JP3888965B2 - ポリクロロプレン系接着剤組成物及び接着剤構造物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリクロロプレン系接着剤組成物に関するものであ。詳細には、本発明は、金属アルコキシドのゾルゲル反応を応用してシリカ粒子を微細に分散させたシリカ含有ポリクロロプレン系接着剤組成物及び接着剤構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シリカは補強剤として有効であるため、ポリクロロプレン(CR)溶剤系接着剤の配合剤として多く使用されている(例えば、非特許文献1参照。)。非特許文献1では、CR溶剤系接着剤にシリカを配合することによって、常態接着力が向上することが示されている。
【0003】
【非特許文献1】
「Double Liaison−Physique et Chimie des Peintures et Adhesifs」、1985年、32巻、361号、p. 365−375
【0004】
しかし、従来のシリカの配合技術は、混練配合法である。つまり、従来は、ハロゲン化珪素化合物や有機珪素化合物の熱分解、珪砂の加熱気化及び空気酸化などの製法で製造された乾式法シリカや、珪酸塩の熱分解または酸分解などの製法で製造された湿式法シリカといった、市販シリカ粉末を、ミキシングロールやバンバリーミキサーなどを用いて、ポリクロロプレンゴムに配合した後に、これを有機溶剤に溶解させて、CR溶剤系接着剤を製造していた。
この方法では、接着剤または乾燥後の接着皮膜に分散するシリカの凝集粒子径を出来るだけ小さくすることによって接着性能が向上するが、現実には最大凝集粒子径を50μmよりも小さくすることは困難であり、従って、接着性能の改善にも限界があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、シリカ粒子が微細に分散されている結果、接着性能が優れる、新規なシリカ含有CR溶剤系接着剤組成物を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、シリカと有機溶剤とを含有するCR系接着剤組成物において、乾燥被膜中のシリカを、従来技術では達成できなかった最大凝集粒子径50μm以下又は最大一次粒子径0.2μm以下で微細に分散させることによって、接着性能が優れる接着剤組成物が得られることを見出して、本発明をなすに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、シリカとクロロプレン系重合体と有機溶剤とを含み、クロロプレン系重合体100質量部に対して、シリカが1質量部以上50質量部以下の量で存在し、有機溶剤が150質量部以上1900質量部以下の量で存在し、接着後の接着剤層中において、該シリカが最大凝集粒子径0.005μm以上5μm以下の凝集粒子として分散されていることを特徴とする、ポリクロロプレン系接着剤組成物を提供する。
【0008】
また、本発明は、シリカとクロロプレン系重合体と有機溶剤とを含み、クロロプレン系重合体100質量部に対して、シリカが1質量部以上50質量部以下の量で存在し、有機溶剤が150質量部以上1900質量部以下の量で存在し、接着後の接着剤層中において、該シリカの最大一次粒子径が0.005μm以上0.2μm以下であることを特徴とするポリクロロプレン系接着剤組成物も提供する。
【0009】
更に、本発明は、上記の接着剤組成物によって接着された接着剤構造物も提供する。
【0010】
以下、本発明の内容を詳細に説明する。本発明の接着剤組成物の原料となるクロロプレン系重合体とは、2−クロロ−1,3−ブタジエン(以下クロロプレンと記す)の単独重合体またはクロロプレンと共重合可能な単量体の一種類以上とを共重合して得られる共重合体である。
【0011】
クロロプレンと共重合可能な単量体とは、クロロプレンと有意に共重合する単量体であればいずれでもよい。その一例を挙げれば、共役ジエン単量体としては、1−クロロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、2−フロロ−1,3−ブタジエン、2−ブロム−1,3−ブタジエン、2−シアノ−1,3−ブタジエンなどがあり、ビニル単量体としては、アクリロニトリル、スチレン及びスチレン誘導体、アクリル酸及びアクリル酸エステル類、メタクリル酸及びメタクリル酸エステル類などがある。更に、マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(2−クロロフェニル)マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、硫黄などがある。これらの単量体は、必要に応じて二種類以上を併用してもよい。クロロプレン以外の単量体の仕込量は特に限定されないが、単量体の合計100質量部の内、クロロプレン以外の単量体が0.01質量部以上10質量部以下であるのが好ましい。クロロプレン以外の単量体を0.01質量部以上共重合させることで、反応性の官能基を導入したり、重合体の結晶化速度を低くさせたりことができる。しかし、クロロプレンの重合速度は、他の単量体の重合速度に比べて著しく速いので、クロロプレン以外の単量体を10質量部よりも多く共重合させるのは難しい場合が多い。なお、本発明の(共)重合体は、0.1質量%テトラヒドロフラン溶液をGPC測定(スチレン換算)することによって得られる数平均分子量が、10万以上100万以下であるのが好ましい。
【0012】
