JP2014127358A - レドックスフロー電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 この発明は、腐食性及び引火性がなくてメンテナンスが容易であり、安全性に優れたレドックスフロー電池を提供することを課題とする。
【解決手段】 電極が炭素質材料例えばグラファイト等を、活物質が金属錯体例えば環状π電子を持つ多座配位子及び/又はアミノカルボン酸を持つ多座配位子を含む金属錯体を、及び電解液の溶媒がイオン液体例えば1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(BMI−TFSI)を含有することを特徴とするレドックスフロー電池
【選択図】図1

Description

この発明はレドックスフロー電池に関し、更に詳しくは、腐食性及び引火性がなくてメンテナンスが容易であり、安全性に優れたレドックスフロー電池に関する。
再生可能な次世代大型二次蓄電池の一つとして、レドックスフロー電池が提案されている。1970年代にNASAにより開発されたこのレドックスフロー電池は、溶液中における酸化反応と還元反応とを組み合わせた電池反応を用いた二次電池である(特許文献1)。
レドックスフロー電池に使用可能な活物質として複数の価数を有する金属イオンが探索され、多くの研究結果としてこれまでに実用段階に到達した活物質としての金属イオンはV2+/V3+、VO2+/VO 、Fe2+/Fe3+、Cr2+/Cr3+及びこれらのいくつかの組み合わせである。これらの中でもバナジウム水溶液を用いたレドックスフロー電池は、大規模実証実験を経て実用化された(非特許文献1、特許文献2及び3)。
このようなレドックスフロー電池は、(1)電池反応が金属イオンの単純な酸化還元反応であるから、充放電サイクル寿命が長いと期待され、(2)電解液を収容する貯蔵タンクを増設させることにより大容量化する可能性があり、(3)セルを増設することにより大出力化を容易に実現できる可能性がある。
しかしながら、従来のレドックスフロー電池は、(1)電解液に溶解された金属イオンは高濃度化し難いので、エネルギー密度が他の二次電池に比べると低いこと、(2)水溶液では金属イオンの酸化還元反応により、電池を構成する金属部材の腐食が発生し、金属部材の腐食に起因する沈殿物が発生すること、と言った問題点がある。特に、唯一大規模に実用化された、バナジウム水溶液を用いたレドックスフロー電池は強酸である硫酸を用いているので、金属部材の腐食が不可避であり、それがためにセパレータに使用される高分子重合体及びセラミックスの損傷が引き起こされるという問題がある。これらの問題点が、レドックスフロー電池が普及しない原因となっている。
また、水溶液の代わりに有機溶媒を使用すると引火の恐れがあり、レドックスフロー電池の外に有機溶媒が漏出すると環境問題を誘発する。
こういった問題点を解決するために今までのところいくつかの試みがなされている。
一つの試みは金属イオンを安定化するために金属錯体を用いることである(特許文献4)。この特許文献4により、β―ジケトンを二量化して得られたテトラケトンを配位子として含むウラン錯体を用いることにより高効率で十分に大きな起電力を得ることができるレドックスフロー電池が提案されている。もっともこの特許文献4では、安定化に関するデータが開示されていない。
非特許文献2には、正極にFe−2,2’−ビピリジン(bpy)錯体を用い、負極にNi-bpy錯体を用い、電極に炭素繊維不織布を用いたレドックスフロー電池が提案されている。この非特許文献2によると、電解液にプロピレンカーボネートを用いることにより水系の電解液より大きな起電力2.2Vが得られたとされている。
非特許文献3には、正極にFe−2,2’−ビピリジン(bpy)錯体を使用し、電極にグラファイト不織布を用いたレドックスフロー電池が、開示されている。この非特許文献3によると、アセトニトリルを電解液の溶媒に使用することにより起電力1.5Vを得ることのできたことが報告されているが、エネルギー効率が6%であった。
別の試みは、水溶媒を使用することによる腐食を防止するために非水溶媒を使用することであり、非特許文献2にその例が開示されている。
しかし、有機溶媒の引火性及び環境問題については改善されていない。
別の他の試みは、電解液にイオン液体を用いることである。
一般に、イオン液体は物質をよく溶解し、不揮発性、非引火性及び高い熱安定性を示す溶媒であるから、レドックスフロー電池に適した電解液であると考えられる。イオン液体を用いたレドックスフロー電池はメンテナンスも容易であると期待される。
イオン液体を用いたレドックスフロー電池が非特許文献4及び特許文献5に開示されている。
