JP2020123572A - レドックス燃料電池およびその使用 - Google Patents

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Abstract

【課題】高効率、低コストで有害/汚染物質を排出しないレドックス燃料電池を提供する。【解決手段】イオン選択性ポリマー電解質膜2によって隔てられたアノード(不図示)及びカソード3と;燃料を前記アノードへ供給する手段と;陰極液を貯留する貯留槽7と;貯留槽7とカソードを流体接続するカソード入口チャネル8と;カソード3とカソードガス反応室(触媒再酸化ゾーン)5を流体接続するカソード出口チャネル9と;カソードガス反応室5に設けられた酸化剤吸気口4と副生成物(水及び熱)排出口6を有する。前記陰極液は不揮発性陰極溶液であって、電池の作動中にカソード3で少なくとも部分的に還元され、カソードガス反応室5で酸化剤との反応により少なくとも部分的に再生されるポリオキソメタラートレドックス対を含み、高温及び/又は高圧でのポリオキソメタラートのスペシエーションから生じるバナジウム種をさらに含むレドックス燃料電池1。【選択図】図1

Description

本発明は、高温及び高圧で使用するための燃料電池に関し、特に、電子部品及び携帯型電子部品用のマイクロ燃料電池における、並びにまた自動車産業用のより大型の燃料電池における応用性がある、間接型燃料電池又はレドックス燃料電池に関する。本発明はまた、そのような燃料電池で使用するための特定の陰極溶液及び電池自体の使用にも関する。
燃料電池は、自動車及び携帯型電子機器技術などの携帯用途で非常に長年にわたって知られているが、燃料電池の本格的な実用が考えられるようになったのは最近になってからである。その最も単純な形態において、燃料電池は、燃料及び酸化剤を反応生成物に変換しその過程で電力及び熱を生成する電気化学的エネルギー変換デバイスである。そのような電池の一例では、水素を燃料として、使用し、空気又は酸素を酸化剤として使用し、反応の生成物は水である。2つの電極間で荷電粒子を運ぶ固体又は液体電解質によって隔てられた触媒性、拡散型の電極へ、ガスがそれぞれ供給される。間接型又はレドックス燃料電池では、酸化剤(及び/又は場合によっては燃料)は電極で直接反応しないが、代わりにレドックス対の還元型(燃料に関しては酸化型)と反応してレドックス対を酸化させ、この酸化種がカソードへ供給される。
電気化学的燃料電池に関して認知された問題は、規定される条件下での所与の電極反応の理論電位は計算することができるが決して完全には到達しないことであり、系の不完全性は必然的に、任意の所与の反応から得ることができる理論電位を下回ったある程度のレベルまで電位が損失することをもたらす。そのような不完全性を減少させようとする過去の試みには、陰極溶液中で酸化−還元反応を受ける陰極液添加剤の選択が含まれる。例えば、US−A−3294588はこの能力におけるキノン及び色素の使用を開示している。試みられてきた別のレドックス対は、US−A−3279949に開示されるようなバナジウム酸塩/バナジル対である。
数種類のプロトン交換膜燃料電池が存在する。例えば、US 4396687では、再生可能な陽極溶液及び陰極溶液を含む燃料電池が開示されている。陽極溶液は、陽極溶液を水素にさらすことによって酸化された状態から還元された状態へ還元される溶液である。US 4396687によれば、好ましい陽極溶液は触媒存在下のタングストケイ酸(HSiW1240)又はタングストリン酸(HPW1240)である。
US 4396687の好ましい陰極溶液は、陰極溶液を酸素に直接さらすことによって還元された状態から酸化された状態へ再び酸化される溶液である。US 4396687の陰極液は、VOSOの溶液を含むメディエーター成分を含む。メディエーターは、酸化状態がV(v)からV(IV)へ還元される電子シンク(electron sink)として機能する。陰極液は、メディエーターをその酸化された状態(VOSOへ再生させるための触媒も含む。US 4396687の陰極液中に存在する触媒は、ポリオキソメタラート(polyoxometallate)(POM)溶液、すなわちHPMo1240である。
US 4396687の他に、オキソメタラート触媒を使用しようとする多くの他の試みがなされてきた。例えば、US 5298343では、固体金属触媒、オキソメタラート、及び金属酸(モリブデン酸など)を含むカソード系が開示されている。
加えて、WO 96/31912は蓄電デバイス中に組み込まれたポリオキソメタラートの使用を記載している。一時的に電子を貯蔵する炭素電極材料と併せて、ポリオキソメタラートのレドックス性が採用される。
