JP5301090B2 - リチウムイオンキャパシタ用電極及びそれを用いたリチウムイオンキャパシタ - Google Patents

リチウムイオンキャパシタ用電極及びそれを用いたリチウムイオンキャパシタ Download PDF

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本発明は、簡便、かつ、実用的なプリドープ技術に基づき製造することが可能な、高エネルギー密度、高出力特性を有する蓄電デバイス用電極及びその電極を具備する蓄電デバイスに関する。
近年、地球環境の保全及び省資源を目指したエネルギーの有効利用の観点から、深夜電力貯蔵システム、太陽光発電技術に基づく家庭用分散型蓄電システム、電気自動車用の蓄電システムなどが注目を集めている。その中、高効率エンジンと蓄電システムとの組み合わせ(例えば、ハイブリッド電気自動車)、あるいは燃料電池と蓄電システムとの組み合わせ(例えば、燃料電池電気自動車)において、エンジンあるいは燃料電池が最大効率で運転するためには、一定出力での運転が必須であり、負荷側の出力変動あるいはエネルギー回生に対応するために、蓄電システム側には高出力放電特性、高率充電特性が要求されている。この要求に対応するため、蓄電システムにおいては高エネルギー密度を特徴とするリチウムイオン電池の高出力化あるいは高出力を特徴とする電気二重層キャパシタの高エネルギー密度化に向けた研究開発が実施されている。
一方、リチウムイオン電池あるいはキャパシタなどの蓄電デバイスにおいて、活物質にあらかじめリチウムイオンを担持させること(以下、プリドープと呼ぶ)により、蓄電デバイスの高容量化、高電圧化する技術が注目されている。例えば非特許文献1、特許文献1、非特許文献2、非特許文献3などに記載されているポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体などの高容量材料に対し、このプリドープを適用することにより、非特許文献4に記載されている様に、その特徴(高容量)を充分に活かした蓄電デバイス設計が可能となる。プリドープは古くから実用化されている技術であり、例えば、非特許文献5、特許文献2には、リチウムを負極活物質であるポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体にプリドープさせた、高電圧かつ高容量な蓄電デバイスが開示されている。プリドープに関しては、あらかじめリチウムを担持させた電極を用いて蓄電デバイスに組み込む方法、リチウム金属などを電極成形時に混合する方法などが知られているが、簡便かつ実用的なプリドープ法に関しては、活物質を含有する電極にリチウム金属箔を接触させる方法がある。この技術は電極数が少なく、比較的厚い電極を用いるコイン型などに有効であるが、薄い電極を複数枚積層する積層型構造電池、あるいは、巻回型構造電池においては、工程が煩雑になる、あるいは、薄型リチウム金属の取り扱いなどに課題があり、更に簡便かつ実用的なプリドープ法が必要であった。
この問題を解決する方法として、特許文献3には、表裏面を貫通する孔を備え、負極活物質がリチウムを可逆的に担持可能であり、負極由来のリチウムが負極あるいは正極と対向して配置されたリチウムとの電気化学的接触により担持され、かつ該リチウムの対向面積が負極面積の40%以下であることを特徴とする有機電解質電池が開示されている。この電池では貫通孔を備えた集電体上に電極層を形成し、電池内に配置されたリチウム金属と負極を短絡することにより、リチウムイオンが集電体の貫通孔を通過し、すべての負極にドープされる。特許文献3の実施例には、貫通孔を備えた集電体にエキスパンドメタルを用い、正極活物質にLiCoO、負極活物質にポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体を用いた有機電解質電池が開示されており、該負極活物質には、電池内に配置されたリチウム金属からリチウムイオンを簡便にプリドープすることができる。しかし、電池の放電速度は最大2Cレベルであり、例えば、100Cを超える出力特性については何ら記載がない。
特許文献4には、空隙率1%〜30%の表裏面を貫通する孔を有する集電体を用いることにより集電体からの電極の脱落は減少させることが開示されているが、出力特性については何ら記載がない。特許文献5には正極に比表面積が1900m/gのポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体、負極にポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体を用い、これら活物質を、貫通孔を備えた集電体上に形成し、電池内に配置されたリチウム金属からリチウムイオンを負極活物質にプリドープしたキャパシタが開示されている。このキャパシタ電圧は3.3Vを超え、エネルギー密度も15Wh/l程度と従来のキャパシタより高いものの、50Cまでの出力特性しか開示されておらず、貫通孔を備えた集電体を用いた場合の、高出力時のキャパシタの特性については記載がない。特許文献6には貫通孔を備えた集電体の孔を埋めることにより、電極層形成が容易であり、かつ、電極の脱落も防止できることが開示されているが、出力に関する記載はない。
