JP2002060711A - 水系接着剤及びそれを用いた接着方法及び接着構造体 - Google Patents

水系接着剤及びそれを用いた接着方法及び接着構造体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機溶剤を含む接着剤(溶剤系接着剤)を必
要としない新規な水系接着剤、特にウェットスーツ等の
発泡ゴム材と布類用の水系接着剤、接着方法及び接着構
造を提供する。 【解決手段】 ポリクロロプレンラテックス、好ましく
はクロロプレンとカルボキシル基含有ビニル単量体を乳
化共重合させたポリクロロプレンラテックスを固形分換
算で100質量部に対して粘着付与樹脂を固形分換算で
0質量部以上20質量部未満配合した主剤とイソシアネ
ート化合物を含有する硬化剤を組み合わせた2液型水系
接着剤。これを用いた接着方法、特に発泡ゴム材に布類
を接着する接着方法において、発泡ゴム材の表面に接着
剤を塗布する工程と、該接着剤が乾燥する前に布類を重
ねて接着する工程とを備えている接着方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な水系接着
剤、特に発泡ゴム材と布類を接着する水系接着剤、接着
方法及び接着構造体に関するものであり、特に好ましく
はウェットスーツを構成する発泡ゴム材と布類を好適に
接着する水系接着剤、接着方法及び接着構造体に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ウェットスーツは、発泡ゴム材に
ポリクロロプレン(CR)溶剤系接着剤を塗布し、布類
を張り合わせることで得られる積層シートを型取りし
て、成形または縫製あるいはつなぎ目をテーピングする
こと等で作成されている。ところが、CR溶剤系接着剤
には、トルエンや酢酸エチルやメチルエチルケトン等の
有機溶剤が用いられているため、接着剤塗工時に有機溶
剤が作業場で揮発し、作業員の安全衛生面、環境面で好
ましくなく、有機溶剤の低減が望まれていた。有機溶剤
を低減させる方法としては、ポリクロロプレンラテック
スを含有する水系接着剤(CR水系接着剤)に転換する
ことが有効であるが、耐水性及び耐溶剤性といった接着
性能を得ることは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の従来
技術を鑑みてなされたものであり、従来のCR溶剤系接
着剤を用いた場合のように安全衛生面、環境面での問題
がなく、従来のCR溶剤系接着剤によるものと同等以上
に強固に接着し、なおかつ十分な耐溶剤性を実現する水
系接着剤、接着方法及び接着構造体を提供することを目
的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく検討を重ねた結果、ポリクロロプレンラテ
ックスを固形分換算で100質量部に対して粘着付与樹
脂を固形分換算で0質量部以上20質量部未満配合した
主剤と、水分散型イソシアネート硬化剤を組み合わせた
2液型水系接着剤を用い、図1(a)の発泡ゴム材1に
図1(c)の布類3を接着する接着方法において、図1
(a)の発泡ゴム材1の表面に図1(b)の接着剤2を
塗布する工程と、該接着剤を塗布後直ちに、すなわち該
接着剤が乾燥する前に、該接着剤2の上に図1(c)の
布類を重ねて接着する工程とを備えている接着方法によ
り、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成
させた。 すなわち、本発明は水分散型イソシアネート硬化剤をポ
リクロロプレンラテックス100質量部(固形分換算)
と粘着付与樹脂0質量部以上20質量部未満(固形分換
算)を含有する主剤と分離して保存または運搬すること
を特徴とする水系接着剤、特に好ましくは発泡ゴム材と
布類の接着用水系接着剤である。本発明において、水分
散型イソシアネート硬化剤は使用する際に主剤と混合す
るものであるが、それ以前においては主剤と分離してお
く必要があり、この場合、主剤は必ずしも単一のラテッ
クス液である必要はなく、必要に応じて2以上の液に分
かれていても構わない。また、本発明は、被着体の表面
に、ポリクロロプレンラテックス100質量部(固形分
換算)と粘着付与樹脂0質量部以上20質量部未満(固
形分換算)を含有する主剤と、水分散型イソシアネート
硬化剤を組み合わせた2液型水系接着剤を塗布する工程
と、接着剤の塗布後直ちに接着剤の上に他の被着体を重
ねて圧着する工程を備えていることを特徴とする接着方
法であり、特に発泡ゴム材と布類を接着する方法におい
て、発泡ゴム材の表面に、ポリクロロプレンラテックス
100質量部(固形分換算)と粘着付与樹脂0質量部以
上20質量部未満(固形分換算)を含有する主剤と、水
分散型イソシアネート硬化剤を組み合わせた2液型水系
接着剤を塗布する工程と、接着剤の塗布後直ちに接着剤
の上に布類を重ねて圧着する工程を備えていることを特
徴とする接着方法である。この場合において、接着剤主
剤に含まれるポリクロロプレンラテックスは、クロロプ
レンとカルボキシル基含有ビニル単量体を水を媒体とし
て共重合させたポリクロロプレンラテックスが好まし
く、さらにポリビニルアルコール存在下で水を媒体とし
て、単量体の合計100質量部のうち、カルボキシル基
含有ビニル単量体が0.01〜10質量部である単量体
混合物を共重合させて得たポリクロロプレンラテックス
であることが好ましい。さらに、主剤は酸化亜鉛を含有
することが好ましく、また主剤に含まれるポリクロロプ
レンラテックス中の重合体のトルエン不溶分が5〜70
質量%であることが好ましい。また、本発明は、上記の
接着方法によって得られた発泡ゴム材に塗布された接着
剤層の表面に布類が接着されている接着構造体である。
【0005】以下、本発明の内容を詳細に説明する。本
