JP4675508B2 - 2液型水系ポリクロロプレン接着剤及びそれで接着した構造体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発泡ゴム材と布類を接着するに好適な接着剤及び接着構造体に関するものであり、特にウェットスーツを構成する発泡ゴム材と布類を好適に接着する水系接着剤及びその接着剤により接着された接着構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ウェットスーツは、発泡ゴム材にポリクロロプレン(CR)溶剤系接着剤を塗布し、布類を張り合わせることで得られる積層シートを、型取りして、成形または縫製あるいはつなぎ目をテーピングすること等で作成されている。ところが、CR溶剤系接着剤には、トルエンや酢酸エチルやメチルエチルケトン等の有機溶剤が用いられているため、接着剤塗工時に有機溶剤が作業場で揮発し、作業員の安全衛生面、環境面で好ましくなく、有機溶剤の低減が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の従来技術を鑑みてなされたものであり、従来のCR溶剤系接着剤を用いた場合のように安全衛生面、環境面での問題がなく、従来のCR溶剤系接着剤によるものと同等以上に強固に接着するCR水系接着剤及びその接着剤により接着された接着構造体を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく検討を重ねた結果、乳化剤としてロジン酸アルカリ金属塩を使用し、クロロプレンと2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンを乳化共重合させて得た共重合体(以下単に本発明の共重合体という場合がある)を主として含有するポリクロロプレンラテックスと粘着付与樹脂を含有する主剤と、水分散型イソシアネート化合物を含有する硬化剤を組み合わせた2液型水系接着剤を用い、図1(a)の発泡ゴム材1に図1(c)の布類3を接着する接着方法において、図1(a)の発泡ゴム材1の表面に図1(b)の接着剤2を塗布する工程と、該接着剤を塗布後直ちに、すなわち該接着剤が乾燥する前に、該接着剤2の上に図1(c)の布類を重ねて接着する工程とを備えている接着方法により、上記の課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明はクロロプレンと少なくとも2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンを乳化共重合させて得たポリクロロプレンラテックスと粘着付与樹脂を含有する主剤と、水分散型イソシアネート化合物を含有する硬化剤からなる2液型水系ポリクロロプレン接着剤を提供するものである。
また、本発明は上記の2液型水系ポリクロロプレン接着剤により接着してなる発泡ゴム材と布との接着構造体を提供するものである。
本発明の実施態様である接着剤を用いて発泡ゴム材と布類を接着する好ましい接着方法としては、発泡ゴム材の表面に、乳化剤としてロジン酸アルカリ金属塩を使用してクロロプレンと2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンを乳化共重合させて得たポリクロロプレンラテックスと粘着付与樹脂を固形分換算で100重量部対20〜100重量部の割合で含有する主剤と、水分散型イソシアネート化合物を含有する硬化剤を組み合わせた2液型水系接着剤を塗布する工程と、接着剤の塗布後直ちに、接着剤の上に布類を重ねて圧着する工程を備えていることを特徴とする接着方法である。
本発明の接着剤において、接着剤主剤に含まれるポリクロロプレンラテックスの重合体のトルエン不溶分が50〜99重量%であることが好ましい。
【0005】
以下、本発明の内容を更に詳細に説明する。本発明における発泡ゴム材としては、天然または合成の発泡されたゴム材料が特に限定されることなく好適に使用され、具体的にはポリクロロプレン或いはクロロスルホン化ポリエチレン等の独立気泡を有し、しかも伸縮性を有するゴム材料がいずれのものでも好適に使用することができる。しかし、ウェットスーツに仕立てた際の、身体へのフィット感、伸縮性、軽量性、断熱・保温効果を考慮すると、発泡ポリクロロプレンが好ましい。また、例えば、特開平11−79078号公報(出願人:株式会社イナポリ・トレイディング)で提案・使用されているような、硬度或いは発泡倍率が異なる発泡ゴム材が積層されたものであっても構わない。
【0006】
本発明における布類とは、織物、編物または不織布であるが、伸縮性を有する織物または編物が好ましく、ツーウェイトリコット(縦、横の両方にストレッチ性を有する)の織編物であることがより好ましい。具体的には、ナイロンジャージまたはポリエステルジャージなどが挙げられる。特に、ウェットスーツ用途には、ストレッチ性、通気性を考慮すれば、ナイロンジャージが最も好ましい。
