能を有する官能基数)
イオン交換膜の乾燥重量は、イオン交換膜を60℃で72時間、真空乾燥した後に秤量することで求めた。
イオン交換能を有する官能基数は、塩化ナトリウム滴定法にて求めた。具体的には塩化ナトリウムを加え、pH値を測定し、活性な官能基を定量するものである。
〔イオン交換膜の製法〕
イオン交換膜3は公知の方法で形成できる。例えば、電解重合法、プラズマ重合法、液相重合法、固相重合法等により、電極板を被覆する方法が挙げられる。これら方法は、膜製造用のモノマーの選択に応じて適宜選択できる。更に、イオン交換膜を構成する重合体溶液中に電極板を直接浸して表面に付着させることもできる。塗布量は、一般には少なくとも、1mg/cm2以上又は2mg/cm2以上が好ましい。
<正極板および負極板>
正極板1および負極板2には、外部へ電流を流すことで放電し、外部から電流を取り込むことで充電するための回路が接続されている。
電極板の材料としては、金属材料、炭素質材料、導電性を有する無機材料等が挙げられる。
金属材料としては、電子伝導性を有し、酸性雰囲気下で耐腐食性を有する材料が好ましい。具体的には、Au、Pt、Pd等の貴金属、Ti、Ta、W、Nb、Ni、Al、Cr、Ag、Cu、Zn、Su、Si等の金属並びにこれらの金属の窒化物および炭化物、ステンレス鋼、Cu−Cr、Ni−Cr、Ti−Pt等の合金が挙げられる。
金属材料には、Pt、Ti、Au、Ag、Cu、Ni、Wからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素を含むことが、他の化学的な副反応が少ないという観点から、より好ましい。これら金属材料は、比抵抗が小さく、面方向に電流を取り出しても電圧の低下を抑制することができる。
炭素質材料としては、化学的に安定で導電性を有する材料が好ましい。例えば、アセチレンブラック、バルカン、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、VGCF、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、フラーレン等の炭素粉末や炭素繊維が挙げられる。
導電性を有する無機材料としては、例えば、酸化スズ、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化アンチモンドープ酸化スズが挙げられる。
さらに、Cu、Ag、Zn等の酸性雰囲気下での耐腐食性に乏しい金属材料を用いる場合には、Au、Pt、Pd等の耐腐食性を有する貴金属および金属、カーボン、グラファイト、グラッシーカーボン、導電性高分子、導電性窒化物、導電性炭化物、導電性酸化物等によって耐腐食性に乏しい金属の表面をコーティングしてもよい。
なお、導電性高分子としては、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン等が挙げられ、導電性窒化物としては、窒化炭素、窒化ケイ素、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化ゲルマニウム、窒化チタニウム、窒化ジルコニウム、窒化タリウム等が挙げられ、導電性炭化物としては、炭化タンタル、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタニウム、炭化モリブデン、炭化ニオブ、炭化鉄、炭化ニッケル、炭化ハフニウム、炭化タングステン、炭化バナジウム、炭化クロム等が挙げられ、導電性酸化物としては、酸化スズ、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化アンチモンドープ酸化スズ等が挙げられる。
電極板の構造としては、板状、箔状、棒状、メッシュ状、ラス板状、多孔質板状、多孔質棒状、織布状、不織布状、繊維状、フェルト状が好適に使用できる。また、フェルト状電極の表面を溝状に圧着した溝付き電極は、電気抵抗と電極液の流動抵抗を低減できるので好適である。
<第1および第2タンク>
第1・第2タンク4、7は、電池槽Bと同様の材料および方法により形成された、第1および第2電解液10、11に対する耐食性および防錆性を有する密閉形タンクであり、レドックスフロー電池の用途、使用場所等に応じて、その形状が適宜決定される。また、第1・第2タンク4、7の容量は、電池の所望する容量に応じて、適宜決定できる。
さらに、第1・第2タンク4、5の上壁には、第1・第2循環経路部6、9と接続する流入口が設けられると共に、第1・第2タンク4、5の底壁には、第1・第2循環経路部6、9と接続する排出口が設けられている。
<第1および第2循環経路部>
第1循環経路部6は、第1下配管6aと、第1上配管6bと、第1下配管6aに設けられた第1循環ポンプ6cとを備える。
第1下配管6aの両端は第1タンク4の底壁の排出口と電池槽Bの底壁における正極室P側の底壁の流入口とに接続され、第1上配管6bの両端は電池槽Bの側壁上部における正極室P側の排出口と第1タンク4の上壁の流入口とに接続されている。
第2循環経路部9は、第2下配管9aと、第2上配管9bと、第2下配管9aに設けられた第2循環ポンプ9cとを備える。
第2下配管9aの両端は第2タンク7の底壁の排出口と電池槽Bの底壁における負極室N側の底壁の流入口とに接続され、第2上配管9bの両端は電池槽Bの側壁上部における負極室N側の排出口と第2タンク7の上壁の流入口とに接続されている。
前記各配管6a、6b、9a、9bにおいて、それらの形状はレドックスフロー電池の用途、使用場所等に応じて適宜決定でき、またそれらを構成する材質は第1・第2電解液10、11に対して耐食性および防錆性を有していれば特に限定されない。
第1・第2循環ポンプ6c、9cは、電池槽Bと第1・第2タンク4、7との間で電解液を循環できる機能を有する限りその構成および種類等は限定されず、例えば、アスピレータ型ポンプ、ペリスタリティック型ポンプ、ダイアフラム式ポンプ、ピエゾ型ポンプ等が挙げられる。
第1タンク4および電池槽Bの正極室Pには第1電解液10が収容されており、第1循環ポンプ6cを駆動させることにより、第1タンク4と正極室Pとの間で第1電解液10が循環する。
一方、第2タンク7および電池槽Bの負極室Nには第2電解液11が収容されており、第2循環ポンプ9cを駆動させることにより、第2タンク7と負極室Nとの間で第2電解液11が循環する。
なお、図1において、矢印は第1・第2電解液10、11が流れる方向を示している。
さらに、実施形態1の場合、第1タンク4内の第1電解液10の液面より上方に正極側気相部18aが設けられると共に、第2タンク7内の第2電解液11の液面より上方に負極側気相部18bが設けられており、後述する水分濃度調整手段12が、正極側気相部18a中および負極側気相部18b中の湿度を制御することにより、第1および第2電解液10、11中の水分濃度を制御するよう構成されている。
なお、実施形態1では、正極室P内の第1電解液10の液面より上方にも正極側気相部19aが設けられると共に、負極室N内の第2電解液11の液面より上方にも負極側気相部19bが設けられている場合を例示したが、正負極室P、Nの全体に第1・第2電解液10、11が満たされて正負極側気相部19a、19bが無くてもよい。
<第1電解液および第2電解液>
第1電解液(正極液)10は正極板1とイオン交換膜3との間に供給され、第2電解液(負極液)11は負極板2とイオン交換膜3との間に供給されて、所定のレドックス反応に供される。
例えば、活物質としてバナジウム塩をイオン液体へ溶解した電極液を用いたレドックスフロー電池では、正極側のイオン液体を用いた第1電解液10内では、充電時においてV4+→V5++e-の酸化反応を生じ、放電時においてV5++e-→V4+の還元反応を生じる。
一方、負極側のイオン液体を用いた第2電解液11内では、充電時においてV3++e-→V2+の還元反応を生じ、放電時においてV2+→V3++e-の酸化反応を生じる。
したがって、電池内の上述のようなレドックス反応に基づく充放電に伴い、約1.3Vの起電力が得られる。
〔イオン液体〕
活物質溶媒としてイオン液体は、レドックスフロー電池の電気化学反応を妨げない限り、どのようなものでも使用できる。また、正極用のイオン液体と負極用のイオン液体は、同種でも、異種でもよい。
イオン液体は、活物質の溶解性を高めるために、親水性を有していることが好ましい。親水性のイオン液体を用いることにより、活物質の溶媒に対する溶解度が飛躍的に向上し、エネルギー密度を向上させたレドックスフロー電池を提供することが可能となる。なお、親水性を有するイオン液体は、第1電解液中のイオン液体と第2電解液中のイオン液体の少なくとも一方であればよく、両方であることが好ましい。
ここで、親水性を有するとは、極性溶媒との相溶性を有することを意味する。親水性の有無は、例えば、JIS R3257に準拠した接触角の測定により評価することができる。詳しくは、ガラス上におけるイオン液体との接触角を測定することにより評価することができる。
前記接触角とは、固体材料上に小さな液滴をのせたとき、固体表面と液体表面のなす角度のことであり、固体と液体の濡れ性を表す。すなわち、接触角が小さくなるほど親水性が高いと考えられる。具体的には、以下の方法により測定する。
・1〜4μLの液滴をガラス上に滴下し、1分後にその投影図から接触角を読み取る。
