JP2002053829A - 2液型水系ポリクロロプレン接着剤及びそれで接着した構造体 - Google Patents

2液型水系ポリクロロプレン接着剤及びそれで接着した構造体

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JP2002053829A
JP2002053829A JP2001203324A JP2001203324A JP2002053829A JP 2002053829 A JP2002053829 A JP 2002053829A JP 2001203324 A JP2001203324 A JP 2001203324A JP 2001203324 A JP2001203324 A JP 2001203324A JP 2002053829 A JP2002053829 A JP 2002053829A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のCR溶剤系接着剤を用いた場合のように
安全衛生面、環境面での問題がなく、従来のCR溶剤系
接着剤によるものと同等以上に強固に接着するCR水系
接着剤及びその接着剤により接着された接着構造体を提
供する。 【解決手段】本発明はクロロプレンと少なくとも2,3
−ジクロロ−1,3−ブタジエンを乳化共重合させて得
たポリクロロプレンラテックスと粘着付与樹脂を含有す
る主剤と、水分散型イソシアネート化合物を含有する硬
化剤からなる2液型水系ポリクロロプレン接着剤を提供
するものである。また、本発明は上記の2液型水系ポリ
クロロプレン接着剤により接着してなる発泡ゴム材と布
との接着構造体を提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡ゴム材と布類
を接着するに好適な接着剤及び接着構造体に関するもの
であり、特にウェットスーツを構成する発泡ゴム材と布
類を好適に接着する水系接着剤及びその接着剤により接
着された接着構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ウェットスーツは、発泡ゴム材に
ポリクロロプレン(CR)溶剤系接着剤を塗布し、布類
を張り合わせることで得られる積層シートを、型取りし
て、成形または縫製あるいはつなぎ目をテーピングする
こと等で作成されている。ところが、CR溶剤系接着剤
には、トルエンや酢酸エチルやメチルエチルケトン等の
有機溶剤が用いられているため、接着剤塗工時に有機溶
剤が作業場で揮発し、作業員の安全衛生面、環境面で好
ましくなく、有機溶剤の低減が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の従来
技術を鑑みてなされたものであり、従来のCR溶剤系接
着剤を用いた場合のように安全衛生面、環境面での問題
がなく、従来のCR溶剤系接着剤によるものと同等以上
に強固に接着するCR水系接着剤及びその接着剤により
接着された接着構造体を提供することを目的としてい
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく検討を重ねた結果、乳化剤としてロジン酸
アルカリ金属塩を使用し、クロロプレンと2,3−ジク
ロロ−1,3−ブタジエンを乳化共重合させて得た共重
合体(以下単に本発明の共重合体という場合がある)を
主として含有するポリクロロプレンラテックスと粘着付
与樹脂を含有する主剤と、水分散型イソシアネート化合
物を含有する硬化剤を組み合わせた2液型水系接着剤を
用い、図1(a)の発泡ゴム材1に図1(c)の布類3
を接着する接着方法において、図1(a)の発泡ゴム材
1の表面に図1(b)の接着剤2を塗布する工程と、該
接着剤を塗布後直ちに、すなわち該接着剤が乾燥する前
に、該接着剤2の上に図1(c)の布類を重ねて接着す
る工程とを備えている接着方法により、上記の課題が解
決されることを見出し、本発明を完成させた。すなわ
ち、本発明はクロロプレンと少なくとも2,3−ジクロ
ロ−1,3−ブタジエンを乳化共重合させて得たポリク
ロロプレンラテックスと粘着付与樹脂を含有する主剤
と、水分散型イソシアネート化合物を含有する硬化剤か
らなる2液型水系ポリクロロプレン接着剤を提供するも
のである。また、本発明は上記の2液型水系ポリクロロ
プレン接着剤により接着してなる発泡ゴム材と布との接
着構造体を提供するものである。本発明の実施態様であ
る接着剤を用いて発泡ゴム材と布類を接着する好ましい
接着方法としては、発泡ゴム材の表面に、乳化剤として
ロジン酸アルカリ金属塩を使用してクロロプレンと2,
3−ジクロロ−1,3−ブタジエンを乳化共重合させて
得たポリクロロプレンラテックスと粘着付与樹脂を固形