【0007】
本発明におけるポリクロロプレンラテックスとは、2−クロロ−1,3−ブタジエン(以下クロロプレンと記す)と2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンを、ロジン酸アルカリ金属塩の存在下で乳化共重合させて得られたラテックスである。
【0008】
2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンの仕込み量は特に限定されないが、単量体の合計100重量部のうち、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンが、2〜30重量部であることが好ましい。2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンを2重量部以上共重合させることで、重合体の結晶性を低くすることができ、ウェットスーツに柔軟性と良好な着心地を与えることができる。しかし、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンの量が30重量部よりも多くなると、むしろ結晶性が高くなってしまい、接着剤層が硬くなるため、ウェットスーツの柔軟性が失われる。必要であれば、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン以外のクロロプレンと共重合可能である単量体を、共重合させても構わない。2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン以外のクロロプレンと共重合可能な単量体としては、1−クロロ−1,3−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸及びアクリル酸エステル類、メタクリル酸及びメタクリル酸エステル類等が挙げられる。
【0009】
本発明におけるポリクロロプレンラテックスの乳化重合に使用される乳化剤はロジン酸のアルカリ金属塩であり、具体的には、ロジン酸ナトリウム塩、ロジン酸カリウム塩などが挙げられる。
【0010】
本発明におけるポリクロロプレンラテックスの乳化重合に使用されるロジン酸アルカリ金属塩の添加量は、クロロプレン及び2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンを必須単量体とする単量体混合物100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。0.1重量部未満の場合には、乳化力が十分でなく、10重量部を超えると接着剤の接着力が阻害されるおそれがある。
【0011】
本発明の共重合体の重合方法は、特に限定されるものではなく、重合温度、重合触媒、連鎖移動剤、重合停止剤、最終重合率、脱モノマー、濃縮条件等を適切に選定、制御することで、固形分濃度、トルエン可溶部の分子量、トルエン不溶分(ゲル含有量)等を調整することが可能である。
【0012】
本発明の共重合体の重合温度は特に限定されるものではないが重合反応を円滑に行うために、重合温度を10〜50℃とすることが好ましい。
重合触媒は、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、第3−ブチルヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物等であり、特に限定されるものではない。
【0013】
本発明の共重合体の連鎖移動剤の種類は特に限定されるものではなく、通常クロロプレンの乳化重合に使用されるものが使用できるが、例えばn−ドデシルメルカプタンやtert−ドデシルメルカプタン等の長鎖アルキルメルカプタン類、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドやジエチルキサントゲンジスルフィド等のジアルキルキサントゲンジスルフィド類、ヨードホルム等の公知の連鎖移動剤を使用することができる。
【0014】
本発明の共重合体の重合停止剤(重合禁止剤)は特に限定するものでなく、例えば、2,6−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール、フェノチアジン、ヒドロキシアミン等が使用できる。
【0015】
本発明の共重合体の最終重合率は、特に限定するものではなく、任意に調節することができ、未反応のモノマーは脱モノマー操作によって除去されるが、その方法は特に限定するものではない。本発明のポリクロロプレンラテックスは、濃縮あるいは、水等の添加で希釈することで、固形分濃度を必要な濃度に制御することができる。濃縮の方法としては、減圧濃縮などがあるが、特に限定するものではない。接着剤の乾燥速度、及び貯蔵安定性を考慮すると、ポリクロロプレンラテックスの固形分濃度は、50〜70重量%が好ましい。
