JP5617638B2 - 燃料ホース用の架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物の製造方法および燃料ホース用のゴム架橋物 - Google Patents

燃料ホース用の架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物の製造方法および燃料ホース用のゴム架橋物 Download PDF

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Description

本発明は、ガソリン透過性が小さく、耐サワーガソリン性および耐寒性に優れたニトリル共重合体ゴム架橋物を与えるゴム組成物、および該ゴム組成物を与えるラテックス組成物に関する。
従来から、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位と、共役ジエン単量体単位またはオレフィン単量体単位と、を含有するゴム(ニトリル共重合体ゴム)は、耐油性に優れるゴムとして知られており、その架橋物は主に燃料用ホース、ガスケット、パッキンおよびオイルシールなどの主として自動車用途の各種油類周りのゴム製品の材料として用いられている。
近年、世界的な環境保護活動の高まりにより、ガソリンなどの燃料の大気中への蒸散量を低減させる取り組みが進み、日本でも燃料ホース、シールおよびパッキンなどの用途においてガソリン透過性が一層低いことが求められている。また、燃料ホースには、酸敗ガソリン中に発生するフリーラジカルに対する耐性(耐サワーガソリン性)のあることも要求されている。
このような状況において特許文献1は、ガラス転移温度−15〜30℃でニトリル含量55〜80重量%の超極高ニトリル(超極高ニトリルとは、ニトリル含量55〜80重量%の非常に高いニトリル含量であることを意味する。)のニトリル共重合体ゴムが提案されている。しかし、この特許文献1のゴムは、可塑剤がブリードし易く、耐寒性に劣るものであった。
EP1205499A2(特開2002−206011)
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、ガソリン透過性が小さく、耐サワーガソリン性および耐寒性に優れたニトリル共重合体ゴム架橋物を与えるゴム組成物、および該ゴム組成物を与えるラテックス組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、所定量のα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を有するニトリル共重合体ゴムのラテックスに、水に対する膨潤力と、水媒体中を用いてスラリーとした場合におけるチクソトロピックインデックス(TI値)と、が所定の範囲にある板状充填剤を添加することにより得られるニトリル共重合体ラテックス組成物により、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位20〜70重量%を有するニトリル共重合体ゴム(A)のラテックスと、板状充填剤(B)とを含有、前記板状充填剤(B)、水に対する膨潤力が15〜55(ml/2g)であり、かつ、水媒体に対して5重量%の濃度で混合してスラリーとした場合におけるチクソトロピックインデックス(TI値)が1〜6であり、前記ニトリル共重合体ゴム(A)100重量部に対する、前記板状充填剤(B)の比率が、1〜200重量部である燃料ホース用のニトリル共重合体ラテックス組成物を、凝固剤により凝固した後、乾燥して得られる燃料ホース用のニトリル共重合体ゴム組成物に、硫黄系架橋剤または有機過酸化物架橋剤を加えることを特徴とする、燃料ホース用の架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物の製造方法が提供される。
好ましくは、前記ニトリル共重合体ゴム(A)が、カチオン性単量体単位および/またはカチオンを形成可能な単量体単位をさらに有し、前記ニトリル共重合体ゴム(A)中における、前記カチオン性単量体単位および/またはカチオンを形成可能な単量体単位の含有割合が、0.1〜20重量%である。
好ましくは、前記ニトリル共重合体ゴム(A)が、共役ジエン単量体単位をさらに有し、前記ニトリル共重合体ゴム(A)中における、前記共役ジエン単量体単位の含有割合が、10〜79.9重量%である。
好ましくは、前記板状充填剤(B)のアスペクト比が30〜2,000である。
好ましくは、前記板状充填剤(B)が、スメクタイト類である。
好ましくは、前記ニトリル共重合体ラテックス組成物は、可塑剤(C)をさらに含有する。
好ましくは、前記ニトリル共重合体ゴム(A)が、炭素−炭素不飽和結合部分のうち少なくとも一部が水素化された水素化ニトリル共重合体ゴムである。
好ましくは、前記ニトリル共重合体ラテックス組成物は、前記ニトリル共重合体ゴム(A)100重量部に対して、10〜150重量部の塩化ビニル樹脂および/またはアクリル樹脂をさらに含有する。
本発明によれば、上記いずれかの製造方法で得られた燃料ホース用の架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物を架橋してなる燃料ホース用のゴム架橋物が提供される。
本発明によれば、ガソリン透過性が小さく、耐サワーガソリン性および耐寒性に優れるニトリル共重合体ゴム架橋物を与えるゴム組成物、および、該ゴム組成物を与えるラテックス組成物が提供される。
本発明のニトリル共重合体ラテックス組成物は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位20〜70重量%を有するニトリル共重合体ゴム(A)のラテックスと、水に対する膨潤力が15〜55(ml/2g)であり、かつ、水媒体に対して5重量%の濃度で混合してスラリーとした場合におけるチクソトロピックインデックス(TI値)が1〜6である板状充填剤(B)とを含有し、前記ニトリル共重合体ゴム(A)100重量部に対する、前記板状充填剤(B)の比率が、1〜200重量部である組成物である。
ニトリル共重合体ゴム(A)
まず、本発明で用いるニトリル共重合体ゴム(A)のラテックスを構成する、ニトリル共重合体ゴム(A)について説明する。
ニトリル共重合体ゴム(A)は、少なくともα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位20〜70重量%を有するゴムである。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合は、全単量体単位に対して、20〜70重量%であり、好ましくは25〜65重量%、より好ましくは30〜60重量%である。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合が低すぎると、得られるゴム架橋物の耐油性が悪化し、ガソリン透過性が大きくなる。一方、含有割合が高すぎると、得られるゴム架橋物が耐寒性に劣るものとなり、脆化温度が高くなる。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を形成するα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、ニトリル基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物であれば、特に限定されないが、たとえば、アクリロニトリル;α−クロロアクリロニトリル、α−ブロモアクリロニトリルなどのα−ハロゲノアクリロニトリル;メタクリロニトリルなどのα−アルキルアクリロニトリル;などが挙げられる。これらのなかでも、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルが好ましい。これらは一種単独でまたは複数種併せて用いることができる。
また、本発明で用いるニトリル共重合体ゴム(A)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位に加えて、カチオン性単量体単位および/またはカチオンを形成可能な単量体単位をさらに有することが好ましい。
カチオン性単量体単位および/またはカチオンを形成可能な単量体単位の含有割合は、全単量体単位に対して、好ましくは0.1〜20重量%であり、より好ましくは0.3〜15重量%、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。カチオン性単量体単位および/またはカチオンを形成可能な単量体単位の含有割合が低すぎると、得られるゴム架橋物のガソリン透過性が大きくなる傾向がある。一方、含有割合が高すぎると、得られるゴム架橋物の耐寒性が悪化する傾向がある。
カチオン性単量体単位および/またはカチオンを形成可能な単量体単位を形成する単量体としては、得られる重合体が水または酸水溶液に接した際にプラスに帯電するような単量体単位を形成する単量体であれば、特に限定されない。このような単量体としては、たとえば、カチオン性単量体として、第四級アンモニウム塩基を含有する単量体が好ましい。また、カチオンを形成可能な単量体として、第三級アミノ基のように塩酸および硫酸等の酸水溶液と接触した際にアンモニウム塩(たとえば、アミン塩酸塩やアミン硫酸塩)などにカチオン化される前駆体部(置換基)を有する単量体が好ましい。
カチオン性単量体の具体例としては、(メタ)アクリロイルオキシトリメチルアンモニウムクロライド〔アクリロイルオキシトリメチルアンモニウムクロライドおよび/またはメタクリロイルオキシトリメチルアンモニウムクロライドを意味する。以下、同様。〕、(メタ)アクリロイルオキシヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシトリメチルアンモニウムメチルサルフェート等の第四級アンモニウム塩基を含有する(メタ)アクリル酸エステル単量体;(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩基を含有する(メタ)アクリルアミド単量体;などが挙げられる。
カチオンを形成可能な単量体の具体例としては、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニル基含有環状アミン単量体;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等の第三級アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体;(メタ)アクリルアミドジメチルアミノエチル、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等の第三級アミノ基含有(メタ)アクリルアミド単量体;N−(4−アニリノフェニル)アクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)シンナムアミド、N−(4−アニリノフェニル)クロトンアミド、N−フェニル−4−(3−ビニルベンジルオキシ)アニリン、N−フェニル−4−(4−ビニルベンジルオキシ)アニリン等が挙げられる。
カチオン性単量体およびカチオンを形成可能な単量体のなかでも、本発明の効果がより一層顕著になることから、ビニル基含有環状アミン単量体、第三級アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体および第三級アミノ基含有(メタ)アクリルアミド単量体が好ましく、ビニル基含有環状アミン単量体および第三級アミノ基含有アクリルアミド単量体がより好ましく、ビニル基含有環状アミン単量体が特に好ましい。これらは一種単独でまたは複数種併せて用いることができる。