本発明において用いるポリクロロプレン系重合体は、上記した単量体を水中で乳化剤及び/または分散剤の存在において乳化(共)重合させることによって得る。乳化(共)重合に使用される乳化剤及び/または分散剤は特に限定するものではなく、各種アニオン型、ノニオン型、カチオン型が使用できる。アニオン型ラテックスに用いる乳化剤としては、カルボン酸型、硫酸エステル型などがあり、例えば、ロジン酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩、炭素数が8〜20個のアルキルスルホネート、アルキルアリールサルフェート、ナフタリンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドとの縮合物などが挙げられる。ノニオン型の具体例としては、水溶性高分子、エーテル型、エステル型、ソルビタンエステル型、ソルビタンエステルエーテル型、アルキルフェノール型などがあり、例えば、ポリビニルアルコール及びその共重合体、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンモノステアレート、ソルビタンモノオレート等を挙げることができる。カチオン型の具体的としては、脂肪族アミン塩、脂肪族四級アミン塩、芳香族四級アンモニウム塩等があり、例えば、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロリドなどが挙げられる。
【0013】
後述するが、本発明ではアルコキシシラン類化合物のゾルゲル反応によってシリカを充填させる。この反応に用いるポリクロロプレン系ラテックスはアルカリ性であることが好ましいため、アルカリ性においても乳化安定性が優れる乳化剤として、ロジン酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩を使用することが好ましい。ロジン酸のアルカリ金属塩の例としては、ロジン酸ナトリウム、ロジン酸カリウム等を挙げることができる。
【0014】
乳化重合に使用される乳化剤及び分散剤の添加量は、初期仕込み単量体の合計100質量部に対して、0.5質量部以上20質量部以下が好適である。0.5質量部よりも少ないと、アルコキシシラン類化合物を十分乳化することが困難であり、20質量部よりも多いと、撹拌時の発泡が問題となったり、最終的なゴム製品の物性に悪影響したりする可能性が考えられる。
【0015】
乳化重合の条件は、特に限定されるものではなく、重合温度、重合開始剤、連鎖移動剤、重合停止剤、最終重合率、脱モノマー、濃縮条件などを適切に選定、制御することで、固形分濃度、分子量、溶剤不溶分(ゲル含有量)などを調整することが可能である。
【0016】
乳化重合時の重合温度は特に限定されるものではないが重合反応を円滑に行うために、重合温度を10〜50℃とすることが好ましい。
【0017】
重合開始剤は、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、第3−ブチルヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物などであり、特に限定されるものではない。
【0018】
連鎖移動剤の種類は特に限定されるものではなく、通常クロロプレンの乳化重合に使用されるものが使用できるが、例えばn−ドデシルメルカプタンやtert−ドデシルメルカプタン等の長鎖アルキルメルカプタン類、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドやジエチルキサントゲンジスルフィドなどのジアルキルキサントゲンジスルフィド類、ヨードホルム等の公知の連鎖移動剤を使用することができる。
【0019】
クロロプレンの乳化重合における重合停止剤(重合禁止剤)としては、2,6−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール、フェノチアジン、ヒドロキシアミンなどが公知であり、任意の重合率に達した時点でこれらを使用すれば良い。
【0020】
重合が終了した後に、減圧加熱などの公知の方法によって、未反応の単量体を除去することによって、ポリクロロプレン系ラテックス(CRラテックス)が得られる。CRラテックスは、濃縮したり、水等を添加して希釈したりすることで、固形分濃度を自由に制御することができる。
【0021】
以下、シリカ配合方法について説明する。
本発明におけるシリカは、アルコキシシラン類の加水分解反応及び縮合反応、いわゆるゾルゲル反応によって、クロロプレン系重合体の存在下で生成させる。すなわち、CRラテックスにアルコキシシラン類化合物を混合する工程と、アルコキシシラン類化合物をシリカに転化させる工程と、反応液を乾燥する工程の3つの工程を経て、クロロプレン系重合体にシリカを配合する。このようなアルコキシシラン類のゾルゲル反応によって、クロロプレン系重合体マトリックス上にシリカが微細に分散される。
【0022】
CRラテックスにアルコキシシラン類化合物を混合する工程では、ラテックスの固形分濃度を、10質量%以上50質量%以下としておくことが好ましい。この固形分濃度範囲であれば、アルコキシシラン類化合物のゾルゲル反応時に系の凝固が起こりにくい。更に、本発明において用いるポリクロロプレン系ラテックスは、B型粘度計(30rpm)を用いて測定した25℃における粘度が5mPa・s以上1000mPa・s以下であり、25℃における比重が1.0以上1.5未満であるのが好ましい。粘度及び比重が、これらの範囲であれば、系を凝固させずに安定な乳化状態のままゾルゲル反応を進行させることが出来る。
【0023】
また、CRラテックスを酸性またはアルカリ性にしておいてから、アルコキシシラン類化合物を混合することが好ましい。CRラテックスを酸性またはアルカリ性にすることで効率的にアルコキシシラン類化合物のゾルゲル反応を進行させることができる。酸性ではアルコキシラン類化合物が線状の重合体(ポリシロキサン)となり易いのに対して、アルカリ性ではアルコキシシラン類化合物が網目状に重縮合したゲル体となり易いことから、特にアルカリ性に調節することがより好ましい。
酸性にするためには、塩酸、硫酸などを、アルカリ性にするためには、アンモニア水溶液、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを添加することによって任意のpHに調節することができる。
【0024】
アルコキシシラン類化合物とは、同一分子内に1つ以上のケイ素原子と2つ以上のアルコキシ基を有する化合物である。
四官能性アルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラプロポキシシラン(TPOS)等が挙げられる。
