JP4841747B2 - ラテックス組成物 - Google Patents

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JP4841747B2 JP2001152354A JP2001152354A JP4841747B2 JP 4841747 B2 JP4841747 B2 JP 4841747B2 JP 2001152354 A JP2001152354 A JP 2001152354A JP 2001152354 A JP2001152354 A JP 2001152354A JP 4841747 B2 JP4841747 B2 JP 4841747B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、含浸紙、繊維のバインダー、接着剤等に使用可能であるポリクロロプレン系ラテックス組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリクロロプレン系ラテックス組成物の耐光変色性を向上させる方法としては、フェノール系酸化防止剤を配合する方法、酸化亜鉛を配合する方法が有効であることが公知である。
例えば、本発明者らは、特開2000−86821号公報(電気化学工業株式会社)では、特定構造のフェノール系化合物をポリクロロプレン系ラテックスに配合することにより、波長300nm未満の紫外線に対する変色性を改良することを提案している。
また、本発明者らは、特開平11−209523号公報(電気化学工業株式会社)では、平均粒径200nmの微粒子酸化亜鉛を配合することで、ポリクロロプレン系ラテックス組成物の耐光変色性を改良することを発明している。
これらの従来技術では、耐光安定性が不十分な場合があり、更なる改良が必要であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた耐光変色性を有するポリクロロプレン系ラテックス組成物の新規な配合処方を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく検討を重ねた結果、ポリクロロプレン系ラテックスに、下記の化学式(1)で表される化合物(以下、化合物Aと称す)を1種類以上配合することによって、耐光変色性に優れたポリクロロプレン系ラテックス組成物を発明した。
【0005】
【化2】
Figure 0004841747
【0006】
(ここで、R1〜R10のうち少なくとも一つが水酸基であり、残りは、水素原子または硫酸基または炭素数20以下のアルキル基もしくは炭素数20以下の置換アルキル基を示し、互いに同一でも異なっていても良い。)
【0007】
なお、好ましくは、化合物Aは、フェノール系酸化防止剤及び/またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及び/またはヒンダードアミン系光安定剤と組み合わせて配合することが好ましい。
また、本発明は、上記のポリクロロプレン系ラテックス組成物を含有してなる接着剤である。
【0008】
以下、本発明の内容を詳細に説明する。
本発明におけるポリクロロプレン系ラテックスとは、2−クロロ−1,3−ブタジエン(以下クロロプレンと記す)単独、またはクロロプレンとクロロプレンと共重合可能な単量体の1種類以上の単量体混合物を、乳化剤及び/または分散剤の存在下、水を媒体として重合して得られた重合体または共重合体を主成分とするラテックスである。
クロロプレンと共重合可能な単量体としては、例えば、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸やメタクリル酸等のカルボキシル基含有ビニル単量体及びそのエステル類等が挙げられ、必要に応じて2種類以上用いても構わない。
【0009】
カルボキシル基含有ビニル単量体としては、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸などが挙げられ、必要に応じて2種類以上のカルボキシル基含有ビニル単量体を用いて構わない。その中でも特に、メタクリル酸(2−メチルプロペン酸またはα−メチルアクリル酸ともいう)が乳化共重合の制御が容易である。
共重合によって、ポリマー鎖中にカルボキシル基を導入したクロロプレン系ラテックスを、接着剤に使用すれば、公知の各種架橋剤との組み合わせにより、常態接着力や耐水接着力や耐熱接着力を向上させることができることが、既に知られている。
【0010】
この場合、カルボキシル基含有ビニル単量体の仕込み量は、単量体の合計100質量部のうち、カルボキシル基含有ビニル単量体が0.01〜10質量部であることが好ましい。カルボキシル基含有ビニル単量体が0.01質量部より少ないと、各種架橋剤との架橋反応性は期待しにくく、カルボキシル基含有ビニル単量体が10質量部よりも多くなると、架橋剤を添加した時のポットライフが短くなる場合があり、あまり好ましくない。