また、本発明で用いるニトリル共重合体ゴム(A)は、得られるゴム架橋物がゴム弾性を有するものとするために、共役ジエン単量体単位も含有することが好ましい。
共役ジエン単量体単位を形成する共役ジエン単量体としては、炭素数4以上の共役ジエンが好ましく、たとえば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。これらのなかでも、1,3−ブタジエンが好ましい。これらは一種単独でまたは複数種併せて用いることができる。
ニトリル共重合体ゴム(A)における共役ジエン単量体単位の含有割合は、全単量体単位に対して、好ましくは10〜79.9重量%であり、より好ましくは20〜74.7重量%、さらに好ましくは30〜69.5重量%である。共役ジエン単量体単位の含有割合が低すぎると、得られるゴム架橋物のゴム弾性が低下するおそれがある。一方、多すぎると得られるゴム架橋物の耐熱老化性や耐化学的安定性が損なわれる可能性がある。
また、本発明で用いるニトリル共重合体ゴム(A)は、上記α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位、カチオン性単量体単位および/またはカチオンを形成可能な単量体単位、ならびに、共役ジエン単量体単位以外に、これらの単量体単位を形成する単量体と共重合可能な他の単量体の単位を含有していてもよい。このような他の単量体単位の含有割合は、全単量体単位に対して、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。
このような共重合可能な他の単量体としては、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物;フルオロエチルビニルエーテル、フルオロプロピルビニルエーテル、o-トリフルオロメチルスチレン、ペンタフルオロ安息香酸ビニル、ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンなどのフッ素含有ビニル化合物;1,4-ペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどの非共役ジエン化合物;エチレン;プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのα―オレフィン化合物;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、無水フマル酸などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸およびその無水物;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステル;マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸モノエチル、フマル酸ジエチル、フマル酸モノブチル、フマル酸ジブチル、フマル酸モノシクロヘキシル、フマル酸ジシクロヘキシル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸モノブチル、イタコン酸ジブチルなどのα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸のモノエステルおよびジエステル;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチルなどのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のアルコキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなどのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル;ジビニルベンゼンなどのジビニル化合物;エチレンジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリル酸エステル類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどのトリメタクリル酸エステル類;などの多官能エチレン性不飽和単量体のほか、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N′-ジメチロール(メタ)アクリルアミドなどの自己架橋性化合物;などが挙げられる。
ニトリル共重合体ゴム(A)のムーニー粘度(以下、「ポリマー・ムーニー粘度」と記すことがある。)(ML1+4、100℃)は、好ましくは3〜250、より好ましくは10〜230、さらに好ましくは20〜200である。ニトリル共重合体ゴム(A)のポリマー・ムーニー粘度が低すぎると、得られるゴム架橋物の強度特性が低下するおそれがある。一方、高すぎると、ニトリル共重合体ラテックス組成物とした場合における加工性が悪化する可能性がある。
ニトリル共重合体ゴム(A)のラテックスの製造方法
ニトリル共重合体ゴム(A)のラテックスの製造方法としては、特に限定されず、上記したニトリル共重合体ゴム(A)を構成する各単量体を共重合できる方法であれば良いが、たとえば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどの乳化剤を用いて約50〜1,000nmの平均粒径を有する共重合体のラテックスを得る乳化重合法や、ポリビニルアルコールなどの分散剤を用いて約0.2〜200μmの平均粒径を有する共重合体のラテックスを得る懸濁重合法(微細懸濁重合法も含む)などを好適に用いることができる。これらのなかでも、重合反応制御が容易なことから乳化重合法がより好ましい。
乳化重合法は、下記の手順で行うことが好ましい。
なお、以下において、適宜、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体を「単量体(m1)」とし、共役ジエン単量体を「単量体(m2)」とし、カチオン性単量体および/またはカチオンを形成可能な単量体を「単量体(m3)」とする。
すなわち、単量体(m1)10〜75重量部、好ましくは15〜70重量部、より好ましくは20〜65重量部、単量体(m2)5〜90重量部、好ましくは15〜84.9重量部、より好ましくは25〜79.9重量部、および単量体(m3)0〜20重量部、好ましくは0.1〜15重量部、より好ましくは0.1〜10重量部からなる単量体混合物100重量部(ただし、単量体(m1)、単量体(m2)および単量体(m3)の合計量が100重量部である。)を、乳化重合し、重合転化率が好ましくは50〜95重量%の時点で、重合反応を停止した後、所望により未反応の単量体を除去する方法が好ましい。
乳化重合法に用いる、単量体(m1)の使用量が少なすぎると、得られるゴム架橋物の耐油性が悪化し、ガソリン透過性が大きくなり、一方、多すぎると、耐寒性が悪化する傾向がある。単量体(m2)の使用量が少なすぎると重合初期段階で反応が失活し、一方、多すぎると、得られるゴム架橋物のガソリン透過性が大きくなる傾向がある。また、単量体(m3)の使用量多すぎると、ゴム架橋物の耐寒性が悪化する傾向がある。
また、重合反応を停止する重合転化率が低すぎると、未反応の単量体の回収が非常に困難になる。一方、高すぎると、得られるゴム架橋物の常態物性が悪化する傾向がある。
なお、乳化重合を行うに際し、乳化重合の分野で従来公知の乳化剤、重合開始剤、重合副資材などを適宜用いることができ、重合温度や重合時間も適宜調節すればよい。
本発明においては、乳化重合に用いる単量体(m1)〜(m3)の全量を用い、重合反応を開始してもよいが、生成する共重合体の各単量体単位の組成分布を制御し、よりゴム弾性に富むゴム架橋物が得るという観点より、乳化重合に用いる単量体(m1)〜(m3)の全量のうち一部を用い、重合反応を開始し、その後、乳化重合に用いる単量体(m1)〜(m3)の残余を反応器に添加して重合することが好ましい。これは、一般に、重合反応開始時から、乳化重合に用いる単量体(m1)〜(m3)の全量を反応させてしまうと、共重合体の組成分布が広がる(共重合体の各部位によって、各単量体単位の割合のバラツキが大きくなる)ためである。
この場合、重合に用いる単量体(m1)の好ましくは10〜100重量%、より好ましくは20〜100重量%、特に好ましくは30〜100重量%、重合に用いる単量体(m2)の好ましくは5〜90重量%、より好ましくは10〜80重量%、特に好ましくは15〜70重量%、および、重合に用いる単量体(m3)の好ましくは0〜100重量%、より好ましくは30〜100重量%、特に好ましくは70〜100重量%からなる単量体混合物を反応器に仕込み、重合反応を開始した後、反応器に仕込んだ単量体混合物に対する重合転化率が好ましくは5〜80重量%の範囲で、残余の単量体を反応器に添加して重合反応を継続することが好ましい。
残余の単量体を添加する方法は、特に制限されないが、一括で添加しても、分割して添加しても、また、連続的に添加してもよい。本発明では、得られる共重合体の組成分布をより簡便に制御できる点から、残余の単量体を、分割して添加することが好ましく、1〜6回に分割して添加することが特に好ましい。残余の単量体を、分割して添加する場合、分割添加する単量体の量や分割添加する時期は、重合反応の進行に合わせ、所望の共重合体が得られるよう調整すればよい。
そして、その後、所望により、加熱蒸留、減圧蒸留、水蒸気蒸留などの公知の方法を用いて未反応の単量体を除去することにより、ニトリル共重合体ゴム(A)のラテックスが得られる。
本発明においては、乳化重合法によって得られるニトリル共重合体ゴム(A)のラテックスの固形分濃度は、好ましくは5〜70重量%、より好ましくは10〜60重量%である。
なお、本発明で用いるニトリル共重合体ゴム(A)は、上記のように共重合して得られた共重合体の共役ジエン単量体単位部分における不飽和結合部分のうち少なくとも一部を水素化(水素添加反応)した水素化ニトリル共重合体ゴムであっても良い。水素化の方法は特に限定されず、公知の方法を採用すればよい。ニトリル共重合体ゴム(A)を、水素化ニトリル共重合体ゴムとする場合には、そのヨウ素価は、120以下、好ましくは80以下、より好ましくは40以下である。ニトリル共重合体ゴム(A)を水素化し、水素化ニトリル共重合体ゴムとすることにより、耐熱性、耐候性、耐オゾン性などを向上させることができる。
ニトリル共重合体ラテックス組成物
本発明のニトリル共重合体ラテックス組成物は、上述のニトリル共重合体ゴム(A)のラテックスに、水に対する膨潤力が15〜55(ml/2g)であり、かつ、水媒体に対して5重量%の濃度で混合してスラリーとした場合におけるチクソトロピックインデックス(TI値)が1〜6である板状充填剤(B)を加えてなるものである。なお、水媒体としては、イオン交換水を用いる。
板状充填剤(B)は、水に対する膨潤力が15〜55(ml/2g)であり、好ましくは20〜53(ml/2g)であり、より好ましくは24〜51(ml/2g)である。また、板状充填剤(B)は、水媒体に対して5重量%の濃度で混合してスラリーとした場合におけるTI値が1〜6であり、好ましくは1〜5であり、より好ましくは2〜5である。膨潤力とTI値が上記範囲にある板状充填剤(B)を用い、これを上記ニトリル共重合体ゴム(A)と組み合わせて用いることにより、得られる架橋物を、ガソリン透過性および耐サワーガソリン性を良好なものとしながら、耐寒性に優れたものとすることができる。板状充填剤(B)の膨潤力が小さ過ぎると、ガソリン透過性が低下する傾向にある。一方、膨潤力やTI値が大き過ぎると、耐寒性が低下する傾向にある。
