JP5034146B2 - スポンジ及びジャージ接着用クロロプレンゴムラテックス接着剤組成物 - Google Patents

スポンジ及びジャージ接着用クロロプレンゴムラテックス接着剤組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クロロプレンゴムラテックス接着剤組成物に関し、更に詳しくは、スポンジとナイロン又はポリエステル等から作られるジャージとの接着に対し良好な接着性を発揮するクロロプレンゴムラテックス接着剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ウェットスーツ、サポーター等のスポーツグッズやスポーツシューズ等の靴の製造において、各種スポンジとナイロン又はポリエステル等からなるジャージの接着が行われている。従来、これらの接着において、クロロプレンゴム等をベースとした溶剤系接着剤が用いられてきた。しかしながら、これらの接着剤に使用される有機溶剤の揮散が、作業者の健康障害、あるいは作業場の火災等を引き起こす原因となっており、このような心配のないラテックス系接着剤が切望されて来た。
【0003】
クロロプレン単量体の重合体及び/又はクロロプレン単量体とアクリル酸、メタクリル酸の如きカルボキシル基含有ビニル単量体との共重合体ラテックスを製造する方法、及びそれを用いた接着剤組成物については、特開昭61−12710号、特開昭62−257918号、特開平9−3423号等で知られている。
【0004】
また、ウエットスーツ等のクロロプレンゴムスポンジとナイロンジャージの接着におけるラテックス系接着剤組成物に関する特許としては、例えば特開2000−104028号,特開2001−89737号等があるが、特開2000−104028号ではジャージへの接着剤組成物の染み込み性が制御されておらず、ジャージやスポンジの種類によっては接着物性としては不十分である。例えば、接着物性が低めになる硬度の高いスポンジ等を用いると接着剤のジャージへの染み込みの影響が大きく現れ、接着物性としては実用上問題がある。また特開2001−89737号では、接着剤としてロジン酸アルカリ金属塩を乳化剤として用いたクロロプレンゴムラテックスを接着剤として使用しているためラテックス安定性や接着剤組成物の配合安定性が悪く、接着剤をスポンジ表面に塗布する場合、ゴムの析出や粘度上昇、過度の発泡等が生じやすく接着剤としてのポットライフが短いという課題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の様に、従来のクロロプレンゴムテックス系接着剤では接着強度が不十分であるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来のクロロプレンゴムラテックス系接着剤では十分な接着強度が得られなかった各種スポンジとナイロン又はポリエステル等からなるジャージの接着を可能にするクロロプレンゴムラテックス接着剤組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このような背景の下、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。即ち本発明は、スルホン酸塩型又は硫酸エステル塩型乳化剤を用いて乳化重合したクロロプレンゴムラテックスにおいて、その固形分であるクロロプレンゴムが、クロロプレン単量体の重合体又はクロロプレン単量体と共重合可能なエチレン性不飽和単量体との共重合体であるクロロプレンゴムラテックス100重量部(固形分換算)に対し、ポリイソシアネート化合物を1〜20重量部配合してなる接着剤組成物であって、B型粘度計によりNo.4ローター、60rpm、60秒、23℃の条件下で測定された接着剤組成物の粘度が1500〜9000mPa・sの範囲にあり、かつ接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率が、以下の一般式(1)で示される式において55%〜70%であることを特徴とするスポンジ及びジャージ接着用クロロプレンゴムラテックス接着剤組成物に関するものである。
【0008】
(A/(A+B))×100 (1)
(ここで、Aは接着剤組成物に含まれるクロロプレンゴムラテックスの固形成分の質量、Bは接着剤組成物中の水分の質量を示す。)
以下、本発明について詳細に説明する。
【0009】
本発明によって得られた接着剤配合物を用いて各種スポンジとナイロン又はポリエステル等からなるジャージを接着するには、スルホン酸塩型又は硫酸エステル塩型乳化剤を用いて乳化重合したクロロプレンゴムラテックスにおいて、その固形分であるクロロプレンゴムが、クロロプレン単量体の重合体又はクロロプレン単量体と共重合可能なエチレン性不飽和単量体との共重合体であるクロロプレンゴムラテックス100重量部(固形分換算)に対し、ポリイソシアネート化合物を1〜20重量部配合してなる接着剤組成物であって、B型粘度計によりNo.4ローター、60rpm、60秒、23℃の条件下で測定された接着剤組成物の粘度が1500〜9000mPa・sの範囲にあり、かつ接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率が、以下の一般式(1)で示される式において55%〜70%であることが重要である。
【0010】
(A/(A+B))×100 (1)
(ここで、Aは接着剤組成物に含まれるクロロプレンゴムラテックスの固形成分の質量、Bは接着剤組成物中の水分の質量を示す。)
