JP2013065453A - リチウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高容量であって、特に、高温環境下での使用に対し、容量の低下を抑制し、サイクル特性の向上を図り、長寿命のリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】負極活物質としてSiOx(ただし、xは0.5≦x≦1.5を満たす数字を示す。)で表される酸化ケイ素を含み、かつ正極が、特定のリチウムニッケル酸化物と、特定のリン酸鉄リチウム化合物とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、高容量で、高いエネルギー密度を有すると同時に、放電終止の制御が容易であり、充放電に伴う容量の低下が抑制され長寿命のリチウム二次電池に関する。
有機溶媒を媒体として、正極、負極においてリチウムイオンを可逆的に吸蔵放出し、充放電を反復して行うことができ、高いエネルギー密度を有するリチウム二次電池は、ノートパソコンや携帯電話、ハイブリッド自動車や電動バイクの駆動電源、定置型の蓄電ユニット等に幅広く利用されている。このようなリチウム二次電池には、更なるエネルギー密度の向上が求められる一方において、反復される充放電に伴い正極、負極におけるリチウムイオンの吸蔵放出量が低減する、所謂サイクル劣化により寿命が定められてしまうことから、サイクル特性の向上が課題となっている。
高エネルギー密度の電池とするためには、単位質量当たりのリチウムイオンの吸蔵、放出量に相当する電荷量(質量容量密度)が高い電池活物質を使用することが有効であり、質量容量密度が高いケイ素は負極活物質として優れている。しかし、ケイ素はリウムイオンを吸蔵・放出する際の体積の膨張収縮が大きく、これを用いた負極は、初回充電でリチウムとケイ素が不可逆的に反応し、その後の充放電におけるリチウムイオンの可逆的な吸蔵放出量が低減する。結果として、正極にも不使用部分が生じ、電池としての容量が低下し、サイクル特性も低下することになる。このため、負極活物質としてケイ素よりも質量容量密度は小さいものの、リチウムイオンの吸蔵放出時の体積変化が小さい酸化ケイ素が採用されている。
しかしながら、酸化ケイ素を活物質とする負極においてもサイクル劣化が生じる。酸化ケイ素とリチウムイオンとの電気化学反応は、ケイ素原子同士が結合した部分と、ケイ素原子と酸素原子の結合した部分とでそれぞれ進行することから、酸化ケイ素を含む負極においては、充放電時にリチウムイオンと複数の反応が、異なる電位で進行し、充放電反応の電位が広範囲に亘る。これに伴い、リチウムイオンとの反応が阻害されることによる負極が被る劣化も、広範囲の電位領域で生じ、リチウムイオンとの不可逆反応が生じる電位も広範囲となる。具体的には、ケイ素原子とリチウムイオンの反応電位より高電位領域においては、酸化ケイ素の一部が、リチウムイオンと不可逆的に反応し、その後の充放電に与ることができないリチウムを生じさせ、電池容量の低下をもたらし、サイクル劣化が生じることになる。
酸化ケイ素の不可逆反応の進行を抑制するため、電池内部に金属リチウムからなる第三極を設置し、これと負極との電位差を監視する放電制御方法(特許文献1)が報告されている。しかしながら、この方法では、正極、負極に加えて第三の電極を必要とし、電池の構造が複雑になる上、体積が増大してしまう。
また、負極において充放電時に劣化を抑制するため、負極活物質としてケイ素を用い、正極活物質として、コバルト酸リチウム等のリチウム遷移金属複合酸化物と、低電位正極活物質とを用いて、サイクル特性の向上を図ったリチウム二次電池(特許文献2)が報告されている。
ケイ素を負極活物質とし、リチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質としたリチウム電池においては、正極と比較して初期充放電効率の低い負極に充放電効率が規制されるところ、特許文献2に記載されるリチウム二次電池においては、正極活物質にリン酸鉄リチウム等の低電位正極活物質を含ませることにより、放電末期において負極の電位が急上昇する以前に、正極の電位の急降下を生じさせ、充放電に伴う負極の劣化を抑制するものである。
しかしながら、ケイ素とリチウムイオンとの可逆反応が進行する電位範囲の幅は狭く、ケイ素を用いた負極は、吸蔵したリチウムの放出終了時、即ち放電末期に負極の電位が急激に上昇する。これに対し、酸化ケイ素を用いた負極は、リチウムイオンとの可逆反応が進行する電位範囲が広く、また、放電末期の負極の電位は徐々なる上昇が継続されるため、放電末期の検出は困難であり、負極活物質としてケイ素を用いた特許文献2に記載されるリチウム二次電池を、酸化ケイ素を負極活物質とするリチウム二次電池に適用することはできない。
その他、正極活物質としてリン酸鉄リチウムを含有する二次電池として、オリビン結晶構造を有するリチウム含有遷移金属複合酸化物と、層状結晶構造又はスピネル結晶構造を有するリチウム含有遷移金属複合酸化物とを含有し、電池電圧と電池残容量との関係を表す充放電曲線が2つ以上のフラット部と、フラット部間に介在するスロープとを有することにより、スロープ部における電池電圧の変化を容易に検出し、これにより過充電や、過放電の状態を回避する非水電解液二次電池(特許文献3)、ニッケル酸リチウム粒子の表面をオリビン化合物で被覆した正極活物質を用いることにより、電解液に対する安定性の向上を図った非水電解質二次電池(特許文献4)、ニッケル酸リチウム等と、リン酸鉄リチウム等を含む正極活物質を用いることにより、過充電又は過放電等を抑制し、安全性の向上を図ったリチウムイオン二次電池(特許文献5−7)等が報告されている。