なお、板状充填剤(B)の水に対する膨潤力は次の方法により測定する。
すなわち、まず、メスシリンダーにイオン交換水100mlを入れ、次いで十分に乾燥した状態の板状充填剤(B)2gを、メスシリンダーの内壁に付着しないように、約10回に分けて投入する。そして、24時間静置後、メスシリンダーの下部に堆積した堆積物(水で膨潤した板状充填剤(B))の容積(ml)を測定し、これを板状充填剤(B)の水に対する膨潤力(単位は、ml/2g)とすることができる。
板状充填剤(B)の水に対する膨潤力は、板状充填剤(B)に含有されている陽イオンの種類およびその含有量に応じて変化する傾向にあるため、たとえば、陽イオンの種類および含有量を選択することにより、制御することができる。具体的には、陽イオンとして、Ca2+イオンやMg2+イオンなどの2価の陽イオンや、1価の陽イオンのうちでも、Kイオンの含有量を増加させていくことにより、板状充填剤(B)の水に対する膨潤力を低くすることができる。そして、その一方で、2価の陽イオンや、Kイオンの含有量を減少させ、代わりに、NaイオンやLiイオンなどの、Kイオン以外の1価の陽イオンの含有量を増加させていくことにより、板状充填剤(B)の水に対する膨潤力を高めることができる。
また、上記TI値は、次の方法により測定する。
すなわち、まず、イオン交換水中に板状充填剤(B)を5%重量濃度になるように添加して強攪拌し、24時間室温で放置することにより、板状充填剤(B)のスラリーを調製する。そして、調製したスラリーの、ローターの回転数6rpmで測定したB型粘度の値と、ローターの回転数60rpmで測定したB型粘度の値とを求め、これらの比(6rpmの粘度/60rpmの粘度)から求められる。なお、TI値は、スラリーのチクソトロピー性を示す一般的指標であり、たとえば、回転数6rpm(静かな攪拌状態)では、水で膨潤したスラリーが柔らかいゼリー状のため粘度が高くなる一方で、回転数60rpm(激しい攪拌状態)では、上記柔らかいゼリー状態が破壊されることにより、粘度が低下することとなる。なお、TI値が大きいほど、チクソトロピー性は大きくなる。
ここで、板状充填剤(B)のTI値は、板状充填剤(B)のアスペクト比が小さいほど、低くなる傾向にあり、さらには、板状充填剤(B)同士の凝集力が小さいほど、低くなる傾向にある。そのため、たとえば、板状充填剤(B)中における2価の陽イオンの含有量を多くするなどの方法により、板状充填剤(B)における層間剥離を抑制し、これにより、板状充填剤(B)のアスペクト比を小さなものとすることにより、板状充填剤(B)のTI値を下げることが可能となる。あるいは、板状充填剤(B)に、分散剤を添加するなどの方法により分散処理を施すことにより、板状充填剤(B)の粒子同士の凝集力を低くすることによっても、板状充填剤(B)のTI値を下げることが可能となる。
一方、板状充填剤(B)のTI値は、板状充填剤(B)のアスペクト比が大きいほど、高くなる傾向にあり、さらには、板状充填剤(B)同士の凝集力が大きいほど、高くなる傾向にある。そのため、たとえば、板状充填剤(B)中における2価の陽イオンの含有量を少なくするなどの方法により、板状充填剤(B)における層間剥離を起こり易くし、これにより、板状充填剤(B)のアスペクト比を大きなものとすることで、板状充填剤(B)のTI値を上げることが可能となる。あるいは、たとえば、板状充填剤(B)の陽イオン交換容量などの電気的性質を調整する方法や、板状充填剤(B)のpHを弱酸性〜中性(たとえば、pH=5〜7程度)に調整する方法、板状充填剤(B)にシラン処理を施す方法などにより、板状充填剤(B)同士の凝集力を高くすることによっても、板状充填剤(B)のTI値を上げることが可能となる。
板状充填剤(B)としては、板状、あるいは扁平状のものであればよく特に限定されないが、アスペクト比が30〜2,000であるものが好ましく、より好ましくは35〜1,800、さらに好ましくは40〜1,600である。板状充填剤(B)として、アスペクト比が上記範囲にあるものを用いることにより、得られるゴム架橋物のガソリン浸透遮断効果(耐ガソリン透過性)を向上させることができる。板状充填剤(B)のアスペクト比が小さすぎると、得られる架橋物の耐ガソリン透過性が悪化するおそれがある。一方、大きすぎると、ニトリル共重合体ゴム(A)中への分散が困難となり、得られるゴム架橋物の機械的強度が低下してしまうおそれがある。
なお、本発明において板状充填剤(B)のアスペクト比とは、板状充填剤(B)の面平均径と平均厚みとの比である。ここで、面平均径および平均厚みは原子間力顕微鏡で無作為に選んだ100個の板状充填剤(B)の面方向の径と厚みとを測定し、その算術平均値として算出される個数平均の値である。
板状充填剤(B)としては、特に限定されないが、板状、あるいは扁平状の無機充填剤が挙げられ、天然物由来のものであっても、天然物に精製などの処理を加えたものであっても、合成品であってもよい。具体例としては、カオリナイトやハロサイトなどのカオリナイト類;モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スティブンサイト、マイカなどのスメクタイト類;およびバーミキュライト類;緑泥石類;タルクなどが挙げられ、中でもスメクタイト類が好ましく、モンモリロナイト、マイカ、サポナイトが特に好ましい。これらは一種単独でまたは複数種併せて用いることができる。ここで、上記のうち、板状充填剤(B)としてのモンモリロナイトは、ベントナイトに主成分として含有されるものであり、そのため、モンモリロナイトとしては、ベントナイトを精製することにより得られるものなどを用いることができる。あるいは、板状充填剤(B)としてモンモリロナイトを用いる場合には、ベントナイトとして、本発明のニトリル共重合体ラテックス組成物中に添加しても良い。
また、本発明では、板状充填剤(B)として、モンモリロナイト、マイカ、サポナイトを用いる場合には、これらを水分散処理し、多層構造を有する化合物であるモンモリロナイト、マイカ、サポナイトを構成する各層を分離して得られるものを用いることが好ましい。このような水分散処理を行うことにより、分散性が良好な組成物を得ることができる。
なお、モンモリロナイト、マイカ、サポナイトは、層間に交換性陽イオンを有する多層構造であるため、上記ニトリル共重合体ゴム(A)が、カチオン性単量体単位および/またはカチオンを形成可能な単量体単位を有する場合に、該単量体単位への分散性により優れることから好適に用いることができる。特に、ニトリル共重合体ゴム(A)と、板状充填剤(B)との分散性を高めることにより、ガソリン透過性をより小さく、また、脆化温度をより低くできる。なお、ニトリル共重合体ゴム(A)中に、カチオン性単量体単位および/またはカチオンを形成可能な単量体単位を含有させる場合における、板状充填剤(B)とカチオン性単量体単位および/またはカチオンを形成可能な単量体単位との割合は、重量比で「板状充填剤(B):カチオン性単量体単位および/またはカチオンを形成可能な単量体単位」=1:0.0005〜1:20であることが好ましく、より好ましくは1:0.003〜1:5である。これらの比率が上記範囲外となると、ニトリル共重合体ゴム(A)と、板状充填剤(B)との分散性が低下してしまい、上記効果が得難くなる場合がある。
また、板状充填剤(B)の平均粒径は、好ましくは0.001〜20μm、より好ましくは0.005〜15μm、特に好ましくは0.01〜10μmである。本発明においては、板状充填剤(B)の平均粒径は、X線透過法で粒度分布を測定することにより求められる50%体積累積径で定義される。板状充填剤(B)の粒径が小さすぎると、得られるゴム架橋物の伸びが低下するおそれがあり、逆に、大きすぎると安定なラテックス組成物が調製できない可能性がある。
本発明のニトリル共重合体ラテックス組成物中における、板状充填剤(B)の含有割合は、ニトリル共重合体ゴム(A)100重量部に対して、1〜200重量部、好ましくは2〜120重量部、より好ましくは5〜60重量部である。板状充填剤(B)の使用量が少なすぎると、得られるゴム架橋物の耐ガソリン透過性が低下したり、耐サワーガソリン性が不十分になったりするおそれがある。一方、使用量が多すぎると、伸びが低下するおそれがある。
本発明のニトリル共重合体ラテックス組成物は、ニトリル共重合体ゴム(A)および板状充填剤(B)に加えて、可塑剤(C)を含有していることが好ましい。可塑剤(C)としては、従来からゴム配合用の可塑剤(C)として使用されているものが使用でき、特に限定されないが、HOY法によるSP値(溶解度パラメータ)が8〜10.2(cal/cm1/2である可塑剤(C)が好ましく用いられる。可塑剤(C)のSP値が大き過ぎると、得られるゴム架橋物の耐寒性が劣る傾向にある。また、小さすぎると得られるゴム架橋物の耐ガソリン透過性が悪化する傾向にある。
このような可塑剤(C)の具体例(SP値の単位は「(cal/cm1/2」)としては、たとえば、アジピン酸ジブトキシエチル(SP値:8.8)、アジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)(SP値:9.2)などのアジピン酸とエーテル結合含有アルコールとのエステル化合物;アゼライン酸ジブトキシエチル、アゼライン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)などのアゼライン酸とエーテル結合含有アルコールとのエステル化合物;セバシン酸ジブトキシエチル、セバシン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)などのセバシン酸とエーテル結合含有アルコールとのエステル化合物;フタル酸ジブトキシエチル、フタル酸ジ(ブトキシエトキシエチル)などのフタル酸とエーテル結合含有アルコールとのエステル化合物;イソフタル酸ジブトキシエチル、イソフタル酸ジ(ブトキシエトキシエチル)などのイソフタル酸とエーテル結合含有アルコールとのエステル化合物;アジピン酸ジ−(2−エチルヘキシル)(SP値:8.5)、アジピン酸ジイソデシル(SP値:8.3)、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジブチル(SP値:8.9)などのアジピン酸ジアルキルエステル類;アゼライン酸ジ−(2−エチルヘキシル)(SP値:8.5)、アゼライン酸ジイソオクチル、アゼライン酸ジ−n−ヘキシルなどのアゼライン酸ジアルキルエステル類;セバシン酸ジ−n−ブチル(SP値:8.7)、セバシン酸ジ−(2−エチルヘキシル)(SP値:8.4)などのセバシン酸ジアルキルエステル類;フタル酸ジブチル(SP値:9.4)、フタル酸ジ−(2−エチルヘキシル)(SP値:9.0)、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジヘプチル(SP値:9.0)、フタル酸ジイソデシル(SP値:8.5)、フタル酸ジウンデシル(SP値:8.5)、フタル酸ジイソノニル(SP値:8.9)などのフタル酸ジアルキルエステル類;フタル酸ジシクロヘキシルなどのフタル酸ジシクロアルキルエステル類;フタル酸ジフェニル、フタル酸ブチルベンジル(SP値:10.2)などのフタル酸アリールエステル類;イソフタル酸ジ−(2−エチルヘキシル)、イソフタル酸ジイソオクチルなどのイソフタル酸ジアルキルエステル類;テトラヒドロフタル酸ジ−(2−エチルヘキシル)、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチル、テトラヒドロフタル酸ジイソデシルなどのテトラヒドロフタル酸ジアルキルエステル類;トリメリット酸トリ−(2−エチルヘキシル)(SP値:8.9)、トリメリット酸トリ−n−オクチル(SP値:8.9)、トリメリット酸トリイソデシル(SP値:8.4)、トリメリット酸トリイソオクチル、トリメリット酸トリ−n−ヘキシル、トリメリット酸トリイソノニル(SP値:8.8)、トリメリット酸トリイソデシル(SP値:8.8)などのトリメリット酸誘導体;エポキシ化大豆油(SP値:9.0)、エポキシ化アマニ油(SP値:9.3)などのエポキシ系可塑剤;トリクレジルホスフェート(SP値:9.7)などのリン酸エステル系可塑剤;などが挙げられる。これらは一種単独でまたは複数種併せて用いることができる。