本発明で使用される燃料電池の基本構造はEP1866997に開示されている。本明細書で開示される燃料電池は、イオン選択性ポリマー電解質膜によって隔てられたアノード及びカソードであって、カソードがカソード材料及びプロトン導電性ポリマー材料を含む、アノード及びカソードと;燃料を電池のアノード領域に供給する手段と;酸化剤を電池のカソード領域に供給する手段と;アノードとカソードの間に電気回路を設ける手段と;カソードと流体連通して流れる溶液中の不揮発性レドックス対であって、電池の作動中にカソードで少なくとも部分的に還元され、カソードでのそのような還元後に酸化剤との反応により少なくとも部分的に再生される、レドックス対とを含む。この例は陰極液が50℃で維持されることを開示している。
EP1999811は、ポリオキソメタラートと組み合わせた、本発明で使用されるレドックス燃料電池を開示している。この出願は、イオン選択性ポリマー電解質膜によって隔てられたアノード及びカソードと;燃料を電池のアノード領域へ供給する手段と;酸化剤を電池のカソード領域に供給する手段と;アノードとカソードの間に電気回路を設ける手段と;カソードと流体連通して流れる不揮発性陰極溶液であって、電池の作動中にカソードで少なくとも部分的に還元されカソードでのそのような還元後に酸化剤との反応により少なくとも部分的に再生されるポリオキソメタラートレドックス対を含み、少なくとも約0.075Mの前記ポリオキソメタラートを含む、陰極溶液とを含む、燃料電池を開示している。
Zhizhina,E.G.;Simonova,M.V.;Odyakov,V.F.;Matveev,K.I. Applied Catalysis A:General 2007、319、91〜97は、上昇させた温度(100、120、130、140、150、160℃)にて化学合成用途における4atmのPO2で、ポリオキソメタラートの酸化還元電位の速度が増加することを開示している。この論文は続けて「温度を上昇させると、二酸素による任意のHPAの再生の速度及び深さが大幅に増大する」と述べている。しかし、同じ論文が、140℃を上回る温度、好ましくは160℃を上回る温度が有益であることも示す。本明細書で開示されるポリオキソメタラート水溶液は、様々なアニオン及びカチオンを含有する複雑な平衡系である。
Odyakov,V.F.;Zhizhina,E.G.;Maksimovskaya,R.I. Applied Catalysis A: General 2008、342、126〜130は、上記のポリオキソメタラート材料の再生が150〜170℃及び2〜4atmのPO2という「より厳しい条件」を必要とすることを開示している。Zhizhina,E.G.;Odyakov,V.F. Applied Catalysis A:General 2009、358、254〜258は、ポリオキソメタラート触媒の再酸化が効率的に進行するためには150〜160℃の温度が必要であることを記載している。さらに、使用されるポリオキソメタラート触媒の再生条件は、170℃の温度及び4atmのPO2である。
先行技術の燃料電池すべてに、1つ又は複数の以下の欠点がある。すなわち、それらは非効率的である;それらは高価である、及び/又は組み立てに費用がかかる;それらは高価な及び/又は環境に優しくない材料を使用する;それらは不十分な及び/又は十分に維持できない電流密度及び/又は電池電位を生じる;それらは構造が大きすぎる;それらは高すぎる温度で作動する;それらは望ましくない副生成物及び/又は汚染物質及び/又は有害物質を生成する;それらは自動車用及び携帯用電子機器などの携帯用途における実用的、商業的有用性を見いだしていない。
US4396687明細書 US5298343明細書 WO96/31912公報 EP1866997公報 EP1999811公報
Zhizhina,E.G.;Simonova,M.V.;Odyakov,V.F.;Matveev,K.I. Applied Catalysis A:General 2007、319、91〜97 Odyakov,V.F.;Zhizhina,E.G.;Maksimovskaya,R.I. Applied Catalysis A: General 2008、342、126〜130 Zhizhina,E.G.;Odyakov,V.F. Applied Catalysis A:General 2009、358、254〜258
本発明の目的は、前述の欠点のうち1つ又は複数を克服する又は改良することである。