【0016】
本発明におけるポリクロロプレンラテックスは、共重合体のトルエン不溶分(ゲル含有量)が50〜99重量%であれば、初期接着力と常態接着力のバランスに優れた接着剤とすることができる。トルエン不溶分が50重量%より低い場合には接着剤の常態接着力が不十分であり、99重量%を越える重合体を得ることは工業的に困難である。
【0017】
本発明における粘着付与樹脂は特に限定されるものではない。具体的には、ロジン樹脂、重合ロジン樹脂、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、テルペンフェノール樹脂、C5留分系石油樹脂、C9留分系石油樹脂、C5/C9留分系石油樹脂、DCPD系石油樹脂、アルキルフェノール樹脂、キシレン樹脂、クマロン樹脂、クマロンインデン樹脂などが挙げられる。実際のウェットスーツの接着工程では、100℃以上の加熱工程を備えることが可能であるので、この場合には選定する樹脂の軟化点は80〜160℃のものが好ましい。
【0018】
粘着付与樹脂の添加方法は特に限定されるものではないが、接着剤中に樹脂を均一に分散させるために、水性エマルジョンとしてから添加することが好ましい。さらに粘着付与樹脂の水性エマルジョンの製法には、トルエン等の有機溶剤に溶解させたものを乳化剤を用いて水中に乳化/分散させた後、有機溶剤を減圧しながら加熱して取り除く方法と、微粒子に粉砕して乳化/分散させる方法などがあるが、より微粒子のエマルジョンが作成できる前者が好ましい。
【0019】
粘着付与樹脂の添加量(固形分換算)は、ポリクロロプレンラテックスを固形分で100重量部に対して、20〜100重量部が好ましい。20重量部未満では発泡ゴム材の表面に対する接着力が不十分であり、100重量部を越えると接着剤層が脆くなり接着不良が起こりやすくなる。
【0020】
本発明における2液型水系接着剤の主剤は、ポリクロロプレンラテックスと粘着付与樹脂を必須成分とするが、要求性能に合わせて、金属酸化物、増粘剤、充填剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、造膜助剤、可塑剤、加硫剤、加硫促進剤、消泡剤等を任意に添加することができる。主剤の貯蔵安定性を長くするためには、金属酸化物を添加すればよく、具体的には、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等が挙げられる。金属酸化物は、ポリクロロプレン重合体の脱塩酸反応によるpHの低下を抑制することができる。主剤の粘度を調節する場合には、増粘剤を添加すれば良く、具体的な増粘剤としては、ポリアクリル酸ナトリウム、会合型ポリウレタンエマルジョン、アルカリ膨潤型アクリルエマルジョン等が挙げられる。また、製品コストを下げるためには、主剤に充填剤を添加することが有効であり、具体的な充填剤としては、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成シリカ等が挙げられる。
【0021】
本発明の硬化剤成分である水分散型イソシアネート化合物とは、脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネートから得られる、分子内にビュウレット、イソシアヌレート、ウレタン、ウレトジオン、アロファネート等の構造を有するポリイソシアネートポリマーに親水基を導入したものである。つまり、水中に添加・攪拌すると、水中で微粒子として分散することが可能な自己乳化型イソシアネート化合物である。脂肪族及び/または脂環族イソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート(LDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、重合MDI、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(IPC)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHPI)、トリジンジイソシアネート(TODI)等が挙げられる。中でも、HDI、MDI、IPDI、水添XDIは、工業的に入手し易く良好である。本発明における硬化剤としての効果は、原料化合物よりもむしろ、JIS K−7301で規定される方法によって算出したイソシアネート基含有率によって左右される。良好な接着力を得るためには、使用する水分散型イソシアネート化合物のイソシアネート基含有率が、17〜25重量%であることが好ましい。
【0022】