・1試料につき7点測定し、最大値及び最小値を除く5点の平均値を接触角とする。
なお、イオン液体は80度以下の接触角を有していることが好ましい。
より好ましいイオン液体は、以下の範囲の電位窓、粘度及び/又はイオン伝導度を有するものである。
イオン液体の電位窓は、−2.5〜2.0Vvs.Ag/Ag+が好ましい。低電位側の電位が−2.5Vより高くなると、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属や、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属を活物質として使用し難くなる。高電位側の電位が2.0Vより低くなると、ウランや硫黄等の材料が活物質として使用し難くなる。より好ましい電位窓は、−2.0〜1.5Vvs.Ag/Ag+の範囲である。低電位側の電位が−2.0Vより高くなると、水素発生電位より高電位になり、水系の電解液に対するイオン液体のメリットが小さくなることがある。また、高電位側の電位が1.5Vより低くなると、水系の電解液に対するイオン液体のメリットが小さくなることがある。この範囲であれば、より高起電力の電池を構成できる。なお、電位窓は、サイクリックボルタンメトリーを行い、急激に酸化電流及び還元電流が検出された電位を測定した値を意味する。
イオン液体の粘度は、20℃において、1〜500mPa・sの範囲が好ましい。1mPa・sより低いと、イオン液体の安定性が低下することがある。500mPa・sより高いと、イオン液体を循環させるポンプの負荷が高くなりすぎることがある。より好ましい粘度は、10〜150mPa・sの範囲であり、この範囲であれば、正極板1および負極板2へのイオン液体の染み込みをより良好にできる。なお、粘度は、TA Instruments社製AR2000により測定した値を意味する。
イオン液体のイオン伝導度は、25℃において、0.05〜25mS/cmの範囲が好ましい。0.05mS/cmより低くなると、電池の電気抵抗が高くなりすぎて充放電のエネルギー効率が低くなることがある。25mS/cmより高くなると、漏れ電流が大きくなり、エネルギー貯蔵性が低下することがある。より好ましいイオン伝導度は、1〜15mS/cmの範囲であり、この範囲であれば、レドックスフロー電池の充放電反応をより良好にできる。なお、イオン伝導度は、ソーラトロン社製1280Z型電気化学測定システムを使用し、1000Hzの交流インピーダンスを測定した値を意味する。
イオン液体としては、例えば、イミダゾリウム系カチオンとホウフッ化物アニオン(BF4 -)、六フッ化リン酸アニオン(PF6 -)、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン(CF3SO3 -)(TF)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン(N(CF3SO22 -)(TFSI)又はヨウ化物イオン(I-)との溶融塩、脂肪族四級アンモニウム系カチオンとBF4 -、PF6 -、TF、TFSI又はI-との溶融塩等が挙げられる。
イミダゾリウム系カチオンとしては、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(EMI)イオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム(BMI)イオン、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム(HMI)イオン、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウム(MPI)イオン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウム(DMPI)イオン等が好適に使用できる。
脂肪族四級アンモニウム系カチオンとしては、テトラエチルアンモニウム(TEA)イオン、トリエチルメチルアンモニウム(TEMA)イオン、トリメチルプロピルアンモニウム(TMPA)イオン等が好適に使用できる。
その他のカチオン種として、メチルプロピルピペリジニウム(MPPi)イオン、ブチルメチルピペリジニウム(BMPi)イオン、メチルプロピルピロリジニウム(MPPy)イオン、ブチルメチルピロリジニウム(BMPy)イオン等が好適に使用できる。
上記イオン液体中でも酸化還元に対する電位窓が広いことから、TMPA−TFSI、MPPy−TFSI、EMI−TFSI、EMI−TFが好ましい。特に、室温での粘性が低く、金属イオンの溶解性が高く、電極への浸透性が高いことから、イオン液体としてはEMI−TFが好ましい。
〔活物質〕
活物質としては、バナジウム、ウラン、鉄、クロム等の遷移金属、亜鉛、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属、塩素、臭素、硫黄等が挙げられる。この内、環境への低負荷の観点から、バナジウム、鉄、ナトリウム、臭素、硫黄が好ましい。
上記活物質の添加量としては、電極液全体に対して、0.001〜10mol/リットルの範囲であることが好ましい。0.001mol/リットル未満の場合、電池が低エネルギー密度となることがある。10mol/リットルより多い場合、活物質が析出してエネルギー貯蔵媒体として機能しないことがある。より好ましい添加量は、0.1〜5mol/リットルの範囲である。
なお、上記活物質は、塩化物、硫化物、硫酸塩、硝酸塩、トリハロメタンスルホン酸塩、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド塩等の形態で、第1電解液及び第2電解液中に存在する。また、正極活物質と負極活物質の組み合わせとしては、硫化物と塩化物の組み合わせ、硫酸塩と硝酸塩の組み合わせ、トリハロメタンスルホン酸塩とビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド塩の組み合わせ等が挙げられる。
〔その他の成分〕
第1電解液10および第2電解液11中のその他の成分として、非水溶媒、支持電解質、水分等が挙げられる。
(1)非水溶媒
電極液には、活物質となる金属イオンのイオン液体への溶解性を向上させ、より電極への電極液の浸透性を向上させることを目的として、非水溶媒を添加できる。
非水溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート類と、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート類、γ−ブチロラクトン(以下、GBLと略称することがある)、γ−バレロラクトン等のラクトン類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のフラン類、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジオキサン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、ギ酸メチル、酢酸メチル等が挙げられる。
これらの中でもイオン液体との相溶性が高く、金属イオンへの配位能が高い1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のグライム類が好ましい。特にトリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルは蒸気圧が非常に低く、イオン液体へ添加してもその安全性が高く、液の蒸発がないという利点を損なわないので好適である。
非水溶媒の添加量としては、イオン液体総重量に対して0.5〜50重量%が非水溶媒の蒸発を抑えることができるという観点から好ましく、1〜30重量%がより好ましい。
(2)支持電解質
電極液のイオン伝導度を向上し、高出力特性を有するイオン液体を用いるレドックスフロー電池を構成するために、支持電解質を電極液へ添加できる。
支持電解質としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ギ酸、フッ酸、過塩素酸、トリハロメタンスルホン酸等のプロトン酸、過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウム(LiBF4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、トリフルオロ酢酸リチウム(LiCF3COO)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF3SO22)等のリチウム塩が使用できる。更に、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、テトラメチルアンモニウムのカチオンから選ばれる少なくとも一種と、ホウフッ化物アニオン(BF4 -)、六フッ化リン酸アニオン(PF6 -)、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン(CF3SO3 -)(TF)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン(N(CF3SO22 -)(TFSI)、ヨウ化物イオン(I-)のアニオンから選ばれる少なくとも一種とからなる塩も使用できる。