これらのなかでも、得られる架橋物の脆化温度とガソリン透過性とを良好なものとすることができることから、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびフタル酸などの二塩基酸と、エーテル結合含有アルコールとのエステル化合物;が好ましく、アジピン酸とエーテル結合含有アルコールとのエステル化合物;がより好ましく、アジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)が特に好ましい。
本発明のニトリル共重合体ラテックス組成物における可塑剤(C)の含有量は、ニトリル共重合体ゴム(A)100重量部に対し、好ましくは0.1〜200重量部であり、より好ましくは1〜150重量部、さらに好ましくは2〜100重量部である。可塑剤(C)の含有量が上記範囲にある場合に、ブリードが防止できることに加えて、本発明の効果がより一層顕著なものとなる。
また、本発明のニトリル共重合体ラテックス組成物は、アスペクト比が1以上30未満である粒子状充填剤(D)をさらに含有していてもよい。粒子状充填剤(D)をさらに含有させることにより、ニトリル共重合体ゴム組成物とした場合における、押し出し加工性に優れたものとすることができるとともに、ゴム架橋物とした場合における、溶剤存在下での耐亀裂成長性を向上させることができる。粒子状充填剤(D)のアスペクト比は、好ましくは1〜20であり、より好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜5である。
なお、本発明において粒子状充填剤(D)のアスペクト比は、粒子状充填剤(D)の平均長軸径と50%体積累積径との比を求めることにより算出することができる。ここで、平均長軸径は光学顕微鏡写真で無作為に選んだ100個の充填剤の長軸径を測定し、その算術平均値として算出される個数平均長軸径である。
アスペクト比が1以上30未満である粒子状充填剤(D)としては、特に限定されないが、たとえば炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、アルミナ、酸化アンチモン、赤燐、各種金属粉、クレー、各種フェライト、ハイドロタルサイト等が挙げられる。これらは一種単独でまたは複数種併せて用いることができる。これらのなかでも、酸素原子を含有する金属化合物が好ましく、酸素原子を含有するアルカリ土類金属化合物がより好ましく、炭酸カルシウムが特に好ましい。粒子状充填剤(D)としては、その表面を脂肪酸、脂肪酸塩、脂肪酸エステル、樹脂酸、樹脂酸塩および樹脂酸エステルよりなる群より選ばれる少なくとも1種の有機物で表面処理したものを用いても良い。粒子状充填剤(D)として、表面処理されたものを用いることにより、ニトリル共重合体ゴム組成物中への分散性を高めることができる。
粒子状充填剤(D)の平均粒径は、好ましくは0.01〜50μm、より好ましくは0.01〜40μm、さらに好ましくは0.01〜25μmである。本発明においては、粒子状充填剤(D)の平均粒径は、X線透過法で粒度分布を測定することにより求められる50%体積累積径で定義される。粒子状充填剤(D)の平均粒径が小さすぎると、溶剤存在下での耐亀裂成長性の改善効果が得られない場合がある。一方、平均粒径が大きすぎると、押出し加工性の改善効果が得られない場合がある。
また、粒子状充填剤(D)の比表面積は、好ましくは1〜100,000m/g、より好ましくは1〜6,000m/g、さらに好ましくは1〜500m/g、特に好ましくは1〜55m/gである。粒子状充填剤(D)の比表面積が小さすぎると、得られるゴム架橋物の伸びが低下する傾向にある。一方、比表面積が大きすぎると、溶剤存在下での耐亀裂成長性の改善効果が得られない場合がある。
また、板状充填剤(B)と粒子状充填剤(D)との含有比率は、「板状充填剤(B)/粒子状充填剤(D)」とした場合に、重量比で、好ましくは0.01〜30であり、より好ましくは0.1〜10、特に好ましくは0.5〜5である。板状充填剤(B)に対する、粒子状充填剤(D)の含有比率が低すぎると(「板状充填剤(B)/粒子状充填剤(D)」が大きすぎると)、ニトリル共重合体ゴム組成物とした場合における押し出し加工性、ならびに、ゴム架橋物とした場合における溶剤存在下での耐亀裂成長性の改善効果が得られない場合がある。板状充填剤(B)に対する、粒子状充填剤(D)の含有比率が高すぎると(「板状充填剤(B)/粒子状充填剤(D)」が小さすぎると)、得られるゴム架橋物の耐ガソリン透過性が低下したり、溶剤存在下での耐亀裂成長性の改善効果が得られない場合がある。
さらに、本発明のニトリル共重合体ラテックス組成物は、ニトリル共重合体ゴム(A)、板状充填剤(B)、可塑剤(C)、および粒子状充填剤(D)に加えて、カップリング剤を含有していてもよい。カップリング剤としては、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド等のシランカップリング剤が挙げられる。
カップリング剤の添加方法は特に限定されないが、例えば、板状充填剤(B)に添加して混合した後に、該板状充填剤(B)を水性分散液とする方法などが挙げられる。
本発明のニトリル共重合体ラテックス組成物におけるカップリング剤の含有量は、ニトリル共重合体ゴム(A)100重量部に対して、好ましくは30重量部以下であり、より好ましくは20重量部以下である。
本発明のニトリル共重合体ラテックス組成物は、ニトリル共重合体ゴム(A)のラテックスに、板状充填剤(B)の水性分散液、および必要に応じて添加される可塑剤(C)の水性分散液を撹拌下で添加する方法が好ましい。これにより均一に混合・分散したラテックス組成物となる。
板状充填剤(B)の水性分散液の調整方法は特に限定はないが、イオン交換水等の水媒体を、強く撹拌しながら、板状充填剤(B)を添加して調製すればよい。この場合においては、板状充填剤(B)に対して、0.1〜10重量%となる量のポリアクリル酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ポリマレイン酸ナトリウム、β−ナフタレンスルホン酸・ホルマリン縮合物のNa塩などの分散剤や界面活性剤等を含有する水媒体を使用すれば良い。これらは一種単独でまたは複数種併せて用いることができる。板状充填剤(B)の水性分散液の固形分濃度は、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは2〜40重量%である。
さらに、本発明においては、板状充填剤(B)の水性分散液を調製する際には、湿式粉砕機を用いて、板状充填剤(B)を水中に分散させてもよい。湿式粉砕機を用いて分散させることにより、板状充填剤(B)が二次凝集している場合に、板状充填剤(B)の二次凝集を解消することができ、得られる架橋物をガソリン透過性により優れたものとすることができる。この場合に用いる湿式粉砕機としては、ナスマイザー(吉田機械興業(株)製)、スーパーウイングミルDM−200((株)エステック製)、スターバースト((株)スギノマシン製)、スターミル(アシザワファインテック(株)製)、LPNナノジナイザー(セレンディップ社(Serendip AG)製)などが挙げられるが、同様の効果が得られるものであれば、もちろん他の湿式粉砕機を用いることも可能である。
また、可塑剤(C)を用いる場合における、可塑剤(C)の水性分散液の調製方法は特に限定はないが、可塑剤(C)の0.5〜10重量%となる量の界面活性剤を含有する水媒体を強く撹拌しながら、可塑剤(C)を添加して調製することが好ましい。このような界面活性剤としては、ロジン酸カリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアニオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステルなどのノニオン界面活性剤;ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライドなどのカチオン界面活性剤等が挙げられる。なお、水性分散液中の可塑剤(C)の濃度は、5〜70重量%とすることが好ましい。
本発明のニトリル共重合体ラテックス組成物は、さらにアクリル樹脂および/または塩化ビニル樹脂を含有していることが好ましい。アクリル樹脂および/または塩化ビニル樹脂を含有することにより、ゴム架橋物とした場合に、耐オゾン性がより一層改善されたものとすることができる。アクリル樹脂および/または塩化ビニル樹脂の含有量は、ニトリル共重合体ゴム(A)100重量部に対して、好ましくは10〜150重量部、より好ましくは15〜125重量部、さらに好ましくは20〜100重量部である。アクリル樹脂および/または塩化ビニル樹脂の含有量が少なすぎると、その添加効果が得難くなる。一方、多すぎると耐寒性が悪化するおそれがある。なお、アクリル樹脂および/または塩化ビニル樹脂を含有させる方法は特に限定されないが、例えば乳化重合により製造したラテックス状態のアクリル樹脂および/または塩化ビニル樹脂を、上記ニトリル共重合体ラテックス組成物に混合(ラテックスブレンド)すれば良い。
本発明に好適に用いられる塩化ビニル樹脂は、樹脂を構成する主構成単量体が塩化ビニルであって、該単量体単位の含有量が好ましくは50〜100重量%、より好ましくは60〜100重量%、特に好ましくは70〜100重量%である。また、本発明に好適に用いられるアクリル樹脂は、樹脂を構成する主構成単量体が(メタ)アクリル酸アルキルエステルであって、該単量体単位の含有量が好ましくは50〜100重量%、より好ましくは60〜100重量%、特に好ましくは70〜100重量%である。アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜18、特に好ましくは1〜10である。
塩化ビニル樹脂とアクリル樹脂の重合度または分子量は、特に限定されないが、塩化ビニル樹脂では、JIS K6721に規定の溶液粘度法による平均重合度が、好ましくは400〜3,000、より好ましくは600〜2,000である。アクリル樹脂では、テトラヒドロフランを溶剤とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による標準ポリスチレン換算の数平均分子量が、好ましくは10,000〜7,000,000、より好ましくは100,000〜2,000,000である。