このため、負極活物質として酸化ケイ素を用い、充放電に伴う体積変化による負極の劣化を抑制し、高い放電電位を有し、電池容量が大きく、放電終止の制御が容易であり、リチウムイオンとの不可逆反応を回避して、充放電に伴う容量の低下を抑制し、負極及び正極が有する電池容量の最大限の利用を図り、サイクル特性に優れ、長寿命のリチウム二次電池が要請されている。
特許第4088993号 特開2007−207490 特開2007−250299 特開2004−87299 特表2008−525973 特許2005−183384 特開2002−279989
本発明は、負極活物質として酸化ケイ素を用い、充放電に伴う体積変化による負極の劣化を抑制し、高い放電電位を有し、電池容量が大きく、放電終止の制御が容易であり、酸化ケイ素とリチウムイオンとの不可逆反応を回避して、充放電に伴う容量の低下を抑制し、負極及び正極が有する電池容量の最大限の利用を図り、サイクル特性に優れ、長寿命のリチウム二次電池を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定のリチウムニッケル酸化物と、リン酸鉄リチウム化合物とを含む正極活物質と、ケイ素酸化物を含む負極活物質とを用い、リン酸鉄リチウム化合物の含有量を特定することにより、ケイ素酸化物とリチウムイオンとの不可逆反応が生じる前の放電末期に、正極において検出が容易な電位変化の停滞部を経て急降下を生じさせることができることの知見を得た。そして、この正極の電位変化の停滞部分の検出により放電を終止させることにより、正極のみならず負極においても、リチウムイオンとの不可逆反応を抑制することができ、サイクル特性に優れたリチウム二次電池が得られることの知見を得て、かかる知見に基づき、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、負極活物質が、SiOx(但し、xは0.5≦x≦1.5を満たす数字を示す。)で表されるケイ素酸化物を含み、かつ正極活物質が、式(1)
LiNi1-aM1a2 (1)
(式中、M1はCo、Al、及びMgから選ばれる1種以上の元素を示し、aは、 0≦a≦0.3 を満たす数字を示す。)で表わされるリチウムニッケル酸化物と、式(2)
LiFe1-bM2bPO4 (2)
(式中、M2はMn、Co、及びMgから選ばれる1種以上の元素を示し、bは、 0≦b≦0.5を満たす。)で表されるリン酸鉄リチウム化合物とを含み、
式(2)で表されるリン酸鉄リチウム化合物を、式(1)で表されるリチウムニッケル酸化物と式(2)で表されるリン酸鉄リチウム化合物との合計の質量に対し、2質量%以上、30質量%以下の範囲で含むことを特徴とするリチウム二次電池に関する。
本発明のリチウム二次電池は、負極活物質としてケイ素酸化物を用い、充放電に伴う体積変化による負極の劣化を抑制し、高い放電電位を有し、電池容量が大きく、放電終止の制御が容易であり、酸化ケイ素とリチウムイオンとの不可逆反応を回避して、充放電に伴う容量の低下を抑制し、負極及び正極が有する電池容量の最大限の利用を図ることができ、サイクル特性に優れ、長寿命である。
本発明のリチウム二次電池の一例の放電電位と電池容量の関係を示す図である。 本発明のリチウム二次電池の一例を示す構成図である。
本発明のリチウム二次電池は、負極、正極、及びこれらを含浸する電解液を有する。
[負極]
上記負極としては、負極活物質を含む負極活物質層が負極集電体上に形成された構造を有するものが好ましい。
負極活物質として、SiOxで表されるケイ素酸化物(以下、ケイ素酸化物ともいう。)を含む。式中のxは0.5≦x≦1.5を満たす数字を示す。ケイ素原子と酸素原子がこのような組成比を有するケイ素酸化物であれば、質量容量密度が高い負極が得られ、これを含む負極において、リチウムイオンの吸蔵、放出に伴う体積膨張、収縮を抑制し、体積変化を小さくすることができる。このようなケイ素酸化物としては、ケイ素原子と酸素原子が結合したものに限らず、ケイ素原子とケイ素酸化物との混合物であって、混合物のケイ素原子に対する酸化原子の組成比が上記範囲のものであってもよい。
上記ケイ素酸化物は、平均粒子径D50が0.1μm以上、25μm以下であることが好ましく、より好ましくは、0.5μm以上、20μm以下である。平均粒子径が0.1μm以上であれば、サイクル劣化を抑制することができ、25μm以下であれば、リチウム吸蔵放出に伴う体積膨張収縮による負極の体積変化の緩和を図ることができる。
上記ケイ素酸化物を製造する方法としては、シリコーン樹脂やポリシロキサン等を熱分解する方法や、単体ケイ素とシリカ等と混合し、高温減圧下にて焼結する方法等を挙げることができる。