発明における一方の被着体としては発泡ゴム材が好まし
く、発泡ゴム材としては、天然または合成の発泡された
ゴム材料が特に限定されることなく好適に使用され、具
体的には、ポリクロロプレン或いはクロロスルホン化ポ
リエチレン等の独立気泡を有し、しかも伸縮性を有する
ゴム材料がいずれのものでも好適に使用することができ
る。しかし、ウェットスーツに仕立てた際の、身体への
フィット感、伸縮性、軽量性、断熱・保温効果を考慮す
ると、発泡ポリクロロプレンが好ましい。また、例え
ば、特開平11−79078号公報(出願人:株式会社
イナポリ・トレイディング)で提案・使用されているよ
うな、硬度或いは発泡倍率の異なる発泡ゴム材が積層さ
れたものであっても構わない。
【0006】本発明における他方の被着体としては布類
が好ましい。本発明における布類とは、織物、編物また
は不織布であるが、伸縮性を有する織物または編物が好
ましく、ツーウェイトリコット(縦、横の両方にストレ
ッチ性を有する)の織編物であることがより好ましい。
具体的には、ナイロンジャージまたはポリエステルジャ
ージ等が挙げられる。特に、ウェットスーツ用途には、
ストレッチ性、通気性を考慮すれば、ナイロンジャージ
が最も好ましい。
【0007】本発明におけるポリクロロプレンラテック
スとは、2−クロロ−1,3−ブタジエン(以下クロロ
プレンと記す)単独、またはクロロプレンとクロロプレ
ンと共重合可能な単量体の1種類以上の単量体混合物
を、乳化剤及び/または分散剤の存在下、水を媒体とし
て重合して得られた重合体または共重合体を主成分とす
るラテックスである。クロロプレンと共重合可能な単量
体としては、例えば、2,3−ジクロロ−1,3−ブタ
ジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、ブタジエ
ン、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、アクリ
ル酸及びそのエステル類、メタクリル酸及びそのエステ
ル類等が挙げられ、必要に応じて2種類以上用いても構
わない。
【0008】特に、クロロプレンと、1種類以上のカル
ボキシル基含有ビニル単量体の共重合体であれば、接着
剤層の柔軟性が維持でき、良好な肌触りが得られるた
め、好ましい。カルボキシル基含有ビニル単量体として
は、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、
フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、グルタコン酸な
どが挙げられ、必要に応じて2種類以上のカルボキシル
基含有ビニル単量体を用いて構わない。その中でも特
に、メタクリル酸(2−メチルプロペン酸またはα−メ
チルアクリル酸ともいう)が最も好ましく、クロロプレ
ンとメタクリル酸の共重合体であれば、乳化重合時の粘
度制御が容易であり、また接着剤に高い耐水接着力を持
たせることができる。
【0009】この場合、カルボキシル基含有ビニル単量
体の仕込み量は、単量体の合計100質量部のうち、カ
ルボキシル基含有ビニル単量体が0.01〜10質量部
であることが好ましい。カルボキシル基含有ビニル単量
体を0.01質量部以上共重合させることで、重合体の
結晶性を低くすることができ、ウェットスーツに柔軟性
と良好な着心地を与えることができる。しかし、カルボ
キシル基含有ビニル単量体が10質量部よりも多くなる
と、硬化剤を添加した後のポットライフが短くなった
り、耐水性が低くなったりする場合があり、あまり好ま
しくない。
【0010】本発明におけるポリクロロプレンラテック
スの乳化重合に使用される乳化剤及び/または分散剤は
特に限定するものではなく、通常ポリクロロプレンラテ
ックスに使用されている各種アニオン型、ノニオン型、
カチオン型が使用できる。アニオン型の乳化剤として
は、カルボン酸型、硫酸エステル型等があり、例えば、
ロジン酸のアルカリ金属塩、炭素数が8〜20個のアル
キルスルホネート、アルキルアリールサルフェート、ナ
フタリンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮
合物等が挙げられる。ノニオン型の具体例としては、ポ
リビニルアルコールまたはその共重合体(例えば、アク
リルアミドとの共重合体)、ポリビニルエーテルまたは
その共重合体(例えば、マレイン酸との共重合体)、ポ
リビニルピロリドンまたはその共重合体(例えば、酢酸
ビニルとの共重合体)、あるいは、これら(共)重合体
を化学修飾したもの、あるいはセルロース系誘導体(ヒ
ドロキシエチルセルロース)等を挙げることができる。
カチオン型の具体例としては、脂肪族アミン塩、脂肪族
4級アンモニウム塩等があり、例えば、オクタデシルト
リメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルア
ンモニウムクロリド、ジラウリルジメチルアンモニウム
クロリド等が挙げられる。
【0011】この中ではポリビニルアルコールが最も好
ましい。ポリビニルアルコールはトルエン等の有機溶剤
に溶解しない性質があることから、接着剤層の耐溶剤性
を高めることができる。この場合、ポリビニルアルコー
ルの鹸化度及び重合度は特に限定されないが、鹸化度が
60〜95モル%、重合度が200〜700のものが好
ましい。また、変性タイプ(例えば、アセトアセチル化
されたタイプ、ポリエチレン単位を有するタイプ(通常
RSタイプと呼ばれている))であっても構わない。更
に、ポリビニルアルコールは、ポリクロロプレンの重合
後に添加されたものであっても接着性能に対して良好な
効果を与える。なお、耐溶剤性とは、生地に付いた汚れ
を有機溶剤で拭き取る場合に布が剥がれないように必要
とされる性能である。