【0011】
本発明におけるポリクロロプレン系ラテックスの乳化重合に使用される乳化剤及び/または分散剤は特に限定するものではなく、通常ポリクロロプレンラテックスに使用されている各種アニオン型、ノニオン型、カチオン型が使用できる。アニオン型の乳化剤としては、カルボン酸型、硫酸エステル型等があり、例えば、ロジン酸のアルカリ金属塩、炭素数が8〜20個のアルキルスルホネート、アルキルアリールサルフェート、ナフタリンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物等が挙げられる。ノニオン型の具体例としては、ポリビニルアルコールまたはその共重合体(例えば、アクリルアミドとの共重合体)、ポリビニルエーテルまたはその共重合体(例えば、マレイン酸との共重合体)、ポリビニルピロリドンまたはその共重合体(例えば、酢酸ビニルとの共重合体)、あるいは、これら(共)重合体を化学修飾したもの、あるいはセルロース系誘導体(ヒドロキシエチルセルロース)等を挙げることができる。カチオン型の具体例としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩等があり、例えば、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
【0012】
本発明におけるポリクロロプレン系ラテックス中の乳化剤及び/または分散剤の添加量は、初期仕込み単量体の合計100質量部に対して0.5〜10質量部が好ましい。0.5質量部未満の場合には、乳化力が十分でなく、10質量部を超えるとラテックス組成物を接着剤用途に使用した場合に耐水接着力を低下させてしまう。
【0013】
本発明における(共)重合体の重合条件は、特に限定されるものではなく、重合温度、重合触媒、連鎖移動剤、重合停止剤、最終重合率、脱モノマー、濃縮条件等を適切に選定、制御することで、固形分濃度、トルエン可溶部の分子量、トルエン不溶分(ゲル含有量)等を調整することが可能である。
【0014】
本発明における(共)重合体の重合温度は特に限定されるものではないが重合反応を円滑に行うために、重合温度を10〜50℃とすることが好ましい。
重合触媒は、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、第3−ブチルヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物等であり、特に限定されるものではない。
【0015】
本発明における(共)重合体の連鎖移動剤の種類は特に限定されるものではなく、通常クロロプレンの乳化重合に使用されるものが使用できるが、例えばn−ドデシルメルカプタンやtert−ドデシルメルカプタン等の長鎖アルキルメルカプタン類、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドやジエチルキサントゲンジスルフィド等のジアルキルキサントゲンジスルフィド類、ヨードホルム等の公知の連鎖移動剤を使用することができる。
【0016】
本発明における(共)重合体の重合停止剤(重合禁止剤)は特に限定するものでなく、例えば、2,6−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール、フェノチアジン、ヒドロキシアミン等が使用できる。
【0017】
本発明における(共)重合体の最終重合率は、特に限定するものではなく、任意に調節することができ、未反応のモノマーは脱モノマー操作によって除去されるが、その方法は特に限定するものではない。
本発明のポリクロロプレンラテックスは、濃縮あるいは、水等の添加で希釈することで、固形分濃度を必要な濃度に制御することができる。濃縮の方法としては、減圧濃縮などがあるが、特に限定するものではない。接着剤の乾燥速度、及び貯蔵安定性を考慮すると、ポリクロロプレンラテックスの固形分濃度は、40〜65質量%が好ましい。
【0018】
本発明におけるポリクロロプレン系ラテックスは、(共)重合体のトルエン不溶分(ゲル含有量)が5〜70質量%であれば、初期接着力と常態接着力のバランスに優れた接着剤とすることができる。トルエン不溶分が5質量%より低い場合には常態接着力が不十分であり、逆に70質量%を越える場合には初期接着力が不十分となる場合がある。
【0019】
本発明の化合物Aは、具体的には、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ)プロポキシベンゾフェノン等が挙げられる。
特に、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンが耐光変色性に有効であり好ましい。
【0020】