ニトリル共重合体ゴム組成物、架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物
本発明のニトリル共重合体ゴム組成物は、上記ニトリル共重合体ラテックス組成物を凝固し、必要に応じて水洗・乾燥することにより得ることができる。
ニトリル共重合体ラテックス組成物の凝固は、特に限定されないが、凝固剤を含む水溶液に、ニトリル共重合体ラテックス組成物を添加して塩析させることにより行うことが好ましい。凝固剤としては、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、水酸化カルシウム、硫酸アルミニウムおよび水酸化アルミニウムなどが挙げられる。また、凝固剤の使用量は、ニトリル共重合体ゴム(A)に対して、好ましくは0.5〜150重量%、特に好ましくは0.5〜20重量%である。
ここで、ニトリル共重合体ゴム(A)に、カチオン性単量体単位および/またはカチオンを形成可能な単量体単位を含有させる場合には、ニトリル共重合体ラテックス組成物を塩析する際に、希硫酸水溶液などを添加して、凝固剤水溶液のpHをニトリル共重合体(A)のラテックス組成物の等電点以下に制御することが好ましい。凝固剤水溶液のpHを制御することにより、ニトリル共重合体ゴム(A)に含まれるカチオン性単量体単位およびカチオンを形成可能な単量体単位が有する官能基のゼータ電位が上昇し、これにより、板状充填剤(B)の分散性が向上するとともに、凝固によって得られるクラム粒径を大きなものとすることができる。
一般に、クラム粒径は、凝固、洗浄工程に続く振動スクリーンやスクイーザーでの脱水度、クラム回収率、さらには乾燥工程での乾燥度に大きな影響を及ぼすものである。たとえば、クラム粒径が小さすぎると、振動スクリーンなどでは、クラム粒径が小さくてスクリーンの目から流出したり、スクイーザーでのポリマーの噛みこみが不充分になって脱水度が低下したりして、生産性が悪化する。そのため、クラムの平均粒径は、0.5〜40mmであることが好ましい。
クラムの洗浄、脱水および乾燥方法については、一般的なゴムの製造における洗浄・脱水方法および乾燥方法と同様とすることができる。洗浄・脱水方法としては網目状のフィルター、遠心分離機等を用いて、凝固によって得られたクラムと水とを分離させた後、洗浄し、スクイーザー等でクラムを脱水すればよい。次に一般にゴムの製造に用いられるバンドドライヤー、通気竪型乾燥機、二軸押出機等により、所望の含水率になるまで乾燥させることにより、本発明のニトリル共重合体ゴム組成物を得ることができる。また、二軸押出機内で、凝固、乾燥を同時に行ってもよい。
なお、本発明のニトリル共重合体ゴム組成物の調製方法としては、上述した方法以外にも、たとえば、ニトリル共重合体ゴム(A)のラテックスに、板状充填剤(B)、必要に応じて添加される可塑剤(C)、必要に応じて添加される粒子状充填剤(D)、必要に応じて添加されるカップリング剤、ならびに、必要に応じて添加されるアクリル樹脂および/または塩化ビニル樹脂の全成分もしくは1つ以上の成分の全量もしくはその一部を含有させた後に凝固・乾燥し、残余の成分をロールやバンバリーミキサー等の混錬機で混錬して得ることもできる。また、ニトリル共重合体ゴム(A)のラテックス組成物を凝固、乾燥して得られたゴム組成物に、板状充填剤(B)、可塑剤(C)、粒子状充填剤(D)、カップリング剤、ならびに、アクリル樹脂および/または塩化ビニル樹脂をロールやバンバリーミキサー等の混錬機で混錬して得ることもできる。
また、粒子状充填剤(D)を配合する場合には、ニトリル共重合体ゴム(A)のラテックスに、粒子状充填剤(D)以外の成分(板状充填剤(B)、必要に応じて添加される可塑剤(C)、必要に応じて添加されるカップリング剤、必要に応じて添加されるアクリル樹脂および/または塩化ビニル樹脂)を含有させた後に凝固・乾燥し、次いで、粒子状充填剤(D)を配合して、ロールやバンバリーミキサー等の混錬機で混錬して得ることもできる。
このようにして得られるニトリル共重合体ゴム組成物のムーニー粘度は、好ましくは5〜300、より好ましくは10〜250である。
本発明の架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物は、上記方法で得られたニトリル共重合体ゴム組成物に、架橋剤を加えてなる。
架橋剤は、ニトリル基含有共重合体ゴムの架橋剤として通常使用されるものであればよく、特に限定されない。代表的な架橋剤としては、ニトリル共重合体ゴム(A)の不飽和結合間を架橋する硫黄系架橋剤または有機過酸化物架橋剤が挙げられる。これらは一種単独でまたは複数種併せて用いることができる。これらのなかでも、硫黄系架橋剤が好ましい。
硫黄系架橋剤としては、粉末硫黄、硫黄華、沈降性硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄などの硫黄;塩化硫黄、二塩化硫黄、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、ジベンゾチアジルジスルフィド、N,N’−ジチオ−ビス(ヘキサヒドロ−2H−アゼノピン−2)、含リンポリスルフィド、高分子多硫化物などの含硫黄化合物;テトラメチルチウラムジスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾールなどの硫黄供与性化合物;などが挙げられる。これらは一種単独でまたは複数種併せて用いることができる。
有機過酸化物架橋剤としては、ジクミルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、パラメンタンヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,4−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3−トリメチルシクロヘキサン、4,4−ビス−(t−ブチル−ペルオキシ)−n−ブチルバレレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシヘキシン−3、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、p−クロロベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルオキシベンゾエート等が挙げられる。これらは一種単独でまたは複数種併せて用いることができる。
本発明の架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物中における、架橋剤の含有量は特に限定されないが、ニトリル共重合体ゴム(A)100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.2〜5重量部である。
有機過酸化物架橋剤を用いる場合には、架橋助剤として、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、ジビニルベンゼン、ジメタクリル酸エチレン、イソシアヌル酸トリアリルなどの多官能性単量体などを併用することができる。これらの架橋助剤の使用量は特に限定されないが、ニトリル共重合体ゴム(A)100重量部に対して、好ましくは0.5〜20重量部の範囲である。
硫黄系架橋剤を用いる場合には、亜鉛華、ステアリン酸などの架橋助剤;グアニジン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系などの架橋促進剤;を併用することができる。これらの架橋助剤および架橋促進剤の使用量も特に限定されず、ニトリル共重合体ゴム(A)100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部の範囲である。
また、本発明のニトリル共重合体ゴム組成物または架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物には、その他必要に応じて一般的なゴムに使用される配合剤、例えば、架橋遅延剤、老化防止剤、板状充填剤(B)および粒子状充填剤(D)以外の充填剤、補強剤、滑剤、粘着剤、潤滑剤、加工助剤、難燃剤、防黴剤、帯電防止剤、着色剤などの添加剤を配合してもよい。
老化防止剤としては、フェノール系、アミン系、ベンズイミダゾール系、リン酸系などの老化防止剤を使用することができる。フェノール系では、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が、アミン系では、4,4’−ビス(α、α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン等が、ベンズイミダゾール系では2−メルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上併せて使用される。
また、本発明のニトリル共重合体ラテックス組成物、ニトリル共重合体ゴム組成物および架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、ニトリル共重合体ゴム(A)以外のゴムを含有していてもよい。ニトリル共重合体ゴム(A)以外のゴムとしては、特に限定されないが、アクリルゴム、エチレン−アクリル酸共重合体ゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム、天然ゴムおよびポリイソプレンゴム、エチレン-酢酸ビニル共重合体などを挙げることができる。なお、ニトリル共重合体ゴム(A)以外のゴムを配合する場合における配合量は、ニトリル共重合体ゴム(A)100重量部に対して、好ましくは100重量部以下、より好ましくは50重量部以下、特に好ましくは30重量部以下である。
本発明の架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物のムーニー粘度(以下、「コンパウンド・ムーニー粘度」と記すことがある。)(ML1+4、100℃)は、好ましくは5〜250、より好ましくは10〜200である。
ゴム架橋物
本発明のゴム架橋物は、上記架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物を架橋してなる。
本発明の架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物を架橋する際には、製造する成形品(ゴム架橋物)の形状に対応した成形機、たとえば、押出機、射出成形機、圧縮機、ロールなどにより成形を行い、次いで架橋反応させることにより架橋物の形状を固定化する。架橋を行う際には、予め成形した後に架橋しても、成形と同時に架橋を行ってもよい。成形温度は、通常、10〜200℃、好ましくは25〜120℃である。架橋温度は、通常、100〜200℃、好ましくは130〜190℃であり、架橋時間は、通常、1分〜24時間、好ましくは2分〜1時間である。
また、ゴム架橋物は、その形状、大きさなどによっては、表面が架橋していても内部まで十分に架橋していない場合があるので、さらに加熱して二次架橋を行ってもよい。
