JP2012040767A - 積層体 - Google Patents

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Naoki Kobayashi
直紀 小林
Yasushi Abe
靖 阿部
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Denka Co Ltd
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Abstract

【課題】クロロプレンゴム層とニトリルゴム層との、接着強度に優れた積層体を提供する。
【解決手段】クロロプレン単量体100質量部とエチレン性不飽和カルボン酸0.1〜10.0質量部を共重合させて得られたクロロプレンゴム100質量部とシリカ5〜40質量部とを有するクロロプレンゴム層の少なくとも一方の面に、アクリロニトリル含有量が15〜50質量部のニトリルゴムを積層させた積層体である。本技術は、内層ニトリルゴム、外層クロロプレンゴム積層ホースに好適に使用することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、クロロプレンゴムとニトリルゴムとの積層体に関する。
クロロプレンゴムやニトリルゴムは、耐油性に優れた材料であり、ベルトやホ−ス、ゴム板といった工業用ゴム部品用の材料として広く使用されている。特に、ニトリルゴムは、耐油性が必要なゴム部品に好適に用いられている。このような工業用ゴム部品への要求性能は著しく高まってきており、機械特性、耐候性、難燃性といった特性を維持しつつ、さらに耐オゾン性や耐熱性に優れたものが求められている。
ここで、ニトリルゴムは、耐油性に優れた材料ではあるが、耐熱性、耐オゾン性や耐候性に乏しい。これを補うため、耐熱性、耐オゾン性や耐候性に優れるクロロプレンゴムを、クロロスルホン化ポリオレフィンゴムを介して積層させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平08−113769
本発明は、クロロプレンゴム層とニトリルゴム層との接着強度に優れた積層体を提供することを課題とする。
本発明は、クロロプレン単量体100質量部とエチレン性不飽和カルボン酸0.1〜10.0質量部を共重合させて得られたクロロプレンゴム100質量部と、シリカ5〜40質量部とを有するクロロプレンゴム層の少なくとも一方の面に、アクリロニトリル含有量が15〜50質量部のニトリルゴムを積層させた積層体である。
積層体は、クロロプレンゴム層の一方の面にニトリルゴムを積層させ、他方の面に耐熱クロロプレンゴムを積層させたものであってもよい。
積層体のクロロプレンゴム層とニトリルゴム層は、加硫接着や接着剤を介して一体化することもできる。
クロロプレンゴム層には、クロロプレンゴムに加えて、エチレン性不飽和カルボン酸を共重合させていない、メルカプタンタイプのクロロプレンゴムまたはキサントゲンタイプのクロロプレンゴムまたは硫黄タイプのクロロロプレンゴムから選ばれる少なくとも一種を含有させてもよい。
また、クロロプレンゴム層には、硫黄や亜鉛粉末、結晶子内の層平面のC軸方向の平均積み重なり高さLcが2nm以上のカーボンブラックを含有させることもできる。
クロロプレンゴム層とニトリルゴム層との接着強度に優れた積層体が得られる。
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲を狭く解釈されることはない。
クロロプレンゴムは、クロロプレン単量体100質量部とエチレン性不飽和カルボン酸0.1〜10.0質量部を共重合させて得られるものである。
エチレン性不飽和カルボン酸は、得られるクロロプレンゴム層とニトリルゴム層との接着強度を向上させるためにクロロプレンと共重合させるものである。
エチレン性不飽和カルボン酸としては、クロロプレンと共重合可能なものであればよく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、グルタコン酸等がある。エチレン性不飽和カルボン酸は、これらを単独または2種以上を併用してもよい。
エチレン性不飽和カルボン酸の共重合量が0.1質量部未満であると、得られるクロロプレンゴム層とニトリルゴム層との接着強度を向上させる効果が得られず、10.0質量部を超えて共重合させてしまうと、クロロプレンゴムを貯蔵させた際に粘度上昇が発生し、加工性が悪化する場合がある。エチレン性不飽和カルボン酸の共重合量は、好ましくは0.3〜8.0質量部であり、さらに好ましくは0.3〜5.0質量部である。