本発明のポリクロロプレン系ラテックス組成物は、化合物Aを単独で用いることもできるが、公知のフェノール系酸化防止剤及び/またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及び/またはヒンダードアミン系光安定剤を併用することで、さらに耐光変色性を向上させることができ、好ましい。
【0021】
フェノール系酸化防止剤とは、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6,−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、モノ(またはジまたはトリ)(α−メチル−ベンジル)フェノール、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−メチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、p−クレゾールとジシクロペンタジエンのブチル化反応物、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス[2{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニロキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、トリエチレングリコール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロキシナミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルエチルホスホネート)カルシウム塩、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ(α−メチル−シクロヘキシル)−5,5’−ジメチルジフェニルメタン等であり、2種類以上を併用しても良い。
【0022】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とは、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,αジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネートとポリエチレングリコールの縮合物等であり、2種類以上を併用しても良い。
【0023】
ヒンダードアミン系光安定剤とは、具体的には、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス−(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/トリデシル−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート等である。
【0024】
この中でも特に、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/トリデシル−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラートが好ましく、これらは常温で液体であるために、ラテックス組成物に直接添加し、撹拌しても、均一に配合することができる。
【0025】
化合物A、フェノール系酸化防止剤またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤の添加量としては、ポリクロロプレン系ラテックス組成物の耐光変色性及び貯蔵安定性及び配合コストを考慮すれば、ポリクロロプレン系ラテックス100質量部(固形分換算)に対して、0.01〜20質量部が好ましい。
【0026】
化合物A、フェノール系酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤の添加方法は特に限定されない。
ヒンダードアミン系光安定剤の中には常温で液状のものがあり、この場合には直接添加して撹拌しても、ラテックス組成物中に均一に分散させることができる。
常温で液状でない化合物については、水性エマルジョンとしてから配合する方法がある。さらにこの水性エマルジョンの製法には、上記化合物が固体であれば、まずトルエン等の有機溶剤に溶解させたものを乳化剤を用いて水中に乳化/分散させた後、有機溶剤を減圧しながら加熱して取り除く方法、または単に粉砕して乳化/分散させる方法などが挙げられる。配合後のポリクロロプレン系ラテックス組成物の貯蔵安定性に問題がある場合には、水性エマルジョンを作製してから配合すればよい。
【0027】
本発明のポリクロロプレン系ラテックス組成物は、ポリクロロプレン系ラテックス及び上述の化合物以外に、要求性能に合わせて、増粘剤、充填剤、造膜助剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、加硫剤、加硫促進剤、消泡剤、抗菌剤、防黴剤等を任意に添加することができる。