非特許文献1に開示されたレドックスフロー電池は、イオン液体として1−ブチル−1−メチルピロリジウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(略号:BMPTFSI-)を用い、活物質としてFe-2,2’-ビピリジン錯体を用い、正極及び負極として白金を用いて形成される。この非特許文献1に開示された前記レドックスフロー電池は、その充電電気量の利用率が60%程度であり、充放電効率(放電容量/充電容量)が50%程度であった。このレドックスフロー電池の、充電後の開回路起電力は2.4Vであった。この起電力は2.4Vとバナジウム系レドックス電池の2倍の起電力を有すると非特許文献1では評価されている。
特許文献1に開示されたレドックス電池は、活物質としてバナジウム、ウラン、鉄、クロム等の遷移金属、亜鉛、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグシウム、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属、塩素、臭素、硫黄等を使用し、イオン液体を電解液の溶媒として使用している(特許文献1の段落番号0006)。特許文献1に開示されたレドックス電池においては、金属イオンを安定化させるために、電解液に硫酸及び塩酸等の強酸を添加することにより低いpHにしている。故に、この特許文献1に開示されたレドックス電池は液漏れ等によりレドックス電池の周辺機器に対する腐食性を有する。
L.H.Thaller,USP3996064(1976) 特開2011−79679号公報 特開2011−210696号公報 特開2005−209520号公報 特開2010−86935号公報
重松敏夫、総説:電力貯蔵用レドックスフロー電池、SEIテクニカルレビュー、2011年7月発行、第179号第7〜16頁 Junyoung Mun et. al., Non-Aqueous Redox Flow Batteries with Nickel and Iron tris(2,2’-bipyridine) Complex Electrolyte, Electrochemical and Solid-State Letters, 15(2012)A80-A82 M.H.Chakrabarti, et. al, Evaluatiion of Electrolysis for Redox Flow Battery Applications,Electrochimica Acta,52(2007)2189-2195 立川直樹 博士学位論文(慶應大学2008年度)「疎水性室温イオン液体における金属化学種の電極反応速度」
この発明の課題は、腐食性がなく、また引火性もなく、メンテナンスを容易に行うことのできるレドックスフロー電池を提供することにある。
前記課題を解決するための手段は、
(1) 電極が炭素質材料を、活物質が金属錯体を、及び電解液の溶媒がイオン液体を含有することを特徴とするレドックスフロー電池であり、
(2) 前記イオン液体は、イミダゾリウム系カチオンとホウフッ化物アニオン(BF4 -)、六フッ化リン酸アニオン(PF6 -)、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン(CF3SO3 -)(TF)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン(N(CF3SO22 -)(TFSI)又はヨウ化物イオン(I-)との溶融塩であることを特徴とする前記(1)に記載のレドックスフロー電池であり、
(3) 前記電極は、グラファイト、グラッシーカーボン、アセチレンブラック、バルカン、ケッチェンブラック、ファーネストブラック、VGCF、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、フラーレンから選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のレドックスフロー電池であり、
(4) 前記活物質が、環状π電子を持つ多座配位子及び/又はアミノカルボン酸を持つ多座配位子を含む金属錯体であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載のレドックスフロー電池であり、
(5) 前記活物質が、鉄、マンガン、チタン、銅及び/又はニッケルを中心金属とする金属錯体であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載のレドックスフロー電池である。
