JP5411915B2 - 接着剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリクロロプレン溶剤系接着剤に関する。
ポリクロロプレン溶剤系接着剤とは、ポリクロロプレンを有機溶剤に溶解させて製造させた接着剤である。ポリクロロプレンは、極性ポリマーで凝集力が高いため、ポリクロロプレンを主成分とした溶剤系接着剤は、木材、ゴム、プラスチック、金属など様々な材質の接着に使用されている。また、1分子内に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物を硬化剤として使用することによって、接着剤の耐熱性や耐久性を向上させる技術が知られている。
例えば、特許文献1には、加硫ゴムの接着に際して、ポリクロロプレンを主成分とする主剤と、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物(低分子化合物)の硬化剤を組み合わせた2液型接着剤に関する技術が記載されている。
特許文献2には、ポリクロロプレンと、水酸基含有炭化水素樹脂と多官能イソシアネート化合物との反応物(イソシアネート基含有炭化水素樹脂)を主成分として含有する接着剤に関する技術が記載されてている。
特許文献3には、コンベアベルト用接着剤として、ポリクロロプレンを主成分とするゴム組成物と有機溶剤を含有する主剤と、イソシアネート化合物の硬化剤を組み合わせた2液型接着剤に関する技術が記載されている。この特許文献では、イソシアネート化合物は、トリフェニルメタン−トリイソシアネート、チオリン酸トリス−(p−イソシアネート−フェニル)エステル、4’,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の1分子中に複数個のイソシアネート基を有する低分子化合物が使用されている。
特許文献4には、イソシアネート末端プレポリマー、水酸基を有する数平均分子量500〜10000の液状ポリクロロプレン、分子内にクロロプレン単位を持たないポリオール化合物、及び無機充填剤からなる接着剤が記載されている。
特開昭63−27534 特開平5−239424 特開2001−316656 特開昭58−21470
これら、特許文献1〜4に記載された接着剤は、ポリクロロプレンとイソシアネート化合物の反応、あるいは接着剤中の水酸基やアミノ基などを有する配合剤とイソシアネート化合物の反応が速く、ポットライフが短いものである。接着剤のポットライフが短いと、塗布面積が広く塗布作業時間が長い場合に、数時間毎に主剤と硬化剤を混合しなければならないため、作業効率が悪い。なお、ポットライフとは、主剤のポリクロロプレン溶液と硬化剤のイソシアネート化合物を混合した後、塗布可能な粘度を維持している時間のことである。
特許文献4に記載された技術は、有機溶剤を含まない接着剤であるため、作業現場で有機溶剤が揮散しない長所がある。しかしながら、重合度が低い液状のポリクロロプレンとイソシアネート化合物は、その反応速度が遅いため、溶剤系接着剤と比較して、接着剤が固化するのに時間がかかってしまう。接着剤は塗布する時に液状で、張り合わせ後は固体にならなければならない。つまり、固体になるのに時間がかかれば、十分な接着力が発現されて使用可能になるまでに長い時間が必要となってしまう。
本発明は、ポットライフが長く、接着力に優れたポリクロロプレン溶剤系接着剤を提供することを目的とする。
ポリクロロプレン重合体100質量部に対して、ポリオキシエチレン基変性ポリイソシアネートを固形分換算で1〜30質量部、有機溶剤を150〜1900質量部含有することによって、接着力と貯蔵安定性に優れたポリクロロプレン溶剤系接着剤組成物が得られることを見いだし、上記課題を解決した。なお、更に、クロロプレン重合体100質量部に対して、酸化亜鉛を0.05〜10質量部、粘着付与樹脂を5〜100質量部含有することが好ましい。
本発明によれば、ポットライフが長く、接着力に優れたポリクロロプレン溶剤系接着剤を得ることができる。
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
クロロプレン重合体とは、2−クロロ−1,3−ブタジエン(以下、クロロプレンと記す)の単独重合体、または、クロロプレンと、クロロプレンと共重合可能な単量体の共重合体である。
クロロプレンと共重合可能な単量体としては、例えば、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、硫黄、メタクリル酸及びそのエステル類、アクリル酸及びそのエステル類が挙げられ、必要に応じて2種類以上用いても良い。クロロプレン以外の単量体を併用する場合、その仕込み量は、単量体の合計100質量部のうち、0.01〜5質量部が好ましい。