上記のように簡便かつ実用的なプリドープ法として、貫通孔を備えた集電体上に電極層を形成し、電池内に配置されたリチウム金属と負極を短絡することにより、リチウムイオンが集電体の貫通孔を通過し、電極活物質に担持させる技術が開示されている。しかし、例えば、100Cを超えるような高出力負荷において貫通孔(空隙あり)を備えた集電体を用いた場合、金属箔(空隙なし)などの集電体を用いた場合に比べ、その容量が低下する問題点を有していた。
T.Yamabe,M.Fujii,S.Mori,H.Kinoshita,S.Yata:Synth.Met.,145,31(2004) 特開昭59−3806号公報 S.Yata,Y.Hato,K.Sakurai,T.Osaki,K.Tanaka,T.Yamabe:Synth.Met.,18,645(1987) S.Yata,H.Kinoshita,M.Komori,N.Ando,T.Kashiwamura,T.Harada,K.Tanaka,T.Yamabe:Synth.Met.,62,153(1994) S.Yata,Y.Hato,H.Kinoshita,N.Ando,A.Anekawa,T.Hashimoto,M.Yamaguchi,K.Tanaka,T.Yamabe:Synth.Met.,73,273(1995) 矢田静邦,工業材料,Vol.40,No.5,32(1992) 特開平3−233860号公報 WO98/33227号公報 WO00/07255号公報 WO03/003395号公報 WO04/097867号公報
リチウムイオン電池、キャパシタなどの蓄電デバイスにおける高エネルギー密度及び高出力/高率充電特性への要求レベルは高い。この要求に応えるためには、高容量材料へのリチウムプリドープによる高容量化、あるいは、高電圧化によるエネルギー密度の向上、高出力化が今後の蓄電デバイス開発に必須技術であると考えられ、上述の貫通孔を備えた集電体を用いたプリドープ技術は、プリドープを必要とする蓄電デバイスの実用化において有用である。しかし、この実用プリドープ技術を高出力特性を特徴としようとする蓄電デバイスに適用する場合、プリドープを簡便に実施することは可能であるが、集電体に従来の金属箔を用いた場合に比べ、高出力負荷時、すなわち、大電流負荷時において充分な特性を引き出すことが困難であった。従って、本発明は従来の貫通孔を備えた集電体を用いた実用プリドープ技術に適用可能であり、高出力負荷特性に優れた蓄電デバイス用電極及びそれを用いた蓄電デバイスを提供することにある。
本発明者は、上記の様な従来技術の問題点に留意しつつ、研究を進めた結果、表裏面を貫通する孔を有する集電体と集電体上に形成された活物質を含む電極層を有する蓄電デバイス用電極において、電極の電気伝導度が5.0×10−2S/cm以上であり、かつ、その集電体の表裏面を貫通する孔の幅が0.4mm以下であることにより、高出力負荷時においても、デバイス設計上期待される出力特性を充分に発揮することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記請求項1に記載のリチウムイオンキャパシタ用電極は、表裏面を貫通する孔を有する集電体と集電体上に形成された活物質を含む電極層を有する電極において、電極の電気伝導度が5.0×10−2S/cm以上であり、かつ、その集電体の表裏面を貫通する孔の幅が0.35mm以下、0.05mm以上であることを特徴としている。
上記請求項2に記載のリチウムイオンキャパシタ用電極は、表裏面を貫通する孔を有する集電体の空隙率が10%以上90%以下であることを特徴としている。
上記請求項1あるいは2の構成によれば、この電極を、従来の実用プリドープ技術に適用した場合、高出力負荷時にデバイス設計上期待される出力特性を充分に発揮することが可能となる。
上記請求項3に記載のリチウムイオンキャパシタは、正極及び/又は負極に請求項1あるいは2に記載のされているリチウムイオンキャパシタ用電極を用いることを特徴としている。
上記請求項4に記載のリチウムイオンキャパシタは、リチウムを吸蔵、放出可能な正極活物質を含む正極、リチウムを吸蔵、放出可能な負極活物質を含む負極、リチウム塩を非水系溶媒に溶解した電解液を有する非水系リチウムイオンキャパシタにおいて、正極及び/又は負極が請求項1から3のいずれかに記載されている電極であり、正極活物質及び/又は負極活物質に集電体の貫通孔をリチウムが通過することによりプリドープさせることを特徴としている。
上記請求項3、4によれば貫通孔を備えた集電体を用いた簡便かつ実用プリドープ技術が適用可能であり、更に、この技術の課題であった高出力負荷特性において、優れた出力特性を有する蓄電デバイス(以下「蓄電デバイス」との記載は、「リチウムイオンキャパシタ」を意味する)を得ることができる。
本発明の蓄電デバイス用電極は、表裏面を貫通する孔を有する集電体と集電体上に形成された活物質を含む電極層を有する電極において、電極の電気伝導度が5.0×10−2S/cm以上であり、かつ、その集電体の表裏面を貫通する孔の幅が0.4mm以下である。この電極を用いることにより、従来の貫通孔を備えた集電体を用いた簡便かつ実用プリドープ技術の課題であった高出力負荷特性に対し、優れた出力特性を得られる効果を奏する。
本発明の一実施形態について、説明すれば以下の通りである。