したがって、本発明は、イオン選択性ポリマー電解質膜によって隔てられたアノード及びカソードと;燃料を電池のアノード領域へ供給する手段と;酸化剤を電池のカソード領域へ供給する手段と;アノードとカソードの間に電気回路を設ける手段と;カソードと流体連通して流れる少なくとも1種の不揮発性陰極液成分を含む陰極溶液であって、電池の作動中にカソードで少なくとも部分的に還元されカソードでのそのような還元後に再生ゾーンにおける酸化剤との反応により少なくとも部分的に再生されるポリオキソメタラートレドックス対を含み、高温及び/又は高圧でのポリオキソメタラートのスペシエーション(speciation)から生じる1種又は複数のバナジウム種をさらに含む、陰極溶液とを含む、レドックス燃料電池を提供する。
スペシエーションは、ある時点のバナジウム種がポリオキソメタラート構造の一部であったことを意味する。
発明者らは驚くことに、上昇した温度及び/又は圧力での燃料電池の作動が改善された性能をもたらすことを見いだした。陰極液の沸点に近づくと酸素の溶解性がゼロまで減少するために、温度が高くなると性能が低下すると考えられたので、作動に最適な温度は80℃であるというのが従来の考えであった。しかし、発明者らはこれが当てはまらないという証拠を見いだした。驚くことに、発明者らは、温度及び/又は圧力の上昇がポリオキソメタラート種のスペシエーションを引き起こし、これがポリオキソメタラートの再生速度を増加させることを見いだした。このことは定常状態の性能の改善をもたらすが、なぜなら同じ負荷のもとで陰極液の還元の度合いが少なくなるからである。このことは、酸化(再生により起こる)と還元(燃料電池電極で起こる)の間の動的平衡から生じる、ポリオキソメタラートの酸化還元電位も増加させる。
燃料電池の温度を上昇させることは、陰極液の粘度の低下、陰極液中のイオン導電性の増加、膜中のイオン導電性の増加、及びすべての種の拡散速度の増加などの、様々な利点があると考えられる。圧力の上昇は、溶解した酸素の最大濃度を増加させ、それにより酸化速度を増加させると考えられる。
好ましくは、ポリオキソメタラートのスペシエーションはその場で生じる。
高温は、好ましくは80℃を上回り、さらにより好ましくは100℃を上回る温度である。しかし、本発明の燃料電池において使用される特定の膜は120℃を上回ると損傷を受けることがある。高圧は好ましくは周囲圧力を上回る圧力である。より好ましくは、高圧はおよそ2barGの圧力である。高圧はまた好ましくは2.5barGを下回る圧力である。barG圧力はゲージ圧を意味し、周囲圧力(大気圧)を上回る圧力と定義される。さらなる実施形態において、高温及び高圧の両方が使用される。これはさらなる有益性をもたらすが、なぜなら陰極液の温度はその沸点により制限されるので、圧力を増加させると増加させない場合に可能な温度上昇よりも大きい温度上昇が可能となるからである。したがって高温は好ましくは陰極溶液の沸点を下回る温度である。
高温は好ましくは再生ゾーン及び/又は電池のカソード/アノード領域における温度である。より好ましくは、高温は再生ゾーンにおける温度である。さらに、高圧は好ましくは再生ゾーン及び/又は電池のカソード/アノード領域における圧力である。より好ましくは、高圧は再生ゾーンにおける圧力である。
ポリオキソメタラートは式
[Z
[式中、
Xは、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、及びそれらの2種以上の組み合わせから選択され、
Zは、B、P、S、As、Si、Ge、Ni、Rh、Sn、Al、Cu、I、Br、F、Fe、Co、Cr、Zn、H、Te、Mn、及びSe、並びにそれらの2種以上の組み合わせから選択され、
Mは、バナジウムと、場合によりMo、W、Nb、Ta、Mn、Fe、Co、Cr、Ni、Zn、Rh、Ru、Tl、Al、Ga、In、並びに第1、第2、及び第3遷移金属系列及びランタニド系列から選択される他の金属、並びにそれらの2種以上の組み合わせのうちの1つ又は複数とを含み、
aは[Z]アニオンとの電荷バランスをとるのに必要なXの数であり、
bは0〜20であり、
cは1〜40であり、
dは1〜180である]
によって表すことができる。
bの好ましい範囲は0〜15、より好ましくは0〜10、さらにより好ましくは0〜5、よりいっそう好ましくは0〜3、最も好ましくは0〜2.25である。
cの好ましい範囲は5〜20、より好ましくは10〜18、最も好ましくは12である。
dの好ましい範囲は30〜70、より好ましくは34〜62、最も好ましくは40〜50である。
a、b、c、及びdの値は必ずしも整数ではない。
Mについて特に好ましいのはバナジウム及びモリブデンの組み合わせである。バナジウム及びタングステンの組み合わせも好ましい。
Zについて特に好ましいのはリンである。
Xについて特に好ましいのは、水素とアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の組み合わせである。そのような1つの好ましい組み合わせは水素及びナトリウムである。