クロロプレンゴムを得るための重合方法には特に制限はなく、例えば、クロロプレン単量体とエチレン性不飽和カルボン酸をクロロプレン単量体の重合に一般に用いられる重合開始剤の存在下に、通常用いられる方法により乳化重合して得ることができる。
重合開始剤としては、クロロプレン単量体の乳化重合に一般に用いられる公知の過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物類が用いられる。
重合中に使用される触媒の活性を高めるために、例えば、亜硫酸ソーダ、硫酸第1鉄、アントラキノン−β−スルホン酸ソーダ、フォルムアミジンスルホン酸、L−アスコルビン酸等を添加してもよい。
使用する乳化剤や分散剤は、各種アニオン型、ノニオン型のものが使用できる。
アニオン型の乳化剤や分散剤としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩及び硫酸塩等があるが、なかでもスルホン酸塩型が好ましく、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリルスルホン酸塩、縮合ナフタレンスルホン酸ナトリウム、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩等のアルキルアリルスルホン酸塩の重縮合物、ジオクチルスルホ琥珀酸ナトリウム、ジヘキシルスルホ琥珀酸ナトリウム等のアルキルスルホ琥珀酸塩、オクチルベンゼンポリオキシエチレンスルホン酸ナトリウム、ノニルベンゼンポリオキシエチレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールポリオキシアルキレンスルホン酸塩等がある。
重合温度及び最終重合率は特に制限するものではないが、重合温度は0〜50℃であることが好ましく、更に20〜50℃であることが好ましい。また、クロロプレン単量体の最終重合率は50〜95%の範囲に入るように行うことが好ましい。最終重合率を調整するためには、所望する重合率になった時に、重合反応を停止させる重合禁止剤を添加して重合を停止させればよい。
重合を停止させるために添加する重合禁止剤としては、例えば、チオジフェニルアミン、ジエチルハイドロキシルアミン、ハイドロキノン、p−t−ブチルカテコール、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、ハイドロキノンメチルエーテル、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2−メチレンビス(6−t−4−メチルフェノール)、4,4−ブチレンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等がある。
未反応のクロロプレン単量体およびエチレン性不飽和カルボン酸は、例えば、スチームストリッピング法によって除去し、その後、pHを調整し、常法の凍結凝固、水洗、熱風乾燥などの工程を経てクロロプレンゴムが得られる。
また、クロロプレンゴムは、分子量調節剤の種類によりメルカプタンタイプ、キサントゲンタイプ、硫黄タイプに分類される。
クロロプレンゴムは、これらのうち、キサントゲンタイプまたはメルカプタンタイプから選ばれる少なくとも一種のクロロプレンゴムとすることが好ましい。キサントゲンタイプは、他のものに比較して引張り強さや破断時伸びなどの機械特性が優れるものであり、これを用いることによって、これらの機械特性を向上させたクロロプレンゴムが得られる。メルカプタンタイプは、他のものに比較して金属との接着特性に優れたものであり、金属との接着性を向上させたクロロプレンゴムが得られる。
メルカプタンタイプは、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルオクチルメルカプタン、オクチルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類を分子量調節剤に使用するものである。
キサントゲンタイプは、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドやジエチルキサントゲンジスルフィド等のジアルキルキサントゲンジスルフィド類を分子量調節剤に使用するものである。
これらのクロロプレンゴムは、併用することにより、得られるクロロプレンゴム層の特性を適宜調整することができる。
クロロプレンゴムには、エチレン性不飽和カルボン酸を共重合させていない未変性のクロロプレンゴムをブレンドさせてもよい。
未変性のクロロプレンゴムの配合量は、クロロプレンゴム100質量部あたり、合計で0〜90質量部の範囲とするとよい。この範囲であれば、クロロプレンゴム層とニトリルゴム層との接着力を維持しつつ、クロロプレンゴム層の柔軟性や圧縮永久歪を向上させることができる。