【0028】
本発明の接着剤は、上述のラテックス組成物を含有してなる接着剤であり、好ましくは粘着付与樹脂を配合したものである。粘着付与樹脂の配合量は、ポリクロロプレン系ラテックスを固形分で100質量部に対して、10質量部(固形分)以上100質量部(固形分)未満が好適である。この範囲であれば、十分な常態接着力を維持することができる。
ここでいう粘着付与樹脂とは、具体的には、ロジン樹脂、重合ロジン樹脂、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、テルペンフェノール樹脂、C5留分系石油樹脂、C9留分系石油樹脂、C5/C9留分系石油樹脂、DCPD系石油樹脂、アルキルフェノール樹脂、キシレン樹脂、クマロン樹脂、クマロンインデン樹脂などのことである。例えば、履き物の靴底または部品の接着に使用する場合には、加熱乾燥工程を備えることが可能であるので、この場合には選定する樹脂の軟化点温度は80〜160℃のものが好ましい。
【0029】
粘着付与樹脂を配合する場合、その配合方法は特に限定されないが、接着剤中に樹脂を均一に分散させるために、水性エマルジョンとしてから配合することが好ましい。さらに粘着付与樹脂の水性エマルジョンの製法には、トルエン等の有機溶剤に溶解させたものを乳化剤を用いて水中に乳化/分散させた後、有機溶剤を減圧しながら加熱して取り除く方法と、微粒子に粉砕して乳化/分散させる方法などがあるが、より微粒子のエマルジョンが製造できる前者が好ましい。
【0030】
ポリクロロプレン系ラテックス組成物は、ポリクロロプレン系重合体の脱塩酸反応によって、貯蔵中にpHが変化する場合があり、必要に応じて受酸剤として酸化亜鉛を配合することで、この現象を抑制することができる。酸化亜鉛を配合する場合、酸化亜鉛の性状(粒子径、比表面積)は特に限定されない。
酸化亜鉛の結晶系は特に限定されず、非晶または六方晶系のどちらでも構わない。
また製法も特に限定されず、フランス法(間接法)、アメリカ法(直接法)、湿式法のいずれによって製造させていても良い。フランス法(間接法)とは、金属亜鉛を約1000℃に加熱して気化させ、熱空気によって酸化させて酸化亜鉛粉末を製造する方法である。アメリカ法(直接法)とは、亜鉛を含む天然鉱石に還元剤を添加して直接亜鉛を気化させ、熱空気によって酸化させて酸化亜鉛粉末を製造する方法である。湿式法とは、水相反応で酸化亜鉛を合成する方法であり、例えば、塩化亜鉛水溶液にソーダ灰水溶液を加え、塩基性炭酸亜鉛を沈降させ、これを水洗し、乾燥後、約600℃で加熱することで得られる。
本発明における酸化亜鉛の粒子形状は特に限定されず、球状、針状、鱗片状(板状)、紡錘状、多面体状、不定形等のいずれであっても良い。
【0031】
酸化亜鉛を配合する場合、その配合量は、ポリクロロプレン系ラテックスを固形分で100質量部に対して0.01〜50質量部が好ましく、さらに好ましくは0.2〜20質量部である。この範囲であれば、さらに耐溶剤性を向上させることができる。
酸化亜鉛の配合方法は特に限定されず、粉末の状態で配合しても、任意の分散剤を用いて水分散液を作成してから配合しても良いが、接着剤中に均一に分散させることができる後者が好ましい。
【0032】
本発明の接着剤は、ポリクロロプレン系ラテックス、粘着付与樹脂以外に、要求性能に合わせて、増粘剤、充填剤、造膜助剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、加硫剤、加硫促進剤、消泡剤、抗菌剤、防黴剤等を任意に添加することができる。
【0033】
接着剤の粘度を調節する場合には、増粘剤を添加すれば良く、具体的な増粘剤としては、ポリアクリル酸ナトリウム、水溶性ポリウレタン、会合型ポリウレタン系エマルジョン、アルカリ膨潤型アクリル系エマルジョン、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、合成スメクタイト等が挙げられる。
また、製品コストを下げるためには、接着剤に充填剤を添加することが有効であり、具体的な充填剤としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸バリウム、合成シリカ等が挙げられる。
造膜助剤としては、プロピレングリコール、n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールモノイソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールジイソブチレート等が挙げられる。
【0034】
加硫促進剤の具体例としては、ジチオカルバミン酸塩系、キサントゲン塩系、チウラム系、アルデヒドアンモニア系、チオウレア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、グアニジン系等が配合可能である。