驚くことに、H10Mo44及びΗ10.75Ρ2.25Μo45などの酸ポリオキソメタラート種を使用すると、上昇した温度及び圧力で性能の改善をもたらすことが分かった。これらのポリオキソメタラートは標準的な燃料電池において比較的性能が劣っていることが以前から知られていた。しかし、本発明の燃料電池において使用した場合に劇的な性能の改善が見られる。さらに、H10Mo44及びΗ10.75Ρ2.25Μo45などの酸ポリオキソメタラートが、本発明の燃料電池において他の既知のポリオキソメタラート種よりも良好な性能を示すことが分かった。
本発明で使用するための酸ポリオキソメタラート種は上記の式であってもよく、Xは水素から成る。
本発明の燃料電池で使用できる酸ポリオキソメタラートとしては、HPSVMo44、H15PSMo56、H16Mo52、HPSVMo45、及びHPSMo55が挙げられる。
好ましくは、酸ポリオキソメタラートは式
Mo
[式中、
aは[PMo]アニオンとの電荷バランスをとるのに必要なHの数であり、
zは1〜3であり、
xは1〜12であり、
yは7〜20であり、
bは40〜89である]
によって表すことができる。
本発明の燃料電池で使用するための上記の式による考えられる酸ポリオキソメタラートとしては、H10Mo44、Η10.75Ρ2.25Μo45、HPVMo42.5、H10Mo46.5、HPVMo40、H11.252.254.5Mo7.545、H9.251.75Mo43、H10.251.75Mo7.544.25、H9.751.754.5Mo44.25、H11.252.254.5Mo46.25、H11.752.25Mo7.546.25、H9.751.754.5Mo7.543、及びH13Mo40が挙げられる。
本発明の燃料電池で使用されるポリオキソメタラート種は好ましくは、あらゆる非水素カチオン対バナジウムのモル比が0〜1である。より好ましくはモル比0である。したがってポリオキソメタラートは好ましくは酸ポリオキソメタラートである。
ポリオキソメタラートの具体例としては、HPMo40、H12Mo1885、H10Mo44、及びΗ10.75Ρ2.25Μo45が挙げられる。加えて、これら又は他のポリオキソメタラート触媒の混合物も想定される。好ましくは、ポリオキソメタラートは2〜6個のバナジウム中心を有する。
陰極溶液中のポリオキソメタラートの濃度は好ましくは少なくとも約0.08M、より好ましくは少なくとも約0.1M、いっそう好ましくは少なくとも約0.125M、最も好ましくは少なくとも約0.15Mである。
本発明の好ましい一実施形態において、イオン選択性PEMは他のカチオンに対してプロトンを優先的に選択するカチオン選択性膜である。
カチオン選択性ポリマー電解質膜は任意の適切な材料から形成してもよいが、好ましくはカチオン交換能力を有するポリマー基材を含む。適切な例としては、フッ素樹脂系イオン交換樹脂及び非フッ素樹脂系イオン交換樹脂が挙げられる。フッ素樹脂系イオン交換樹脂としては、ペルフルオロカルボン酸樹脂、ペルフルオロスルホン酸樹脂などが挙げられる。ペルフルオロスルホン酸樹脂、例えば「Nafion(登録商標)」(Du Pont Inc.)、「Flemion(登録商標)」(Asahi Gas Ltd)、「Aciplex(登録商標)」(Asahi Kasei Inc)などが好ましい。非フッ素樹脂系イオン交換樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリアルキレンオキシド、スチレン−ジビニルベンゼンイオン交換樹脂など、及びそれらの金属塩が挙げられる。好ましい非フッ素樹脂系イオン交換樹脂としては、ポリアルキレンオキシド−アルカリ金属塩錯体が挙げられる。これらは、例えば塩素酸リチウム又は別のアルカリ金属塩の存在下でエチレンオキシドオリゴマーを重合させることにより得ることができる。他の例としては、フェノールスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリトリフルオロスチレンスルホン酸、スルホン化トリフルオロスチレン、α,β,βトリフルオロスチレンモノマーに基づくスルホン化コポリマー、及び照射グラフト化膜が挙げられる。非フッ素化膜としては、スルホン化ポリ(フェニルキノキサリン)、ポリ(2,6ジフェニル−4−フェニレンオキシド)、ポリ(アリールエーテルスルホン)、ポリ(2,6−ジフェニレノール)、酸をドープしたポリベンゾイミダゾール、スルホン化ポリイミド、スチレン/エチレンブタジエン/スチレントリブロックコポリマー、部分スルホン化ポリアリーレンエーテルスルホン、部分スルホン化ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、及びポリベンジルスルホン酸シロキサン(PBSS)が挙げられる。