【0012】本発明におけるポリクロロプレンラテック
ス中の乳化剤及び/または分散剤の添加量は、初期仕込
み単量体の合計100質量部に対して0.5〜10質量
部が好ましい。0.5質量部未満の場合には、乳化力が
十分でなく、10質量部を超えると接着剤の耐水性を低
下させてしまう。
【0013】本発明におけるポリクロロプレンラテック
スの(共)重合体の重合方法は、特に限定されるもので
はなく、重合温度、重合触媒、連鎖移動剤、重合停止
剤、最終重合率、脱モノマー、濃縮条件等を適切に選
定、制御することで、固形分濃度、トルエン可溶部の分
子量、トルエン不溶分(ゲル含有量)等を調整すること
が可能である。
【0014】本発明における(共)重合体の重合温度は
特に限定されるものではないが重合反応を円滑に行うた
めに、重合温度を10〜50℃とすることが好ましい。
重合触媒は、過硫酸カリウム等の加硫酸塩、第3−ブチ
ルヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物等であり、特
に限定されるものではない。
【0015】本発明における(共)重合体の連鎖移動剤
の種類は特に限定されるものではなく、通常クロロプレ
ンの乳化重合に使用されるものが使用できるが、例えば
n−ドデシルメルカプタンやtert−ドデシルメルカ
プタン等の長鎖アルキルメルカプタン類、ジイソプロピ
ルキサントゲンジスルフィドやジエチルキサントゲンジ
スルフィド等のジアルキルキサントゲンジスルフィド
類、ヨードホルム等の公知の連鎖移動剤を使用すること
ができる。
【0016】本発明における(共)重合体の重合停止剤
(重合禁止剤)は特に限定するものでなく、例えば、
2,6−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール、
フェノチアジン、ヒドロキシアミン等が使用できる。
【0017】本発明における(共)重合体の最終重合率
は、特に限定するものではなく、任意に調節することが
でき、未反応のモノマーは脱モノマー操作によって除去
されるが、その方法は特に限定するものではない。本発
明のポリクロロプレンラテックスは、濃縮あるいは、水
等の添加で希釈することで、固形分濃度を必要な濃度に
制御することができる。濃縮の方法としては、減圧濃縮
などがあるが、特に限定するものではない。接着剤の乾
燥速度、及び接着剤主剤の貯蔵安定性を考慮すると、ポ
リクロロプレンラテックスの固形分濃度は、40〜65
質量%が好ましい。
【0018】本発明におけるポリクロロプレンラテック
スは、含まれる(共)重合体のトルエン不溶分(ゲル含
有量)が5〜70質量%であれば、初期接着力と常態接
着力のバランスに優れた接着剤とすることができる。ト
ルエン不溶分が5質量%より低い場合には常態接着力が
不十分であり、逆に70質量%を越える場合には初期接
着力が不十分となる場合がある。
【0019】本発明の接着剤主剤は、粘着付与樹脂を配
合しなくても良いが、配合する場合には20質量部未満
である必要がある。この理由は、粘着付与樹脂はトルエ
ン等の有機溶剤に容易に溶解する性質を有するので、接
着剤層の耐溶剤性に悪影響を及ぼすためである。粘着付
与樹脂は、十分な常態接着力を維持する上では有効な配
合剤であるが、本発明では、水分散型イソシアネートを
使用し、必要に応じて適量の酸化亜鉛を配合すること
で、十分な常態接着力を維持させることを見出し、粘着
付与樹脂の配合量を少なくしている。ここでいう粘着付
与樹脂とは、具体的には、ロジン樹脂、重合ロジン樹
脂、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、テルペンフェノ
ール樹脂、C5留分系石油樹脂、C9留分系石油樹脂、C
5/C9留分系石油樹脂、DCPD系石油樹脂、アルキル
フェノール樹脂、キシレン樹脂、クマロン樹脂、クマロ
ンインデン樹脂などのことである。実際のウェットスー
ツの接着工程では100℃以上の加熱工程を備えること
が可能であるので、この場合には選定する樹脂の軟化点
温度は80〜160℃のものが好ましい。
【0020】粘着付与樹脂を配合する場合、その配合方
法は特に限定されないが、接着剤中に樹脂を均一に分散
させるために、水性エマルジョンとしてから配合するこ
とが好ましい。さらに粘着付与樹脂の水性エマルジョン
の製法には、トルエン等の有機溶剤に溶解させたものを
乳化剤を用いて水中に乳化/分散させた後、有機溶剤を
減圧しながら加熱して取り除く方法と、微粒子に粉砕し
て乳化/分散させる方法などがあるが、より微粒子のエ
マルジョンが製造できる前者が好ましい。
【0021】本発明における主剤は、必要に応じて酸化
亜鉛を配合することが好ましい。特に主剤に使用される
ポリクロロプレンラテックスが、クロロプレンとカルボ
キシル基含有ビニル単量体とを共重合させて得たポリク
ロロプレンラテックスである場合、酸化亜鉛を配合する
ことで、共重合体中のカルボキシル基との架橋効果が生
じ、高い常態接着力及び耐溶剤性が得られる。この場
合、酸化亜鉛の性状(粒子径、比表面積)は特に限定さ
れない。酸化亜鉛の結晶系は特に限定されず、非晶また
は六方晶系のどちらでも構わない。また製法も特に限定
されず、フランス法(間接法)、アメリカ法(直接
法)、湿式法のいずれによって製造させていても良い。
フランス法(間接法)とは、金属亜鉛を約1000℃に
加熱して気化させ、熱空気によって酸化させて酸化亜鉛
粉末を製造する方法である。アメリカ法(直接法)と
は、亜鉛を含む天然鉱石に還元剤を添加して直接亜鉛を
気化させ、熱空気によって酸化させて酸化亜鉛粉末を製
造する方法である。湿式法とは、水相反応で酸化亜鉛を
合成する方法であり、例えば、塩化亜鉛水溶液にソーダ
灰水溶液を加え、塩基性炭酸亜鉛を沈降させ、これを水
洗し、乾燥後、約600℃で加熱することで得られる。