本発明の蓄電デバイス用電極は、表裏面を貫通する孔を有する集電体と集電体上に形成された活物質を含む電極層を有する電極において、電極の電気伝導度が5.0×10−2S/cm以上であり、かつ、その集電体の表裏面を貫通する孔の幅が0.4mm以下であることを特徴とする蓄電デバイス用電極である。
本発明における表裏面を貫通する孔を有する集電体は、上記特許文献3〜6に記載されているが、集電体の表裏面を貫通する孔を備えており、例えば、パンチング、エッチングなどによる表裏面を貫通する孔を加工した導電性基体(パンチング箔、エッチング箔、穿孔箔など)、発泡導電性基体、導電性材料の網、導電性材料の不織布などが挙げられ、例えば、50μm以下、更には30μm以下のパンチング箔、エッチング箔、穿孔箔であることが好ましい。集電体の材質は金属、炭素などの高い導電性を有するものであり、例えば、集電体の導電性は10S/cm以上、すなわち、本発明の電極の電気伝導性(5.0×10−2S/cm)に比べ充分に高い電気伝導性を有するものである。集電体の材質は、本発明の蓄電デバイス用電極を用いる蓄電デバイスの電圧・出力設計、設計出力集電体上に形成する電極層に含まれる活物質・導電材・バインダーの種類あるいは電解液などにより適宜決定されるものであり、特に限定しないが、リチウム塩を非水系溶媒に溶解した電解液を有する非水系蓄電デバイスとして用いる場合、正極集電体の材質としてはアルミニウム、負極集電体の材質としては銅が一般的である。
本発明の表裏面を貫通する孔の形状は、特に限定されないが、表面あるいは裏面に見える形が、円、楕円、長方形、多角形など種々の形状が可能であり、孔は集電体中を直線的、曲線的、3次元的など種々の形状をもって集電体表裏面を貫通させることが可能である。
本発明の表裏面を貫通する孔を有する集電体の空隙率は、特に限定されないが、10%以上90%以下、更に好ましくは、30%を越え60%以下である。本発明で空隙率とは、集電体体積に占める表裏面を貫通する孔の体積割合を言う。具体的には、集電体面積をA(cm)、マイクロメータ、のぎすなどで測定可能な集電体厚みをB(cm)、集電体重量をW(g)、集電体材質の比重ρ(g/cm)とした場合、空隙率は「1−W/(A×B×ρ)」×100%であり、従来技術においては、貫通孔の割合、気孔率と呼ばれることもある。この空隙率は、プリドープの速度を速めるあるいはプリドープの均一性を高めるためには大きく設定することが好ましいが、大きすぎる場合、集電体上への電極層形成の容易さ、電極強度の観点から好ましくない。
本発明の表裏面を貫通する孔の幅は、0.4mm以下であり、更に好ましくは0.35mm以下である。孔の幅が大きすぎる場合、たとえ、電極の電気伝導度が本発明の範囲を満たしても、本発明の目的である高出力負荷特性が得られにくくなる。また、下限については好ましくは0.05mm以上、更に好ましくは0.1mm以上であり、小さすぎる場合集電体の製造が難しくなる。本発明における孔の幅とは、孔中のすべての点から集電体までの最短距離を考え、その中の最大値の2倍を本発明においては孔の幅と定義する。孔の断面が円の場合、孔中の点から集電体までの最短距離の最大値は半径となり、孔の幅は半径の2倍、すなわち、直径となる。孔の断面が長方形の場合、孔中の点から集電体までの最短距離の最大値は短辺の長さの1/2となり、孔の幅は孔の短辺の長さとなる。孔の断面が楕円の場合、孔中の点から集電体までの最短距離の最大値は短軸半径となり、孔の幅は短軸直径となる。また、不定形な孔である場合、各断面において上記の様に孔の幅を求め、その80%以上が本発明の範囲に入ることが好ましい。
本発明の蓄電デバイス用電極は、上記表裏面を貫通する孔を有する集電体上に活物質を含む電極層を形成する。電極層は、貫通する孔を有する集電体の両面あるいは片面に形成され、集電体の孔中にも形成することができる。電極層とは活物質を主成分とし、必要に応じ、導電材、バインダーを用いて成形することができる。バインダーの種類は、特に限定されるものではないが、ポリフッ化ビニリデン、ポリ四フッ化エチレンなどのフッ素系樹脂類、フッ素ゴム、SBR、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類などが例示される。バインダー量は、特に限定されず、活物質の平均粒径、形状などにより適宜決定されるものであるが、例えば、活物質の重量の1〜30%程度の割合とすることが好ましい。また、導電材の種類、量は、特に限定されるものではなく、活物質の電子伝導性、平均粒径、形状などにより適宜決定されるものであるが、材料としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛などの炭素材料、金属材料が例示される。導電材量は、特に限定されず、後述の電極の電気伝導性を得るために必要な量が添加される。 本発明の蓄電デバイス用電極は、上記活物質、必要に応じ、導電材、バインダーを用いて、塗布成形、プレス成形、ロール成形など、公知の電極成形法を用いて、集電体上に形成し、製造することが可能である。