ジチオカルバミン酸塩系の具体例としては、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン塩、ピペコリルジチオカルバミン酸ピペコリン塩、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジエチルジチオカルバミン酸テルル等が挙げられる。
キサントゲン酸塩系の具体例としては、ブチルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛等が挙げられる。
チウラム系の具体例としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等が挙げられる。
【0035】
アルデヒドアンモニア系の具体例としては、ヘキサメチレンテトラミン等が挙げられる。
チオウレア系の具体例としては、N,N’−ジフェニルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素等が挙げられる。
チアゾール系の具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2−(N,N−ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等が挙げられる。
スルフェンアミド系の具体例としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等が挙げられる。
グアニジン系の具体例としては、1,3−ジフェニルグアニジン、ジ−o−トリルグアニジン、1−o−トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ−o−トリルグアニジン塩等が挙げられる。
【0036】
本発明の架橋剤としては、公知の各種架橋剤を選択すれば良い。具体的には、メラミン樹脂等のメチロール基を有する化合物、エポキシ樹脂等のエポキシ基を有する化合物、ブロックイソシアネート化合物や水分散型イソシアネート化合物などのイソシアネート基を有する化合物(イソシアネート化合物)、オキサゾリン基を有する化合物、フェノール樹脂やグリコール類のような分子内に2個以上の水酸基を有する化合物、イミノ基を有する化合物(イミン化合物)等が挙げられる。
中でもイソシアネート化合物は、ポリクロロプレン系(共)重合体あるいは乳化剤の水酸基あるいはカルボキシル基と結合するだけでなく、水と反応してイソシアネート誘導体を生成するため、大きな耐水接着力や耐熱接着力の向上を期待することができ、最も好適である。なお、水分散型イソシアネート化合物とは、脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネートから得られる、分子内にビュウレット、イソシアヌレート、ウレタン、ウレトジオン、アロファネート等の構造を有するポリイソシアネートポリマーに親水基を導入したものである。
つまり、水中に添加・攪拌すると、水中で微粒子として分散することが可能な自己乳化型イソシアネート化合物である。
【0037】
脂肪族及び/または脂環族イソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート(LDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、重合MDI、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(IPC)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHPI)、トリジンジイソシアネート(TODI)等が挙げられる。中でも、HDI、MDI、IPDI、水添XDIは、工業的に入手し易く良好である。
イソシアネート化合物の架橋剤としての効果は、原料化合物よりもむしろ、JIS K−7301で規定される方法によって算出したイソシアネート基含有率によって左右される。良好な接着力を得るためには、使用する水分散型イソシアネート化合物のイソシアネート基含有率が、17〜25質量%であることが好ましい。
【0038】
本発明の接着剤の使用条件は特に限定されない。
被着体としては、木材、コンクリート、ゴム、陶器などが挙げられ、例えば履き物では、布類(ナイロン、ポリエステル、綿などの編織布、不織布)、天然皮革(牛皮、カンガルー皮など)、人工皮革(ポリウレタン、ポリ塩化ビニル樹脂など)、加硫ゴム(SBR、BR、CR)、樹脂(ポリウレタン、EVAなどの非発泡体または発泡体)の同種または異種の接着に用いることができる。