このようにして得られる本発明のゴム架橋物は、ガソリン透過性が小さく、優れた耐サワーガソリン性および耐寒性を有するものである。そのため、本発明のゴム架橋物からなる層(I)を少なくとも1つの層とする一層または二層以上からなるホースとして好適に用いられ、燃料用ホースとして特に好適に用いられる。なお二層以上の積層体の場合においては、本発明のゴム架橋物からなる層(I)を内層、中間層、外層のいずれに用いてもよい。積層体の層(I)以外を構成する層(II)としては、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位含有量が好ましくは5〜55重量%、より好ましくは18〜45重量%であるニトリル共重合体ゴム(L)、ニトリル共重合体ゴム(L)とアクリル樹脂および/または塩化ビニル樹脂とを含有するものや、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、アクリルゴム、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合体、ブチルゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、ポリブチレンナフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらは一種単独でまたは複数種併せて用いることができる。
また、必要に応じて、層(I)と層(II)を接着させるために、層(I)、層(II)のいずれか/または両方にホスニウム塩、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7塩(DBU塩)、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)−ノネン−5塩(DBN塩)などを含有させてもよく、層(I)、層(II)の間に、新たな層(III)を接着層として用いてもよい。層(III)としては、上述した層(II)を構成する樹脂又はゴム組成物と同様の樹脂又はゴム組成物を用いることができる。層(III)としては、上述した層(II)を構成する樹脂又はゴム組成物を一種単独でまたは複数種併せて用いることができ、ホスニウム塩、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7塩(DBU塩)、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)−ノネン−5塩(DBN塩)などを含有させてもよい。
ここで、層(I)の厚みは、好ましくは0.1〜10mm、より好ましくは0.5〜5mmである。また、二層以上の積層体の場合においては、層(I)以外の層の厚みは、好ましくは0.1〜10mm、より好ましくは0.5〜5mmである。これらの単層ホース、二層以上の積層体からなる多層ホースは、たとえば、燃料用ホースとして好適に使用できる。
なお、上述のような構成を有する、本発明のゴム架橋物を含むホースを製造する方法としては、特に限定されないが、射出成形や押出成型などで製造することができる。押出形成の場合、押出機などを用いて筒状に成形し、それを架橋することにより本発明のホースとなる。本発明の架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物は、マンドレルクラックが発生しにくいという性質を有しているため、マンドレルを用いて製造することができる。
すなわち、ホースを、本発明の架橋物のみからなる単層のものとする場合には、まず、本発明の架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物を筒状に成形し、得られた筒状の成形体にマンドレルを挿入することにより形状を固定し、架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物を架橋させることにより製造することができる。
あるいは、ホースを、本発明の架橋物を含む多層のものとする場合には、本発明の架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物と、本発明の架橋物からなる層以外の層を形成することとなる樹脂又はゴム組成物と、を積層させながら筒状に成形し、得られた筒状の積層成形体にマンドレルを挿入することにより形状を固定し、架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物を架橋させることにより製造することができる。
また、本発明のゴム架橋物は、上記の他、パッキン、ガスケット、O−リング、オイルシール等のシール部材;オイルホース、燃料ホース、インレットホース、ガスホース、ブレーキホース、冷媒ホース等のホース類;に好適である。上記ガスホースのガスとしては、空気、窒素、酸素、水素、二酸化炭素、一酸化炭素、メタン、エタン、プロパン、ジメチルエーテル、LPG等が挙げられる。
本発明のニトリル共重合体ラテックス組成物は、本発明のニトリル共重合体ゴム組成物を与える他、それ自体が被覆用のラテックス組成物として有用である。なお、被覆用のラテックス組成物として用いる場合には、架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物に用いる架橋剤と同様の架橋剤を添加すれば良い。本発明のニトリル共重合体ラテックス組成物を用いて、対象物をゴム被覆する方法としては、本発明のラテックス組成物に、磁器製、ガラス製および金属製などの成形型を浸漬し、次いで、引上げて、表面付着層を加熱、固定させるディップ成形法;繊維に本発明のラテックス組成物を含浸させてロールなどで絞り、加熱、固定させるロール含浸法;繊維に本発明のラテックス組成物をスプレーで吹き付け加熱、固定させるスプレー含浸法;ゴム被覆対象物の表面に本発明のラテックス組成物を塗布して加熱、固定させる塗布法;などが挙げられる。
本発明のニトリル共重合体ラテックス組成物を、ディップ成形法に用いる場合には、その固形分濃度は、好ましくは15〜40重量%、より好ましくは25〜35重量%とする。固形分濃度を上記範囲とすることにより、均一な膜厚を有するディップ成形品が得られやすくなる。
また、本発明のニトリル共重合体ラテックス組成物を、ロール含浸法に用いる場合には、ラテックス組成物の固形分濃度は、繊維の種類および目標付着量によって変わるが、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは10〜30重量%である。繊維へのラテックス組成物の浸透は、ラテックス組成物の表面張力に影響されるため、表面張力は20〜50mN/mに調整するのが好ましい。ラテックス組成物の表面張力を調整する方法としては、アニオン性界面活性剤やノニオン性界面活性剤を添加する方法が挙げられる。
さらに、本発明のニトリル共重合体ラテックス組成物を、塗布法に用いる場合には、たとえば、塗工機を使用して、紙などの基材の上に塗工し、その後、熱風乾燥機で乾燥して基材上に塗工層を形成させる。塗工機としては、ブレードコーター、ロールコーター、カーテンコーター、ロッドコーターおよびエナーナイフコーターなどが挙げられる。塗工機によって、ラテックス組成物の固形分濃度は特に限定されず、用いる塗工機により異なるが、一般的には10〜60重量%である。塗工後の乾燥条件としては、一般的には100〜170℃程度の温度で数十秒程度である。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。以下において、特記しない限り「部」は重量基準である。なお、試験、評価は以下によった。
ムーニー粘度
ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、JIS K6300に準拠して測定した。
常態物性(引張強さ、伸び、100%引張応力、硬さ)
架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物(架橋性水素化ニトリル共重合体ゴム組成物)を縦15cm、横15cm、深さ0.2cmの金型に入れ、加圧しながら160℃で20分間プレス成形してシート状のゴム架橋物を得た。得られたシート状のゴム架橋物を用いてJIS K6251に従い、ダンベル状3号形で打ち抜いた試験片を用いてゴム架橋物の引張強さ、伸びおよび100%引張応力を、また、JIS K6253に従い、デュロメータ硬さ試験機タイプAを用いてゴム架橋物の硬さを、それぞれ測定した。
ガソリン透過係数
上記常態物性の評価に用いたシート状のゴム架橋物と同様のものを準備し、燃料油として「イソオクタンとトルエンとエタノールを重量比2:2:1で混合したもの」を使用して、アルミカップ法によりガソリン透過係数を測定した。具体的には、100ml容量のアルミニウム製のカップに、上記燃料油を50ml入れ、その上にシート状のゴム架橋物をのせ、これで蓋をして、締め具で、シート状のゴム架橋物によりアルミカップ内外を隔てる面積が25.50cmになるように調整し、該アルミカップを23℃の恒温槽内にて、放置し、24時間毎に重量測定することにより24時間毎の油の透過量を測定し、その最大量をガソリン透過係数とするものである(単位:g・mm/m・day)。
なお、ガソリン透過係数は低い程、好ましい。
脆化温度
上記常態物性の評価に用いたシート状のゴム架橋物と同様のものを用い、JIS K6261に従い、脆化温度を測定した。
押し出し加工性
架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物(「架橋性水素化ニトリル共重合体ゴム組成物」の場合を含む)を、シリンダー温度60℃、ヘッド温度80℃に設定したスクリュー型押出機に供給し、ASTM D2230のA法に定められたダイを通し、得られたゴム架橋物の表面肌の平滑性を評価することにより、押し出し加工性の評価を行った。
耐サワーガソリン試験
上記常態物性の評価に用いたシート状のゴム架橋物と同様のものを準備し、燃料油としての「イソオクタンとトルエンとエタノールを重量比2:2:1で混合したもの」にジラウロイルペルオキシドを3重量%の濃度で溶解させた試験油中に、温度40℃、500時間(試験油は168時間当たり2回の割合で新規のものと交換した。)の条件にて、シート状のゴム架橋物を浸漬させた。そして、500時間経過後のサンプルについて、JIS K6253に準拠して、引張試験を行い、引張試験による伸長時にクラックの発生の有無を観察し、耐サワーガソリン性を評価した。
製造例1(ニトリル共重合体ゴム(A1)のラテックスの製造)
反応容器に、水240部、アクリロニトリル75.7部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(乳化剤)2.5部を仕込み、温度を5℃に調整した。次いで、気相を減圧して十分に脱気してから、1,3−ブタジエン22部、重合開始剤であるパラメンタンヒドロペルオキシド0.06部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.02部、硫酸第一鉄(7水塩)0.006部およびホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム0.06部、ならびに連鎖移動剤のt−ドデシルメルカプタン1部を添加して乳化重合の1段目の反応を開始した。反応開始後、仕込み単量体に対する重合転化率が、それぞれ42重量%、60重量%に達した時点で、反応容器に1,3−ブタジエンをそれぞれ12部、12部追加して2段目、3段目の重合反応を行った。その後、仕込み全単量体に対する重合転化率が75重量%に達した時点でヒドロキシルアミン硫酸塩0.3部および水酸化カリウム0.2部を添加して重合反応を停止させた。反応停止後、反応容器の内容物を70℃に加温し、減圧下に水蒸気蒸留により未反応の単量体を回収してニトリル共重合体ゴム(A1)のラテックス(固形分:24重量%)を得た。