本発明の電極の電気伝導度は5.0×10−2S/cm以上、好ましくは1.0×10−1S/cm以上である。この電気伝導度は電極の厚み方向の電気伝導度であり、本発明では電極表裏面を厚み方向に、銅製の半径2mmΦの円柱状の端子で挟み、2Kgf/cmの圧力を印加し、上下端子間に電圧を印加した時に流れる電流を測定することにより求めることができる。電極の電気伝導度が下限未満の場合、高出力負荷時において、表裏面を貫通する孔を有さない集電体、例えば、金属箔を用いた場合に比べ、容量低下が大きくなることから本発明の効果が得られない。また、電気伝導度の上限は、特に限定されず、本発明の効果を得る目的では高いほど良いが、例えば、上記方法で活物質粉体を成形した場合、通常1.0×10S/cm以下である。
本発明の電極の電気伝導度を得るためには、上述のように、活物質に導電材を添加し、電極を成形することが一般的であるが、活物質表面を電気伝導性の高い材料で被覆するなどの方法も用いることができる。導電材を添加する場合、その量は導電材の電気伝導性、粒径、形状あるいは活物質の電気伝導性、粒径、形状により、上述の電気伝導度が得られるように適宜決定されるが、例えば、活物質の重量の1〜50%、好ましくは5〜40%、更に好ましくは10%〜30%用いることができる。特に、活物質の電気伝導性が低い場合、あるいは、活物質の粒径が細かい場合、導電材は10%以上必要な場合もある。
また、電極層と集電体との接触抵抗が大きい場合、例えば、活性炭、ポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融基体を活物質とする電極層をアルミニウムを材質とする集電体上に形成した場合、集電体表面に導電性材料層を薄く形成し、その上に電極層を形成することも可能である。
ここまでの本発明の蓄電デバイス用電極についての説明は記載がない場合、正極、負極ともに共通する。以下、本発明の蓄電デバイス用電極に用いる活物質について、正極、負極に分け説明する。
本発明において蓄電デバイス用正極を得る場合の活物質は、特に限定されるものではないが、例えば、活性炭、ポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体などの有機半導体、リチウムを吸蔵、放出可能な金属酸化物、金属硫化物など公知のものを用いることができる。金属酸化物としては、リチウム複合コバルト酸化物、リチウム複合ニッケル酸化物、リチウム複合マンガン酸化物、或いはこれらの混合物、更にはこれら複合酸化物に異種金属元素を一種以上添加した系などのリチウムを含む金属酸化物だけでなく、五酸化バナジウム、二酸化マンガン、二硫化モリブデンなどのリチウムを吸蔵、放出可能であるがリチウムを含まない金属酸化物も、蓄電デバイスにおいて正極あるいは負極にリチウムをプリドープすることにより本発明に用いることが可能となる。これら正極に用いる活物質の粒径は、例えば2μm以下と、小さい方が出力面から好ましい。
本発明において蓄電デバイス用正極の厚み(集電体の両面に電極層が形成される場合は電極厚みの1/2)は活物質の種類、用いる蓄電デバイスの設計出力などにより適宜決定されるが、例えば、活性炭、ポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体などの場合、150μm以下、更には100μm以下が望ましく、金属酸化物を用いる場合は、50μm以下5μm以上、更には30μm以下5μm以上が望ましい。
本発明において蓄電デバイス用負極を得る場合の活物質は、特に限定されるものではないが、例えば、活性炭、ポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体などの有機半導体、黒鉛系物質、炭素系物質、錫酸化物、ケイ素酸化物、錫、ケイ素などのリチウムを吸蔵、放出可能な材料が挙げられる。特に、活性炭、ポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体は出力特性に優れることから好ましい材料の一例である。これら負極に用いる活物質の粒径は、例えば2μm以下と、小さい方が出力面から好ましい。
本発明において蓄電デバイス用負極の厚み(集電体の両面に電極層が形成される場合は電極厚みの1/2)は活物質の種類、用いる蓄電デバイスの設計出力などにより適宜決定されるが、例えば、ポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体などの場合、80μm以下5μm以上が望ましい。
本発明の蓄電デバイスは正極及び/又は負極が上記蓄電デバイス用電極を用いたものであり、特に、リチウムを吸蔵、放出可能な正極活物質を含む正極、リチウムを吸蔵、放出可能な負極活物質を含む負極、リチウム塩を非水系溶媒に溶解した電解液を有し、正極及び/又は負極が上記蓄電デバイス用電極であり、正極活物質及び/又は負極活物質に集電体の貫通孔をリチウムが通過することによりプリドープさせることを特徴とする。
これら蓄電デバイスの構成(セル構成、プリドープ用リチウムの配置)、プリドープ法については、例えば、特許文献3〜6に記載されているが、本発明では、正極及び/又は負極に上述の表裏面を貫通する孔を有する集電体と集電体上に形成された活物質を含む電極層を有する電極において、電極の電気伝導度が5.0×10−2S/cm以上であり、かつ、その集電体の表裏面を貫通する孔の幅が0.4mm以下であることを特徴とする蓄電デバイス用電極を用いることにより、集電体に従来の金属箔を用いた場合に比べ、高出力負荷時、すなわち、大電流負荷時において充分な出力特性を引き出すことが可能となる。