ロジン酸アルカリ金属塩等の乳化剤を使用してなるクロロプレンゴムラテックスを用いた場合、ラテックス安定性や接着剤組成物の配合安定性が悪いため、接着剤としての使用可能時間が短くなるという欠点がある。スルホン酸塩型又は硫酸エステル塩型の乳化剤を用いたクロロプレンゴムラテックスではラテックス安定性、接着剤組成物の配合安定性が良好で接着剤としての使用可能時間が長く、生産性に優れた接着剤を提供できる。また固形分換算でクロロプレンゴム100重量部に対し1〜20重量部のポリイソシアネート化合物を配合する事が重要であり、1重量部未満では架橋密度が不十分であるため接着強度が出ず、20重量部より多く配合すると、耐水接着性等が極端に低下するため好ましくない。また接着剤組成物の粘度としては、1500〜9000mPa・sであることが重要であり、1500mPa・sより低い場合には十分な接着性が得られず、9000mPa・sを越えると作業性が劣る。接着剤の粘度は各種増粘剤の配合により所望の粘度に調節できる。接着剤組成物に含まれるクロロプレンゴムラテックスの固形成分の比率は、55%〜70%であることが重要である。55%未満の場合、接着剤組成物がジャージに吸収されやすく接着剤層が薄くなるため十分な接着強度が発現されない。また固形成分の比率が70%を越える場合、乾燥速度が速すぎるため接着剤組成物表面に皮膜が形成されジャージへの投錨効果が失われ、接着性が阻害される。クロロプレンゴムラテックス接着剤組成物の固形成分を調節する方法には特に限定はないが、例えばクロロプレンゴムラテックスを重合する際に、水に対するモノマー仕込み量を変える方法、水の蒸留等によりクロロプレンゴムラテックスを濃縮して調節する方法、スポンジ表面に塗布された接着剤組成物を乾燥させ固形分を調節する方法、又はシリカ、クレー、水酸化アルミニウム等の無機充填材の配合によって固形分を調節する方法も可能である。
【0011】
本発明のラテックスの重合方法としては特に制限のあるものではなく、例えば、クロロプレン単量体の単独乳化重合、又はクロロプレン単量体と共重合可能なエチレン性不飽和単量体とをラジカル乳化共重合すればよい。乳化重合は公知の方法に従って、水、単量体、乳化・分散剤、重合開始剤、連鎖移動剤等を乳化し、所定温度にて重合を行えばよい。各原料はいずれも一括添加、逐次添加、分割添加してもよい。特に、クロロプレン単量体とカルボキシル基含有ビニル単量体との共重合体は、ポリイソシアネート化合物との架橋反応性に優れるため、高い接着強度を発現させるのに有利である。共重合可能なエチレン性不飽和単量体として、例えば、エチレン、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、2,3−ジクロロブタジエン、1−クロロブタジエン等の通常クロロプレンの共重合に用いられる単量体が30重量部以下の量で適宜用いられる。
【0012】
また共重合可能なカルボキシル基含有ビニル単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸等の不飽和脂肪酸等が挙げられるが、これらの内、クロロプレン単量体との共重合性の点から、メタクリル酸が好適である。クロロプレン単量体100重量部に対してメタクリル酸0.1〜15重量部が好適であるが、0.1重量部では十分な接着強度が得られず、15重量部を越えるとラテックスの安定性が低下するため、0.5〜7重量部が最も好ましい。カルボキシル基含有ビニル単量体を0.1〜15重量部用いることでポリイソシアネート化合物との架橋により高い接着力が得られる。
【0013】
重合に使用する乳化剤としては、スルホン酸型、硫酸エステル塩型であるものであれば特に限定するものではなく、例えば、アルキルスルホン酸のアルカリ金属塩、アルキルスルホン酸のアミン塩、アルキルスルホン酸のアンモニウム塩、アルキル硫酸エステルのアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステルのアンモニウム金属塩、アルキル硫酸エステルのアミン金属塩、アルキルアリールスルホン酸のアルカリ金属塩、アルキルアリールスルホン酸のアンモニウム塩、アルキルアリールスルホン酸のアミン塩、アルキルアリール硫酸エステルのアルカリ金属塩、アルキルアリール硫酸エステルのアンモニム塩、アルキルアリール硫酸エステルのアミン金属塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステルのアルカリ金属塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステルのアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステルのアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルのアルカリ金属塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルのアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルのアミン塩等が挙げられる。分散剤としては、特に特定するものではなく例えば、ナフタリンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドとの縮合物等が挙げられる。クロロプレン単量体とカルボキシル基含有ビニル単量体との共重合体の場合には、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸のアルカリ金属塩及びトリエタノールアミン塩、ドデシルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩及びトリエタノールアミン塩、ラウリル硫酸のアルカリ金属塩及びトリエタノールアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸のアルカリ金属塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸のアルカリ金属塩等が酸性下での乳化重合において好適に用いられる。使用量としては、重合時の安定性及び接着剤組成物とした場合の接着性能を考慮すると、クロロプレン単量体100重量部に対して0.5〜10重量部が好ましい。
【0014】