この発明によると、正極及び負極の活物質として金属錯体を使用するので金属イオンをそのまま使用するよりも活物質が安定になり、しかもバナジウム系金属イオンを使用するレドックスフロー電池におけるように金属イオンを安定化させるためにpHの低い強酸を使用する必要がなく、イオン液体は引火性がなくて蒸発もしないので、メンテナンスが容易で安全性に優れ、炭素質材料を使用するので電位窓の広いレドックスフロー電池を提供することができる。この発明に係るレドックスフロー電池は、正極及び負極に対する金属錯体の酸化還元電位とイオン液体の酸化還元電位とが離れてその結果、良好な起電力を有する。
図1は、この発明に係るレドックスフロー電池の概略を示す説明図である。
図1に示されるように、この発明のレドックスフロー電池1は、正極セル(正極電極室とも称される。)2及び負極セル(負極電極室とも称される。)3と、正極セル2及び負極セル3を相互に分離するセパレータ6と、正極セル2及び負極セル3のそれぞれの中に配置される正極電極9及び負極電極10と、正極セル2及び負極セル3中に貯留される電解液及び活物質とを有して成る。
前記セパレータとしては、イオン透過性があり、かつ正極側電解液と負極側電解液との混合を阻止する機能を有する限り特に制限がなく、例えば多孔性膜やイオン交換膜が使用でき、イオン交換膜としてはプロトン伝導性膜、カチオン交換膜やアニオン交換膜があげられる。
多孔性膜としては、テフロン(登録商標)、ポリプロピレンやポリエチレン等の高分子多孔性膜やシリカ、アルミナやガラス等の金属酸化物からなる多孔性膜やこれらを複合した多孔性複合膜等が好適に使用される。
プロトン伝導性膜としては、プロトン伝導性を有し、かつ電気的絶縁性を有する材質であれば特に限定されず、高分子膜又はコンポジット膜を用いることができる。
カチオン交換膜としては、カチオンを移動させることができる固体高分子電解質であれば特に制限はない。具体的には、パーフルオロカーボンスルフォン酸膜や、パーフルオロカーボンカルボン酸膜等のフッ素系イオン交換膜、リン酸を含浸させたポリベンズイミダゾール膜、ポリスチレンスルホン酸膜、スルホン酸化スチレン・ビニルベンゼン共重合体膜等を挙げることができる。
アニオン交換膜としては、アニオンの移動可能な固体高分子電解質が使用できる。具体的には、ポリオルトフェニレンジアミン膜、アンモニウム塩誘導体基を有するフッ素系イオン交換膜、アンモニウム塩誘導体基を有するビニルベンゼンポリマー膜、クロロメチルスチレン・ビニルベンゼン共重合体をアミノ化した膜等が挙げられる。
更に、高温環境下(例えば、100℃以上)で電池を使用する場合には、スルホン化ポリイミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、スルホン化ポリベンゾイミダゾール、ホスホン化ポリベンゾイミダゾール、硫酸水素セシウム、ポリリン酸アンモニウム等が挙げられる。
アニオン交換膜としては、アニオンの移動可能な固体高分子電解質を使用できる。具体的には、正負極板面にポリオルトフェニレンジアミン膜、アンモニウム塩誘導体基を有するフッ素系イオン交換膜、アンモニウム塩誘導体基を有するビニルベンゼンポリマー膜、クロロメチルスチレン・ビニルベンゼン共重合体をアミノ化した膜等が挙げられる。
正極セル及び負極セル中に貯留される電解液はイオン液体である。
イオン液体は、レドックスフロー電池の電気化学反応を妨げない限り、どのようなものでも使用できる。また、正極セル用のイオン液体と負極セル用のイオン液体は、同種でも、異種でもよい。
好ましいイオン液体は、以下の範囲の電位窓、粘度及び/又はイオン伝導度を有する。
イオン液体の電位窓は、−2.5〜2.0Vvs.Ag/Ag+が好ましい。低電位側の電位が−2.5Vより低くなると、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属や、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属を活物質として使用し難くなる。高電位側の電位が2.0Vより高くなると、ウランや硫黄等の材料が活物質として使用し難くなる。この範囲であれば、より高起電力の電池を構成できる。なお、電位窓は、サイクリックボルタンメトリーを行い、溶媒の分解に伴う酸化電流及び還元電流の大きな急激な変化が検出された電位を意味する。
イオン液体の粘度は、20℃において、1〜500mPa・sの範囲が好ましい。1mPa・sより低いと、イオン液体の安定性が低下することがある。500mPa・sより高いと、イオン液体を循環させるポンプの負荷が高くなりすぎることがある。より好ましい粘度は、10〜150mPa・sの範囲であり、この範囲であれば、正極及び負極(以下、まとめて電極ともいう)へのイオン液体の染み込みをより良好にできる。なお、粘度は、TA Instruments社製AR2000により測定した値を意味する。