支持電解質の添加量としては、電極液全体に対して、0.01〜2mol/リットルの範囲が好ましい。特に高出力特性を有するイオン液体を用いるレドックスフロー電池を構成するためには、0.1〜1mol/リットルの範囲がより好ましい。
(3)水分
電解液中の水分濃度は、電極間のイオン伝導が起こるために少なくとも0.01重量%以上であることが好ましい。水分濃度が0.01重量%未満の場合、効率的な充放電反応が行われない。電解液中のイオン液体に親水性のイオン液体を用いる場合、気相中の水分子がイオン液体分子に自発的に配位することから、電解液中の水分濃度上昇制御を容易に行うことが可能である。
また、電解液中の水分濃度を2.0重量%以下の範囲に制御することが好ましい。これは、特に水の蒸発効果が顕著に現れる80℃以上の高温動作時に、電解液中の水分濃度が2.0重量%を超えると、温度変化によるイオン液体分子と水分子の配位状態が不安定化し、電解液中の水分の気化が電極反応に悪影響を与えることによるものと考えられる。
<水分濃度調整手段>
電解液中の水分濃度を調整する水分濃度調整手段12は、その機構や方式に特段の限定がなされることはなく、例えば図2に示すように、第1および第2電解液の水分濃度を検知する水分濃度センサと、第1および第2電解液に対する水分の供給および除去を選択的に行う水分調整部と、水分濃度センサにより検知される水分濃度に基いて水分調整部を制御して第1および第2電解液中の水分濃度を所定範囲に保持する水分制御部とを備え、さらに、水分調整部によって電池内へ供給するための湿度が一定に保たれた気体を管理および貯蔵する湿度管理槽と、電池気相部と水分調整部を接続する接続管および調整弁を有する接続部とを具備してもよい。
なお、効率的な水分調整が可能な場合、湿度管理槽を設けず、水分調整部を電池気相部へ直接接続することも可能である。
〔水分調整部〕
水分調整部に用いられる電池気相部への水分の導入および排出を行うための方式については、特に限定されない。例えば、水分調整部から水分を系外へ排出するために気相中の水分を除去する方法については、水分調整部内に乾燥剤を設置することにより気相中の水分を吸着し水分を吸着した乾燥剤を系外へ排出する方法や、水分調整部内を加熱して気相中の水分を蒸発させた後系外へ排出する方法、水分調整部内の圧力を上げ水分を一旦凝集した後系外へ排出する方法、水分調整部内の圧力を下げ気相中の水分濃度を下げた後系外へ水分調整部を開放することにより水分を排出する方法、水分調整部を低温化し気相中の水分を結露もしくは凍結させた後系外へ排出する方法などが挙げられる。
また、水分調整部へ水分を導入し気相中の水分を加湿する方法については、水分調整部内に貯水槽を設け、水分導入が必要な際に、直接接続管より滴下する方法、適宜水分を気化させ接続管を通じて水蒸気として導入する方法など、公知な手法により実現することができる。
〔水分濃度センサ〕
水分濃度センサの種類には、電池内の電解液中の水分濃度を検知する方法、電池内の気相中の湿度を検知する方法が考えられるが、電解液中の水分濃度を制御するためには直接電解液中の水分濃度を検知することが好ましい。
電解液中の水分濃度を検知する方法としては、公知の手法を用いることにより実現することができる。具体的には、電解液サンプルに赤外光を照射し水の赤外吸収スペクトル強度から水分濃度を検出する方法、水以外の電解液成分と水との静電容量差を電気化学的に検知し水分濃度を検出する方法、電解液をサンプリングし、ヨウ化物イオン、二酸化硫黄、アルコールを主成分とする電解液がメタノール存在下において水と特異的に反応することを利用したカールフィッシャー法、赤外線等の熱源を用いサンプリングされた電解質を加熱乾燥させ乾燥前後の質量差を測定することによる水分濃度を測定する方法などが挙げられる。
これらは、電解液を一旦サンプリングし検出器で水分量を測定する方法と、電解質の水分濃度を直接測定する方法に分けることができるが、随時モニタリングできる観点から直接測定する方法を用いることが好ましい。
気相中の水分濃度を検出する方法としては、物理的に伸縮するナイロン等の材料が気相中の水分を吸収および放出することにより測定する伸縮式湿度計、感湿体として多孔質セラミックもしくは吸湿性高分子材料を用い、感湿体の水分吸収に伴う導電性や誘電率の変化を検知することにより測定する電気式湿度計、観測点を冷却し、結露が生じた温度により露点温度を測定する冷却式露点計、塩化リチウム水溶液を塗布した膜表面における水蒸気圧が周囲の気体の水蒸気圧と等しくなる温度を測定することによる塩化リチウム露点計等が挙げられる。
以上のような方法により、水分濃度センサを用いて得られた水分濃度に関する信号を適宜電気的に水分調整部へ伝送することが可能である。
〔接続部〕
水分濃度調整手段を電池気相部に接続する箇所としては、正極室、負極室、第1タンク、第2タンクのうち少なくともいずれか一箇所以上の気相部であることが好ましい。水分濃度調整手段を電池気相部の1箇所に接続してもよいが、正極側と負極側のそれぞれの水分濃度を制御できるような接続方法が好ましい。より具体的には、正極室もしくは第1タンクと負極室もしくは第2タンクに個別に水分濃度調整手段を接続する方が、より厳密に水分濃度を制御できる点において好ましい。
また、厳密な気相の湿度制御が可能であることから、接続管に調整弁を備え付けることが好ましい。さらに、調整弁が水分制御部から伝達される信号に基づくよう開閉調整できる電動弁であることが好ましい。
以下、具体的な水分濃度調整手段の構成について説明する。
<具体的な水分濃度調整手段の構成>
図3は実施形態1における具体的な水分濃度調整手段を示す概略構成図である。
水分濃度調整手段12は、上述のように、接続部を含む水分調整部と、水分濃度センサと、水分制御部とを備える。
水分調整部は、乾燥気体供給源25および湿潤気体供給源26と、乾燥気体供給源25と湿潤気体供給源26を正極側気相部18aに接続する第1接続管13aと、乾燥気体供給源25と湿潤気体供給源26を負極側気相部18bに接続する第2接続管13bと、第1接続管13aと第2接続管13bに設けられて乾燥気体供給源25と湿潤気体供給源26を個別に開閉可能とする複数の電動弁14a〜14c、15a〜15cとを備える。
水分濃度センサは、第1タンク4内の第1電解液10中に配置された第1水分濃度センサ16と、第2タンク7内の第2電解液11中に配置された第2水分濃度センサ17とを備える。
水分制御部24は、第1および第2水分濃度センサ16、17からの信号に基いて乾燥気体供給源25からの乾燥期待と湿潤気体供給源26からの湿潤気体を選択的に正極側気相部18aと負極側気相部18bへ供給するように複数の電動弁14a〜14c、15a〜15cを開閉制御する。
乾燥気体供給源25は、例えば、シリカゲルなどの乾燥剤を収容した乾燥タンクと、外気を乾燥タンク内に導入するファンとを備えた簡易的な構成とすることができる。さらに、湿気た乾燥剤から水分を除去できるよう、乾燥タンクの外部または内部にヒータを設けてもよい。なお、外気に代えて、ガスボンベから例えば窒素ガスを乾燥タンク内に導入するようにしてもよく、この場合、ファンを省略することができる。
湿潤気体供給源26は、例えば、水分を含んだ保湿剤を収容した湿潤タンクと、外気を湿潤タンク内に導入するファンとを備えた簡易的な構成とすることができる。さらに、乾燥した保湿剤に水分を与えられるよう、湿潤タンクの内部に導水管を設けてもよく、この場合、保湿剤を省略してもよい。なお、外気に代えて、ガスボンベから例えば窒素ガスを湿潤タンク内に導入するようにしてもよく、この場合、ファンを省略することができる。
なお、図示していないが、例えば、第1および第2タンク4、7のそれぞれの上部には逆止弁つき排気口が設けられており、正極側気相部18aおよび負極側気相部18bは、それぞれの内部の気体が前記排気口から系外へ排出されてから乾燥気体または湿潤気体が必要量導入されるように構成されている。
第1接続管13aは、一端が第1タンク4の正極側気相部18aに接続され、他端が分岐して乾燥気体供給源25と湿潤気体供給源26に接続されており、一端側と分岐した他端側にそれぞれ電動弁14a〜14cが設けられている。
第2接続管13bは、一端が第2タンク7の負極側気相部18bに接続され、他端が分岐して乾燥気体供給源25と湿潤気体供給源26に接続されており、一端側と分岐した他端側にそれぞれ電動弁15a〜15cが設けられている。
第1および第2水分濃度センサ16、17は、水以外の電解液成分と水との静電容量差を電気化学的に検知し水分濃度を検出する方法を利用したセンサであり、第1および第2電解液10、11中にそれぞれ浸漬され、第1および第2電解液10、11中の水分濃度を電気信号に変換して水分制御部24に伝達するよう構成されている。
なお、図3において、水分制御部24は、第1水分濃度センサ16に接続されるものと、第2水分濃度センサ17に接続されるものの2つが図示されているが、1つの制御部で第1水分濃度センサ16からの信号と第2水分濃度センサ17からの信号を個別に判別可能なものであってもよい。