本発明の蓄電デバイスにおけるリチウムを吸蔵、放出可能な正極活物質、リチウムを吸蔵、放出可能な負極活物質、正極、負極はすでに説明した通りである。本発明の蓄電デバイスに用いるリチウム塩を非水系溶媒に溶解した電解液とは、正極材料の種類、負極材料の性状、充電電圧などの使用条件などに対応して、適宜決定される。リチウム塩を含む非水系電解液としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClOなどのリチウム塩をプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、酢酸メチル、蟻酸メチルなどの1種又は2種以上からなる有機溶媒に溶解したものを用いることができる。また、電解液の濃度は、特に限定されるものではないが、一般的に0.5〜2mol/l程度が実用的である。電解液は、当然のことながら、水分が100ppm以下のものを用いることが好ましい。また、公知のゲル電解質、固体電解質を用いることも可能である。
本発明の蓄電デバイスにおいて、正極、負極の間に絶縁、電解液保持の目的でセパレータが配置される場合、このセパレータは、特に限定されるものではなく、ポリエチレン微多孔膜、ポリプロピレン微多孔膜、あるいはポリエチレンとポリプロピレンの積層膜、セルロース、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリアクリルニトリル繊維などからなる織布、あるいは不織布などがあり、その目的と状況に応じ、適宜決定することが可能である。
本発明の蓄電デバイスにおいては、蓄電デバイス内に配置されたリチウム金属などのリチウム源から正極活物質及び/又は負極活物質に集電体の貫通孔をリチウムが通過することによりプリドープさせることを特徴とする。例えば、正極、負極がセパレータを介し順次積層された構造を有する蓄電デバイスにおいて、所定量のリチウム金属を積層体の外側に配置、リチウム金属と負極を電気的に接続しておけば、電解液を注液した場合、集電体が貫通孔を有するがゆえにリチウムは正極電極層、セパレータ層、負極電極層、集電体すべてを通過することが可能となり、すべての負極にドーピングされることになる。正極にプリドープする場合も、同様であり、リチウム金属と正極を電気的に接続しておけば良い。また、集電体両面に電極層を形成し、その片側にリチウム金属を貼り付けるなどして、電極片面から集電体両側の電極活物質にプリドープすることも可能であり、その場合、プリドープする活物質を含む正極又は負極のみを表裏面を貫通する孔を有する集電体を用いれば良い。
本発明の蓄電デバイスの形状は特に限定されるものではなく、コイン型、円筒型、角型、フィルム型など、その目的に応じ、適宜決定することが可能である。
以下に実施例を示し、本発明の特徴とするところをさらに明確化するが、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
(1)フェノール樹脂硬化体301gをステンレス製皿に入れ、この皿を角型炉(400×400×400mm)内に配置して、熱反応に供した。熱反応は、窒素雰囲気下で行い、窒素流量は5リットル/分とした。熱反応は、1℃/分の速度で、炉内温が室温から630℃となるまで昇温し、同温度で4時間保持した後、自然冷却により、60℃まで冷却し、皿を炉から取り出し、本発明の不溶不融性基体を得た。収量は180gであった。
(2)得られたポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体を遊星型ボールミルを用いて平均粒度5.4μmまで粉砕した。得られた不溶不融性基体材料について、元素分析(測定使用機:パーキンエルマー社製元素分析装置「PE2400 シリーズII、CHNS/O)を行った。元素分析において水素原子/炭素原子の原子比が0.27であった。
(3)次いで、上記のポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体66.7重量部及び導電材アセチレンブラック19重量部及びPVdF(ポリフッ化ビニリデン)14.3重量部をNMP(N−メチル−2−ピロリドン)230重量部と混合し、負極合材スラリーを得た。このスラリーを孔径0.3mm(円形であり本発明における孔の幅に相当する)、空隙率50%、厚さ14μmの銅のパンチング箔(本発明の貫通孔を備えた集電体)の両面に塗布し、乾燥した後、プレス加工して電極を得た。電極の厚みは62μmであり、電極層の密度は0.79g/cmであった。得られた銅のパンチング箔の両面に電極層を形成した電極の電極表裏面を厚み方向に、銅製の直径2mmΦの円柱状の端子で挟み、2Kgf/cmの圧力を印加し、上下端子間に電圧1Vを印加した時に流れる電流を測定し(以下、電気伝導度はこの方法で測定)、電極の電気伝導度を求めたところ1.0×10−1S/cmであった。