本発明の2液型接着剤の硬化剤は、水分散型イソシアネート化合物を必須成分とするが、これ以外のものとして、水分散型イソシアネート化合物を溶解することができる水や有機溶剤等を含むことができる。しかし、イソシアネート基は水とも反応するため、硬化剤の粘度を調節する必要性がなければ、水分散型イソシアネート化合物単独を硬化剤として用いることが好ましい。
【0023】
主剤と硬化剤の混合比は、主剤中のポリクロロプレンラテックスを固形分で100重量部に対して、硬化剤中の水分散型イソシアネート化合物が固形分で0.5〜15重量部となるように混合することが好ましい。0.5重量部未満では、接着力が不足し、また15重量部よりも多く添加すれば、接着剤層の硬度が高くなりウェットスーツに仕立てた際の伸縮性が阻害される場合がある。接着剤の粘度は、塗布方法及び塗布装置の仕様にあわせて調節すれば良いが、主剤と硬化剤を混合した後の粘度が、1000〜12000[mPa・s](B型粘度計,25℃,30rpm)が好ましい。粘度が1000[mPa・s]未満では、発泡ゴム材の表面でのはじきが問題となる場合があり、粘度が12000[mPa・s]よりも高いと均一な塗布が困難になる。
【0024】
本発明の接着方法における発泡ゴム材に接着剤を塗布する工程においては、塗布する方法及び装置仕様は特に限定されない。具体的にはカーテンフローコーター法、バーコーター法、ロールコーター法等が挙げられ、さらにロールコーター法には、グラビアロールコーター法、リバースグラビアロールコーター法等がある。この中では、接着剤をより均一に塗布することが可能であるロールコーター法が好ましい。塗布量は特に限定されないが、接着剤が布類からしみ出さない程度に制御する必要があり、20〜200g/m2(ウェット)が好ましい。
【0025】
本発明の接着方法における発泡ゴム材に布類を重ねて圧着する工程においては、接着剤の塗布後直ちに、すなわち接着剤が乾燥する前に布類を重ねなければならない。接着剤が乾燥する前の状態とは、接着剤層の水分が8割減少するまでの間、つまり主剤と硬化剤を混合した時点での接着剤中の水分を100%としたときに、これが20%になるまでの間をさし、この間に布類を重ねることとする。直ちに布類を重ねて接着する方法が適している理由は、接着剤がウェット状態の時に布類を重ねることで、布類に対する投錨効果を得ることができるためであり、接着剤がドライ状態の時に布類を重ねる方法よりも良好な接着力を得ることができる。圧着装置や圧着条件、プレス圧力は特に限定されず、布類を重ねた後の圧着操作は、加熱プレスまたは常温プレスのいずれであっても構わない。しかし、十分な初期接着力を得るために、プレスと同時またはプレス操作の後に、布類を重ねた後に60〜150℃で10秒〜10分間の乾燥を行うことが好ましい。
【0026】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
【0027】
[実験例1]
内容積3リットルの反応器を用いて、窒素雰囲気中で、水85重量部、酸価160のロジン酸のナトリウム塩5重量部、水酸化カリウム0.8重量部、ホルムアルデヒドナフタレンスルホン酸縮合物のナトリウム塩0.3重量部、亜硫酸ナトリウム0.3重量部を仕込み、溶解後、撹拌しながらクロロプレン単量体92重量部、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン8重量部、n−ドデシルメルカプタン0.03重量部を加えた。過硫酸カリウム0.1重量部を開始剤として用い、窒素雰囲気下40℃で重合し、最終重合率が90%に達したところでフェノチアジンの乳濁液を加えて重合を停止した。減圧下で未反応単量体を除去し、ポリクロロプレンラテックスを得た。次に、このラテックスを減圧加温により濃縮し、固形分を60重量%になるように調製した。ポリクロロプレンラテックスの固形分、重合体のゲル含有量は以下の方法で測定したところ、固形分が60重量%、ゲル含有量が92重量%であった。
【0028】
[固形分濃度]
アルミ皿だけを秤量してAとした。ラテックス試料を2mlいれたアルミ皿を秤量しBとした。ラテックス試料を入れたアルミ皿を110℃雰囲気下で2時間乾燥させた後、秤量しCとした。固形分濃度(重量%)は下式により求めた。
固形分濃度={(C−A)/(B−A)}×100
[トルエン不溶分(ゲル含有量)測定]
ラテックス試料を凍結乾燥し秤量してAとした。23℃で20時間、トルエンで溶解(0.6重量%に調整)し、遠心分離機を使用し、更に200メッシュの金網を用いてゲルを分離した。ゲル分を風乾燥後110℃雰囲気下で、1時間乾燥し、秤量してBとした。ゲル含有量(重量%)は下式に従って算出した。
ゲル含有量=(B/A)×100
【0029】
[実施例1]