イオン液体のイオン伝導度は、25℃において、0.05〜25mS/cmの範囲が好ましい。0.05mS/cmより低くなると、電池の電気抵抗が高くなりすぎて充放電のエネルギー効率が低くなることがある。25mS/cmより高くなると、漏れ電流が大きくなり、エネルギー貯蔵性が低下することがある。より好ましいイオン伝導度は、1〜15mS/cmの範囲であり、この範囲であれば、レドックスフロー電池の充放電反応をより良好にできる。なお、イオン伝導度は、ソーラトロン社製1280Z型電気化学測定システムを使用し、1000Hzの交流インピーダンスを測定した値を意味する。
イオン液体としては、例えば、芳香族系カチオンとホウフッ化物アニオン(BF4 -)、六フッ化リン酸アニオン(PF6 -)、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン(CF3SO3 -)(TF)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン(N(CF3SO22 -)(TFSI)又はヨウ化物イオン(I-)との溶融塩、脂肪族系カチオンとBF4 -、PF6 -、TF、TFSI又はI-との溶融塩等が挙げられる。なお、ここでいう芳香族とは、ベンゼン及び化学的挙動がベンゼンに似た化合物をいう。
芳香族系カチオンとしては、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(EMI)イオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム(BMI)イオン、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム(HMI)イオン、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウム(MPI)イオン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウム(DMPI)イオン等のイミダゾリウム系カチオン、ピリジニウム系カチオンが好適に使用できる。
脂肪族系カチオンとしては、テトラエチルアンモニウム(TEA)イオン、トリエチルメチルアンモニウム(TEMA)イオン、トリメチルプロピルアンモニウム(TMPA)イオン等の第四級アンモニウム系カチオン、メチルプロピルピペリジニウム(MPPi)イオン、ブチルメチルピペリジニウム(BMPi)イオン等のピペリジニウム系カチオン、メチルプロピルピロリジニウム(MPPy)イオン、ブチルメチルピロリジニウム(BMPy)イオン等のピロリジニウム系カチオン等が好適に使用できる。
上記イオン液体中でもイミダゾリウム系カチオンとビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンとの組合せから成るイオン液体が好ましく、特に1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが好ましい。イミダゾリウム系カチオンとビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンとの組合せからなるイオン液体は、(1)イオンが動きやすく、(2)内部抵抗が小さく、(3)大電流を取り出すことができるので好ましい。
この発明におけるイオン液体は電解液として使用される。つまり、この発明においては、電解液そのものがイオン液体であってもよく、イオン液体を含む電解液であっても良い。
電解液中には、イオン液体と、電解液溶媒を共存させることができる。電解液溶媒として、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート類と、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート類、γ−ブチロラクトン(以下、GBLと略称することがある)、γ−バレロラクトン等のラクトン類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のフラン類、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジオキサン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、ギ酸メチル、酢酸メチル等が挙げられる。
中でもイオン液体との相溶性が高く、金属イオンへの配位能が高い1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のグライム類が好ましい。特にトリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルは蒸気圧が非常に低く、イオン液体へ添加してもその安全性が高く、液の蒸発がないという利点を損なわないので好適である。