三官能性アルコキシシランとしては、フェニルトリエトキシシラン(PTEOS)、オクタデシルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
二官能性アルコキシシランとしては、ジエトキシジメチルシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシ等が挙げられる。
本発明では、二種類以上のアルコキシシラン類化合物を混合して用いてもよい。上記の化合物うち、安価であり、大気中で容易に取り扱うことができることから、テトラエトキシシラン(TEOS)が最も好ましい。
【0025】
CRラテックスに対するアルコキシシラン類化合物の混合方法は特に限定されない。ラテックスに直接添加・乳化させる方法の他、上記のアルコキシシラン類化合物をある程度予め重縮合させて低分子量のポリシロキサンとしてからラテックスに添加する方法でもよい。
【0026】
アルコキシシラン類化合物の添加量は、乾燥ゴムに対するシリカ含有率を考慮して決定すればよい。乾燥ゴム中のシリカ含有率は、クロロプレン系重合体100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下、好ましくは3質量部以上40質量部以下である。1質量部以上50質量部以下の範囲であれば、生ゴムの硬さを低く抑えることができ、加硫剤等の配合を円滑に行うことが出来るからである。
【0027】
アルコキシシラン化合物をシリカに転化させる工程では、CRラテックスとアルコキシシラン類との混合液を任意の温度及び時間で放置する。反応時間は、反応液の固形分濃度を測定したり、比重を測定することによって、ゾルゲル反応の反応率を確認しながら決定すれば良い。反応温度は特に限定しないが、10℃以上50℃以下が好ましい。10℃よりも低いと、反応液が凍結したりゾルゲル反応速度が遅くなったりする可能性が考えられ、50℃よりも高いと、ポリマーの劣化やゲル化が起こる可能性が考えられる。
【0028】
系は、密閉系である必要はなく、開放系であっても構わない。ゾルゲル反応中は、反応液を撹拌または振盪することによって、より微細なシリカ粒子を形成することが出来る。
【0029】
反応液を乾燥させる工程では、通常のポリクロロプレンの仕上げ方法を適用して、乾燥させるればよい。ポリクロロプレンの仕上げ方法としては、そのまま蒸発乾燥させる方法や、一旦凍結させた後に水洗・乾燥させる方法などが公知である。ゾルゲル反応中に反応系が凝固した場合には、凝固物をそのまま乾燥すればよい。こうして、シリカ複合化ゴムが得られる。
【0030】
次に、上述した通りにして得たシリカ複合化ゴムを有機溶剤に溶解させて目的とする接着剤組成物を製造する。
本発明において用いる有機溶剤は、特に限定されず、クロロプレン系重合体の溶解性を考慮して選定すればよい。
有機溶剤の具体例として、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などが挙げられ、二種類以上の有機溶剤を混合してもよい。
有機溶剤の添加量は、クロロプレン系重合体100質量部に対して、150質量部以上1900質量部以下が好ましい。更に好ましくは、200質量部以上1000質量部以下である。150質量部よりも少ないと、固形分濃度及び粘度が高過ぎて塗工性に問題が生じる可能性がある。また1900質量部を超えると、接着剤組成物の固形分濃度が低くなり過ぎ接着性能が低下する恐れがある。
【0031】
本発明の接着剤組成物は、粘着付与樹脂を配合することによって、常態接着力を更に向上させることができる。粘着付与樹脂は、溶剤系接着剤の分野において一般的に使用されているものであり、その種類は限定されない。具体的には、ロジン樹脂、重合ロジン樹脂、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、テルペンフェノール樹脂、C5留分系石油樹脂、C9留分系石油樹脂、C5/C9留分系石油樹脂、DCPD系石油樹脂、アルキルフェノール樹脂、キシレン樹脂、クマロン樹脂、クマロンインデン樹脂などがある。例えば、履き物の靴底や部品の接着に使用する場合には、耐熱接着力を考慮して、軟化点が80〜150℃のものが好ましい。
【0032】
粘着付与樹脂の添加量は、クロロプレン重合体100質量部に対して5質量部以上100質量部以下、好ましくは20質量部以上80質量部以下が適切である。粘着付与樹脂は、5質量部以上用いると初期接着力及び常態接着力の向上が認められるが、80質量部を超えると接着剤被膜の可撓性を損なう可能性がある。
【0033】
本発明の接着剤組成物は、要求性能に合わせて、上述の化合物以外に、老化防止剤、紫外線吸収剤、金属酸化物、充填剤、補強剤、加硫剤、加硫促進剤、硬化剤、抗菌剤、防黴剤などを任意に添加することができる。
【0034】
老化防止剤としては、アミン系、イミダゾール系、カルバミン酸金属塩、フェノール系、ワックスなどが使用でき、クロロプレン系重合体100質量部に対して、0.1質量部〜10質量部の範囲で好適に添加することができる。複数の老化防止剤を組み合わせて添加しても良い。
【0035】
アミン系の具体例としては、フェニル−1−ナフチルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(3−メタクリロイロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、N−(メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンなどがある。
【0036】
イミダゾール系の具体例としては、2−メルカプトベンツイミダゾール、2−メルカプトメチルベンツイミダゾール、2−メルカプトベンツイミダゾール亜鉛などがある。
カルバミン酸塩系の具体例としては、ジエチルジチオカルバミン酸ニックル、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケルなどがある。
【0037】