クロロプレンゴムに未変性のクロロプレンゴムを配合するには、それぞれ固形状のゴムを、一般に用いられる密閉混合機(バンバリー、ニーダー)、オープンロールを用いて混練すればよい。また、それぞれ凍結凝固前のラテックス状態のものを混合した後に、凍結凝固して得てもよい。
シリカは、クロロプレンゴム層とニトリルゴム層との接着強度を向上させるために配合するものである。シリカとしては、例えば、湿式法や乾式法で得られるホワイトカ−ボン、合成ケイ酸塩系ホワイトカ−ボン、コロイダルシリカ、煙霧状シリカ、含水ケイ酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、カオリンクレ−、焼成クレ−、タルク、ウオラストナイト、ゼオライト、ケイ砂、軽石粉などがあげられる。
シリカの配合量は、クロロプレンゴム100質量部あたり5〜40質量部である。シリカの配合量が5質量部未満であると、クロロプレンゴム層とニトリルゴム層との接着強度を向上させる効果が得らない場合がある。40質量部を超えて配合するとクロロプレンゴムの加工特性が低下する場合がある。シリカの配合量は、好ましくは5〜30質量部、さらに好ましくは5〜20質量部である。
硫黄は、クロロプレンゴム層とニトリルゴム層との接着性を向上させるために配合するものであり、市販されている粉末硫黄を用いることができる。硫黄の配合量は、クロロプレンゴム100質量部あたり0.1〜3.0質量部の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.1〜2.0質量部である。この範囲であれば、クロロプレンゴム層とニトリルゴム層との接着強度を維持しつつ、得られるクロロプレンゴム層の耐熱性を維持させることができる。
亜鉛粉末は、クロロプレンゴム層の耐熱性を向上させるために配合するものである。亜鉛粉末としては、特に限定するものではないが、具体的には、粒子径が2〜10μmのものが好適に用いられる。亜鉛粉末の配合量は1〜20質量部の範囲が好ましい。この範囲であれば、クロロプレンゴム層とニトリルゴム層との接着強度を維持しつつ得られるクロロプレンゴム層の耐熱性を向上させることができる。
カーボンブラックは、積層体を加硫して得られる加硫物の機械的強度と耐熱性を向上させるために配合するものである。カーボンブラックとしては、結晶子内の層平面のC軸方向の平均積み重なり高さLcが2nm以上であるカーボンブラックがよく、例えば、熱分解法によるサーマルブラック、アセチレンブラック、また、不完全燃焼法によるファーネスブラック、チャンネルブラックのいずれも使用可能である。
加硫物の耐熱性を向上させるという観点からは、層平面のC軸方向の平均積み重なり高さLcが2.5nm以上のものが特に好ましい。
なお、結晶子内の層平面のC軸方向の平均積み重なり高さLcは、「カーボンブラック便覧」(61〜62ページ、カーボンブラック協会、平成7年発行)に記載されているようにX線回折法により求められる。
カーボンブラックは、平均粒径が60nm以下で、かつジブチルフタレート(DBP)吸油量が好ましくは100〜350ml/100g、更に好ましくは120〜300ml/100g、特に好ましくは140〜300ml/100gのカーボンブラックであることが好ましい。
アセチレンブラックは、アセチレンガスを熱分解して得られるカーボンブラックであり、結晶化が著しく進みしかもストラクチャーも高度に発達し、吸油量も大きく、アセチレンブラックを使用した加硫物は、その耐熱性の改善効果が大きく最も好ましい。
カーボンブラックの配合量は、クロロプレンゴム100質量部あたり5〜50質量部が好ましく、5〜40質量部がより好ましい。カーボンブラックの配合量がこの範囲であれば、クロロプレンゴムの加工性を維持しつつ、得られる加硫物の耐熱性を向上させることができる。
カーボンブラックは、結晶子内の層平面のC軸方向の平均積み重なり高さLcが2nm以上のカーボンブラックに、本発明の目的を損なわない範囲で1種類以上の他のカーボンブラックを組み合わせてもよい。
ニトリルゴムは、アクリロニトリルとブタジエンの共重合ゴムである。ニトリルゴム中のアクリロニトリル含有量は、15〜50質量部の範囲とすると、クロロプレンゴム層とニトリルゴム層との接着強度が向上する。
積層体を製造するには、例えば、ニトリルゴムを、公知の押出成形機や射出成形機、ブロー成形機などを用いてシート状や筒状に成形した後、その表面にさらにクロロプレンゴムを積層させて、加硫接着させればよい。