分換算で100重量部対20〜100重量部の割合で含
有する主剤と、水分散型イソシアネート化合物を含有す
る硬化剤を組み合わせた2液型水系接着剤を塗布する工
程と、接着剤の塗布後直ちに、接着剤の上に布類を重ね
て圧着する工程を備えていることを特徴とする接着方法
である。本発明の接着剤において、接着剤主剤に含まれ
るポリクロロプレンラテックスの重合体のトルエン不溶
分が50〜99重量%であることが好ましい。
【0005】以下、本発明の内容を更に詳細に説明す
る。本発明における発泡ゴム材としては、天然または合
成の発泡されたゴム材料が特に限定されることなく好適
に使用され、具体的にはポリクロロプレン或いはクロロ
スルホン化ポリエチレン等の独立気泡を有し、しかも伸
縮性を有するゴム材料がいずれのものでも好適に使用す
ることができる。しかし、ウェットスーツに仕立てた際
の、身体へのフィット感、伸縮性、軽量性、断熱・保温
効果を考慮すると、発泡ポリクロロプレンが好ましい。
また、例えば、特開平11−79078号公報(出願
人:株式会社イナポリ・トレイディング)で提案・使用
されているような、硬度或いは発泡倍率が異なる発泡ゴ
ム材が積層されたものであっても構わない。
【0006】本発明における布類とは、織物、編物また
は不織布であるが、伸縮性を有する織物または編物が好
ましく、ツーウェイトリコット(縦、横の両方にストレ
ッチ性を有する)の織編物であることがより好ましい。
具体的には、ナイロンジャージまたはポリエステルジャ
ージなどが挙げられる。特に、ウェットスーツ用途に
は、ストレッチ性、通気性を考慮すれば、ナイロンジャ
ージが最も好ましい。
【0007】本発明におけるポリクロロプレンラテック
スとは、2−クロロ−1,3−ブタジエン(以下クロロ
プレンと記す)と2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエ
ンを、ロジン酸アルカリ金属塩の存在下で乳化共重合さ
せて得られたラテックスである。
【0008】2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンの
仕込み量は特に限定されないが、単量体の合計100重
量部のうち、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン
が、2〜30重量部であることが好ましい。2,3−ジ
クロロ−1,3−ブタジエンを2重量部以上共重合させ
ることで、重合体の結晶性を低くすることができ、ウェ
ットスーツに柔軟性と良好な着心地を与えることができ
る。しかし、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンの
量が30重量部よりも多くなると、むしろ結晶性が高く
なってしまい、接着剤層が硬くなるため、ウェットスー
ツの柔軟性が失われる。必要であれば、2,3−ジクロ
ロ−1,3−ブタジエン以外のクロロプレンと共重合可
能である単量体を、共重合させても構わない。2,3−
ジクロロ−1,3−ブタジエン以外のクロロプレンと共
重合可能な単量体としては、1−クロロ−1,3−ブタ
ジエン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、アクリロ
ニトリル、アクリル酸及びアクリル酸エステル類、メタ
クリル酸及びメタクリル酸エステル類等が挙げられる。
【0009】本発明におけるポリクロロプレンラテック
スの乳化重合に使用される乳化剤はロジン酸のアルカリ
金属塩であり、具体的には、ロジン酸ナトリウム塩、ロ
ジン酸カリウム塩などが挙げられる。
【0010】本発明におけるポリクロロプレンラテック
スの乳化重合に使用されるロジン酸アルカリ金属塩の添
加量は、クロロプレン及び2,3−ジクロロ−1,3−
ブタジエンを必須単量体とする単量体混合物100重量
部に対して0.1〜10重量部が好ましい。0.1重量
部未満の場合には、乳化力が十分でなく、10重量部を
超えると接着剤の接着力が阻害されるおそれがある。
【0011】本発明の共重合体の重合方法は、特に限定
されるものではなく、重合温度、重合触媒、連鎖移動
剤、重合停止剤、最終重合率、脱モノマー、濃縮条件等
を適切に選定、制御することで、固形分濃度、トルエン
可溶部の分子量、トルエン不溶分(ゲル含有量)等を調
整することが可能である。
【0012】本発明の共重合体の重合温度は特に限定さ
れるものではないが重合反応を円滑に行うために、重合
温度を10〜50℃とすることが好ましい。重合触媒
は、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、第3−ブチルヒドロ
パーオキサイド等の有機過酸化物等であり、特に限定さ
れるものではない。
