JP5167584B2 - 非水電解液二次電池 - Google Patents
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Description
前記活性層は、
(1)前記Li金属層もしくはLi−X合金層に接しかつニトロキシドラジカル重合体とアセトンおよび/もしくはアセトニトリルとLi金属材料もしくはLi−X合金材料(XはAl、Ag、Sn、Pb群より選ばれる1種以上)とが混在した第1層と、あるいは、前記Li金属層もしくはLi−X合金層の前記第1の集電材料と対向しない面に凹凸を形成した後、その凹凸を形成した面に粘度が0.01Pa・s以上5Pa・s以下であるニトロキシドラジカル重合体溶液を塗布して形成した第1層と、
(2)ニトロキシドラジカル重合体を主とする第2層と、
を有し、前記Li金属もしくはLi−X合金材料は、前記Li金属層もしくはLi−X合金層と導通していることを特徴とする非水電解液二次電池、
が提供される。
本発明の非水電解液二次電池は、例えば、図1の概略断面図に示す構成を有する。図1において、1は第一の集電材料、2はLi金属もしくはLi−X合金、3は活性層、4はニトロキシドラジカル重合体、5は第二の集電体であり、AはLi金属層もしくはLi−X合金層、Bはニトロキシドラジカル重合体とLi金属材料もしくはLi−X合金材料とが混在した活性層第1層、Cはニトロキシドラジカル重合体を主とする活性層第2層を示している。
[1]第一の集電材料
本発明の第一の集電材料に関しては、特に限定されるものではなく、従来公知のものを採用することができる。その材料としては、電気化学的な安定性から銅、ニッケル、銀、及びその合金等が好ましい。その形状としては、例えば、箔や平板状、メッシュ状のものを用いることができる。
[2]Li金属層、Li−X合金層
本発明におけるLi金属、Li−X合金は、蓄電デバイスにおいて、負極活物質として作用する。本発明では、負極活物質が正極活物質であるニトロキシドラジカル重合体と反応し、それらの接触面にセパレータ機能を持つ層が形成されることが必要である。この層が形成されないと負極と正極は電気的に短絡し、蓄電デバイスとして機能しなくなる。この層はリチウムとニトロキシドラジカルが接することによって形成されるため、負極活物質には少なくともリチウムが含まれなければならない。純粋なリチウム以外の使用できる材料としては、Li−X合金(XはAl、Ag、Sn、Pb群より選ばれる1種以上)が挙げられる。リチウムと合金を形成する金属は、上記Xとして挙げたAl、Ag、Sn、Pb以外にもAu、Si等が存在するが、LiとAuとの合金、LiとSiとの合金を用いた場合は、正負極間に電気的短絡が生じ非水電解液二次電池として機能しない。Li―X合金におけるXの割合は、質量%として1〜30%の範囲が好ましい。Xの割合が30%より多くなると、セパレータ機能を持つ層が形成しにくくなる。
[3]活性層
[3−1]ニトロキシドラジカル重合体を主とする第2層
本発明におけるニトロキシドラジカル重合体は、非水電解液二次電池において、正極活物質として作用する。ニトロキシドラジカル重合体としては、前記特許文献1又は2等に記載されるニトロキシドラジカル重合体(ニトロキシルラジカル重合体ということもある)が使用でき、還元状態において化学式(I)で表されるニトロキシドラジカル部分構造をとり、酸化状態において化学式(II)で表されるオキソアンモニウムカチオン(ニトロキシルカチオン)部分構造をとるニトロキシドラジカル重合体であり、酸化還元状態間で電子の授受を行う下記反応式(A)で示される反応により、正極活物質として作用する材料である。
[3−2]Li金属層もしくはLi−X合金層に接しかつニトロキシドラジカル重合体とLi金属材料もしくはLi−X合金材料(XはAl、Ag、Sn、Pb群より選ばれる1種以上)とが混在した第1層