また、二トリルゴムとクロロプレンゴムとをあらかじめ所望する形状に成形した後、これらを接着剤を介して積層させることもできる。
また、積層体には、さらに、クロロプレンゴム層のニトリルゴムを積層させていない面に耐熱性を向上させた耐熱クロロプレンゴムを積層させることもできる。
耐熱クロロプレンゴムとしては、例えば、特開平11−323020に記載されているような、クロロプレンゴムに、結晶子内の層平面のC軸方向の平均積み重なり高さLcが2nm以上であるカーボンブラックや、亜鉛粉末を配合したものなどを用いることができる。これらのなかでも、アセチレンブラックと亜鉛粉末を配合した耐熱クロロプレンゴムは、クロロプレンゴムとの接着強度が向上するため好ましい。
本発明を以下の実施例および比較例によってさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
クロロプレンゴム(A)の製造
内容積30リットルの反応器を用い、窒素気流下で、水120質量部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ネオペレックスG−65:花王社製)1.0質量部、β―ナフタレンスルホン酸ナトリウム塩(デモールNL:花王社製)1.0質量部、その他添加剤として水酸化ナトリウム0.1質量部、亜硫酸ナトリウム0.2質量部を仕込み、溶解後、攪拌しながらクロロプレン単量体100質量部、メタクリル酸(MAA GE−110:三菱瓦斯化学社製)1.0質量部とジイソプロピルキサントゲンジスルフィド0.7質量部を加えた。過硫酸カリウム0.1質量部を触媒として用いて窒素雰囲気下40℃で重合させ、最終重合率が85%に達した所でフェノチアジンの乳濁液を加え重合を停止した。得られた共重合体乳化液に2%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、減圧下で未反応単量体を除去した。次いで、乳化液を5%酢酸水溶液にてpHを7に調整した。ここにおいて凝固物発生等の異常は見られなかった。凍結凝固乾燥法により、クロロプレン系重合体組成物を得、シート状に成形して、クロロプレンゴム(A)とした。
クロロプレンゴム(B)の製造
内容積30リットルの反応器を用い、窒素気流下で、水120質量部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0質量部、β―ナフタレンスルホン酸ナトリウム塩1.0質量部、その他添加剤として水酸化ナトリウム0.1質量部、亜硫酸ナトリウム0.3質量部を仕込み、溶解後、攪拌しながらクロロプレン単量体100質量部、メタクリル酸2.0質量部とジイソプロピルキサントゲンジスルフィド0.8質量部を加えた。過硫酸カリウム0.1質量部を触媒として用いて窒素雰囲気下40℃で重合させ、最終重合率が80%に達した所でフェノチアジンの乳濁液を加え重合を停止した。得られた共重合体乳化液に2%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、減圧下で未反応単量体を除去した。次いで、乳化液を5%酢酸水溶液にてpHを7に調整した。ここにおいて凝固物発生等の異常は見られなかった。凍結凝固乾燥法により、クロロプレン系重合体組成物を得、シート状に成形して、クロロプレンゴム(B)とした。
クロロプレンゴムの製造(C)
内容積30リットルの反応器を用い、窒素気流下で、水120質量部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5質量部、β―ナフタレンスルホン酸ナトリウム塩1.0質量部、その他添加剤として水酸化ナトリウム0.1質量部、亜硫酸ナトリウム0.3質量部を仕込み、溶解後、攪拌しながらクロロプレン単量体100質量部、メタクリル酸3.8質量部とジイソプロピルキサントゲンジスルフィド0.8質量部を加えた。過硫酸カリウム0.1質量部を触媒として用いて窒素雰囲気下40℃で重合させ、最終重合率が82%に達した所でフェノチアジンの乳濁液を加え重合を停止した。得られた共重合体乳化液に2%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、減圧下で未反応単量体を除去した。次いで、乳化液を5%酢酸水溶液にてpHを7に調整した。ここにおいて凝固物発生等の異常は見られなかった。凍結凝固乾燥法により、クロロプレン系重合体組成物を得、シート状に成形して、クロロプレンゴム(C)とした。
クロロプレンゴムの製造(D)
