JP5177921B2 - 水系接着剤及びそれを用いた接着方法及び接着構造体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な水系接着剤、特に発泡ゴム材と布類を接着する水系接着剤、接着方法及び接着構造体に関するものであり、特に好ましくはウェットスーツを構成する発泡ゴム材と布類を好適に接着する水系接着剤、接着方法及び接着構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ウェットスーツは、発泡ゴム材にポリクロロプレン(CR)溶剤系接着剤を塗布し、布類を張り合わせることで得られる積層シートを型取りして、成形または縫製あるいはつなぎ目をテーピングすること等で作成されている。
ところが、CR溶剤系接着剤には、トルエンや酢酸エチルやメチルエチルケトン等の有機溶剤が用いられているため、接着剤塗工時に有機溶剤が作業場で揮発し、作業員の安全衛生面、環境面で好ましくなく、有機溶剤の低減が望まれていた。
有機溶剤を低減させる方法としては、ポリクロロプレンラテックスを含有する水系接着剤(CR水系接着剤)に転換することが有効であるが、耐水性及び耐溶剤性といった接着性能を得ることは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の従来技術を鑑みてなされたものであり、従来のCR溶剤系接着剤を用いた場合のように安全衛生面、環境面での問題がなく、従来のCR溶剤系接着剤によるものと同等以上に強固に接着し、なおかつ十分な耐溶剤性を実現する水系接着剤、接着方法及び接着構造体を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく検討を重ねた結果、ポリクロロプレンラテックスを固形分換算で100質量部に対して粘着付与樹脂を固形分換算で0質量部以上20質量部未満配合した主剤と、水分散型イソシアネート硬化剤を組み合わせた2液型水系接着剤を用い、図1(a)の発泡ゴム材1に図1(c)の布類3を接着する接着方法において、図1(a)の発泡ゴム材1の表面に図1(b)の接着剤2を塗布する工程と、該接着剤を塗布後直ちに、すなわち該接着剤が乾燥する前に、該接着剤2の上に図1(c)の布類を重ねて接着する工程とを備えている接着方法により、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は水分散型イソシアネート硬化剤をポリクロロプレンラテックス100質量部(固形分換算)と粘着付与樹脂0質量部以上20質量部未満(固形分換算)を含有する主剤と分離して保存または運搬することを特徴とする水系接着剤、特に好ましくは発泡ゴム材と布類の接着用水系接着剤である。本発明において、水分散型イソシアネート硬化剤は使用する際に主剤と混合するものであるが、それ以前においては主剤と分離しておく必要があり、この場合、主剤は必ずしも単一のラテックス液である必要はなく、必要に応じて2以上の液に分かれていても構わない。
また、本発明は、被着体の表面に、ポリクロロプレンラテックス100質量部(固形分換算)と粘着付与樹脂0質量部以上20質量部未満(固形分換算)を含有する主剤と、水分散型イソシアネート硬化剤を組み合わせた2液型水系接着剤を塗布する工程と、接着剤の塗布後直ちに接着剤の上に他の被着体を重ねて圧着する工程を備えていることを特徴とする接着方法であり、特に発泡ゴム材と布類を接着する方法において、発泡ゴム材の表面に、ポリクロロプレンラテックス100質量部(固形分換算)と粘着付与樹脂0質量部以上20質量部未満(固形分換算)を含有する主剤と、水分散型イソシアネート硬化剤を組み合わせた2液型水系接着剤を塗布する工程と、接着剤の塗布後直ちに接着剤の上に布類を重ねて圧着する工程を備えていることを特徴とする接着方法である。
この場合において、接着剤主剤に含まれるポリクロロプレンラテックスは、クロロプレンとカルボキシル基含有ビニル単量体を水を媒体として共重合させたポリクロロプレンラテックスが好ましく、さらにポリビニルアルコール存在下で水を媒体として、単量体の合計100質量部のうち、カルボキシル基含有ビニル単量体が0.01〜10質量部である単量体混合物を共重合させて得たポリクロロプレンラテックスであることが好ましい。さらに、主剤は酸化亜鉛を含有することが好ましく、また主剤に含まれるポリクロロプレンラテックス中の重合体のトルエン不溶分が5〜70質量%であることが好ましい。
また、本発明は、上記の接着方法によって得られた発泡ゴム材に塗布された接着剤層の表面に布類が接着されている接着構造体である。
【0005】
以下、本発明の内容を詳細に説明する。