水分制御部24は、第1・第2水分濃度センサ16、17からの信号(測定水分濃度値)に基いて乾燥気体供給源25からの乾燥気体と湿潤気体供給源26からの湿潤気体を選択的に正極室側気相部18aと負極側気相部18bへ供給するよう複数の電動便を開閉制御する。さらに詳しくは、水分制御部24は、基準水分濃度として0.01〜2.0重量%に相当する基準値が予め設定入力されており、第1・第2水分濃度センサ16、17からの測定水分濃度値と基準値とを比較し、開閉すべき電動弁を開閉制御する。
例えば、第1電解液10中の水分濃度が設定された水分濃度(0.01〜2.0重量%)よりも高い場合、水分制御部24の開閉制御により、乾燥気体供給源25に接続された電動弁14cおよび電動弁14aを開放し、かつ湿潤気体供給源26に接続された電動弁14bを閉じ、乾燥気体供給源25と正極側気相部18aとを連通させることにより、低湿度の気体を正極側気相部18aへ放出する。
反対に、第1電解液10中の水分濃度が設定された水分濃度(0.01〜2.0重量%)よりも低い場合、水分制御部24の開閉制御により、乾燥気体供給源25に接続された電動弁14cを閉じ、湿潤気体供給源26に接続された電動弁14bおよび電動弁14aを開放し、湿潤気体供給源26と正極側気相部18aとを連通させることにより、高湿度の気体を正極側気相部18aへ放出する。
設定された水分濃度(0.01〜2.0重量%)と第1電解液10中の水分濃度が同等の場合、全ての電動弁14a〜14cは閉じられる。
一方、第2電解液11中の水分濃度も、第1電解液10中の水分濃度の制御方法と同様に制御される。
このように、水分濃度調整手段12は、第1タンク4内の第1電解液10の水分濃度と、第2タンク7内の第2電解液11の水分濃度とを個別に調整可能に構成されている。
これにより、正極側と負極側で反応効率に差が生じる際に、効率的なフィードバックを行うことが可能となり、より厳密な出力コントロールが可能となる。また、水分濃度調整手段12は、液相中で水分濃度を検知し、気相中の湿度制御を行うため、電解液中の水分濃度の迅速なフィードバックと水分管理を行うことが可能となり、阻害因子を即座に除去するシステムとなる。その結果、レドックスフロー電池のサイクル寿命が飛躍的に延長する。また、水分濃度調整手段を設けることによって、電池槽B内に注入する電解液を前もって脱水処理する必要が無く、レドックスフロー電池の低コスト化が可能になる。
なお、図3に示した構造の水分濃度調整手段12に前記湿度管理槽を設ける場合、2つの湿度管理槽を水分濃度調整手段12から導かれた第1および第2接続管13a、13bにそれぞれ接続し、各湿度管理槽にて一旦湿度調整して貯められた気体を、第1および第2タンク4、7の気相部18a、18bへ導入することができる。
<電解液温度調整手段>
電解液温度調整手段23は、電池槽Bの正極室P内の第1電解液10または負極室N内の第2電解液11に浸漬されて第1・第2電解液10、11の温度を検知する温度センサ20と、電池槽Bを介して第1・第2電解液10、11を加熱するヒータ21と、温度センサ20により検知される温度に基いてヒータ21を制御して第1・第2電解液10、11の温度を所定範囲に保持する温度制御部22とを備える。
温度制御部22は、基準温度として80〜250℃に相当する基準値が予め設定入力されており、温度センサ20からの測定温度値と基準値とを比較し、ヒータ21のオンオフを行うことにより、第1・第2電解液10、11を80〜250℃に制御する。
図1では、負極室N内の第2電解液11中に温度センサ20が浸漬された場合を例示したが、電池槽B内の電解液の温度は正極室P側と負極室N側で均一であるため、正極室P内の第1電解液10中に温度センサ20が浸漬されてもよい。さらに、電解液温度の測定が可能であれば、第1タンク4または第2タンク7内、あるいは第1循環経路部6の配管内または第2循環経路部9の配管内等に温度センサ20を設置して、第1電解液10または第2電解液11の温度を測定するようにしてもよい。
この温度センサ20としては、白金測温抵抗体、サーミスタ、熱電対を利用したもの、トランジスタの温度特性を利用したIC化温度センサ、水晶温度計、熱膨張を利用した水銀・アルコール温度計等の接触型センサ、放射熱を感知する非接触型センサ等の各種タイプを用いることができる。
また、図1では、ヒータ21は、電池槽Bの下部に配置されているが、電池槽B全体を覆うように配置してもよい。さらに、電解液の加熱が可能であれば、第1タンク4または第2タンク7、あるいは第1循環経路部6の配管または第2循環経路部9の配管等を外部からヒータ21にて加熱することにより、第1電解液10または第2電解液11を加熱するようにしてもよい。ヒータ21は何ら限定されるものではなく、電池槽Bなどの被加熱部分全体を構造体で囲いその内部を加熱する方法、電熱線等を被加熱部分に接触させて局所的に加熱する方法などが挙げられる。
<レドックスフロー電池の充放電方法>
前記構成のレドックスフロー電池の運転時の充放電方法は、水分濃度調整手段12によって第1および第2電解液10、11中の水分濃度を0.01〜2.0重量%に保持し、かつ電解液温度調整手段23によって第1および第2電解液10、11の温度を80〜250℃に保持することを特徴とする。
運転時において、特に、高温動作時に充放電速度を向上させる効果が高く、電解液中に溶存している水分が蒸発して効果の現れる80℃以上、より好ましくは常圧条件下における水の沸点である100℃以上で充放電反応を行う。また、イオン液体が熱分解し、充放電反応を行う上での電解液としての機能を喪失しないよう、250℃以下で充放電反応を行うことが好ましい。
第1・第2循環ポンプ6c、9cによる電解液の送液速度は、電極板上で活物質が酸化還元反応を起こすために必要な速度であれば特に制限されず、二次電池としてのトータル効率を向上させるためには、消費電力低減を行うためにポンプ流速を充放電反応が起こる範囲で低下させることが好ましい。例えば、電解液を0.1ml/min以上の流速で吐出しうる機能を有するポンプを使用し送液を行うことが好ましい。また、充放電反応により検知される電流あるいは電圧値に基いて、最適な流速となるようポンプを制御する回路にフィードバックを行うことが好ましい。
(実施形態2)
図4は本発明に係るレドックスフロー電池の実施形態2を示す概略構成図であり、図5は本発明の実施形態2における具体的な水分濃度調整手段を示す概略構成図である。
実施形態2が実施形態1と異なる点は、水分濃度調整手段12を電池槽B側へ配置した点のみであり、実施形態2における水分濃度調整手段12の構成を含めたその他の構成は実施形態1と同様である。なお、図4と図5において、図1と図3中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
実施形態2の場合、水分濃度調整手段12において、第1および第2接続管13a、13bが電池槽Bの負極側気相部19bおよび正極側気相部19aに接続され、第1・第2水分濃度センサ16、17が負極室N内の第2電解液11および正極室P内の第1電解液10に浸漬されている。
実施形態2のレドックスフロー電池も、実施形態1と同様の充放電方法により充放電運転が行われることにより、高温反応時に安定動作を行うことが可能となり、充放電速度が飛躍的に向上すると共に、サイクル寿命が飛躍的に延長する。
(他の実施形態)
実施形態1において、正極室Pの正極側気相部19a内の水分濃度および負極室Nの負極側気相部19b内の水分濃度を制御する水分濃度調整手段を追加してもよい。また、実施形態2において、第1タンク4の正極側気相部18a内の水分濃度および第2タンク7の負極側気相部18b内の水分濃度を制御する水分濃度調整手段を追加してもよい。
本発明を以下に示す実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施形態1(図1〜図3)のレドックスフロー電池を次の条件で作製した。
・第1・第2タンク4、7の容量:1.2リットル
・水分濃度調整手段12:湿度管理槽有り
・電池槽Bの容量:0.6リットル
・正極・負極板1、2の材質およびサイズ:多孔質カーボン板(ビーエーエス社製)、幅5cm×長さ15cm×厚さ1mm
・イオン交換膜3の材質とサイズ:ナフィオン膜(デュポン社製)、厚さ170μm、Ew値1000
・第1電解液10:硫酸バナジル(和光純薬社製)10gをEMI−TF(東洋合成社製)1.0リットルへ溶解させたものに36M硫酸(和光純薬社製)を1.0重量%添加した電解液(初期水分濃度は5.0%)
・第2電解液11:塩化バナジウム(和光純薬社製)10gをEMI−TF1.0リットルへ溶解させたものに36M硫酸を1.0重量%添加した電解液(初期水分濃度は5.0%)
・第1・第2水分濃度センサ16、17:水分計(ミューテックインスツルメンツ社製)
・第1・第2循環ポンプ6c、9c:アトー社製
実施例1のレドックスフロー電池を、電解液流速を200ミリリットル/分に設定して電解液を循環させ、電解液温度を80℃に制御し、150mAの定電流で12時間充電し、150mAの定電流負荷をかけ完全に放電した。このときの開回路電圧は1.3Vであった。
この際、定電流充電の開始と同時に水分濃度調整手段12を稼動し、水分濃度の検知を電解液中で行い、気相の水分濃度を制御することにより、電解液中の水分濃度が2.0重量%となるように制御した。