上記ラテックスの一部をサンプリングし、多量のメタノールで凝固後、ろ過、乾燥してニトリル共重合体ゴム(A1)を得た。得られたニトリル共重合体ゴム(A1)を構成する各単量体単位の含有割合を、日本電子株式会社製FT NMR装置(JNM−EX400WB)を用いて測定したところ、アクリロニトリル単量体単位50重量%、1,3−ブタジエン単位50重量%であった。また、ニトリル共重合体ゴム(A1)のムーニー粘度(ポリマー・ムーニー粘度)は75であった。
製造例2(ニトリル共重合体ゴム(A2)のラテックスの製造)
製造例1において、乳化重合1段目の反応の仕込み単量体として、アクリロニトリル75.7部および1,3−ブタジエン22部に加えて、2−ビニルピリジン2.2部をさらに使用した以外は、製造例1と同様にして、ニトリル共重合体ゴム(A2)のラテックス(固形分:24重量%)を得た。
得られたニトリル共重合体ゴム(A2)を構成する各単量体単位の含有割合を、製造例1と同様にして測定したところ、アクリロニトリル単量体単位50重量%、2−ビニルピリジン2重量%、1,3−ブタジエン単位48重量%であった。また、ニトリル共重合体ゴム(A2)のムーニー粘度(ポリマー・ムーニー粘度)は73であった。
製造例3(水素化ニトリル共重合体ゴム(A3)のラテックスの製造)
製造例1において得られたニトリル共重合体ゴム(A1)のラテックスについて、該ラテックスに含有される乾燥ゴム重量に対してパラジウム含有量が1000ppmになるように反応器にパラジウム触媒(1重量%酢酸パラジウムアセトン溶液と等重量のイオン交換水を混合した溶液)を添加して、水素圧3MPa、温度50℃で6時間水素添加反応を行い、水素化ニトリル共重合体ゴム(A3)のラテックスを得た。
得られた水素化ニトリル共重合体ゴム(A3)を構成する各単量体単位の含有割合を、製造例1と同様にして測定したところ、アクリロニトリル単量体単位50重量%、1,3−ブタジエン単位と飽和化ブタジエン単位との合計50重量%であった。また、水素化ニトリル共重合体ゴム(A3)のムーニー粘度(ポリマー・ムーニー粘度)は155であり、ヨウ素価は20であった。
製造例4(水素化ニトリル共重合体ゴム(A4)のラテックスの製造)
製造例2において得られたニトリル共重合体ゴム(A2)のラテックスについて、該ラテックスに含有される乾燥ゴム重量に対してパラジウム含有量が1000ppmになるように反応器にパラジウム触媒(1重量%酢酸パラジウムアセトン溶液と等重量のイオン交換水を混合した溶液)を添加して、水素圧3MPa、温度50℃で6時間水素添加反応を行い、水素化ニトリル共重合体ゴム(A4)のラテックスを得た。
得られた水素化ニトリル共重合体ゴム(A4)を構成する各単量体単位の含有割合を、製造例1と同様にして測定したところ、アクリロニトリル単量体単位50重量%、2−ビニルピリジン2重量%、1,3−ブタジエン単位と飽和化ブタジエン単位との合計48重量%であった。また、水素化ニトリル共重合体ゴム(A4)のムーニー粘度(ポリマー・ムーニー粘度)は163であり、ヨウ素価は30であった。
製造例5(塩化ビニル樹脂のラテックスの製造)
耐圧反応容器に、水120部、ラウリル硫酸ナトリウム0.8部および過硫酸カリウム0.06部を仕込んで、減圧脱気を2回くり返した後、塩化ビニルを100部仕込み、攪拌しつつ加温して47℃にて乳化重合を行った。重合転化率が90%に達した後、室温に冷却して未反応単量体を除去した。得られた塩化ビニル樹脂ラテックスの濃度は41重量%であった。塩化ビニル樹脂の平均粒径は0.3μmであり、JIS K6721による平均重合度は1,300、ガラス転移温度は80℃であった。
製造例6(アクリル樹脂のラテックスの製造)
温度計、撹拌装置を備えた反応器に、イオン交換水150部、オクチル硫酸ナトリウム2部、過硫酸アンモニウム(重合開始剤)0.3部、メタクリル酸メチル80部、アクリロニトリル20部およびt−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)0.05部を入れ、攪拌しながら温度80℃にて乳化重合を開始し、5時間後に反応を停止してラテックスを得た。得られたアクリル樹脂ラテックスの濃度は39重量%で重合転化率は98重量%であった。アクリル樹脂の平均粒径は0.2μmであり、数平均分子量は600,000、ガラス転移温度は103℃であった。
実施例1
板状充填剤(B)として精製ベントナイト(商品名「ベンゲル」、株式会社ホージュン製、膨潤力:35、5%スラリーとした場合のTI値:2.5)100部を、蒸留水1995部に、ポリアクリル酸ナトリウム5部の存在下に添加して強攪拌し、固形分濃度5%の板状充填剤水性分散液を得た。
そして、製造例1において製造したニトリル共重合体ゴム(A1)のラテックスを容器内で撹拌しつつ、上記にて調製した板状充填剤水性分散液を添加して分散させた。なお、板状充填剤水性分散液は、ニトリル共重合体ゴム(A1)のラテックスの固形分(ニトリル共重合体ゴム量)100部に対して、板状充填剤(B)20部となるように添加し、固形分(ニトリル共重合体ゴムと板状充填剤)濃度15%とすることにより、ニトリル共重合体ラテックス組成物を得た。そして、得られたニトリル共重合体ラテックス組成物を、そのラテックス組成物中のニトリル共重合体ゴム(A1)の量に対して4重量%となる量の塩化カルシウム(凝固剤)を含有する水溶液中に、凝固中の水溶液のpHが2となるよう10%希硫酸を適時添加してpHを調整しながら、撹拌下で注ぎ入れて凝固させニトリル共重合体ゴム(A1)、および板状充填剤(B)の混合物からなるクラムを生成させた。
そして、得られたクラムを濾別、水洗した後、60℃で減圧乾燥してニトリル共重合体ゴム組成物を得た。なお、精製ベントナイト(商品名「ベンゲル」)のアスペクト比を原子間力顕微鏡で測定した結果、280であった。
次いで、バンバリーミキサを用いて、ニトリル共重合体ゴム組成物中のニトリル共重合体ゴム(A1)100部に対して、FEFカーボンブラック(シーストSO、東海カーボン社製)2部、架橋助剤としての亜鉛華5部およびステアリン酸1部を添加して50℃にて混合した。そして、この混合物をロールに移して架橋剤である325メッシュ硫黄0.5部およびテトラメチルチウラムジスルフィド(商品名「ノクセラーTT」、大内新興化学工業社製)1.5部、およびN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(商品名「ノクセラーCZ」、大内新興化学工業社製、架橋促進剤)1.5部を添加して50℃で混練し、架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物を調製した。
得られた架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物を架橋して得られたゴム架橋物について、常態物性(引張強さ、伸び、100%引張応力、硬さ)、ガソリン透過係数、脆化温度、および耐サワーガソリン性の各評価を行った。結果を表1に示す。
実施例2
板状充填剤(B)として精製ベントナイト(商品名「ベンゲルブライト 23」、株式会社ホージュン製、膨潤力:27、5%スラリーとした場合のTI値:2.3)を使用した以外は、実施例1と同様にして、各組成物を調製し、同様にして評価を行った。なお、精製ベントナイト(商品名「ベンゲルブライト 23」)のアスペクト比を原子間力顕微鏡で測定した結果、260であった。結果を表1に示す。
実施例3
板状充填剤(B)として精製ベントナイト(商品名「ベンゲル HVP」、株式会社ホージュン製、膨潤力:42、5%スラリーとした場合のTI値:4.8)を使用した以外は、実施例1と同様にして、各組成物を調製し、同様にして評価を行った。なお、精製ベントナイト(商品名「ベンゲル HVP」)のアスペクト比を原子間力顕微鏡で測定した結果、285であった。結果を表1に示す。
実施例4
板状充填剤(B)として精製ベントナイト(商品名「ベンゲル HV」、株式会社ホージュン製、膨潤力:50、5%スラリーとした場合のTI値:4.0)を使用した以外は、実施例1と同様にして、各組成物を調製し、同様にして評価を行った。なお、精製ベントナイト(商品名「ベンゲル HV」)のアスペクト比を原子間力顕微鏡で測定した結果、295であった。結果を表1に示す。
実施例5
板状充填剤(B)として合成マイカ(商品名「DMA−350」、トピー工業社製、膨潤力:25、5%スラリーとした場合のTI値:2.3)を使用した以外は、実施例1と同様にして、各組成物を調製し、同様にして評価を行った。なお、合成マイカ(商品名「DMA−350」)のアスペクト比を原子間力顕微鏡で測定した結果、1000であった。結果を表1に示す。
実施例6
ニトリル共重合体ゴム(A1)のラテックスの代わりに、製造例2で製造したニトリル共重合体ゴム(A2)のラテックスを使用した以外は、実施例1と同様にして、各組成物を調製し、同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
実施例7
架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物を調製する際に、ニトリル共重合体ゴム(A1)100部に対して、製造例5で得られた塩化ビニル樹脂のラテックス(塩化ビニル樹脂は45部)をさらに添加し、可塑剤(C)としてのアジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)35部をさらに加えた以外は、実施例1と同様にして、ニトリル共重合体ゴム組成物を得た。得られたニトリル共重合体ゴム組成物をロールで170℃で5分間混錬した後、実施例1と同様に架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物を調製し、同様にして評価を行った。なお、可塑剤(C)としてのアジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)(商品名「アデカサイザーRS−107」、旭電化工業社製)は、アジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)の50重量%水性エマルジョンに、乳化剤としてのオレイン酸カリウムをアジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)の2重量%添加し、強撹拌下で混合することにより水分散液とし、水分散液として添加した。結果を表1に示す。
実施例8
架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物を調製する際に、ニトリル共重合体ゴム(A1)100部に対して、製造例6で得られたアクリル樹脂のラテックス(アクリル樹脂は45部)をさらに添加し、可塑剤(C)としてのアジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)(商品名「アデカサイザーRS−107」、旭電化工業社製)35部をさらに加えた以外は、実施例1と同様にして、各組成物を調製し、同様にして評価を行った。なお、可塑剤(C)としてのアジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)は、実施例7と同様に、水分散液として添加した。結果を表1に示す。
実施例9