本発明における一方の被着体としては発泡ゴム材が好ましく、発泡ゴム材としては、天然または合成の発泡されたゴム材料が特に限定されることなく好適に使用され、具体的には、ポリクロロプレン或いはクロロスルホン化ポリエチレン等の独立気泡を有し、しかも伸縮性を有するゴム材料がいずれのものでも好適に使用することができる。しかし、ウェットスーツに仕立てた際の、身体へのフィット感、伸縮性、軽量性、断熱・保温効果を考慮すると、発泡ポリクロロプレンが好ましい。
また、例えば、特開平11−79078号公報(出願人:株式会社イナポリ・トレイディング)で提案・使用されているような、硬度或いは発泡倍率の異なる発泡ゴム材が積層されたものであっても構わない。
【0006】
本発明における他方の被着体としては布類が好ましい。本発明における布類とは、織物、編物または不織布であるが、伸縮性を有する織物または編物が好ましく、ツーウェイトリコット(縦、横の両方にストレッチ性を有する)の織編物であることがより好ましい。具体的には、ナイロンジャージまたはポリエステルジャージ等が挙げられる。特に、ウェットスーツ用途には、ストレッチ性、通気性を考慮すれば、ナイロンジャージが最も好ましい。
【0007】
本発明におけるポリクロロプレンラテックスとは、2−クロロ−1,3−ブタジエン(以下クロロプレンと記す)単独、またはクロロプレンとクロロプレンと共重合可能な単量体の1種類以上の単量体混合物を、乳化剤及び/または分散剤の存在下、水を媒体として重合して得られた重合体または共重合体を主成分とするラテックスである。
クロロプレンと共重合可能な単量体としては、例えば、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸及びそのエステル類、メタクリル酸及びそのエステル類等が挙げられ、必要に応じて2種類以上用いても構わない。
【0008】
特に、クロロプレンと、1種類以上のカルボキシル基含有ビニル単量体の共重合体であれば、接着剤層の柔軟性が維持でき、良好な肌触りが得られるため、好ましい。
カルボキシル基含有ビニル単量体としては、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、グルタコン酸などが挙げられ、必要に応じて2種類以上のカルボキシル基含有ビニル単量体を用いて構わない。その中でも特に、メタクリル酸(2−メチルプロペン酸またはα−メチルアクリル酸ともいう)が最も好ましく、クロロプレンとメタクリル酸の共重合体であれば、乳化重合時の粘度制御が容易であり、また接着剤に高い耐水接着力を持たせることができる。
【0009】
この場合、カルボキシル基含有ビニル単量体の仕込み量は、単量体の合計100質量部のうち、カルボキシル基含有ビニル単量体が0.01〜10質量部であることが好ましい。カルボキシル基含有ビニル単量体を0.01質量部以上共重合させることで、重合体の結晶性を低くすることができ、ウェットスーツに柔軟性と良好な着心地を与えることができる。しかし、カルボキシル基含有ビニル単量体が10質量部よりも多くなると、硬化剤を添加した後のポットライフが短くなったり、耐水性が低くなったりする場合があり、あまり好ましくない。
【0010】
本発明におけるポリクロロプレンラテックスの乳化重合に使用される乳化剤及び/または分散剤は特に限定するものではなく、通常ポリクロロプレンラテックスに使用されている各種アニオン型、ノニオン型、カチオン型が使用できる。アニオン型の乳化剤としては、カルボン酸型、硫酸エステル型等があり、例えば、ロジン酸のアルカリ金属塩、炭素数が8〜20個のアルキルスルホネート、アルキルアリールサルフェート、ナフタリンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物等が挙げられる。ノニオン型の具体例としては、ポリビニルアルコールまたはその共重合体(例えば、アクリルアミドとの共重合体)、ポリビニルエーテルまたはその共重合体(例えば、マレイン酸との共重合体)、ポリビニルピロリドンまたはその共重合体(例えば、酢酸ビニルとの共重合体)、あるいは、これら(共)重合体を化学修飾したもの、あるいはセルロース系誘導体(ヒドロキシエチルセルロース)等を挙げることができる。カチオン型の具体例としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩等があり、例えば、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
【0011】
この中ではポリビニルアルコールが最も好ましい。ポリビニルアルコールはトルエン等の有機溶剤に溶解しない性質があることから、接着剤層の耐溶剤性を高めることができる。この場合、ポリビニルアルコールの鹸化度及び重合度は特に限定されないが、鹸化度が60〜95モル%、重合度が200〜700のものが好ましい。また、変性タイプ(例えば、アセトアセチル化されたタイプ、ポリエチレン単位を有するタイプ(通常RSタイプと呼ばれている))であっても構わない。更に、ポリビニルアルコールは、ポリクロロプレンの重合後に添加されたものであっても接着性能に対して良好な効果を与える。