本発明のプロトン交換膜燃料電池は以下のように動作すると考えられる:
a)プロトン交換膜に隣接しているアノードでHイオンが形成される;
b)酸化された状態のレドックス対を含む陰極液がプロトン交換膜と反対側で隣接しているカソードへ供給される;
c)陰極液はカソードと接触すると還元され、同時にHイオンが膜を通過して電荷バランスをとる;
d)陰極液がカソードから再酸化ゾーンへ通過することができ、陰極液が再酸化される;
e)次いで陰極液が再酸化ゾーンから陰極液貯留槽へ通過することができる。
好ましい実施形態において、陰極液は陰極液貯留槽から供給される。
電池は環状であってもよく、陰極液は交換を必要とせずに繰り返し酸化及び還元させることができる。
本発明の燃料電池は、LPG、LNG、ガソリン、又は低分子量アルコールなどの利用可能な燃料前駆体を水蒸気改質反応によって燃料ガス(例えば水素)へ変換するように構成された改質器を含んでいてもよい。そのため、電池は改質した燃料ガスをアノード室へ供給するように構成された燃料ガス供給デバイスを含んでいてもよい。
電池の特定の用途において、燃料(例えば水素)を加湿するように構成された燃料加湿器を設けることが望ましい場合がある。そのため、電池は加湿した燃料をアノード室へ供給するように構成された燃料供給デバイスを含んでいてもよい。
燃料電池が電力を提供するのを可能にするように構成された電気負荷デバイスも、本発明の燃料電池に関連して提供されてもよい。
好ましい燃料としては、水素;低分子量アルコール、アルデヒド、及びカルボン酸;糖及びバイオ燃料、並びにLPG、LNG、又はガソリンが挙げられる。
好ましい酸化剤としては、空気、酸素、及び過酸化物が挙げられる。
本発明のレドックス燃料電池におけるアノードは、例えば水素ガスアノード又は直接メタノール型アノード;他の低分子量アルコール、例えばエタノール、プロパノール、ジプロピレングリコールなど;エチレングリコール;これらから生成されるアルデヒド;及び酸種、例えばギ酸、エタン酸などであってもよい。加えて、アノードは、細菌種が燃料を消費し、電極で酸化されるメディエーターを生成するか又は細菌自体が電極で吸着され電子を直接アノードへ与える、バイオ燃料電池型システムから形成されてもよい。
本発明のレドックス燃料電池におけるカソードは、カソード材料として炭素、金、白金、ニッケル、又は金属酸化物種を含んでいてもよい。しかし、高価なカソード材料を避けるのが好ましく、したがって好ましいカソード材料としては、炭素、ニッケル、及び金属酸化物が挙げられる。カソードにおける1つの好ましい材料は網状ガラス質炭素、又は炭素フェルトなどの炭素繊維系電極である。別のものはニッケルフォームである。カソード材料は微粒子状カソード材料の微細分散物から構築することができ、微粒子分散物は適切な接着剤によって、又はプロトン導電性ポリマー材料によって互いに結び付けられている。カソードは、陰極溶液のカソード表面への最大の流れを作り出すように設計されている。したがって、これは成形流量調整弁(shaped flow regulator)又は3次元電極から成っていてもよい;液体の流れは、電極に隣接した液体流路があるフローバイ配置(flow−by arrangement)で管理されてもよく、又は3次元電極の場合には液体が強制的に電極を通って流れるようにさせられる。電極の表面も電極触媒とすることが考えられるが、電極の表面上に堆積させた粒子の形態で電極触媒を接着させることが有益であると思われる。
電池の作動中にカソード室の溶液中を流れるレドックス対は、以下に従って再生室における酸素の還元のための触媒として本発明で使用される(Spはレドックス対種である)。
+4Spred+4H−>2HO+4Spox
本発明の燃料電池で利用される、ポリオキソメタラートレドックス対、並びに任意の他の補助的なレドックス対は、不揮発性であるべきであり、好ましくは水性溶媒に可溶性である。好ましいレドックス対は、燃料電池の電気回路において有用な電流を生成させるのに有効な速度で酸化剤と反応するべきであり、水が反応の最終生成物であるように酸化剤と反応するべきである。