内容積30リットルの反応器を用い、窒素気流下で、水120質量部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0質量部、β―ナフタレンスルホン酸ナトリウム塩1.0質量部、その他添加剤として水酸化ナトリウム0.1質量部、亜硫酸ナトリウム0.3質量部を仕込み、溶解後、攪拌しながらクロロプレン単量体100質量部、無水マレイン酸(MAH シグマアルドリッチジャパン(株)社製)5.5質量部とジイソプロピルキサントゲンジスルフィド0.8質量部を加えた。過硫酸カリウム0.1質量部を触媒として用いて窒素雰囲気下40℃で重合させ、最終重合率が84%に達した所でフェノチアジンの乳濁液を加え重合を停止した。得られた共重合体乳化液に2%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、減圧下で未反応単量体を除去した。次いで、乳化液を5%酢酸水溶液にてpHを7に調整した。ここにおいて凝固物発生等の異常は見られなかった。凍結凝固乾燥法により、クロロプレン系重合体組成物を得、シート状に成形して、クロロプレンゴム(D)とした。
クロロプレンゴムの製造(E)
内容積30リットルの反応器を用い、窒素気流下で、水120質量部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0質量部、β―ナフタレンスルホン酸ナトリウム塩1.5質量部、その他添加剤として水酸化ナトリウム0.1質量部、亜硫酸ナトリウム0.3質量部を仕込み、溶解後、攪拌しながらクロロプレン単量体100質量部、メタクリル酸3.8質量部とn−ドデシルメルカプタン0.3質量部を加えた。過硫酸カリウム0.1質量部を触媒として用いて窒素雰囲気下40℃で重合させ、最終重合率が82%に達した所でフェノチアジンの乳濁液を加え重合を停止した。得られた共重合体乳化液に2%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、減圧下で未反応単量体を除去した。次いで、乳化液を5%酢酸水溶液にてpHを7に調整した。ここにおいて凝固物発生等の異常は見られなかった。凍結凝固乾燥法により、クロロプレン系重合体組成物を得、シート状に成形して、クロロプレンゴム(E)とした。
クロロプレンゴム(F)の製造
内容積30リットルの反応器を用い、窒素気流下で、水120質量部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0質量部、β―ナフタレンスルホン酸ナトリウム塩1.0質量部、その他添加剤として水酸化ナトリウム0.1質量部、亜硫酸ナトリウム0.3質量部を仕込み、溶解後、攪拌しながらクロロプレン単量体100質量部、メタクリル酸10.2質量部とジイソプロピルキサントゲンジスルフィド0.9質量部を加えた。過硫酸カリウム0.1質量部を触媒として用いて窒素雰囲気下40℃で重合させ、最終重合率が80%に達した所でフェノチアジンの乳濁液を加え重合を停止した。得られた共重合体乳化液に2%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、減圧下で未反応単量体を除去した。次いで、乳化液を5%酢酸水溶液にてpHを7に調整した。ここにおいて凝固物発生等の異常は見られなかった。凍結凝固乾燥法により、クロロプレン系重合体組成物を得、シート状に成形して、クロロプレンゴム(F)とした。
クロロプレンゴムの調整
表1〜3に示したように、クロロプレンゴムA〜Fの何れか一つ、もしくはクロロプレンゴムとエチレン性不飽和カルボン酸を共重合させていない未変性のクロロプレンゴムをブレンドしたクロロプレンゴム100質量部、ステアリン酸を1質量部、MgOを4質量部、耐熱老化防止剤として大内新興化学社製ノクラックCDを4質量部、大内新興化学社製ノクラックMBを1質量部、電気化学工業社製アセチレンブラックを5〜40質量部、日本シリカ社製シリカ(ニップシールVN−3、またはニップシールER)を5〜40質量部、その他添加剤として、可塑剤としてDOSを15質量部、ZnOを5質量部、エチレンチオ尿素を1.2質量部、大内新興化学社製ノクセラーCZを0.5質量部、硫黄を0.3〜3質量部配合し、8インチのオープンロールにて混練りを行った。
ニトリルゴムAの製造
内容積10リットルの反応器中に、乳化剤としてオレイン酸カリウム2.0質量部、安定剤としてリン酸カリウム0.2質量部、水130質量部を仕込み、さらにブタジエン42質量部およびアクリロニトリル58質量部、および分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.35質量部を加えて、活性剤として硫酸第一鉄0.018質量部および重合開始剤としてパラメンタンハイドロパーオキサイド0.05部の存在下、10℃で乳化重合を開始した。重合率78%に達した時点で、単量体100部あたり0.2部のヒドロキシルアミン硫酸塩を添加して重合を停止させ、続いて加温、減圧下、約70℃にて水蒸気蒸溜により残留単量体を回収した後、塩化カルシウム溶液中に重合体ラテックスを加えて重合体を凝固した。生成物を取り出し、乾燥後、アクリルニトリル含有量が56質量部のニトリルゴムAを得た。