【0013】本発明の共重合体の連鎖移動剤の種類は特
に限定されるものではなく、通常クロロプレンの乳化重
合に使用されるものが使用できるが、例えばn−ドデシ
ルメルカプタンやtert−ドデシルメルカプタン等の
長鎖アルキルメルカプタン類、ジイソプロピルキサント
ゲンジスルフィドやジエチルキサントゲンジスルフィド
等のジアルキルキサントゲンジスルフィド類、ヨードホ
ルム等の公知の連鎖移動剤を使用することができる。
【0014】本発明の共重合体の重合停止剤(重合禁止
剤)は特に限定するものでなく、例えば、2,6−ター
シャリーブチル−4−メチルフェノール、フェノチアジ
ン、ヒドロキシアミン等が使用できる。
【0015】本発明の共重合体の最終重合率は、特に限
定するものではなく、任意に調節することができ、未反
応のモノマーは脱モノマー操作によって除去されるが、
その方法は特に限定するものではない。本発明のポリク
ロロプレンラテックスは、濃縮あるいは、水等の添加で
希釈することで、固形分濃度を必要な濃度に制御するこ
とができる。濃縮の方法としては、減圧濃縮などがある
が、特に限定するものではない。接着剤の乾燥速度、及
び貯蔵安定性を考慮すると、ポリクロロプレンラテック
スの固形分濃度は、50〜70重量%が好ましい。
【0016】本発明におけるポリクロロプレンラテック
スは、共重合体のトルエン不溶分(ゲル含有量)が50
〜99重量%であれば、初期接着力と常態接着力のバラ
ンスに優れた接着剤とすることができる。トルエン不溶
分が50重量%より低い場合には接着剤の常態接着力が
不十分であり、99重量%を越える重合体を得ることは
工業的に困難である。
【0017】本発明における粘着付与樹脂は特に限定さ
れるものではない。具体的には、ロジン樹脂、重合ロジ
ン樹脂、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、テルペンフ
ェノール樹脂、C5留分系石油樹脂、C9留分系石油樹
脂、C5/C9留分系石油樹脂、DCPD系石油樹脂、
アルキルフェノール樹脂、キシレン樹脂、クマロン樹
脂、クマロンインデン樹脂などが挙げられる。実際のウ
ェットスーツの接着工程では、100℃以上の加熱工程
を備えることが可能であるので、この場合には選定する
樹脂の軟化点は80〜160℃のものが好ましい。
【0018】粘着付与樹脂の添加方法は特に限定される
ものではないが、接着剤中に樹脂を均一に分散させるた
めに、水性エマルジョンとしてから添加することが好ま
しい。さらに粘着付与樹脂の水性エマルジョンの製法に
は、トルエン等の有機溶剤に溶解させたものを乳化剤を
用いて水中に乳化/分散させた後、有機溶剤を減圧しな
がら加熱して取り除く方法と、微粒子に粉砕して乳化/
分散させる方法などがあるが、より微粒子のエマルジョ
ンが作成できる前者が好ましい。
【0019】粘着付与樹脂の添加量(固形分換算)は、
ポリクロロプレンラテックスを固形分で100重量部に
対して、20〜100重量部が好ましい。20重量部未
満では発泡ゴム材の表面に対する接着力が不十分であ
り、100重量部を越えると接着剤層が脆くなり接着不
良が起こりやすくなる。
【0020】本発明における2液型水系接着剤の主剤
は、ポリクロロプレンラテックスと粘着付与樹脂を必須
成分とするが、要求性能に合わせて、金属酸化物、増粘
剤、充填剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、造膜助剤、可
塑剤、加硫剤、加硫促進剤、消泡剤等を任意に添加する
ことができる。主剤の貯蔵安定性を長くするためには、
金属酸化物を添加すればよく、具体的には、酸化亜鉛、
酸化マグネシウム等が挙げられる。金属酸化物は、ポリ
クロロプレン重合体の脱塩酸反応によるpHの低下を抑
制することができる。主剤の粘度を調節する場合には、
増粘剤を添加すれば良く、具体的な増粘剤としては、ポ
リアクリル酸ナトリウム、会合型ポリウレタンエマルジ
ョン、アルカリ膨潤型アクリルエマルジョン等が挙げら
れる。また、製品コストを下げるためには、主剤に充填
剤を添加することが有効であり、具体的な充填剤として
は、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成シリカ等が挙げ
られる。
【0021】本発明の硬化剤成分である水分散型イソシ
アネート化合物とは、脂肪族及び/または脂環族ジイソ
シアネートから得られる、分子内にビュウレット、イソ
シアヌレート、ウレタン、ウレトジオン、アロファネー
ト等の構造を有するポリイソシアネートポリマーに親水
基を導入したものである。つまり、水中に添加・攪拌す
ると、水中で微粒子として分散することが可能な自己乳
化型イソシアネート化合物である。脂肪族及び/または
脂環族イソシアネートとしては、例えば、テトラメチレ
ンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソ
シアネート(LDI)、イソホロンジイソシアネート
(IPDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添
XDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、
重合MDI、キシリレンジイソシアネート(XDI)、
ナフチレンジイソシアネート(NDI)、パラフェニレ
ンジイソシアネート(PPDI)、テトラメチルキシリ
レンジイソシアネート(TMXDI)、ジシクロヘキシ
ルメタンジイソシアネート(HMDI)、イソプロピリ
デンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(IP
C)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHPI)、
トリジンジイソシアネート(TODI)等が挙げられ
る。中でも、HDI、MDI、IPDI、水添XDI
は、工業的に入手し易く良好である。本発明における硬
化剤としての効果は、原料化合物よりもむしろ、JIS
K−7301で規定される方法によって算出したイソ
シアネート基含有率によって左右される。良好な接着力
を得るためには、使用する水分散型イソシアネート化合
物のイソシアネート基含有率が、17〜25重量%であ
ることが好ましい。
【0022】本発明の2液型接着剤の硬化剤は、水分散
型イソシアネート化合物を必須成分とするが、これ以外
のものとして、水分散型イソシアネート化合物を溶解す
ることができる水や有機溶剤等を含むことができる。し
かし、イソシアネート基は水とも反応するため、硬化剤
の粘度を調節する必要性がなければ、水分散型イソシア
ネート化合物単独を硬化剤として用いることが好まし
い。
【0023】主剤と硬化剤の混合比は、主剤中のポリク
ロロプレンラテックスを固形分で100重量部に対し
て、硬化剤中の水分散型イソシアネート化合物が固形分
で0.5〜15重量部となるように混合することが好ま
しい。0.5重量部未満では、接着力が不足し、また1
5重量部よりも多く添加すれば、接着剤層の硬度が高く
なりウェットスーツに仕立てた際の伸縮性が阻害される
場合がある。接着剤の粘度は、塗布方法及び塗布装置の
仕様にあわせて調節すれば良いが、主剤と硬化剤を混合
した後の粘度が、1000〜12000[mPa・s]
(B型粘度計,25℃,30rpm)が好ましい。粘度
が1000[mPa・s]未満では、発泡ゴム材の表面
でのはじきが問題となる場合があり、粘度が12000
[mPa・s]よりも高いと均一な塗布が困難になる。
【0024】本発明の接着方法における発泡ゴム材に接
着剤を塗布する工程においては、塗布する方法及び装置
仕様は特に限定されない。具体的にはカーテンフローコ
ーター法、バーコーター法、ロールコーター法等が挙げ
られ、さらにロールコーター法には、グラビアロールコ
ーター法、リバースグラビアロールコーター法等があ
る。この中では、接着剤をより均一に塗布することが可
能であるロールコーター法が好ましい。塗布量は特に限
定されないが、接着剤が布類からしみ出さない程度に制
御する必要があり、20〜200g/m2(ウェット)
が好ましい。
【0025】本発明の接着方法における発泡ゴム材に布
類を重ねて圧着する工程においては、接着剤の塗布後直
ちに、すなわち接着剤が乾燥する前に布類を重ねなけれ
ばならない。接着剤が乾燥する前の状態とは、接着剤層
の水分が8割減少するまでの間、つまり主剤と硬化剤を
混合した時点での接着剤中の水分を100%としたとき
に、これが20%になるまでの間をさし、この間に布類
を重ねることとする。直ちに布類を重ねて接着する方法
が適している理由は、接着剤がウェット状態の時に布類
を重ねることで、布類に対する投錨効果を得ることがで
きるためであり、接着剤がドライ状態の時に布類を重ね
る方法よりも良好な接着力を得ることができる。圧着装
置や圧着条件、プレス圧力は特に限定されず、布類を重
ねた後の圧着操作は、加熱プレスまたは常温プレスのい
ずれであっても構わない。しかし、十分な初期接着力を
得るために、プレスと同時またはプレス操作の後に、布
類を重ねた後に60〜150℃で10秒〜10分間の乾
燥を行うことが好ましい。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、こ
れらの実施例は本発明を限定するものではない。
【0027】[実験例1]内容積3リットルの反応器を
用いて、窒素雰囲気中で、水85重量部、酸価160の
ロジン酸のナトリウム塩5重量部、水酸化カリウム0.