クロロプレン重合体は、上記した単量体を水中で乳化剤及び/または分散剤の存在下において乳化重合させることによって得られるものである。乳化重合に使用される乳化剤及び/または分散剤は、クロロプレンの乳化重合で用いられる、アニオン性化合物、ノニオン性化合物、カチオン性か化合物など一般的なものでよく、特に限定するものではない。アニオン性化合物の具体例としては、カルボン酸型、硫酸エステル型などがあり、例えば、ロジン酸のアルカリ金属塩、炭素数が8〜20個のアルキルスルホネート、アルキルアリールサルフェート、ナフタリンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物等が挙げられる。ノニオン性化合物の具体例としては、ポリビニルアルコールまたはその共重合体(例えばアクリルアミドとの共重合体)、ポリビニルーテルまたはその共重合体(例えば、マレイン酸との共重合体)、ポリオキシエチレアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアシルエステルなどが挙げられる。カチオン性化合物の具体例としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩等があり、例えば、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
これらの中では、ロジン酸のアルカリ金属塩を用いることが最も好ましい。
乳化重合時の乳化剤及び/または分散剤ロジン酸のアルカリ金属塩の仕込み量は、初期仕込み単量体の合計100質量部に対して0.5〜20質量部が好ましい。0.5質量部未満では、乳化力が十分ではなく、20質量部を超えると重合中の発泡が問題となったり、最終的な接着剤組成物の物性に悪影響を及ぼす可能性がある。
乳化重合の条件は、特に限定されるものではなく、重合温度、重合開始剤、連鎖移動剤、重合停止剤、重合率などを任意に選択することで、分子量、分子量分布、分子末端構造、結晶化速度を制御することが可能である。
乳化重合時の重合温度は、特に限定されるものではないが、重合反応を円滑におこなうために、5〜50℃とすることが好ましい。開始剤は、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、第3−ブチルヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物等であり、特に限定されるものではない。
連鎖移動剤の種類は特に限定されるものではなく、通常クロロプレンの乳化重合に使用されるものが使用できるが、例えばn−ドデシルメルカプタンやtert−ドデシルメルカプタン等の長鎖アルキルメルカプタン類、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドやジエチルキサントゲンジスルフィド等のジアルキルキサントゲンジスルフィド類、ヨードホルム等の公知の連鎖移動剤を使用することができる。
重合停止剤(重合禁止剤)は特に限定するものではなく、例えば、2,6−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール、フェノチアジン、ヒドロキシアミン等が使用できる。
最終重合率は、特に限定するものではないが、70〜100%で任意に調節することができる。未反応単量体の除去(脱モノマー)は、減圧加熱等の公知の方法によっておこなう。
本発明のポリオキシエチレン基変性のポリイソシアネートとは、(A)脂肪族及び/または脂環族のジイソシアネート、あるいはそれから得られるポリイソシアネート(プレポリマー)と、(B)1つ以上の水酸基を有し、エチレンオキサイド繰返単位を有するポリエチレングリコール類を反応させて得られるポリイソシアネートである。
(A)脂肪族または脂環族ジイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアネートシクロヘキサン等が挙げられる。特に、ヘキサメチレンジイソシアネートは、得られるポリイソシアネートの粘度が低くなり、接着剤の粘度が調節しやすいため、最も好ましい。
(B)ポリエチレングリコール類としては、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどがある。