本発明における蓄電デバイスにおいて、活性層第1層におけるニトロキシドラジカル重合体とLi金属材料もしくはLi−X合金材料(XはAl、Ag、Sn、Pb群より選ばれる1種以上)とが混在するとは、基本的には、前記Li金属層もしくはLi−X合金層となるLi金属もしくはLi−X合金の第一の集電体と対向する側の一部を、3次元構造に微細化し、その空隙部にニトロキシドラジカル重合体が侵入して形成された状態を意味する。その他に、第1層に含まれるLi金属材料もしくはLi−X合金材料と前記Li金属層もしくはLi−X合金層との導通状態が保たれ、第1層に含まれるニトロキシドラジカル重合体と第2層のニトロキシドラジカル重合体との導通が保たれるのであれば、これに限定されない。例えば、バルク状のLi金属層もしくはLi−X合金層上に、粉末状、繊維状、フレーク状のLi金属材料もしくはLi−X合金材料を積層し、空隙部にニトロキシドラジカル重合体を含浸することも可能である。活性層第1層におけるニトロキシドラジカル重合体とLi金属材料もしくはLi−X合金材料の接触部にはセパレータ機能を持つ層が自然に形成される。このため、接触部がいかなる3次元構造をとっても電気的な短絡は生じない。この接触部の3次元構造を微細化することにより、正、負極の面積を飛躍的に増大させることができる。
[4]第二の集電材料
本発明の第二の集電材料に関しては、特に限定されるものではなく、従来公知のものを採用することができる。その材料としては、電気化学的な安定性から、アルミニウム、ニッケル、及びそれらの合金が好ましい。その形状としては、例えば、箔や平板状、メッシュ状のものを用いることができる。また前記ニトロキシドラジカル重合体を主とする第2層の表面にアルミニウム、ニッケル、及びそれらの合金を蒸着、スパッタ等の方法で薄膜を形成し、第二の集電材料としてもよい。
[5]非水電解液材料
本発明の電解液材料としては、金属リチウムの酸化還元電位で安定であれば特に限定されるものではなく従来公知の非水電解液を採用することができる。電解質は、電極間の荷電担体輸送を担うものであり、一般的に20℃で10-5〜10-1S/cmのイオン伝導性を有していることが望ましい。電解質塩を溶媒に溶解した電解液が最も好ましい。
本発明の非水電解液二次電池の形状および外観については特に限定されるものではなく、従来公知のものを採用することができる。このような形状としては、例えば、電極積層体または巻回体を、金属ケース、樹脂ケース、もしくはアルミニウム箔などの金属箔と合成樹脂フィルムとからなるラミネートフィルム等によって封止したものが挙げられる。また、電池の外観としては、円筒型、角型、コイン型、シート型等が挙げられる。
活性層第1層を形成するために、3次元微細化した負極表面にニトロキシドラジカル高分子を含む塗布液を塗布する際、微細な3次元構造の空隙部にニトロキシドラジカル高分子が十分に浸透するようにするため、塗布液は十分に低粘度である必要がある。
厚さ10μmの銅箔(図1の1に相当)と厚さ30ミクロンのLi金属箔(図1の2に相当)を張り合わせ、Li金属箔の表面を針でエッチングし凹凸を形成した。エッチング後の金属箔の表面積はエッチング前の表面積のおよそ4倍になった。このLi金属箔の表面に、前記化学式(1)で表される繰り返し単位からなるホモポリマー物質とアセトンとを混合した溶液(ホモポリマー物質/アセトン=1/15、溶液粘度:約1Pa・s)を塗布した後、乾燥し、Li金属とホモポリマー物質とが混在した活性層第1層(図1のBに相当)を形成した。
実施例1において活性層第1層および第2層に使用された化学式(1)で表される繰り返し単位からなるホモポリマー物質を、前記化学式(2)で表される繰り返し単位からなるホモポリマー物質に変更した以外は実施例1と同様にコイン型二次電池を作成した。
実施例1において活性層第1層および第2層に使用された化学式(1)で表される繰り返し単位からなるホモポリマー物質を、前記化学式(3)で表される繰り返し単位からなるホモポリマー物質に変更した以外は実施例1と同様にコイン型二次電池を作成した。
実施例1のLi金属箔をLi−Al合金箔(合金中のAlの組成比は30%)に変更した以外は実施例1と同様にコイン型二次電池を作成した。