8重量部、ホルムアルデヒドナフタレンスルホン酸縮合
物のナトリウム塩0.3重量部、亜硫酸ナトリウム0.
3重量部を仕込み、溶解後、撹拌しながらクロロプレン
単量体92重量部、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジ
エン8重量部、n−ドデシルメルカプタン0.03重量
部を加えた。過硫酸カリウム0.1重量部を開始剤とし
て用い、窒素雰囲気下40℃で重合し、最終重合率が9
0%に達したところでフェノチアジンの乳濁液を加えて
重合を停止した。減圧下で未反応単量体を除去し、ポリ
クロロプレンラテックスを得た。次に、このラテックス
を減圧加温により濃縮し、固形分を60重量%になるよ
うに調製した。ポリクロロプレンラテックスの固形分、
重合体のゲル含有量は以下の方法で測定したところ、固
形分が60重量%、ゲル含有量が92重量%であった。
【0028】[固形分濃度]アルミ皿だけを秤量してAと
した。ラテックス試料を2mlいれたアルミ皿を秤量し
Bとした。ラテックス試料を入れたアルミ皿を110℃
雰囲気下で2時間乾燥させた後、秤量しCとした。固形
分濃度(重量%)は下式により求めた。 固形分濃度={(C−A)/(B−A)}×100 [トルエン不溶分(ゲル含有量)測定]ラテックス試料を
凍結乾燥し秤量してAとした。23℃で20時間、トル
エンで溶解(0.6重量%に調整)し、遠心分離機を使
用し、更に200メッシュの金網を用いてゲルを分離し
た。ゲル分を風乾燥後110℃雰囲気下で、1時間乾燥
し、秤量してBとした。ゲル含有量(重量%)は下式に
従って算出した。 ゲル含有量=(B/A)×100
【0029】[実施例1]実験例1で得られたラテック
スを固形分で100重量部に対して、テルペンフェノー
ル樹脂系粘着付与樹脂(タマノルE−100/荒川化学
工業株式会社製)を45重量部(固形分換算)、ポリア
クリル酸ナトリウム系増粘剤(アロンA−20L/東亞
合成株式会社製)を2重量部(固形分換算)、酸化亜鉛
(亜鉛華2種/堺化学工業株式会社製)を3重量部配合
し、主剤とした。硬化剤は、イソシアネート基含有率が
18.6重量%の水分散型イソシアネート化合物(タケ
ネートWD−730/武田薬品工業)を単独で、主剤の
ポリクロロプレンラテックスが固形分で100重量部に
対して水分散型イソシアネート化合物が3重量部となる
ように、主剤と混合して使用した。この2液型水系接着
剤を接着剤Aとする。
【0030】主剤と硬化剤を混合した接着剤を、発泡ポ
リクロロプレン(厚さ3mm)に80g/m2塗布した
後、直ちにナイロンジャージ布を重ね、110℃に加熱
されたプレス装置で1分間圧着した。この接着方法を接
着法Aとする。
【0031】接着法Aによって得られた試験片(糊代部
のサイズは幅2cm×長さ7cm) について、以下の接着力評価試験をおこなった。[初期
接着力評価試験]圧着してから10分後に引張試験機で
引張速度200mm/minで180°剥離強度を測定
した。 [常態接着力評価試験]圧着してから7日後に引張試験
機で引張速度200mm/minで180°剥離強度を
測定した。 [耐水接着力評価試験]圧着してから1日後に、水に7
日間漬けた後、引張試験機で引張速度200mm/mi
nで180°剥離強度を測定した。
【0032】[参考例1]実施例1の主剤と硬化剤を混
合した接着剤Aを、発泡ポリクロロプレン(厚さ3m
m)に80g/m2塗布した後、70℃雰囲気下で10
分間乾燥させた後、ナイロンジャージ布を重ね、室温の
ままのプレス装置で1分間圧着した。この接着方法を接
着法Bとする。接着法Bによって得られた試験片(糊代
部のサイズは幅2cm×長さ7cm)について、実施例
1と同様の接着力評価試験をおこなった。
【0033】[参考例2]実施例1の主剤と硬化剤を混
合した接着剤Aを、発泡ポリクロロプレン(厚さ3m
m)に80g/m2塗布した後、70℃雰囲気下で10
分間乾燥させた後、ナイロンジャージ布を重ね、110
℃に加熱されたプレス装置で1分間圧着した。この接着
方法を接着法Cとする。接着法Cによって得られた試験