(4)上記で得られた電極の片側にリチウム金属を配置し、この電極とリチウム金属を電気的に接続し、電解液としてエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを3:7(体積比)で混合した溶媒に1mol/lの濃度にLiPFを溶解した溶液を用いて、電気化学セルを作製した。このセルを用いて活物質であるポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体の重量あたり1000mAh/gに相当する量をプリドープした。電極の片側のみにリチウム金属を配置しているため、反対側の電極活物質へは、貫通孔をリチウムが通過することによりプリドープされている。
(5)市販活性炭93重量部及び導電材ケッチェンブラック7重量部及びPVdF17重量部をNMP355重量部と混合し、正極合材スラリーを得た。黒鉛系導電性塗料を予め塗布した厚さ30μmのアルミ箔に、正極合材スラリーを片面に塗布し、乾燥した後、プレス加工して電極を得た。本実施例では貫通孔を有する集電体に形成された電極の出力特性を評価する目的で、上述の活性炭電極を用いているが、本発明の蓄電デバイスの構成を限定するものではない。
(6)上記でプリドープしたポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体を活物質とした電極層を、貫通孔を備えた集電体上に両面に形成した電極を負極とし、上記で得られた厚さ105μm、電極層密度0.60g/cmの活性炭電極2枚を正極とし、負極の両側に配置した。電解液としてエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを3:7(体積比)で混合した溶媒に1mol/lの濃度にLiPFを溶解した溶液を用いて、電気化学セルを作製した。
(7)作製したセルを500mAの定電流で4.0Vまで充電した後、10mAの電流で2.0Vまで放電した。この時の容量は、9.87mAhであった。続いて、上記と同様の充電後、電流密度を変えながら出力特性を確認した。100Cに相当する1Aの電流で放電した場合、容量は6.06mAhであり、300Cに相当する3Aの電流で放電した場合、容量は3.41mAhであり、500Cに相当する5Aの電流で放電した場合、容量は1.63mAhであった。
(8)次に比較として、上記のポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体を66.7重量部及び導電材アセチレンブラック19重量部及びPVdF(ポリフッ化ビニリデン)14.3重量部をNMP(N−メチル−2−ピロリドン)230重量部と混合し、負極合材スラリーを得た。このスラリーを厚さ14μmの銅箔(貫通孔を備えていない集電体)の両面に塗布し、乾燥した後、プレス加工して電極を得た。電極の厚みは61μmであり、電極層の密度は0.8g/cmであった。得られた電極の電気伝導度を求めたところ1.1×10−1S/cmであった。
(9)上記で得られた電極の両側にリチウム金属を配置し、この電極とリチウム金属を電気的に接続し、電解液としてエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを3:7(体積比)で混合した溶媒に1mol/lの濃度にLiPFを溶解した溶液を用いて、電気化学セルを作製した。このセルを用いて活物質であるポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体の重量あたり1000mAh/gに相当する量をプリドープした。
(10)上記でプリドープしたポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体を活物質とした電極層を貫通孔を有さない集電体上に両面に形成した電極を負極とし、上記で得られた厚さ106μm、電極層密度0.60g/cmの活性炭電極2枚を正極とし、負極の両側に配置した。電解液としてエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを3:7(体積比)で混合した溶媒に1mol/lの濃度にLiPFを溶解した溶液を用いて、電気化学セル(比較セル)を作製した。
(11)作製した比較セルを、同様に、500mAの定電流で4.0Vまで充電した後、10mAの電流で2.0Vまで放電した。この時の容量は、10.0mAhであった。続いて、上記と同様の充電後、電流密度を変えながら出力特性を確認した。100Cに相当する1Aの電流で放電した場合、容量は6.57mAhであり、300Cに相当する3Aの電流で放電した場合、容量は4.04mAhであり、500Cに相当する5Aの電流で放電した場合、容量は2.00mAhであった。比較セルと本発明の貫通孔を有する集電体に形成された電極を用いた上記セルの特性を比較した場合、1C相当の10mAの電流では貫通孔を有する集電体に形成された電極を用いた上記セルの特性は比較セル(集電体が貫通孔を有さない)に対し、99%の容量を有しており、100Cに相当する1Aの電流で放電した場合93%、300Cに相当する3Aの電流においても84%、更には、500Cに相当する5Aの電流においても82%と、貫通孔を有する集電体を用いた場合でも、集電体が貫通孔を有さない集電体を用いた電極に対し、高出力負荷時においても充分な容量が得られている。
(比較例1)