上記ケイ素酸化物粒子は、その表面に導電性物質の被膜を有することが好ましい。導電性被膜で被覆されたケイ素酸化物粒子を用いることにより、ケイ素酸化物粒子の導電性を高め、負極内部で分極が発生するのを抑制し、分極に起因する負極電位の変動を抑制することができる。ケイ素酸化物粒子の導電性被膜の素材としては、具体的には、炭素材料、銅、ニッケル、チタン、スズ等の金属の他、異元素をドープした二酸化チタン等の導電性セラミックスや導電性ポリマー等を挙げることができる。炭素材料は、そのものがリチウムイオンの吸蔵放出能を有する負極活物質であってもよい。被膜の厚さとしては、活物質の導電性が向上する厚さであればよく、例えば、1nm〜2000nmを挙げることができる。
上記ケイ素酸化物粒子に炭素被膜を形成する方法としては、例えば、高温下で酸化ケイ素粉末に有機化合物の気体を接触させて表面に炭化物を析出させる方法、ケイ素酸化物粒子の表面に高温下で熱分解する樹脂液等を被覆し、高温下で加熱する方法を挙げることができる。また、ケイ素酸化物粒子に金属等の被膜を形成する方法としては、被膜材料の蒸着やスパッタリングによる方法、無電解めっき液中にケイ素酸化物粒子を分散させ、めっき反応により金属材料をケイ素酸化物表面に析出させる方法等を適用することができる。
負極活物質として、上記ケイ素酸化物に加えて、充放電によりリチウムイオンの吸蔵放出機能を有する炭素材料を用いることが好ましい。負極活物質としての炭素材料は、リチウムイオンの吸蔵、放出に伴うケイ素酸化物の体積膨張、収縮に起因する負極の体積変化を抑制することができ、サイクル特性の向上を図ることができ、ケイ素酸化物粒子間の導通を良好にし、負極の導電性の向上ることができる。
負極活物質としての炭素材料は、ケイ素酸化物に対し、0.5〜80質量%の範囲で用いられることが好ましく、更に好ましくは、1〜20質量%である。また、この炭素材料は粉末状のものをケイ素酸化物の表面に予め付着させて用いることもできる。
更に、負極活物質として、上記ケイ素酸化物や炭素材料の機能を阻害しない範囲において、他の負極活物質を使用することができる。他の負極活物質としては、Al、Si、Pb、S、Zn、Cd、Sb、In、Bi、Ag、Ba、Ca、Hg、Pd、Pt、Te、La等の金属や、これらの合金、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化リチウム、リチウム鉄酸化物、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化銅、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化鉛などの金属酸化物、SnSやFeS2等の金属硫化物、ポリアセン若しくはポリチオフェン、又は窒化リチウム等を挙げることができる。これらは、ケイ素酸化物100質量部に対し、1〜10質量部の範囲で用いることができる。
負極活物質層には、ケイ素酸化物の導電性を補充する導電剤を含有させることもできる。導電剤としては、上記ケイ素酸化物粒子の被膜形成に用いられる導電性素材を挙げることができる。具体的には、負極活物質としての機能を有さない炭素材料、例えば、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック等や、銅、ニッケル、チタン等の金属質を用いることができる。これらの導電剤の平均粒子径は、負極活物質の平均粒子径より小径であることが、負極のエネルギー密度を低下させずに負極活物質間の間隙を充填し導電性を向上させることができ、好ましい。これらの導電剤は、負極活物質100質量部に対して、15質量部以下であることが好ましい。
上記負極活物質層の嵩密度としては、0.7g/cm3以上、2.0g/cm3以下の範囲であることが好ましい。負極活物質層の嵩密度が0.7g/cm3以上であれば、充分なエネルギー密度が得られ、2.0g/cm3以下であれば、負極活物質層中に電解液を含浸させ、リチウムイオンの吸蔵放出を容易にし、充放電容量が低下するのを抑制することができる。
負極活物質層は、上記負極活物質と導電剤等を結着させ、負極集電体に密着させる負極バインダーを用いて形成することができる。負極バインダーとしては、ポリアミドイミド、ポリイミド等のイミド結合を含有するポリマーを好適に用いることができる。負極バインダーの使用量は、負極活物質100質量部に対して、5〜20質量部とすることが好ましい。
負極活物質層の成形は、負極バインダーとして上記ポリイミドを用いる場合は、これらの前駆体となるポリアミック酸を、負極活物質と導電剤等と共に溶剤に分散・混練し、得られたスラリーを負極集電体の上に塗布し、高温雰囲気で加熱してイミド結合を形成することにより、行うことができる。スラリー形成に用いる溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等が好適である。得られた負極活物質層を、更に、常温又は高温下でプレス処理し、電極密度を高めることもできる。
負極集電体としては、電気化学的な安定性から、銅、ニッケル、銀、チタン、及びそれらの合金が好ましい。負極集電体の形状としては、箔、平板状、メッシュ状等いずれであってもよい。