塗布する方法及び装置仕様は特に限定されない。具体的にはカーテンフローコーター法、バーコーター法、ロールコーター法等が挙げられ、さらにロールコーター法には、グラビアロールコーター法、リバースグラビアロールコーター法等がある。例えば、履き物では、インソール(中敷き)では連続的に均一に塗布することが可能であるロールコーター法が好ましく、靴底や部品の接着においては、塗布面積が小さいために刷毛による手作業が好ましい。
圧着装置や圧着条件、プレス圧力は特に限定されず、2つの被着体を重ねた後の圧着操作は、加熱プレスまたは常温プレスのいずれであっても好適に使用できる。
【0039】
本発明のポリクロロプレン系ラテックス組成物及び接着剤の残液や洗浄液から生じる廃液の処理方法は特に制限されず、エマルジョンやラテックス分野で一般的に用いられている、乾燥法、凝集法等の方法によって処理することができる。乾燥法とは、廃液の水分を揮発させ、固化物を生成させる処理方法のことである。凝集法とは、固形分を10%以下に調整した廃液に凝集剤を撹拌しながら添加し、凝集物が生成したら撹拌を止め、凝集物と上澄み液を濾過によって分離する方法のことである。
使用される凝集剤は、無機系凝集剤と高分子凝集剤があり、無機系凝集剤としては、ポリ硫酸第二鉄、塩化第二鉄、硫酸アルミニウム(通称、硫酸バンド)、ポリ塩化アルミニウム(通称、PAC)、硫酸チタニル(TiOSO4)等が挙げられる。ポリ硫酸第二鉄、塩化第二鉄を用いる場合には、廃液のpHを4〜8に調整する必要があり、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウムを用いる場合には廃液のpHを6〜8に調整する必要がある。
高分子系凝集剤としては、ポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸ナトリウム系等が挙げられる。無機凝集剤と有機系凝集剤を組み合わせて使用することも可能である。
【0040】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
【0041】
[実験例1]
内容積3リットルの反応器を用いて、窒素雰囲気中で、水96質量部にポリビニルアルコール3.5質量部を60℃で溶解させた。このポリビニルアルコール水溶液を室温近くまで冷却した後、この中にクロロプレン単量体99質量部、メタクリル酸1質量部、オクチルメルカプタン0.4質量部を加えた。これを45℃に保持しながら亜硫酸ナトリウムと過硫酸カリウムを開始剤として用い重合しポリクロロプレンラテックスを得た。次に、このポリクロロプレンラテックスに20質量%ジエタノールアミン水溶液を添加してpHを7に調製し、減圧加温により濃縮し、固形分を55質量%になるように調製した。
このポリクロロプレンラテックスの固形分、共重合体のゲル含有量を以下の方法で測定したところ、固形分が55質量%、ゲル含有量が29質量%であった。
【0042】
[固形分濃度]
アルミ皿だけを秤量してAとした。ラテックス試料を2mlいれたアルミ皿を秤量しBとした。ラテックス試料を入れたアルミ皿を110℃雰囲気下で2時間乾燥させた後、秤量しCとした。固形分濃度(%)は下式により求めた。
固形分濃度={(C−A)/(B−A)}×100
【0043】
[ゲル含有量(トルエン不溶分)測定]
ラテックス試料を凍結乾燥し秤量してAとした。23℃で20時間、トルエンで溶解(0.6%に調整)し、遠心分離機を使用し、更に200メッシュの金網を用いてゲルを分離した。ゲル分を風乾燥後110℃雰囲気下で、1時間乾燥し、秤量してBとした。ゲル含有量(%)は下式に従って算出した。
ゲル含有量=(B/A)×100
【0044】
[乳化液作製例1]
2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン(商品名:トミソーブ800、吉富ファインケミカル株式会社製)を40質量部、純水を57質量部、乳化剤としてジアルキルスルホコハク酸ナトリウム水溶液(商品名:ペレックスOT−P、花王株式会社製)をウェットで3質量部を混合し、陶磁器ボールミルで1日間粉砕撹拌し、乳化液を作製した。この乳化液を化合物Aeとする。
【0045】
[乳化液作製例2]
n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(商品名:IRGANOX1076、チバスペシャルティケミカルズ株式会社製)を40質量部、純水を57質量部、乳化剤としてジアルキルスルホコハク酸ナトリウム水溶液(商品名:ペレックスOT−P、花王株式会社製)をウェットで3質量部を混合し、陶磁器ボールミルで1日間粉砕撹拌し、乳化液を作製した。この乳化液をフェノール系化合物(1)とする。
【0046】
[乳化液作製例3]
4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−メチルフェノール)(商品名:アンテージW−300、川口化学工業株式会社製)を40質量部、純水を57質量部、乳化剤としてジアルキルスルホコハク酸ナトリウム水溶液(商品名:ペレックスOT−P、花王株式会社製)をウェットで3質量部を混合し、陶磁器ボールミルで1日間粉砕撹拌し、乳化液を作製した。この乳化液をフェノール系化合物(2)とする。