ポリオキシエチレン基変性ポリイソシアネートは、化合物中のポリオキシエチレン基(ポリエチレングリコール鎖)が乳化剤として機能するため水中で乳化分散することができ、現在では、ポリクロロプレンラテックスを原料に用いた水系接着剤の硬化剤として利用されている。しかし、水分を全く含まない溶剤系接着剤では、このような硬化剤を使用することはなく、低分子量のイソシアネート化合物が硬化剤に使用されていた。しかし、本発明の接着剤組成物は、高分子量のポリイソシアネートを硬化剤として使用することによって、クロロプレン分子鎖中の水酸基とイソシアネート基の反応点を減らし、さらに、イソシアネート基の一部をポリオキシエチレン鎖で保護してその反応速度も低く抑えることによって、ポットライフを延長させることに成功した。また、張り合わせ後も、接着剤層にイソシアネート基が残存するため、空気中の湿気と徐々に硬化反応を進行させることもできる。
ポリオキシエチレン基変性ポリイソシアネートのイソシアネート基含有率は、不揮発分100%の状態(ポリイソシアネート中に、実質的に揮発性のジイソシアネートや溶剤等の揮発成分を含んでいない状態)で3〜24%、好ましくは8〜18%である。この範囲であれば、あらゆる用途で十分なポットライフと接着力を維持することができる。なお、本発明のイソシアネート基含有率は、JIS K1603−1で規定されている方法(下式)で測定する。
=4.202×(V−V)×c/m
:イソシアネート基含有率(%NCO)
:空試験に要した、塩酸使用量(mL)
:試料の滴定に要した、塩酸使用量(mL)
:試料の質量(g)
ポリオキシエチレン基変性ポリイソシアネートの含有量は、ポリクロロプレン重合体100質量部に対して、固形分換算で1〜30質量部が好ましい。1質量部未満では、十分な接着力を得ることができず、30質量部を超えると、接着剤皮膜の可撓性を損なう可能性がある。
本発明で使用する有機溶剤は、特に限定されず、クロロプレン重合体の溶解性を考慮して船底すればよい。
有機溶剤の具体例として、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などが挙げられ、二種類以上の有機溶剤を混合しても良い。有機溶剤の添加量は、クロロプレン重合体100質量部に対して、150〜1900質量部が好ましい。更に好ましくは、200〜1000質量部以下である。150質量部よりも少ないと、固形分濃度及び粘度が高すぎて塗工性に問題が生じる可能性がある。また1900質量部を超えると、接着剤組成物の固形分濃度が低くなり過ぎ接着性能が低下する恐れがある。
本発明の接着剤組成物は、酸化亜鉛を含有することが好ましい。クロロプレン重合体は、日光に曝されたり、高温下で長期間貯蔵されたりすると、経時で脱塩酸反応を起こす性質がある。酸化亜鉛は、塩酸の受酸剤としての役割を果たすため、これを配合すれば、接着剤の貯蔵安定性を向上させたり、変色を抑制したりすることができる。酸化亜鉛の含有量は、クロロプレン重合体100質量部に対して、0.05〜10質量部含有することが好ましい。0.05質量部未満では、接着力向上効果が得られず、10質量部を超えると、ポリマー同士の粘着を阻害してしまい接着不良を起こす可能性がある。
酸化亜鉛の種類は特に限定されない。酸化亜鉛の製造方法には、金属亜鉛を気化させて、亜鉛蒸気を酸化させて酸化亜鉛を製造する間接法、亜鉛鉱石から亜鉛を還元させながら気化させて、亜鉛蒸気を酸化させて酸化亜鉛を製造する直接法、水相中で炭酸亜鉛を生成させて、これを、か焼して製造する湿式法などがあり、製造方法によって、粒子径、表面積、粒子形状などの粉体特性が異なるが、いずれの酸化亜鉛を用いても良い。粒子形状は、不定形、多孔性、微粒子、球状、薄片状、針状、テトラポット形状のいずれであっても良い。また、酸化亜鉛は、接着剤に配合する前に、シランカプリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤で表面処理しておき、接着力向上を図ることも可能である。
本発明の接着剤組成物は、塗布直後の粘着性(タック)を向上させて、接着力を向上させるため、粘着付与樹脂を配合することが好ましい。粘着付与樹脂は、溶剤系接着剤の分野において一般的に使用されているものであり、その種類は限定されない。粘着付与樹脂の具体例としては、ロジン樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジン樹脂、重合ロジン樹脂、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、テルペンフェノール樹脂、C留分系石油樹脂、C留分系石油樹脂、C/C留分系石油樹脂、DCPD系石油樹脂、アルキルフェノール樹脂、キシレン樹脂、クマロン樹脂、クマロンインデン樹脂などが挙げられる。例えば、履き物の靴底や部品の接着に使用する場合には、耐熱接着力を考慮して、軟化点が80〜150℃のものが好ましい。