このような負極は、上記負極活物質の機能を阻害しない範囲において、予めリチウムを補填したものであってもよい。負極に予めリチウムを補填する方法としては、負極活物質層上に、リチウムを直接蒸着する、圧延リチウム箔を貼り付ける等により、金属リチウムの薄膜を形成する方法、金属リチウム電極から電気化学的にリチウムを挿入する方法、炭酸リチウムや窒化リチウム等のリチウム化合物を混合あるいは塗布し、必要に応じて加熱する方法等を挙げることができる。
[正極]
上記正極としては、正極活物質を含む正極活物質層が正極集電体上に形成された構造を有するものが好ましい。
正極活物質として、式(1)
LiNi1-aM1a2 (1)
で表わされるリチウムニッケル酸化物と、式(2)
LiFe1-bM2bPO4 (2)
で表されるリン酸鉄リチウム化合物とを含む。
式(1)で表されるリチウムニッケル酸化物(以下、リチウムニッケル酸化物ともいう。)は、リチウム元素を含み、ニッケル元素を含む酸化物であればよいが、ニッケル元素の一部が、Co、Al、及びMgから選ばれる1種以上の元素で置換されていてもよい。これらの元素のニッケル元素に対する組成比としては、0以上、0.3以下である。リチウムニッケル酸化物は、質量容量密度が高く、充放電に伴うリチウムイオンの吸蔵放出量が大きく、これを正極に用いることにより、高容量の電池とすることができる。
上記チリウムニッケル酸化物は、式(1)中のM1として、Coを含むことが好ましい。更に、Coに加えて、Al若しくはMg、又はこれらの両方の元素を含んでいることが好ましい。AlとMgは、正極構造の安定化に加えて、サイクル時や高温保存時の抵抗上昇抑制に効果があるため、充放電時の正負極の電位変動を軽減させることができ、本発明の効果に対して好ましい効果を及ぼす。一方、AlやMgは、電気化学的な活性を持たないことから、充電容量が減少しない範囲で含有することが好ましい。
上記リチウムニッケル酸化物は、平均粒子径が0.5〜100μmであることが好ましい。
式(2)で表されるリン酸鉄リチウム化合物(以下、リン酸鉄リチウム化合物ともいう。)は、リチウム元素を含み、鉄元素を含むリン酸化合物であればよいが、鉄元素の一部が、Mn、Co、及びMgから選ばれる1種以上の元素で置換されていてもよい。これらの元素の鉄元素に対する組成比としては、0以上、0.5以下である。また、リン酸鉄リチウム化合物の酸素元素の一部が、フッ素又は塩素等によって置換されていてもよい。リン酸鉄リチウム化合物は、リチウムニッケル酸化物より低い電位でリチウムイオンとの可逆反応を進行させることができる。
上記リン酸鉄リチウム化合物は、平均一次粒子径が20〜1000nmであることが好ましい。
上記リン酸鉄リチウム化合物は、炭素材料で被覆されていることが、導電性の向上を図ることができ、好ましい。リン酸鉄リチウム化合物の炭素被膜は、上記ケイ素酸化物の炭素被膜と同様の材料を用い、同様の方法により形成することができる。
上記リン酸鉄リチウム化合物の含有量は、リチウムニッケル酸化物とリン酸鉄リチウム化合物との合計の質量に対して、2質量%以上、30質量%以下の範囲である。好ましくは、5質量%以上、20質量%以下である。リン酸鉄チリウム化合物の含有量が2質量%以上であれば、放電時において、負極の放電末期に対応する、検出が容易な正極の電位の停滞部を生じさせることができ、30質量%以下であれば、電池のエネルギー密度の低下を抑制することができ、また、正極活物質層を圧縮成形する場合、過度の荷重を回避することができる。
正極活物質として、上記リチウムニッケル酸化物及びリン酸鉄リチウム化合物の機能を阻害しない範囲において、他の正極活物質を使用することができる。他の正極活物質としては、LiM1xMn2-x4(M1:Mn以外の元素、0<x<0.4)、LiCoO2、Li(M2xMn1-x)O2(M2:Mn以外の元素)、Li(M3xNi1-x)O2(M3:Ni以外の元素)、Li2MSiO4(M:Mn、Fe、Coのうちの少なくとも一種)等を挙げることができる。これらは一種又は二種以上を組み合わせて使用することができる。これらは、上記リチウムニッケル酸化物及びリン酸鉄リチウム化合物の合計の質量に対し、40質量%以下の範囲で用いられることが好ましい。
正極活物質層には、導電剤等の添加物を含有させることもできる。導電剤としては、炭素材料等、負極活物質層に用いる導電剤と同様のものを用いることができ、含有量は、正極活物質100質量部に対して、3〜5質量部を挙げることができる。
上記正極活物質層の嵩密度としては、2.6〜4.2g/cm3であることが好ましい。正極活物質層の嵩密度が、2.6g/cm3以上であれば、充分なエネルギー密度が得られ、4.2g/cm3以下であれば、正極活物質層中に電解液を含浸させ、リチウムイオンの吸蔵放出を容易にし、充放電容量が低下するのを抑制することができる。
正極活物質層は、上記正極活物質と必要に応じて導電剤等を結着させ、正極集電体に密着させる正極バインダーを用いて形成することができる。正極バインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等が好適であり、その他、ポリアミドイミド、ポリイミド等のイミド結合を含有するポリマーも用いることができる。正極バインダーの使用量は、正極活物質100質量部に対して、5〜20質量部とすることが好ましい。