なお、耐溶剤性とは、生地に付いた汚れを有機溶剤で拭き取る場合に布が剥がれないように必要とされる性能である。
【0012】
本発明におけるポリクロロプレンラテックス中の乳化剤及び/または分散剤の添加量は、初期仕込み単量体の合計100質量部に対して0.5〜10質量部が好ましい。0.5質量部未満の場合には、乳化力が十分でなく、10質量部を超えると接着剤の耐水性を低下させてしまう。
【0013】
本発明におけるポリクロロプレンラテックスの(共)重合体の重合方法は、特に限定されるものではなく、重合温度、重合触媒、連鎖移動剤、重合停止剤、最終重合率、脱モノマー、濃縮条件等を適切に選定、制御することで、固形分濃度、トルエン可溶部の分子量、トルエン不溶分(ゲル含有量)等を調整することが可能である。
【0014】
本発明における(共)重合体の重合温度は特に限定されるものではないが重合反応を円滑に行うために、重合温度を10〜50℃とすることが好ましい。重合触媒は、過硫酸カリウム等の加硫酸塩、第3−ブチルヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物等であり、特に限定されるものではない。
【0015】
本発明における(共)重合体の連鎖移動剤の種類は特に限定されるものではなく、通常クロロプレンの乳化重合に使用されるものが使用できるが、例えばn−ドデシルメルカプタンやtert−ドデシルメルカプタン等の長鎖アルキルメルカプタン類、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドやジエチルキサントゲンジスルフィド等のジアルキルキサントゲンジスルフィド類、ヨードホルム等の公知の連鎖移動剤を使用することができる。
【0016】
本発明における(共)重合体の重合停止剤(重合禁止剤)は特に限定するものでなく、例えば、2,6−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール、フェノチアジン、ヒドロキシアミン等が使用できる。
【0017】
本発明における(共)重合体の最終重合率は、特に限定するものではなく、任意に調節することができ、未反応のモノマーは脱モノマー操作によって除去されるが、その方法は特に限定するものではない。
本発明のポリクロロプレンラテックスは、濃縮あるいは、水等の添加で希釈することで、固形分濃度を必要な濃度に制御することができる。濃縮の方法としては、減圧濃縮などがあるが、特に限定するものではない。接着剤の乾燥速度、及び接着剤主剤の貯蔵安定性を考慮すると、ポリクロロプレンラテックスの固形分濃度は、40〜65質量%が好ましい。
【0018】
本発明におけるポリクロロプレンラテックスは、含まれる(共)重合体のトルエン不溶分(ゲル含有量)が5〜70質量%であれば、初期接着力と常態接着力のバランスに優れた接着剤とすることができる。トルエン不溶分が5質量%より低い場合には常態接着力が不十分であり、逆に70質量%を越える場合には初期接着力が不十分となる場合がある。
【0019】
本発明の接着剤主剤は、粘着付与樹脂を配合しなくても良いが、配合する場合には20質量部未満である必要がある。この理由は、粘着付与樹脂はトルエン等の有機溶剤に容易に溶解する性質を有するので、接着剤層の耐溶剤性に悪影響を及ぼすためである。粘着付与樹脂は、十分な常態接着力を維持する上では有効な配合剤であるが、本発明では、水分散型イソシアネートを使用し、必要に応じて適量の酸化亜鉛を配合することで、十分な常態接着力を維持させることを見出し、粘着付与樹脂の配合量を少なくしている。
ここでいう粘着付与樹脂とは、具体的には、ロジン樹脂、重合ロジン樹脂、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、テルペンフェノール樹脂、C5留分系石油樹脂、C9留分系石油樹脂、C5/C9留分系石油樹脂、DCPD系石油樹脂、アルキルフェノール樹脂、キシレン樹脂、クマロン樹脂、クマロンインデン樹脂などのことである。実際のウェットスーツの接着工程では100℃以上の加熱工程を備えることが可能であるので、この場合には選定する樹脂の軟化点温度は80〜160℃のものが好ましい。
【0020】
粘着付与樹脂を配合する場合、その配合方法は特に限定されないが、接着剤中に樹脂を均一に分散させるために、水性エマルジョンとしてから配合することが好ましい。さらに粘着付与樹脂の水性エマルジョンの製法には、トルエン等の有機溶剤に溶解させたものを乳化剤を用いて水中に乳化/分散させた後、有機溶剤を減圧しながら加熱して取り除く方法と、微粒子に粉砕して乳化/分散させる方法などがあるが、より微粒子のエマルジョンが製造できる前者が好ましい。
【0021】