フェノール系の具体例としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、モノ(またはジまたはトリ)(α−メチル−ベンジル)フェノール、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−メチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、p−クレゾールとジシクロペンタジエンのブチル化反応物、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス[2{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニロキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、トリエチレングリコール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロキシナミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルエチルホスホネート)カルシウム塩、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イゾシアヌレート、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ(α−メチル−シクロヘキシル)−5,5’−ジメチルジフェニルメタンなどであり、これらを二種類以上併用してもよい。
【0038】
本発明の接着剤組成物に、耐光変色性を付与する目的で紫外線吸収剤を、クロロプレン系重合体100質量部に対して、0.1質量部〜10質量部の範囲で好適に添加することができる。紫外線吸収剤は、ヒンダードアミン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、無機微粒子系などを適宜選択でき、複数の紫外線吸収剤を組み合わせて使用しても良い。
【0039】
ヒンダードアミン系としては、具体的には、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス−(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/トリデシル−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラートなどである。
【0040】
ベンゾトリアゾール系としては、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2,(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネートとポリエチレングリコールの縮合物などである。
【0041】
ベンゾフェノン系としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ)プロポキシベンゾフェノン等が挙げられる。この中では、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンがポリクロロプレン系重合体の耐光変色性改良に有効であることが知られており好ましい。
【0042】
無機微粒子系としては、粒子径が100nm以下の微粒子状酸化チタン、微粒子状酸化亜鉛、微粒子状酸化セリウムなどがある。
上記に示した紫外線吸収剤は、二種類以上を組み合わせて添加してもよい。
【0043】
金属酸化物としては、酸化亜鉛または酸化マグネシウムが好ましいが、それ以外に酸化鉛、三酸化鉄、酸化カルシウムなど、CR溶剤系接着剤の分野で広く知られた金属酸化物が用いられる。
金属酸化物を添加する場合、その添加量は、クロロプレン系重合体100質量部に対して、0.05質量部〜20質量部が好ましい。0.05質量部よりも少ないと、受酸剤または加硫剤としての効果が得られにくい。20質量部を超える添加量は、接着剤組成物を長期貯蔵した場合に沈降や分離を起こす可能性があるので好ましくない。
【0044】
充填剤としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸バリウム、合成粘土などがあり、補強剤としてはカーボンブラックなどがある。これらは、接着剤組成物に要求される性能や色調に合わせて適宜選定することができる。塗工性を考慮すれば、充填剤または補強剤の添加量は、クロロプレン系重合体100質量部に対して、5質量部〜50質量部が好ましい。
【0045】
加硫剤としては、有機過酸化物、トリアジン化合物、ビスマレイミド化合物、及びその他の、ポリクロロプレンゴムの加硫で広く知られた架橋剤が用いられる。
【0046】
有機過酸化物の一例を挙げれば、イソブチリルパーオキサイド、α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、ジ−2−エトキシヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、サクシニックパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、4−メチルベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、m−トルオイルベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキサイド)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどがある。
【0047】
トリアジン化合物の具体例としては、1,3,5−トリメルカプトトリアジン、1−ヘキシルアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジン、1−ジエチルアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジン、1−シクロヘキシルアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジン、1−ジブチルアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジン、1−ジメチルアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジン、1−アニリノ−3,5−ジメルカプトトリアジンなどがある。