重合開始剤としては、公知のフリーラジカル生成物質、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸化物、過酸化水素、t−ブチルヒドロパーオキサイド等の無機又は有機過酸化物を用いることができる。また、これらは単独又は還元性物質、例えば、ハイドロサルファイト、チオ硫酸塩、チオ亜硫酸塩、硫酸第一鉄、アスコルビン酸、有機アミン等とのレドックス系で用いてもよい。
【0015】
重合可能な温度としては0〜80℃の範囲で行うことができ、好ましくは10〜50℃の範囲である。
【0016】
連鎖移動剤としては、アルキルメルカプタン、ハロゲン化炭化水素、ジアルキルキサントゲンジスルフィド、テトラアルキルチウラムジスルフィド、α−メチルスチレンダイマー、1,1−ジフェニルエチレン及びイオウ等の分子量調節剤が挙げられる。その使用量は0.1〜3重量部が好ましく、0.3〜1重量部がさらに好ましい。
【0017】
重合終了時期は特に限定するものではないが、単量体の転化率が60〜100%まで重合を行うことが好ましく、90〜100%まで重合を行うことが更に好ましい。単量体が残存する場合は、モノマーストリップ等により単量体を除去すれば良い。またモノマー回収後、濃縮による固形分調整を行う事が好ましい。
【0018】
濃縮方法としては特に限定するものではなく、通常ラテックスの濃縮に使用される方法であれば如何なる方法でも利用できる。
【0019】
重合停止剤としては、通常用いられる停止剤、例えば2,6−t−ブチル−4−メチルフェノール等のヒンダードフェノール系化合物、フェノチアジン、ヒドロキシルアミン等が使用できる。これらの停止剤は、有機溶剤及び/又はクロロプレン単量体に溶解したものを直接添加するか、水に乳化したものを添加すれば良く、添加は所定転化率に到達した時点で添加すればよい。
【0020】
本発明によって得られた接着剤組成物の粘度は、各種増粘剤の配合により所望の粘度に調整できる。例えば、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルアルコール、疎水化セルロース、会合型ノニオン界面活性剤等の水溶性ポリマー、及びカルボキシル基含有ポリマーから構成されるアルカリ可溶型の増粘剤、ヘクトライト等のシリケート化合物等の使用が可能である。
【0021】
一般的に、クロロプレンゴムは結晶性を有するポリマーであり、結晶性は、重合温度が低いほど、及び/又はコモノマー量が少ないほど高くなる。結晶性の高いクロロプレンゴムラテックスから得られる接着剤組成物は、十分な接着強度を発現する反面、接着後の素材の風合いが劣る場合があり、結晶性の低いクロロプレンゴムラテックスから得られる接着剤組成物は、十分な接着強度を得られない。
【0022】
本発明において、架橋剤(硬化剤)として、ポリイソシアネート化合物を用いることが重要である。ポリイソシアネート化合物を用いることにより、クロロプレンゴムの結晶性の高低にかかわらず、十分な接着強度と接着後の風合いを維持できるものである。
【0023】
ポリイソシアネート化合物としては、特に制限はなくクロロプレンゴムラテックスに均一に混合できる化合物であれば用いることができる。例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート(LDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、重合MDI、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHPI)、トリジンジイソシアネート(TODI)等が挙げられる。一般的に入手可能なポリイソシアネート化合物の具体的な例としては、アクアネートシリーズ(日本ポリウレタン工業株式会社製)、タケネートWDシリーズ(武田薬品工業株式会社製)、SBUシリーズ(住友バイエルウレタン株式会社製)、CRシリーズ(大日本インキ化学工業株式会社製)等が挙げられるが、これに限定されるものではない。また、配合量としては、クロロプレンゴム重合体100重量部に対して、ポリイソシアネート化合物1〜20重量部である。上記ポリイソシアネート化合物は、クロロプレンゴムがカルボキシル基含有ビニル単量体との共重合体である場合には、特に架橋剤として有効に作用する。また、適宜、イソシア反応の促進剤を配合しても良く、例えばトリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン等の三級アミン類、N,N’−ジメチルピペラジン、N−メチルモルホリン、1,2−ジメチルイミダゾール等の環状アミン類、ジメチルアミノエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン等のアルコールアミン類、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンジメレエート、フェニル水銀プロピオン酸塩、オクテン酸鉛等の有機金属類等が使用できるが、イソシア反応の促進剤となる化合物であれば特に制限なく用いることができる。これらの促進剤は、ポリイソシアネート化合物100重量部に対して0〜100重量部を添加する事が出来る。促進剤の添加量により、所望の架橋速度に調整できるが、100重量部を越えると、ラテックスの安定性、及び接着剤組成物における接着性能の低下を招く恐れがある。
【0024】
接着剤組成物に含まれるクロロプレンゴムの分子量については特に制限はないが、分子量が低すぎる場合は十分な接着強度が得られない。具体的には、接着剤組成物に含まれるクロロプレンゴムをクロロホルムに10%濃度になるように溶解した際に、クロロホルム不溶部が存在せず、その溶液粘度が100mPa・S以上であることが好ましく、クロロホルムに可溶であれば特に上限はない。また、クロロホルムに不溶であっても、クロロプレンゴムラテックスを製造する際に、前述の連鎖移動剤の何れかを用いて重合したものであれば特に問題はない。
【0025】