本発明における主剤は、必要に応じて酸化亜鉛を配合することが好ましい。特に主剤に使用されるポリクロロプレンラテックスが、クロロプレンとカルボキシル基含有ビニル単量体とを共重合させて得たポリクロロプレンラテックスである場合、酸化亜鉛を配合することで、共重合体中のカルボキシル基との架橋効果が生じ、高い常態接着力及び耐溶剤性が得られる。この場合、酸化亜鉛の性状(粒子径、比表面積)は特に限定されない。
酸化亜鉛の結晶系は特に限定されず、非晶または六方晶系のどちらでも構わない。
また製法も特に限定されず、フランス法(間接法)、アメリカ法(直接法)、湿式法のいずれによって製造させていても良い。フランス法(間接法)とは、金属亜鉛を約1000℃に加熱して気化させ、熱空気によって酸化させて酸化亜鉛粉末を製造する方法である。アメリカ法(直接法)とは、亜鉛を含む天然鉱石に還元剤を添加して直接亜鉛を気化させ、熱空気によって酸化させて酸化亜鉛粉末を製造する方法である。湿式法とは、水相反応で酸化亜鉛を合成する方法であり、例えば、塩化亜鉛水溶液にソーダ灰水溶液を加え、塩基性炭酸亜鉛を沈降させ、これを水洗し、乾燥後、約600℃で加熱することで得られる。
本発明における酸化亜鉛の粒子形状は特に限定されず、球状、針状、鱗片状(板状)、紡錘状、多面体状、不定形等のいずれであっても良い。
【0022】
酸化亜鉛を配合する場合、その配合量は、ポリクロロプレンラテックスを固形分で100質量部に対して0.01〜50質量部が好ましく、さらに好ましくは0.2〜20質量部である。この範囲であれば、さらに耐溶剤性を向上させることができる。
本発明における酸化亜鉛の配合方法は特に限定されず、粉末の状態で配合しても、任意の分散剤を用いて水分散液を作成してから配合しても良いが、接着剤の主剤中に均一に分散させることができる後者が好ましい。
【0023】
本発明における2液型水系接着剤の主剤は、ポリクロロプレンラテックス、酸化亜鉛、硫黄以外に、要求性能に合わせて、増粘剤、充填剤、造膜助剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、加硫剤、加硫促進剤、消泡剤、抗菌剤、防黴剤等を任意に添加することができる。
【0024】
主剤の粘度を調節する場合には、増粘剤を添加すれば良く、具体的な増粘剤としては、ポリアクリル酸ナトリウム、水溶性ポリウレタン、会合型ポリウレタン系エマルジョン、アルカリ膨潤型アクリル系エマルジョン、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、合成スメクタイト等が挙げられる。
増粘剤の添加量は、ポリクロロプレンラテックスを固形分換算で100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましく、さらに好ましくは0.02〜5質量部である。この範囲であれば、主剤と硬化剤を混合した後の粘度を適切な範囲に調節することができる。
また、製品コストを下げるためには、主剤に充填剤を添加することが有効であり、具体的な充填剤としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸バリウム、合成シリカ等が挙げられる。
造膜助剤としては、プロピレングリコール、n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールモノイソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールジイソブチレート等が挙げられる。
【0025】
加硫促進剤の具体例としては、ジチオカルバミン酸塩系、キサントゲン塩系、チウラム系、アルデヒドアンモニア系、チオウレア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、グアニジン系等が配合可能である。
ジチオカルバミン酸塩系の具体例としては、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン塩、ピペコリルジチオカルバミン酸ピペコリン塩、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジエチルジチオカルバミン酸テルル等が挙げられる。
キサントゲン酸塩系の具体例としては、ブチルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛等が挙げられる。
チウラム系の具体例としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等が挙げられる。
アルデヒドアンモニア系の具体例としては、ヘキサメチレンテトラミン等が挙げられる。
チオウレア系の具体例としては、N,N’−ジフェニルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素等が挙げられる。