またマレイミド化合物としては、N,N’−m−フェニレンジマレイミドなど、また、メタクリル酸またはアクリル酸のアルミニウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウムの金属塩なども用いられる。その他、ハイドロタルサイト類などを適宜使用することができる。
【0048】
加硫剤を添加する場合、その添加量は、クロロプレン系重合体100質量部に対して、0.05質量部〜20質量部が好適である。この範囲であれば、接着剤組成物の貯蔵安定性を安定に維持することができる。
【0049】
加硫促進剤を添加する場合には、ポリクロロプレンゴムに対して一般的に用いられる加硫促進剤を、クロロプレン系重合体100質量部に対して、0.05質量部〜20質量部の範囲で適宜添加することができる。
加硫促進剤としては、チオウレア化合物、グアニジン化合物、チアゾール化合物、チウラム化合物などを選択できる。
チオウレア化合物の具体例としては、N,N’−ジフェニルチオウレア、トリメチルチオウレア、N,N’−ジエチルチオウレアなどがある。
グアニジン化合物の具体例としては、1,3−ジフェニルグアニジン、ジ−o−トリルグアニジン、1−o−トリルビグアニドジカテコールボレートのジ−o−トリルグアニジン塩などがある。
チアゾール化合物の具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩、2−メルカプトベンチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2−(N,N−ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾールなどがある。
チウラム化合物の具体例としては、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィドなどがある。
【0050】
硬化剤を用いる場合には、公知の各種架橋剤を、クロロプレン系重合体100質量部に対して、0.5質量部〜20質量部の範囲で好適に添加することができる。複数の硬化剤を併用しても良く、また、主剤と硬化剤を分離して保管しておき、使用時に二液を混合する、いわゆる二液型接着剤としても良い。
具体的には、メラミン樹脂等のメチロール基を有する化合物、エポキシ樹脂等のエポキシ基を有する化合物、イソシアネート基を有する化合物(イソシアネート化合物)、オキサゾリン基を有する化合物、フェノール樹脂やグリコール類のような分子内に2個以上の水酸基を有する化合物、イミノ基を有する化合物(イミン化合物)等が挙げられる。これらの中でもイソシアネート化合物は、クロロプレン系重合体が有する水酸基などと容易に結合するため、大きな耐熱接着力の向上を期待することができ、最も好適である。
【0051】
脂肪族及び/または脂環族イソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート(LDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、重合MDI、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(IPC)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHPI)、トリジンジイソシアネート(TODI)等が挙げられる。中でも、HDI、MDI、IPDI、水添XDIは、工業的に入手し易く良好である。
【0052】
接着剤の調製は、既にシリカが充填されたゴム(シリカ複合化ゴム)をミキシングロール等の慣用の混練装置を用いて40〜60℃の温度において素練りし、それを粘着付与樹脂や溶剤などと共にボールミル等の慣用の混合装置に仕込み、良く混合して成分を溶剤に均質に溶解させる。また、金属酸化物や老化防止剤その他の添加剤を用いる場合には、通常、ゴムと金属酸化物や老化防止剤その他の添加剤を予めミキシングロール等の慣用の混練装置を用いて混練しておき、得られた混練物をボールミル等の慣用の混合装置において溶剤に溶解させる調製方法を採用することができる。
【0053】
本発明の接着剤組成物の使用条件は特に限定されない。
被着体としては、木材、コンクリート、ゴム、陶器などが挙げられ、例えば履き物では、布類(ナイロン、ポリエステル、綿などの編織布、不織布)、天然皮革(牛皮、カンガルー皮など)、人工皮革(ポリウレタン、ポリ塩化ビニル樹脂など)、加硫ゴム(SBR,CR,IR,IIR,NBR,BR)、樹脂(ポリウレタン、EVAなどの発泡体または非発泡体)などの同種または異種の接着に用いることができる。
【0054】
塗布する方法及び装置仕様は特に限定されない。具体的にはカーテンフローコーター法、バーコーター法、ロールコーター法、スプレー法などが挙げられ、更にロールコーター法には、グラビアロールコーター法、リバースグラビアロールコーター法などがある。用途に合った塗布方法を選択すれば良いが、例えば、連続的に均一に塗布する用途ではロールコーター法が好ましく、靴底や小型部品の接着のように塗布面積が小さい用途では刷毛による手作業が好ましい。
【0055】
圧着装置や圧着条件、プレス圧力は特に限定されず、2つの被着体を重ねた後の圧着操作は、加熱プレスまたは常温プレスのいずれであっても好適に使用される。
【0056】
本発明におけるシリカの最大凝集粒子径とは、本発明の接着剤組成物の乾燥皮膜(接着剤層)中に分散しているシリカの凝集粒子の最大径のことであり、乾燥皮膜の破断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)または透過型電子顕微鏡(TEM)または原子間力顕微鏡(AFM)によって観察して測定する。この最大凝集粒子径が0.005μm以上5μm以下、より好ましくは0.005μm以上0.5μm以下であれば、接着性能を著しく向上させることが可能であるため好ましい。