このように本発明は、即ち本発明は、スルホン酸塩型又は硫酸エステル塩型乳化剤を用いて乳化重合したクロロプレンゴムラテックスにおいて、その固形分であるクロロプレンゴムが、クロロプレン単量体の重合体又はクロロプレン単量体と共重合可能なエチレン性不飽和単量体との共重合体であるクロロプレンゴムラテックス100重量部(固形分換算)に対し、ポリイソシアネート化合物を1〜20重量部配合してなる接着剤組成物であって、B型粘度計によりNo.4ローター、60rpm、60秒、23℃の条件下で測定された接着剤組成物の粘度が1500〜9000mPa・sの範囲にあり、かつ接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率が、以下の一般式(1)で示される式において55%〜70%であることを特徴とする
(A/(A+B))×100 (1)
(ここで、Aは接着剤組成物に含まれるクロロプレンゴムラテックスの固形成分の質量、Bは接着剤組成物中の水分の質量を示す。)
スポンジ及びジャージ接着用クロロプレンゴムラテックス接着剤組成物であり、更にまたクロロプレン単量体と共重合可能なエチレン性不飽和単量体としてカルボキシル基含有ビニル単量体を用いる事を特徴とするスポンジ及びジャージ接着用のクロロプレンゴムラテックス接着剤組成物に関するものである。
【0026】
こうして得られたスポンジ及びジャージ接着用の接着剤組成物は、ロールコーター、刷毛、スプレー等によりスポンジに塗布した後、ジャージをのせ、常温〜150℃で1分〜数時間乾燥させて使用されるが、塗布方法、塗布量、乾燥条件に特に制限はない。また、必要に応じて、ロジンエステル、テルペンフェノール、石油樹脂、クマロン樹脂等の粘着付与樹脂、加硫促進剤、老化防止剤、防腐剤、凍結防止剤、造膜助剤、可塑剤、pH調整剤等を適宜配合しても良い。
【0027】
以上の構成からなる本発明の接着剤組成物は、ウエットスーツ、スポーツグッズ等のスポンジとジャージの接着において、従来のラテックス系接着剤では達成できなかった良好な作業性と接着物性を満足させるものであり、本発明の接着剤組成物を用いて品質が格段に優れた製品を迅速に製造する事が可能となる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例において得られたクロロプレンゴムラテックス中のクロロプレンゴムをクロロホルムに10%濃度になるように溶解した際の溶液の溶液粘度(クロロプレンゴムの10%クロロホルム溶液粘度)、クロロプレンゴムラテックス中のクロロプレンゴムのゲル分、接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率、接着剤組成物の粘度、発泡性、配合安定性、常温剥離強度、耐水剥離強度、耐トルエン性は以下の方法で測定及び評価した。
<クロロプレンゴムの10%クロロホルム溶液粘度>
クロロプレンゴムラテックスを凍結乾燥して得られた試料20gとクロロホルム180gを225ccのマヨネーズ瓶に秤量、密閉し、これをボールミル上で23℃×24hr転がすことにより10%溶液を調整した。恒温槽中で更に23℃×1hr静置後、JIS−K−7117(1998年)に従ってB型粘度計を用いて溶液粘度を測定した。
<クロロプレンゴム中のゲル分>
クロロプレンゴムラテックスを凍結乾燥して得られた試料2gとクロロホルム198gを225ccのマヨネーズ瓶に秤量、密閉し、これをボールミル上で23℃×24hr転がすことにより1%溶液を調整した。該溶液を100メッシュの金網で濾過した後の濾物を乾燥(105℃×2hr)することによりクロロプレンゴムのゲル分を以下の式により算出した。
【0029】
ゲル分(%)=濾物の乾燥物(g)/2(g)×100
<接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率>
接着剤組成物に含まれる以下の一般式(1)で示されるクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率の調節は、予め減圧蒸留によって濃縮し固形分を調節したクロロプレンゴムラテックスを配合する方法a、又はスポンジ表面にクロロプレンゴムラテックス接着剤組成物を塗布後80℃で予備乾燥させ、水分を蒸発させ固形分を調節する方法bのいずれかの方法によって調整した。
【0030】
(A/(A+B))×100 (1)
(ここで、Aは接着剤組成物に含まれるクロロプレンゴムラテックスの固形成分の質量、Bは接着剤組成物中の水分の質量を示す。)
<接着剤組成物の粘度>
実施例に示した手順により配合した接着剤組成物を、恒温槽中で23℃×1hr静置後、B型粘度計を用いて、No.4ローター、60rpm、60秒、23℃の条件でラテックス粘度を測定した。
<発泡性>
実施例に示した手順により接着剤組成物を作製した際の、配合後4時間経過した時点の発泡度合いを目視により確認した。結果は以下のように○、△、×で示した。
【0031】
○;発泡が認められない
△;微量の発泡が認められる
×;多量の発泡が認められる
<配合安定性>
実施例に示した手順により接着剤組成物を作製した際の、配合後4時間経過した時点でのゴム析出の有無を目視により確認した。結果は以下のように○、△、×で示した。
【0032】
○;ゴムの析出が認められない
△;微量のゴムの析出が認められる
×;多量のゴムの析出が認められる
<剥離強度>
常温強度、耐水強度、耐トルエン性等の接着物性の評価には、被着体としてゴム硬度(JIS−K−6253(1997年))が4と8である硬度の異なる2種類のクロロプレンゴム製のスポンジを用いた。
<常温剥離強度>
クロロプレンゴム製のスポンジ(150mm×100mm)の片面に接着剤組成物を約90g/m2 (wet)塗布後、超撥水性ナイロンジャージ(150mm×100mm)を皺が生じないようにのせ、130℃のオーブン中で1分間乾燥した。恒温室において23℃×7日間養生後、25mm×150mmの裁断機で打ち抜き、試験片を作製した。試験片を23℃、引張り速度20mm/minの条件でテンシロン型引張り試験機を用いて常温剥離強度を測定した。