ニトリル共重合体ゴム組成物を調製する際に、ニトリル共重合体ゴム(A1)100部に対して、可塑剤(C)としてのアジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)(商品名「アデカサイザーRS−107」、旭電化工業社製)10部をさらに添加した以外は、実施例1と同様にして、各組成物を調製し、同様にして評価を行った。なお、可塑剤(C)としてのアジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)は、実施例7と同様に、水分散液として添加した。結果を表1に示す。
比較例1
板状充填剤(B)として精製ベントナイト(商品名「ベンゲルブライト 11」、株式会社ホージュン製、膨潤力:6、5%スラリーとした場合のTI値:1.3)を使用した以外は、実施例1と同様にして、各組成物を調製し、同様にして評価を行った。なお、精製ベントナイト(商品名「ベンゲルブライト 11」)のアスペクト比を原子間力顕微鏡で測定した結果、35であった。結果を表1に示す。
比較例2
板状充填剤(B)として精製モンモリロナイト(商品名「クニピアF」、クニミネ工業社製、膨潤力:65、5%スラリーとした場合のTI値:5.4)を使用した以外は、実施例1と同様にして、各組成物を調製し、同様にして評価を行った。なお、精製ベントナイト(商品名「クニピアF」)のアスペクト比を原子間力顕微鏡で測定した結果、300であった。結果を表1に示す。
比較例3
板状充填剤(B)として精製ベントナイト(商品名「ベンゲル 2M」、株式会社ホージュン製、膨潤力:69、5%スラリーとした場合のTI値:5.5)を使用した以外は、実施例1と同様にして、各組成物を調製し、同様にして評価を行った。なお、精製ベントナイト(商品名「ベンゲル 2M」)のアスペクト比を原子間力顕微鏡で測定した結果、310であった。結果を表1に示す。
比較例4
板状充填剤(B)としてベントナイト(商品名「赤城」、株式会社ホージュン製、膨潤力:5、5%スラリーとした場合のTI値:1.2)を使用した以外は、実施例1と同様にして、各組成物を調製し、同様にして評価を行った。なお、ベントナイト(商品名「赤城」)のアスペクト比を原子間力顕微鏡で測定した結果、30であった。結果を表1に示す。
比較例5
ニトリル共重合体ゴム(A1)のラテックスの代わりに、製造例2で製造したニトリル共重合体ゴム(A2)のラテックスを使用した以外は、比較例3と同様にして、各組成物を調製し、同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
比較例6
板状充填剤(B)として精製ベントナイト(商品名「ベンゲルA」、株式会社ホージュン製、膨潤力:42、5%スラリーとした場合のTI値:7.5)を使用した以外は、実施例1と同様にして、各組成物を調製し、同様にして評価を行った。なお、精製ベントナイト(商品名「ベンゲルA」)のアスペクト比を原子間力顕微鏡で測定した結果、290であった。結果を表1に示す。
実施例10
ニトリル共重合体ゴム(A1)のラテックスの代わりに、製造例3で製造した水素化ニトリル共重合体ゴム(A3)のラテックスを使用した以外は、実施例1と同様にして、各組成物を調製し、同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
実施例11
ニトリル共重合体ゴム(A1)のラテックスの代わりに、製造例4で製造した水素化ニトリル共重合体ゴム(A4)のラテックスを使用した以外は、実施例1と同様にして、各組成物を調製し、同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
実施例12
実施例6と同様にして、ニトリル共重合体ゴム(A2)、および板状充填剤(B)の混合物からなるクラムを得て、得られたクラムを濾別、水洗した後、60℃で減圧乾燥し、次いで、バンバリーミキサーを用いて、上記乾燥クラムに、該クラム中のニトリル共重合体ゴム(A2)100部に対して、粒子状充填剤(D)としての未処理の炭酸カルシウム(商品名「シルバーW」、白石工業社製、アスペクト比3.5、平均粒径3μm、比表面積5.5m/g)20部、FEFカーボンブラック(商品名「シーストSO」、東海カーボン社製)2部、架橋助剤としての亜鉛華5部およびステアリン酸1部を添加して50℃にて混合した。そして、この混合物をロールに移して架橋剤である325メッシュ硫黄0.5部、テトラメチルチウラムジスルフィド(商品名「ノクセラーTT」、大内新興化学工業社製)1.5部、およびN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(商品名「ノクセラーCZ」、大内新興化学工業社製、架橋促進剤)1.5部を添加して50℃で混練し、架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物を作製した。
そして、得られた架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物を架橋して得られたゴム架橋物について、上述した常態物性(引張強さ、伸び、100%引張応力、硬さ)、ガソリン透過係数、脆化温度、および耐サワーガソリン性の各評価に加えて、押し出し加工性の各評価を行った。結果を表3に示す。
実施例13
粒子状充填剤(D)として、未処理の炭酸カルシウム(シルバーW)15部の代わりに、表面を脂肪酸で処理した炭酸カルシウム(商品名「白艶華CC」、白石工業社製、アスペクト比1.0、平均粒径0.05μm、比表面積26m/g)20部を用いた以外は、実施例12と同様にして、架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物を作製し、実施例12と同様に評価を行った。結果を表3に示す。
実施例14
粒子状充填剤(D)として、未処理の炭酸カルシウム(シルバーW)15部の代わりに、表面をロジン酸で処理した炭酸カルシウム(商品名「白艶華O」、白石工業社製、アスペクト比1.0、平均粒径0.03μm、比表面積51m/g)20部を用いた以外は、実施例12と同様にして架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物を作製し、実施例12と同様に評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0005617638
Figure 0005617638
Figure 0005617638
表1,2より、ニトリル共重合体ラテックス組成物(水素化ニトリル共重合体ラテックス組成物)に、水に対する膨潤力が15〜55(ml/2g)であり、かつ、5%スラリーとした場合におけるTI値が1〜6である板状充填剤を含有させ、これを凝固し、架橋剤を加えて架橋することにより得られるゴム架橋物は、常態物性が良好で、ガソリン透過係数が小さく、脆化温度が低く、耐サワーガソリン性に優れたものとすることができる(実施例1〜11)。
また、表3より、粒子状充填剤(D)をさらに配合した場合には、常態物性が良好で、ガソリン透過係数が小さく、脆化温度が低く、耐サワーガソリン性に優れたものとしながら、押し出し加工性を良好なものとすることが可能であった(実施例12〜14)。
一方、水に対する膨潤力が15(ml/2g)未満である板状充填剤を用いた場合には、ガソリン透過性が劣化する結果となった(比較例1,4)。
また、水に対する膨潤力が55(ml/2g)超である板状充填剤を用いた場合には、脆化温度が高くなり、耐寒性に劣る結果となった(比較例2,3,5)。
また、水に対する膨潤力が15〜55(ml/2g)でも、5%スラリーとした場合におけるTI値が6を超える板状充填剤を用いた場合には、脆化温度が高くなり、耐寒性に劣る結果となった(比較例6)。

Claims (9)

  1. α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位20〜70重量%を有するニトリル共重合体ゴム(A)のラテックスと、板状充填剤(B)とを含有
    前記板状充填剤(B)、水に対する膨潤力が15〜55(ml/2g)であり、かつ、水媒体に対して5重量%の濃度で混合してスラリーとした場合におけるチクソトロピックインデックス(TI値)が1〜6であり、
    前記ニトリル共重合体ゴム(A)100重量部に対する、前記板状充填剤(B)の比率が、1〜200重量部である燃料ホース用のニトリル共重合体ラテックス組成物を、
    凝固剤により凝固した後、乾燥して得られる燃料ホース用のニトリル共重合体ゴム組成物に、
    硫黄系架橋剤または有機過酸化物架橋剤を加えることを特徴とする、燃料ホース用の架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物の製造方法。
  2. 前記ニトリル共重合体ゴム(A)が、カチオン性単量体単位および/またはカチオンを形成可能な単量体単位をさらに有し、前記ニトリル共重合体ゴム(A)中における、前記カチオン性単量体単位および/またはカチオンを形成可能な単量体単位の含有割合が、0.1〜20重量%である請求項1に記載の燃料ホース用の架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物の製造方法
  3. 前記ニトリル共重合体ゴム(A)が、共役ジエン単量体単位をさらに有し、前記ニトリル共重合体ゴム(A)中における、前記共役ジエン単量体単位の含有割合が、10〜79.9重量%である請求項1または2に記載の燃料ホース用の架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物の製造方法
  4. 前記板状充填剤(B)のアスペクト比が30〜2,000である請求項1〜3のいずれかに記載の燃料ホース用の架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物の製造方法
  5. 前記板状充填剤(B)が、スメクタイト類である請求項1〜4のいずれかに記載の燃料ホース用の架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物の製造方法
  6. 前記燃料ホース用のニトリル共重合体ゴム組成物が、可塑剤(C)をさらに含有する請求項1〜5のいずれかに記載の燃料ホース用の架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物の製造方法
  7. 前記ニトリル共重合体ゴム(A)が、炭素−炭素不飽和結合部分のうち少なくとも一部が水素化された水素化ニトリル共重合体ゴムである請求項3〜6のいずれかに記載の燃料ホース用の架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物の製造方法
  8. 前記燃料ホース用のニトリル共重合体ゴム組成物が、前記ニトリル共重合体ゴム(A)100重量部に対して、10〜150重量部の塩化ビニル樹脂および/またはアクリル樹脂をさらに含有する請求項1〜7のいずれかに記載の燃料ホース用の架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物の製造方法
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法で得られた燃料ホース用の架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物を架橋してなる燃料ホース用のゴム架橋物。
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