粘着付与樹脂の添加量は、クロロプレン重合体100質量部に対して、5〜100質量部、好ましくは20〜80質量部が適切である。粘着付与樹脂は、5質量部以上用いると初期接着力及び常態接着力の向上が認められるが、100質量部を超えると、接着剤皮膜の可撓性を損なう可能性がある。
本発明の接着剤組成物には、用途及び要求性能に応じて、増粘剤、加硫促進剤、充填剤(補強剤)、顔料、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防黴剤、防腐剤、抗菌剤、可塑剤、防錆剤、ポリクロロプレン以外のポリマーなどを任意に配合することができる。
本発明の接着剤組成物の使用条件は特に限定されない。
被着体としては、金属、木材、コンクリート、ゴム、繊維布、陶器などが挙げられ、例えば履き物では、布類(ナイロン、ポリエステル、綿などの編布、織布、不織布)、天然皮革(牛皮、カンガルー皮など)、人工皮革(ポリウレタン、ポリ塩化ビニル樹脂など)、加硫ゴム(SBR、CR、IR、IIR、NBR、BR)、樹脂(ポリウレタン、EVAなどの発泡体または非発泡体)などの同種または異種の接着に用いることができる。
塗布する方法及び装置仕様は特に限定されない。具体的には、カーテンフローコーター法、バーコーター法、ロールコーター法、スプレー法などが挙げられ、更にロールコーター法には、グラビアロールコーター法、リバースグラビアコーター法などがある。用途に合った塗布方法を選択すれば良いが、例えば、連続的に均一に塗布する用途ではロールコーター法が好ましく、靴底や小型部品のように塗布面積が小さい用途では刷毛による手作業が好ましい。
圧着装置や圧着条件、プレス圧力は特に限定されず、2つの被着体を重ねた後の圧着操作は、加熱プレスまたは常温プレスのいずれであっても良い。
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて、本発明の効果について具体的に説明する。
[実施例1]
内容積10リットルの反応器に、窒素雰囲気中で、水100質量部、ロジン酸のナトリウム塩5質量部、水酸化ナトリウム0.3質量部、ホルムアルデヒドナフタエンスルホン酸縮合物のナトリウム塩0.6質量部、亜硫酸ナトリウム0.5質量部を仕込み、これらを溶解させた後に、撹拌しながらクロロプレン単量体100質量部、n−ドデシルメルカプタン0.25質量部を加えた。過硫酸カリウム0.1質量部を重合開始剤として用い、窒素雰囲気下10℃で重合し、最終重合率が70%に達したところでフェノチアジンの乳濁液を加えて重合を停止した。減圧下で未反応単量体を除去し、ポリクロロプレンラテックスを得た。このラテックスを凍結乾燥させてポリクロロプレン重合体を作製した。
<接着剤の調製>
酸化マグネシウム(MgO)は、Kyowamag150(協和化学工業株式会社製)を、酸化亜鉛は、酸化亜鉛2種(ハクスイテック株式会社製)を、酸化防止剤の2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)は、Nocrac200(大内新興化学工業株式会社製)、粘着付与樹脂は、軟化点115〜130℃のアルキルフェノール樹脂のタマノル526(荒川化学工業株式会社製)を使用した。
最初に、シクロヘキサン140質量部、タマノル526=60質量部、酸化マグネシウム3質量部を、ボールミルで2日間撹拌して、粘着付与樹脂のシクロヘキサン溶液を作製した。次に、この粘着付与樹脂のシクロヘキサン溶液に、ポリクロロプレン重合体100質量部、酸化防止剤(BHT)2質量部、酸化マグネシウム(MgO)3質量部、酸化亜鉛3質量部、シクロヘキサン116.5質量部、メチルエチルケトン256.5質量部を加えて、ボールミルで2日間撹拌し、接着剤の主剤を作製した。これに、硬化剤として、ポリオキシエチレン基変性ポリイソシアネート(イソシアネート基含有率16.6%、固形分100%)(デュラネートWB40−100(旭化成ケミカルズ株式会社))を、ポリクロロプレン重合体100質量部に対して、10質量部を加えて接着剤Aとした。
<接着力の評価試験>
まず2枚の綿帆布を用意した。糊代部の大きさは、幅25mm×長さ50mmである。この2枚の被着体の両方に、塗布量が2400wet−g/mとなるように、接着剤を塗布した。25℃で30分間のオープンタイムをおいた後、両者を張り合わせて、10ポンドロールを5往復させて接着した。