<耐水剥離強度>
常態剥離強度測定と同様にして作製した試験片(接着、乾燥した試験片を恒温室にて23℃×7日間養生したもの)を、純水中に50℃で5日間浸漬した後、試験片を23℃、引張り速度20mm/minの条件でテンシロン型引張り試験機を用いて常温での剥離強度を測定した。
<耐トルエン性>
常態剥離強度測定と同様にして作製した試験片(接着、乾燥した試験片を恒温室にて23℃×7日間養生したもの)を、トルエン中に10秒間浸漬した直後、試験片を23℃、引張り速度20mm/minの条件でテンシロン型引張り試験機を用いて常温での剥離強度を測定した。
【0033】
重合例1
クロロプレン単量体80重量部、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン単量体20重量部、n−ドデシルメルカプタン0.3重量部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(ペレックスSSH(商標)花王)5重量部、ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドとの縮合物(デモールN(商標)花王)0.5重量部、ハイドロサルファイトナトリウム0.01重量部、トリエタノールアミン0.2重量部及び純水85重量部を攪拌機付き10Lオートクレーブ中に8割容量仕込み、12℃、窒素雰囲気中、3.5%過硫酸カリウム水溶液2.0重量部を連続的に添加した、転化率96.0%で重合停止剤として2,6−t−ブチル−4−メチルフェノール0.05重量部を加えてクロロプレンゴムラテックスAを得た。また、得られたラテックス中に含まれるクロロプレンゴムの性状はゲル分=0%、10%クロロホルム溶液粘度は1760mPa・s(B型粘度計No.3ローター、30rpm、25℃、60sec.で測定)であった。
【0034】
重合例2
クロロプレン単量体98.5重量部、メタクリル酸1.5重量部、n−ドデシルメルカプタン0.3重量部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(ペレックスSSH(商標)花王)5重量部、ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドとの縮合物(デモールN(商標)花王)0.5重量部、ハイドロサルファイトナトリウム0.01重量部、トリエタノールアミン0.2重量部及び純水85重量部を攪拌機付き10Lオートクレーブ中に8割容量仕込み、12℃、窒素雰囲気中、3.5%過硫酸カリウム水溶液 2.0重量部を連続的に添加した、転化率96.0%で重合停止剤として2,6−t−ブチル−4−メチルフェノール0.05重量部を加えてクロロプレンゴムラテックスBを得た。また、得られたラテックスに含まれるクロロプレンゴムの性状は、ゲル成分0%,10%クロロホルム溶液粘度は2600mPa・S(B型粘度計 No.3ローター、12rpm、25℃、60sec.で測定)であった。
【0035】
重合例3
クロロプレン単量体100重量部、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド0.19重量部、ロジン酸カリウム(ロンジスK25T、荒川化学製)5重量部、ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドとの縮合物(デモールN(商標)花王)0.74重量部、水酸化ナトリウム0.55重量部、ハイドロサルファイトナトリウム0.01重量部、及び純水84重量部を攪拌機付き10Lオートクレーブ中に8割容量仕込み、40℃、窒素雰囲気中、3.5%過硫酸カリウム水溶液2.0重量部を連続的に添加した。固形分(ラテックス約2.0gを秤量し、170℃×20分乾燥後の重量を測定することにより算出した)が54%を越えた時点で、更に40℃×2hrの熟成を行い、ラテックスCを得た。
【0036】
また得られたラテックス中に含まれるクロロプレンゴムの性状はゲル分=95%であった。
【0037】
重合例4
クロロプレン単量体100重量部、n−ドデシルメルカプタン0.3重量部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(ペレックスSSH(商標)花王)5重量部、ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドとの縮合物(デモールN(商標)花王)0.5重量部、ハイドロサルファイトナトリウム0.01重量部、純水85重量部を攪拌機付き10Lオートクレーブ中に8割容量仕込み、12℃、窒素雰囲気中、3.5%過硫酸カリウム水溶液2.0重量部を連続的に添加した、転化率96.0%で重合停止剤として2,6−t−ブチル−4−メチルフェノール0.05重量部を加えてクロロプレンゴムラテックスDを得た。また、得られたラテックスに含まれるクロロプレンゴムの性状は、ゲル成分0%,10%クロロホルム溶液粘度は3100mPa・S(B型粘度計 No.3ローター、12rpm、25℃、60sec.で測定)であった。
【0038】
実施例1
重合例1で得られたラテックスAを減圧蒸留により固形分60%に濃縮した。このラテックス 100重量部と架橋剤として水分散性ポリイソシアネート化合物 タケネートWD−730(武田工業薬品製)5.0重量部、及び粘度調節剤
水溶性高分子ポリエチレンオキサイド PEO−1(住友精化工業製)の10%水希釈品 5.0重量部とを、ホモミキサーを用いて均一に混合し配合した接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率が57%の接着剤組成物を作製した。この接着剤組成物の粘度は7200mPa・sであった。
【0039】
作製した接着剤組成物のスポンジ/ジャージ接着評価結果は表1に示した。表1より、発泡性、配合安定性、常温剥離強度、耐水剥離強度、耐トルエン性において十分な性能であることが明らかである。