非水溶媒の添加量としては、イオン液体総重量に対して0.5〜50wt%が非水溶媒の蒸発を抑えることができるという観点から好ましく、1〜30wt%がより好ましい。
前記活物質としては、環状π電子を持つ多座配位子及び/又はアミノカルボン酸を持つ多座配位子を含む金属錯体が好ましい。
環状π電子を持つ多座配位子として、2,2’-ビピリジン、1,10-フェナントロリン、フタロシアニン、O-アミノフェノール、ベンゼン-1,2-ジチオール、2,6-ビス(ピラゾール-3-イル)ピリジン、ビピラジンやオクタエチルポルフィリン等をあげることができる。アミノカルボン酸を持つ多座配位子として、エチレンジアミン-N,N’-二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、トランス-1,2-シクロヘキサンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン-N,N’,N’’,N’’’-五酢酸、グリシルグリシンやグリシルグルシルグリシン等をあげることができる。これらの配位子の中でも、2,2’-ビピリジン、1,10-フェナントロリン、フタロシアニン、エチレンジアミン-N,N’-二酢酸、エチレンジアミン四酢酸やニトリロ三酢酸が好適に用いられる。金属イオンとしては、特に制限はないが、鉄イオン、マンガンイオン、チタンイオン、ニッケルイオンや銅イオンが好適に用いられる。これらの配位子と金属イオンの組み合わせにより錯体を製造することができる。例えば、鉄イオンと2,2’-ビピリジン(bpy)の錯体([Fe(II)(bpy)3]2+)、鉄イオンと1,10-フェナントロリン(phen)の錯体([Fe(II)(phen)3]2+)、鉄イオンとニトリロ三酢酸(NTA)の錯体([Fe(II)(NTA)(H2O)2)]、チタンイオンとエチレンジアミン四酢酸(EDTA)の錯体([Ti(IV)(EDTA)])等があげられる。
活物質として前記金属錯体を用いると、金属イオンを活物質としてそのまま使用するよりも、活物質が安定になり、バナジウム系の活物質におけるように金属イオンを安定化させるために、強酸性つまり低いpH値にする必要がなくなる。
正極セル及び負極セルのそれぞれの中に配置される電極は炭素質材料で形成される。炭素質材料としては、グラファイト、グラッシーカーボン、アセチレンブラック、バルカン、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、VGCF、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、フラーレン等の炭素粉末や炭素繊維が挙げられる。
前記電極は板状、箔状、棒状、メッシュ状、ラス板状、多孔質板状、多孔質棒状、織布状、不織布状、繊維状、フェルト状等の態様で使用されることができる。
この発明におけるイオン液体と金属錯体との組合せにおいて、前記炭素質材料を電極に採用すると、電位窓が広くなる。特に、負極に対応する金属錯体の低原子価の酸化還元電位が離れ、この組み合わせが負極として有効に活用されることができる。その結果、この発明に係るレドックスフロー電池は良好な起電力を発生させることができる。
(実施例1)
図1に示す構造を有するレドックスフロー電池1を使用した。レドックスフロー電池1において、正極電極室2と負極電極室3には、それぞれ正極電解液タンク4および負極電解液タンク5から電解液が配管11を介して正極側ポンプ6及び負極側ポンプ7により供給される。正極電極室2と負極電極室3はセパレータ8で隔離される。正極電極室2と負極電極室3とには、それぞれ正極電極9及び負極電極10が設置され外部回路に接続される。
正極電解液タンク4及び負極電解液タンク5には、鉄(II)錯体[Fe(II)(bpy)3](TFSI)2 0.243gをイオン液体BMI-TFSI 20mLに溶解させた電解液が貯蔵され、それぞれ正極ポンプ6により正極電極室2と正極電解液タンク4との間で電解液が循環し、また、負極電極室3と負極電解液タンク5との間で電解液が循環する。正極電極9と負極電極10は、グラッシーカーボン棒(直径1mm×長さ10mm×各極3本 R−1丸棒グラッシーカーボン BAS社)を使用した。セパレータ8にはテフロンフィルター膜(PTFE 0.1μ/0.47mm ADVANTEC社)を用いた。正極電極室2に充填された電解液及び負極電極室3に充填された電解液は、正極側ポンプ6及び負極側ポンプ7で、流速5mL/minで循環された。