初期接着力は、張り合わせてから1日養生後のT型剥離強度である。常態接着力は、張り合わせてから10日間養生後のT型剥離強度である。耐熱接着力は、張り合わせてから10日間養生後に60℃雰囲気中で剥離した時のT型剥離強度である。常態接着力と耐熱接着力の引張速度は50mm/minである。
<耐熱クリープ特性の評価試験>
オーブンの天井に、圧着から5日間経過した試験片(糊代部のサイズは幅25mm×長さ25mm)の片方の掴み代を固定して、オーブン内を80℃に維持した。180°剥離試験の要領で、もう片方の掴み代に、500gの分銅を取り付け、分銅を取り付けてから、分銅が落下するまでの時間を測定した。この時間が長いほど、耐熱接着力が高いことを意味する。
<粘度変化の測定>
主剤に硬化剤を添加して、回転数3000rpmで2分間撹拌してから、23℃雰囲気で、10分後と、8時間後の粘度を比較した。
[実施例2]
実施例1と同じ主剤に対して、硬化剤として、ポリオキシエチレン基変性ポリイソシアネート(イソシアネート基含有率14.3%、固形分100%)(デュラネートWT20−100(旭化成ケミカルズ株式会社))を、ポリクロロプレン重合体100質量部に対して、15質量部を加えて接着剤Bとした。実施例1と同じ方法で、接着剤Bを評価した。
[実施例3]
実施例1と同じ主剤に対して、硬化剤として、ポリオキシエチレン基変性ポリイソシアネート(イソシアネート基含有率11.3%、固形分100%)(デュラネートWE50−100(旭化成ケミカルズ株式会社))を、ポリクロロプレン重合体100質量部に対して、22.3質量部を加えて接着剤Cとした。実施例1と同じ方法で、接着剤Cを評価した。
[実施例4]
実施例1と同様の手順によって、シクロヘキサン75質量部、タマノル526=60質量部、酸化マグネシウム3質量部を、ボールミルで2日間撹拌して、粘着付与樹脂のシクロヘキサン溶液を作製した。次に、この粘着付与樹脂のシクロヘキサン溶液に、ポリクロロプレン重合体100質量部、酸化防止剤(BHT)2質量部、酸化マグネシウム(MgO)3質量部、酸化亜鉛3質量部、メチルエチルケトン75質量部を加えて、ボールミルで2日間撹拌し、接着剤の主剤を作製した。これに、硬化剤として、ポリオキシエチレン基変性ポリイソシアネート(イソシアネート基含有率16.6%、固形分100%)(デュラネートWB40−100(旭化成ケミカルズ株式会社))を、ポリクロロプレン重合体100質量部に対して、10質量部加えて接着剤Dとした。実施例1と同じ方法で、接着剤Dを評価した。
[実施例5]
実施例1と同様の手順によって、シクロヘキサン140質量部、タマノル526=60質量部、酸化マグネシウム3質量部を、ボールミルで2日間撹拌して、粘着付与樹脂のシクロヘキサン溶液を作製した。次に、この粘着付与樹脂のシクロヘキサン溶液に、ポリクロロプレン重合体100質量部、酸化防止剤(BHT)2質量部、酸化マグネシウム(MgO)3質量部、酸化亜鉛3質量部、シクロヘキサン810質量部、メチルエチルケトン950質量部を加えて、ボールミルで2日間撹拌し、接着剤の主剤を作製した。これに、硬化剤として、ポリオキシエチレン基変性ポリイソシアネート(イソシアネート基含有率16.6%、固形分100%)(デュラネートWB40−100(旭化成ケミカルズ株式会社))を、ポリクロロプレン重合体100質量部に対して、10質量部加えて接着剤Eとした。実施例1と同じ方法で、接着剤Eを評価した。
[実施例6]
実施例4と同じ処方及び同じ手順によって、接着剤の主剤を作製した。これに、硬化剤として、ポリオキシエチレン基変性ポリイソシアネート(イソシアネート基含有率16.6%、固形分100%)(デュラネートWB40−100(旭化成ケミカルズ株式会社))を、ポリクロロプレン重合体100質量部に対して、3質量部加えて接着剤Fとした。実施例1と同じ方法で、接着剤Fを評価した。
[比較例1]
実施例1と同じ主剤に対して、硬化剤として、トリス(4−イソシアネートフェニル)チオホスフェートの27%酢酸エチル溶液(デスモジュールRFE(バイエル社製)、イソシアネート基含有率7.2%)を、ポリクロロプレン重合体100質量部に対して、見掛け質量で35質量部加えて接着剤Gとし、実施例1と同様の手順で接着力を評価した。比較例1の接着剤中のイソシアネート基含有量は、実施例3と同じである。
[比較例2]