【0057】
本発明におけるシリカの最大一次粒子径とは、上記凝集粒子を構成する粒子で、分子間の結合を切断することなく存在する最小単位の粒子の最大サイズのことである。接着皮膜中では、一次粒子の凝集体(凝集粒子)として分散しており、破断面の観察から最大一次粒子径を判定することは困難である。そこで、本発明では、乾燥皮膜を酸素または空気雰囲気中で700℃以上で完全に燃焼させ、燃焼残分(灰分)に含まれているシリカを、走査型電子顕微鏡(SEM)または透過型電子顕微鏡(TEM)または原子間力顕微鏡(AFM)によって観察して、最大一次粒子径を判定する。この最大一次粒子径が0.005μm以上0.2μm以下であることが好ましく、この範囲であれば、接着性能を著しく向上させることが可能である。
【0058】
上述した本発明の接着剤組成物によって接着された接着剤構造物は、接着剤層中において、シリカが従来達成されない微細な粒子として分散されていることから、優れた接着性能を有する。
【0059】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
【0060】
実験例1
内容積10リットルの反応器に、窒素雰囲気中で、水100質量部、ロジン酸のナトリウム塩5質量部、水酸化ナトリウム0.3質量部、ホルムアルデヒドナフタレンスルホン酸縮合物のナトリウム塩0.6質量部、亜硫酸ナトリウム0.5質量部を仕込み、これらを溶解させた後に、撹拌しながらクロロプレン単量体100質量部、n−ドデシルメルカプタン0.12質量部を加えた。過硫酸カリウム0.1質量部を重合開始剤として用い、窒素雰囲気下10℃で重合し、最終重合率が70%に達したところでフェノチアジンの乳濁液を加えて重合を停止した。減圧下で未反応単量体を除去し、ポリクロロプレン系ラテックスを得た。下記の方法で固形分濃度を測定し、固形分濃度が25質量%になるように純水で希釈した。
【0061】
[固形分濃度]
アルミ皿だけを秤量してAとした。ラテックス試料を2mlいれたアルミ皿を秤量しBとした。ラテックス試料を入れたアルミ皿を110℃雰囲気下で2時間乾燥させた後、秤量しCとした。固形分濃度(質量%)は下式により求めた。
固形分濃度={(C−A)/(B−A)}×100
【0062】
得られた重合体の数平均分子量を、下記の方法で測定したところ、20.1万であった。
[数平均分子量]
ラテックス試料をテフロン製のシャーレに入れ、−30℃の冷凍庫内で24時間凍結した後、23℃で24時間真空乾燥させ、厚さ1mmの乾燥シートを得た。この乾燥シートを鋏で刻み、0.1質量%となるように、テトラヒドロフランに溶解させ、下記の条件で数平均分子量を測定した。
カラム:PLゲル 10μmGUARD+
PLゲル 10μmGUARD+
カラムサイズ: 7.5mmφ×50mm(GUARD)、7.5mmφ×300mm(Mixed−B)
カラム温度:35℃、溶媒:THF、流出速度:1ml/min
検出器:SHIMAZU RID−6A
【0063】
実験例2
内容積10リットルの反応器に、窒素雰囲気中で、水100質量部、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム塩1質量部、水酸化ナトリウム2.0質量部、ホルムアルデヒドナフタレンスルホン酸縮合物のナトリウム塩1質量部を仕込み、これらを溶解させた後に、撹拌しながらクロロプレン単量体95質量部、メタクリル酸メチル単量体5質量部、n−ドデシルメルカプタン0.14質量部を加えた。過硫酸ナトリウム0.2質量部を重合開始剤として用い、窒素雰囲気下10℃で重合し、最終重合率が65%に達したところでジエチルヒドロキシルアミンを100ppm加えて重合を停止した。減圧下で未反応単量体を除去し、ポリクロロプレン系ラテックスを得た。実験例1と同様の方法で固形分濃度を測定し、固形分濃度が25質量%になるように純水で希釈した。実験例1と同様の方法で得られた重合体の数平均分子量を測定した結果、22.0万であった。
【0064】
実験例3
内容積10リットルの反応器に、窒素雰囲気中で、水100質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩1.2質量部、水酸化ナトリウム1.5質量部、ホルムアルデヒドナフタレンスルホン酸縮合物のナトリウム塩1質量部仕込み、これらを溶解させた後に、撹拌しながらクロロプレン単量体96質量部、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン単量体2質量部、1−クロロ−1,3−ブタジエン単量体1質量部、アクリロニトリル単量体1質量部、n−オクチルメルカプタン0.18質量部を加えた。過硫酸カリウム0.1質量部を開始剤として用い、窒素雰囲気下10℃で重合し、最終重合率が75%に達したところでジエチルヒドロキシルアミンを100ppm加えて重合を停止した。減圧下で未反応単量体を除去し、ポリクロロプレン系ラテックスを得た。実験例1と同様の方法で固形分濃度を測定し、固形分濃度が25質量%になるように純水で希釈した。実験例1と同様の方法で得られた重合体の数平均分子量を測定した結果、21.2万であった。
【0065】
実験例4
実験例1で得られた固形分濃度25質量%のラテックス3600g(見掛け質量(ウエット質量、すなわち水を含む質量))に対して、テトラエトキシシランを346.8g添加した。ホモジナイザーで1000rpm、30分間撹拌した後に、29質量%のアンモニア水溶液を30.5g添加し、30℃で24時間撹拌した。24時間後、反応乳化液を−60℃で1日間凍結させ、真空乾燥させた。
得られた生成物のシリカ含有率を以下の方法で測定したところ、10質量%であった。シリカ含有率10%のシリカ複合化ゴムAが得られた。
【0066】
[シリカ含有率]
TG/DTA20(セイコーインスツルメンツ株式会社製)を用いて、空気雰囲気における150℃残分率と800℃残分率を測定し、下式により算出した。試料量は約15mg、昇温速度は20℃/min、空気流量は500ml/min、到達温度は805℃である。