正極活物質層の成形は、正極活物質と導電剤等と共に溶剤に分散・混練し、得られたスラリーを正極集電体上に塗布し、乾燥、加熱すればよい。スラリー形成に用いる溶剤としては、負極活物質層形成用スラリ−に用いたものと同様のものを用いることができる。得られた負極活物質層を、更に、常温又は高温下でプレス処理し、電極密度を高めることもできる。
正極集電体としては、電気化学的な安定性であれば、いずれであってもよいが、例えば、アルミニウムを挙げることができ、その形状は、負極集電体と同様のものを挙げることができる。
[電解液]
電解液は、非水系の有機溶媒に、電解質を溶解したものであり、リチウムイオンを溶解可能な液であり、充放電時の正極負極においてリチウムの吸蔵放出を可能とするため、正極と負極を漬浸して設けられる。
上記電解液の溶媒は、反復して行われる充放電によっても電解液の分解が抑制され、正極及び負極を充分に漬浸できる流動性を有することが、電池の長寿命化を図ることができるため、好ましい。電解液溶媒として、具体的には、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の鎖状カーボネート類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクトン等のγ−ラクトン類、1,2−エトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)等の鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル類、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、N−メチルピロリドン等の非プロトン性有機溶媒を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
電解液に含まれる電解質としては、リチウム塩が好ましい。リチウム塩としては、具体的に、LiPF6、LiAsF6、LiAlCl4、LiClO4、LiBF4、LiSbF6、LiCF3SO3、LiC49CO3、LiC(CF3SO23、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウム、LiBr、LiI、LiSCN、LiCl、イミド類、フッ化ホウ素類等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
また、電解液に代えてポリマー電解質、無機固体電解質、イオン性液体などを用いてもよい。
電解液中の電解質の濃度としては、0.01mol/L以上、3mol/L以下であることが好ましく、より好ましくは、0.5mol/L以上、1.5mol/L以下である。電解質濃度がこの範囲であると、安全性の向上を図ることができ、信頼性が高く、環境負荷の軽減に寄与する電池を得ることができる。
[リチウム二次電池]
本発明のリチウム二次電池の放電時における電位変化は、以下のとおりである。
リチウムニッケル酸化物のみを活物質とする正極においては、図1(a)に示すように、広い電位範囲でのリチウムイオンとの反応により、リチウムを可逆的に吸蔵し、これに伴い、正極の電位は徐々に低下し、正極に含まれるリチウムニッケル酸化物が可逆的に吸蔵可能なリチウム量の満量を吸蔵したとき、正極の電位は急激に低下する。正極の容量を可能な限り最大限に利用するように、正極の電位が急激に低下する電位(正極極値電位ともいう。)近傍では主に正極の電位変化によって電池電圧が低下するため、負極の電位がほとんど変わらないまま放電終止電圧に到達し、電池放電が終了する。あるいは、このような動作をするように、予め放電時の電池電圧と正極電位を測定しておくことで、正極電位が正極極値電位に到達した前後で放電を終了するように、放電終止電圧を設定できる。しかしながら、この正極極値電位は、放電電流や温度や、正極活物質層中に含有される正極活物質量の不均一性等の影響を受け、変動する。このため、ある特定の条件化で上述のように負極電位が変動しないように電極や放電終止電圧の設計を行っても、実際には正極極値電位が変化してしまい、正極電位が大きく動かないまま放電が進行し、負極電位が大きく上昇することがある。この結果として、ケイ素酸化物負極の不可逆な変性を引き起こし、容量が低下するおそれがある。このため、ケイ素酸化物を含む負極においてリチウムイオンとの不可逆反応が生じる電位に晒されることがないように、正極の電位により電池の放電終止電位を定める場合、安全性を考慮することから、利用可能な正極の容量に対し、利用効率は低くなる。