【0040】
【表1】
Figure 0005034146
実施例2
重合例1で得られたラテックスAを減圧蒸留により固形分60%に濃縮した。このラテックスを用い、架橋剤として水分散性ポリイソシアネート化合物WC−300(日本ポリウレタン製イソシアネート)5.0重量部、及びAZ−SW(大崎工業製酸化亜鉛エマルジョン)1.0重量部、粘度調節剤として水溶性高分子ポリエチレンオキサイドPEO−1(住友精化工業製)の10%水希釈品 1.2重量部を用いた以外は実施例1で示した方法と同様な方法で接着剤組成物を作成した。接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率57%、接着剤組成物の粘度4300mPa・sであった。
【0041】
作製した接着剤組成物の評価結果は表1に示した。表1より、発泡性、配合安定性、常温剥離強度、耐水剥離強度、耐トルエン性において十分な性能であることが明らかである。
【0042】
実施例3
重合例1で得られたラテックスAを減圧蒸留により固形分60%に濃縮した。このラテックスを用い、架橋剤として水分散性ポリイソシアネート化合物コロネート4572(日本ポリウレタン製イソシアネート)5.0重量部、及びAZ−SW(大崎工業製酸化亜鉛エマルジョン)1.0重量部、粘度調節剤として水溶性高分子ポリエチレンオキサイドPEO−1(住友精化工業製)の10%水希釈品 1.5重量部を用いた以外は実施例1で示した方法と同様な方法で接着剤組成物を作成した。接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率57%、接着剤組成物の粘度は6600mPa・sであった。
【0043】
作製した接着剤組成物の評価結果は表1に示した。表1より、発泡性、配合安定性、常温剥離強度、耐水剥離強度、耐トルエン性において十分な性能であることが明らかである。
【0044】
実施例4
重合例1で得られたラテックスAを減圧蒸留により固形分60%に濃縮した。このラテックスを用い、架橋剤として水分散性ポリイソシアネート化合物コロネート4572(日本ポリウレタン製イソシアネート)5.0重量部、pH調節剤としてトリエタノールアミン(50%水希釈品)0.8重量部、及び粘度調節剤として水溶性高分子ポリエチレンオキサイドPEO−1(住友精化工業製)の10%水希釈品 3.0重量部を用いた以外は実施例1で示した方法と同様な方法で接着剤組成物を作成した。接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率57%、接着剤組成物の粘度は4800mPa・sであった。
【0045】
作製した接着剤組成物の評価結果は表1に示した。表1より、発泡性、配合安定性、常温剥離強度、耐水剥離強度、耐トルエン性において十分な性能であることが明らかである。
【0046】
実施例5
重合例1で得られたラテックスAを減圧蒸留により固形分60%に濃縮した。このラテックスを用い、架橋剤として水分散性ポリイソシアネート化合物コロネート4572(日本ポリウレタン製イソシアネート)5.0重量部、pH調節剤として1,2−ジメチルイミダゾール(50%水希釈品)1.6重量部、及び粘度調節剤として水溶性高分子ポリエチレンオキサイドPEO−1(住友精化工業製)の10%水希釈品 2.0重量部を用いた以外は実施例1で示した方法と同様な方法で接着剤組成物を作成した。接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率57%、接着剤組成物の粘度4200mPa・sであった。
【0047】
作製した接着剤組成物の評価結果は表1に示した。表1より、発泡性、配合安定性、常温剥離強度、耐水剥離強度、耐トルエン性において十分な性能であることが明らかである。
【0048】
実施例6
重合例2で得られたラテックスBを減圧蒸留により固形分60%に濃縮した。このラテックスBを用いた以外は実施例1で示した方法と同様な方法で接着剤組成物を作成した。接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率57%、接着剤組成物の粘度は7700mPa・sであった。
【0049】
作製した接着剤組成物の評価結果は表2に示した。表2より、発泡性、配合安定性、常温剥離強度、耐水剥離強度、耐トルエン性において十分な性能であることが明らかである。
【0050】
【表2】
Figure 0005034146
実施例7
重合例2で得られたラテックスBを減圧蒸留により固形分60%に濃縮した。このラテックスBを用い、架橋剤として水分散性ポリイソシアネート化合物タケネートWD−730(武田薬品工業製)0.5重量部を用いた以外は実施例1で示した方法と同様な方法で接着剤組成物を作成した。接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率57%、接着剤組成物の粘度は7900mPa・sであった。
【0051】
作製した接着剤組成物の評価結果は表2に示した。表2より、発泡性、配合安定性、常温剥離強度、耐水剥離強度、耐トルエン性において十分な性能であることが明らかである。
【0052】
実施例8
重合例2で得られたラテックスBを減圧蒸留により固形分60%に濃縮した。このラテックスBを用い、架橋剤として水分散性ポリイソシアネート化合物タケネートWD−730(武田薬品工業製)10.0重量部を用いた以外は実施例1で示した方法と同様な方法で接着剤組成物を作成した。接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率57%、接着剤組成物の粘度6510mPa・sであった。
【0053】
作製した接着剤組成物の評価結果は表2に示した。表2より、発泡性、配合安定性、常温剥離強度、耐水剥離強度、耐トルエン性において十分な性能であることが明らかである。
【0054】
実施例9