シリカ含有率=(800℃残分率/150℃残分率)×100
【0067】
実験例5
実験例1で得られた固形分濃度25質量%のラテックス3200g(見掛け質量)に対して、テトラエトキシシランを693.5g添加した。ホモジナイザーで1000rpm、30分間撹拌した後に、29質量%のアンモニア水溶液を30.9g添加し、25℃で24時間撹拌した。24時間後に、反応乳化液を−60℃で1日間凍結させ、真空乾燥させた。
実験例1と同様の方法によって得られた生成物のシリカ含有率を測定したところ、シリカ含有率は20質量%であった。シリカ含有率20%のシリカ複合化ゴムBが得られた。
【0068】
実験例6
実験例2で得られた固形分濃度25質量%のラテックス3200g(見掛け質量)に対して、テトラエトキシシランを693.5g添加した。ホモジナイザーで1000rpm、30分間撹拌した後、29質量%のアンモニア水溶液を30.9g添加し、25℃で24時間撹拌した。24時間後に、反応乳化液を−60℃で1日間凍結させ、真空乾燥させた。
実験例1と同様の方法によって得られた生成物のシリカ含有率を測定したところ、シリカ含有率は20質量%であった。シリカ含有率20%のシリカ複合化ゴムCが得られた。
【0069】
実験例7
実験例3で得られた固形分濃度25質量%のラテックス3200g(見掛け質量)に対して、テトラエトキシシランを693.5g添加した。ホモジナイザーで1000rpm、30分間撹拌した後、29質量%のアンモニア水溶液を30.9g添加し、25℃で24時間撹拌した。24時間後、反応乳化液を−60℃で1日間凍結させ、真空乾燥させた。
実験例1と同様の方法によって得られた生成物のシリカ含有率を測定したところ、シリカ含有率は20質量%であった。シリカ含有率20%のシリカ複合化ゴムDが得られた。
【0070】
実施例1
実験例4のシリカ複合化ゴムAを用いて、表1に示す成分を表1に示す量で接着剤組成物を調製した。老化防止剤の2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)は、Nocrac200(大内新興化学工業株式会社製)を使用し、酸化マグネシウムは、Kyowamag150(協和化学工業株式会社製)を使用し、酸化亜鉛は、亜鉛華2種(堺化学工業株式会社製)を使用した。調製手順としては、シリカ複合化ゴム、BHT、酸化マグネシウム、酸化亜鉛をミキシングロールで混練し、次にその混練物をトルエンと共にボールミルに入れて、2日間溶解させた。得られた接着剤組成物を接着剤1Aとする。
接着評価方法を説明する。まず、被着体として、2枚の綿帆布を用意した。糊代部の大きさは、幅25mm×長さ50mmである。この2枚の被着体の両方に、塗布量が2400g/m2となるように、接着剤1Aを刷毛で塗布した。25℃で30分間のオープンタイムを置いた後、両者を張り合わせ、10ポンドロールを5往復させて接着した。
【0071】
接着性能の評価結果を表1に示した。常態接着力は、張り合わせてから1日間及び7日間養生後の25℃雰囲気中でのT型剥離強度である。また、耐熱接着力は、張り合わせてから7日間養生後の60℃雰囲気中におけるT型剥離強度である。引張速度は50mm/minである。
【0072】
また、評価を終えた試験片の剥離面に付着している接着剤(乾燥皮膜)を剥がし、以下の方法によって、接着剤層中における凝集粒子径と、最大一次粒子径を測定した。その結果を表1に示した。
【0073】
[最大凝集粒子径]
乾燥被膜の一部を液体窒素中で破断した時の破断面を、走査型電子顕微鏡で観察し、ポリクロロプレン系ゴム組成物中におけるシリカの凝集粒子の最大径を測定した。観察対象物がシリカであることは、エネルギー分散型X線スペクトロメーター(EDS)で確認した。
【0074】
[最大一次粒子径]
乾燥被膜約15mgを、TG/DTA20(セイコーインスツルメンツ株式会社製)にセットして、空気雰囲気で燃焼させた。昇温速度は20℃/min、空気流量は500ml/min、到達温度は900℃である。
燃焼残分(灰分)を走査型電子顕微鏡で観察し、最大一次粒子径を判定した。シリカ粒子であることはエネルギー分散型X線スペクトロメーター(EDS)によって確認した。
【0075】
実施例2
実験例5のシリカ複合化ゴムBを用いたこと以外は、全て実施例1と同じ条件で、表1に示す成分を表1に示す量で接着剤組成物を調製した。得られた接着剤組成物を接着剤2Aとする。実施例1と同じ方法によって接着剤2Aの接着性能及びシリカの形態観察を行い、その結果を表1に示した。
【0076】
実施例3
実験例6のシリカ複合化ゴムCを用いたこと以外は、全て実施例1と同じ条件で、表1に示す成分を表1に示す量で接着剤組成物を調製した。得られた接着剤組成物を接着剤3Aとする。実施例1と同じ方法によって接着剤3Aの接着性能及びシリカの形態観察を行い、その結果を表1に示した。
【0077】
実施例4
実験例7のシリカ複合化ゴムDを用いたこと以外は、全て実施例1と同じ条件で、表1に示す成分を表1に示す量で接着剤組成物を調製した。得られた接着剤組成物を接着剤4Aとする。実施例1と同じ方法によって接着剤4Aの接着性能及びシリカの形態観察を行い、その結果を表1に示した。
【0078】
比較例1
市販ポリクロロプレンゴムは、デンカクロロプレンA−90(電気化学工業株式会社製)を、市販シリカ粉末は、Nipsil VN−3(日本シリカ工業株式会社製)を、老化防止剤の2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)は、Nocrac200(大内新興化学工業株式会社製)を、酸化マグネシウムは、Kyowamag150(協和化学工業株式会社製)を、酸化亜鉛は、亜鉛華2種(堺化学工業株式会社製)を使用し、表1に示す成分を表1に示す量によって接着剤組成物を調製した。調製手順としては、ゴム、シリカ粉末、BHT、酸化マグネシウム、酸化亜鉛をミキシングロールで混練し、次にその混練物をトルエンと共にボールミルに入れて、2日間溶解させた。得られた接着剤組成物を接着剤5Aとする。実施例1と同じ方法によって接着剤5Aの接着性能及びシリカの形態観察を行い、その結果を表1に示した。