(1)実施例1に記載のポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体を66.7重量部及び導電材アセチレンブラック19重量部及びPVdF(ポリフッ化ビニリデン)14.3重量部をNMP(N−メチル−2−ピロリドン)230重量部と混合し、同様の組成で負極合材スラリーを得た。このスラリーを孔径0.5mm(本発明における孔の幅に相当する)、空隙率50%、厚さ14μmの銅のパンチング箔(本発明の貫通孔の幅の請求範囲外の孔を備えた集電体)の両面に塗布し、乾燥した後、プレス加工して電極を得た。電極の厚みは61μmであり、電極層の密度は0.80g/cmであった。得られた電極の電気伝導度を求めたところ1.0×10−1S/cmであった。
(2)上記で得られた電極の片側にリチウム金属を配置し、この電極とリチウム金属を電気的に接続し、電解液としてエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを3:7(体積比)で混合した溶媒に1mol/lの濃度にLiPFを溶解した溶液を用いて、電気化学セルを作製した。このセルを用いて活物質であるポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体の重量あたり1000mAh/gに相当する量をプリドープした。電極の片側にリチウム金属を配置していないため、反対側の電極活物質へは、貫通孔をリチウムが通過することによりプリドープされている。
(3)上記でプリドープしたポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体を活物質とした電極層を貫通孔を備えた集電体上に両面に形成した電極を負極とし、実施例1で得られた厚さ105μm、電極層密度0.59g/cmの活性炭電極2枚を正極とし、負極の両側に配置した。電解液としてエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを3:7(体積比)で混合した溶媒に1mol/lの濃度にLiPFを溶解した溶液を用いて、電気化学セル(比較セル)を作製した。
(4)作製した比較セルを、同様に、500mAの定電流で4.0Vまで充電した後、10mAの電流で2.0Vまで放電した。この時の容量は、9.59mAhであった。続いて、上記と同様の充電後、電流密度を変えながら出力特性を確認した。100Cに相当する1Aの電流で放電した場合、容量は5.83mAhであり、300Cに相当する3Aの電流で放電した場合、容量は3.36mAhであり、500Cに相当する5Aの電流で放電した場合、容量は1.19mAhであった。1C相当の10mAの電流では、実施例1に記載の比較セル(集電体が貫通孔を有さない)に対し、96%の容量を有しており、100Cに相当する1Aの電流で放電した場合89%、300Cに相当する3Aの電流において83%、500Cに相当する5Aの電流においては60%となり、上記実施例1の貫通孔を有する集電体に形成された電極と同じ電極の電気伝導度(1.0×10−1S/cm)を有するものの、集電体の表裏面を貫通する孔の幅が0.4mm以下でないことから、300Cを超える高出力負荷時において、容量が低下する。
(比較例2)
(1)電極の電気伝導度の比較として、上記のポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体を80重量部及び導電材アセチレンブラック10重量部及びPVdF(ポリフッ化ビニリデン)10重量部をNMP(N−メチル−2−ピロリドン)230重量部と混合し、同様の組成で負極合材スラリーを得た。このスラリーを孔径0.3mm(円形であり本発明における孔の幅に相当する)、空隙率50%、厚さ14μmの銅のパンチング箔(本発明の貫通孔を備えた集電体)の両面に塗布し、乾燥した後、プレス加工して電極を得た。電極の厚みは61μmであり、電極層の密度は0.79g/cmであった。得られた電極の電気伝導度を求めたところ2.0×10−2S/cmであった。
(2)上記で得られた電極の片側にリチウム金属を配置し、この電極とリチウム金属を電気的に接続し、電解液としてエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを3:7(体積比)で混合した溶媒に1mol/lの濃度にLiPFを溶解した溶液を用いて、電気化学セルを作製した。このセルを用いて活物質であるポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体の重量あたり1000mAh/gに相当する量をプリドープした。電極の片側にリチウム金属を配置していなため、反対側の電極活物質へは、貫通孔をリチウムが通過することによりプリドープされている。
(3)上記でプリドープしたポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体を活物質とした電極層を貫通孔を備えた集電体上に両面に形成した電極を負極とし、実施例1で得られた厚さ106μm、電極層密度0.59g/cmの活性炭電極2枚を正極とし、負極の両側に配置した。電解液としてエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを3:7(体積比)で混合した溶媒に1mol/lの濃度にLiPFを溶解した溶液を用いて、電気化学セルを作製した。