これに対し、本発明リチウム二次電池の放電時の正極の電位と容量の関係は、リチウムニッケル酸化物とリン酸鉄リチウムが、それぞれ可逆的にリチウムを吸蔵することから、これらが複合したものとなる。具体的には、放電時の正極の電位は、図1(d)に示すように、図1(a)に示す広い電位範囲でリチウムイオンと反応するリチウムニッケル酸の作用により連続的に徐々に低下する部分aと、リチウムニッケル酸化物のリチウムイオンとの反応電位より低電位の一定電位において反応する図1(c)に示すリン酸鉄リチウムの作用による一定電位部分(滞留部)cと、一定電位部分cの経過後、正極の電位が急激に低下する急降下部分dとを有する。この滞留部c近傍において負極の電位が上昇し始めると、正極の電位がほぼ一定であることから、電池電圧から負極電位が容易に推定できるようになる。このため、放電終止時の負極電位が類推できるようになる。あるいは、放電終止時の負極電位をケイ素酸化物の変質を起こさない電位となるように、放電終止電圧を設定することができる。また、前述のような正極極値電位の変動時においても、正極電位の滞留部cに到達した時点からリン酸鉄リチウムがリチウムを吸蔵し始めるために、放電電流がニッケル酸リチウム成分とリン酸鉄リチウム成分とに配分され、ニッケル酸リチウムにかかる電流負荷が軽減される結果、これ以上の正極電位低下を抑制できる。結果として、正極が過度に低電位に晒されることを回避することができ、正極及び負極において、リチウムイオンとの不可逆反応等によるサイクル劣化を回避することができ、その容量を最大限に利用した放電が可能となり、サイクル特性の向上を図ることができる。
上記正極の放電終止電位は、電池電圧2.5Vまで放電させた際、金属リチウム対極で3.7V以下であることが好ましく、より好ましくは、3.3V〜3.7Vである。正極の放電終止電位が3.3V以上であれば、リン酸鉄リチウムの動作電位である3.4V近傍で放電を終了させることができ、充放電に伴うサイクル特性の劣化を抑制することができる。また、正極の放電終止電位が3.7V以下であれば、エネルギー密度の低下を抑制する範囲で、且つ電池容量の最大限の利用を図ることができる。
放電終止電位は、以下の方法により測定した正極電位の測定値を採用することができる。20℃の恒温雰囲気下で、充電容量を5時間で放電を終了させる放電量、0.2Itレートの定電流にて電池電圧が2.5Vとなるまで放電させた後、10分以上経過後の正極電位を測定する。正極電位は、例えば不活性雰囲気下において電池を開封した後、金属リチウムを貼り付けた銅箔を該電池中の余剰電解液に電極と短絡しないように浸漬させ、金属Li極と該電池の正極との間の電圧を測定する。金属リチウムを浸漬させる際には、一般的にリチウム二次電池に用いられるセパレーターを併用すると簡便である。電位の測定は、正極の端部ではなく、中央部で且つ負極と対向している部分の近くに金属リチウム電極を挿入して測定することが好ましい。更に、この構成に加えて電池寿命や入出力特性を高めるために、セルの放電終止電圧を2.5Vよりも高い値に設定して使用することもできる。
上記リチウム二次電池の形状は、円筒型、扁平捲回角型、積層角型、コイン型、巻回ラミネート型、扁平捲回ラミネート型、積層ラミネート型等のいずれでもよい。上記リチウム二次電池の一例として、図2に示す積層ラミネート型を挙げることができる。この積層ラミネート型リチウム二次電池は、負極集電体2及びその面上に形成された負極活物質層1からなる負極と、正極集電体4及びその面上に形成された正極活物質層3からなる正極とを有する。この負極活物質層1と正極活物質層3は、これらの接触を回避するセパレーター5を介して対向配置され、電解液に含浸された状態で、外装体8内に収納されている。セパレーターは電解液に対して耐久性を有するものであれば、いずれであってもよく、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系微多孔膜、セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン等の多孔質フィルム、不織布等を用いることができる。
また、外装体は正極及び負極、セパレーター、電解液を安定して保持可能な強度を有し、これらの物質に対して電気化学的に安定で、水密性を有するものが好ましく、例えば、ステンレス、ニッケルメッキを施した鉄、アルミニウム、これらの合金、金属ラミネート樹脂等を用いることができ、金属ラミネート樹脂に用いる樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等を用いることができる。
負極集電体2及び正極集電体4には、それぞれ負極タブ6及び正極タブ7が接続され、これらが外装体外部へ引き出され、端子とされる。
図示はしないが、更に、放電時の正極電位の滞留部を検出する検出回路、検出回路からの正極電位の滞留部の検出信号により、放電を終了させる制御回路等が設けられる。
[実施例1]
負極活物質として、レーザ回折・散乱法により測定される平均粒径D50が5μmとなるように調整された、ケイ素酸化物粒子(質量比Si/O=60/40)90質量部に対して、10質量部相当の炭素質被覆を施した粉体を準備した。得られたケイ素酸化物粒子85質量部に、バインダー溶液としてのポリアミック酸のNMP溶液50質量部(溶媒揮発後に得られるポリイミド量は10質量部に相当)、及び導電剤としてのカーボン粉末(非晶質炭素粉末)5質量部を混合し、更に溶剤としてのNMPを加えて溶解・分散させ、負極活物質層用塗布液のスラリーを作製した。このスラリーを厚さ10μmの銅箔の両面に150×80mmの四角形の形状に塗布し、乾燥炉にて125℃で5分間の乾燥処理を行った。この際、負極活物質層が、初回充電容量(対金属Li電池にて20mVでの定電圧放電を60時間実施した際の容量)が1500mAhとなるよう塗布量を調節した。その後、ロールプレスにて圧縮成型を行い、再び乾燥炉にて300℃で15分間の熱処理を行って、ポリアミック酸からイミド結合を形成し、負極集電体の両面に負極活物質層を形成した。これを160×90mmの四角形の形状に打ち抜き、負極集電体の両面に負極活物質層を形成した負極を作製した。