片(糊代部のサイズは幅2cm×長さ7cm)につい
て、実施例1と同様の接着力評価試験をおこなった。
【0034】[比較例1]デンカクロロプレンA−90
(ポリクロロプレンゴム、電気化学工業株式会社製)1
00重量部、トルエン460重量部、メチルエチルケト
ン115重量部、メタクリル酸メチル90重量部、ベン
ゾイルパーオキサイド0.5重量部の組成比で、メタク
リル酸メチルのグラフト反応をおこないCR溶剤系接着
剤を作成した。重合停止剤として、2,6−t−ブチル
−4−メチルフェノールを使用し、メタクリル酸メチル
の転化率を約30%に制御した。この溶剤系接着剤を接
着剤Bとする。接着剤Bを、実施例1と同じ接着法Aで
試験片を作成し、実施例1と同様の接着力評価試験をお
こなった。
【0035】実施例1,参考例1〜2,比較例1の得ら
れたラテックス組成物の評価結果を表1に示した。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】表1より明らかな如く、本発明の接着方
法(実施例1)は、他の接着方法(参考例1〜2)より
も接着力が高く、従来のCR溶剤系接着剤(比較例1)
と同等以上に高い接着力を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 接着方法及び接着構造体を示す図
【符号の説明】
1:発泡ゴム材 2:接着剤 3:布類
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK28G AK48 AN00A AN02G BA02 BA07 DG11B DJ01A GB72 JL11 4J040 BA192 BA202 CA141 DF012 DK012 EB032 EF002 EF26 HA136 JA03 JA13 KA16 KA25 MB02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロロプレンと少なくとも2,3−ジク
    ロロ−1,3−ブタジエンを乳化共重合させて得たポリ
    クロロプレンラテックスと粘着付与樹脂を含有する主剤
    と、水分散型イソシアネート化合物を含有する硬化剤か
    らなる2液型水系ポリクロロプレン接着剤。
  2. 【請求項2】 クロロプレンと少なくとも2,3−ジク
    ロロ−1,3−ブタジエンを乳化共重合させて得たポリ
    クロロプレンラテックスと粘着付与樹脂を固形分換算で
    100重量部対20〜100重量部の割合で含有する主
    剤と、水分散型イソシアネート化合物を含有する硬化剤
    からなる2液型水系ポリクロロプレン接着剤。
  3. 【請求項3】 ロジン酸アルカリ金属塩の存在下で乳化
    共重合させて得たポリクロロプレンラテックスである請
    求項1または2に記載の2液型水系ポリクロロプレン接
    着剤。
  4. 【請求項4】 主剤に含まれるポリクロロプレンラテッ
    クスの重合体のトルエン不溶分が50〜99重量%であ
    る請求項1、2または3に記載の2液型水系ポリクロロ
    プレン接着剤。
  5. 【請求項5】 主剤が金属酸化物を含む請求項1〜4の
    いずれかの請求項に記載の2液型水系ポリクロロプレン
    接着剤。
  6. 【請求項6】 主剤が増粘剤を含む請求項1〜5のいず
    れかの請求項に記載の2液型水系ポリクロロプレン接着
    剤。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかの請求項に記載
    された接着剤により接着してなる発泡ゴム材と布との接
    着構造体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかの請求項に記載
    された接着剤により発泡ゴム材と布を接着してなる積層
    シートでつくられたウェットスーツ。
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