重合例2で得られたラテックスBを減圧蒸留により固形分60%に濃縮した。このラテックスBを用い、架橋剤として水分散性ポリイソシアネート化合物SBU0772(住友バイエルウレタン製)7.5重量部を用いた以外は実施例1で示した方法と同様な方法で接着剤組成物を作成した。接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率57%、接着剤組成物の粘度は5500mPa・sであった。
【0055】
作製した接着剤組成物の評価結果は表2に示した。表2より、発泡性、配合安定性、常温剥離強度、耐水剥離強度、耐トルエン性において十分な性能であることが明らかである。
【0056】
実施例10
重合例2で得られたラテックスBを減圧蒸留により固形分60%に濃縮した。このラテックスBを用い、粘度調節剤として水溶性高分子 UH−438(旭電化製)の30%水希釈品 5.0重量部を用いた以外は実施例1で示した方法と同様な方法で接着剤組成物を作成した。接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率57%、接着剤組成物の粘度は2500mPa・sであった。
【0057】
作製した接着剤組成物の評価結果は表3に示した。表3より、発泡性、配合安定性、常温剥離強度、耐水剥離強度、耐トルエン性において十分な性能であることが明らかである。
【0058】
【表3】
Figure 0005034146
実施例11
重合例2で得られたラテックスBを減圧蒸留により固形分60%に濃縮した。このラテックスBを用い、粘度調節剤として水溶性高分子ポリエチレンオキサイドPEO−1(住友精化工業製)の10%水希釈品 0.5重量部を用いた以外は実施例1で示した方法と同様な方法で接着剤組成物を作成した。接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率 57%、接着剤組成物の粘度は2010mPa・sであった。
【0059】
作製した接着剤組成物の評価結果は表3に示した。表3より、発泡性、配合安定性、常温剥離強度、耐水剥離強度、耐トルエン性において十分な性能であることが明らかである。
【0060】
実施例12
重合例2で得られたラテックスBを減圧蒸留により固形分60%に濃縮した。このラテックスBを用い、粘度調節剤として水溶性高分子ポリエチレンオキサイドPEO−1(住友精化工業製)の10%水希釈品 6.0重量部を用いた以外は実施例1で示した方法と同様な方法で接着剤組成物を作成した。接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率 57%、接着剤組成物の粘度は8910mPa・sであった。
【0061】
作製した接着剤組成物の評価結果は表3に示した。表3より、発泡性、配合安定性、常温剥離強度、耐水剥離強度、耐トルエン性において十分な性能であることが明らかである。
【0062】
実施例13
重合例2で得られたラテックスBを減圧蒸留により固形分58%に濃縮した。このラテックスBを用いた以外は実施例1で示した方法と同様な方法で接着剤組成物を作成した。接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率57%、接着剤組成物の粘度は3770mPa・sであった。
【0063】
作製した接着剤組成物の評価結果は表3に示した。表3より、発泡性、配合安定性、常温剥離強度、耐水剥離強度、耐トルエン性において十分な性能であることが明らかである。
【0064】
実施例14
重合例2で得られたラテックスBを減圧蒸留により固形分73%に濃縮した。このラテックスBを用いた以外は実施例1で示した方法と同様な方法で接着剤組成物を作成した。接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率57%、接着剤組成物の粘度は8900mPa・sであった。
【0065】
作製した接着剤組成物の評価結果は表3に示した。表3より、発泡性、配合安定性、常温剥離強度、耐水剥離強度、耐トルエン性において十分な性能であることが明らかである。
【0066】
実施例15
重合例2で得られたラテックスBを濃縮せず、そのまま実施例1で示した方法と同様な方法で接着剤組成物を作成した。接着剤組成物の粘度は1910mPa・sであった。得られた接着剤組成物をスポンジ表面に塗布後、80℃で5秒間乾燥させ、配合した接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率を57%に調節した。
【0067】
作製した接着剤組成物の評価結果は表3に示した。表3より、発泡性、配合安定性、常温剥離強度、耐水剥離強度、耐トルエン性において十分な性能であることが明らかである。
【0068】
実施例16
重合例4で得られたラテックスDを減圧蒸留により固形分60%に濃縮した。このラテックスを用い、架橋剤として水分散性ポリイソシアネート化合物WD −730(武田薬品工業製)7.5重量部、粘度調節剤として水溶性高分子UH−438(旭電化製)を5重量部用いた他は実施例1で示した方法と同様な方法で接着剤組成物を作製した。接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率58%、接着剤組成物の粘度は4800mPa・sであった。
【0069】
作製した接着剤組成物の評価結果は表3に示した。表3より、発泡性、配合安定性、常温剥離強度、耐水剥離強度、耐トルエン性において十分な性能であることが明らかである。
【0070】
比較例1〜比較例10
重合例1で得られたラテックスAを濃縮せず、そのまま用い表4で示した処方で配合し接着剤組成物を作成した。接着剤組成物の粘度は表4に示した通りである。配合した接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率は全て50%であった。
【0071】