本発明における酸化亜鉛の粒子形状は特に限定されず、
球状、針状、鱗片状(板状)、紡錘状、多面体状、不定
形等のいずれであっても良い。
【0022】酸化亜鉛を配合する場合、その配合量は、
ポリクロロプレンラテックスを固形分で100質量部に
対して0.01〜50質量部が好ましく、さらに好まし
くは0.2〜20質量部である。この範囲であれば、さ
らに耐溶剤性を向上させることができる。本発明におけ
る酸化亜鉛の配合方法は特に限定されず、粉末の状態で
配合しても、任意の分散剤を用いて水分散液を作成して
から配合しても良いが、接着剤の主剤中に均一に分散さ
せることができる後者が好ましい。
【0023】本発明における2液型水系接着剤の主剤
は、ポリクロロプレンラテックス、酸化亜鉛、硫黄以外
に、要求性能に合わせて、増粘剤、充填剤、造膜助剤、
紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、加硫剤、加硫促進
剤、消泡剤、抗菌剤、防黴剤等を任意に添加することが
できる。
【0024】主剤の粘度を調節する場合には、増粘剤を
添加すれば良く、具体的な増粘剤としては、ポリアクリ
ル酸ナトリウム、水溶性ポリウレタン、会合型ポリウレ
タン系エマルジョン、アルカリ膨潤型アクリル系エマル
ジョン、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチ
ルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロース
(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HP
C)、合成スメクタイト等が挙げられる。増粘剤の添加
量は、ポリクロロプレンラテックスを固形分換算で10
0質量部に対して0.01〜10質量部が好ましく、さ
らに好ましくは0.02〜5質量部である。この範囲で
あれば、主剤と硬化剤を混合した後の粘度を適切な範囲
に調節することができる。また、製品コストを下げるた
めには、主剤に充填剤を添加することが有効であり、具
体的な充填剤としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミ
ニウム、酸化チタン、硫酸バリウム、合成シリカ等が挙
げられる。造膜助剤としては、プロピレングリコール、
n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール、トリプ
ロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3
−ペンタジオールモノイソブチレート、2,2,4−ト
リメチル−1,3−ペンタジオールジイソブチレート等
が挙げられる。
【0025】加硫促進剤の具体例としては、ジチオカル
バミン酸塩系、キサントゲン塩系、チウラム系、アルデ
ヒドアンモニア系、チオウレア系、チアゾール系、スル
フェンアミド系、グアニジン系等が配合可能である。ジ
チオカルバミン酸塩系の具体例としては、ペンタメチレ
ンジチオカルバミン酸ピペリジン塩、ピペコリルジチオ
カルバミン酸ピペコリン塩、ジメチルジチオカルバミン
酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジ
チオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチ
オカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバ
ミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエ
チルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカ
ルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸
銅、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジエチルジチ
オカルバミン酸テルル等が挙げられる。キサントゲン酸
塩系の具体例としては、ブチルキサントゲン酸亜鉛、イ
ソプロピルキサントゲン酸亜鉛等が挙げられる。チウラ
ム系の具体例としては、テトラメチルチウラムジスルフ
ィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチ
ルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキ
シル)チウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモ
ノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフ
ィド等が挙げられる。アルデヒドアンモニア系の具体例
としては、ヘキサメチレンテトラミン等が挙げられる。
チオウレア系の具体例としては、N,N’−ジフェニル
チオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジエチルチ
オ尿素等が挙げられる。チアゾール系の具体例として
は、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジ
ルスルフィド、2−メウカプトベンゾチアゾール亜鉛
塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシル
アミン塩、2−(N,N−ジエチルチオカルバモイルチ
オ)ベンゾチアゾール、2−(4’−モルホリノジチ
オ)ベンゾチアゾール等が挙げられる。スルフェンアミ
ド系の具体例としては、N−シクロヘキシル−2−ベン
ゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル
−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシ
ジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、
N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスル
フェンアミド等が挙げられる。グアニジン系の具体例と
しては、1,3−ジフェニルグアニジン、ジ−o−トリ
ルグアニジン、1−o−トリルビグアニド、ジカテコー
ルボレートのジ−o−トリルグアニジン塩等が挙げられ
る。
【0026】本発明の硬化剤成分である水分散型イソシ
アネート化合物とは、脂肪族及び/または脂環族ジイソ
シアネートから得られる、分子内にビュウレット、イソ
シアヌレート、ウレタン、ウレトジオン、アロファネー
ト等の構造を有するポリイソシアネートポリマーに親水
基を導入したものである。つまり、水中に添加・攪拌す
ると、水中で微粒子として分散することが可能な自己乳
化型イソシアネート化合物である。脂肪族及び/または
脂環族イソシアネートとしては、例えば、テトラメチレ
ンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソ
シアネート(LDI)、イソホロンジイソシアネート
(IPDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添
XDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、
重合MDI、キシリレンジイソシアネート(XDI)、
ナフチレンジイソシアネート(NDI)、パラフェニレ
ンジイソシアネート(PPDI)、テトラメチルキシリ
レンジイソシアネート(TMXDI)、ジシクロヘキシ
ルメタンジイソシアネート(HMDI)、イソプロピリ
デンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(IP
C)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHPI)、
トリジンジイソシアネート(TODI)等が挙げられ
る。中でも、HDI、MDI、IPDI、水添XDI
は、工業的に入手し易く良好である。親水基は、エチレ
ンオキサイドの繰り返し単位を有する乳化剤を、上記の
脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネートから得られ
る重合物の分子鎖の一部と、反応させることにより導入
される。エチレンオキサイドの繰り返し単位を有する乳
化剤としては、水に対する分散性を考慮すれば、ポリエ
チレングリコールモノメチルエーテルが特に好ましい。
本発明における硬化剤としての効果は、原料化合物より
もむしろ、JIS K−7301で規定される方法によ
って算出したイソシアネート基含有率によって左右され
る。良好な接着力を得るためには、使用する水分散型イ
ソシアネート化合物のイソシアネート基含有率が、17
〜25質量%であることが好ましい。
【0027】本発明の2液型水系接着剤の硬化剤は、水
分散型イソシアネート化合物を必須成分とするが、これ
以外のものとして、水分散型イソシアネート化合物を溶
解させることができる水や有機溶剤等を含むことができ
る。しかし、イソシアネート基は水とも反応するため、
硬化剤の粘度を調節する必要性がなければ、水分散型イ
ソシアネート化合物単独を硬化剤として用いることが好
ましい。
【0028】主剤と硬化剤の混合比は、主剤中のポリク
ロロプレンラテックスを固形分で100質量部に対し
て、硬化剤中の水分散型イソシアネート化合物が固形分
で0.5〜15質量部となるように混合することが好ま
しい。0.5質量部未満では、接着力が不足し、また1
5質量部よりも多く添加すれば、接着剤層の硬度が高く
なり、ウェットスーツに仕立てた際の伸縮性が阻害され
る場合がある。接着剤の粘度は、塗布方法及び塗布装置
の仕様にあわせて調節すれば良いが、主剤と硬化剤を混
合した後の粘度が、1000〜15000[mPa・
s](B型粘度計,25℃,30rpm)が好ましい。
粘度が1000[mPa・s]未満では、発泡ゴム材の
表面でのはじきが問題となる場合があり、粘度が150
00[mPa・s]よりも高いと均一な塗布が困難にな
る。
【0029】本発明の接着方法における被着体の一方、
好ましくは発泡ゴム材に接着剤を塗布する工程において
は、塗布する方法及び装置仕様は特に限定されない。具
体的にはカーテンフローコーター法、バーコーター法、
ロールコーター法等が挙げられ、さらにロールコーター
法には、グラビアロールコーター法、リバースグラビア
ロールコーター法等がある。この中では、接着剤を連続
的に均一に塗布することが可能であるロールコーター法
が好ましい。塗布量は特に限定されないが、接着剤が布
類からしみ出さない程度に制御する必要があり、20〜
200g/m2(ウェット)が好ましい。
【0030】本発明の接着方法における被着体を圧着す
る工程、好ましくは発泡ゴム材に布類を重ねて圧着する
工程においては、接着剤の塗布後直ちに、すなわち接着
剤が乾燥する前に布類を重ねなければならない。接着剤
が乾燥する前の状態とは、接着剤層の水分が8割減少す
るまでの間、つまり主剤と硬化剤を混合した時点での接
着剤中の水分を100%としたときに、これが20%に
なるまでの間を指し、この間に布類を重ねることとす
る。直ちに布類を重ねて接着する方法が適している理由
は、接着剤がウェット状態の時に布類を重ねることで、
布類に対する投錨効果を得ることができるためであり、
接着剤がドライ状態の時に布類を重ねる方法よりも良好
な接着力を得ることができる。圧着装置や圧着条件、プ