チアゾール系の具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルスルフィド、2−メウカプトベンゾチアゾール亜鉛塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2−(N,N−ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等が挙げられる。
スルフェンアミド系の具体例としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等が挙げられる。
グアニジン系の具体例としては、1,3−ジフェニルグアニジン、ジ−o−トリルグアニジン、1−o−トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ−o−トリルグアニジン塩等が挙げられる。
【0026】
本発明の硬化剤成分である水分散型イソシアネート化合物とは、脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネートから得られる、分子内にビュウレット、イソシアヌレート、ウレタン、ウレトジオン、アロファネート等の構造を有するポリイソシアネートポリマーに親水基を導入したものである。
つまり、水中に添加・攪拌すると、水中で微粒子として分散することが可能な自己乳化型イソシアネート化合物である。
脂肪族及び/または脂環族イソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート(LDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、重合MDI、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(IPC)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHPI)、トリジンジイソシアネート(TODI)等が挙げられる。中でも、HDI、MDI、IPDI、水添XDIは、工業的に入手し易く良好である。
親水基は、エチレンオキサイドの繰り返し単位を有する乳化剤を、上記の脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネートから得られる重合物の分子鎖の一部と、反応させることにより導入される。エチレンオキサイドの繰り返し単位を有する乳化剤としては、水に対する分散性を考慮すれば、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルが特に好ましい。
本発明における硬化剤としての効果は、原料化合物よりもむしろ、JIS K−7301で規定される方法によって算出したイソシアネート基含有率によって左右される。良好な接着力を得るためには、使用する水分散型イソシアネート化合物のイソシアネート基含有率が、17〜25質量%であることが好ましい。
【0027】
本発明の2液型水系接着剤の硬化剤は、水分散型イソシアネート化合物を必須成分とするが、これ以外のものとして、水分散型イソシアネート化合物を溶解させることができる水や有機溶剤等を含むことができる。しかし、イソシアネート基は水とも反応するため、硬化剤の粘度を調節する必要性がなければ、水分散型イソシアネート化合物単独を硬化剤として用いることが好ましい。
【0028】
主剤と硬化剤の混合比は、主剤中のポリクロロプレンラテックスを固形分で100質量部に対して、硬化剤中の水分散型イソシアネート化合物が固形分で0.5〜15質量部となるように混合することが好ましい。0.5質量部未満では、接着力が不足し、また15質量部よりも多く添加すれば、接着剤層の硬度が高くなり、ウェットスーツに仕立てた際の伸縮性が阻害される場合がある。
接着剤の粘度は、塗布方法及び塗布装置の仕様にあわせて調節すれば良いが、主剤と硬化剤を混合した後の粘度が、1000〜15000[mPa・s](B型粘度計,25℃,30rpm)が好ましい。粘度が1000[mPa・s]未満では、発泡ゴム材の表面でのはじきが問題となる場合があり、粘度が15000[mPa・s]よりも高いと均一な塗布が困難になる。
【0029】
本発明の接着方法における被着体の一方、好ましくは発泡ゴム材に接着剤を塗布する工程においては、塗布する方法及び装置仕様は特に限定されない。具体的にはカーテンフローコーター法、バーコーター法、ロールコーター法等が挙げられ、さらにロールコーター法には、グラビアロールコーター法、リバースグラビアロールコーター法等がある。この中では、接着剤を連続的に均一に塗布することが可能であるロールコーター法が好ましい。