実験例1で得られたラテックスを固形分で100重量部に対して、テルペンフェノール樹脂系粘着付与樹脂(タマノルE−100/荒川化学工業株式会社製)を45重量部(固形分換算)、ポリアクリル酸ナトリウム系増粘剤(アロンA−20L/東亞合成株式会社製)を2重量部(固形分換算)、酸化亜鉛(亜鉛華2種/堺化学工業株式会社製)を3重量部配合し、主剤とした。硬化剤は、イソシアネート基含有率が18.6重量%の水分散型イソシアネート化合物(タケネートWD−730/武田薬品工業)を単独で、主剤のポリクロロプレンラテックスが固形分で100重量部に対して水分散型イソシアネート化合物が3重量部となるように、主剤と混合して使用した。この2液型水系接着剤を接着剤Aとする。
【0030】
主剤と硬化剤を混合した接着剤を、発泡ポリクロロプレン(厚さ3mm)に80g/m2塗布した後、直ちにナイロンジャージ布を重ね、110℃に加熱されたプレス装置で1分間圧着した。この接着方法を接着法Aとする。
【0031】
接着法Aによって得られた試験片(糊代部のサイズは幅2cm×長さ7cm)について、以下の接着力評価試験をおこなった。
[初期接着力評価試験]
圧着してから10分後に引張試験機で引張速度200mm/minで180°剥離強度を測定した。
[常態接着力評価試験]
圧着してから7日後に引張試験機で引張速度200mm/minで180°剥離強度を測定した。
[耐水接着力評価試験]
圧着してから1日後に、水に7日間漬けた後、引張試験機で引張速度200mm/minで180°剥離強度を測定した。
【0032】
[参考例1]
実施例1の主剤と硬化剤を混合した接着剤Aを、発泡ポリクロロプレン(厚さ3mm)に80g/m2塗布した後、70℃雰囲気下で10分間乾燥させた後、ナイロンジャージ布を重ね、室温のままのプレス装置で1分間圧着した。この接着方法を接着法Bとする。接着法Bによって得られた試験片(糊代部のサイズは幅2cm×長さ7cm)について、実施例1と同様の接着力評価試験をおこなった。
【0033】
[参考例2]
実施例1の主剤と硬化剤を混合した接着剤Aを、発泡ポリクロロプレン(厚さ3mm)に80g/m2塗布した後、70℃雰囲気下で10分間乾燥させた後、ナイロンジャージ布を重ね、110℃に加熱されたプレス装置で1分間圧着した。この接着方法を接着法Cとする。接着法Cによって得られた試験片(糊代部のサイズは幅2cm×長さ7cm)について、実施例1と同様の接着力評価試験をおこなった。
【0034】
[比較例1]
デンカクロロプレンA−90(ポリクロロプレンゴム、電気化学工業株式会社製)100重量部、トルエン460重量部、メチルエチルケトン115重量部、メタクリル酸メチル90重量部、ベンゾイルパーオキサイド0.5重量部の組成比で、メタクリル酸メチルのグラフト反応をおこないCR溶剤系接着剤を作成した。重合停止剤として、2,6−t−ブチル−4−メチルフェノールを使用し、メタクリル酸メチルの転化率を約30%に制御した。この溶剤系接着剤を接着剤Bとする。接着剤Bを、実施例1と同じ接着法Aで試験片を作成し、実施例1と同様の接着力評価試験をおこなった。
【0035】
実施例1,参考例1〜2,比較例1の得られたラテックス組成物の評価結果を表1に示した。
【0036】
【表1】
Figure 0004675508
【0037】
【発明の効果】
表1より明らかな如く、本発明の接着方法(実施例1)は、他の接着方法(参考例1〜2)よりも接着力が高く、従来のCR溶剤系接着剤(比較例1)と同等以上に高い接着力を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 接着方法及び接着構造体を示す図
【符号の説明】
1:発泡ゴム材
2:接着剤
3:布類

Claims (4)

  1. 発泡ゴム材と布類を接着する接着剤であって、発泡ゴム材の表面に、ロジン酸アルカリ金属塩の存在下でクロロプレンと2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンを乳化共重合させて得たポリクロロプレンラテックスと粘着付与樹脂を固形分換算で100重量部対20〜100重量部の割合で含有する主剤と、水分散型イソシアネート化合物を含有する硬化剤からなる2液型水系ポリクロロプレン接着剤を塗布し、接着剤の塗布後、接着剤層の水分が8割減少するまでの間に布類を重ねて圧着することを特徴とする2液型水系ポリクロロプレン接着剤。
  2. 主剤に含まれるポリクロロプレンラテックスの重合体のトルエン不溶分が50〜99重量%である請求項1記載の2液型水系ポリクロロプレン接着剤。
  3. 主剤が金属酸化物を含む請求項1または2に記載の2液型水系ポリクロロプレン接着剤。
  4. 主剤が増粘剤を含む請求項1〜3のいずれかの請求項に記載の2液型水系ポリクロロプレン接着剤。
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