実施例1と同じ主剤に対して、硬化剤として、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とジオールの縮合反応で得られたプレポリマー(デュラネートD101(旭化成ケミカル株式会社)、固形分濃度100%、イソシアネート含有率19.7%)を、ポリクロロプレン重合体100質量部に対して、12.8質量部加えて、接着剤Hとし、実施例1と同様の手順で接着力を評価した。この硬化剤は、ポリオキシエチレン基変性されていないポリイソシアネートである。比較例2の接着剤中のイソシアネート基含有量は、実施例3と同じである。
[比較例3]
実施例1と同じ主剤に対して、硬化剤として、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のビウレット型プレポリマー(デュラネート24A−100(旭化成ケミカル株式会社)、固形分濃度100%、イソシアネート含有率23.5%)を、ポリクロロプレン重合体100質量部に対して、10.7質量部加えて接着剤Iとし、実施例1と同様の手順で接着力を評価した。この硬化剤は、ポリオキシエチレン基変性されていないポリイソシアネートである。比較例3の接着剤中のイソシアネート基含有量は、実施例3と同じである。
[比較例4]
実施例1におけるポリオキシエチレン基変性ポリイソシアネート(イソシアネート基含有率16.6%、固形分100%)(デュラネートWB40−100(旭化成ケミカルズ株式会社))の添加量を、ポリクロロプレン重合体100質量部に対して、35質量部に変更して接着剤Jとした。実施例1と同じ方法で、接着剤Jを評価した。
[比較例5]
実施例1におけるポリオキシエチレン基変性ポリイソシアネートを配合しなかったもので、接着剤Kとした。実施例1と同じ方法で評価した。
[比較例6]
実施例1と同様の手順によって、シクロヘキサン70質量部、タマノル526=60質量部、酸化マグネシウム3質量部を、ボールミルで2日間撹拌して、粘着付与樹脂のシクロヘキサン溶液を作製した。次に、この粘着付与樹脂のシクロヘキサン溶液に、ポリクロロプレン重合体100質量部、酸化防止剤(BHT)2質量部、酸化マグネシウム(MgO)3質量部、酸化亜鉛3質量部、メチルエチルケトン70質量部を加えて、ボールミルで2日間撹拌し、接着剤の主剤を作製した。これに、硬化剤として、ポリオキシエチレン基変性ポリイソシアネート(イソシアネート基含有率16.6%、固形分100%)(デュラネートWB40−100(旭化成ケミカルズ株式会社))を、ポリクロロプレン重合体100質量部に対して、10質量部加えて接着剤Lとした。実施例1と同じ方法で、接着剤Lを評価した。
[比較例7]
実施例1と同様の手順によって、シクロヘキサン140質量部、タマノル526=60質量部、酸化マグネシウム3質量部を、ボールミルで2日間撹拌して、粘着付与樹脂のシクロヘキサン溶液を作製した。次に、この粘着付与樹脂のシクロヘキサン溶液に、ポリクロロプレン重合体100質量部、酸化防止剤(BHT)2質量部、酸化マグネシウム(MgO)3質量部、酸化亜鉛3質量部、シクロヘキサン1000質量部、メチルエチルケトン860質量部を加えて、ボールミルで2日間撹拌し、接着剤の主剤を作製した。これに、硬化剤として、ポリオキシエチレン基変性ポリイソシアネート(イソシアネート基含有率16.6%、固形分100%)(デュラネートWB40−100(旭化成ケミカルズ株式会社))を、ポリクロロプレン重合体100質量部に対して、10質量部加えて接着剤Mとした。実施例1と同じ方法で、接着剤Mを評価した。
評価結果を表1及び表2にまとめた。
Figure 0005411915
Figure 0005411915
表1及び表2からわかるように、実施例1〜6のポリオキシエチレン基変性ポリイソシアネートを硬化剤とする接着剤組成物は、比較例1の従来の低分子量イソシアネート化合物を硬化剤とする接着剤組成物、及び比較例2〜3のポリオキシエチレン基変性されていないポリイソシアネートを硬化剤とする接着剤組成物よりも、硬化剤混合後の粘度変化がほとんどなく、ポットライフが長く、接着力に優れている。また、比較例4〜7のポリオキシエチエン基変性ポリイソシアネート及び有機溶剤の添加量が適切でない接着剤組成物は、接着力が劣ることが示された。

Claims (2)

  1. ポリクロロプレン重合体100質量部に対して、ポリオキシエチレン基変性ポリイソシアネートを固形分換算で1〜30質量部、有機溶剤を150〜1900質量部含有することを特徴とするポリクロロプレン溶剤系接着剤組成物。
  2. ポリクロロプレン重合体100質量部に対して、酸化亜鉛を0.05〜10質量部、粘着付与樹脂を5〜100質量部含有することを特徴とする請求項1記載のポリクロロプレン溶剤系接着剤組成物。
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