【0047】
[乳化液作製例4]
2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(商品名:Tinuvin326、チバスペシャルティケミカルズ株式会社製)を40質量部、純水を57質量部、乳化剤としてジアルキルスルホコハク酸ナトリウム水溶液(商品名:ペレックスOT−P、花王株式会社製)をウェットで3質量部を混合し、陶磁器ボールミルで1日間粉砕撹拌し、乳化液を作製した。この乳化液をベンゾトリアゾール系化合物(1)とする。
【0048】
[実施例1〜7、比較例1〜7]
実験例1で得られたポリクロロプレン系ラテックス、乳化液作製例1〜4で得られた乳化液を用いて、表1及び表2の配合処方で配合し、実施例1〜7、比較例1〜7のクロロプレン系ラテックス組成物を得た。配合量の単位は、固形分質量である。
なお、ヒンダードアミン系化合物(1)は、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート(商品名:Tinuvin765、チバスペシャルティケミカルズ株式会社製、液体)である。ヒンダードアミン系化合物(1)はポリクロロプレン系ラテックスに直接添加した。
実施例1〜7、比較例1〜7のポリクロロプレン系ラテックス組成物の耐光変色性を以下の方法で評価した。
【0049】
[耐光変色性の評価方法]
ポリクロロプレン系ラテックス組成物を、吸取紙シム−1(コクヨ株式会社製)に刷毛で200g/m2塗布し、23℃で3時間乾燥させ、300W電球のULTRA−VITALUX SUN LUMP(OSRAM社製/ドイツ)を光源とし、金属ケース内で12〜24時間照射させた。なお、照射中は、金属ケース内温度が50℃に制御されており、光源と試料の距離は250mmに設定されている。
色調は、多光源分光測色計Multi Spectro Colour Meter(スガ試験機株式会社製)により、陶磁製標準白板(L*=92.62、a*=0.14、b*=2.95)との色差(ΔE)を測定した。
【0050】
実施例1〜7,比較例1〜7の得られた評価結果を表1及び表2に示した。
【0051】
【表1】
Figure 0004841747
【0052】
【表2】
Figure 0004841747
【0053】
[実施例8〜14、比較例8〜14]
実験例1で得られたポリクロロプレン系ラテックス、乳化液作製例1〜4で得られた乳化液を用いて、表3及び表4の配合処方で配合し、実施例8〜14、比較例8〜14のクロロプレン系ラテックス組成物を得た。配合量の単位は、固形分質量である。
なお、粘着付与樹脂は、軟化点150℃のテルペンフェノール樹脂の53%エマルジョン(商品名:タマノルE−100、荒川化学工業株式会社製)を使用し、酸化亜鉛は、湿式製法による酸化亜鉛のエマルジョン(商品名:AZ−SW、大崎工業株式会社製)を使用した。
ヒンダードアミン系化合物(1)は、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート(商品名:Tinuvin765、チバスペシャルティケミカルズ株式会社製、液体)である。ヒンダードアミン系化合物(1)はポリクロロプレン系ラテックスに直接添加した。
実施例8〜14及び比較例8〜14のポリクロロプレン系ラテックス組成物の耐光変色性の評価方法は、実施例1〜7及び比較例1〜7と同じである。
実施例8〜14、比較例8〜14の得られた評価結果を表3及び表4に示した。
【0054】
【表3】
Figure 0004841747
【0055】
【表4】
Figure 0004841747
【0056】
[加硫SBR/加硫SBRの接着評価]
[初期接着力の評価方法]
加硫SBR(糊代部のサイズは幅20mm×長さ70mm)2枚各々の片面を研磨し、粗化面をアセトンで洗浄する。洗浄後、トリクロロイソシアヌル酸の3%酢酸エチル溶液をしみ込ませたガーゼで拭き、23℃室温で10分間乾燥後、市販のCR溶剤系プライマー(商品名P−79/ノーテープ工業株式会社製)をしみ込ませたガーゼで拭いた。60℃雰囲気中で10分間乾燥させ、150g(wet)/m2のラテックス組成物を、刷毛で塗布し、23℃雰囲気中で3時間乾燥させた後、その上から200g(wet)/m2のラテックス組成物を刷毛で塗布し、70℃雰囲気中で5分間乾燥させた。さらにもう一度200g(wet)/m2のラテックス組成物を刷毛で塗布し、70℃雰囲気中で5分間乾燥させた後、張り合わせ、ハンドローラーで圧着した。23℃雰囲気中で10分間養生後、引張試験機で引張速度200mm/minで180°剥離強度を測定した。
[常態接着力の評価方法]