本発明の燃料電池は陰極溶液中の少なくとも約0.075Mのポリオキソメタラート種の存在を必要とする。しかし、状況しだいでポリオキソメタラート種に加えて陰極溶液中に他のレドックス対を含むことも可能である。連結された(ligated)遷移金属錯体及び他のポリオキソメタラート種を含めた、そのような補助的なレドックス対の適切な例が多く存在する。そのような錯体を形成することができる適切な遷移金属イオンの具体例としては、酸化状態II−Vのマンガン、酸化状態I−IVの鉄、酸化状態Ι−ΙIIの銅、酸化状態I−IIIのコバルト、酸化状態I−IIIのニッケル、酸化状態II−VIIのクロム、酸化状態II−IVのチタン、酸化状態IV−VIのタングステン、酸化状態II−Vのバナジウム、及び酸化状態II−VIのモリブデンが挙げられる。配位子は炭素、水素、酸素、窒素、硫黄、ハロゲン化物、及び/又はリンを含有することができる。配位子は、Fe/EDTA及びMn/EDTA、NTA、及び2−ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸などのキレート性錯体、又はシアニドなどの非キレート性であってもよい。本発明の陰極溶液はまた、バナジウム種以外の補助的なレドックス種を実質的に含んでいなくてもよい。
本発明の燃料電池は、燃料電池の作動中にカソード室で酸化剤の還元を触媒するレドックス対を直接使用して作動させてもよい。しかし、場合によっては、あるレドックス対については、触媒メディエーターをカソード室に取り入れることが必要及び/又は望ましい場合がある。
上記で概要を述べたレドックス燃料電池で使用するための陰極溶液も提供される。
本発明の別の態様は、作動中に燃料電池の全体又は一部が高温及び/又は高圧で維持される、上記で概要を述べたレドックス燃料電池を提供する。高温は、好ましくは80℃を上回り、より好ましくは100℃を上回る温度である。しかし、高温は好ましくは120℃以下の温度である。高圧は好ましくは周囲圧力を上回る圧力であり、より好ましくは、およそ2barGの圧力である。高圧はまた好ましくは2.5barGを下回る圧力である。一実施形態において、高温及び高圧の両方が使用される。
高温は再生ゾーン及び/又は電池のカソード/アノード領域における温度であってもよい。好ましくは、高温は再生ゾーンにおける温度である。さらに、高圧は再生ゾーン及び/又は電池のカソード/アノード領域における圧力であってもよい。好ましくは、高圧は再生ゾーンにおける圧力である。
本発明の実施形態を例証する以下の図を参照して、ここで本発明の様々な態様をより詳細に説明することにする。
本発明による燃料電池のカソード区画の概略図である。 試験期間全体にわたる、本発明による燃料電池の性能を実証する図である。 本発明による燃料電池における再生ゾーンでの温度及び圧力を変化させた場合の、ポリオキソメタラートの再生の速度の変化を実証するグラフである。 本発明による燃料電池における再生ゾーンでの温度を変化させた場合の、再生の速度の変化を実証するグラフである。 アノード/カソード領域の温度の関数として、600mA/cmにおける本発明による燃料電池の定常状態の性能を示すグラフである。 再生ゾーンの温度の関数として、600mA/cmにおける本発明による燃料電池の定常状態の性能を示すグラフである。 80℃及び1atmの圧力の標準的燃料電池における、0.3MのNaPVMo40、及び0.45MのH10Mo44(「ΡΟΜ6」)に関する電流/電圧データを示すグラフである。 高温(110℃)及び高圧(3atm)における0.45MのH10Mo44(「POM6」)、及び0.3MのΗ10.75Ρ2.25Μo45(「POM6.2」)と比較した、0.3MのNaPVMo40の定常状態の単電池性能データを示すグラフである。
図1を参照すると、アノード(図示せず)をカソード3から隔てるポリマー電解質膜2を含む、本発明による燃料電池1のカソード側が示される。カソード3はこの略図において網状炭素を含み、したがって多孔性である。しかし、白金などの他のカソード材料を使用してもよい。ポリマー電解質膜2はカチオン選択性Nafion 112膜を含み、電池の作動中にアノード室での燃料ガス(この場合は水素)の(場合により触媒的な)酸化により生じたプロトンがこの膜を通過する。電気回路(図示せず)において燃料ガス流の酸化によりアノードで電子が生じ、カソード3へ戻される。燃料ガス(この場合は水素)はアノード室(図示せず)の燃料ガス通路へ供給され、一方酸化剤(この場合は空気)はカソードガス反応室5の酸化剤吸気口4へ供給される。カソードガス反応室5(触媒再酸化ゾーン)は排出口6が設けられており、排出口6を通して燃料電池反応の副生成物(例えば水及び熱)を排出することができる。
ポリオキソメタラートレドックス触媒の酸化型を含む陰極溶液が、電池の作動中に陰極液貯留槽7からカソード入口チャネル8へ供給される。陰極液は、膜2に隣接している網状炭素カソード3へ入る。陰極液がカソード3を通過すると、ポリオキソメタラート触媒が還元され、次いでカソード出口チャネル9を通ってカソードガス反応室5へ戻される。
本発明の陰極液の有利な組成のおかげで、触媒の再酸化が非常に急速に起こり、これは燃料電池が先行技術の陰極液よりも持続性の高い電流を生じることを可能にする。