レス圧力は特に限定されず、布類を重ねた後の圧着操作
は、加熱プレスまたは常温プレスのいずれであっても構
わない。しかし、十分な初期接着力を得るために、プレ
スと同時またはプレス操作の後に、布類を重ねた後に5
0〜150℃で10秒間〜10分間の乾燥を行うことが
好ましい。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、こ
れらの実施例は本発明を限定するものではない。なお、
以下の説明において特に断りのない限り部および%は質
量基準で表す。
【0032】[実験例1]内容積3リットルの反応器を
用いて、窒素雰囲気中で、水96質量部にポリビニルア
ルコール3.5質量部を60℃で溶解させた。このポリ
ビニルアルコール水溶液を室温近くまで冷却した後、こ
の中にクロロプレン単量体99質量部、メタクリル酸1
質量部、オクチルメルカプタン0.4質量部を加えた。
これを45℃に保持しながら亜硫酸ナトリウムと過硫酸
カリウムを開始剤として用い重合しポリクロロプレンラ
テックスを得た。次に、このポリクロロプレンラテック
スに20質量%ジエタノールアミン水溶液を添加してp
Hを7に調製し、減圧加温により濃縮し、固形分を55
質量%になるように調製した。このポリクロロプレンラ
テックスの固形分、共重合体のゲル含有量を以下の方法
で測定したところ、固形分が55質量%、ゲル含有量が
29質量%であった。 [固形分濃度]アルミ皿だけを秤量してAとした。ラテッ
クス試料を2mlいれたアルミ皿を秤量しBとした。ラ
テックス試料を入れたアルミ皿を110℃雰囲気下で2
時間乾燥させた後、秤量しCとした。固形分濃度(%)
は下式により求めた。 固形分濃度={(C−A)/(B−A)}×100 [ゲル含有量(トルエン不溶分)測定]ラテックス試料を
凍結乾燥し秤量してAとした。23℃で20時間、トル
エンで溶解(0.6%に調整)し、遠心分離機を使用
し、更に200メッシュの金網を用いてゲルを分離し
た。ゲル分を風乾燥後110℃雰囲気下で、1時間乾燥
し、秤量してBとした。ゲル含有量(%)は下式に従っ
て算出した。 ゲル含有量=(B/A)×100
【0033】[実施例1]実験例1で得られたポリクロ
ロプレンラテックスを固形分で100質量部に対して、
水溶性ポリウレタン系増粘剤(Primal RM−8
W/ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社製)を
0.06質量部(固形分換算)配合し、主剤とした。硬
化剤は、イソシアネート基含有率が18.6質量%の水
分散型イソシアネート化合物(タケネートWD−730
/武田薬品工業株式会社製)を単独で、主剤のポリクロ
ロプレンラテックスが固形分で100質量部に対して水
分散型イソシアネート化合物が5質量部となるように、
主剤と混合して使用した。この2液型水系接着剤を、接
着剤Aとする。
【0034】主剤と硬化剤を混合した接着剤を、発泡ポ
リクロロプレン(厚さ3mm)に80g/m2塗布した
後、直ちにナイロンジャージ布を重ね、110℃に加熱
されたプレス装置で1分間圧着した。この接着方法を接
着法Aとする。
【0035】接着法Aによって得られた試験片(糊代部
のサイズは幅2cm×長さ7cm)について、以下の接
着力評価試験をおこなった。 [初期接着力評価試験]圧着してから10分後に引張試
験機で引張速度200mm/minで180°剥離強度
を測定した。 [常態接着力評価試験]圧着してから7日後に引張試験
機で引張速度200mm/minで180°剥離強度を
測定した。 [耐水接着力評価試験]圧着してから1日後に純水に浸
漬し、7日間漬けた後、引張試験で引張速度200mm
/minで180°剥離強度を測定した。 [耐溶剤性評価試験]圧着してから1日後に、トルエ
ンに2秒間漬けた後、引張試験で引張速度200mm/
minで180°剥離強度を測定した。 [耐溶剤性評価試験]圧着してから7日後に、トルエ
ンに2秒間漬けた後、引張試験で引張速度200mm/
minで180°剥離強度を測定した。 [耐溶剤性評価試験]圧着してから30日後に、トル
エンに2秒間漬けた後、引張試験で引張速度200mm
/minで180°剥離強度を測定した。
【0036】[実施例2]実験例1で得られたポリクロ
ロプレンラテックスを固形分で100質量部に対して、
AZ−SW(湿式法で製造された酸化亜鉛の50%水分
散液/大崎工業株式会社製)を5質量部(固形分換
算)、水溶性ポリウレタン系増粘剤(Primal R
M−8W/ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社
製)を0.06質量部(固形分換算)配合し、主剤とし
た。硬化剤は、イソシアネート基含有率が18.6質量
%の水分散型イソシアネート化合物(タケネートWD−
730/武田薬品工業株式会社製)を単独で、主剤のポ
リクロロプレンラテックスが固形分で100質量部に対
して水分散型イソシアネート化合物が5質量部となるよ
うに、主剤と混合して使用した。この2液型水系接着剤
を、接着剤Bとする。接着剤Bを用い、実施例1と同じ
接着法Aで試験片を作成し、実施例1と同様の接着力評
価試験をおこなった。
【0037】[実施例3]実験例1で得られたポリクロ
ロプレンラテックスを固形分で100質量部に対して、
テルペンフェノール系粘着付与樹脂(タマノルE−10
0/荒川化学工業株式会社製)を15質量部(固形分換
算)、水溶性ポリウレタン系増粘剤(Primal R
M−8W/ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社
製)を0.1質量部(固形分換算)配合し、主剤とし
た。硬化剤は、イソシアネート基含有率が18.6質量
%の水分散型イソシアネート化合物(タケネートWD−