作製した接着剤組成物の評価結果は表4に示した。表4より固形成分比率が50%の時、ゴムスポンジ硬度(JIS−K−6253(1997年))が4のソフトスポンジでは接着物性は十分であるが、硬度が8のハードスポンジでは不十分な結果となることが明らかである。
【0072】
【表4】
Figure 0005034146
比較例11
重合例3で得られたラテックスCを減圧蒸留により固形分60%に濃縮した。このラテックスCを用いた以外は実施例1で示した方法と同様な方法で接着剤組成物を作成した。接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率57%、接着剤組成物の粘度は7200mPa・sであった。
【0073】
作製した接着剤組成物の評価結果は表5に示した。表5より、接着物性は十分であるが発泡性、配合安定性等の接着剤としてのポットライフが短いことが明らかである。
【0074】
【表5】
Figure 0005034146
比較例12〜比較例17
重合例2で得られたラテックスBを減圧蒸留により固形分60%に濃縮した。このラテックスBを用い、表5で示した処方で配合し接着剤組成物を作成した。
接着剤組成物の粘度は表5に示した通りである。配合した接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率は全て57%であった。
【0075】
作製した接着剤組成物の評価結果は表5に示した。表5より架橋剤としてポリイソシアネート化合物以外の化合物を用いた場合、接着物性は不十分であることが明らかである。
【0076】
比較例18〜比較例19
重合例2で得られたラテックスBを減圧蒸留により固形分60%に濃縮した。このラテックスBを用い、表6で示した処方で配合し接着剤組成物を作成した。接着剤組成物の粘度は表6に示した通りである。配合した接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率は何れも57%であった。
【0077】
作製した接着剤組成物の評価結果は表6に示した。表6より接着剤組成物粘度が1500〜9000mPa・sの範囲を外れた場合、接着物性は不十分であることが明らかである。
【0078】
【表6】
Figure 0005034146
比較例20
重合例2で得られたラテックスBを減圧蒸留により固形分56%に濃縮した。このラテックスBを用い、表6で示した処方で配合し接着剤組成物を作成した。配合した接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率は54%であり、接着剤組成物の粘度は6600mPa・sであった。
【0079】
作製した接着剤組成物の評価結果は表6に示した。表6より接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率が55%未満の場合、接着物性は不十分であることが明らかである。
【0080】
比較例21
重合例2で得られたラテックスBを減圧蒸留により固形分75%に濃縮した。このラテックスBを用い、表6で示した処方で配合し接着剤組成物を作成した。配合した接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率は72%であり、接着剤組成物の粘度は11000mPa・sであった。
【0081】
作製した接着剤組成物の評価結果は表6に示した。表6より接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率が70%を越える場合、接着物性は不十分であることが明らかである。
【0082】
比較例22
重合例2で得られたラテックスBを濃縮せず、そのまま実施例1で示した方法と同様な方法で接着剤組成物を作成した。接着剤組成物の粘度は1910mPa・sであった。得られた接着剤組成物をスポンジ表面に塗布後、80℃で10秒間乾燥させ、配合した接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率を72%に調節した。
【0083】
作製した接着剤組成物の評価結果は表6に示した。表6より、接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率が70%を越える場合、接着物性は不十分であることが明らかである。
【0084】
【発明の効果】
本発明により得られたクロロプレンゴムラテックス接着剤組成物は、ウエットスーツ、スポーツグッズ等のスポンジとジャージの接着において、従来のラテックス系接着剤では達成できなかった良好な作業性と接着物性を満足させるものであり、本発明の接着剤組成物を用いて品質が格段に優れた製品を迅速に製造する事が可能となる。

Claims (2)

  1. スルホン酸塩型又は硫酸エステル塩型乳化剤を用いて乳化重合したクロロプレンゴムラテックスにおいて、その固形分であるクロロプレンゴムが、クロロプレン単量体の重合体又はクロロプレン単量体と共重合可能なエチレン性不飽和単量体との共重合体であるクロロプレンゴムラテックス100重量部(固形分換算)に対し、ポリイソシアネート化合物を1〜20重量部配合してなる接着剤組成物であって、B型粘度計によりNo.4ローター、60rpm、60秒、23℃の条件下で測定された接着剤組成物の粘度が1500〜9000mPa・sの範囲にあり、かつ接着剤組成物中のクロロプレンゴムラテックスの固形成分比率が、以下の一般式(1)で示される式において55%〜70%であることを特徴とするスポンジ及びジャージ接着用クロロプレンゴムラテックス接着剤組成物。
    (A/(A+B))×100 (1)
    (ここで、Aは接着剤組成物に含まれるクロロプレンゴムラテックスの固形成分の質量、Bは接着剤組成物中の水分の質量を示す。)
  2. エチレン性不飽和単量体が、カルボキシル基含有ビニル単量体である事を特徴とする請求項1記載のスポンジ及びジャージ接着用クロロプレンゴムラテックス接着剤組成物。
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