図2〜6はすべて同じ実験条件下で作られた。HPMo40の構造のポリオキソメタラートと併せて、25cmの作用面積を有する燃料電池を使用した。電池はSQLより供給されるアノードガス拡散層34BCを含んでいた。W.L.Gore Ltdより供給される、25μm厚さの膜を有するアノード膜組立品を使用した。カソード電極は、SGLより供給される、約1.15mm厚さに圧縮されたGFD2.5グラファイトフェルトとした。650mlのHPMo40陰極液を再生器へ装入した。再生中に2l/minの流量の空気を使用し、電池を特定の酸化状態で維持する場合は2l/minのNを使用した。
図2は、試験期間全体(2012年6月6日〜2012年6月15日)にわたる電池の耐久性を実証している。図2aは様々な開路電圧(OCP)による、試験期間にわたる分極曲線を示す。図2aの傾きの形状は試験期間を通してほぼ一定に保たれ、直線部分の傾きにわずかな改善が見られ、06/06/12〜11/06/12の間に改善している。この継続性は、電池の性能が試験期間にわたって劣化しなかったことを示している。図2bは、ガルバノ電気化学的インピーダンス分光法(Galvano−electrochemical impedance spectroscopy)(GEIS)により試験期間にわたって得られた膜及び電池の抵抗率値を示す。膜抵抗率(HFR)は試験期間を通してほぼ一定に保たれるが、電池の全体の抵抗率(LFR)はより大きくシフトしている。いずれの抵抗の変化も、陰極液の動的平衡のシフトを引き起こす可能性がありその後のバナジウム種及び膜との相互作用も引き起こすと思われる、陰極液のOCPに起因していたと思われる。したがって、試験期間中に電池性能の低下はないと結論づけられる。
図3はアノード領域の温度及びカソード領域の温度(Tc)が80〜85℃である場合の再生曲線を示し、再生ゾーンの温度(Tr)は80〜120℃の間で異なっており、再生ゾーン(Pr)の圧力は0〜2barG(ゲージ圧力、すなわち周囲圧力に対する)の間で異なっている。再生ゾーンの性能からアノード/カソード領域の性能を分けるために、2つの成分の試験を別々にした。最初に燃料電池の陰極液を0.8V未満のOCPまで還元することにより、再生ゾーンを試験した。再生ゾーン内での十分な混合を確実にするために、Nスパージ(2l/min)をこれらの条件下で使用した。次いで、0〜0.3barG又は1.95〜2.05barGの圧力の場合に2l/minで空気を再生ゾーンへ供給しながら、様々な再生ゾーン温度(Tr)での再生速度を0.8V〜0.88Vの開路電圧にて測定した。再生ゾーンを試験する場合、アノード領域の温度及びカソード領域の温度(Tc)は80℃±7℃で維持される。アノード領域の温度及びカソード領域の温度(Tc)を変化させTrを110℃で維持しながら、(2l/minの空気を使用して)0.6Acmで1時間にわたり定常状態の電圧を測定することにより、アノード及びカソード領域を試験した
通常の電池作動条件下で(Tc=80℃/Tr=80℃/Pr=0barG)、POMが0.80VのOCPから0.88VのOCPまで再生するのに4000sを上回る時間がかかる。いったん圧力が系に加えられると、速度は大幅に改善され、1500s以内に0.88Vに到達する。図3は、2barGの圧力でTrを上昇させるとその後の改善が見られることを示す。いったんTrが120℃に到達すると、300s以内に0.88VのOCPに到達することが可能である。さらに、110℃のTrでTcを上昇させると、やはりわずかな性能の改善をもたらす。しかし、増加はTrでの増加ほど大きくない。
図4は、Tcが80℃であり、Trが80〜120℃の間で異なり、Prが2barGで維持される場合に、OCPが0.8Vから0.88Vに到達するのにかかる時間を示している。さらに、図4は、2barGの圧力で、Trを増加させるとその後の改善が見られることを示している。いったんTrが120℃に到達すると、300s以内に0.88VのOCPに到達することが可能である。
図5及び6は、それぞれTc及びTrの関数として600mA/cmでの定常状態の性能を示している。図5a及び6aは全般的に、Tc及びTrの両方の関数として定常状態の性能が高まることを示している。Tcinは、陰極液が電池に流れ込む直前の陰極液温度と定義される。140612Bについて得られる結果は、性能を損なった恐れがあるPOMの脱水に起因する可能性がある。これは。POMの濃度は光学レベルによればシステムの作動中におよそ90%減少していた;このレベルは150612Aが行われる前に補正された。図5b及び6bは高温による定常状態での作動中にOCPの上昇を示さず、これは再生曲線から予測されるものではない。この現象は、POM陰極液の温度が低下すると「固定された」酸化状態におけるOCPが上昇するという事実に起因する。