(4)作製したセルを、500mAの定電流で4.0Vまで充電した後、10mAの電流で2.0Vまで放電した。この時の容量は、9.55mAhであった。続いて、上記と同様の充電後、電流密度を変えながら出力特性を確認した。100Cに相当する1Aの電流で放電した場合、容量は5.70mAhであり、300Cに相当する3Aの電流で放電した場合、容量は2.32mAhであり、500Cに相当する5Aの電流で放電した場合、容量は0.25mAhであった。
(5)次に比較として、上記のポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体を80重量部及び導電材アセチレンブラック10重量部及びPVdF(ポリフッ化ビニリデン)10重量部をNMP(N−メチル−2−ピロリドン)230重量部と混合し、同様の組成で負極合材スラリーを得た。このスラリーを厚さ14μmの銅箔(貫通孔を備えていない集電体)の両面に塗布し、乾燥した後、プレス加工して電極を得た。電極の厚みは61μmであり、電極層の密度は0.79g/cmであった。得られた電極の電気伝導度を求めたところ2.2×10−2S/cmであった。
(6)上記で得られた電極の両側にリチウム金属を配置し、この電極とリチウム金属を電気的に接続し、電解液としてエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを3:7(体積比)で混合した溶媒に1mol/lの濃度にLiPFを溶解した溶液を用いて、電気化学セルを作製した。このセルを用いて活物質であるポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体の重量あたり1000mAh/gに相当する量をプリドープした。
(7)上記でプリドープしたポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体を活物質とした電極層を貫通孔を有さない集電体上に両面に塗工した電極を負極とし、上記で得られた片面塗工の厚さ104μm、電極層密度0.60g/cmの活性炭電極2枚を正極とし、負極の両側に配置した。電解液としてエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを3:7(体積比)で混合した溶媒に1mol/lの濃度にLiPFを溶解した溶液を用いて、電気化学セル(比較セル)を作製した。
(8)作製した比較セルを、同様に、500mAの定電流で4.0Vまで充電した後、10mAの電流で2.0Vまで放電した。この時の容量は、9.86mAhであった。続いて、上記と同様の充電後、電流密度を変えながら出力特性を確認した。100Cに相当する1Aの電流で放電した場合、容量は6.06mAhであり、300Cに相当する3Aの電流で放電した場合、容量は3.78mAhであり、500Cに相当する5Aの電流で放電した場合、容量は0.98mAhであった。電極の電気伝導度が共に2.0×10−2S/cmである、この比較セルと貫通孔を有する集電体に形成された電極を用いた上記セルの特性を比較した場合、1C相当の10mAの電流では貫通孔を有する集電体に形成された電極を用いた上記セルの特性は比較セル(集電体が貫通孔を有さない)に対し、容量は97%であり、100Cに相当する1Aの電流で放電した場合94%、300Cに相当する3Aの電流においては61%、500Cに相当する5Aの電流においては26%であり、電極の電気伝導度が5.0×10−2S/cm以下である場合、集電体の表裏面を貫通する孔の幅が0.4mm以下であっても、高出力負荷時において充分な容量が得られない。
本発明の蓄電デバイス用電極及び蓄電デバイスは、例えば、ハイブリッド電気自動車、燃料電池電気自動車などに用いられる高出力蓄電デバイスの高エネルギー密度化及び高出力/高率充電特性への要求に応えるものであり、プリドープによる蓄電デバイスの高容量化、高電圧化によるエネルギー密度の向上、高出力化に貢献するものである。

Claims (4)

  1. 表裏面を貫通する孔を有する集電体と集電体上に形成された活物質を含む電極層を有する電極において、電極の電気伝導度が5.0×10−2S/cm以上であり、かつ、その集電体の表裏面を貫通する孔の幅が0.35mm以下、0.05mm以上であることを特徴とするリチウムイオンキャパシタ用電極。
  2. 表裏面を貫通する孔を有する集電体の空隙率が10%以上90%以下であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオンキャパシタ用電極。
  3. 正極、負極、セパレータ及び電解液を具備するリチウムイオンキャパシタにおいて、正極及び/又は負極が請求項1あるいは2に記載されているリチウムイオンキャパシタ用電極を用いたリチウムイオンキャパシタ
  4. リチウムを吸蔵、放出可能な正極活物質を含む正極、リチウムを吸蔵、放出可能な負極活物質を含む負極、リチウム塩を非水系溶媒に溶解した電解液を有する非水系リチウムイオンキャパシタにおいて、正極及び/又は負極が請求項1あるいは2に記載されている電極であり、正極活物質及び/又は負極活物質に集電体の貫通孔をリチウムが通過することによりプリドープさせることを特徴とする非水系リチウムイオンキャパシタ
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