この充放電サイクルを第1サイクルとし、第1サイクルにおける充電完了時の正負極間の電位差を100%とし、サイクル回数を増加させた。
図6に示すように、電解液中の水分濃度は第1サイクルの充電プロセス開始後から減少し、約6時間経過以降は2.0重量%に維持された。さらに図7に示すように、第1サイクルに対する第100サイクルの充放電効率は95%以上を保っており、サイクル寿命が長く効率的に充放電反応が起こることを確認できた。
(実施例2)
水分濃度制御装置12にて電解液中の水分濃度を0.01重量%に制御すること以外は、実施例1と同様にレドックスフロー電池を充放電し、充放電サイクル数を増加させた。
図6に示すように、電解液中の水分濃度は第1サイクルの充電プロセス開始後から減少し、約8時間経過以降は0.01重量%に維持された。さらに図7に示すように、第1サイクルに対する第100サイクルの充放電効率は98%以上を保っており、サイクル寿命が長く効率的に充放電反応が起こることを確認できた。
(実施例3)
実施形態2(図4〜図5)のレドックスフロー電池を用いたこと以外は、実施例1と同様の充放電条件で充放電し、充放電サイクル数を増加させた。
図6に示すように、実施例3も実施例1と同様に、第1サイクルの充電プロセス開始から約6時間経過以降は2.0重量%に維持された。さらに図7に示すように、第1サイクルに対する第100サイクルの充放電効率は95%以上を保っており、サイクル寿命が長く効率的に充放電反応が起こることを確認できた。
(実施例4)
正極側の第1電解液10の初期水分濃度が5.0重量%であるのに対し、負極側の第2電解液11として初期水分濃度10.0重量%のものを用いて、正極側と負極側で初期水分濃度に差をつけたこと以外は、実施例1と同様のレドックスフロー電池を用いて実施例1と同様に充放電し、充放電サイクル数を増加させた。
第1電解液10中の水分濃度は、実施例1と概ね同じ減少速度で減少し、充放電プロセス開始から約6時間経過後に2.0重量%に維持された(図6参照)。一方、図6に示されていないが、第2電解液11中の水分濃度は、充放電プロセス開始から約10時間経過後に2.0重量%に維持された。
さらに図7に示すように、第1サイクルに対する第100サイクルの充放電効率は97%以上を保っており、個別に制御することによりサイクル寿命が向上することを確認できた。
(実施例5)
実施例1と同様のレドックスフロー電池を用い、図8に示すように、充放電の第1サイクル時の電解質温度を80℃とし、第2サイクル以降は1サイクル増加する毎に電解質温度を10℃ずつ250℃になるまで増加させ、電解質温度が250℃に達したサイクル以降は1サイクル増加する毎に電解質温度を10℃ずつ80℃になるまで減少させ、このような電解液温度の増減を繰り返して充放電サイクル数を増加させた。実施例5において、その他の充放電条件は実施例1と同様である。
第1サイクルの充電プロセスにおいて、図6に示すように、電解液中の水分濃度は実施例1と同様の減少速度で減少して2.0重量%に制御された。さらに図7に示すように、第1サイクルに対する第100サイクルの充放電効率は95%を保っており、電解液温度が80℃から250℃の範囲内に温度を変化させても、サイクル寿命が長く効率的に充放電反応が起こることを確認できた。
(実施例6)
実施例1と同様のレドックスフロー電池を用い、図9に示すように、充放電の第1サイクルでは電解液中の水分濃度を0.01重量%に制御し、第2サイクルでは水分濃度が0.09重量%増加した0.1重量%に制御し、第3サイクル以降は1サイクル増加する毎に水分濃度を0.1重量%ずつ2.0重量%になるまで増加させ、水分濃度が2.0重量%に達したサイクル以降は1サイクル増加する毎に水分濃度を0.1重量%ずつ減少させ、0.1重量%に達したサイクルの次のサイクルは水分濃度が0.09重量%減少した0.01重量%に制御し、このような電解液中の水分濃度の増減を繰り返して充放電サイクル数を増加させた。実施例6において、その他の充放電条件は実施例1と同様である。
第1サイクルの充電プロセスにおいて、図6に示すように、電解液中の水分濃度は実施例2と同様の減少速度で減少して0.01重量%に制御された。さらに図7に示すように、第1サイクルに対する第100サイクルの充放電効率は95%を保っており、電解液中の水分濃度を0.01〜2.0重量%の範囲内で変化させても、サイクル寿命が長く効率的に充放電反応が起こることを確認できた。
(実施例7)
実施例5と同様に充放電サイクル毎に電解液温度を変化させ、かつ実施例6と同様に充放電サイクル毎に電解液中の水分濃度を変化させて、充放電サイクル数を増加させた。実施例7において、その他の充放電条件は実施例1と同様である。
第1サイクルの充電プロセスにおいて、図6に示すように、電解液中の水分濃度は実施例2と同様の減少速度で減少して0.01重量%に制御された。さらに図7に示すように、第1サイクルに対する第100サイクルの充放電効率は95%を保っており、電解液温度を80〜250℃の範囲内で変化させ、かつ電解液中の水分濃度を0.01〜2.0重量%の範囲内で変化させても、サイクル寿命が長く効率的に充放電反応が起こることを確認できた。
(比較例1)
実施例1と同様のレドックスフロー電池を用い、水分濃度制御装置12にて電解液中の水分を常に除去して水分濃度を0.01重量%未満に制御すること以外は、実施例1と同様に充放電し、充放電サイクルを増加させた。
図6に示すように、第1サイクルの充電プロセスにおいて、開始から約6時間経過以降は電解液中の水分濃度が0.01重量%未満まで低減しかつ維持された。
比較例1の場合、図7に示すように、第1サイクルの充放電反応は示されたものの、第2サイクル以降はイオン交換膜を伝達するイオン伝導物質が存在しないため充放電反応が起こらず、急激な充放電効率の低下が認められた。この原因は、電解液中の水分濃度が充放電時の最適値である0.01〜2.0重量%の範囲よりも低いためと考えられる。
(比較例2)
実施例1と同様のレドックスフロー電池を用い、水分濃度制御装置12にて電解液中の水分濃度を2.5重量%に制御すること以外は、実施例1と同様に充放電し、充放電サイクルを増加させた。
図6に示すように、第1サイクルの充電プロセスにおいて、開始から約4.5時間経過以降は電解液中の水分濃度が2.5重量%まで低減しかつ維持された。
比較例2の場合、第2サイクル以降は充電時電位は急激に低下し、図7に示すように、第1サイクルに対する第100サイクルの充放電効率は約30%であるため、サイクル寿命が短く、効率的な充放電反応には適さないことを確認できた。この原因は、電解液中の水分濃度が充放電時の最適値である0.01〜2.0重量%の範囲よりも高いためと考えられる。
(比較例3)
水分濃度調整手段12を稼動させないこと以外は、実施例1と同様のレドックスフロー電池を用いて実施例1と同様に充放電し、充放電サイクルを増加させた。
図4に示すように、電解液中の水分濃度は5.0重量%と一定に維持された。
比較例3の場合、図7に示すように、サイクル数の増加に伴って充放電効率は急激に低下するため、サイクル寿命が短く、効率的な充放電反応には適さないことを確認できた。この原因は、電解液中の水分濃度が充放電時の最適値である0.01〜2.0重量%の範囲よりも高いためと考えられる。
(比較例4)
電解液温度260℃に制御すること以外は、実施例1と同様のレドックスフロー電池を用いて実施例1と同様に充放電した。
比較例4の場合、第1サイクルにおいて、定電流充電を試みたが電圧の変化を確認できなかった。この原因は、電解液温度が充放電時の最適値である80〜250℃の範囲よりも高く、イオン液体分子が分解したためと考えられる。
(比較例5)
電解液温度70℃に制御すること以外は、実施例1と同様のレドックスフロー電池を用いて実施例1と同様に充放電した。
比較例5の場合、第1サイクルにおいて、150mAの定電流で充電する際の充電時間が、実施例1における12時間と比較し、約30時間と劇的に増加することがわかり、電池として十分な性能を発揮できないことを確認できた。この原因は、電解液温度が充放電時の最適値である80〜250℃の範囲よりも低いためと考えられる。
本発明のレドックスフロー電池は、特に、太陽光、風力、波力、潮力等の自然エネルギーを電力に変換する発電装置用の大規模蓄電システムとして好適である。
1 正極板
2 負極板
3 イオン交換膜
4 第1タンク
6c 第1循環ポンプ
6a 第1下配管
6b 第1上配管
7 第2タンク
9c 第2循環ポンプ
9a 第2下配管
9b 第2上配管
10 第1電解液(正極液)
11 第2電解液(負極液)
12 水分濃度調整手段
13a 第1接続管
13b 第2接続管
14a〜14c、15a〜15c 電動弁
16 第1水分濃度センサ
17 第2水分濃度センサ
18a 気相部(第1タンク側)
18b 気相部(第2タンク側)
19a 気相部(正極室側)
19b 気相部(負極室側)
20 温度センサ
21 ヒータ
22 温度制御部
23 電解液温度調整手段
24 水分制御部
25 乾燥気体供給源
26 湿潤気体供給源
N 負極室
P 正極室

Claims (9)