図7は既知のポリオキソメタラート種(0.3MのNaPVMo40)、及び80℃、1atmの圧力の液体流カソードPEM燃料電池における本発明の好ましいポリオキソメタラート種「POM6」(0.45MのH10Mo44)についての電流/電圧データを示す。これらの条件下で、本発明の好ましいポリオキソメタラート種は、高い電流密度で特に、既知のポリオキソメタラート種と比較して比較的低い性能を示す。
図8は、高温(110℃)及び高圧(3atm)での本発明の好ましいポリオキソメタラート種「POM6」(0.45MのH10Mo44)及び「POM6.2」(0.3MのΗ10.75Ρ2.25Μo45)と比較した、既知のポリオキソメタラート種(0.3MのNaPVMo40)の定常状態の単電池性能データを示す。データは、穏やかに上昇させた温度及び圧力のみを適用することによる、連続作動中のさらなる改善を示す。

Claims (21)

  1. イオン選択性ポリマー電解質膜によって隔てられたアノード及びカソードと;燃料を電池のアノード領域へ供給する手段と;酸化剤を電池のカソード領域へ供給する手段と;アノードとカソードの間に電気回路を設ける手段と;カソードと流体連通して流れる不揮発性陰極溶液であって、電池の作動中にカソードで少なくとも部分的に還元され、カソードでのそのような還元後に再生ゾーンにおける酸化剤との反応により少なくとも部分的に再生されるポリオキソメタラートレドックス対を含み、高温及び高圧でのポリオキソメタラートのスペシエーションから生じる1種又は複数のバナジウム種をさらに含み、不揮発性陰極溶液とを含む、レドックス燃料電池であって、
    前記高温が100℃を上回る温度であり、
    前記ポリオキソメタラートが、H10Mo44、H10.752.25Mo45、またはそれらの混合物を含む、レドックス燃料電池。
  2. 高温が120℃以下の温度である、請求項1に記載のレドックス燃料電池。
  3. 高温が陰極溶液の沸点を下回る温度である、請求項1または2に記載のレドックス燃料電池。
  4. 高温が再生ゾーン及び/又は電池のカソード/アノード領域における温度である、請求項1から3のいずれか一項に記載のレドックス燃料電池。
  5. 高温が再生ゾーンにおける温度である、請求項4に記載のレドックス燃料電池。
  6. 高圧が周囲圧力を上回る圧力である、請求項1から5のいずれか一項に記載のレドックス燃料電池。
  7. 高圧がおよそ2barGの圧力である、請求項6に記載のレドックス燃料電池。
  8. 高圧が再生ゾーン及び/又は電池のカソード/アノード領域における圧力である、請求項1から7のいずれか一項に記載のレドックス燃料電池。
  9. 高圧が再生ゾーンにおける圧力である、請求項8に記載のレドックス燃料電池。
  10. 陰極溶液が少なくとも1種の補助的なレドックス種を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のレドックス燃料電池。
  11. 補助的なレドックス種が、連結された遷移金属錯体、さらなるポリオキソメタラート種、及びそれらの組み合わせから選択される、請求項10に記載のレドックス燃料電池。
  12. 遷移金属錯体中の遷移金属が、酸化状態II−Vのマンガン、酸化状態I−IVの鉄、酸化状態Ι−ΙIIの銅、酸化状態I−IIIのコバルト、酸化状態I−IIIのニッケル、酸化状態II−VIIのクロム、酸化状態II−IVのチタン、酸化状態IV−VIのタングステン、酸化状態II−Vのバナジウム、及び酸化状態II−VIのモリブデンから選択される、請求項11に記載のレドックス燃料電池。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載のレドックス燃料電池において使用するための陰極溶液。
  14. 作動中に燃料電池の全体又は一部が高温及び高圧で維持され、前記高温が100℃を上回る温度である、請求項1から12のいずれか一項に記載の燃料電池の使用。
  15. 高温が120℃以下の温度である、請求項14に記載の使用。
  16. 高温が再生ゾーン及び/又は電池のカソード/アノード領域における温度である、請求項14または15に記載の使用。
  17. 高温が再生ゾーンにおける温度である、請求項16に記載の使用。
  18. 高圧が周囲圧力を上回る圧力である、請求項14から17のいずれか一項に記載の使用。
  19. 高圧がおよそ2barGの圧力である、請求項18に記載の使用。
  20. 高圧が再生ゾーン及び/又は電池のカソード/アノード領域における圧力である、請求項14から19のいずれか一項に記載の使用。
  21. 高圧が再生ゾーンにおける圧力である、請求項20に記載の使用。
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