730/武田薬品工業株式会社製)を単独で、主剤のポ
リクロロプレンラテックスが固形分で100質量部に対
して水分散型イソシアネート化合物が5質量部となるよ
うに、主剤と混合して使用した。この2液型水系接着剤
を、接着剤Cとする。接着剤Cを用い、実施例1と同じ
接着法Aで試験片を作成し、実施例1と同様の接着力評
価試験をおこなった。
【0038】[実施例4]実験例1で得られたポリクロ
ロプレンラテックスを固形分で100質量部に対して、
テルペンフェノール系粘着付与樹脂(タマノルE−10
0/荒川化学工業株式会社製)を15質量部(固形分換
算)、AZ−SW(湿式法で製造された酸化亜鉛の50
%水分散液/大崎工業株式会社製)を5質量部(固形分
換算)、水溶性ポリウレタン系増粘剤(Primal
RM−8W/ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会
社製)を0.1質量部(固形分換算)配合し、主剤とし
た。硬化剤は、イソシアネート基含有率が18.6質量
%の水分散型イソシアネート化合物(タケネートWD−
730/武田薬品工業株式会社製)を単独で、主剤のポ
リクロロプレンラテックスが固形分で100質量部に対
して水分散型イソシアネート化合物が5質量部となるよ
うに、主剤と混合して使用した。この2液型水系接着剤
を、接着剤Dとする。接着剤Dを用い、実施例1と同じ
接着法Aで試験片を作成し、実施例1と同様の接着力評
価試験をおこなった。
【0039】[比較例1]実験例1で得られたポリクロ
ロプレンラテックスを固形分で100質量部に対して、
テルペンフェノール系粘着付与樹脂(タマノルE−10
0/荒川化学工業株式会社製)を45質量部(固形分換
算)、水溶性ポリウレタン系増粘剤(Primal R
M−8W/ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社
製)を0.2質量部(固形分換算)配合し、主剤とし
た。硬化剤は、イソシアネート基含有率が18.6質量
%の水分散型イソシアネート化合物(タケネートWD−
730/武田薬品工業株式会社製)を単独で、主剤のポ
リクロロプレンラテックスが固形分で100質量部に対
して水分散型イソシアネート化合物が5質量部となるよ
うに、主剤と混合して使用した。この2液型水系接着剤
を、接着剤Eとする。接着剤Eを用い、実施例1と同じ
接着法Aで試験片を作成し、実施例1と同様の接着力評
価試験をおこなった。
【0040】[比較例2]実験例1で得られたポリクロ
ロプレンラテックスを固形分で100質量部に対して、
テルペンフェノール系粘着付与樹脂(タマノルE−10
0/荒川化学工業株式会社製)を45質量部(固形分換
算)、水溶性ポリウレタン系増粘剤(Primal R
M−8W/ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社
製)を0.2質量部(固形分換算)、酸化亜鉛粉末(亜
鉛華2種/堺化学工業株式会社製)を5質量部配合し、
主剤とした。硬化剤は、イソシアネート基含有率が1
8.6質量%の水分散型イソシアネート化合物(タケネ
ートWD−730/武田薬品工業株式会社製)を単独
で、主剤のポリクロロプレンラテックスが固形分で10
0質量部に対して水分散型イソシアネート化合物が5質
量部となるように、主剤と混合して使用した。この2液
型水系接着剤を、接着剤Fとする。接着剤Fを用い、実
施例1と同じ接着法Aで試験片を作成し、実施例1と同
様の接着力評価試験をおこなった。
【0041】[比較例3]実験例1で得られたポリクロ
ロプレンラテックスを固形分で100質量部に対して、
テルペンフェノール系粘着付与樹脂(タマノルE−10
0/荒川化学工業株式会社製)を90質量部(固形分換
算)、水溶性ポリウレタン系増粘剤(Primal R
M−8W/ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社
製)を0.3質量部(固形分換算)配合し、主剤とし
た。硬化剤は、イソシアネート基含有率が18.6質量
%の水分散型イソシアネート化合物(タケネートWD−
730/武田薬品工業株式会社製)を単独で、主剤のポ
リクロロプレンラテックスが固形分で100質量部に対
して水分散型イソシアネート化合物が5質量部となるよ
うに、主剤と混合して使用した。この2液型水系接着剤
を、接着剤Gとする。接着剤Gを用い、実施例1と同じ
接着法Aで試験片を作成し、実施例1と同様の接着力評
価試験をおこなった。
【0042】[比較例4]実験例1で得られたポリクロ
ロプレンラテックスを固形分で100質量部に対して、
テルペンフェノール系粘着付与樹脂(タマノルE−10
0/荒川化学工業株式会社製)を90質量部(固形分換
算)、水溶性ポリウレタン系増粘剤(Primal R
M−8W/ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社
製)を0.3質量部(固形分換算)、酸化亜鉛粉末(亜
鉛華2種/堺化学工業株式会社製)を5質量部配合し、
主剤とした。硬化剤は、イソシアネート基含有率が1
8.6質量%の水分散型イソシアネート化合物(タケネ
ートWD−730/武田薬品工業株式会社製)を単独
で、主剤のポリクロロプレンラテックスが固形分で10
0質量部に対して水分散型イソシアネート化合物が5質
量部となるように、主剤と混合して使用した。この2液
型水系接着剤を、接着剤Hとする。接着剤Hを用い、実
施例1と同じ接着法Aで試験片を作成し、実施例1と同
様の接着力評価試験をおこなった。
【0043】[比較例5]デンカクロロプレンA−90
(ポリクロロプレンゴム、電気化学工業株式会社製)1
00質量部、トルエン460質量部、メチルエチルケト
ン115質量部、メタクリル酸メチル90質量部、ベン