一方、LiNO2なる組成を持つリチウムニッケル酸化物粉末と、LiFePO4なる組成を持つリン酸鉄リチウム粉末を80対20の質量比にて混合した活物質粉末92質量部と、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデン4質量部、及び導電剤としてのカーボン粉末(非晶質炭素粉末)4質量部を混合し、更に溶剤としてのNMPを加えて溶解・分散させ、正極活物質層用塗布液のスラリーを作製した。このスラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に150×80mmの四角形の形状に塗布し、乾燥炉にて125℃で5分間の乾燥処理を行った。この際、アルミ箔上の正極合剤層が、初回充電容量(対金属Li電池にて30mA、4.3Vまでの定電流放電を実施した際の容量)が1000mAhとなるよう調節した。その後、ロールプレスにて圧縮成型を行い、正極集電体の片面に正極活物質層を形成した。これを160×90mmの四角形の形状に打ち抜き、正極集電体の片面に正極活物質層を形成した正極を2枚作製した。
次いで、ポリプロピレンの多孔性フィルムからなる170×100mmの四角形の形状のセパレーターを用意した。そして、下から、正極、セパレーター、負極、セパレーター、正極の順に、正極活物質層が内側となるように重ね合わせて電極積層体を得た。
次いで、負極集電体に、電極の引き出しのためのニッケルからなる負極端子を、超音波接合によって融着した。また、負極端子の反対側で2枚の正極集電体を重ね合わせ、そこに電極の引き出しのためのアルミニウムからなる正極端子を、超音波接合によって融着した。こうして、正極端子と負極端子とを対向する長辺部分に配置した。
得られた積層体の両側から、接着層が積層体側となるように外装フィルムを重ね合わせた後、外装フィルムの外周部が重なり合っている四辺中三辺を、ヒートシールにより熱融着(封止)させた。その後、電解液を注液し、真空下にて最後の一辺を熱融着させた。ここで、電解液としては、EC、DEC及びEMCを体積比で3:5:2の割合で混合した溶媒に、LiPF6を1mol/lの濃度で溶解させたものを用いた。こうして負極端子及び正極端子の先端が、外装フィルムから互いに反対方向に向いて外部に突出しているラミネート型リチウム二次電池を得た。この電池を20℃の恒温槽にて1昼夜静置し、試験に供した。
[サイクル特性試験]
得られたラミネート型電池に対し、20℃の定温雰囲気下において、30mAにて定格である4.2Vまでの充電を行った後、2.5Vまでの放電を行い、このときの放電容量を測定した。これを初回放電容量とする。次いで、初回放電容量(mAh)を1時間で放電する電流レートにて同様に4.2Vから2.5Vの間で充放電サイクルを繰り返した。このサイクルの放電容量が初回放電容量の70%に到達した時点をサイクル寿命とした。結果を表1に示す。
また、正極活物質層の厚さをマイクロメーター(デジマチック標準外側マイクロメーター:ミツトヨ社製)で測定した。結果を表1に示す。
[実施例2]
リチウムニッケル酸化物とリン酸鉄リチウムの質量比を85:15として混合した以外は、実施例1と同様に電池を作製し、サイクル特性試験を行った。結果を表1に示す。
[実施例3]
リチウムニッケル酸化物とリン酸鉄リチウムの質量比を90:10として混合した以外は、実施例1と同様に電池を作製し、サイクル特性試験を行った。結果を表1に示す。
[実施例4]
リチウムニッケル酸化物とリン酸鉄リチウムの質量比を93:7として混合した以外は、実施例1と同様に電池を作製し、サイクル特性試験を行った。結果を表1に示す。
[実施例5]
リチウムニッケル酸化物とリン酸鉄リチウムの質量比を95:5として混合した以外は、実施例1と同様に電池を作製し、サイクル特性試験を行った。結果を表1に示す。
[実施例6]
リチウムニッケル酸化物とリン酸鉄リチウムの質量比を98:2として混合した以外は、実施例1と同様に電池を作製し、サイクル特性試験を行った。結果を表1に示す。
[実施例7]
リチウムニッケル酸化物とリン酸鉄リチウムの質量比を70:30として混合した以外は、実施例1と同様に電池を作製し、サイクル特性試験を行った。結果を表1に示す。
[実施例8]
リチウムニッケル酸化物としてLiNi0.8Co0.15Al0.052なる組成の粉末を用いた以外は、実施例1と同様に電池を作製し、サイクル特性試験を行った。結果を表1に示す。
[実施例9]
リチウムニッケル酸化物としてLiNi0.8Co0.15Mg0.052なる組成の粉末を用いた以外は、実施例1と同様に電池を作製し、サイクル特性試験を行った。結果を表1に示す。
[実施例10]
リチウムニッケル酸化物としてLiNi0.8Co0.13Al0.04Mg0.032なる組成の粉末を用いた以外は、実施例1と同様に電池を作製し、サイクル特性試験を行った。結果を表1に示す。
[実施例11]