  1. 電池槽と、電池槽の内部に設けられて内部空間を正極室と負極室に区画するイオン交換膜と、電池槽内の正極室内および負極室内にそれぞれ設けられた正極板および負極板と、正極用活物質とイオン液体と水分を含む第1電解液を収容する第1タンクと、負極用活物質とイオン液体と水分を含む第2電解液を収容する第2タンクと、第1タンクと正極室の間で第1電解液を循環させる第1循環経路部と、第2タンクと負極室の間で第2電解液を循環させる第2循環経路部と、第1および第2電解液中の水分濃度を制御するための水分濃度調整手段と、第1および第2電解液の温度を制御するための電解液温度調整手段とを備え、
    前記水分濃度調整手段が、第1および第2電解液の水分濃度を検知する水分濃度センサと、第1および第2電解液に対する水分の供給および除去を選択的に行う水分調整部と、水分濃度センサにより検知される水分濃度に基いて水分調整部を制御して第1および第2電解液中の水分濃度を所定範囲に保持する水分制御部とを有してなり、
    前記電解液温度調整手段が、第1および第2電解液の温度を検知する温度センサと、第1および第2電解液を加熱するヒータと、温度センサにより検知される温度に基いてヒータを制御して第1および第2電解液の温度を所定範囲に保持する温度制御部とを有してなることを特徴とするレドックスフロー電池。
  2. 前記水分濃度調整手段が、正極室内または第1タンク内の第1電解液の水分濃度と、負極室内または第2タンク内の第2電解液の水分濃度とを個別に調整可能に構成された請求項1に記載のレドックスフロー電池。
  3. 前記正極室内および第1タンク内の少なくとも一方の第1電解液の液面より上方に正極側気相部が設けられると共に、前記負極室内および第2タンク内の少なくとも一方の第2電解液の液面より上方に負極側気相部が設けられ、
    前記水分濃度調整手段が、正極側気相部中および負極側気相部中の湿度を所定範囲に保持することにより、第1および第2電解液中の水分濃度を所定範囲に保持するよう構成された請求項2に記載のレドックスフロー電池。
  4. 前記水分調整部が、乾燥気体供給源および湿潤気体供給源と、乾燥気体供給源と湿潤気体供給源を正極側気相部に接続する第1接続管と、乾燥気体供給源と湿潤気体供給源を負極側気相部に接続する第2接続管と、第1接続管と第2接続管に設けられて乾燥気体供給源と湿潤気体供給源を個別に開閉する複数の電動弁とを備え、
    前記水分濃度センサが、前記正極室内および第1タンク内の少なくとも一方の第1電解液中に配置された第1水分濃度センサと、前記負極室内および第2タンク内の少なくとも一方の第2電解液中に配置された第2水分濃度センサとを備え、
    前記水分制御部が、第1および第2水分濃度センサからの信号に基いて乾燥気体供給源からの乾燥気体と湿潤気体供給源からの湿潤気体を選択的に正極側気相部と負極側気相部へ供給するよう複数の前記電動弁を開閉制御する請求項3に記載のレドックスフロー電池。
  5. 前記水分制御部が第1および第2電解液中の水分濃度を0.01〜2.0重量%の範囲に制御するよう設定され、前記温度制御部が第1および第2電解液の温度を80〜250℃に制御するよう設定された請求項1〜4のいずれか1つに記載のレドックスフロー電池。
  6. 前記電解液温度調整手段において、前記温度センサが前記電池槽の正極室内の第1電解液中または負極室内の第2電解液中に配置され、前記ヒータが電池槽の近傍に配置された請求項1〜5のいずれか1つに記載のレドックスフロー電池。
  7. 前記第1電解液中のイオン液体と第2電解液中のイオン液体の少なくとも一方が、親水性イオン液体を含んでいる請求項1〜6のいずれか1つに記載のレドックスフロー電池。
  8. 第1電解液中のイオン液体と第2電解液中のイオン液体の少なくとも一方が、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−トリフルオロメタンスルホン酸を含んでいる請求項1〜7のいずれか1つに記載のレドックスフロー電池。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載のレドックスフロー電池の充放電において、前記水分濃度調整手段によって第1および第2電解液中の水分濃度を0.01〜2.0重量%に保持し、かつ前記電解液温度調整手段によって第1および第2電解液の温度を80〜250℃に保持するレドックスフロー電池の充放電方法。
JP2009010861A 2009-01-21 2009-01-21 レドックスフロー電池およびその充放電方法 Ceased JP2010170782A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009010861A JP2010170782A (ja) 2009-01-21 2009-01-21 レドックスフロー電池およびその充放電方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009010861A JP2010170782A (ja) 2009-01-21 2009-01-21 レドックスフロー電池およびその充放電方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010170782A true JP2010170782A (ja) 2010-08-05

Family

ID=42702735

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009010861A Ceased JP2010170782A (ja) 2009-01-21 2009-01-21 レドックスフロー電池およびその充放電方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010170782A (ja)

Cited By (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010244972A (ja) * 2009-04-09 2010-10-28 Sharp Corp レドックスフロー電池
WO2013002137A1 (ja) * 2011-06-27 2013-01-03 住友電気工業株式会社 レドックスフロー電池
JP2013008640A (ja) * 2011-06-27 2013-01-10 Sumitomo Electric Ind Ltd レドックスフロー電池
WO2013027758A1 (ja) * 2011-08-22 2013-02-28 東洋紡株式会社 バナジウム系レドックス電池用イオン交換膜、複合体、及びバナジウム系レドックス電池
WO2013137033A1 (ja) * 2012-03-12 2013-09-19 コニカミノルタ株式会社 2次電池型燃料電池システム
US8785023B2 (en) 2008-07-07 2014-07-22 Enervault Corparation Cascade redox flow battery systems
US8906529B2 (en) 2008-07-07 2014-12-09 Enervault Corporation Redox flow battery system for distributed energy storage
US8916281B2 (en) 2011-03-29 2014-12-23 Enervault Corporation Rebalancing electrolytes in redox flow battery systems
US8927130B2 (en) 2011-06-28 2015-01-06 Samsung Electronics Co., Ltd. Electrolyte for redox flow battery and redox flow battery including the same
US8980484B2 (en) 2011-03-29 2015-03-17 Enervault Corporation Monitoring electrolyte concentrations in redox flow battery systems
WO2015049812A1 (ja) * 2013-10-02 2015-04-09 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム、メディエータの再生方法
JP2015525946A (ja) * 2012-06-27 2015-09-07 アカル エネルギー リミテッド 高温及び高圧で使用するための燃料電池
JP2015207483A (ja) * 2014-04-22 2015-11-19 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法
WO2015182364A1 (ja) * 2014-05-29 2015-12-03 住友電気工業株式会社 電解液循環型電池
CN105453321A (zh) * 2013-05-16 2016-03-30 联合工艺公司 具有拥有最大水域团簇尺寸的水合离子交换膜的液流电池
EP3174149A4 (en) * 2014-07-25 2017-07-12 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Electrolytic solution circulation type battery