塗布量は特に限定されないが、接着剤が布類からしみ出さない程度に制御する必要があり、20〜200g/m2(ウェット)が好ましい。
【0030】
本発明の接着方法における被着体を圧着する工程、好ましくは発泡ゴム材に布類を重ねて圧着する工程においては、接着剤の塗布後直ちに、すなわち接着剤が乾燥する前に布類を重ねなければならない。
接着剤が乾燥する前の状態とは、接着剤層の水分が8割減少するまでの間、つまり主剤と硬化剤を混合した時点での接着剤中の水分を100%としたときに、これが20%になるまでの間を指し、この間に布類を重ねることとする。
直ちに布類を重ねて接着する方法が適している理由は、接着剤がウェット状態の時に布類を重ねることで、布類に対する投錨効果を得ることができるためであり、接着剤がドライ状態の時に布類を重ねる方法よりも良好な接着力を得ることができる。圧着装置や圧着条件、プレス圧力は特に限定されず、布類を重ねた後の圧着操作は、加熱プレスまたは常温プレスのいずれであっても構わない。しかし、十分な初期接着力を得るために、プレスと同時またはプレス操作の後に、布類を重ねた後に50〜150℃で10秒間〜10分間の乾燥を行うことが好ましい。
【0031】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。なお、以下の説明において特に断りのない限り部および%は質量基準で表す。
【0032】
[実験例1]
内容積3リットルの反応器を用いて、窒素雰囲気中で、水96質量部にポリビニルアルコール3.5質量部を60℃で溶解させた。このポリビニルアルコール水溶液を室温近くまで冷却した後、この中にクロロプレン単量体99質量部、メタクリル酸1質量部、オクチルメルカプタン0.4質量部を加えた。これを45℃に保持しながら亜硫酸ナトリウムと過硫酸カリウムを開始剤として用い重合しポリクロロプレンラテックスを得た。次に、このポリクロロプレンラテックスに20質量%ジエタノールアミン水溶液を添加してpHを7に調製し、減圧加温により濃縮し、固形分を55質量%になるように調製した。
このポリクロロプレンラテックスの固形分、共重合体のゲル含有量を以下の方法で測定したところ、固形分が55質量%、ゲル含有量が29質量%であった。
[固形分濃度]
アルミ皿だけを秤量してAとした。ラテックス試料を2mlいれたアルミ皿を秤量しBとした。ラテックス試料を入れたアルミ皿を110℃雰囲気下で2時間乾燥させた後、秤量しCとした。固形分濃度(%)は下式により求めた。
固形分濃度={(C−A)/(B−A)}×100
[ゲル含有量(トルエン不溶分)測定]
ラテックス試料を凍結乾燥し秤量してAとした。23℃で20時間、トルエンで溶解(0.6%に調整)し、遠心分離機を使用し、更に200メッシュの金網を用いてゲルを分離した。ゲル分を風乾燥後110℃雰囲気下で、1時間乾燥し、秤量してBとした。ゲル含有量(%)は下式に従って算出した。
ゲル含有量=(B/A)×100
【0033】
[実施例1]
実験例1で得られたポリクロロプレンラテックスを固形分で100質量部に対して、水溶性ポリウレタン系増粘剤(Primal RM−8W/ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社製)を0.06質量部(固形分換算)配合し、主剤とした。
硬化剤は、イソシアネート基含有率が18.6質量%の水分散型イソシアネート化合物(タケネートWD−730/武田薬品工業株式会社製)を単独で、主剤のポリクロロプレンラテックスが固形分で100質量部に対して水分散型イソシアネート化合物が5質量部となるように、主剤と混合して使用した。この2液型水系接着剤を、接着剤Aとする。
【0034】
主剤と硬化剤を混合した接着剤を、発泡ポリクロロプレン(厚さ3mm)に80g/m2塗布した後、直ちにナイロンジャージ布を重ね、110℃に加熱されたプレス装置で1分間圧着した。この接着方法を接着法Aとする。
【0035】
接着法Aによって得られた試験片(糊代部のサイズは幅2cm×長さ7cm)について、以下の接着力評価試験をおこなった。
[初期接着力評価試験]
圧着してから10分後に引張試験機で引張速度200mm/minで180°剥離強度を測定した。
[常態接着力評価試験]
圧着してから7日後に引張試験機で引張速度200mm/minで180°剥離強度を測定した。
[耐水接着力評価試験]
圧着してから1日後に純水に浸漬し、7日間漬けた後、引張試験で引張速度200mm/minで180°剥離強度を測定した。
[耐溶剤性評価試験▲1▼]
圧着してから1日後に、トルエンに2秒間漬けた後、引張試験で引張速度200mm/minで180°剥離強度を測定した。
[耐溶剤性評価試験▲2▼]
圧着してから7日後に、トルエンに2秒間漬けた後、引張試験で引張速度200mm/minで180°剥離強度を測定した。
[耐溶剤性評価試験▲3▼]