ニトリルゴムBの製造
ブタジエンとアクリロニトリルの仕込み量を、それぞれ92質量部と8質量部に変え、それ以外はニトリルゴム(A)と同様の条件でブタジエンとアクリロニトリルを共重合し、アクリルニトリル含有量が9質量部のニトリルゴムBを得た。
ニトリルゴム組成物の調整
ニトリルゴムとして、上述のニトリルゴムA、ニトリルゴムB、日本ゼオン社製Nipol1041(アクリロニトリル含有量が41質量部のニトリルゴム)または日本ゼオン社製NipolDN401(アクリロニトリル含有量が21質量部のニトリルゴム)のいずれか1種を100質量部、ステアリン酸を1質量部、HAFカーボンを40質量部、硫黄を1.5質量部、ZnOを3質量部、大内新興化学社製ノクセラーNSを0.7質量部配合し、8インチのオープンロールにて混練りを行った。
積層体の製造
調整後のクロロプレンゴムおよびニトリルゴムをそれぞれオープンロールにて厚さ2mmのシートとし、これを積層させて、荷重20kgf、温度160℃にて30分間プレス加硫して積層体を得た。
180度剥離強度試験
得られた積層体を加硫後、23℃、60%で24時間放置した後、剥離速度200mm/分で180度剥離試験をおこなった。クロロプレンゴム層またはニトリルゴム層が材料破壊したものを○、クロロプレンゴム層とニトリルゴム層との界面で剥離したものを×とした。
ゴム加工性試験
クロロプレンゴムをオープンロールにて厚さ2mmのシートに加工する際に、ゴムが柔軟で加工性の良かったものを◎、ゴムの柔軟性が低下していたが、シートに加工できたものを○、ゴムの柔軟性が乏しく、シート状に加工し難かったものを×とした。
耐熱老化性試験
120mm×5mm×2mmの短冊状のクロロプレンゴム層テストピースを160℃/72時間の熱老化条件で老化させてから室温に24時間以上放置した後、当該のテストピースを180°に折り曲げ、折れや割れ等の異常が生じるか否かを、目視により観察した。その結果、折れや割れ等の異常がみられず、ゴム弾性を維持していたものを◎、折れや割れ等の異常がみられなかったが、ゴム弾性が低下していたものを○、テストピースが樹脂化して折れたり割れたりしたものを×とした。
Figure 2012040767
Figure 2012040767
Figure 2012040767

Claims (8)

  1. クロロプレン単量体100質量部とエチレン性不飽和カルボン酸0.1〜10.0質量部を共重合させて得られたクロロプレンゴム100質量部と、シリカ5〜40質量部とを有するクロロプレンゴム層の少なくとも一方の面に、アクリロニトリル含有量が15〜50質量部のニトリルゴムを積層させた積層体。
  2. 積層体が、クロロプレンゴム層の一方の面にニトリルゴムを積層させ、他方の面に耐熱クロロプレンゴムを積層させたものであることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  3. クロロプレンゴム層とニトリルゴム層が、加硫接着されていることを特徴とする請求項1又は2記載の積層体。
  4. クロロプレンゴム層が、クロロプレンゴム100質量部あたり、エチレン性不飽和カルボン酸を共重合させていない、メルカプタンタイプクロロプレンゴムまたはキサントゲンタイプクロロプレンゴムまたは硫黄タイプクロロプレンゴムから選ばれる少なくとも一種を合計で0〜90質量部有するものであることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項記載の積層体。
  5. クロロプレンゴム層が、クロロプレンゴム100質量部あたり、硫黄0.1〜3.0質量部を含有するものであることを特徴とする請求項1〜4いずれか一項記載の積層体。
  6. クロロプレンゴム層が、クロロプレンゴム100質量部あたり、亜鉛粉末1〜20質量部を含有するものであることを特徴とする請求項1〜5いずれか一項記載の積層体。
  7. クロロプレンゴム層が、クロロプレンゴム100質量部あたり、結晶子内の層平面のC軸方向の平均積み重なり高さLcが2nm以上のカーボンブラック5〜50質量部を含有することを特徴とする請求項1〜6いずれか一項記載の積層体。
  8. 請求項1〜7いずれか一項記載の積層体を用いたホース。
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