実験例と同様の方法で数平均分子量を測定した結果、20.6万であった。
【0079】
比較例2
市販シリカ粉末の添加量以外は、全て比較例1と同じ条件で、表1に示す処方で接着剤組成物を調製した。得られた接着剤組成物を接着剤6Aとする。実施例1と同じ方法によって接着剤6Aの接着性能及びシリカの形態観察を行い、その結果を表1に示した。
【0080】
実施例5
実験例4のシリカ複合化ゴムAを用いて、表2に示す成分を表2に示す量で接着剤組成物を調製した。老化防止剤の2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)は、Nocrac200(大内新興化学工業株式会社製)を、酸化マグネシウムは、Kyowamag150(協和化学工業株式会社製)を、酸化亜鉛は、亜鉛華2種(堺化学工業株式会社製)を、粘着付与樹脂のアルキルフェノール樹脂(融点83℃)はSP−551(日本触媒株式会社製)を使用した。調製手順としては、まず、トルエンに粘着付与樹脂と酸化マグネシウムをボールミルで2日間溶解させてトルエン溶液を作製しておいた。次にシリカ複合化ゴム、BHT、酸化亜鉛をミキシングロールで混練し、その混練物を、予め作製しておいたトルエン溶液と共にボールミルに入れて、2日間溶解させた。得られた接着剤組成物を接着剤1Bとする。実施例1と同じ方法によって接着剤1Bの接着性能及びシリカの形態観察を行い、その結果を表1に示した。
【0081】
実施例6
実験例5のシリカ複合化ゴムBを用いたこと以外は、全て実施例5と同じ条件で、表2に示す成分を表2に示す量で接着剤組成物を調製した。得られた接着剤組成物を接着剤2Bとする。実施例1と同じ方法によって接着剤2Bの接着性能及びシリカの形態観察を行い、その結果を表2に示した。
【0082】
実施例7
実験例6のシリカ複合化ゴムCを用いたこと以外は、全て実施例5と同じ条件で、表2に示す成分を表2に示す量で接着剤組成物を調製した。得られた接着剤組成物を接着剤3Bとする。実施例1と同じ方法によって接着剤3Bの接着性能及びシリカの形態観察を行い、その結果を表2に示した。
【0083】
実施例8
実験例7のシリカ複合化ゴムDを用いたこと以外は、全て実施例5と同じ条件で、表2に示す成分を表2に示す量で接着剤組成物を調製した。得られた接着剤組成物を接着剤4Bとする。実施例1と同じ方法によって接着剤4Bの接着性能及びシリカの形態観察を行い、その結果を表2に示した。
【0084】
比較例3
市販ポリクロロプレンゴムは、デンカクロロプレンA−90(電気化学工業株式会社製)を、市販シリカ粉末は、Nipsil VN−3(日本シリカ工業株式会社製)を、老化防止剤の2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)は、Nocrac200(大内新興化学工業株式会社製)を、酸化マグネシウムは、Kyowamag150(協和化学工業株式会社製)を、酸化亜鉛は、亜鉛華2種(堺化学工業株式会社製)を、粘着付与樹脂のアルキルフェノール樹脂(融点83℃)は、SP−551(日本触媒株式会社製)を使用し、表2に示す処方によって接着剤組成物を調製した。調製手順としては、まず、トルエンに粘着付与樹脂と酸化マグネシウムをボールミルで2日間溶解させてトルエン溶液を作製しておいた。次にゴム、シリカ粉末、BHT、酸化亜鉛をミキシングロールで混練し、その混練物を、予め作製しておいたトルエン溶液と共にボールミルに入れて、2日間溶解させた。得られた接着剤組成物を接着剤5Bとする。実施例1と同じ方法によって接着剤5Bの接着性能及びシリカの形態観察を行い、その結果を表2に示した。
【0085】
比較例4
市販シリカ粉末の添加量以外は、全て比較例3と同じ条件で、表2に示す成分を表2に示す量で接着剤組成物を調製した。得られた接着剤組成物を接着剤6Bとする。実施例1と同じ方法によって接着剤6Bの接着性能及びシリカの形態観察を行い、その結果を表2に示した。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
【発明の効果】
表2より明らかな如く、本発明のシリカ含有接着剤組成物(実施例1〜8)は、従来の混練法で調製したシリカ含有接着剤組成物(比較例1〜4)よりも常態接着力及び耐熱接着力に優れていることが明らかである。
Claims (5)
- シリカとクロロプレン系重合体と有機溶剤とを含み、シリカが、クロロプレン系重合体ラテックスにアルコキシシラン類化合物を配合し、アルコキシシラン類化合物のゾルゲル反応により得られるものであり、クロロプレン系重合体100質量部に対して、シリカが1質量部以上50質量部以下の量で存在し、有機溶剤が150質量部以上1900質量部以下の量で存在し、接着後の接着剤層中において、該シリカが最大凝集粒子径0.005μm以上5μm以下の凝集粒子として分散されていることを特徴とするポリクロロプレン系接着剤組成物。
- 前記シリカが最大凝集粒子径0.005μm以上0.5μm以下の凝集粒子として分散されていることを特徴とする請求項1記載のポリクロロプレン系接着剤組成物。
- シリカとクロロプレン系重合体と有機溶剤とを含み、クロロプレン系重合体100質量部に対して、シリカが1質量部以上50質量部以下の量で存在し、有機溶剤が150質量部以上1900質量部以下の量で存在し、接着後の接着剤層中において、該シリカの最大一次粒子径が0.005μm以上0.2μm以下であることを特徴とするポリクロロプレン系接着剤組成物。
- 更に、粘着付与樹脂を、クロロプレン重合体100質量部に対して5質量部以上100質量部以下の量で含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のポリクロロプレン系接着剤組成物。
- 請求項1〜4のいずれか一項記載のポリクロロプレン系接着剤組成物によって接着されたことを特徴とする接着剤構造物。
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