負極活物質として、炭素質被覆を施していない酸化ケイ素粉末(Si/O = 60/ 40(質量比)を使用し、活物質粉末80質量部に対して導電剤10質量部、及びバインダー溶液としてのポリアミック酸−NMP溶液50質量部(うち乾燥質量10)を用いた以外は、実施例1と同様に電池を作製し、サイクル特性試験を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
正極活物質としてリン酸鉄リチウムを用いずに、リチウムニッケル酸化物のみを用いた以外は、実施例1と同様に電池を作製し、サイクル特性試験を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
リチウムニッケル酸化物とリン酸鉄リチウムの質量比を60:40として混合した以外は、実施例1と同様に電池を作製し、サイクル特性試験を行った。結果を表1に示す。
[比較例3]
リチウムニッケル酸化物としてLiNi0.8Co0.15Al0.052なる組成の粉末を用い、かつリン酸鉄リチウムを用いなかったこと以外は、実施例1と同様に電池を作製し、サイクル特性試験を行った。結果を表1に示す。
[比較例4]
リチウムニッケル酸化物としてLiNi0.8Co0.15Mg0.052なる組成の粉末を用い、かつリン酸鉄リチウムを用いなかったこと以外は、実施例1と同様に電池を作製し、サイクル特性試験を行った。結果を表1に示す。
[比較例5]
リチウムニッケル酸化物としてLiNi0.8Co0.13Al0.04Mg0.032なる組成の粉末を用い、かつリン酸鉄リチウムを用いなかったこと以外は、実施例1と同様に電池を作製し、サイクル特性試験を行った。結果を表1に示す。
[比較例6]
正極活物質としてリン酸鉄リチウムを用いずに、リチウムニッケル酸化物のみを用いた以外は、実施例11と同様に電池を作製し、サイクル特性試験を行った。結果を表1に示す。
表1に示したように、正極活物質としてリチウムニッケル酸化物のみを用いたものに比較して、リン酸鉄リチウムを混合すると、サイクル寿命が向上した。同様の効果はリチウムニッケル酸化物のニッケルを一部他の元素に置換した正極活物質を用いたものでも得られた。一方、リン酸鉄リチウムを正極活物質に対し40質量%以上用いると、正極の厚みが増大し、電池全体の厚みが増大して嵩高くなるばかりでなく、空隙を充填する電解液量も増加するために、質量も増加してしまい、電池のエネルギー密度が低下した。
本発明は、携帯電話やノートパソコンなどの携帯機器の他、ハイブリッド自動車や電気自動車、電動バイクのなどの駆動電源用途、家庭用や産業用の非常電源用途などの定置型蓄電装置として用いることができる。
1 負極活物質層
2 負極集電体
3 正極活物質層
4 正極集電体
5 セパレーター
6 負極端子
7 正極端子
8 外装体

Claims (9)

  1. 負極活物質が、SiOx(但し、xは0.5≦x≦1.5を満たす数字を示す。)で表されるケイ素酸化物を含み、かつ正極活物質が、式(1)
    LiNi1-aM1a2 (1)
    (式中、M1はCo、Al、及びMgから選ばれる1種以上の元素を示し、aは、 0≦a≦0.3 を満たす数字を示す。)で表わされるリチウムニッケル酸化物と、式(2)
    LiFe1-bM2bPO4 (2)
    (式中、M2はMn、Co、及びMgから選ばれる1種以上の元素を示し、bは、 0≦b≦0.5を満たす。)で表されるリン酸鉄リチウム化合物とを含み、
    式(2)で表されるリン酸鉄リチウム化合物を、式(1)で表されるリチウムニッケル酸化物と式(2)で表されるリン酸鉄リチウム化合物との合計の質量に対し、2質量%以上、30質量%以下の範囲で含むことを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 式(1)中、M1がCoを示すことを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池。
  3. 式(1)中、M1がCoと、更に、Al及びMgから選ばれる1種以上を含む元素を示すことを特徴とする請求項2に記載のリチウム二次電池。
  4. 前記リン酸鉄リチウム化合物が、炭素で被覆されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  5. 負極活物質として、炭素材料を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  6. 負極活物質が、構成単位としてイミド結合を含む有機高分子結着剤により一体化されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  7. ケイ素酸化物が表面に導電性の被膜を有する粒子状であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  8. 電池電圧2.5Vまで放電させた際の正極電位が、金属リチウム対極で3.7V以下となることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  9. 放電時に正極に生じる電位の停滞部により、放電終止を制御することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のリチウム二次電池。
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