WO2019111324A1 (ja) * 2017-12-05 2019-06-13 日立化成株式会社 二次電池、二次電池システム及び発電システム
JP2019520677A (ja) * 2016-06-10 2019-07-18 ユニベルシテ ド レ−ンヌ 1 電気化学におけるアジュバントとしてのイオン液体の使用
JP2019192466A (ja) * 2018-04-24 2019-10-31 スタンダード エナジー カンパニー リミテッドStandard Energy Co., Ltd. レドックスフロー電池
JP2020502775A (ja) * 2016-12-19 2020-01-23 ヴィオンエックス エナジー コーポレイション フロー電池における電解質の貯蔵および故障の検出のためのシステムおよび方法
US10665882B2 (en) 2017-03-02 2020-05-26 Standard Energy Co., Ltd. Redox flow battery
JP2021504908A (ja) * 2017-11-29 2021-02-15 スタンダード エナジー カンパニー リミテッドStandard Energy Co., Ltd. レドックスフロー電池
CN112514150A (zh) * 2018-07-27 2021-03-16 W.L.戈尔及同仁股份有限公司 具有连续离聚物相的整体复合膜

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60163377A (ja) * 1984-02-04 1985-08-26 Sumitomo Electric Ind Ltd レドツクスフロ−電池
JPS60235364A (ja) * 1984-05-08 1985-11-22 Nippon Koki Kk 発電装置
JP2002289233A (ja) * 2001-03-23 2002-10-04 Hitachi Zosen Corp レドックスフロー電池タンク
JP2003535450A (ja) * 2000-06-01 2003-11-25 アイダテック, エル.エル.シー. 非水性電解質を含有した燃料電池および燃料電池システム
JP2005322447A (ja) * 2004-05-06 2005-11-17 Kansai Electric Power Co Inc:The レドックスフロー電池システムの運転方法
WO2006129635A1 (ja) * 2005-05-31 2006-12-07 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 二次電池とこれを用いた電源システム、電源システムの使用方法
JP2006351317A (ja) * 2005-06-15 2006-12-28 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池制御装置
JP2008153028A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池システム
JP2008300290A (ja) * 2007-06-01 2008-12-11 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池の制御システムおよび燃料電池の制御方法
JP2009016056A (ja) * 2007-06-29 2009-01-22 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池制御システムおよびその方法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60163377A (ja) * 1984-02-04 1985-08-26 Sumitomo Electric Ind Ltd レドツクスフロ−電池
JPS60235364A (ja) * 1984-05-08 1985-11-22 Nippon Koki Kk 発電装置
JP2003535450A (ja) * 2000-06-01 2003-11-25 アイダテック, エル.エル.シー. 非水性電解質を含有した燃料電池および燃料電池システム
JP2002289233A (ja) * 2001-03-23 2002-10-04 Hitachi Zosen Corp レドックスフロー電池タンク
JP2005322447A (ja) * 2004-05-06 2005-11-17 Kansai Electric Power Co Inc:The レドックスフロー電池システムの運転方法
WO2006129635A1 (ja) * 2005-05-31 2006-12-07 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 二次電池とこれを用いた電源システム、電源システムの使用方法
JP2006351317A (ja) * 2005-06-15 2006-12-28 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池制御装置
JP2008153028A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池システム
JP2008300290A (ja) * 2007-06-01 2008-12-11 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池の制御システムおよび燃料電池の制御方法
JP2009016056A (ja) * 2007-06-29 2009-01-22 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池制御システムおよびその方法

Cited By (37)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8785023B2 (en) 2008-07-07 2014-07-22 Enervault Corparation Cascade redox flow battery systems
US8906529B2 (en) 2008-07-07 2014-12-09 Enervault Corporation Redox flow battery system for distributed energy storage
JP2010244972A (ja) * 2009-04-09 2010-10-28 Sharp Corp レドックスフロー電池
US8980484B2 (en) 2011-03-29 2015-03-17 Enervault Corporation Monitoring electrolyte concentrations in redox flow battery systems
US8916281B2 (en) 2011-03-29 2014-12-23 Enervault Corporation Rebalancing electrolytes in redox flow battery systems
CN103620845A (zh) * 2011-06-27 2014-03-05 住友电气工业株式会社 氧化还原液流电池
JP2013008640A (ja) * 2011-06-27 2013-01-10 Sumitomo Electric Ind Ltd レドックスフロー電池
EP2725648A4 (en) * 2011-06-27 2015-03-11 Sumitomo Electric Industries OXYDO FLOW BATTERY-REDUCTION
US9531028B2 (en) 2011-06-27 2016-12-27 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Redox flow battery
WO2013002137A1 (ja) * 2011-06-27 2013-01-03 住友電気工業株式会社 レドックスフロー電池
US8927130B2 (en) 2011-06-28 2015-01-06 Samsung Electronics Co., Ltd. Electrolyte for redox flow battery and redox flow battery including the same
EP2750233A4 (en) * 2011-08-22 2015-08-19 Toyo Boseki ION EXCHANGE MEMBRANE FOR VANADIUM REDOX BATTERIES, COMPOSITE BODIES AND VANADIUM REDOX BATTERY
CN103765650A (zh) * 2011-08-22 2014-04-30 东洋纺株式会社 钒系氧化还原电池用离子交换膜、复合体以及钒系氧化还原电池
WO2013027758A1 (ja) * 2011-08-22 2013-02-28 東洋紡株式会社 バナジウム系レドックス電池用イオン交換膜、複合体、及びバナジウム系レドックス電池