ゾイルパーオキサイド0.5質量部の組成比で、メタク
リル酸メチルのグラフト反応をおこないCR溶剤系接着
剤を作成した。重合停止剤として、2,6−t−ブチル
−4−メチルフェノールを使用し、メタクリル酸メチル
の転化率を約30質量%に制御した。この溶剤系接着剤
を接着剤Iとする。接着剤Iを、実施例1と同じ接着法
Aで試験片を作成し、実施例1と同様の接着力評価試験
をおこなった。
【0044】実施例1〜4、比較例1〜5の得られた評
価結果を表1及び表2に示した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】1)タマノルE−100(荒川化学工業株
式会社製) 2)Primal RM−8W(ローム・アンド・ハー
ス・ジャパン株式会社製) 3)AZ−SW(大崎工業株式会社製) 4)亜鉛華2種(堺化学工業株式会社製) 5)タケネートWD−730(武田薬品工業株式会社
製)
【0048】
【発明の効果】表1、表2より明らかな如く、本発明の
接着方法(実施例1〜4)は、従来のCR水系接着剤
(比較例1〜4)及びCR溶剤系接着剤(比較例5)と
同等以上の初期接着力、常態接着力、耐水接着力、耐溶
剤性を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の接着構造を示す説明図
【符号の説明】
1:発泡ゴム材 2:接着剤 3:布類
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 175/04 C09J 175/04 201/00 201/00 // B29K 9:00 B29K 9:00 Fターム(参考) 4F100 AK10A AK28A AK28G AK51G AN00A AN02A AN02G AR00B BA02 CB00 DG01B DG12B DG13B DG15B DJ01A GB72 GB87 JB01 JK06 JM01G 4F211 AA45 AC03 AD05 AH59 AH66 TA03 TA13 TC02 TD11 TN47 TN51 TN59 TQ01 4J040 CA141 DD022 GA07 HA136 HC16 JA03 JA13 KA14 KA16 KA25 KA26 MA12 MB02 NA05 PA33

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水分散型イソシアネート硬化剤をポリク
    ロロプレンラテックス100質量部(固形分換算)と粘
    着付与樹脂0質量部以上20質量部未満(固形分換算)
    を含有する主剤と分離して保存または運搬することを特
    徴とする水系接着剤。
  2. 【請求項2】 水分散型イソシアネート硬化剤をポリク
    ロロプレンラテックス100質量部(固形分換算)と粘
    着付与樹脂0質量部以上20質量部未満(固形分換算)
    を含有する主剤と分離して保存または運搬することを特
    徴とする発泡ゴム材と布類の接着用水系接着剤。
  3. 【請求項3】 主剤に更に増粘剤を固形分換算で0.0
    1〜10質量部含有することを特徴とする請求項1また
    は2記載の水系接着剤。
  4. 【請求項4】 被着体の表面に、ポリクロロプレンラテ
    ックス100質量部(固形分換算)と粘着付与樹脂0質
    量部以上20質量部未満(固形分換算)を含有する主剤
    と、水分散型イソシアネート硬化剤を組み合わせた2液
    型水系接着剤を塗布する工程と、接着剤の塗布後直ちに
    接着剤の上に他の被着体を重ねて圧着する工程を備えて
    いることを特徴とする接着方法。
  5. 【請求項5】 発泡ゴム材と布類を接着する方法におい
    て、発泡ゴム材の表面に、ポリクロロプレンラテックス
    100質量部(固形分換算)と粘着付与樹脂0質量部以
    上20質量部未満(固形分換算)を含有する主剤と、水
    分散型イソシアネート硬化剤を組み合わせた2液型水系
    接着剤を塗布する工程と、接着剤の塗布後直ちに接着剤
    の上に布類を重ねて圧着する工程を備えていることを特
    徴とする接着方法。
  6. 【請求項6】 主剤に更に増粘剤を固形分換算で0.0
    1〜10質量部含有することを特徴とする請求項4また
    は5記載の接着方法。
  7. 【請求項7】 ポリクロロプレンラテックスが水を媒体
    としてクロロプレン単量体99.99〜90質量%とカ
    ルボキシル基含有ビニル単量体0.01〜10質量%を
    共重合させて得たポリクロロプレンラテックスであるこ
    とを特徴とする請求項4または5または6記載の接着方
    法。
  8. 【請求項8】 ポリクロロプレンラテックスが、ポリビ
    ニルアルコール存在下で水を媒体としてクロロプレン単
    量体を重合または共重合させて得たポリクロロプレンラ
    テックスであることを特徴とする請求項4〜7のいずれ
    か1項記載の接着方法。
  9. 【請求項9】 主剤が酸化亜鉛を含有することを特徴と
    する請求項4〜8のいずれか1項記載の接着方法。
  10. 【請求項10】 ポリクロロプレンラテックス中の重合
    体のトルエン不溶分が5〜70質量%であることを特徴
    とする請求項4〜9のいずれか1項記載の接着方法。
  11. 【請求項11】 請求項4〜10のいずれか1項記載の
    接着方法により接着されてなることを特徴とする発泡ゴ
    ム材と布類が接着された接着構造。
  12. 【請求項12】 請求項4〜10のいずれか1項記載の
    接着方法により接着してなることを特徴とするウェット
    スーツ。
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