なお、鉄(II)錯体[Fe(II)(bpy)3](TFSI)2におけるbpyはビピリジンを示し、TFSIはビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを示す。イオン液体BMI-TFSIにおけるBMIは1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムを示す。
このレドックスフロー電池を0.6mAの定電流で10時間充電すると、0.3mAの定電流で15時間放電した。放電の活物質利用率は75%であった。
(実施例2)
実施例1で使用されたレドックスフロー電池において、正極電極9と負極電極10のグラッシーカーボン棒に変えて、グラファイト電極(直径1mm×長さ10mm×各極3本 型番:PFCE1 カーボン電極 D=1.0mm BAS社)を使用した他は、実施例1と同様に電池を作製し、実施例1と同様の条件で充放電を行った。
0.6mAの定電流で10時間充電すると、0.3mAの定電流で16時間放電した。放電の活物質利用率は80%であった。
(実施例3)
実施例1におけるレドックスフロー電池において、正極電解液タンク4及び負極電解液タンク5の鉄(II)錯体[Fe(II)(bpy)3](TFSI)2に変えて、[Fe(II)(phen)3](TFSI)2 0.259gをBMI-TFSI20mLに溶解させた電解液を貯蔵した他は実施例1と同様のレドックスフロー電池を作製し、実施例1と同様の条件で充放電を行った。なお、[Fe(II)(phen)3](TFSI)2におけるphenはフェニルを示す。
0.6mAの定電流で10時間充電すると、0.3mAの定電流で12時間放電した。放電の活物質利用率は70%であった。
(実施例4)
実施例1におけるレドックスフロー電池において、正極電解液タンク4及び負極電解液タンク5のイオン液体BMI-TFSIに変えて、BMI-CF3SO3 20mLを用いた他は、実施例1と同様にレドックスフロー電池を作製し、実施例1と同様の条件で充放電を行った。
レドックスフロー電池を0.6mAの定電流で10時間充電すると、0.3mAの定電流で13時間放電した。放電の活物質利用率は75%であった。
(比較例1)
実施例1と同様の構成のレドックスフロー電池を作製した。正極電極2と負極電極3のグラッシーカーボン棒(直径1mm×長さ10mm×各極3本 R−1丸棒グラッシーカーボン BAS社)に変えて、白金板(たて6.5mm×横6.5mm×厚さ0.2mm)を使用した。その他は実施例1と同様にレドックスフロー電池を作製し、実施例1と同様の条件で充放電を行った。
レドックスフロー電池を0.6mAの定電流で10時間充電しても、放電容量は得られなかった。
1 レドックスフロー電池
2 正極電極室
3 負極電極室
4 正極電解液タンク
5 負極電解液タンク
6 正極側ポンプ
7 負極側ポンプ
8 セパレータ
9 正極電極
10 負極電極
11 配管

Claims (5)

  1. 電極が炭素質材料を、活物質が金属錯体を、及び電解液の溶媒がイオン液体を含有することを特徴とするレドックスフロー電池。
  2. 前記イオン液体は、イミダゾリウム系カチオンとホウフッ化物アニオン(BF4 -)、六フッ化リン酸アニオン(PF6 -)、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン(CF3SO3 -)(TF)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン(N(CF3SO22 -)(TFSI)又はヨウ化物イオン(I-)との溶融塩であることを特徴とする請求項1に記載のレドックスフロー電池。
  3. 前記電極は、グラファイト、グラッシーカーボン、アセチレンブラック、バルカン、ケッチェンブラック、ファーネストブラック、VGCF、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、フラーレンから選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のレドックスフロー電池。
  4. 前記活物質が、環状π電子を持つ多座配位子及び/又はアミノカルボン酸を持つ多座配位子を含む金属錯体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のレドックスフロー電池。
  5. 前記活物質が、鉄、マンガン、チタン、銅及び/又はニッケルを中心金属とする金属錯体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のレドックスフロー電池。
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