JPWO2013137033A1 (ja) * 2012-03-12 2015-08-03 コニカミノルタ株式会社 2次電池型燃料電池システム
WO2013137033A1 (ja) * 2012-03-12 2013-09-19 コニカミノルタ株式会社 2次電池型燃料電池システム
JP2015525946A (ja) * 2012-06-27 2015-09-07 アカル エネルギー リミテッド 高温及び高圧で使用するための燃料電池
JP7040805B2 (ja) 2012-06-27 2022-03-23 ユニバーシティ オブ チェスター レドックス燃料電池およびその使用
JP2018152347A (ja) * 2012-06-27 2018-09-27 アカル エネルギー リミテッド 高温及び高圧で使用するための燃料電池
JP2020123572A (ja) * 2012-06-27 2020-08-13 ユニバーシティ オブ チェスター レドックス燃料電池およびその使用
CN105453321A (zh) * 2013-05-16 2016-03-30 联合工艺公司 具有拥有最大水域团簇尺寸的水合离子交换膜的液流电池
JP2016524280A (ja) * 2013-05-16 2016-08-12 ユナイテッド テクノロジーズ コーポレイションUnited Technologies Corporation 最大水ドメインクラスターサイズを有する水和イオン交換膜を備えるフローバッテリ
WO2015049812A1 (ja) * 2013-10-02 2015-04-09 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム、メディエータの再生方法
JP2015207483A (ja) * 2014-04-22 2015-11-19 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法
WO2015182364A1 (ja) * 2014-05-29 2015-12-03 住友電気工業株式会社 電解液循環型電池
US10044059B2 (en) 2014-05-29 2018-08-07 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Electrolyte-circulating battery
JP2015225820A (ja) * 2014-05-29 2015-12-14 住友電気工業株式会社 電解液循環型電池
US10396372B2 (en) 2014-07-25 2019-08-27 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Electrolytic solution circulation type battery
EP3174149A4 (en) * 2014-07-25 2017-07-12 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Electrolytic solution circulation type battery
JP2019520677A (ja) * 2016-06-10 2019-07-18 ユニベルシテ ド レ−ンヌ 1 電気化学におけるアジュバントとしてのイオン液体の使用
JP2020502775A (ja) * 2016-12-19 2020-01-23 ヴィオンエックス エナジー コーポレイション フロー電池における電解質の貯蔵および故障の検出のためのシステムおよび方法
US10665882B2 (en) 2017-03-02 2020-05-26 Standard Energy Co., Ltd. Redox flow battery
JP2021504908A (ja) * 2017-11-29 2021-02-15 スタンダード エナジー カンパニー リミテッドStandard Energy Co., Ltd. レドックスフロー電池
JP7149623B2 (ja) 2017-11-29 2022-10-07 スタンダード エナジー カンパニー リミテッド レドックスフロー電池
WO2019111324A1 (ja) * 2017-12-05 2019-06-13 日立化成株式会社 二次電池、二次電池システム及び発電システム
JP2019192466A (ja) * 2018-04-24 2019-10-31 スタンダード エナジー カンパニー リミテッドStandard Energy Co., Ltd. レドックスフロー電池
CN112514150A (zh) * 2018-07-27 2021-03-16 W.L.戈尔及同仁股份有限公司 具有连续离聚物相的整体复合膜

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010170782A (ja) レドックスフロー電池およびその充放電方法
JP5417441B2 (ja) レドックスフロー電池
JP2010244972A (ja) レドックスフロー電池
Mu et al. Li–CO2 and Na–CO2 batteries: toward greener and sustainable electrical energy storage
JP2010086935A (ja) レドックスフロー電池
Landa-Medrano et al. Sodium–oxygen battery: steps toward reality
Kim et al. Chemical and mechanical degradation of sulfonated poly (sulfone) membranes in vanadium redox flow batteries
Liu et al. Fabrication and performance of all-solid-state Li–air battery with SWCNTs/LAGP cathode
Pinedo et al. Insights into the chemical nature and formation mechanisms of discharge products in Na–O2 batteries by means of operando x-ray diffraction
JP5050847B2 (ja) 二次電池とこれを用いた電源システム、電源システムの使用方法
Huskinson et al. A high power density, high efficiency hydrogen–chlorine regenerative fuel cell with a low precious metal content catalyst
CN101087029B (zh) 固体高分子电解质膜、膜电极接合体及采用它的燃料电池
JP2014532284A (ja) バナジウムフローセル
WO2022024937A1 (ja) ガス分離装置およびガスシステム
Wang et al. Review and recent advances in mass transfer in positive electrodes of aprotic Li–O2 batteries
JP2014127358A (ja) レドックスフロー電池
JP2018195571A (ja) 電解液、二次電池、二次電池システム及び発電システム
EP3482441B1 (en) Non-aqueous redox flow batteries
Adeniran et al. Recent advances in aqueous redox flow battery research
Gu et al. Research progress and optimization of non-aqueous electrolyte for lithium air batteries
JP3774722B2 (ja) 燃料電池の燃料供給システム
Zaffou et al. Vanadium redox flow batteries for electrical energy storage: challenges and opportunities
WO2015160751A1 (en) Shared electrode hybrid battery-fuel cell system
KR101072486B1 (ko) 연료전지 흡기계 온·습도 제어장치 및 방법
JP2018206639A (ja) 電池、電池システム及び発電システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110223

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130228

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130305

A045 Written measure of dismissal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A045

Effective date: 20130730