圧着してから30日後に、トルエンに2秒間漬けた後、引張試験で引張速度200mm/minで180°剥離強度を測定した。
【0036】
[実施例2]
実験例1で得られたポリクロロプレンラテックスを固形分で100質量部に対して、AZ−SW(湿式法で製造された酸化亜鉛の50%水分散液/大崎工業株式会社製)を5質量部(固形分換算)、水溶性ポリウレタン系増粘剤(Primal RM−8W/ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社製)を0.06質量部(固形分換算)配合し、主剤とした。
硬化剤は、イソシアネート基含有率が18.6質量%の水分散型イソシアネート化合物(タケネートWD−730/武田薬品工業株式会社製)を単独で、主剤のポリクロロプレンラテックスが固形分で100質量部に対して水分散型イソシアネート化合物が5質量部となるように、主剤と混合して使用した。この2液型水系接着剤を、接着剤Bとする。
接着剤Bを用い、実施例1と同じ接着法Aで試験片を作成し、実施例1と同様の接着力評価試験をおこなった。
【0037】
[実施例3]
実験例1で得られたポリクロロプレンラテックスを固形分で100質量部に対して、テルペンフェノール系粘着付与樹脂(タマノルE−100/荒川化学工業株式会社製)を15質量部(固形分換算)、水溶性ポリウレタン系増粘剤(Primal RM−8W/ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社製)を0.1質量部(固形分換算)配合し、主剤とした。
硬化剤は、イソシアネート基含有率が18.6質量%の水分散型イソシアネート化合物(タケネートWD−730/武田薬品工業株式会社製)を単独で、主剤のポリクロロプレンラテックスが固形分で100質量部に対して水分散型イソシアネート化合物が5質量部となるように、主剤と混合して使用した。この2液型水系接着剤を、接着剤Cとする。
接着剤Cを用い、実施例1と同じ接着法Aで試験片を作成し、実施例1と同様の接着力評価試験をおこなった。
【0038】
[実施例4]
実験例1で得られたポリクロロプレンラテックスを固形分で100質量部に対して、テルペンフェノール系粘着付与樹脂(タマノルE−100/荒川化学工業株式会社製)を15質量部(固形分換算)、AZ−SW(湿式法で製造された酸化亜鉛の50%水分散液/大崎工業株式会社製)を5質量部(固形分換算)、水溶性ポリウレタン系増粘剤(Primal RM−8W/ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社製)を0.1質量部(固形分換算)配合し、主剤とした。
硬化剤は、イソシアネート基含有率が18.6質量%の水分散型イソシアネート化合物(タケネートWD−730/武田薬品工業株式会社製)を単独で、主剤のポリクロロプレンラテックスが固形分で100質量部に対して水分散型イソシアネート化合物が5質量部となるように、主剤と混合して使用した。この2液型水系接着剤を、接着剤Dとする。
接着剤Dを用い、実施例1と同じ接着法Aで試験片を作成し、実施例1と同様の接着力評価試験をおこなった。
【0039】
[比較例1]
実験例1で得られたポリクロロプレンラテックスを固形分で100質量部に対して、テルペンフェノール系粘着付与樹脂(タマノルE−100/荒川化学工業株式会社製)を45質量部(固形分換算)、水溶性ポリウレタン系増粘剤(Primal RM−8W/ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社製)を0.2質量部(固形分換算)配合し、主剤とした。
硬化剤は、イソシアネート基含有率が18.6質量%の水分散型イソシアネート化合物(タケネートWD−730/武田薬品工業株式会社製)を単独で、主剤のポリクロロプレンラテックスが固形分で100質量部に対して水分散型イソシアネート化合物が5質量部となるように、主剤と混合して使用した。この2液型水系接着剤を、接着剤Eとする。
接着剤Eを用い、実施例1と同じ接着法Aで試験片を作成し、実施例1と同様の接着力評価試験をおこなった。
【0040】
[比較例2]
実験例1で得られたポリクロロプレンラテックスを固形分で100質量部に対して、テルペンフェノール系粘着付与樹脂(タマノルE−100/荒川化学工業株式会社製)を45質量部(固形分換算)、水溶性ポリウレタン系増粘剤(Primal RM−8W/ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社製)を0.2質量部(固形分換算)、酸化亜鉛粉末(亜鉛華2種/堺化学工業株式会社製)を5質量部配合し、主剤とした。
硬化剤は、イソシアネート基含有率が18.6質量%の水分散型イソシアネート化合物(タケネートWD−730/武田薬品工業株式会社製)を単独で、主剤のポリクロロプレンラテックスが固形分で100質量部に対して水分散型イソシアネート化合物が5質量部となるように、主剤と混合して使用した。この2液型水系接着剤を、接着剤Fとする。