実施例1のLi金属箔をLi−Ag合金箔(合金中のAgの組成比は10%)に変更した以外は実施例1と同様にコイン型二次電池を作成した。
実施例1のLi金属箔をLi−Sn合金箔(合金中のSnの組成比は10%)に変更した以外は実施例1と同様にコイン型二次電池を作成した。
実施例1のLi金属箔をLi−Pb合金箔(合金中のPbの組成比は1%)に変更した以外は実施例1と同様にコイン型二次電池を作成した。
実施例1のLi金属箔をLi−Si合金箔(合金中のSiの組成比は30%)に変更した以外は実施例1と同様にコイン型二次電池を作成した。
厚さ10μmの銅箔と厚さ30ミクロンのLi金属箔を張り合わせたものを負極とし、前記化学式(1)で表される繰り返し単位からなるホモポリマー物質と、導電付与剤として黒鉛化気相成長炭素繊維と、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを5:4:1の重量比に計量し、それらをn−メチルピロリドンと混合したスラリーを厚さ20μmのアルミ箔上に塗布し乾燥したものを正極とし、この正負極間にポリプロピレンからなるセパレータをはさみ、積層体を得た。この積層体を用いて実施例1と同様にコイン型二次電池を作成した。
作成したコイン型二次電池を2Vから4Vの電圧範囲で、定電流充放電を行った。充放電試験は20℃に設定した恒温槽内で行った。充電電流は1Cで行い。放電電流は1C電流と100C電流で行った。ここで任意のセルに対する1C電流とは1時間で放電が終わる電流値のことである。100C電流とは1Cの100倍の電流である。
試験結果を表1に示す。
2 Li金属もしくはLi−X合金
3 活性層
4 ニトロキシドラジカル重合体
5 第二の集電材料
A Li金属層もしくはLi−X合金層
B 活性層第一層
C 活性層第二層
Claims (8)
- 第1の集電材料と、前記第1の集電材料の表面に設けられたLi金属層もしくはLi−X合金層(XはAl、Ag、Sn、Pb群より選ばれる1種以上)と、前記Li金属層もしくはLi−X合金層上に設けられた活性層と、前記活性層上に設けられた第2の集電材料よりなり、
前記活性層は、
(1)前記Li金属層もしくはLi−X合金層に接しかつニトロキシドラジカル重合体とアセトンおよび/もしくはアセトニトリルとLi金属材料もしくはLi−X合金材料(XはAl、Ag、Sn、Pb群より選ばれる1種以上)とが混在した第1層と、
(2)ニトロキシドラジカル重合体を主とする第2層と、
を有し、前記Li金属材料もしくはLi−X合金材料は、前記Li金属層もしくはLi−X合金層と導通していることを特徴とする非水電解液二次電池。 - 前記Li−X合金中のXの割合が1から30%の範囲にある請求項1に記載の非水電解液二次電池。
- 第1の集電材料上にLi金属層もしくはLi−X合金層(XはAl、Ag、Sn、Pb群より選ばれる1種以上)を設ける工程と、
前記Li金属層もしくはLi−X合金層の表面に凹凸を設ける工程と、
前記Li金属層もしくはLi−X合金層の表面に粘度が0.01Pa・s以上5Pa・s以下であるニトロキシドラジカル重合体溶液を塗布して第1の活性層を設ける工程とを有する非水電解液二次電池の製造方法。 - 前記第1の活性層を形成した後、
前記第1の活性層上にニトロキシドラジカル重合体を主とする第2の活性層を設ける工程と、
前記第2の活性層上に第2の集電材料を設ける工程とを有する請求項4に記載の非水電解液二次電池の製造方法。 - 第2の集電材料上にニトロキシドラジカル重合体を主とする第2の活性層を設ける工程と、
前記第1の活性層を形成した後に前記第1の活性層上に前記第2の活性層を設ける工程とを有する請求項4に記載の非水電解液二次電池の製造方法。 - 前記ニトロキシドラジカル重合体溶液の溶媒がアセトンおよび/もしくはアセトニトリルである請求項4から6のいずれかに記載の非水電解液二次電池の製造方法。
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