加硫SBR(糊代部のサイズは幅20mm×長さ70mm)2枚各々の片面を研磨し、粗化面をアセトンで洗浄する。洗浄後、トリクロロイソシアヌル酸の3%酢酸エチル溶液をしみ込ませたガーゼで拭き、23℃室温で10分間乾燥後、市販のCR溶剤系プライマー(商品名P−79/ノーテープ工業株式会社製)をしみ込ませたガーゼで拭いた。60℃雰囲気中で10分間乾燥させ、150g(wet)/m2のラテックス組成物を、刷毛で塗布し、23℃雰囲気中で3時間乾燥させた後、その上から200g(wet)/m2のラテックス組成物を刷毛で塗布し、70℃雰囲気中で5分間乾燥させた。さらにもう一度200g(wet)/m2のラテックス組成物を刷毛で塗布し、70℃雰囲気中で5分間乾燥させた後、張り合わせ、ハンドローラーで圧着した。23℃雰囲気中で5日間養生後、引張試験機で引張速度200mm/minで180°剥離強度を測定した。
【0057】
[発泡EVA/ポリエステル布の接着評価]
[初期接着力の評価]
厚さ5mm、密度95kg/m3の独立気泡の発泡EVAシート(品名:3F−10/三福工業株式会社製)に、200g(wet)/m2のラテックス組成物を、ロールコーターで塗布し、70℃雰囲気中で4分間乾燥させ、その上にポリエステル織編布を重ね、130℃に加熱されたプレス機械によって1kgf/cm2の圧力で圧着した。23℃雰囲気中で10分間養生後、引張試験機で引張速度200mm/minで180°剥離強度を測定した。
[常態接着力の評価方法]
厚さ5mm、密度95kg/m3の独立気泡の発泡EVAシート(品名:3F−10/三福工業株式会社製)に、200g(wet)/m2のラテックス組成物を、ロールコーターで塗布し、70℃雰囲気中で4分間乾燥させ、その上にポリエステル織編布を重ね、130℃に加熱されたプレス機械によって1kgf/cm2の圧力で圧着した。23℃雰囲気中で5日間養生後、引張試験機で引張速度200mm/minで180°剥離強度を測定した。
これらの評価結果を表3、表4に併せて示した。
【0058】
【発明の効果】
表1及び表2より明らかな如く、本発明のポリクロロプレン系ラテックス組成物の配合処方(実施例1〜7)の耐光変色性は、従来の配合処方(比較例1〜7)の耐光変色性よりも優れている。
また、表3及び表4より明らかな如く、本発明の接着剤組成物(実施例8〜14)の耐光変色性は、従来の接着剤組成物(比較例8〜14)の耐光変色性よりも優れている。

Claims (8)

  1. ポリクロロプレン系ラテックス100質量部(固形分換算)と、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ)プロポキシベンゾフェノンから選ばれる1種類以上の化合物の乳化液0.01〜20質量部(固形分換算)を含有することを特徴とするポリクロロプレン系ラテックス組成物。
  2. 更にポリクロロプレン系ラテックス100質量部(固形分換算)に対してフェノール系酸化防止剤0.01〜20質量部を含有したことを特徴とする請求項1記載のポリクロロプレン系ラテックス組成物。
  3. 更にポリクロロプレン系ラテックス100質量部(固形分換算)に対してベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤0.01〜20質量部を含有することを特徴とする請求項1記載のポリクロロプレン系ラテックス組成物。
  4. 更にポリクロロプレン系ラテックス100質量部(固形分換算)に対してヒンダードアミン系光安定剤を1種類以上を合計で0.01〜20質量部含有することを特徴とする請求項1記載のポリクロロプレン系ラテックス組成物。
  5. 更にポリクロロプレン系ラテックス100質量部(固形分換算)に対してフェノール系酸化防止剤0.01〜20質量部及びベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤0.01〜20質量部を含有することを特徴とする請求項1記載のポリクロロプレン系ラテックス組成物。
  6. 更にポリクロロプレン系ラテックス100質量部(固形分換算)に対してフェノール系酸化防止剤0.01〜20質量部及びベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤0.01〜20質量部及びヒンダードアミン系光安定剤0.01〜20質量部を含有することを特徴とする請求項1記載のポリクロロプレン系ラテックス組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載のポリクロロプレン系ラテックス組成物を含有してなることを特徴とする接着剤組成物。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項記載のポリクロロプレン系ラテックス組成物に粘着付与樹脂を含有してなることを特徴とする接着剤組成物。
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