接着剤Fを用い、実施例1と同じ接着法Aで試験片を作成し、実施例1と同様の接着力評価試験をおこなった。
【0041】
[比較例3]
実験例1で得られたポリクロロプレンラテックスを固形分で100質量部に対して、テルペンフェノール系粘着付与樹脂(タマノルE−100/荒川化学工業株式会社製)を90質量部(固形分換算)、水溶性ポリウレタン系増粘剤(Primal RM−8W/ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社製)を0.3質量部(固形分換算)配合し、主剤とした。
硬化剤は、イソシアネート基含有率が18.6質量%の水分散型イソシアネート化合物(タケネートWD−730/武田薬品工業株式会社製)を単独で、主剤のポリクロロプレンラテックスが固形分で100質量部に対して水分散型イソシアネート化合物が5質量部となるように、主剤と混合して使用した。この2液型水系接着剤を、接着剤Gとする。
接着剤Gを用い、実施例1と同じ接着法Aで試験片を作成し、実施例1と同様の接着力評価試験をおこなった。
【0042】
[比較例4]
実験例1で得られたポリクロロプレンラテックスを固形分で100質量部に対して、テルペンフェノール系粘着付与樹脂(タマノルE−100/荒川化学工業株式会社製)を90質量部(固形分換算)、水溶性ポリウレタン系増粘剤(Primal RM−8W/ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社製)を0.3質量部(固形分換算)、酸化亜鉛粉末(亜鉛華2種/堺化学工業株式会社製)を5質量部配合し、主剤とした。
硬化剤は、イソシアネート基含有率が18.6質量%の水分散型イソシアネート化合物(タケネートWD−730/武田薬品工業株式会社製)を単独で、主剤のポリクロロプレンラテックスが固形分で100質量部に対して水分散型イソシアネート化合物が5質量部となるように、主剤と混合して使用した。この2液型水系接着剤を、接着剤Hとする。
接着剤Hを用い、実施例1と同じ接着法Aで試験片を作成し、実施例1と同様の接着力評価試験をおこなった。
【0043】
[比較例5]
デンカクロロプレンA−90(ポリクロロプレンゴム、電気化学工業株式会社製)100質量部、トルエン460質量部、メチルエチルケトン115質量部、メタクリル酸メチル90質量部、ベンゾイルパーオキサイド0.5質量部の組成比で、メタクリル酸メチルのグラフト反応をおこないCR溶剤系接着剤を作成した。重合停止剤として、2,6−t−ブチル−4−メチルフェノールを使用し、メタクリル酸メチルの転化率を約30質量%に制御した。この溶剤系接着剤を接着剤Iとする。
接着剤Iを、実施例1と同じ接着法Aで試験片を作成し、実施例1と同様の接着力評価試験をおこなった。
【0044】
実施例1〜4、比較例1〜5の得られた評価結果を表1及び表2に示した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
1)タマノルE−100(荒川化学工業株式会社製)
2)Primal RM−8W(ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社製)
3)AZ−SW(大崎工業株式会社製)
4)亜鉛華2種(堺化学工業株式会社製)
5)タケネートWD−730(武田薬品工業株式会社製)
【0048】
【発明の効果】
表1、表2より明らかな如く、本発明の接着方法(実施例1〜4)は、従来のCR水系接着剤(比較例1〜4)及びCR溶剤系接着剤(比較例5)と同等以上の初期接着力、常態接着力、耐水接着力、耐溶剤性を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の接着構造を示す説明図
【符号の説明】
1:発泡ゴム材
2:接着剤
3:布類
Claims (2)
- 水分散型イソシアネート硬化剤と、トルエン不溶分が5〜70質量%のポリクロロプレンラテックス100質量部(固形分換算)と粘着付与樹脂0質量部以上20質量部未満(固形分換算)を含有する主剤からなり、主剤中のポリクロロプレンラテックス(固形分)100質量部に対して、水分散型イソシアネート硬化剤中の水分散型イソシアネート化合物(固形分)0.5〜15質量部となるように混合する2液型水系接着剤であって、硬化剤と主剤とを組み合わせた接着剤を、発泡ゴム材に塗布した後、接着剤層の水分が8割減少するまでの間に接着剤の上に布類を重ねて圧着して用いられることを特徴とする2液型水系接着剤。
- 主剤に更に増粘剤を固形分換算で0.01〜10質量部含有することを特徴とする請求項1記載の2液型水系接着剤。
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